カテゴリー: WEC (FIA世界耐久選手権)

  • 【WEC】 アウディ:2016 WEC 第8戦 上海6時間 決勝レポート

    【WEC】 アウディ:2016 WEC 第8戦 上海6時間 決勝レポート

    FIA世界耐久選手権(WEC)第8戦 上海大会で、アウディ6人のドライバーとチームは、多くの不運にも関わらず勝利への集中力を絶やすこと無く闘い続け18ポイントを獲得した。貴重なポイントを獲得したことで、アウディは2週間後にバーレーンで開催される最終戦に、マニュファクチャラーズ チャンピオンシップのランキング2位で臨むこととなった。

    ルーカス・ディ・グラッシ / ロイック・デュバル / オリバー・ジャービス組が駆るゼッケン8号車は、1時間を経過する時点でトップに6.4秒差の2番手を快走していた。

    しかし、最初のピットストップの時、異変に見舞われ、燃料タンクには計算より明らかに少ない量の燃料しか入らなかった。その後ピットストップの時間を短くするためにメカニックが不具合を修正するまで多くの時間を必要としたが、その後5位までポジションを回復した。

    一方マルセル・ファスラー / アンドレ・ロッテラー / ブノワ・トレルイエ組のゼッケン7号車は、レース序盤に6番手を維持し、3時間が経過する頃には5番手に浮上しようとしていたが、周回遅れのマシンをオーバーテイクする際、オリバー・ジャービスのマシンとブノワ・トレルイエのマシンが接触。マシンの右側を接触した7号車は、圧縮空気のパイプが破損し、次のピットストップでエアジャッキが作動しなくなった。このトラブル修復にチームは25分を要し、一時は14周差の16位までポジションを下げたが、その後猛追を見せ6位でゴールした。

    アウディモータースポーツ代表のDr. ヴォルフガング・ウルリッヒはレースを振り返り、「今レースで見舞われた不運について非常に残念に思っています。チームメンバーおよびドライバーの仕事ぶりについては満足しています。彼らは6時間後のゴールまで、決して諦めることなく闘い続けました。その甲斐あって、我々は貴重な18ポイントを獲得し、年間ランキング2位を堅持したので、最終戦で年間2位を獲得する可能性を残しています」とコメント。

    アウディスポーツ LMPプログラムの責任者ステファン・ドライヤーも「5月以来、我々は優勝を含む表彰台獲得し続けてきました。そして本日、トロフィー獲得を望んでいましたが、叶いませんでした。その代わり、非常に素晴らしい不屈の耐久レーススピリットを発揮することが出来ました。例え成功の見通しが高くなくとも、1ポイントでも多く獲得するために闘い続けることはとても価値があることです。価値ある闘いを続けてくれたチーム全員に感謝しています」とコメント。

    わずか2週間後、アウディは感動的な最終戦を迎える。11月19日にバーレーンにおいて開催されるWEC第9戦は、単にWECの2016シーズン最終戦というだけに留まらない。106回の優勝を含む、これまで18年間におよぶ数々の偉業を残してきたアウディは、次戦をもって、先進的かつ実験的なカテゴリーであるルマンプロトタイプ(LMP)カテゴリーへの参戦を終了する。

  • 【WEC】 ポルシェ、2年連続でマニュファクチュアラータイトルを獲得

    【WEC】 ポルシェ、2年連続でマニュファクチュアラータイトルを獲得

    ポルシェが、再び世界チャンピオンの座に輝いた。

    シュトゥットガルト-ツッフェンハウゼンのスポーツカーブランドであるポルシェが、FIA世界耐久選手権のシーズン最終戦を待たず、革新的なル・マン・プロトタイプ、ポルシェ919ハイブリッドでマニュファクチュアラー部門のタイトルを獲得した。

    11月6日に上海で開催された6時間耐久レースにおいて、ティモ・ベルンハルト / ブレンドン・ハートレー / マーク・ウェバー組、およびロマン・デュマ / ニール・ジャニ / マルク・リーブ組が、それぞれ1位および4位でフィニッシュし、ポルシェが38ポイントを獲得した。

    これによりポルシェの合計ポイントは301となり、アウディ(222ポイント)およびトヨタ(207ポイント)が11月19日のバーレーンにおける最終戦でポルシェを上回ることが不可能となった。

    ポルシェAGの研究開発担当役員であるミヒャエル・シュタイナーは、現地でのタイトル獲得に際して、「ポルシェにとって2年連続となるマニュファクチュアラーチャンピオンシップのタイトル獲得は、919ハイブリッドの勇敢なコンセプトの正しさを改めて証明しました。ヴァイザッハで開発されたこのプロトタイプは、718 RS、904、917や956など、常に時代を先行していた歴史に残るポルシェのレースカーの仲間入りを果たしました。これらすべてのモデルがモータースポーツの歴史を塗り替え、市販車両の開発に大きく貢献してきました。これは、919ハイブリッドも同じです。私はチーム全員を誇りに思います」と述べた。

    LMP1担当副社長であるフリッツ・エンツィンガーは、「この大きな成功が達成できたのは、チームの多大な努力があったからこそです。メカニック、エンジニア、ドライバー、そして舞台裏の数多くの人々がタイトルに向けて懸命に戦ってきました。今日、昨シーズンに続きそれが報われました。これは、919ハイブリッドだけでなく、チームがどれほど優秀なのかを証明するものです。心の底から皆に感謝しています」と続けた。

    未来的なポルシェ919ハイブリッドにとって、これはサクセスストーリーの新たな章となる。2014年、このル・マン・プロトタイプ(LMP1)が独自のパワートレーンコンセプトとともにデビューした。ポルシェはル・マン24時間レースで2015年、2016年に総合優勝を果たし、通算18勝を挙げている。2015年は、若きチームにとって2年目のシーズンだったが、通算17回目のル・マン優勝に加えてポルシェはマニュファクチュアラーチャンピオンシップも手にした。
    昨年は、ベルンハルト / ハートレー / ウェバーが神経がすり減るようなバーレーンの最終戦でドライバー部門のタイトルを獲得した。現在、残り1戦の時点で、今年のル・マンで優勝したデュマ / ジャニ / リーブがドライバー部門をリードしている。これまでの24戦で、ポルシェ919ハイブリッドは13勝、15回のポールポジションを記録している。

    ポルシェ・チームがサーキットで栄冠を手にする一方、最も重要な成功はシュトゥットガルト近郊のヴァイザッハにあるポルシェ研究開発センターで達成されている。システム出力900PS(662kW)を発生する919ハイブリッドは、ポルシェ・モータースポーツと市販車両の開発チームが密接な連携を取って生まれた。内燃エンジンは、革新のダウンサイジングエンジン。このコンパクトな2リッターV4ガソリンエンジンにターボチャージャーが搭載され、ほぼ500PS(368kW)でリアアクスルを駆動する。フロントアクスルのブレーキエネルギーと排気エネルギーを利用する2系統のエネルギー回生システムにより生み出されたパワーは、リチウムイオンバッテリーに蓄えられる。このバッテリーのエネルギーを使用して、電気モーターがオンデマンドでフロントアクスルに400 PS(294 kW)以上の出力を供給する。

    919ハイブリッドシステムの設計において、ポルシェ・モータースポーツは先駆的な仕事をした。特に、高電圧技術の分野において、電気により未来の公道を走るスポーツカーの電圧レベルを調べるための実験室の役割を果たしている。このようにサーキットから得たフィードバックによって、市販車の開発陣が800 Vテクノロジーを採用した4ドアのコンセプトスタディであるミッションEを提唱するに至った。ポルシェ初となるEVスポーツカーは、2020年までに生産開始予定。

    関連:【動画】 2016 WEC 第8戦 上海6時間レース ハイライト

  • トヨタ:2016 WEC 第8戦 上海6時間 決勝レポート

    トヨタ:2016 WEC 第8戦 上海6時間 決勝レポート

    11月6日(日)中国の上海国際サーキットで、FIA世界耐久選手権(WEC)第8戦上海6時間レースの決勝が行われ、TOYOTA GAZOO Racingの2台のTS050 HYBRIDが2位、3位表彰台を獲得した。

    夕方午後5時過ぎ、夕やみ迫る上海国際サーキットの一角が煌々(こう々)とした灯りに照らし出された。上海6時間レースの勝者を讃える表彰台。中央にポルシェのドライバーを挟んで、2位、3位の栄えあるポジションを独占したのはTOYOTA GAZOO Racingの2台のTS050 HYBRIDを操った6人のドライバー達だ。

    2位に入ったのは#6号車、3位に#5号車。6時間を通してポルシェと激しい戦いを展開した結果、獲得した栄冠だ。

    このレースでは2位に入った#6号車の速さが際だっていた。実は#6号車はマイク・コンウェイのドライブ中、2度にわたってパンクという不運に見舞われた。にもかかわらず2位を手に入れることが出来たのは、クルマ自体のスピードと、見事なピットワークだったと言えるだろう。

    4戦連続の表彰台となる2位に入ったことで#6号車のドライバー達は逆転ドライバーズタイトルへの望みを繋いだ。首位のポルシェ#2号車のドライバー達との差は17点に縮まり、その結果、タイトル争いは2週間後に行われる最終戦バーレーンに持ち越されることとなった。

    #5号車にとればこの上海のレースが今シーズン初の表彰台だった。この結果、TOYOTA GAZOO Racingはマニュファクチャラーズ選手権でも2位獲得の可能性を最終戦に残すことになった。バーレーン戦を前にアウディに15点差に迫っており、バーレーンで2台が最多得点を挙げれば44点を獲得出来る。

    レースは激しく順位の入れ替わる接戦だった。今季初めて最前列からのスタートになった#5号車は、セバスチャン・ブエミのドライブで一時トップに立つが、その後ペースが落ちて5位に転落。4位となった#6号車は、スタート後1時間半過ぎた頃にアウディ#8号車の予定外のピットストップに助けられて3位に上がり、#5号車も4位に浮上した。

    その後も2台のトヨタはポルシェ#2号車と激しい順位争いを展開、レースが2時間半を過ぎた頃に小林が強烈な走りでポルシェ#2号車を抜き去って、見事2番手につけた。さらにトヨタの攻撃は続き、ブエミに替わった#5号車もポルシェ#2号車を捕らえ、3番手に上がる俊足を見せた。ところがここで、コンウェイのドライブ中に左後輪がパンクして4位に後退、代わって#5号車が3番手に上がった。

    #6号車には更に不運が続いた。ゴールまで1時間半を切った頃、再びパンクに見舞われて、予定より早いピットストップを強いられた。しかし、そのタイミングに小林に交替した#6号車はポジション奪回の攻撃的な走りを展開、まず#5号車を抜き去り、さらにポルシェ#2号車を捕らえた。

    ゴールまで僅かな時間を残して各車が最後のピットストップを行った際、#5号車もポルシェ#2号車をかわして3位に上がった。#6号車は2度のパンクから立ち直って2位を快走。しかし、トップを走るポルシェ#1号車との間隔は1分ほど開いており、TOYOTA GAZOO Racingの2台のTS050 HYBRIDは2位、3位でチェッカー。2014年の上海以来となる2台揃っての表彰台獲得となった。

    TS050 HYBRID #5号車(中嶋一貴、アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミ)
    決勝: 3位、195周、ピットストップ6回、スターティンググリッド:2番手、最速ラップ(1分46秒791)

    TS050 HYBRID #6号車(小林可夢偉、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイ)
    決勝: 2位、195周、ピットストップ7回、スターティンググリッド:4番手、最速ラップ(1分46秒822)

    佐藤俊男 (TOYOTA GAZOO Racing代表)
    まず、マニュファクチャラーズチャンピオンを獲得したポルシェ・チームにお祝いを申し上げたいと思います。2年連続のタイトル獲得は素晴らしい偉業と言えます。今回、何度か不運にも見舞われましたが、今シーズン初めて2台のTS050 HYBRIDが共に表彰台を獲得できたことをとても嬉しく思います。ここ3戦と同様にLMP1-H車両で参戦する3社が三つ巴の激しい接近戦を繰り広げました。これは、WECシリーズの戦いのレベルの高さを物語る事実であり、本日上海サーキットにお越し頂いたたくさんのファンの皆様にも十分お楽しみいただけたものと思います。限られた時間の中で次戦バーレーンでの最終戦に向けての準備となりますが、更なる改良を進め、勝利に向けて再び臨みたいと思っています。

    中嶋一貴
    #5号車のチームスタッフ全員にとっても本当に嬉しい結果です。今年多くの不運に見舞われながらも、チーム全員が努力を続けてくれたおかげで再び表彰台に上ることが出来ました。これが、幸運への転機になってくれることを望みます。自分自身としては厳しいレースでしたが、チームメイトが素晴らしいドライビングを見せてくれましたし、ポルシェ#2号車の前でフィニッシュ出来たことで、#6号車の助けが出来たのも良かったと思っています。

    アンソニー・デビッドソン
    ここまで運に恵まれない内容が続いてきただけに、表彰台に戻ることが出来て本当に嬉しいです。もちろんもっと上のポジションを望んでいましたが、3位は悪くありません。レースはコース上の混雑や路面に散らばったタイヤのカスで大変でした。本日の展開の中で我々の目標はポルシェ#2号車の前でフィニッシュすることで、それが達成出来て良かったです。我々にとっては2015年のシルバーストン以来の表彰台で長い時間がかかりましたが、2台揃って表彰台に乗れたのは素晴らしいことです。

    セバスチャン・ブエミ
    我々#5号車にとっては本当に厳しいシーズンでしたが、それだけに表彰台に乗れた喜びはひとしおです。我々は今日の決勝レースで高い競争力を発揮することが出来、ペースで及ばなかったのはポルシェ#1号車だけでした。#5号車を表彰台に戻すために厳しい仕事を続けてくれたチームに感謝します。本当に嬉しいです。最終戦のバーレーンでも表彰台を目指します。次のレースを迎えるのが楽しみです。

    小林可夢偉
    今日のレースには満足しています。レースの不運を考えれば2位は良い結果です。予期せぬトラブルで失ったタイムを取り戻すべく全力で走りました。我々のTS050 HYBRIDは調子が良く、コース上の周回遅れをかわすのもとても上手く行きました。チーム一丸となってシーズンを通して懸命の改良を続けてきただけに、トヨタの2台が揃って表彰台に上るのを見るのは嬉しいものです。この調子を維持し、良い結果でシーズンを締めくくりたいと思います。

    ステファン・サラザン
    富士に続いての連勝はかないませんでしたが、良いレースでした。我々のTS050 HYBRIDは週末を通して素晴らしい速さを見せました。不運にも2度のタイヤのパンクに見舞われてしまいましたが、パンクしていなかったとしてもどうなったかは誰にも分かりませんし、今日の結果に満足しています。まだチャンピオン獲得の可能性は残っています。17ポイントは決して容易な差ではありませんが、我々のTS050 HYBRIDには速さがあるので、最後まで全力を尽くします。

    マイク・コンウェイ
    全体的に順調な一日で、また表彰台に乗れたのは最高です。2度にわたってパンクに見舞われたのは残念でしたが、チームの素晴らしい対応のおかげで、今日のレースでは最良の結果が得られたと思います。最後まで上位争いが出来たのはチーム全員の努力のおかげです。そして、#5号車が表彰台に上がれたことは、彼らだけでなくチームにとっても良い結果でした。

    関連:【動画】 2016 WEC 第8戦 上海6時間レース ハイライト

  • 【動画】 2016 WEC 第8戦 上海6時間レース ハイライト

    【動画】 2016 WEC 第8戦 上海6時間レース ハイライト

    FIA世界耐久選手権(WEC)第8戦上海6時間レースの決勝が6日(日)、中国の上海国際サーキットで行われた。

    レースは、ポルシェ1号車が圧倒的な速さを見せてポール・トゥ・ウィン。2016年のコンストラクターズタイトルを決めた。

    2位と3位にはトヨタの6号車と5号車が続き、2014年の上海以来となる2台揃っての表彰台獲得。

    トヨタ6号車は2度のパンクという不運に見舞われたが、小林可夢偉が強烈な走りをみせて4戦連続の表彰台となる2位に入ったことで逆転ドライバーズタイトルへの望みを繋いだ。

    Full Race Highlights – 6 Hours of Shanghai

    関連:WEC 上海6時間レース 結果:優勝はポルシェ、トヨタがダブル表彰台

  • WEC 上海6時間レース 結果:優勝はポルシェ、トヨタがダブル表彰台

    WEC 上海6時間レース 結果:優勝はポルシェ、トヨタがダブル表彰台

    FIA世界耐久選手権(WEC) 第8戦 上海6時間レースの決勝レースが6日(日)、上海インターナショナル・サーキットで行われた。

    優勝はポールポジションからスタートしたポルシェの1号車(ティモ・ベルンハルト / ブレンドン・ハートレー / マーク・ウェバー)。2位にはトヨタの6号車(小林可夢偉 / ステファン・サラザン / マイク・コンウェイ)、3位にはトヨタの5号車(中嶋一貴 / アンソニー・デビッドソン / セバスチャン・ブエミ)が続き、トヨタがダブル表彰台を獲得。

    今回の結果でポルシェが2016年のマニュファクチャラータイトルを獲得。トヨタ6号車は最終戦へドライバーズタイトルへの望みを繋いだ。

    LMP2クラスは、G-Drive Racingの26号車が優勝。2位にはEXTREME SPEED MOTORSPORTSの30号車、3位にはRGR Sport by Morandの43号車が続いた。

    LMP2クラスは、4位でフィニッシュしたSignatech Alpineの36号車がドライバーズタイトルを獲得した。

    GTE ProクラスはFord Chip Ganassi Team UKの17号車、GTE AmクラスではAston Martin Racingの98号車が優勝した。

  • トヨタ:2016 WEC 第8戦 上海6時間 予選レポート

    トヨタ:2016 WEC 第8戦 上海6時間 予選レポート

    素晴らしい天候に恵まれ、久し振りに澄んだ空気となった11月5日(土)、上海郊外にある上海国際サーキットでFIA世界耐久選手権(WEC)第8戦上海6時間レースの予選が行われ、TOYOTA GAZOO Racingの2台のTS050 HYBRIDは最前列2番手、2列目4番手のグリッドを獲得した。

    TOYOTA GAZOO Racingが参戦するLMPクラスの予選は予定より17分遅れて午後2時17分にスタートし、20分間にわたって行われた。

    WECの予選は2人のドライバーがタイムアタックを行い、2人が記録したタイムの平均で予選グリッドを決定する。ゆえに、2人のドライバーは小さなミスも許されない。

    TS050 HYBRID #5号車はセバスチャン・ブエミと中嶋一貴がアタックを担当。まずブエミ、次に中嶋、さらにブエミがアタックし、セッション終了間際の最終ラップでブエミが1分44秒368をマーク。平均タイムを1分44秒522まで更新し首位からわずか0.06秒差に迫った。#5号車は僅差でポールポジションを逃すこととなったが、最前列2番手グリッドを獲得し明日の決勝に臨む。

    TS050 HYBRID #6号車は、まずマイク・コンウェイからタイムアタックを開始、10分ほど経ったところでステファン・サラザンに交替、終盤再びコンウェイがタイム更新を目指しアタックしたが、2人の平均タイムは1分44秒810で4番手グリッドとなった。今回の予選はトヨタの2台を含むLM P1クラスの6台が0.6秒の中に入る僅差となっており、今大会明日の決勝レースも超接近戦となることが予想される。ドライバーズランキング2位につけ、逆転タイトルを狙う#6号車は前戦富士と同じく、この4番手グリッドから、2戦連続の勝利を目指す。

    6時間の決勝レースは明日11月6日(日)、現地時間午前11時(日本時間正午)にスタートが切られる。

    TS050 HYBRID #5号車(中嶋一貴、アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミ)
    公式練習第3回目: 6番手 (1分45秒663), 26周
    公式予選 2番手 (平均1分44秒522)

    TS050 HYBRID #6号車(小林可夢偉、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイ)
    公式練習第3回目: 2番手 (1分44秒819), 27周
    公式予選 4番手 (平均1分44秒810)

    中嶋一貴
    今日午前中の公式練習3回目は満足できる車両の仕上がりとは言い難い状況でしたが、#6号車とも協力し、セットアップを詰めていったことで、午後の予選では良いレベルに仕上がりました。決勝レースでの車両バランスはもちろん予選とは違うものですが、明日こそ最高のパフォーマンスを発揮出来るように努力を続けます。今日の予選でライバルと同等のタイムを出せたことで決勝レースは本当に期待できるものとなります。キーになるのは安定したラップを刻めるかどうかでしょう。

    セバスチャン・ブエミ
    今日の予選でも高い競争力を発揮出来たのは素晴らしいことです。残念だったのは最終コーナーでLM P2カーに引っかかってしまったことで、あれがなければポールポジションを獲得出来ていたかなと思っています。しかし全体的に見れば今日のパフォーマンスは、チームに取って充分に満足行くものです。これでますます明日の決勝レースが楽しみになりました。勝利を目指して戦います。

    ステファン・サラザン
    我々のTS050 HYBRIDのパフォーマンスを考えれば、もう少し上のグリッドが狙えたと思います。マイクはコース上の混雑に阻まれなければ、最後のアタックラップでは更に速いタイムが出せたでしょう。しかし、予選で速さを示せたときは、決勝でも強さを発揮出来るものです。勝利という目標へ向けてとても良い兆候です。

    マイク・コンウェイ
    コース路面は予選のセッションが進むにつれて良くなっていくように見えたので、最後にタイムを更新すべく二度目のアタックをかけました。しかし、第1、第2コーナーで他車に阻まれる形となってしまい、タイム更新が果たせなかったのは少し残念です。最後に#5号車が素晴らしいラップタイムをマークしてくれたことで、明日は我々も力強いレースが出来ると確信しています。明日は、また見応えのあるレースが展開されるはずです。

  • トヨタ:2016 WEC 第8戦 上海6時間 公式練習レポート

    トヨタ:2016 WEC 第8戦 上海6時間 公式練習レポート

    FIA世界耐久選手権(WEC)第7戦 富士6時間レースで勝利を飾ったTOYOTA GAZOO Racingは、その勢いを駆って中国・上海での第8戦・上海6時間レースに挑む。

    初日となる11月4日(金)は午前10時と午後3時半から、それぞれ1時間半ずつの公式練習走行が行われた。

    公式練習1回目ではTS050 HYBRID #5号車はセバスチャン・ブエミが乗り込み1分47秒445のタイムで3番手、TS050 HYBRID #6号車は小林可夢偉が1分47秒632で4番手のタイムを記録した。公式練習2回目では#5号車が4番手(1分46秒812)、#6号車は6番手(1分47秒860)だった。

    今年のWECもこの上海6時間レースを含めて残り2戦。#6号車の3人のドライバーは現在ドライバーズ選手権でトップのポルシェ#2号車のドライバーに対し23点差の2位に付けており、残り2戦のレース結果次第では十分に逆転の可能性を秘めている。そのためには決勝レースで上位入賞が必須条件で、チームは初日から決勝レースに向けて着実にセッティングを行っている。上海は長いストレートと複雑なコーナーを備えたサーキットで、空力性能とサスペンション・セッティングの両方が高い次元で求められる。

    車両のセッティングばかりではなく、何種類か用意されたミシュラン・タイヤのゴムのコンパウンドから比較的低い路面温度に最適なものを選択することも重要な仕事だ。今日の路面温度は22℃。週末を通してほぼ同様の気温、路面温度が予想される。

    本日行われた2度の公式練習走行で、2台のTS050 HYBRIDが走破した距離は147周・801km。明日は午前9時から1時間の公式練習3回目が行われ、午後2時から20分間にわたってLMP1とLMP2クラスの予選が行われる。決勝レースは11月6日(日)の午前11時(日本時間正午)にスタートが切られる。

    TS050 HYBRID #5号車(中嶋一貴、アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミ)
    公式練習第1回目: 3番手 (1分47秒445), 39周
    公式練習第2回目: 4番手 (1分46秒812), 31周

    TS050 HYBRID #6号車(小林可夢偉、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイ)
    公式練習第1回目: 4番手 (1分47秒632), 39周
    公式練習第2回目: 6番手 (1分47秒860), 38周

    中嶋一貴
    容易な一日ではありませんでした。午前中は中古タイヤで走りましたが、走り始めの路面はグリップが非常に低く、コントロールが非常に難しい状況でした。午後は一度新品タイヤで走りましたが、まずまずの感触でした。実戦を想定し、摩耗したタイヤでのセットアップを更に煮詰めていく必要があります。

    アンソニー・デビッドソン
    昨年と比べると今日は、路面のグリップが非常に低く、とても難しいコースコンディションだったので、満足いく車両バランスに仕上げるのが大変な一日となりました。車両を改善するために今夜は遅くまでデータの解析を行うことになるでしょう。セッションが進むにつれて路面コンディションが向上していくので、我々のTS050 HYBRIDに適合した状態になってくれることを期待しています。

    セバスチャン・ブエミ
    今日は非常に多くの距離を走破しましたが、各車のタイヤやコンディションは様々で、コース上もとても混み合っていたので、単純にラップタイムで自分たちの状態がどのあたりにあるかを判断するのは困難だと思います。前戦富士よりも難しいレースになるとは思いますが、心配はしていません。予選でも力強さを見せられるよう頑張りますが、あくまでも重要なのは日曜日の決勝です。

    小林可夢偉
    前戦富士での1日目と比べると車両の仕上がり状況は少し厳しいものになっていますが、恐らく今日の路面コンディションに寄るものでしょう。TS050 HYBRIDの仕上がりは進んでいますが、更なるパフォーマンス向上へ向け調整すべき箇所があります。今日得られたデータを今夜分析して更なる改良に繋げたいと思っています。

    ステファン・サラザン
    今日は路面コンディションが悪く、車両のセットアップを仕上げていく中で改善されては行きましたが、まだ全体的にグリップが足りません。明日の公式練習3回目までには全体的にレベルを上げる必要があります。明日も忙しい一日になると思いますが、しっかり仕上げれば決勝レースではチャンスがあるはずです。

    マイク・コンウェイ
    コースコンディションは今日一日、時間を追うごとに良くなっていきました。サポートレースも助けになってくれたのではないかと思います。我々は予選へ向けたシミュレーションは行いませんでした。とにかくロングランでの力強い走りをするための車両バランス向上と、何箇所かの改良に集中しました。まだパフォーマンス向上の余地はあるので、明日も全力で臨みます。

  • トヨタ:2016 WEC 第8戦 上海6時間 プレビュー

    トヨタ:2016 WEC 第8戦 上海6時間 プレビュー

    2016年のFIA世界耐久選手権(WEC)も残り2戦。TOYOTA GAZOO Racingは11月6日(日)に中国・上海インターナショナル・サーキットで開催されるWEC第8戦上海6時間レースへ、富士からの2連勝達成に挑む。

    前戦、TOYOTA GAZOO RacingのTS050 HYBRID #6号車がトヨタのホームコースである富士スピードウェイで勝利を挙げ、小林可夢偉、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイの3名はドライバーズ選手権でも2位へと躍進した。

    #6号車の3名は、ドライバーズ選手権ランキングで8月の第4戦ニュルブルクリンク終了時点の首位との差をここまでで21ポイント縮め、23ポイント差で追っている。今季の残り2戦で最大52ポイントを獲得することが出来、逆転タイトル獲得へ向け、最後の2戦に全力で挑む。

    中嶋一貴、アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミのTS050 HYBRID #5号車は、今季これまで様々な不運に見舞われてきたが、前戦富士では僅差の4位完走を果たしており、上海ではシーズン初の表彰台を目指す。

    このレースも前戦同様の接近戦となることが予想される。直近の2レースでは、LM P1-Hで参戦の3社による三つ巴のトップ争いが繰り広げられ、6時間に渡る激闘の末に、トップ3が30秒以内の僅差でフィニッシュするという厳しい戦いとなっている。

    トヨタは1周5.451kmの上海インターナショナル・サーキットで、2012年と2014年の優勝を含む4回の表彰台という好結果を残している。

    市街中心部から40km程離れて位置する上海サーキットは2004年に開設され、新たにWECが開催された2012年からシリーズの1戦に組み入れられている。それ以前にも、中国では2010年と2011年、広東省の珠海インターナショナル・サーキットでアジアン・ル・マン・シリーズの耐久レースが行われていた。

    11月4日(金)の2回にわたる90分の公式練習走行から、あわただしさの中でレースウィークが始まる。5日(土)午前中に行われる1時間の最終公式練習走行までにはTS050 HYBRIDの最適な状態のセットアップを仕上げなくてはならない。決勝のスターティンググリッド、そして1ポイントが獲得出来るポールポジションを決める公式予選は現地時間午後2時(日本時間午後3時)から行われる。そして、6日(日)午前11時(日本時間正午)に6時間の決勝レースのスタートが切られる。

    佐藤俊男 (TOYOTA GAZOO Racingチーム代表)
    前戦、ホームとなる富士スピードウェイでは表彰台の頂点に戻ることが出来、大変嬉しく思います。この勢いを維持し、表彰台内での戦いを続けながら良い結果でシーズンを終えられるように全力を尽くします。現在のWECの競争レベルは驚くほど拮抗しており、特にここ数戦は、最後までスプリントレースのような戦いが続き、LM P1-Hの3社の車両が6時間に渡って終始、僅差の接戦を繰り広げました。それだけに、我々が目標を達成するためには、常に最大のパフォーマンスを発揮し続けなくてはなりません。週末の上海での戦いもとても楽しみです。

    中嶋一貴
    今週末の上海のレースが楽しみです。我々のTS050 HYBRIDは前戦富士で着実に調子を上げて来ました。もちろん我々の目標はここでの優勝です。ここ2戦の拮抗した激戦をファンの皆様にご覧いただけるのは素晴らしいことであり、戦っているドライバーにとってもエキサイティングです。表彰台に上らなくなって随分と長い時間が経ってしまいましたが、必ずチャンスは来ると思っています。

    アンソニー・デビッドソン
    私は2004年に初めてF1でこのコースを走りました。大変にチャレンジングなサーキットで、たくさんの素晴らしい特徴があります。中でも1コーナーから、タイトなセクションが続いたあとバックストレートへと向かうコーナーはとても魅力的です。高速コーナーと長いストレートがあり、エンジニアにとっても簡単なコースではありません。いつ走っても楽しいコースなので、TS050 HYBRIDで走るのが楽しみです。

    セバスチャン・ブエミ
    ここは素晴らしいコースで、近年のサーキットの中でも好きなコースのひとつです。私自身は高速コーナーが好きで、全体的に流れるようなレイアウトのこのコースは運転していてとても楽しいサーキットです。良い思い出もあります。デビュー3戦目だったF1でポイントを獲得出来ましたし、2014年にはWECでアンソニーと共に勝利し、タイトル獲得への足がかりを築きました。中国のファンの皆様は急速にモータースポーツへの知識を深めており、WECの魅力を感じて頂くにはとても良い機会だと思っています。

    小林可夢偉
    前戦富士でWEC初優勝を挙げることが出来たのは素晴らしい経験で、早く次のレースをしたい気持ちです。上海でも再び力強いレースが出来ることを願っています。今年、私にとっては全てのサーキットがLM P1-H車両で初めて走るコースになりますが、ここは何度か走った経験があるので良く知っています。TS050 HYBRIDでこのコースを走るのがとても楽しみで、必ず上位争いに絡む走りを約束します。そして、ドライバーズ選手権のタイトル争いのためにも可能な限り多くのポイントを獲得したいと思っています。

    ステファン・サラザン
    上海は特徴があるたくさんのコーナーを持つ難しいコースです。特に最初のセクターが最難関です。しかし、それだけにドライバーにとっては挑戦し甲斐があり、私はこのコースを走るのが大好きです。昨年もドライコンディションのもとで良いペースでレースを戦うことができましたので、今年のTS050 HYBRIDでは力強いレースをすることをお約束し、必ず良い結果に繋がるものと信じています。前戦富士での勝利の後、タイトル争いでも更に上位との差を詰めることができました。上海でまた好結果を目指して戦うことを本当に楽しみにしています。

    マイク・コンウェイ
    上海は幾つかの高速セクションのある素晴らしいコースです。今シーズンも残り2戦となり、ドライバーズタイトルを争っている我々にとって今週末はとても重要になります。ランキング首位のポルシェ#2号車を捕まえるのは簡単ではありませんが、シーズンの最後まで諦めることなく戦い続けます。そのためには、残りの上海とバーレーン戦でも表彰台を争い、出来る限りの好結果を残すことです。

  • アウディ撤退でWECの今後は? “走る実験室”はフォーミュラEへ

    アウディ撤退でWECの今後は? “走る実験室”はフォーミュラEへ

    アウディがWECから撤退し、今後はフォーミュラEに専念するという“戦略的”な決断を下した。

    自動車メーカーにとって、レースはマーケティング/プロモーションの意味合いもあるが、市販車のための技術を開発する“走る実験室”として技術力を鍛える役割も持っている。

    ホンダ創業者・本田宗一郎は「レースは走る実験室」と語り、F1で培った技術を市販車に投入してきた。

    だが、リーマンショック以降、自動車メーカーのコスト意識が高まり、2015年にホンダがF1復帰を果たしたものの、BMWとトヨタが撤退している。

    アウディは、予てから耐久レースこそが“実験室”だとして、F1参戦を否定してきたメーカー。そのアウディが、WECに見切りをつけ、電気自動車のレースであるフォーミュラEに舵を切った。

    アウディの撤退は、フォルクスワーゲン・グループの排ガス不正問題によるコスト削減とディーゼル・エンジン技術から徐々に離れるという方向性によって決定したとされている。報道によると、アウディのシーズン予算は2億ユーロ(約228億円)以上だとされている。

    トヨタとポルシェは、ガソリンエンジンのハイブリッドを採用しているが、アウディのWECカーはディーゼルハイブリッドを採用していた。

    そして、近年、フォーミュラEには自動車メーカーの参入が相次いでいる。2014年からスタートしたフォーミュラEは、初年度こそルノーのワンメイクだったが、現在はDS(シトロエン)、ヴェンチュリー、マヒンドラ、そして、ジャガーが参戦。さらに今回のアウディに加え、BMW、メルセデス・ベンツといったメーカーが参戦を表明。また日産、ホンダも検討中と噂されている。

    自動車メーカーは、ハイブリッドから電気自動車へとその将来を見据えており、フォルクスワーゲンは、2025年までに電気自動車を25車種まで増やすことを計画。まさに“走る実験室”はフォーミュラEへと移行している。

    一方、アウディのWEC撤退を受け、ル・マン24時間レースを運営する西部自動車クラブはWECが“将来のクルマに向けた新技術のためのベストなプラットフォームを提供する革新の最前線”だと主張。

    西部自動車クラブ代表のピエール・フィヨンは「ハイブリッドテクノロジーと電気モーターはすでに耐久レースにおいて日常となっている。新時代のエネルギーの要求においては水素電池に対するテクニカルレギュレーションの変更も進んでいる」とコメント。

    またWECのCEOを務めるジェラール・ヌーブは「ひとつのマニュファクチャラーが去るが、また別のマニュファクチャラーがやってくるだろう。これが選手権の流れだ」と述べた。

    かつてはプジョーや日産が撤退しているWECおよびル・マン24時間レース。来季から最高峰クラスはトヨタとポルシェの一騎打ちとなり、トヨタのル・マン初制覇も見られるかもしれない。

    関連:アウディ、WEC撤退を発表

  • 【WEC】 オレカ、2017年LMP2マシン「Oreca 07」を初公開

    【WEC】 オレカ、2017年LMP2マシン「Oreca 07」を初公開

    オレカは、2017年LMP2マシン『Oreca 07』を初公開した。

    2017年1月1日からLMP2クラスには新しいレギュレーションが導入される。

    2016年のWECはまだ進行中だが、ELMSは終了しており、コンストラクターは2017年にむけた作業を進めている。

    LMP2プロトタイプのデザインフェーズは終了しており、リジェやダラーラは数週間のテストを実施している。

    オレカは、FacebookとTwitterでOreca 07の画像を初公開。前モデルとなるOreca 05は、香港のKCMGとともに今年のル・マン24時間レースでクラス優勝を飾っている。

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