カテゴリー: WEC (FIA世界耐久選手権)

  • ミック・シューマッハ 2026年去就に迷い「インディカーかWECか」 F1に未練

    ミック・シューマッハ 2026年去就に迷い「インディカーかWECか」 F1に未練

    ミック・シューマッハは、2026年のレースキャリアについて、WEC(世界耐久選手権)に残留するのか、それともインディカーに挑戦するのか、まだ決断に至っていないことを明かした。アルピーヌはその去就の明確化を急いでいる。

    26歳のシューマッハは、バーレーンで行われたWEC最終戦の会場で『Speed Week』の取材に応じ、「2026年に何をしたいか、まだ考え中なんだ。選択肢はある──ただしF1以外でね。すごくいいオファーがいくつかある」と語った。

    ここ2シーズン、アルピーヌのWECプログラムで走ってきたシューマッハは、最近ではラハル・レターマン・ラニガン・レーシング(RLL)でインディカーのテストを実施し、アメリカ転向の噂を加速させている。

    「本当に楽しかった。マシンはF2より速くて、タイヤもずっと良かった。チームの雰囲気も素晴らしくて、RLLの人たちはとても有能で話しやすかった。アメリカのモータースポーツへの情熱には感銘を受けた」とシューマッハは振り返る。

    「僕は昔からシングルシーターが大好きだから、インディカーのシーズンはすごく魅力的な選択肢だと思う。一方で、アルピーヌでの2年間もとても楽しかった。できれば年末までに契約と将来をはっきりさせたい」とも語った。

    アルピーヌ側は、シューマッハの決断を待ちきれない様子だ。WECチーム代表フィリップ・シノーは独『TZ München』に対し、「そろそろ決断の時だ。できるだけ早く明確にしてほしいのは当然だ」とコメントしている。

    それでもシノーは、シューマッハをチームに引き留めたい意向を強調した。「彼は我々のチームで本当に楽しそうにしている。彼が続けたいなら、我々としてもぜひ続けたい」と述べた。

    また、アルピーヌ・モータースポーツ部門の責任者ブルーノ・ファミンも「2026年のドライバーラインナップについては、まだ何も決まっていない」とし、同社のWEC活動とF1プロジェクトのバランスを慎重に検討していることを明かした。

    一方で、シューマッハ自身は今もF1への未練を隠さない。

    「もちろん、F1はまだ僕の心の中にある。もしオファーが来たら、きっと断れないと思う。F1は今も僕の胸の奥にあるんだ」と語った。

    アルピーヌでの安定と、アメリカ挑戦の狭間で
    シューマッハは現在、耐久レースで着実に評価を高めており、アルピーヌ側もその実力を高く買っている。一方で、インディカーでのテストは本人に強い刺激を与えたようで、「シングルシーターで戦いたい」という本能的な欲求が再燃していることがうかがえる。

    アルピーヌはWECとF1の両面で戦力構築を進めており、ドライバーの去就は年内決着が濃厚だ。2026年の舞台がル・マンか、あるいはインディアナポリスか──ミック・シューマッハの選択は、彼のキャリアの転機となりそうだ。

  • ジェンソン・バトン、WECバーレーンで現役引退「これが最後のレース」

    ジェンソン・バトン、WECバーレーンで現役引退「これが最後のレース」

    2009年のF1ワールドチャンピオン、ジェンソン・バトンが、来週末に開催される世界耐久選手権(WEC)最終戦バーレーン大会をもって、現役を引退することを発表した。

    45歳のバトンはここ数年、チーム・ジョタからWECに参戦してきたが、「これが最後のレースになる」とBBCラジオ・サマセットに語った。

    「バーレーンはいつも好きなサーキットだし、最後のレースを思いきり楽しみたい。これでプロフェッショナルとしてのレースキャリアは終わりだ」

    300戦超のF1キャリア、ハミルトンとの名コンビも
    バトンはF1で300戦以上に出場し、通算15勝を挙げた。2009年にブラウンGPで初タイトルを獲得し、その後はマクラーレンへ移籍してルイス・ハミルトンとチームメイトとして3シーズンを戦った。

    その間、チーム内ポイントではハミルトンを上回り、卓越したレースマネジメント能力を発揮。マクラーレンには2016年末まで在籍したが、ホンダパワー復帰後の低迷期を経て一度F1から引退していた。

    「家族の時間を優先する時が来た」
    今回の決断について、バトンは次のように語っている。

    「ジョタでのWEC参戦は本当に楽しかったけれど、今は人生があまりにも忙しすぎる。チームにも自分にも不公平だと思うんだ。2026年に向けて十分な時間を割けるとは思えない」

    「子どもたちは4歳と6歳。1週間家を離れるだけで、あっという間にいろんな瞬間を逃してしまう。ここ数年は仕方ないと割り切っていたけど、もうこれ以上は同じような生活を続けたくない」

    クラシックカーでのレース継続に意欲も
    一方で、完全にハンドルを置くわけではないようだ。

    現在は英スカイスポーツF1で解説者を務めるバトンだが、自身の所有するクラシックカーでのレース活動には意欲を示している。

    「自分のクラシックカーを走らせるのが楽しいんだ。WECやF1マシンとは全く違って、メカニカルなつながりを感じられる。ヒール・アンド・トゥや正確なシフト操作、エアロがない世界……そういう“純粋な機械の操縦”が大好きなんだ」

    バトンが象徴する“職人型ドライバー”の美学
    バトンのキャリアは、スピードだけでなく「繊細な技術」と「知的なレース構築力」に支えられたものだった。トリッキーなコンディション下での巧みな判断力や、マシンの感触を生かすセットアップ能力は群を抜いていた。

    彼がF1で最後に残した功績は、単にチャンピオンの肩書きだけでなく、グラウンドエフェクト全盛の現代においても忘れられない「人間の感覚で戦うドライバー像」を体現したことにある。

    バーレーンでの最終レースは、そうした“クラシック・レーサー”としての矜持を締めくくる舞台となりそうだ。

  • トヨタWEC 2026年仕様GR010ハイブリッドがポール・リカールで初テスト

    トヨタWEC 2026年仕様GR010ハイブリッドがポール・リカールで初テスト

    トヨタ・ガズー・レーシング(TGR)は、2026年仕様へと進化した「GR010ハイブリッド」の初テストをフランス・ポール・リカール・サーキットで実施した。

    新世代ハイパーカーとして開発が進められる2026年モデルは、空力やパワートレインに大幅な改良が加えられ、ル・マン24時間および世界耐久選手権(WEC)での王座奪還を目指すトヨタの切り札となる。

    2025年シーズンは表彰台を逃す苦戦が続くトヨタだが、今回のテストは再びトップ争いへ返り咲くための重要なステップ。TGR-E副社長・中嶋一貴を中心に開発が進む新型GR010ハイブリッドは、空力効率の見直しと最高速性能の向上を両立させた“再挑戦のマシン”として注目を集めている。

    熟成されたラインアップと新テストプログラム
    チームはこれまで通り、#7号車にマイク・コンウェイ/小林可夢偉/ニック・デ・フリース、#8号車にセバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮という熟練の布陣を維持。

    テストは10月上旬、富士6時間レース後に公開されたシルエットを経て、ポール・リカールでシェイクダウンからスタート。水曜日と木曜日にかけて行われた2日間の走行はすべてドライコンディションだった。

    初日は2台が同時走行できる「マニュファクチャラー・コレクティブテスト」として実施され、2025年型と2026年型を直接比較。2日目は1台のみの「マニュファクチャラーテスト」として新型に集中したプログラムが組まれた。

    2026年仕様の特徴 ― デザイン部門が主導
    迷彩カラーながら、外観の大幅な変更は一目瞭然だ。

    トヨタのデザイン部門が初めて造形に関与し、市販モデルやコンセプトカーを想起させるヘッドライト形状を採用。空力面では、フロントカウルがよりスリムになり、直線速度の向上を狙った改良が施されている。サイドポッドやリアウイングも最適化された。

    TGR-E副社長の中嶋一貴氏は「単に最高速だけでなく、あらゆる分野での改善を目指している」と語る。

    「ただ、ル・マンでは依然として最高速が課題でした。デュアルバンドBoP(性能調整)で是正されるはずでしたが、まだ差が残っている。空力やドライバビリティの改善と併せて取り組む必要があります」

    また、2021〜2027年の間に各メーカーへ与えられる「エボ・ジョーカー」5回のうち、少なくとも1回を使用していることが確認されている。それに加えて、パワートレインや電子制御系にも細かな改良が施されている模様だ。

    「常に改良の余地があります。パワートレイン、制御システム、その他の要素でもね」と中嶋氏は語った。

    当初このアップデートは2025年導入を予定していたが、風洞試験の認証先がスイス・ザウバーから米ノースカロライナのWindshear社へ変更された影響で延期されたという。

    「今年のル・マンの結果が、私たちにさらに踏み込む決断をさせました」と中嶋氏。

    トヨタ WEC
    Images courtesy of Passion Motors

    次なるステップ ― 年内に追加テストを計画
    ポール・リカールでのデータ解析を終えた後、2026年仕様のGR010ハイブリッドは10月28日に再びケルンの風洞施設へ戻り、空力相関テストを実施する予定。

    12月10日と12日には、間に1日休養を挟む2回の走行日が設定されており、効率的に検証を進める計画だ。

    このうち10日は2台同時走行が可能な「コレクティブテスト」、12日は「チームテスト」として使われる。年末にテスト枠を温存しておいたのは、すべてを2026年仕様の開発に集中させるためだ。

    年明け2026年初頭にはさらに1回のテストを実施し、3月22〜23日のWEC公式プロローグ(カタール・ルサイル・サーキット)に臨む見通し。
    そして3月28日に開幕する「カタール1812km」で、新型GR010ハイブリッドがデビューすることになる。

    分析:WEC勢力図再編のカギを握る「空力とBoP対応力」
    2025年シーズン、トヨタはル・マンを含めて表彰台を逃すなど苦戦を強いられた。その原因はBoP(性能調整)による出力制限だけでなく、空力効率とトップスピードでライバルに劣った点にある。

    2026年仕様ではこの弱点を克服すべく、従来の「信頼性+安定性」路線から一歩踏み込み、ドライバーが攻められる“解放型パッケージ”へと舵を切った印象だ。

    また、デザイン部門が造形に関与したことは、ル・マン・ハイパーカークラスにおけるブランド表現強化の一環ともいえる。
    ル・マンで勝つことだけでなく、「トヨタらしいハイパーカー像」を世界に示す狙いも透けて見える。

    この開発速度と方向性が成功すれば、2026年のWECは再びトヨタvsフェラーリvsポルシェの“三つ巴”が激化する可能性が高い。

    Source: The Race

  • ポルシェ 2025年シーズン限りでWECハイパーカークラスから撤退

    ポルシェ 2025年シーズン限りでWECハイパーカークラスから撤退

    ポルシェは2025年シーズンをもって、世界耐久選手権(WEC)のハイパーカークラスにおけるワークス参戦を終了すると発表した。

    同社は2024年にケビン・エストーレ、ローレンス・バントール、アンドレ・ロッテラーのクルーでドライバーズタイトルを獲得しており、今回の発表は大きな転換点となる。発表は火曜日に行われ、同時に北米IMSAスポーツカー選手権への継続参戦も明言された。

    ポルシェは今後も「ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ(PPM)」体制のもと、IMSAのGTPクラスで963 LMDhを走らせる。このプログラムと、フォーミュラEでのワークス参戦の2本柱が2026年以降のワークス活動となる。

    ポルシェの研究開発担当取締役でモータースポーツ部門も統括するミヒャエル・シュタイナーは次のように述べた。
    「現在の状況により、今季限りでWECへの参戦を継続できないことを非常に残念に思っている」

    声明では、IMSAへの継続参戦が「北米市場および耐久レースの重要性を強調するものである」とも強調された。

    「現在の状況」の詳細な説明はなかったが、PPMが2023年から続けてきたWECとIMSAの二正面体制を縮小する決断の背景には、ブランドとしての財務的課題があるとみられている。

    ポルシェは米国での輸入関税導入や中国市場での需要低下により販売が減少しており、CEOのオリバー・ブルーメは7月、2029年までに人員を10%削減する計画を発表した。

    また、販売台数のピークを2024年の30万台超から25万台程度に下方修正する方針も明かしている。

    ただし、ポルシェ・モータースポーツ代表のトーマス・ラウデンバッハは9月のオースティンWECラウンドで、LMDhプログラムの将来に関する決定は「財務的理由だけで判断されるものではない」と述べていた。

    彼はWEC運営への不満を口にし、「シリーズ内で改善すべき点がある」と語っている。

    さらにラウデンバッハは、バランス・オブ・パフォーマンス(BoP)に対しても不満をにじませ、「疑わしい結果が多く見られた」と発言した。
    彼は、6月のル・マン24時間でエストーレ、バントール、マット・キャンベル組の6号車がほぼ完璧なレースをしたにもかかわらず2位に終わったことを例に挙げた。

    「2位という結果自体は悪くない。だが、あの強豪たちを考えれば、あの6号車は“完璧なレース”だったと言える。率直に言って、6号車が勝って然るべきだった」と彼は説明した。

    フォーミュラEについては、2026/27シーズンから始まるGen4時代への参戦を継続することで、ポルシェの電動スポーツカー開発に「貴重な知見を得る」ことを目的としている。

    シュタイナーは「この競争環境の中で、我々は高性能車の開発をさらに推進していく」と述べた。

    ポルシェはまた、顧客チームによる活動を「モータースポーツ戦略の重要な柱」と位置づけ、引き続き支援を行うことも明言している。
    現在、ドイツのプロトン・コンペティションがWECでカスタマーポルシェ963を走らせており、マンタイ・レーシングは新型911 GT3-RでLMGT3クラスに参戦している。

  • アルピーヌ A424がWEC富士6時間で劇的初優勝 トヨタ地元で苦戦

    アルピーヌ A424がWEC富士6時間で劇的初優勝 トヨタ地元で苦戦

    アルピーヌは富士6時間レースでA424 LMDhによって初の世界耐久選手権(WEC)勝利を挙げた。シャルル・ミレシ、ポール=ルー・シャタン、フェルディナンド・ハプスブルクのトリオが、波乱含みのレースを制した。

    35号車は、3度のセーフティカーとさらに5度のフルコースイエローに中断されたレースを制し、最終的に#93プジョー9X8 2024 LMH(ミケル・イェンセン/ポール・ディ・レスタ/ジャン=エリック・ベルニュ組)に7.6秒差で勝利した。

    ミレシは最終スティントのピットストップで3番手から首位に浮上した。プジョーと、2番手を走行していたポルシェ963 LMDh(ケビン・エストレ/ローレンス・バントール組)が4本タイヤ交換したのに対し、アルピーヌは2本のみを交換。これによりピットサイクル後には8秒近いリードを築き、最後の1時間で最大11秒まで差を広げた。

    アルピーヌにとっては2022年7月のモンツァ(ジャッドエンジン搭載A480 LMP1で勝利)以来となるWEC勝利であり、当初は勝者候補には見えなかった。序盤、ハプスブルクが#8トヨタGR010 HYBRID LMHのリアに接触してペナルティを受け、最初のピットストップでノーズ交換も余儀なくされた。

    しかし、レースの折り返し2時間半前に2度目のFCYが出される直前、シャタンが絶妙なタイミングでピットインできたことが流れを変えた。フィールドが80km/h制限で走行中にピット作業を済ませ、その後FCYがセーフティカーに切り替わったことで、アルピーヌは大きなアドバンテージを得た。

    再開後、シャタンはプジョーの背後につけたが、その後、ポルシェのエストレに先行を許す。しかしポルシェはピット作業違反で5秒加算ペナルティを科され、最終的に3位へ後退。バントールは最後までイェンセンのテールに張り付き、0.5秒差で3位チェッカーを受けた。

    ポルシェの2号車(マチュー・ジャミネ/ジュリアン・アンドロエ組)が4位に入り、マニュファクチャラーズタイトル争いをバーレーン最終戦に持ち込む結果となった。

    一方、フェラーリにとっては厳しい一日だった。依然としてマニュファクチャラーズとドライバーズの両選手権をリードしているものの、#51フェラーリ499P(アレッサンドロ・ピエール・グイディ/ジェームス・カラド組)は11位に終わり、1ポイントを加算するにとどまった。レース中のプロトン・ポルシェとの接触でダメージを負い、さらにトラックリミット違反で2度のペナルティを受けた。

    #94プジョーではストフェル・バンドーンが終盤に追い上げ、ロイック・デュバル/マルテ・ヤコブセンとともに5位フィニッシュ。アストンマーティンは#009ヴァルキリーLMH(マルコ・ソーレンセン/アレックス・リベラス組)が6位を確保した。

    キャデラックは#12号車(アレックス・リン/ウィル・スティーブンス/ノーマン・ナト組)が7位。序盤は2台でレースを支配していたが、最初のセーフティカーで流れを失い、その後の度重なるニュートラリゼーションで後退した。

    トヨタは#7 GR010 HYBRID LMH(小林可夢偉/ニック・デ・フリース/マイク・コンウェイ組)が8位、WRT BMW M Hybrid V8(ロビン・フラインス/ルネ・ラスト/シェルドン・ファン・デル・リンデ組)が9位となった。

    ル・マン24時間勝者の#83 AFコルセ・フェラーリ(ロバート・クビサ/イエ・イフェイ/フィル・ハンソン組)は10位に入り、ランキング首位の#51組との差をわずかに詰めた。

    LMGT3クラスはTFスポーツのシボレー・コルベットZ06 GT3.R(チャーリー・イーストウッド/ルイ・アンドラーデ/トム・ファン・ロンプイ組)が優勝。#21 AFフェラーリ296 GT3(アレッシオ・ロベラ/シモン・マン/フランソワ・エリオ組)が2位でチェッカーを受けたが、ピット作業違反で5秒加算となり、イーストウッドのコルベットが2秒差で繰り上がり勝利を収めた。

  • 富士スピードウェイ 2025年WEC富士で過去最多の来場者数を記録

    富士スピードウェイ 2025年WEC富士で過去最多の来場者数を記録

    富士スピードウェイは、2025年FIA世界耐久選手権(WEC)第7戦「富士6時間耐久レース」を9月26日(金)から28日(日)にかけて開催し、シリーズ100戦目の節目を飾った。大会3日間で延べ66,400人の観客が訪れ、過去最多を更新した。

    大会最終日(9月28日)は曇り空のもと、39,700人が来場。前日の土曜日には19,100人、金曜日には7,600人が来場し、合計66,400人となった。これは前年の65,800人を上回り、昨年比100.9%という伸びを示している。

    富士スピードウェイ株式会社は「各地から遠路ご来場いただき、誠にありがとうございました」とコメントしている。

    2025年WEC富士 来場者数(単位:人)

    日付 天候 観客数(昨年比) 昨年
    9月26日(金) 晴れ 7,600 7,600
    9月27日(土) 曇り 19,100 17,800
    9月28日(日) 曇り 39,700 40,400
    3日間合計 66,400(100.9%) 65,800

    ※ 15:00時点

    大会は日本のモータースポーツファンにとって大きな盛り上がりを見せ、記念すべき「シリーズ100戦目」として歴史に刻まれるイベントとなった。

    WEC 富士スピードウェイ

  • ジェンソン・バトン 今季限りでWEC参戦を終了「家族との時間を大切にしたい」

    ジェンソン・バトン 今季限りでWEC参戦を終了「家族との時間を大切にしたい」

    2009年のF1ワールドチャンピオンであるジェンソン・バトンが、2025年シーズンをもってWEC(FIA世界耐久選手権)へのフル参戦を終了することを明かした。

    現在45歳のバトンは、キャデラック陣営でハイパーカークラスに参戦しており、先週末の「サンパウロ6時間レース」では自身最高位となる2位フィニッシュを飾ったばかりだったが、今後は家族との時間を優先する意向を示している。

    多忙なスケジュールと家族との時間が決断の鍵に
    「人生があまりに忙しくなりすぎた。いろんなことが同時進行で進んでいて、スケジュールもとても過密だ」とバトンはMotorsport.comに語っている。

    「そろそろ将来のことをもっと考えなきゃいけないし、家族と過ごす時間をもっと持ちたいと思ってる。チームにとってもフェアじゃないと思う。来年以降はチームに十分な時間を割けそうにないから」

    引退ではなく、来年もレースには参戦予定
    ただし、今回の決断が完全な現役引退を意味するわけではない。バトンは次のようにも語っている。

    「来年も何かしらのレースには出るつもりだけど、フルシーズンではないよ」

    2023年にはNASCARカップシリーズに3戦限定で出場していたバトンだが、再挑戦の可能性について問われると「どうだろうね、様子を見てみよう」と具体的な言及は避けた。

    Jotaからキャデラックへ、WECでの軌跡
    バトンは2024年シーズンにJotaスポーツからポルシェ963 LMDhのカスタマーカーでWECにフル参戦。前年にはIMSA最終戦「プチ・ル・マン」で同車をテストしていた。

    そして2025年には、Jotaがキャデラックとのファクトリーパートナーシップを結んだことで引き続きチームに残留。今回のサンパウロでの表彰台により、トップカテゴリーでの活躍を改めて印象づけていた。

    なお、彼にとってはこれが2度目のスポーツカートップカテゴリー参戦となる。2018年にはSMPレーシングからBR1 LMP1車両で一部レースに参戦していた経歴がある。

    バトンはまた、レース活動の傍らでSky SportsのF1中継チームの一員としてグランプリ解説も担当しており、今後もモータースポーツ界に関わり続ける意向を持っている。

  • メルセデスF1代表 WECの性能調整(BOP)を批判 「最速のクルマを作りたい」

    メルセデスF1代表 WECの性能調整(BOP)を批判 「最速のクルマを作りたい」

    F1でのライバルであるマックス・フェルスタッペンに続き、トト・ヴォルフも世界耐久選手権(WEC)の根幹にある「ある原則」に嫌悪感を示した。

    4度のF1世界王者であるフェルスタッペンは、GTカーやトップカテゴリーのプロトタイプマシンでレースをする将来を視野に入れていることを、近年ますます明確にしている。

    レッドブルのアドバイザーであるヘルムート・マルコは、27歳のフェルスタッペンがフェルナンド・アロンソのように40代までF1を続けるつもりは「絶対にない」と語った。

    「F1を辞めたら、彼はおそらくル・マンに関心を持つだろう」とマルコはオーストリア紙『Kleine Zeitung』に語った。「そして、彼がさらに興味を持っているのがニュルブルクリンク24時間レースだ」

    「だが、あれは茶番だ。今の彼にはトップカテゴリーのクルマでレースをすることが許されていない。ドイツのレギュレーションは、彼が4度の世界王者であることも、初テストでたった3周でラップレコードを更新したことも考慮しない」

    「彼に特例は認められない」とマルコは続けた。「2回のテストか2戦の出場が求められるが、彼はそれをやるだろう」

    ル・マンについても、フェルスタッペンは「最高峰クラスで戦えること」が参戦の条件だと明言している。つまり、ハイパーカーやLMDhといったプロトタイプカテゴリーだ。

    しかしオランダ人の彼は、そのクラスに導入されている「性能調整(BOP)」ルールを好ましく思っていない。

    「今のところ、僕が参戦するにはまだ早いと思う」とフェルスタッペンは最近語った。「新しいレギュレーションが導入されたばかりで、BOPの制度はもっとしっかり整備される必要がある。今はちょっと当たり外れが大きすぎると感じている」

    またフェルスタッペンは、自分がフル装備で80kgあることから、「より軽いドライバーには全く太刀打ちできない」とも述べている。「そこには制限が必要だと思う。1ラップあたり数コンマ秒の差になるからね」

    現在、フェラーリとアルピーヌがWECの最上位カテゴリーで戦っており、マクラーレンも2027年からの参入を計画している。

    ではメルセデスはどうか? F1チームの代表で共同オーナーでもあるトト・ヴォルフも、フェルスタッペンと同様にBOPルールに否定的な見解を示している。

    「我々は膨大な時間と資金、労力を費やして最速のクルマを開発する。そしてその結果、10kgのバラストを積まされるなんて話になる」とヴォルフは『Bloomberg』に語った。

    「私がやりたいのは、ただ最速のクルマを作ることだ」

    ヴォルフはまた、ル・マン中心のこのカテゴリーをより魅力あるものにするためには、F1のような予算上限制度を導入することが鍵になると主張する。

    「もちろんF1にもレギュレーションは存在するが、我々には予選やプレシーズンで“はったり”をかます必要がない。本気の戦いがある。手加減なしの、純粋なレースだ」

    「もしWECでもそうした形が取られるようになれば、ル・マンは間違いなく我々が注目する対象になるだろう。だが今のところ、BOPのように“あなたのクルマは速すぎる”と誰かが判断し、10kgの重りを加えたり他車から取り除いたりするような制度は、我々にとって魅力ではない」

    「現時点では、我々が集中しているのはF1という主要なプラットフォームだ。それが観客の99%を惹きつけており、他のすべては二の次だ」

  • WEC:トヨタ ノーポイントで44戦連続ポイント獲得記録が途切れる

    WEC:トヨタ ノーポイントで44戦連続ポイント獲得記録が途切れる

    2025年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)第5戦サンパウロ6時間の決勝が、7月13日(日)にブラジルのインテルラゴス・サーキットで行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のGR010 HYBRIDは、7号車が14位、8号車が15位でレースを終えた。

    昨年この地で圧倒的な勝利を収めた世界チャンピオンチームとして大会に臨んだTGRだったが、レースウィーク初日から厳しい状況が続き、決勝も苦戦が予想されていた。

    決勝ではチームの懸命な作業とドライバーの奮闘、安定したピットストップによって善戦したものの、上位勢とのパフォーマンスと速度の差は大きく、GR010 HYBRIDの2台はいずれもトップ10圏外でのフィニッシュとなった。

    小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ニック・デ・フリースがドライブした7号車は14位でチェッカーを受けた。一方、セバスチャン・ブエミが他カテゴリー参戦のため欠場し、ブレンドン・ハートレーと平川亮の2人で臨んだ8号車は15位での完走となった。

    この結果、TGRは今大会でポイントを獲得できず、2018年のシルバーストーン6時間レース以来続いていた決勝レースでの44戦連続ポイント獲得記録が途切れることになった。

    決勝レースは快晴のもと現地時間午前11時半にスタートし、8号車はハートレーが10番手グリッド、7号車はコンウェイが18番手グリッドから発進した。ミディアムタイヤとハードタイヤを使い分けながら序盤は健闘し、いくつかポジションを上げる場面も見られたが、スティントが進むにつれてペース不足が顕在化。1時間経過時点の最初のピットストップでは、両車ともにトップ10圏外の走行を強いられていた。

    その後、2台のGR010 HYBRIDはタイヤ無交換で安定したペースを刻み、2時間経過時にはトップ10圏内を視野に入れられる位置まで浮上。このタイミングで最初のドライバーチェンジを実施し、7号車はデ・フリース、8号車は平川へと交代。新たにミディアムタイヤを装着し、諦めることなくプッシュを続け、レースの中盤には両車ともに自己ベストラップを更新するなど、巻き返しを狙った。

    しかし挑戦は困難を極め、5時間経過時点でアストンマーティンの009号車を攻略したものの、トップ10入りは叶わなかった。終盤、7号車は小林、8号車はハートレーに交代し、さらなる追い上げを試みたが、メインストレート上空に凧が飛来するという予想外のアクシデントにより、レースは一時中断された。

    5時間を過ぎて最終ピットストップを終えると、7号車は小林が、8号車は平川がそれぞれステアリングを握り、日没が近づくころには両車とも数秒差で14位・15位を走行。そのままの順位で、トップのキャデラックから3周遅れでチェッカーフラッグを受けた。

    WECはここで夏休みに入り、次戦は9月7日(日)にアメリカ・テキサス州のCOTAで開催される第6戦となる。TGRはこの厳しいサンパウロ戦で得たデータを綿密に分析し、パフォーマンス回復に向けて準備を進めていく方針だ。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
    14位、15位という結果と今日のパフォーマンスは、まったく期待していたものではなく、本当に残念です。我々はパフォーマンスを最大限に引き出すべく努力をしてきましたが、ライバルとの差があまりに大きかったことは明らかでした。ストレートでのスピードが全く足りず、バトルを繰り広げることもできませんでした。この結果を分析し、状況を改善するための努力を続ければ、次戦では必ず強くなって戻れると確信しています。ポジティブな面では、AKKODIS ASPチームがRC F LMGT3でLMGT3クラスの優勝を果たしたことに大いに祝福を送りたいです。彼らがポディウムの中央に立っている姿を見ることができてとても嬉しいです。本当に今日のこの勝利に値するチームです。

    マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー)
    かなり厳しい一日でした。ライバルと戦える状況ではありませんでしたが、できる限りのことはしました。しかし結局、2台共に後方で走り続けることになってしまいました。とにかく、この経験を無駄にせず、次戦オースティンまでに解決策を見出し、より良いパフォーマンスを発揮できることを期待しています。

    ニック・デ・フリース(7号車 ドライバー)
    昨年とは全く異なるレースとなってしまいました。もちろん、このような結果には全く満足していません。チームの誰もが上位争いを望んでいましたが、今日はそれが叶いませんでした。しかし、我々は強いチームであり、夏の間も努力を続けて、さらに良い状態で戻って来ます。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
    困難な一日で、望んでいた結果にはなりませんでした。2台共に純粋なペースでトップ10に入れなかったのは残念です。次戦では再び勝利を争えることを期待していますし、そのためにチーム全員が頑張っていることも知っています。

    平川亮(8号車 ドライバー)
    非常にタフなレースでした。パッケージの最適化を進めたことで、いくつか満足できる点もありましたが、結果には誰も満足しておらず、チームにとって厳しい一日でした。今シーズンは厳しいレースが続いていますが、オースティンや富士ではもっと良い結果を期待しています。チームは本当に頑張ってくれていますし、一刻も早く成果が得られることを願っています。

    WEC(FIA 世界耐久選手権)

    WEC第5戦 サンパウロ6時間 決勝結果

    1位 No.12
    アレックス・リン/ノルマン・ナト/ウィル・スティーブンス
    キャデラック・ハーツ・チームJOTA/キャデラック V-Series.R
    242周(優勝)

    2位 No.38
    アール・バンバー/セバスチャン・ブルデー/ジェンソン・バトン
    キャデラック・ハーツ・チームJOTA/キャデラック V-Series.R
    242周(+57.016秒)

    3位 No.5
    ジュリアン・アンドラウアー/ミカエル・クリステンセン
    ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/ポルシェ 963
    242周(+58.882秒)

    4位 No.6
    ケビン・エストレ/ローレンス・バンスール
    ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/ポルシェ 963
    241周(+1周)

    5位 No.20
    レネ・ラスト/ロビン・フラインス/シェルドン・ファン・デル・リンデ
    BMW M TEAM WRT/BMW M Hybrid V8
    241周(+1周)

    14位 No.7
    マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ニック・デ・フリース
    TOYOTA GAZOO Racing/トヨタ GR010 HYBRID
    239周(+3周)

    15位 No.8
    ブレンドン・ハートレー/平川亮
    TOYOTA GAZOO Racing/トヨタ GR010 HYBRID
    239周(+3周)

  • WEC:トヨタ サンパウロ6時間の予選でハイパーポール進出も厳しい結果

    WEC:トヨタ サンパウロ6時間の予選でハイパーポール進出も厳しい結果

    7月12日(土)、ブラジルのインテルラゴス・サーキットで2025年FIA世界耐久選手権(WEC)第5戦サンパウロ6時間の予選とハイパーポールが行われ、TOYOTA GAZOO RacingのGR010 HYBRIDは、8号車が10番手、7号車が18番手という厳しいグリッドとなった。

    この日の走行は、午前中の公式練習3回目からスタート。チームとドライバーは1時間のセッションで予選に向けたセットアップを試し、その後は決勝に向けた準備とタイヤの解析に取り組んだ。

    セッション中には平川亮が8号車でトップタイムを記録する場面もあったが、これが後の予選結果に結びつくことはなかった。

    予選は雲が立ちこめる空の下、12分間のセッションで行われた。インテルラゴスは全長4.309kmとWECカレンダー中で最も短い部類に入り、限られた時間内でクリアラップを取ることが難しい。7号車の小林可夢偉はピットで1分以上待機した後にアタックへ向かったが、渋滞やタイミングの問題から18番手にとどまった。

    一方、8号車を担当した平川は好パフォーマンスを発揮し、10番手タイムでハイパーポール進出を果たした。続く10分間のハイパーポールでは、終盤に記録したラップで一時9番手に浮上したが、最終ラップで他車にタイムを上回られ、10番手グリッドが確定した。

    決勝は6時間で争われ、日本時間では13日(日)午後11時30分にスタートが切られる予定となっている。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):
    「昨年の結果が良かったため、大きな期待を持ってこのブラジルにきましたが、これまでのところ思うようにはいっていません。決勝では何かポジティブなものを得たいと考えています。8号車が10番手、我々7号車が18番手というのは、我々が望んでいた結果ではありませんが、これが現実です。決勝ではポジションを上げ、2台ともにポイントを獲得できればと思っています」

    平川亮(8号車 ドライバー):
    「ここブラジルでの我々のパフォーマンスやライバルの速さを考えると、ハイパーポールへの進出は我々にとって最大限の結果だったと思います。厳しいレースウィークで、決勝もチャレンジングなものになるでしょうが、10番手スタートは悪くありません。決勝では追い上げて、今季初の表彰台を目指して頑張ります」

    WEC(FIA 世界耐久選手権

    WEC 第5戦 サンパウロ6時間 公式予選結果(上位+TGR)
    1位 No.12 アレックス・リン/ノルマン・ナト/ウィル・スティーブンス
       キャデラック・ハーツ・チームJOTA/キャデラック V-Series.R 1:22.829
    2位 No.94 ロイック・デュバル/マルテ・ヤコブセン
       プジョー・トタルエナジーズ/プジョー 9X8 1:23.208
    3位 No.93 ポール・ディ・レスタ/ミケル・イェンセン
       プジョー・トタルエナジーズ/プジョー 9X8 1:23.269
    4位 No.5 ジュリアン・アンドラウアー/ミカエル・クリステンセン
       ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/ポルシェ 963 1:23.279
    5位 No.15 ドリス・バンスール/ラファエル・マルチェッロ/ケビン・マグヌッセン
       BMW M TEAM WRT/BMW M Hybrid V8 1:23.391
    10位 No.8 ブレンドン・ハートレー/平川亮
       TOYOTA GAZOO Racing/トヨタ GR010 HYBRID 1:23.673
    18位 No.7 マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ニック・デ・フリース
       TOYOTA GAZOO Racing/トヨタ GR010 HYBRID 1:24.153

    WEC 第5戦 サンパウロ6時間 ハイパーポール結果
    1位 No.12 アレックス・リン/ノルマン・ナト/ウィル・スティーブンス
       キャデラック・ハーツ・チームJOTA/キャデラック V-Series.R 1:22.570
    2位 No.38 アール・バンバー/セバスチャン・ブルデー/ジェンソン・バトン
       キャデラック・ハーツ・チームJOTA/キャデラック V-Series.R 1:22.670
    3位 No.5 ジュリアン・アンドラウアー/ミカエル・クリステンセン
       ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/ポルシェ 963 1:22.834
    4位 No.94 ロイック・デュバル/マルテ・ヤコブセン
       プジョー・トタルエナジーズ/プジョー 9X8 1:22.948
    5位 No.20 レネ・ラスト/ロビン・フラインス/シェルドン・ファン・デル・リンデ
       BMW M TEAM WRT/BMW M Hybrid V8 1:23.062
    10位 No.8 ブレンドン・ハートレー/平川亮
       TOYOTA GAZOO Racing/トヨタ GR010 HYBRID 1:23.496