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  • アービッド・リンドブラッド F1定番のモナコ移住を拒否「富の象徴に抵抗」

    アービッド・リンドブラッド F1定番のモナコ移住を拒否「富の象徴に抵抗」

    F1ドライバーにとって”聖地”ともいえるモナコ。しかし、2026年にF1デビューを果たしたレーシングブルズのアービッド・リンドブラッドは、その魅力に惹かれていないことを明かした。

    現在のF1グリッド22人のうち13人がモナコに居住、または不動産を所有しているが、リンドブラッドは「普通の18歳として暮らせる場所」を望んでおり、将来的にも静かな海辺の街で生活したいという考えを語っている。

    F1ドライバーがモナコを選ぶ理由
    モナコはF1モナコGPの開催地であるだけでなく、税制面でのメリット(フランス人を除く)や高い治安、ヨーロッパ各地へのアクセスの良さから、多くのF1ドライバーが拠点としている。

    2026年シーズンでは、マックス・フェルスタッペン、ルイス・ハミルトン、ランド・ノリス、シャルル・ルクレールら世界のトップドライバーがモナコに居住している。

    一方で、リンドブラッドは、その華やかな環境に違和感を抱いている。

    祖父母と両親の苦労が価値観を形成
    リンドブラッドは、自身の家族の歴史が現在の価値観に大きな影響を与えていると説明した。

    「僕の祖父母は何も持っていなかった。父は食事を1日3回取ることさえ難しかった時期があって、11歳か12歳の頃にはすでに働いていた」

    「母方の家族にも特別な物語がある。祖父母はパキスタン出身で、ある時すべてを失った。本当に一夜にして、身につけていた服と持ち運べる荷物しか残らなかったんだ」

    「その後、イギリスへ移り、医師として懸命に働いて人生を築き直した。僕は努力によってすべてを勝ち取った人たちに囲まれて育った」

    「モナコは富の究極の象徴」
    そうした背景が、モナコ移住に抵抗を感じる理由だという。

    「その通りだ。モナコに住んでいる人たちは『実際には普通の生活だよ』と言う。でも僕の中では、モナコは今でも『富の究極の象徴』なんだ」

    「若い頃に父が食事にも苦労していたことや、祖父母がすべてを失ったことを思うと、そんな場所に住むことに少し抵抗を感じる」

    「もちろんモナコが悪い場所だと言いたいわけじゃない。ただ今の自分には、その考えにまだしっくりこないだけなんだ」

    「もちろん僕も普通の人間だから、たまには何か良い物を買いたくなる。そういう意味では矛盾しているかもしれない。でも、今はそう考えている」

    望むのは”普通の18歳”としての生活
    リンドブラッドは将来住みたい場所についても、自身の理想を明かした。

    「海の近くの静かな街で暮らしたい。誰にも知られず、映画館へ行ったり、散歩したり、友達と会ったり、普通の若者として生活できる場所がいい」

    「子どもの頃から僕の人生は友達とは全然違っていた。サーキットではF1ドライバーでいたい。でも家に帰れば18歳の若者でいたい。それが僕にとって本当に大切なんだ」

    現在リンドブラッドはイングランドを拠点としており、「今住んでいる場所では、それが実現できている」と語っている。

    2026年F1ドライバーの主な居住地

    ■ モナコ
    ・ジョージ・ラッセル(メルセデス)
    ・マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
    ・シャルル・ルクレール(フェラーリ)
    ・ルイス・ハミルトン(フェラーリ)
    ・ランド・ノリス(マクラーレン)
    ・オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
    ・リアム・ローソン(レーシングブルズ)
    ・ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)
    ・ガブリエル・ボルトレト(アウディ)
    ・アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)
    ・カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)
    ・オリバー・ベアマン(ハース)
    ・バルテリ・ボッタス(キャデラック)

    ■ スイス
    ・フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
    ・ランス・ストロール(アストンマーティン)
    ・エステバン・オコン(ハース)

    ■ イタリア
    ・ピエール・ガスリー(アルピーヌ)

    ■ イタリア/フランス
    ・アイザック・ハジャー(レッドブル)

    ■ サンマリノ
    ・キミ・アントネッリ(メルセデス)

    ■ イングランド
    ・アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)

    ■ アルゼンチン
    ・フランコ・コラピント(アルピーヌ)

    ■ マイアミ
    ・セルジオ・ペレス(キャデラック)

    F1ドライバーの多くが税制や利便性を理由にモナコを生活拠点として選ぶ一方で、リンドブラッドは家族の歴史と自身の価値観を大切にし、「普通の生活」を優先したいという姿勢を示している。彼の考え方は、F1界では少数派ながらも、18歳らしい率直な価値観として注目を集めそうだ。

  • ニコ・ヒュルケンベルグ アウディF1で長期参戦に意欲「望まれる限り走る」

    ニコ・ヒュルケンベルグ アウディF1で長期参戦に意欲「望まれる限り走る」

    ニコ・ヒュルケンベルグは、アウディとの将来について、チームから必要とされ、自身が楽しみながら速さを維持できる限りF1で走り続けたいとの考えを示した。

    38歳のヒュルケンベルグは2027年までアウディとの契約を結んでいる。2026年シーズンは結果だけを見れば苦戦が続いていたものの、第11戦ハンガリーGPでは9位に入り、今季初ポイントを獲得。本人はランキングに表れている数字と実際のパフォーマンスには大きな隔たりがあると強調している。

    ランキング以上の手応えを強調
    ヒュルケンベルグはドイツ紙『Sport Bild』に対し、2026年シーズンを単純にポイントだけで評価するべきではないと語った。

    「そこに見えているものと、実際にコース上で起きたこと、そしてチームとして僕たちがどの位置にいるのかには、大きな隔たりがある」

    「ランキングだけを見れば『なんてひどいんだ』と思うだろう。でも、それぞれのレースを振り返って全体像を見れば、状況はかなり明確に感じられる」

    アウディは2026年からワークスチームとしてF1に参戦。ヒュルケンベルグは経験豊富なドライバーとして、そのプロジェクトを支える重要な役割を担っている。

    シーズン序盤はポイント獲得に届かないレースが続いたが、ハンガリーGPでは9位に入り、ようやく結果としても前進を示した。

    2027年以降もアウディで走る可能性
    ヒュルケンベルグとアウディの現在の契約は2027年までとなっているが、それ以降についても本人は可能性を否定していない。

    「絶対にないとは言わない。でも、それを考えるにはまだ早すぎる。僕は今この瞬間に集中しているし、1年ずつ考えている」

    そのうえで、現役を続けるための条件について明確に語った。

    「僕が楽しめていて、ストップウォッチが正しい数字を示していて、チームが僕を必要としてくれる限り、僕はアウディで走る」

    「それがかなり長く続くことも想像できる」

    2027年シーズン終了時には40歳を迎えることになるが、年齢そのものを引退の基準にはしていない。自身のパフォーマンスとモチベーション、そしてチームからの評価が維持される限り、アウディとの関係をさらに長く続ける考えだ。

    ニコ・ヒュルケンベルグ アウディF1

    契約よりもアウディF1の成長を優先
    もっとも、現段階でヒュルケンベルグが重視しているのは、2028年以降の自身の契約ではない。アウディのF1プロジェクトそのものが正しい方向へ進んでいるかどうかだ。

    「今重要なのは、このプロジェクトが正しい方向へ進んでいることだけだ。そして、僕たちはそうできている」

    「それ以外のことは後からついてくる」

    アウディにとって2026年はワークス参戦初年度であり、マシンとパワーユニットの双方を含めたプロジェクトを成長させていく段階にある。ヒュルケンベルグも目先の契約交渉より、まずチームとして競争力を高めることを優先している。

    ハンガリーGPで今季初ポイントを手にしたヒュルケンベルグにとって、重要なのはランキング上の数字だけではない。自身の速さが維持され、アウディのプロジェクトが前進を続けるのであれば、その関係は現在の契約が満了する2027年以降も続く可能性がある。

  • F1:セーフティカー先導での決着に議論 赤旗によるレース再開は解決策か

    F1:セーフティカー先導での決着に議論 赤旗によるレース再開は解決策か

    F1では、セーフティカー先導のままレースが終了することを避けるため、終盤に赤旗を提示して再スタートを行うべきかを巡る議論が続いている。

    発端となったのは、物議を醸した2026年F1イギリスGPの結末だ。シルバーストンではレース終盤がセーフティカーによってニュートラライズされ、そのままチェッカーを迎えた。

    ドライバーの間ではスパ・フランコルシャンでも対応策が話し合われたが、「終盤なら原則として赤旗を出すべき」とする意見がある一方、「ショーのためだけに、それまで築いたレースを台無しにすべきではない」との声もあり、意見はまとまっていない。

    そうしたなか、チーム首脳陣は一律のルールを設けることには慎重な姿勢を示している。レーシングブルズのアラン・パーメイン、アウディF1のアラン・マクニッシュ、キャデラックのグレアム・ロードンはいずれも、最終的な判断はレースディレクターとFIAに委ねるべきとの考えを示した。

    「レースディレクターにはすでに権限がある」パーメイン
    議論のひとつとなっているのが、残り3〜4周という終盤でセーフティカーが導入された場合、レースディレクターがより柔軟に赤旗を提示し、スタンディングあるいはローリングスタートによってレースを再開できるようにする案だ。

    過去にチーム側がこうした考えを阻止したのではないかと問われたパーメインは、その認識に疑問を呈した。

    「それが本当なのかは分からない。レースディレクターは、そうしたいのであれば、すでにその権限を持っていると思う」

    「僕としては、レース運営はレースディレクターとFIAに任せる。彼らは通常、信じられないほど良い仕事をしている」

    パーメインは、イギリスGPがセーフティカー先導のまま終了したことで、結果的にレーシングブルズが恩恵を受けたことも認めている。

    「我々にとっては、シルバーストンの展開は実際に都合が良かった。自分たちのポジションを確定させることができたからだ」

    「もちろん、それが我々がここにいる理由ではない。我々はショーを提供するためにここにいるし、再スタートがあれば、もっと良いショーになっていた可能性はある」

    「ただ、彼らにはすでに、そうしたい場合にそれを行う権限があると思う。だから、それを決めるのは彼らだ」

    つまりパーメインは、終盤の赤旗を新たな規則として義務化する必要はなく、現在の枠組みのなかでFIAとレースディレクターが状況に応じて判断すればいいとの立場だ。

    マクニッシュ「誰もセーフティカーの後ろで終わることを望んでいない」
    アウディF1のスポーティングディレクターを務める元F1ドライバーのアラン・マクニッシュも、パーメインとほぼ同じ考えを示した。

    マクニッシュは、F1に関わる誰もがセーフティカー先導でのフィニッシュを避けたいと考えている一方、事故やコース状況はケースごとに異なるため、単純なルールを設定することは難しいと指摘する。

    「付け加えるなら、理想的には、理由が何であれ、誰もセーフティカーの後ろでレースが終わるところを見たいとは思っていない」

    「それぞれのケースは、そのレースの状況に大きく左右される。だから、一律のルールを設けることはできない。安全性に関わる状況もあれば、それ以外の要素が関係する場合もあるからだ」

    赤旗を義務化すれば、ファンにグリーンフラッグ下でのフィニッシュを提供しやすくなる。その一方で、赤旗によるタイヤ交換や隊列のリセットなどによって、それまでの戦略や築き上げたアドバンテージが大きく変化する可能性もある。

    だからこそマクニッシュは、残り周回数だけを基準に機械的に赤旗を提示するのではなく、その時々の状況を踏まえて判断する必要があると考えている。

    イギリスGPの結末は残念でも「イベント全体は素晴らしかった」
    マクニッシュはまた、セーフティカー先導での決着だけを理由に、イギリスGPそのものを否定的に評価すべきではないと強調した。

    「シルバーストンについて言えば、イベント全体は素晴らしかったと思う。レースも本当に素晴らしかった」

    「残念ながら最後はイエローフラッグの状況で終わった。それは当然、我々が望んでいることではない。そして、この『我々』にはFIAも含まれている。F1に関わる全員が避けたいと思っていることだ。でも、時にはそういうことも起こる」

    キャデラックのグレアム・ロードンも、この問題について新たな主張を加えることはせず、マクニッシュの評価に同意した。

    「これ以上付け加えることはない。シルバーストンについてのアランのコメントには全面的に同意する」

    「ファンにとって素晴らしいイベントだったと思うし、あれだけ多くの人々が現地で週末を楽しんでいる姿を見ることができたのは素晴らしかった」

    赤旗の「義務化」よりFIAの裁量を支持
    セーフティカー先導によるフィニッシュは、競技として正当な結果である一方、ファンにとっては消化不良の結末になりやすい。特に残り数周でセーフティカーが導入された場合、「赤旗で一度止めてでもレースを再開すべき」という議論が起こるのは避けにくい。

    しかし、チーム首脳たちが警戒しているのは、エンターテインメントを優先するあまり、赤旗そのものがレース結果を演出する手段になってしまうことだ。事故処理や安全確保に必要な時間、コースコンディション、残り周回数などは毎回異なり、一律に「残り○周なら赤旗」と決めれば別の不公平を生む可能性がある。

    現状では、赤旗をより積極的に利用する新ルールを導入するよりも、既存の権限のなかでレースディレクターとFIAが個々の状況を判断するという考えがチーム側では支持されている。

    イギリスGPをきっかけに再燃した「セーフティカー先導でのフィニッシュ」を巡る議論。グリーンフラッグ下で決着させることと、それまで積み上げられた競技の公平性をどう両立させるのか。F1にとって重要なのは、単に劇的な最終周を作ることではなく、安全性とスポーツとしての一貫性を保った判断基準を築くことになりそうだ。

  • メルセデスF1 PU最強説をヴォルフ否定「フェラーリは文句を言い続けている」

    メルセデスF1 PU最強説をヴォルフ否定「フェラーリは文句を言い続けている」

    メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、2026年F1のパワーユニット(PU)勢力図について、メルセデスが他メーカーを圧倒しているとの見方を否定した。FIAの評価では内燃エンジン(ICE)単体でレッドブル・フォードが最強だと指摘し、総合的にはメルセデスがわずかに優位な可能性を認めながらも「ほぼ横並び」との見解を示した。

    メルセデスは2026年シーズン前半の11戦で8勝を挙げ、ドライバーズ、コンストラクターズの両選手権をリードしている。

    しかし直近5戦ではフェラーリが2勝、マクラーレンが1勝を挙げるなど、その差は縮まりつつある。ヴォルフは、2014年の新PU時代にメルセデスが築いたような長期的な独走状態が再現される可能性は低いと考えている。

    「2014年のような支配はもう起こらない」
    2014年にV6ターボ・ハイブリッド規則が導入された際、メルセデスはPU性能でライバルを大きくリードし、その後長期間にわたってF1を支配した。

    だがヴォルフは、2026年の状況は当時とは明確に異なると説明する。

    「2014年のハイブリッド時代の初期に我々があれほど支配的だった理由は、長い間、我々のパワーユニットが圧倒的に優れていたからだ」

    「今はフェラーリが我々に非常に近いことが分かる」

    「セットアップでミスをしたり、我々にアップグレードがなくて相手にアップグレードが入ったりすれば、すぐに後手に回ることになる」

    「だから、F1であのような支配の時代が再び訪れるとは思っていない」

    実際、メルセデスはシーズン序盤に大きな結果を残した一方、夏休み前にはフェラーリやマクラーレンが勝利を重ねている。ヴォルフの発言は、現在の競争力がPUだけで決まるものではなく、シャシーや空力、セットアップ、開発競争を含めた総合力によって簡単に勢力図が変化し得ることを示している。

    FIA評価ではICE最強はレッドブル・フォード
    2026年からFIAは、基準となる性能から遅れているPUメーカーに追加の開発機会を与える「ADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities)」制度を導入している。

    ただし、ADUOの評価対象となるのはPU全体ではなく内燃エンジン部分だ。最初の評価では、レッドブル・フォードのICEがベンチマークとなり、最も高い性能を示した。

    ヴォルフもこの点を強調し、「メルセデスが圧倒的に最強」という見方に反論した。

    「FIAによれば、内燃エンジンではレッドブルがトップだ。彼らはそういう測定結果を出している」

    そのうえで、電動系やエネルギーマネジメントなどを含めたPU全体ではメルセデスが最も完成度の高いパッケージである可能性を認めた。

    「全体的なパッケージとして見れば、我々かもしれない」

    ただし、それは2014年当時のような決定的な性能差ではないというのがヴォルフの主張だ。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    フェラーリに皮肉「最強エンジンではないと文句を言い続けている」
    ヴォルフはさらに、メルセデスPUとの性能差をめぐるフェラーリ側の主張にも踏み込んだ。

    「フェラーリは、自分たちには最強のエンジンがないと文句を言い続けている」

    「でも、彼らには間違いなく競争力のあるパワーユニットがあると思う。しかも、エキゾーストの半分を覆うようなウイングレットを備えた、ハイダウンフォース仕様として設計されたマシンに搭載されている」

    「だから、我々はほぼ横並びだと思っている」

    フェラーリのマシン側の空力コンセプトにも言及したヴォルフは、ストレート性能などから単純にPU出力の優劣を判断することはできないとの考えを示した形だ。

    2026年F1は「PU単独」では測れない競争へ
    2026年のPU規則では電動側の比重が大幅に高まり、ICE性能だけでなく、バッテリー、MGU-K、エネルギー回生とデプロイメントの効率がラップタイムを左右する。

    そのため、FIAのADUO評価でレッドブル・フォードがICEのベンチマークになっていることと、メルセデスがPU全体で高く評価されていることは矛盾しない。

    また、メルセデスが11戦8勝という数字を残している一方、直近ではフェラーリとマクラーレンが勝利を挙げていることも、2014年当時とは異なる構図を裏付けている。

    ヴォルフ自身もメルセデスの総合パッケージが最強である可能性までは否定していない。しかし、そのアドバンテージはセットアップやアップグレードひとつで逆転し得る程度のものだと強調する。

    2026年F1のPU競争は「メルセデス一強」という単純な構図ではなく、ICEではレッドブル・フォード、総合パッケージではメルセデスがわずかに優位に立ち、フェラーリもほぼ同等の競争力を持つ――それがヴォルフの描く現在の勢力図である。

  • オスカー・ピアストリ F1シミュレーター巡るハミルトンとの「世代の違い」指摘

    オスカー・ピアストリ F1シミュレーター巡るハミルトンとの「世代の違い」指摘

    オスカー・ピアストリは、F1のシミュレーターについて、グランプリ週末に向けた準備に「役立つツール」だとの考えを示した。一方で、シミュレーターに否定的なルイス・ハミルトンとは育ってきた時代が異なるとして、「世代の違い」にも言及している。

    F1各チームはファクトリーにシミュレーターを備え、レース前のセットアップ検討やデータ収集に活用している。

    ただし、その有効性に対するドライバーの評価は一様ではない。ハミルトンは今年、シミュレーターに「惑わされた」と感じた経験から、今後は使用しない意向を示していた。

    ピアストリ「僕は役に立つと感じている」
    ピアストリは、RacingNews365を含むメディアに対し、自身にとってシミュレーターは有効な準備手段だと説明した。

    「僕は役に立つと感じている。僕はルイスが育った時代とは違う世代で育ってきたということもある」

    「もちろん、シミュレーター自体はもう長い間存在している。でも、すべての人に合うものではないというのも理解できる」

    ピアストリは、現在のF1マシンの複雑さも、シミュレーターを活用する理由のひとつに挙げている。

    「今のマシンはとても複雑だから、シミュレーターで走っておくことはかなり役に立つと感じている。僕自身にとっても、チームにとってもそうだ」

    ハミルトンは「惑わされた」と使用に否定的
    一方、7度のF1ワールドチャンピオンであるハミルトンは、シミュレーターに対して異なる見方を示している。今年、シミュレーターから得た感覚や情報が実車での走行につながらず、むしろ自身を「惑わせた」として、使用しない意向を明らかにしていた。

    F1ではシミュレーターの精度が向上し、セットアップの事前検討や新しいパーツの評価など幅広い用途で活用されている。しかし、実車との感覚の違いをどこまで許容できるかは、ドライバーによって異なる。

    25歳のピアストリと41歳のハミルトンでは、ドライバーとして成長した環境にも大きな違いがある。ピアストリにとってシミュレーターはキャリア形成期から身近な存在だったのに対し、ハミルトンがシングルシーターでキャリアを築き始めた時代には、現在ほどシミュレーターがドライバー育成やレース準備に深く組み込まれてはいなかった。

    「実車と同じにはならない」限界も認識
    もっとも、ピアストリもシミュレーターを絶対的なものとは考えていない。実際のF1マシンを走らせる経験を完全に再現することはできないと強調した。

    「でも、人それぞれだ。シミュレーターが完璧になることはない」

    「絶対に間違いのないツールになることもないし、実際のマシンをドライブするのと同じくらい優れたものになることもない」

    そのうえで、最終的にはドライバー自身が、自分に合った方法を選択することが重要だと語った。

    「自分たちが持っているツールを使って取り組む。それが自分にとって良くないと思うなら、使わない。それだけのことだ」

    シミュレーターを積極的に活用するピアストリと、実車との相違から距離を置くハミルトン。両者の考え方の違いは単なる好みだけでなく、F1ドライバーとして育ってきた時代や環境の変化も映し出している。

  • ナイジェル・マンセル73歳 マシンを押して倒れた伝説のF1ダラスGP

    ナイジェル・マンセル73歳 マシンを押して倒れた伝説のF1ダラスGP

    1992年F1ワールドチャンピオンのナイジェル・マンセルが8月8日に73歳の誕生日を迎えた。その長いモータースポーツ人生を振り返るうえで、マンセルの闘争心を象徴する場面のひとつが、1984年F1ダラスGPで見せた壮絶なフィニッシュである。

    決して諦めないドライバーとして知られたマンセルは、灼熱の市街地コースでマシンが力尽きたあと、自らコクピットを降りてロータスを押し、チェッカーフラッグを目指した。

    その直後、体力を使い果たしてコース上に倒れ込んだ姿は、今なおF1史に残る象徴的なシーンとなっている。

    ダラスでF1初ポールポジション
    1984年当時、ナイジェル・マンセルはロータスに所属していた。

    同年のダラスGPでマンセルは予選を制し、自身にとってF1初となるポールポジションを獲得。将来のワールドチャンピオンがその速さを強烈に印象づけた週末だった。

    しかし、決勝は極めて過酷なレースとなった。

    真夏のテキサス州ダラスは猛烈な暑さに見舞われ、ドライバーにもマシンにも大きな負担がかかった。さらに、市街地に設けられたコースの路面は高温によって崩壊し始め、レースが進むにつれてコンディションは悪化していった。

    残り2周でギアボックスにトラブル
    数多くのマシンが脱落するサバイバルレースとなるなか、マンセルは終盤まで走り続けた。

    残り2周の段階では5番手を走行していたが、ウォールへの軽い接触によってギアボックスがダメージを受けた。

    通常であれば、そこでレースは終わっていてもおかしくなかった。

    しかし、マンセルはチェッカーフラッグを見ることを諦めなかった。

    マシンが止まると自らコクピットを降り、ロータスを後方から押し始めた。すでに灼熱のコンディションのなかで長時間レースを戦ったあとだったが、それでもフィニッシュラインを目指してマシンを押し続けた。

    フィニッシュラインを越えた直後に倒れる
    マンセルはついにマシンをフィニッシュラインまで押し切った。

    だが、すべての体力を使い果たしたマンセルは、その直後にコース上へ倒れ込んだ。

    この壮絶な努力によって得たのは、わずか1ポイントだった。

    数字だけを見れば小さな成果かもしれない。しかし、この日の姿はマンセルというドライバーのキャラクターを強烈に示すものとなった。

    速さだけでなく、どんな状況でも最後まで戦い抜こうとする姿勢。それは後にウィリアムズで1992年F1ワールドチャンピオンに輝くマンセルのキャリアを象徴する要素でもあった。

    73歳を迎えた現在も、1984年ダラスGPでロータスを押し続けたマンセルの姿は、F1史に刻まれた「決して諦めないドライバー」の象徴として語り継がれている。

  • マックス・フェルスタッペン レッドブルF1離脱へ「第2の解除条項」が判明か

    マックス・フェルスタッペン レッドブルF1離脱へ「第2の解除条項」が判明か

    マックス・フェルスタッペンとレッドブル・レーシングの契約を巡り、新たな解除条項の存在が報じられた。2026年シーズン終了時のコンストラクターズランキングが一定条件を満たさなかった場合、フェルスタッペン側に契約を解除する権利が発生するという。

    フェルスタッペンはレッドブルと2028年末まで契約を結んでいるが、成績に連動した解除条項が盛り込まれていることは以前から伝えられてきた。

    今回の報道が事実であれば、2027年に向けた去就を判断できる機会は従来知られていたものだけではなく、2026年シーズン終了後にも残されていることになる。

    シーズン終了時にレッドブルがトップ2圏外なら離脱可能か
    イタリアのAutomoto.itによると、フェルスタッペンの契約には、2026年シーズン終了時点におけるレッドブルのコンストラクターズランキングに連動した解除条項が存在するという。

    その条件はレッドブルがコンストラクターズランキングでトップ2に入ることとされ、トップ2圏外でシーズンを終えた場合、フェルスタッペンには2028年末までの契約を途中で解除できる選択肢が生じると報じられている。

    現在、レッドブルは全23戦中11戦を終えた段階でコンストラクターズランキング4位。2位フェラーリとは130ポイント差があり、3位マクラーレンにも43ポイント差をつけられている。

    RB22はシーズン序盤からマシンバランスに問題を抱え、その後も空力面でのパフォーマンス低下などに苦しんできた。フェルスタッペン自身もマシンを「ドライブできない」と表現するなど、厳しい評価を繰り返している。

    10月まで行使可能とされる別の解除条項
    フェルスタッペンには、すでに別の解除条項が存在すると報じられている。

    こちらはドライバーズランキング上の順位に連動するもので、フェルスタッペンが一定の順位を確保できなかった場合に発動可能になるとされる。現在ランキング6位のフェルスタッペンはその条件に該当しており、2026年シンガポールGPまで、つまり10月まで契約解除を選択できると伝えられている。

    一方、今回新たに報じられたのはチーム側の成績、すなわちコンストラクターズランキングに連動した条項だ。

    このため報道通りであれば、フェルスタッペンは10月までに最初の解除権を行使しなかったとしても、レッドブルがシーズン終了時にコンストラクターズランキングのトップ2圏外だった場合、年末に再び契約を解除する機会を得ることになる。

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)

    レッドブルは解除権の買い取りも試みたと報道
    フェルスタッペンの契約解除条項を巡っては、レッドブル側もその存在を強く意識しているとされる。

    これまでの報道では、レッドブルはドライバーズランキングに連動した解除権を放棄させるため、フェルスタッペンに対して1000万ユーロ台前半規模の金銭を提示したとされている。しかし、フェルスタッペン側はこれを受け入れず、契約を解除できる権利を維持したという。

    フェルスタッペンはここ数カ月、レッドブルGmbHのオリバー・ミンツラフやマーク・マテシッツらと複数回にわたって話し合いを行ったとされるが、2027年もレッドブルに残留すると公に明言することは避けている。

    現状では2027年にフェルスタッペンを受け入れられるトップチームのシートは限られている。移籍先候補として名前が挙がってきたメルセデスはジョージ・ラッセル、マクラーレンはオスカー・ピアストリを継続起用する可能性が高いとみられている。

    ただし、フェルスタッペンにはF1そのものから一時的、あるいは完全に離れるという選択肢もある。2026年の新レギュレーションへの不満を隠しておらず、これまでにも自身のF1での将来について含みを持たせてきた。

    解除条項はレッドブルへの「圧力」にも
    フェルスタッペンが解除条項を実際に行使するかどうかとは別に、その権利を保持していること自体がレッドブルとの交渉で大きな意味を持つ。

    フェルスタッペン側は2027年にタイトルを争える競争力、少なくとも再び優勝争いができるマシンを用意することについて、レッドブルから明確な保証を求めていると報じられている。

    一方、レッドブルはフェルスタッペンとの契約をさらに長期化し、最大で2032年まで拘束する新契約も検討したとされるが、フェルスタッペン側が求めた報酬条件には難色を示したという。

    現在の契約は2028年末まで残っている。それでも複数の成績連動型解除条項が存在するとの報道が事実ならば、契約期間だけを見てフェルスタッペンの残留が保証されているとは言えない。

    特にレッドブルが現在コンストラクターズランキング4位にとどまっている状況を考えれば、今回報じられた「シーズン終了時トップ2」という条件は現実的な意味を持つ。2026年後半戦でレッドブルがどこまで順位を取り戻せるかは、チームの成績だけでなく、フェルスタッペンの2027年以降の去就にも直結する可能性がある。

  • ルイス・ハミルトンの派手な服装 元F1チーム代表が酷評「写真を撮らせるため」

    ルイス・ハミルトンの派手な服装 元F1チーム代表が酷評「写真を撮らせるため」

    ルイス・ハミルトンがF1パドックで披露する派手なファッションが、元F1チーム代表から思わぬ酷評を浴びた。元アルピーヌF1チーム代表のオトマー・サフナウアーは、ハミルトンの服装を「ばかげている」と一蹴し、フォトグラファーが集まる時間を狙ってサーキット入りしているとまで皮肉った。

    7度のF1ワールドチャンピオンであるハミルトンは、コース上での実績だけでなく、パドックで披露する大胆なファッションでも知られる存在だ。

    しかし、そんな“F1ファッションキング”のスタイルは、すべての関係者から好意的に受け止められているわけではないようだ。

    「フォトグラファーがいる時間にやって来る」
    ハミルトンのファッションに容赦なく切り込んだのが、アルピーヌやアストンマーティンでチーム代表を務めたオトマー・サフナウアーだ。

    『High Performance Podcast』に出演したサフナウアーは、ドライバーがサーキットに到着する時間について語るなかでハミルトンを引き合いに出し、次のように語った。

    「ルイスはフォトグラファーが全員いる時間にやって来る。そうすれば、ばかげた服を着て写真を撮ってもらえるからね」

    ハミルトンはグランプリ週末になると、チームウェアではなく個性的な私服でパドックに登場することが多く、その姿はF1公式やメディア、SNSなどを通じて世界中に発信される。

    サフナウアーは、そうしたハミルトンの登場そのものが計算されたものだと言わんばかりの見方を示した。

    共演していたジェイク・ハンフリーが、ハミルトンの服装は単に「奇抜(out there)」なのではないかとフォローすると、サフナウアーはさらに畳みかけた。

    「奇抜? それをばかげているとは言わないのか?」

    ルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリ)

    「ファッションは見る人次第」もキム・カーダシアンまで持ち出す
    もっとも、サフナウアーもハミルトンがそうした衣装を着こなせること自体は認めている。

    「ファッションは見る人次第だ。彼なら着こなせる。それに、あのファッションはキム・カーダシアンとの件でも役に立ったと思うよ」

    最後の一言は、ハミルトンとモデルで実業家のキム・カーダシアンが最近のF1モナコGPで一緒にいる姿を目撃されたことを指したものだ。

    ハミルトンはF1界でも突出したファッション好きとして知られ、モータースポーツの枠を超えてファッション業界でも存在感を示している。2025年には世界有数のファッションイベントであるメットガラ(Met Gala)の共同議長も務めた。

    F1の常識を変えてきたハミルトンのファッション
    現在ではドライバーが私服でパドックに登場すること自体は珍しくないが、ハミルトンはその文化をF1に定着させた中心人物のひとりでもある。

    本人も以前、F1で自由な服装を認めてもらうまでには時間がかかり、従来の慣例を破る必要があったと明かしている。グランプリをファッションを発信する舞台として利用するスタイルは、現在のF1ではハミルトンを象徴するものとなった。

    41歳となった2026年もフェラーリでトップ争いを続け、バルセロナ・カタルーニャGPでは自身通算106勝目を達成。夏休みを迎えた時点では、ドライバーズランキング首位のアンドレア・キミ・アントネッリを50ポイント差で追っている。

    華やかな衣装でカメラの前に姿を見せ続けるハミルトンに対し、「ばかげた服」とまで言い放ったサフナウアー。F1のファッション文化を大きく変えてきた7度の王者だけに、その服装をめぐっても強烈な賛否を呼ぶ存在であることに変わりはない。

  • F1:ディズニー特別ヘルメットが史上最高額で落札 20人のサイン入り

    F1:ディズニー特別ヘルメットが史上最高額で落札 20人のサイン入り

    ディズニーとF1が共同制作した特別仕様のレプリカヘルメットがチャリティーオークションに出品され、15万1000ポンド(約3200万円)で落札された。公式レースウイークで使用されていないF1ヘルメットとして、公のオークションにおける史上最高額を記録した。

    「Disney x Formula 1 Fuel the Magic Helmet」と名付けられたこのヘルメットには、マックス・フェルスタッペンやランド・ノリス、シャルル・ルクレールら現役F1ドライバー20人の直筆サインが入っている。

    収益はすべて、重い病気と闘う子どもたちの願いをかなえる活動を行うMake-A-Wish Internationalに寄付される。

    ミッキーマウスを描いた世界にひとつのF1ヘルメット
    今回のヘルメットは、ディズニー、F1、F1 Authenticsを運営するMemento Exclusivesが、Make-A-Wish Internationalの資金調達キャンペーンのために制作したものだ。

    Bell Racing製のヘルメットをベースに、ディズニーを象徴するミッキーマウスを大胆にデザイン。生命を脅かす重い病気と闘う子どもたちの願いをかなえることを目的とした、初の試みとして企画された。

    デザインを手がけたのは、ミッキーマウスの公式声優として知られるブレット・アイワン。クリエイティブディレクションは、Disney Consumer Productsのグローバル・クリエイティブディレクターを務めるボビー・キムが担当した。

    マットブラックを基調に光沢のあるグラフィックを組み合わせ、鮮やかな赤と黄色、ミッキーマウスのアートワーク、F1のブランディングを配置。ミッキーの靴のすぐ後ろにはMake-A-Wishを象徴する星がさりげなく描かれ、走り抜けるミッキーから輝きが尾を引いているように見えるデザインとなっている。

    フェルスタッペンやノリスらF1ドライバー20人がサイン
    ヘルメットには、2026年のF1に参戦する現役ドライバー20人の直筆サインが入れられた。

    4度のF1ワールドチャンピオンであるマックス・フェルスタッペンをはじめ、現F1王者ランド・ノリス、シャルル・ルクレール、キミ・アントネッリ、さらにMake-A-Wish Franceのアンバサダーを務めるピエール・ガスリーらが名を連ねている。

    サインはシルバーストンで開催されたF1イギリスGPの週末に集められた。

    こうして完成した「Fuel the Magic Helmet」は、単なるF1のコレクターズアイテムではなく、ディズニーとF1、そして現役ドライバーたちがひとつの目的のために参加した特別な一品となった。

    約3200万円で落札 未使用F1ヘルメットの史上最高額
    オークションでは個人コレクターが15万1000ポンドで落札。約20万1000ドル、17万5000ユーロ以上に相当し、日本円では約3200万円となる。

    主催者によれば、これは公式レースウイークで着用または使用されていないF1ヘルメットとして、公に記録されたオークション落札額の史上最高記録となった。

    さらに、F1 Authenticsがこれまで記録していた2つのチャリティーオークション記録も更新した。

    同プラットフォームにおけるチャリティーアイテムの従来の最高額は、マックス・フェルスタッペンが2023年F1カナダGPで着用したレーシングスーツで、11万2000ポンドだった。

    また、F1 Authenticsを通じてチャリティーオークションに出品されたF1ヘルメットでは、アレクサンダー・アルボンが2022年F1シンガポールGPで実際に使用したヘルメットの8万4000ポンドが最高記録だった。

    今回のディズニー仕様ヘルメットは、実戦で使用されたものではないにもかかわらず、その両方を大幅に上回る15万1000ポンドに達したことになる。

    落札金は全額Make-A-Wish Internationalへ
    落札者にはヘルメットだけでなく、展示用に製作された専用プレゼンテーションボックスも提供される。プレキシガラス製のディスプレイケースに加え、ブレット・アイワンとボビー・キムの両名が署名した真正証明書も付属する。

    また、同じデザインを採用した2つ目のヘルメットは、2026年8月14日から16日まで米カリフォルニア州アナハイムで開催される「D23: The Ultimate Disney Fan Event」で展示される予定だ。

    今回のオークションによる収益は全額Make-A-Wish Internationalに寄付され、重い病気と闘う子どもたちの願いをかなえる活動に充てられる。

    F1ドライバー20人のサインとディズニーを代表するミッキーマウスを組み合わせた特別なヘルメットは、未使用F1ヘルメットとしてのオークション記録を塗り替えると同時に、モータースポーツの価値をチャリティーへとつなげる象徴的な一品となった。

  • フラビオ・ブリアトーレ アルピーヌF1再建「シューマッハ級ドライバーは今は不要」

    フラビオ・ブリアトーレ アルピーヌF1再建「シューマッハ級ドライバーは今は不要」

    アルピーヌF1の実質的なチーム代表を務めるフラビオ・ブリアトーレは、チーム再建に向けて現時点で最優先すべき課題はスター選手の獲得ではなく、組織そのものの立て直しだと強調した。

    かつてミハエル・シューマッハやフェルナンド・アロンソとともにF1世界王者を育て上げたブリアトーレだが、現在のアルピーヌF1には「シューマッハ級」のドライバーよりも、強いチームを築くことが必要だと語っている。

    「今はドライバーよりチーム作りが優先」
    フラビオ・ブリアトーレは1990年代にベネトンでミハエル・シューマッハと2度のF1世界タイトルを獲得。その後、ルノーではフェルナンド・アロンソを2005年、2006年のワールドチャンピオンへ導いた。

    その実績から、アロンソの2027年アルピーヌ復帰説も浮上しているが、The Raceのインタビューで「ミハエル・シューマッハやアロンソのようなドライバーが必要ではないか」と問われると、ブリアトーレはその考えを否定した。

    「そうなればいいとは思う。でも現時点では、ドライバーは本当に優先事項ではない」

    「ドライバーはチームが支えなければならない。チームがドライバーを信頼すれば、彼らはコンマ2~3秒を引き出してくれる。その差は非常に大きい」

    「今の我々に必要なのはチームを作ることだ。エンジニア同士の信頼関係、チーム全体の結束を築かなければならない」

    さらに、自身が復帰した当初と比べて組織が大きく変化したことにも触れた。

    「私がこのチームに来た時は1300人いたが、今は900人になっている」

    「私の最優先事項はレーシングチームを作ることだ。その後にドライバーのことを考えればいい」

    ガスリーは「トップ6に入るドライバー」
    一方でブリアトーレは、現在のエースであるピエール・ガスリーには絶大な信頼を寄せている。

    「トップ6のドライバーを挙げるなら、ピエールはその中に入ると思っている」

    「彼に必要なのは、より優れたマシンと、ファクトリーの人間への信頼だ。我々が今やるべきことはそこだ」

    「なぜピエールでは駄目なんだ? なぜ今いるドライバーではいけないんだ?」

    ブリアトーレは、ガスリーの実力に不足があるとは考えておらず、チーム側が競争力のあるマシンと環境を提供できれば十分に結果を残せるとの見方を示した。

    アロンソ復帰説が浮上する一方でコラピントの去就にも注目
    スペインGP以降、アストンマーティンF1の苦戦を背景にフェルナンド・アロンソのアルピーヌ復帰説が報じられている。ブリアトーレとの長年の関係もあり、2027年の移籍候補として名前が取り沙汰されている。

    一方で、フランコ・コラピントにはチーム側から別のシートを探すよう伝えられたとの報道もあり、ウィリアムズF1への移籍の可能性も噂されている。

    それでもブリアトーレは、現在のアルピーヌF1に必要なのはスター選手を獲得することではなく、まず組織全体の競争力を高めることだと強調した。チームとしての土台を築いた先にこそ、タイトル争いへの道が開けるというのが、現在の再建ビジョンである。