カテゴリー: WEC (FIA世界耐久選手権)

  • WEC | トヨタ 第6戦 セブリング1000マイル 決勝レポート

    WEC | トヨタ 第6戦 セブリング1000マイル 決勝レポート

    FIA 世界耐久選手権(WEC)2018-2019年スーパーシーズン第6戦 セブリング1000マイルレースの決勝レースが3月15日(金)に行われ、TOYOTA GAZOO RacingのTS050 HYBRIDがシーズン5度目となる1-2フィニッシュを果たした。

    中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、フェルナンド・アロンソの3名が駆るTS050 HYBRID 8号車が、フロリダの熱狂的なモータースポーツファンの見守る中、8時間で終わることとなったレースのチェッカーフラッグを先頭で受けた。今シーズンの3勝目を挙げると共に、ドライバーズタイトル争いでのリードを15点へと拡げた。

    小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの7号車はレース中盤、接触による修復を強いられたが、8号車に続く2位でフィニッシュ。チームに取っては今シーズン5度目となる1-2フィニッシュを達成しまた。小林可夢偉はレース中、1分41秒800の最速ラップタイムをマークし、前日、フェルナンド・アロンソが予選でマークしたコースレコードに続き、新たにセブリングでの歴史に名を残すこととなった。

    チームに取って初めてとなるセブリングでのレースは、強い日差しと、28度というやや暑い気温の下で開始された。ポールポジションの8号車はブエミがステアリングを握り、序盤からレースをリード。これを2番手につけたロペスの7号車が追い、プレッシャーをかけ続けた。

    その展開のまま2時間を迎えようかというあたりで降雨があり、SMPの17号車が激しくクラッシュ。フルコースイエローに続き、破損したタイヤバリアの修復のために、セーフティカーが導入された。これで一旦レースは仕切り直しとなったが、15分ほどのセーフティカーランを経ての再開後は、7号車の小林が8号車のアロンソを僅差で追う展開に。

    近郊で強い雨が降り始めたが、雨雲はコースを避けて路面はドライのまま。暗くなっていく中でもTS050 HYBRID同士によるバトルが続いた。レースが半分の距離を過ぎたとき、8号車の中嶋は数秒差で7号車のコンウェイを抑えての走行。3位のレベリオンには3周差がついていた。

    しかし、4時間半を過ぎたところで、ロペスの駆る7号車がGTクラスの車両と軽く接触。この影響で7号車はエンジンカバー及び車両後部のボディパーツ交換を強いられ、4分間のタイムロス。7号車は首位の8号車から1周遅れとなり、2台のTS050 HYBRIDの首位争いはここで終わることとなった。

    これにより8号車は充分なマージンを持っての首位走行に。ブエミは難しいことで有名なセブリングのコース上での混雑を、大きなリスクを負うことなくかわしながら首位をキープ。7号車も諦めることなくハイペースでの周回を重ね、3位以下との差を更に広げていった。

    終盤の3時間、2台のTS050 HYBRIDは、ドライバーにも車両にも厳しいセブリングのコースで高い信頼性を示し、ノートラブルで周回を重ねていった。しかし、レースが残り30分ほどとなったところで、コース上では雨が降り始め、最後の試練が待っていた。

    チェッカーまであと僅かというところで、雨脚は強さを増していき、2台のTS050 HYBRIDは残り20分あたりで同時にピットインし、ウェットタイヤへと交換。しかし、コンディションは更に悪化し、チームは再度のピットインを決断。最後まで着実に走り切るべく、共にエクストリームウェットタイヤへと交換しコースへ復帰した。

    残り12分というところで、LMP2クラスの車両がクラッシュを喫し、セーフティカーが導入。その後も雨脚は弱まることなく、セーフティカー先導のまま、最後のステアリングを託された8号車の中嶋がトップでチェッカー。7号車のコンウェイがこれに続き、TOYOTA GAZOO Racingは1-2フィニッシュでセブリングのレースを制した。

    2018年から2019年にかけて戦われているWECのスーパーシーズンは残り2戦となった。TOYOTA GAZOO Racingはチームポイントにおいて2位に53点差で5月4日(土)に決勝が行われるスパ・フランコルシャン6時間レースへ挑む。チームはこのレースで、最終戦を待たずしてのチーム選手権タイトル獲得を狙う。

    TS050 HYBRID 7号車 (小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペス):
    決勝: 2位、 252周、ピットストップ 13回、スターティンググリッド:2番手、最速ラップ(1分41秒800)

    TS050 HYBRID 8号車 (中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、フェルナンド・アロンソ):
    決勝: 1位、 253周、ピットストップ 13回、スターティンググリッド:1番手、最速ラップ(1分42秒360)

    村田久武 TOYOTA GAZOO Racing WECチーム代表:
    TOYOTA GAZOO Racing、そしてTS050 HYBRIDが初開催のセブリング1000マイルレースで優勝出来て大変うれしいです。初めてのセブリングは挑戦し甲斐のサーキットでしたが、全てのチームメンバーがこの地でのレースに適応し、懸命に努力をしてきたことが報われました。最高の結果を成し遂げたチームと共に、このフロリダに集まってくれた多くの情熱的な耐久レースファンの皆様に感謝します。また明日も当地で米国の12時間耐久レースが行われます。ワクワクするレースになるでしょうから、ファンの皆様にはそちらも楽しんで頂ければと思います。

    小林可夢偉(7号車):
    8号車は勝利に値する素晴らしい走りでした。我々も懸命に首位を争いましたが、接触でその権利を失ってしまいました。後半戦、逆転が難しいことは分かっていましたが、最後までプッシュを続けました。諦めないことが肝心です。チームとしては、1-2フィニッシュを果たせたことは最高の結果です。これはチームクルー皆の努力によるもので、本当に感謝しています。

    マイク・コンウェイ(7号車):
    また1-2フィニッシュを達成できたことはチームに取って良い結果です。我々はレースを通してプッシュを続け、前半戦では良い首位争いが出来ました。その中では何度も接触ぎりぎりでの走りを強いられました。最後は非常に難しいコンディションになり、特にコンクリート舗装の場所では、まるで氷の上を走っているかのようでした。今日の結果はちょっと残念ですが、まだスパとルマンが残っているので、プッシュを続けます。

    ホセ・マリア・ロペス(7号車):
    8号車に祝福を送ります。7号車のチームメイトの走りも素晴らしかったです。私自身は、コース上の混雑に苦しみ、とても厳しいレースになってしまいました。首位を走るセブ(セバスチャン・ブエミ:8号車)を捕まえようとアタックしましたが、GTカーの動きを読み誤りました。不運でしたが、レースで戦っていればこういうことはたまに起こりえます。幸いにも車両のダメージはそれほど大きくなく、2位でレースを完走することが出来ました。この厳しいレースを2位でフィニッシュ出来たことに満足しています。

    中嶋一貴(8号車):
    大変なレースだっただけに、セブリングで勝つことが出来て最高です。外部からは簡単なレースに見えたかも知れませんが、私は最初の担当走行時からコース上の混雑に苦しめられました。最後に再びステアリングを握ったとき、やるべきことは分かっていました。リスクを負うことなく、着実に最後まで走り切るということです。ドライコンディションでのTS050 HYBRIDには満足していましたが、終盤、雨が降ってきてからは大変でした。視界が悪く、路面グリップも信じられないほど低下しました。それだけに、無事にチェッカーフラッグを受けられて本当に良かったです。

    セバスチャン・ブエミ(8号車):
    長く待ち望んだ表彰台の真ん中に再び上がることが出来て本当に嬉しいです。コースの混雑を処理するのが本当に難しいレースでした。私の最初の担当走行時は、追ってくるホセがとても速く、首位をキープするためにプッシュしなくてはなりませんでした。彼らとの差を広げたかったのですが、彼らが接触を喫するまでは10秒以内の僅差での争いでした。私はリスクを最小限に抑えて、冷静な走行に努めました。7号車が接触を喫したあと我々は楽になり、最後まで問題なく走り切ることが出来ました。

    フェルナンド・アロンソ(8号車):
    我々にとって良い一日となりました。この非常に難しいサーキットでのレースへ向け、我々は多くのテストをこなし、準備をしてきました。好感触でレースウィークを迎え、特にポールポジションを獲得出来たことで、力強いレースが出来るという自信もありました。我々はリスクを最小限に抑えながらレースをリードし続けました。最後の降雨はとても心配でしたが、一貴があの難コンディションの中で素晴らしい仕事をしてくれて、セブリングという、耐久レースにとって伝統のコースで勝利を挙げることが出来ました。

    WEC 第6戦 セブリング1000マイル 決勝結果(LMP1クラス:完走)

    順位 No. ドライバー名 チーム/車種 周回 ベストタイム
    1 8 中嶋一貴
    セバスチャン・ブエミ
    フェルナンド・アロンソ
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ TS050 HYBRID
    253 1:42.360
    2 7 小林可夢偉
    マイク・コンウェイ
    ホセ・マリア・ロペス
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ TS050 HYBRID
    252 1:41.800
    3 11 ミカエル・アレシン
    ヴィタリー・ペトロフ
    ブレンドン・ハートレー
    SMPレーシング/
    BRエンジニアリングBR1・AER
    242 1:44.929
    4 3 ナタナエル・ベルトン
    トーマス・ローレン
    グスタボ・メネゼス
    レベリオン・レーシング/
    レベリオンR13・ギブソン
    237 1:44.077
  • WEC | セブリング 結果:トヨタ8号車が圧勝でトヨタが1-2フィニッシュ

    WEC | セブリング 結果:トヨタ8号車が圧勝でトヨタが1-2フィニッシュ

    FIA世界耐久選手権(WEC)2018-2019年スーパーシーズンの第6戦セブリング1000マイルレースの決勝が、トヨタの8号車(フェルナンド・アロンソ/中嶋一貴/セバスチャン・ブエミ)が優勝。TOYOTA GAZOO RacingのTS050 HYBRIDが1-2フィニッシュを達成した。

    ポールポジションからスタートしたトヨタの8号車は8時間のレースの大半のリード。唯一のライバルは姉妹車の7号差だったが、ホセ・マリア・ロペスがコースオフした際にフロアにダメージを負ったことでピットイン。リードラップから外れた。

    3位でフィニッシュしたSMPレーシングの #11 BR Engineering BR1 AERは10周遅れだった。

    これでトヨタ8号車はシーズン3勝目。WECドライバーチャンピオンシップのリードを15ポイントに広げた。

    GTE Proクラスは#91 Porsche 911 RSR、GTE AmクラスはDempsey-Proton Racingは#77 Porscheが優勝した。

  • WEC | セブリング 予選:アロンソがコースレコード更新でPP獲得

    WEC | セブリング 予選:アロンソがコースレコード更新でPP獲得

    FIA世界耐久選手権(WEC)2018-2019年スーパーシーズンの第6戦セブリング1000マイルレースの予選が現地時間3月14日(木)深夜に行われ、TOYOTA GAZOO RacingのTS050 HYBRIDが1・2番手タイムで最前列グリッドを独占した。

    TOYOTA GAZOO Racingは今大会も予選でトップ2を独占する速さを見せた。現在ポイントリーダーの中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、フェルナンド・アロンソの3名が駆るTS050 HYBRID 8号車は2人の平均タイム1分40秒318でポールポジションを獲得した。

    小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスのTS050 HYBRID 7号車は2人の平均タイムで8号車に0秒485差の2番手で、TOYOTA GAZOO Racingは決勝レースを最前列から2台が並んでスタートすることとなった。

    最初のアタックを担当したフェルナンド・アロンソは、1分40秒124というタイムを叩き出し、セブリング・インターナショナル・レースウェイにおける予選での公式コースレコードを更新。アウディが2013年に記録したこれまでの記録を3秒762上回って見せた。明日15日(金)に行われる決勝レースでは、1950年代からトップクラスの耐久レースが行われてきたセブリングの現行レイアウトにおける、レース中のラップレコード更新にも期待がかかる。

    予選は現地時間の午後10時過ぎに開始された。壁が迫り、縁石も難しく、コース上の混雑も激しいことで有名な1周6.019kmのコースで、ドライバーにとってはコース上の空間を見出すだけでなく、暗いという更なるチャレンジが加わる中でのアタックとなった。

    3回の公式練習中2回にわたってトップタイムをマークした7号車だったが、予選では2番手に甘んじることとなった。最初に担当したコンウェイはアタックラップで充分なタイムをマークすることが出来なかった。代わって7号車に乗り込んだロペスは、1周目はコース上の混雑に阻まれ、2周目のアタックではミスによりコースオフしたため、時間ぎりぎりとなった最後のアタックを慎重に決め2位を確保した。

    8号車は大きな問題無くセッションをこなし、最初のアタックで最速タイムをマークしたアロンソは、セブリングの公式記録にその名を残すこととなった。続いてステアリングを握った中嶋一貴も、コース内での空間を上手く見出し、2人の平均タイムで8号車はポールポジションを獲得した。

    TOYOTA GAZOO Racingは最前列グリッドから1000マイル(約1600km)の長いレースに臨み、今季5度目となる1-2フィニッシュを達成して、現在29点差をつけている選手権でのリード拡大を目指す。

    TS050 HYBRID 7号車 (小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペス):
    公式練習3回目 : 1番手 (1分41秒448) – 27周
    公式予選 : 2番手 (平均1分40秒803)

    TS050 HYBRID 8号車 (中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、フェルナンド・アロンソ):
    公式練習3回目 : 2番手 (1分42秒101) – 29周
    公式予選 : 1番手 (平均1分40秒318)

    マイク・コンウェイ(7号車):
    私にとっては難しい夜となってしまいました。アタックした2ラップ共にハードにプッシュしましたが、最終的にどちらもあまり良いタイムではありませんでした。しかし、明日の決勝レースは長いですし、2番手というのは決して悪いスタート位置ではありません。自分たちのレースを、正しい戦略で戦う必要があります。明日は良い結果で終えられることを願っています。

    ホセ・マリア・ロペス(7号車):
    チームがライバルと充分な差を持って予選1-2を獲得出来たことは喜ばしいです。我々のTS050 HYBRIDはとても頼もしく感じられます。我々はこの週末、ここまで良いペースでの走りを見せてきましたが、予選のたった1ラップだけがそうはいきませんでした。私はかなり良いタイムを出す必要があることを分かっており、アタックしました。最初のアタックラップではほかの車両にブロックされる形となり、2周目は攻めすぎてワイドに行き過ぎてしまいました。最終的にポールポジションには届きませんでしたが、決勝レースは楽しみです。

    中嶋一貴(8号車):
    フェルナンドの素晴らしいアタックラップのおかげで、私は良いタイムを出すことだけを考えれば良く、プレッシャーが軽減されました。夜間走行はいつでも非常に難しいものですが、結果には満足しています。ポールポジションからスタートできるのは嬉しいですが、決勝レースは長い戦いであり、トラブル無く最後まで走り切るということ自体が常にチャレンジだということは分かっています。

    フェルナンド・アロンソ(8号車):
    セブリングでの新たな予選コースレコードをマーク出来、とても嬉しいです。軽めの燃料と新品タイヤでのアタックラップは良い感触でしたし、とても楽しめました。このコースを夜走るのは、コース上の目標が見にくくなるため非常に困難な挑戦ですが、良いアタックが出来ました。1分39秒台も可能だと思っていましたが、僅かコンマ数秒及びませんでした。

    WEC 第6戦 セブリング1000マイル 公式練習3回目結果(LMP1クラス)

    順位 No. ドライバー名 チーム/車種 平均タイム
    1 8 中嶋一貴
    セバスチャン・ブエミ
    フェルナンド・アロンソ
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ TS050 HYBRID
    1:40.318
    2 7 小林可夢偉
    マイク・コンウェイ
    ホセ・マリア・ロペス
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ TS050 HYBRID
    1:40.803
    3 3 ナタナエル・ベルトン
    トーマス・ローレン
    グスタボ・メネゼス
    レベリオン・レーシング/
    レベリオンR13・ギブソン
    1:42.863
    4 17 ステファン・サラザン
    イゴール・オルトツェフ
    セルゲイ・シロトキン
    SMPレーシング/
    BRエンジニアリングBR1・AER
    1:42.942
    5 11 ミカエル・アレシン
    ヴィタリー・ペトロフ
    ブレンドン・ハートレー
    SMPレーシング/
    BRエンジニアリングBR1・AER
    1:43.005
    6 1 ニール・ジャニ
    マティアス・ベシェ
    ブルーノ・セナ
    レベリオン・レーシング/
    レベリオンR13・ギブソン
    1:43.015
    7 10 ヘンリク・ヘドマン
    ベン・ハンリー
    レンジャー・ヴァン・デル・ザンデ
    ドラゴンスピード/
    BRエンジニアリングBR1・ギブソン
    1:44.288
  • WEC | トヨタ 第6戦 セブリング1000マイルレース 公式練習レポート

    WEC | トヨタ 第6戦 セブリング1000マイルレース 公式練習レポート

    FIA世界耐久選手権(WEC)2018-2019年スーパーシーズンの第6戦となるセブリング1000マイルレースが3月13日(水)、最初の公式練習セッションで幕を開け、TOYOTA GAZOO Racingの2台のTS050 HYBRIDが今大会初挑戦となるコースで順調に周回を重ねた。

    チームはここセブリング・インターナショナル・レースウェイで先月の3日間のプライベートテスト、そして先週末の土・日にも行われたWECの合同テストでも走行を重ね、コースについて学んできた。だが、本日行われた2回の90分間にわたる練習走行が本イベントの公式な走行開始となる。

    イベント初日から数多く集まった観客の前で、小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの駆るTS050 HYBRID 7号車が公式練習2回目のセッションで最速となる1分41秒730をマーク。中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、フェルナンド・アロンソの8号車は0.532秒差の2番手につけた。

    フロリダの空は晴れて暑く、先週末のテスト時と同じような気候だったにもかかわらず、WECの公式練習1回目前に6時間半にわたって行われた併催レースのテスト走行により、コース上のラバーや埃など、路面状況は大きく変わっていた。

    コース上に吹く強い風と、路面コンディションの変化の影響もあり、2台共に先週末のテスト時よりもラップタイムは僅かに遅れることとなったが、チームは決勝レースのコンディションを見据えてセットアップの微調整を続けた。

    公式練習2回目は薄暮の中で開始され、徐々にコースが闇に包まれていく中、同様のコンディションで走ることとなる予選、そして決勝レースへ向けての準備が進められた。このセッションでもチームは順調に周回を重ね、2台のトータルで181周、1,089kmを走破した。

    ロペスがマークしたこの日の最速タイムは、これまでの予選最速記録を上回っており、明日木曜日の予選でもこれが再現できれば、トヨタはセブリングの公式記録に名を残すことになる。

    TS050 HYBRID 7号車 (小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペス):
    公式練習1回目 : 2番手 (1分42秒506), 47周
    公式練習2回目 : 1番手 (1分41秒730), 45周

    TS050 HYBRID 8号車 (中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、フェルナンド・アロンソ):
    公式練習1回目 : 1番手 (1分41秒957), 41周
    公式練習2回目 : 2番手 (1分42秒262), 48周

    小林可夢偉(7号車):
    事前テストで良い準備が出来たので、今日の練習走行は上手く進みました。今日は早い時間に別カテゴリーの車両が走ったために、テスト時とは異なる路面コンディションに直面することとなり、それにあわせる必要がありました。良いスタートを切ることが出来ましたが、更なるパフォーマンス追求のために努力を続ける必要があります。

    マイク・コンウェイ(7号車):
    満足行く一日でした。コースコンディションの変化に合わせていく作業を行いましたが、ナイトセッションで良いところを見出せたと思います。感触は良いですが、コース上の混雑によりクリアラップが取れませんでした。とはいえ、それも全て決勝レースへ向けた学習の一環です。ここはコース幅が狭く、タイヤをコース外に落としてしまうと多くの土埃が舞うので、特に夜は大変です。オンボードカメラの映像は見ごたえのあるものになるでしょう。

    ホセ・マリア・ロペス(7号車):
    良い一日でした。コースに慣れていくに従い快適に感じました。ですがコース上が混雑しており、路面も汚れていたので、クリーンなアタックするのはほぼ不可能でした。数週間前と比較すると、コースコンディションは大きく変化しています。車を良い感触に仕上げ、決勝レースへ向けた準備をすることが最も重要です。

    中嶋一貴(8号車):
    風向きの変化やその他の要素により先週末のテストの時とは全くコンディションが変わってしまい、なかなか難しい一日でした。とはいえ、2回の練習走行セッションを共にトラブルなくこなせたという点では悪くありません。最も重要なのはナイトセッションです。ここの夜間走行は、どれだけ走っても充分ということはなさそうですが、予選、決勝へ向けて経験を積むことは出来ました。

    セバスチャン・ブエミ(8号車):
    今日は多くの走行を行いました。先週末のテストを欠席したため、とにかく周回を重ねることが目標だったのですが、問題なくこなせて良かったです。コース上に車両が多く、先月のテストとは全く違う状況です。また、ここでの夜間走行は非常に暗く難しいので、その経験は大変重要です。今日得られたデータを解析し、セットアップでの改良が進むことを願っています。

    フェルナンド・アロンソ(8号車):
    非常に多くの車両が走っており、テスト時よりも間違いなくコース上が混雑していました。またコースコンディションも変わっており、セットアップの微調整作業を続けました。トラブル無く一日を終えられたという点では満足しています。明日、本格的な勝負が始まるのが楽しみです。

  • ブレンドン・ハートレー、バトンの代役でSMPレーシングからWECに復帰

    ブレンドン・ハートレー、バトンの代役でSMPレーシングからWECに復帰

    元トロロッソ・ホンダのF1ドライバーであるブレンドン・ハートレーが、今年の2レースでジェンソン・バトンの代役としてSMPレーシングでからFIA 世界耐久選手権(WEC)に参戦することが発表された。

    昨シーズン限りでトロロッソ・ホンダのF1シートを失ったブレンドン・ハートレーだが、2019年のプログラムはゆっくりと動き出している。今週、フェラーリのF1シミュレータードライバー就任が発表されたハートレーは、さらにWECへの参戦が決定した。

    ブレンドン・ハートレーは、SUPER GTのスケジュールと重なるジェンソン・バトンの代役として、3月のセブリング1000マイル、5月のスパ・フランコルシャン6時間レースで、SMPレーシングののBRエンジニアリング BR1プロトタイプの11号車をヴィタリー・ペトロフ、ミカエル・アレシンとともに走らせる。

    ブレンドン・ハートレーは、2012年と2013年にマーフィー・プロトタイプズからル・マン24時間レースに参戦。2015年からはポルシェのワークスチームに加入し、2度のチャンピオンを獲得。2017年にはル・マン24時間レースも制している。

    「セブリイングとスパの次のWECの2レースでSMPレーシングに参加できることをとても嬉しく思っている」とブレンドン・ハートレーはコメント。

    「チームはすべてのツールと素晴らしいドライバーが揃っている。僕たちには表彰台を争う大きなチャンスがあると思う」

    「僕のWEC復帰戦となるし、よく知った顔がたくさんいるパドックに戻ることを本当に楽しみにしている」

    SMPレーシングの17号車には昨年ともにF1を戦った元ウィリアムズのセルゲイ・シロトキン、そして、ステファン・サラザン、イゴール・オルトツェフという馴染みの顔もいる。

    セルゲイ・シロトキンは「ブレンドン・ハートレーのSMPレーシングチーム加入を歓迎する」とコメント。

    「ブレンドンのことはかなり長い間知っているし、仲もいい。彼は優秀なドライバーだし、僕たちのチームに利益をもたらしてくれるだろう」

    関連:ブレンドン・ハートレー、フェラーリF1チームの開発ドライバーに就任

  • トヨタ、2019/20年シーズンもFIA世界耐久選手権(WEC)の参戦を継続

    トヨタ、2019/20年シーズンもFIA世界耐久選手権(WEC)の参戦を継続

    トヨタは、2019-2020年シーズンもFIA世界耐久選手権(WEC)への参戦を継続することを発表した。

    2018-2019年はスーパーシーズンとなり、本年は第6戦セブリング1000マイル(2019年3月15日)から始まり、2019年の第8戦ル・マン24時間(2019年6月15・16日)が最終戦となる。

    トヨタは、TMGを本拠にTOYOTA GAZOO Racingとして、2台の改良型「TS050 HYBRID」で参戦。日本の東富士研究所で開発されたTHS-R(TOYOTA Hybrid System-Racing)は、これまでの四輪回生/力行システムを踏襲しつつ、エンジン、モーター/ジェネレーター、バッテリー等に更なる信頼性向上が図られている。この活動で得られた技術は、量産ハイブリッド車やEV車開発へと活かされる。タイヤはミシュラン製を使用する。

    また、TOYOTA GAZOO Racingは、FIA世界耐久選手権(WEC)2019-2020年シーズンに2台のTS050 HYBRIDで参戦することを発表。

    全8戦で行われるシーズンは9月1日の英国シルバーストンで開幕し、2020年6月13~14日のル・マン24時間レースが最終戦になる。

    なお、ドライバー構成については後日発表となる。今期8号車のドライバーを務めているフェルナンド・アロンソは、来期もトヨタからWECに参戦することは明言しておらず「五分五分」だと語っている。

  • BMW、わずか1シーズンでWECから撤退?

    BMW、わずか1シーズンでWECから撤退?

    BMWが、わずか1シーズンでFIA 世界耐久選手権(WEC)から撤退する可能性があると Autosport が報じている。

    BMWは、2018年シーズンからWECのGTE ProクラスにM8 GTEでの参戦を開始。並行してIMSAスポーツカー選手権にも参戦している。

    IMSAではBMWは成功を収めており、2019年のデイトナ24時間レースではGTルマンクラスで優勝。

    しかし、WECでは5レースでわずか1回の表彰台しか獲得できておらず、GTE Proクラスのマニュファクチャラーズランキングで最下位に沈んでいる。

    ドライバーズランキングでもアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ/トム・ブロンクビスト組が9位、マルティン・トムチェク/ニッキー・キャツバーグ組が10位に位置している。

    BMWモータースポーツの代表を務めるイェンス・マルカルトは、昨年の上海6時間レースでBMWは“戦えるレベル”にあると語っていたが、ハイパーカークラスへの参戦には否定的だった。

    バサースト24時間レースでイェンス・マルカルトは、BMWは6月のル・マン24時間レースでWECシーズンが終わるまでGTEプログラムの将来に関する最終決定を下すことはないと述べた。

    「WECでは検討しなければならないことがまだたくさんある。我々がパッケージから最大限のパフォーマンスを引き出せていないことは間違いない」とイェンス・マルカルトはコメント。

    「それが残りのレースで我々は集中していることだ。すべてをまとめることができたら、それが我々がじっくると評価し、将来どこへ進むかを見極めるときだ」

    「我々にとって幸運な状況は、毎年、全てのレースで最後のレースを終えてから、どのように進めていくかをじっくりと決めていけることだ」

    「我々は開発など何かをする必要はない。クルマは戦えるレベルにあるし、チームもそこにある。我々にとっては簡単なことだ」

    BMWは、おそらく2020年からIMSAのDPi部門に参入することに興味を持っているかもしれないと報じられている。

    イェンス・マルカルトは、2019年以降にIMSAでM8 GTEのプログラムが強化されることはないと語る。

    「10月のプチ・ル・マンまでレースをして、その後のことをじっくりと決めていく」とイェンス・マルカルトは述べた。

    フォードも2018/19シーズン以降のWECプログラムを評価しており、参戦継続は未解決なままとなっている。フォードも同じくIMSAのDPiの参戦に興味を持っているとされている。

  • セルゲイ・シロトキン、SMPレーシングからのWEC参戦が正式発表

    セルゲイ・シロトキン、SMPレーシングからのWEC参戦が正式発表

    元F1ドライバーのセルゲイ・シロトキンが、SMPレーシングから2018/19シーズンのFIA 世界耐久選手権(WEC)の残りのレースに参戦することが正式発表された。

    昨シーズン末でウィリアムズのF1シートを喪失したセルゲイ・シロトキンは、彼を支援するSMPからWECに出場することは“ほぼ義務”だと述べていた。

    セルゲイ・シロトキンは、3月のセブリング1000マイルでSMPのBRエンッジニアリング BR1プロトタイプの一台を走らせる。

    セブリング1000マイルでは、SMPレーシングの11号車のドライバーが務めるジェンソン・バトンがSUPER GTのテストと日程が衝突するため不参加となるが、セルゲイ・シロトキンはバトンの代役ではなく17号車のドライバーを務める。

    セルゲイ・シロトキンは、マテボス・イサキャーンに代わってチームに加入し、イゴール・オルトツェフ、ステファン・サザランとともに17号車をドライブ。第6戦セブリング1000マイル、第7戦スパ・フランコルシャン6時間レース、そして、最終戦ル・マン24時間レースに参戦する。11号車のジェンソン・バトンの代役はまだ発表されていない。

    セルゲイ・シロトキンは「世界耐久選手権でロシアのSMPレーシングチームの一員として、ロシアのプロトタイプにロシアの国旗カラーを掲げられる名誉をとっても嬉しく思っている」

    「僕たちには優れたラインナップと素晴らしいクルマがある。それによって、ル・マン24時間を含め、勝利を争えると確信している」

    セルゲイ・シロトキンは、ここ数カ月でDTMとフォーミュラEのマシンをテストしているが、2019年のWEC以外の計画はまだ発表されていない。

  • フェルナンド・アロンソ、来期もトヨタでWEC参戦の可能性は「50/50」

    フェルナンド・アロンソ、来期もトヨタでWEC参戦の可能性は「50/50」

    フェルナンド・アロンソは、来期もトヨタからFIA 世界耐久選手権(WEC)に参戦するかどうかは『50/50』だと語る。

    2度のF1ワールドチャンピオンであるフェルナンド・アロンソは、昨シーズン限りでF1キャリアにピリオドを打っており、2019年のスケジュールは5レースしかない。今週末はウェイン・テイラー・レーシングからデイトナ24時間レースに参戦し、コニカミノルタ・キャデラック DPi-V.Rの10号車を走らせる。

    そして、5月にマクラーレンからインディ500に参戦する前にトヨタと2018/2019年のWECスーパーシーズンのセブリングとスパに参戦し、6月に最終戦のル・マン24時間レースを戦い、WECチャンピオンを目指す。

    世界3大レースでの“3冠”を目標に掲げてWECに参戦したフェルナンド・アロンソは、すでに昨年のル・マン24時間レースで優勝を果たし、トヨタから参戦した目的を果たしている。

    トヨタは昨年後半に2019/2020年シーズンの参戦についてフェルナンド・アロンソと議論を開始したことを明らかにしているが、フェルナンド・アロンソは来期もトヨタに残留する可能性は『50/50』だと述べた。

    「もちろん、このスーパーシーズンをできる限り最高のカタチで終えたいと思っている」とフェウrナンド・アロンソはデイトナでコメント。

    「僕たちは世界選手権をリードしているし、ル・マンが最終戦となる。そこでまた勝つ機会が得られれば素晴らしいだろう」

    「6月までとても忙しいけど、6月以降はWECチャンピオンシップ、5月のインディ500の動向次第だ」

    「今後、他の挑戦が現れるかもしれないし、WECがプライオリティになるかもしれない。それは最後の決定になるだろう」

    フェルナンド・アロンソは、昨年11月にバーレーンで7回のNASCARチャンピオンであるッジミー・ジョンソンとマシンを交換してNASCARマシンを初テストしているが、その分野で自分の腕を試す計画は今のところないと語る。

    「ストックカーに関しては現時点では計画していない。絶対にないとは言えないけど、短期的には計画には含まれていない。またゼロからのスタートだし、すべてを学ばなければならないからね」

    「スケジュールは非常に激しいし、今は正しいタイミングだとは感じていない」

  • レッドブル、ホンダとのF1活動に成功が見えなければWECに転向の可能性

    レッドブル、ホンダとのF1活動に成功が見えなければWECに転向の可能性

    レッドブルは、2020年までにホンダとF1での成功した未来を見い出すことができなければ、F1から撤退し、アストンマーティンとともにハイパーカーのヴァルキリーでル・マン24時間レースでの成功を目指すことになるかもしれない。

    エナジードリンク会社のレッドブルは、2005年にジャガーのワークスエントリーを引き継いでF1に参入。2010年から2013年まで圧倒的な強さでドライバーズ選手権とコンストラクターズ選手権の両方のタイトルを4連覇した。

    しかし、F1がV6ターボハイブリッド時代に突入して以降、散在的なレースウイナーに甘んじることになった。

    レッドブル・レーシングは、再びF1でタイトルを争うために12年間に及んだルノーとのカスタマーエンジン契約を終了し、2019年からホンダの事実上のワークスチームとしての活動を開始する。

    現在のコンコルド協定は2020年末で期限を迎えることになり、F1の新オーナーであるリバティメデャは、商業面とレギュレーション面で改革を目指しているものの、大きな進展は果たせていない。

    レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、レッドブル・レーシングは再びカスタマーチームになることに興味はないとし、計画されているレギュレーション変更がレッドブルにとっての身代金になるわけではないと明言した。

    「我々は2020年まで合意している」とヘルムート・マルコは Autosport にコメント。

    「エンジンレギュレーションやコンコルド協定がない限り、レッドブルもホンダも決断を下すことができない」

    「だが、我々が過去のように再びカスタマーになるつもりがないのは確かだ。その際、我々は他にはぐらかされ、声明と約束が守られることはなかった」

    レッドブルのホンダとの契約は2019年と2020年の2年契約となっている。それ以降、レッドブルにいとって継続するための好ましい状況がない場合、レッドブルの選択肢は限られているようだ。

    「止めることも選択肢だ。もしくは他のこと、他のレースシリーズをやる可能性もある」とヘルムート・マルコはコメント。

    「ハイパーカー規則が導入されれば、ヴァルキリーでル・マンというのも選択肢になるだろう。我々はヴァルキリーを完成させた。それはセンセーショナルな成功だった」

    「クルマはすぐに全台数が完売した。それはレッドブル・テクノロジーズにとってもう一本の優れた柱だ」

    ハイパーカーであるヴァルキリーの開発においては、レッドブルの最高技術責任者であるエイドリアン・ニューウェイが重要な役割を担っており、レッドブルはアストンマーティンを手助けした。サーキット仕様のヴァルキリーもすでに生産されている。

    FIA 世界耐久選手権(WEC)は、2020/2021年シーズンからLMP1クラスに代えてハイパーカーをベースとする新しいレギュレーションの策定に取り組んでいる。

    一方、F1の新オーナーであるリバティメディアが2021年に見据えているビジョンの根本的な部分のひとつはコスト削減であり、ヘルムート・マルコは、レッドブルのWECの最高峰クラスへの関心は、F1からの完全な撤退に完全に依存するわけではないと示唆する。

    「F1にコスト制限があったら、我々は人員を削減していただろう。我々は必ずしもそれを望んではいない」とヘルムート・マルコはコメント。

    「そうなった場合、我々は彼らをル・マンのようなプロジェクトに活用していく可能性がある。それでも、ヴァルキリーをベースとして手ごろなコストでWECを運営できそうだ」

    「レッドブルは24時間レースを戦ったことは一度もないが、我々はそれについて考えている。主な財政的な負担はアストンマーティン側にある。それも明らかだ。なぜなら、ル・マンではマニュファクチャラーが勝つからだ。だが、それは我々のコンセプトに合っているだろう」