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  • フェラーリF1 “ロケットスタート”の代償 小径ターボで最高速不足

    フェラーリF1 “ロケットスタート”の代償 小径ターボで最高速不足

    スクーデリア・フェラーリは、2026年F1シーズン序盤で際立っていた抜群のスタート性能を一部犠牲にする可能性がある。チームは発進加速で大きな強みを見せてきた一方、その要因となっているターボ設計が最高速面で足かせになっていることをデータ上で確認した。

    冬季テストでデビッド・クロフトがフェラーリのマシンを「ロケットランチャー」と表現したように、フェラーリは開幕からスプリントを含めてオープニングラップで合計21ポジションを上げている。

    これはウィリアムズの22ポジションに次ぐ数字だが、ウィリアムズはより後方からスタートする機会が多いという事情もある。

    小径ターボが生んだ発進加速と最高速不足
    フェラーリの好スタートは偶然ではなく、意図的な設計選択によるものだ。モータースポーツ・イタリアによれば、フェラーリはレッドブルやメルセデスの設計より直径が約10mm小さいターボチャージャーを採用している。

    この小径ターボは、グリッド上での準備に必要な負荷を抑え、発進時のレスポンスを高める。また低回転域でのバッテリー充電にも有利に働く。

    しかし、その代償も明確になってきた。フェラーリはデータ上、高回転域で約7馬力を失っていることを確認しており、それが最高速不足につながっている。

    加速を削ってでもストレートでの損失を減らす判断
    フェラーリは今後のエンジン開発において、このターボを「見直す」可能性がある。完全に小径設計を捨てるわけではないが、加速面の優位を少し手放すことで、ストレート全体で失うタイムを減らす方向に進むとみられる。

    これは、単なるパワー不足ではなく、2026年F1パワーユニット特有のエネルギー配分とターボ設計の妥協点をどこに置くかという問題だ。フェラーリはスタートで順位を稼げる一方、レース中の最高速不足によって守勢に回る場面が増えている。

    ハミルトンも指摘したストレート不足
    マイアミGP後、6位でフィニッシュしたルイス・ハミルトンも、フェラーリのストレート不足に言及した。

    「楽しみにしているけど、次のレースまでにドラッグを少し削れるか見ていく必要がある。ストレートで僕たちにはその不足があるから、そこを調べなければならない」

    ハミルトンはレース中にもパワー不足を繰り返し訴えていた。ただし、その原因は内燃エンジンそのものというより、バッテリーやエネルギー使用に関連していた可能性が高い。

    次戦カナダGPは、カレンダーの中でもパワー依存度が高いサーキットのひとつだ。フェラーリにとっては、発進加速という武器を維持するのか、それとも最高速とレース全体の効率を優先するのか、その設計思想が改めて問われる週末になる。

  • レッドブルF1とマクラーレンが非公開協議 ランビアーゼ移籍騒動の内幕

    レッドブルF1とマクラーレンが非公開協議 ランビアーゼ移籍騒動の内幕

    レッドブル・レーシングとマクラーレンの間で、ジャンピエロ・ランビアーゼの移籍を巡る認識の違いが表面化した。ランビアーゼはマックス・フェルスタッペンのレースエンジニアであり、レッドブルでレース部門責任者も務める重要人物だ。

    発端となったのは、マクラーレンがランビアーゼを「チーフ・レーシング・オフィサー」として迎えることを発表した後、マイアミGPでローラン・メキースが「彼は向こうでチーム代表になる」と語ったことだった。

    これに対し、マクラーレン・レーシングCEOのザク・ブラウンは「彼は私の知らないことを知っているらしい」と受け流し、現在のチーム代表アンドレア・ステラへの支持を改めて強調した。

    移籍時期と役職を巡る両チームの温度差
    ランビアーゼの移籍が4月初旬に発表された際、レッドブルは「現在の契約が満了する2028年に退団する」と説明した。一方、マクラーレンは「遅くとも2028年までに」と表現し、一般的な人材移籍と同じように、何らかの妥協によってより早い加入が可能になるという期待をにじませていた。

    この発表はオランダメディアへのリーク後に行われたもので、当初は両チームが協力して公式発表を整え、F1の4月中断期間が終わる前にそれぞれメディア対応も行っていた。その段階では、両者の間に目立った対立はなかった。

    しかしマイアミGPでメキースがスカイスポーツF1に対し、ランビアーゼがマクラーレンでチーム代表になると発言したことで、マクラーレン側は驚かされることになった。

    マクラーレンが否定したステラ退任説
    マクラーレンとステラは、この見方を明確に否定している。ステラはブラウンと同じく長期契約を結んでおり、昨年チームを両選手権制覇へ導く上で中心的な役割を果たした人物で、チームを離れる意向はないとされている。

    マクラーレン側の立場は、ランビアーゼの「チーフ・レーシング・オフィサー」という役職は変わらないというものだ。ランビアーゼは、現在ステラがチーム代表職と兼任している業務の一部を引き継ぐ予定であり、ステラ自身もその兼務を長期的に続けるのは持続可能ではないと考えている。

    マイアミで行われた“空気を清める”話し合い
    レッドブル側にとって、ランビアーゼの退団はここ数年続く「人材流出」の文脈に組み込まれやすいニュースだった。クリスチャン・ホーナー、ヘルムート・マルコ、エイドリアン・ニューウェイ、ロブ・マーシャル、ウィル・コートニーらの離脱に続く動きと見られたからだ。

    一方、マクラーレンの発表文では、近年レッドブルから加入したロブ・マーシャルとウィル・コートニーにも触れており、それがメキースにとって「事実関係を正したい」という思いにつながった可能性がある。

    その結果、マイアミGPの日曜日にブラウン、メキース、レッドブル親会社側のオリバー・ミンツラフがこの件について話し合った。双方は現在、問題は整理されたと受け止めており、ブラウンと前任のホーナー時代に見られたような敵対的な関係に戻るのではなく、敬意あるライバル関係を望んでいる。

    「我々の誰も、この件で言い合いをしたかったわけではない。いつものように良い話し合いができたし、我々は前に進む」とメキースは語った。

    ステラが語った“毒入りビスケット”
    ステラは4月にマクラーレン公式サイトで公開されたインタビューの中で、ランビアーゼを巡る初期の憶測にも触れていた。

    「正直なところ、天文学的な給与や神話のような事前契約に関する最近の噂には笑ってしまった」とステラは語った。

    「通常なら夏前に始まる“シリーシーズン”が、早く到来したように見える」

    「私はこういうことにはかなり慣れているし、笑って受け止めている」

    「まるで嫉妬深いパティシエが、マクラーレンの菓子工房で良いデザート作りを台無しにしようとしたようにも見える」

    「だが、我々は良い材料と毒入りビスケットを見分ける方法をよく分かっている」

    ステラが使う「毒入りビスケットを取らない」という表現は、ライバルからの雑音や揺さぶりに誘惑されないよう、マクラーレン内部に警告する際によく使われるものだ。今回の場合、最初のランビアーゼ移籍リークはマクラーレンやレッドブル・レーシングの直接の内部から出たものではないと見られている。

    その含意は、両チームを不安定にし、さらにステラの古巣であるフェラーリまで巻き込む意図があった可能性だ。ステラは2015年にマクラーレンへ加入する前、フェラーリで長年働いており、同チームの論理的な獲得候補として名前が挙がってきた。

    ランビアーゼ退団が示すレッドブルの世代交代
    ランビアーゼがマクラーレンでどの役職に就くとレッドブルが考えているにせよ、その退団がチームにとって具体的な損失であることは変わらない。フェルスタッペンのレースエンジニアであり、チーム内でより広い職務も担ってきた人物の離脱は、レッドブルにとって小さな変化ではない。

    メキースも「我々が何人かの才能を失ったという事実について、防御的になるつもりはない。それは事実であり、3年か4年にわたって存在してきた」と認めている。

    ただし、メキースとミンツラフは、レッドブルを新たな方向へ進めようとしている。内部再編と外部からの採用を組み合わせ、チームの次世代体制を築く考えだ。

    「ピットレーンで最高の才能を維持し、育成し、引き付けるための環境を作ることは、チームにとって最優先事項だ」とメキースは語った。

    「我々にはすでに、各部門ごとに最高の才能がいると感じている。それはパワーユニット側のベン・ホジキンソンと彼のチームから始まり、シャシー側のピエール・ワシェと彼のチームにも当てはまる」

    「可能なときには、常に内部昇格の方法を探る。我々はここ数年で多くの才能を生み出してきたし、それを誇りに思っている。今後も続けたい」

    「特定のスキルや経験が必要になったときには、ピットレーンにいる親愛なる競争相手のところから獲得しに行く。我々がこれまでそうしてきたように」

    「我々はそのように物事を見ている。まず自分たちの才能に最大のチャンスを与える。そして外部から注入する必要があれば、喜んでそうする」

    人材流出ではなく“役割の再定義”を巡る攻防
    今回の一件は、単なるランビアーゼ移籍話ではなく、レッドブルとマクラーレンがそれぞれ自分たちの物語をどう守るかという攻防でもある。レッドブルにとっては「また有力人材を失った」という印象を薄める必要があり、マクラーレンにとっては「ステラ退任」や「体制変更」という見方を封じる必要があった。

    マクラーレンは、ランビアーゼ加入をステラ体制の強化として位置づけている。一方のレッドブルは、ランビアーゼにとって自チームでは得られない大きな機会だったと説明することで、退団を単なる内部崩壊の証拠として見られることを避けようとしている。

    マイアミでの話し合いによって表面上の火種は収まったが、ランビアーゼが実際にマクラーレンへ加わる2028年までには、両チームの勢力図も役職の意味も変わっている可能性がある。その意味で、この移籍はまだ終わった話ではなく、レッドブルの新世代体制とマクラーレンの王者体制を測る長期的な材料になっていく。

    Source: The Race

  • アストンマーティンF1を支える“ストロール資金”に限界説 中国メーカー参入の現実味

    アストンマーティンF1を支える“ストロール資金”に限界説 中国メーカー参入の現実味

    アストンマーティンF1の財務不安を巡り、中国自動車大手ジーリー(浙江吉利控股集団)による買収観測が広がっている。ローレンス・ストロールによる度重なる資金注入に対し、投資家の不信感が強まりつつあるとされ、中国メーカーによるF1参入シナリオにも注目が集まっている。

    2026年シーズンのアストンマーティンは、トラック上でも深刻な苦戦が続いている。

    ホンダ製パワーユニットの出力不足や振動問題に加え、レース完走すら難しい状況が続き、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールはコーナー区間で意図せずバッテリーを温存してしまうほどの性能不足に直面している。

    だが、本当の危機はサーキットの外側にある。

    8度目の“緊急資金注入”で広がる不安
    英テレグラフ紙によると、ローレンス・ストロール陣営は最近、アストンマーティンに追加で5000万ポンド(約106億円)を投入した。上場企業化以降、これで8回目の“緊急資金注入”となる。

    ストロールは2020年の参画以降、事実上アストンマーティンを個人資金で支えてきた。さらに近年は、エイドリアン・ニューウェイ、エンリコ・カルディレ、そしてアウディF1のジョナサン・ウィートリー獲得など、大規模な投資を続けている。

    しかし、その負担は想定を超え始めているとされる。

    報道では、共同投資家の間で「このプロジェクトは本当に成立するのか」という疑念が広がっており、“ローレンス・ストロールが撤退する可能性”まで噂され始めている。

    株式市場でも状況は厳しい。アストンマーティンの時価総額は約4億3000万ポンド(約912億円)まで低下し、一部では「事業継続性そのもの」に疑問符が付けられているという。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ジーリーが“最有力候補”として浮上
    こうした中で名前が浮上しているのが、中国自動車大手ジーリーだ。

    ジーリーは現在、アストンマーティン株の17%を保有しており、これまでも同社の資金調達を支援してきた。関係者の間では、仮にストロールが撤退した場合、既存株主の中で最も買収に動きやすい存在と見られている。

    もし実現すれば、中国メーカーによる本格的なF1チーム所有という新時代が到来する可能性がある。

    さらに、FIA会長モハメド・ビン・スライエムが「中国メーカーによるF1参戦を望んでいる」と公言していることも、この流れを後押ししている。

    BYDも水面下で接触か
    興味深いのは、アストンマーティンに関心を示しているのがジーリーだけではない点だ。

    BYDもF1パドック内で接触を進めているとされ、アストンマーティン、あるいは別チームを通じた参戦ルートを模索しているとの見方が出ている。

    特にレッドブル陣営は、レーシングブルズ売却の可能性を完全には否定しておらず、BYDやジーリーと接触したとの報道も浮上している。

    つまり現在のF1では、「中国メーカーが既存チームを買収して参戦する」という構図が現実的なシナリオとして語られ始めている。

    アストンマーティンF1は“未来への投資”だったはずが…
    本来、アストンマーティンF1プロジェクトは、ニューウェイ加入、新ファクトリー、新風洞、ホンダとのワークス提携によって、“次世代王朝”を築く計画だった。

    しかし現実には、2026年シーズン序盤の時点でマシン性能、PU性能、財務状況のすべてが不安定化している。

    しかも、F1全体では2028年以降のレギュレーション変更やV8回帰議論も進行中であり、巨額投資の回収シナリオそのものが不透明になりつつある。

    その状況で、中国メーカーが“既存チーム買収”という近道を狙うのは極めて合理的な動きとも言える。

    アストンマーティンの危機は、単なる1チームの経営問題ではなく、F1の資本構造そのものが変化し始めている兆候なのかもしれない。

  • メルセデスF1がマクラーレンを“逆研究” PUソフトウェア戦争が激化

    メルセデスF1がマクラーレンを“逆研究” PUソフトウェア戦争が激化

    2026年F1マイアミGPで最も印象的だったのは、メルセデスPU勢の圧倒的な競争力だった。特にマクラーレンのパフォーマンス向上は急激で、イタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』によれば、その背景には“ソフトウェア制御の理解”があるとみられている。

    興味深いのは、そのマクラーレンの進化を、供給元であるメルセデス自身が分析対象として見始めている点だ。

    現在の2026年F1レギュレーションでは、内燃エンジンと電力エネルギーを高度に統合管理する必要があり、単純なハードウェア性能だけでは差がつかない時代になっている。

    マクラーレンが“本家メルセデス”を上回った理由
    報道によると、メルセデスのエンジニアはカスタマーチームであるマクラーレンに対し、最新仕様PUの運用方法について追加情報を求めているという。特に焦点となっているのは、エネルギーマネジメントを司るソフトウェア面だ。

    皮肉なのは、シーズン序盤にはマクラーレン側が「メルセデスから十分な運用ガイダンスが得られていない」と不満を漏らしていたことだ。

    しかし現在は立場が逆転しつつある。マイアミGPでは、マクラーレンがアップグレードだけでなく、PU制御の理解度でも一歩先に進んだ可能性が指摘されている。

    2026年F1では、50対50の電動・内燃配分により、エネルギー回生、放出タイミング、コーナー進入時のデプロイ制御などが極めて重要になっている。単純な最高出力よりも、“どう使うか”がラップタイムを左右している状況だ。

    フェラーリF1はADUO判断待ち ベルギーGP投入説も
    一方でフェラーリは、FIAが近く下すとみられるADUO(追加開発・アップグレード機会)判断に神経を尖らせている。

    イタリアメディアによれば、現在の基準エンジンは事実上メルセデスであることが明確になっているという。

    ADUOは、性能不足に陥ったPUメーカーに対し、追加開発やアップグレード自由度を与える救済制度だ。補正幅は2〜4%になるとみられており、フェラーリがどこまで修正を許可されるかが焦点になっている。

    さらにイタリア国内では、もしADUO適用が認められた場合、フェラーリが2026年F1ベルギーGPに向けたアップグレードパッケージを準備しているとの報道も出ている。

    フレデリック・バスールは逆転を諦めず
    フェラーリF1代表フレデリック・バスールは、マイアミでメルセデスPU勢が優位に立ったあとも、タイトル争い継続への自信を崩していない。

    「昨年のフェルスタッペンはモンツァ以降から勝負していた」

    そう語ったバスールは、「私はまだ選手権を信じている」と強調した。

    2026年シーズンは、レギュレーション変更直後ということもあり、勢力図が固定化されていない。特にPU制御とソフトウェア運用は、数か月単位で勢力を入れ替える可能性を秘めている。

    ニコ・ロズベルグ「フェラーリはあと一歩」
    2016年F1ワールドチャンピオンのニコ・ロズベルグも、フェラーリの完全復活は近いとみている。

    「勝利のために何かが足りないが、昨年と比べれば素晴らしい仕事をしている」

    「彼らは近いうちに再びグランプリで勝つようになると思う」

    さらにロズベルグは、2025年シーズン序盤に苦戦していたルイス・ハミルトンについても、「ようやく適応できたように見える」と評価した。

    2026年F1の戦いは、単なるマシン開発競争ではなく、“ソフトウェア戦争”の色合いを急速に強めている。マクラーレンが示した進化は、その象徴と言えるかもしれない。

  • ルイス・ハミルトン F1マイアミGP“中指騒動” FIAの“ダブルスタンダード”に批判

    ルイス・ハミルトン F1マイアミGP“中指騒動” FIAの“ダブルスタンダード”に批判

    ルイス・ハミルトンのレース中のジェスチャーを巡り、FIA(国際自動車連盟)の対応に新たな論争が起きている。

    アストンマーティンのシミュレータードライバーを務めるダニエル・ジュンカデラは、2026年F1マイアミGPでフランコ・コラピントに向けて中指を立てたとされるハミルトンの行為について、「処分が下されなかったのはダブルスタンダードだ」と批判した。

    ジュンカデラ「FIAの二重基準は変わらない」
    ダニエル・ジュンカデラは、自身のSNSでFIAの対応を痛烈に批判した。

    「FIAのダブルスタンダードは相変わらずだ」

    「僕の時と同じように2000ユーロの罰金を科すべきだった」

    ジュンカデラが言及したのは、2025年のWECバーレーン戦で自身が受けた処分だ。当時、GT3クラスでの接触を巡るバトルの最中に同様のジェスチャーを行ったとして罰金処分を受けていた。

    この裁定は当時から議論を呼んでおり、FIAが進めていた“ドライバーの振る舞い”や不適切表現への取り締まり強化とも重なっていた。

    フェルスタッペン問題以降 FIAの姿勢に注目
    この問題が再び注目を集めている背景には、FIAとドライバー側の緊張関係がある。

    特にマックス・フェルスタッペンは、過去に記者会見での発言を巡ってFIAから厳しい処分を受けた経緯があり、“言動規制”への反発は現在もくすぶり続けている。

    そのため今回、ハミルトンのジェスチャーに対して公式な制裁が科されなかったことで、「基準が曖昧ではないか」という声が再び広がる形となった。

    ジュンカデラはフェルスタッペンと親しい関係として知られており、来週のニュルブルクリンク24時間レースでは、メルセデスAMG GT3でフェルスタッペンとチームメイトを務める予定だ。

    このラインアップには、元F1ドライバーのジャン=マルク・グーノンの息子ジュール・グーノン、そしてゲルハルト・ベルガーのおいであるルーカス・アウアーも名を連ねている。

  • ナイジェル・マンセル “クルサードをガレージ出禁”要求 ウィリアムズF1秘話

    ナイジェル・マンセル “クルサードをガレージ出禁”要求 ウィリアムズF1秘話

    1994年のF1シーズンは、アイルトン・セナの事故死によって大きく揺れた歴史的シーズンとして知られている。その混乱の中でウィリアムズF1に昇格したデビッド・クルサードが、当時のチーム内で起きた“意外なエピソード”を振り返った。

    その中心にいたのは、1992年F1ワールドチャンピオンのナイジェル・マンセルだった。クルサードによれば、1994年日本GPの週末にマンセルが「自分をガレージから外してほしい」と要求していたという。

    セナ亡き後に訪れた突然の昇格
    当時、デビッド・クルサードはウィリアムズのリザーブドライバーを務めていた。しかし、イモラで発生したアイルトン・セナの死亡事故を受け、急遽レースシートへ昇格することになった。

    チーム全体が深い悲しみと混乱に包まれる中、若きクルサードは極めて難しい状況でF1キャリアをスタートさせることになった。

    その一方で、ウィリアムズはナイジェル・マンセルをフランスGP、ヨーロッパGP、日本GP、オーストラリアGPの4戦限定で呼び戻し、デイモン・ヒルとともにシーズンを戦わせていた。

    マンセルが要求した“クルサード排除”
    クルサードは、1994年日本GPの鈴鹿で起きた出来事を次のように振り返った。

    「ナイジェルとマシンを共有していた頃、日本GPに到着したのを覚えている。ナイジェルは、僕がガレージにいないよう求めていた。気が散ると思っていたんだ」

    この要求に対し、ウィリアムズF1のメカニックたちは独特のユーモアで応じたという。

    「ウィリアムズのメカニックたちは、いつもの冗談好きなノリで、僕の写真に赤い禁止マークを付けた“立入禁止サイン”を作って、ガレージ入口に貼っていた」

    チーム内の空気を和ませる意図もあったが、同時にマンセルをからかう意味合いも含まれていた。

    「それはナイジェルを少しからかう意味もあった。フランク・ウィリアムズが『いや、彼は我々のレース兼テストドライバーだ。クルマが何をしているか聞く必要がある』と言ったからだ」

    豪雨の鈴鹿で感じた“安堵”
    1994年日本GPは、豪雨に見舞われた過酷なレースとしても知られている。ストレート上でもマシンが次々とコースアウトする危険なコンディションの中、最終的にはデイモン・ヒルが優勝し、ミハエル・シューマッハが2位、マンセルは4位でレースを終えた。

    クルサードは当時をこう振り返る。

    「日本のあのレースは土砂降りだったのを覚えている。スタートストレートでもクルマが次々にコースアウトしていた」

    「当時はどんなコンディションでもレースをしていた」

    「現代F1を批判したいわけじゃない。今そうした状況で走らないのには、ちゃんとした理由がある」

    「でも、僕はガレージの中でクルマがあちこち飛び出していくのを見ながら、『マシンに乗っているのが僕じゃなくてナイジェルで本当に良かった』と思っていた」

    1995年にクルサードが後継者へ
    マンセルはこの短期復帰を最後にウィリアムズを離脱。その後、デビッド・クルサードが本格的に後継者として定着し、1995年にはエストリルでF1初優勝を挙げた。

    さらに1996年にはマクラーレンへ移籍し、名門チームで通算12勝を積み重ねることになる。

    1994年の鈴鹿で起きた“ガレージ出禁騒動”は、そんなクルサードのキャリア初期を象徴する、知られざるエピソードのひとつとなっている。

  • カルロス・サインツJr. F1レギュレーションに新懸念「DRSトレイン化している」

    カルロス・サインツJr. F1レギュレーションに新懸念「DRSトレイン化している」

    カルロス・サインツは、2027年に向けてF1がエンジン出力配分を見直す方針を打ち出した一方で、次に解決すべき課題として“アクティブエアロ時代のDRSトレイン問題”を挙げた。

    2026年から導入された新レギュレーションでは、従来のDRSが廃止され、代わりにフロントウイングとリアウイングを連動させるアクティブエアロシステムが採用された。

    これにより全車がストレート区間でドラッグを低減できるようになったが、その結果として“前車も後車も同じ速度向上を得る”状況が生まれ、オーバーテイクが極めて難しくなっている。

    マイアミGPでは、この影響による“DRSトレイン状態”が各所で発生していた。

    サインツ「前車がストレートモードなら抜けない」
    カルロス・サインツ(ウィリアムズ)は、RacingNews365を含むメディアに対し、現在のシステムではオーバーテイクが成立しづらいと問題提起した。

    「前のクルマがストレートモードに入っている状況への解決策を見つける必要があると思う。オーバーテイクは不可能だからね」

    「これはDRSトレインと非常によく似た状況だ。何か改善策を見つけられるかもしれない」

    サインツは、2026年型マシンの“レースの質”そのものについても慎重な懸念を示した。

    「そもそも、このレギュレーションでレース自体が本当に問題だったわけではない」

    「予選については、まだ改善の余地がかなりある。ただ、もう単純に批判するつもりはない。建設的であり続けたいし、これはF1として十分良い状態ではないと訴え続けたい」

    FIAへの評価も口にしたサインツ
    一方でサインツは、FIAがマイアミGP週末に見せた対応力については高く評価した。

    FIAは週末を通じて“ヒートハザード”や雨天時の視界問題、インターミディエイトタイヤへの懸念などに直面していたが、決勝スタート時刻を前倒しするなど柔軟な対応を実施していた。

    「FIAはインターミディエイトタイヤに関するウェットコンディションの懸念にも耳を傾けてくれた。レース開始を前倒しした判断には満足している」

    「彼らを責めることはできない。素晴らしい仕事をしているし、今は皆が同じ方向を向いて動いているように見える」

    “全車DRS化”が生んだ新たな副作用
    2026年レギュレーションでは、重くなった車体と大型化したバッテリーによるドラッグ増加を補うため、アクティブエアロが導入された。

    しかし従来のDRSと違い、“後続車だけが使える武器”ではなくなったことで、先行車も常時トップスピードを伸ばせる状態となり、結果として追い抜きの決定力が弱まっている。

    F1はすでに2027年に向けて、内燃エンジンと電力出力の比率を50対50から60対40へ変更する方針を示しているが、サインツの発言は“次は空力側の見直しが必要だ”という新たな論点を浮き彫りにした形だ。

  • アストンマーティンF1 “遅いから充電できる” ホンダPUに奇妙な利点

    アストンマーティンF1 “遅いから充電できる” ホンダPUに奇妙な利点

    2026年F1シーズンで苦戦が続くアストンマーティン。フェルナンド・アロンソとランス・ストロールは依然としてノーポイントで、コンストラクターズランキングでも最下位に沈んでいる。

    しかし、その深刻なパフォーマンス不足が、皮肉にも2026年F1レギュレーション下では“メリット”として働いている可能性が浮上した。

    イタリアの『Motorsport Italia』によると、アストンマーティンのAMR26はコーナリング速度が極端に低いため、他チームよりもエネルギー回生を行いやすい状況にあるという。

    “遅いマシン”だから電力を回収できる皮肉
    2026年F1では、電動出力依存の増加によって、各チームがエネルギーマネジメントに苦しんでいる。

    ドライバーたちは「バッテリー残量を維持するためにコーナーで抑えなければならない」と不満を口にしてきたが、アストンマーティンにはその問題が比較的少ないという。

    理由は単純だ。AMR26はもともと高速コーナーで十分なスピードを持っていないため、エネルギー消費量そのものが少ない。

    報道によると、アストンマーティンは高速コーナーで最大12mph(約19km/h)も他チームより遅い区間が存在するという。ホンダ製パワーユニットの出力不足が進入速度を制限しているだけでなく、コーナリング中盤から立ち上がりまで全域で苦戦しているとされる。

    結果として、他チームが“電力を使い切る”状況でも、アストンマーティンは比較的容易に回生エネルギーを維持できているという、奇妙な構図が生まれている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    アロンソ「大型アップデートは夏休み後」
    フェルナンド・アロンソは、アストンマーティンが大規模アップデートを投入するのは少なくとも第12戦オランダGP以降になると説明している。

    小規模改良を積み重ねるのではなく、一気にマシン特性を変える“変革型パッケージ”を投入する方針だ。

    それまでアロンソとストロールにとって、通常の展開でポイント獲得を狙うのは極めて困難とみられている。記事では「近年のF1でも屈指の大荒れレースでも起きない限り厳しい」とまで評されている。

    ホンダ救済へ? F1各陣営が追加支援で合意
    一方で、F1各チームとFIAは、競争力不足に陥ったパワーユニットメーカーへの追加支援策について合意した。

    これは「ADUO(追加開発・アップグレード機会)」と呼ばれる制度で、当初は2%および4%の性能差が基準として検討されていたが、最終的には“10%以上遅れているメーカー”を救済する方向へ調整が進められている。

    現時点では、その対象としてホンダが想定されているとの見方が強い。

    もっとも、ホンダはレッドブル時代に圧倒的成功を収めた実績を持つだけに、ライバル勢が将来的に「支援したことを後悔する可能性もある」と記事は指摘している。

    “遅さ”が露呈させた2026年F1規則の歪み
    今回のアストンマーティンのケースは、2026年F1レギュレーションが抱える構造的問題を象徴している。

    本来なら速く走るための空力効率やコーナリング性能が、逆にエネルギー消費の増大につながり、ドライバーが意図的にペースを抑えなければならない状況が発生している。

    その一方で、“そもそも速く走れないマシン”の方がエネルギー管理では有利になるという現象は、多くの関係者が懸念してきた「レースよりエネルギーマネジメント優先」の現実を浮き彫りにしている。

    FIAと各チームが2027年に向けて60対40への出力比変更を進める背景には、こうした“歪み”への危機感もあると言えそうだ。

    Source: F1 OVERSTEER

  • レッドブルF1 RB22軽量化で反撃へ オーストリアGPで最低重量到達を目指す

    レッドブルF1 RB22軽量化で反撃へ オーストリアGPで最低重量到達を目指す

    レッドブルは2026年F1シーズン序盤の苦戦から立て直しに向けた第一歩を踏み出した。マイアミGPに投入したアップグレードでRB22の余剰重量を半減させ、今後2か月以内にFIAの最低重量である768kgへ近づける計画を進めている。

    マックス・フェルスタッペンはマイアミで5位に終わったが、純粋なペース面では開幕3戦より明らかな改善が見られた。

    ステアリング系の問題解消に加え、大幅に改良されたサイドポッドと新しいフロアが期待どおりに機能したことが、レッドブルにとって大きな前進となった。

    マイアミで見えたRB22の回復傾向
    レッドブルは日本GPで投入した最初のアップデートでは大きな効果を得られなかったが、マイアミのパッケージはチームの想定に近い成果をもたらした。テクニカルディレクターのピエール・ワシェは、今回の改良が期待どおりに機能したと認めている。

    「そうだ、我々が期待していたものをもたらした。パッケージそのものが効果を発揮した。そして、他の問題をいくつか修正したことで、予想していなかったかもしれないマックスのパフォーマンスも少し引き出された」

    ワシェが言及した「他の問題」とは、フェルスタッペンが再びマシンを攻め込めるようになったステアリング系の変更を指している。

    余剰重量は12kgから6kgへ半減
    今回のアップグレードで特に重要なのが重量面の改善だ。レッドブルはマイアミでRB22の余剰重量を12kgから6kgまで削減した。今後はフェルスタッペンとアイザック・ハジャーのマシンを、2026年のFIA最低重量である768kgまで引き下げることを目指す。

    「もう一段階あると思う。いつになるかは分からないが、おそらくオーストリアに向けて軽量化が行われることになる」

    オーストリアGPまでに最低重量へ到達できれば、RB22の競争力はさらに底上げされる。重量削減はラップタイムだけでなく、タイヤへの負荷、燃料搭載量、セットアップ自由度にも影響するため、レッドブルにとっては単なる数値以上の意味を持つ。

    レッドブル・レーシング

    次の大規模アップデートは欧州ラウンドが焦点
    メルセデスはモントリオールで大規模アップデートを投入する予定だが、レッドブルは同じタイミングで大きな変更を加えるわけではない。ワシェはカナダGPには小規模な改良を持ち込むとしつつ、本格的な開発の焦点は欧州ラウンドに置いていると説明した。

    「もう少し待つ必要がある。モントリオールには小さなステップだけだ」

    マクラーレンやフェラーリもマイアミで大型アップデートを投入しており、レッドブルが相対的に前進できたことは重要だ。シーズン序盤の遅れを完全に取り戻したわけではないが、開発の方向性がようやく数字と挙動に表れ始めている。

    結果以上に意味があったマイアミGP
    ワシェはマイアミGPの結果そのものには満足していない。それでも、RB22が再び上位争いに加われるペースを示したことは、チームにとって大きな意味を持つ。

    「簡単ではないが、結果にはもちろん失望している。マイアミの結果は我々のペースを示していないと思う。ただ、マシンにペースがあり、我々が再びその争いの中にいることをチームとして示せたのは良いことだ」

    レッドブルにとってマイアミは、単なる5位フィニッシュ以上の週末だった。ステアリング問題の修正、アップグレードの成功、そして軽量化の進展が重なり、RB22はようやく反撃の土台を整えつつある。焦点は次の大きな一手となる欧州ラウンド、そしてオーストリアGPで最低重量に到達できるかに移る。

  • シャルル・ルクレール F1レギュレーション批判に異論「僕はアウトサイダー」

    シャルル・ルクレール F1レギュレーション批判に異論「僕はアウトサイダー」

    シャルル・ルクレールは、2026年F1レギュレーションをめぐる議論のなかで、自分の見方がグリッド上では少数派であることを認めた。

    マイアミGPでは、過度なスーパークリッピングやリフト&コーストを抑えるため、エンジン規則に修正が加えられた。それでもルクレールは、新世代F1のレースが「人工的」になっているという批判には同意していない。

    ルクレールは「アウトサイダー」を自認
    フェラーリのシャルル・ルクレールは、F1の新しいエンジン規則に対する自身の見解について、グリッド上で「少しアウトサイダー」だと語った。

    2026年F1レギュレーションは、電気エネルギーの比重が高まったことで、序盤から議論の的になってきた。マイアミGPでは、スーパークリッピングの許容範囲が350kWまで拡大され、使用可能エネルギーも8MJから7MJへと削減された。

    この変更は、マックス・フェルスタッペンが「アンチレース」「ステロイドを打ったフォーミュラE」と評し、複数のドライバーが「マリオカート」と表現したことを受けたものだった。

    「オーバーテイクは実際にはかなり良い」
    レースが以前よりも自然に感じられるかと問われたルクレールは、他のドライバーたちの見方とは少し違う立場を示した。

    「いや、僕はそれにはいつも少し反対してきた」とルクレールは語った。

    「自分がグリッド上で少しアウトサイダーだということは分かっている。でも少なくとも僕が前のクルマたちと戦った範囲では、相手のクルマが自分たちと似たようなシステムを持っていて、似たような使い方をしている場合、実際にはオーバーテイクはかなり良いと感じている」

    戦略性は増したが、根本は大きく変わっていない
    ルクレールは、新しいレースの形が従来より戦略的になっていることは認めた。一方で、それが必ずしも不自然なものになったとは考えていない。

    「昨年より少し戦略的になっている。でも昨年もDRSを使うか、使わないか、あるいは引き離すかという意味では戦略的だった」

    「だから大きく変わったとは思わない。そして間違いなく、最も大きな焦点になっているのは予選だ。そこに焦点が当たるのは正しいことだ」

    F1はすでに来季に向けて、内燃機関と電気エネルギーの出力比率を現行の50対50から見直し、内燃機関側への依存度を高める方向に動いている。多くのドライバーが現行ルールに違和感を示すなかで、ルクレールの発言は、新規則の評価が単純な賛否では割り切れないことを示している。

    Source: RacingNews365