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  • ピエール・ガスリー F1モナコGP降格でFIA批判「0.1km/hで表彰台を失った」

    ピエール・ガスリー F1モナコGP降格でFIA批判「0.1km/hで表彰台を失った」

    ピエール・ガスリー(アルピーヌ)は、F1モナコGPで3位フィニッシュを果たしながら、ピットレーン速度違反による合計10秒加算ペナルティで7位に降格した。

    9番グリッドから混乱のレースを走り抜き、表彰台圏内でチェッカーを受けたガスリーにとって、わずか0.1km/hと0.4km/hの超過による処分は受け入れがたいものだった。

    0.1km/hと0.4km/hが奪ったモナコの表彰台
    ガスリーは1回目のピットレーン速度違反で60km/h制限を0.1km/h超過したとされ、2回目は0.4km/h超過したと判断された。これにより5秒ペナルティを2度受け、レース後に3位から7位へ降格した。

    「今の僕にこれ以上傷つくことはないと思う」とガスリーはコメント。

    「このような瞬間のために、10年間ずっと必死に努力してきた。今日はすべて正しくやった」

    「集まってくれたすべてのファンの前で表彰台に立った。このような瞬間は、不公平な理由で僕たちから奪われていいものではない」

    「今起きていることは正しくない。彼らが正しい判断をしてくれることを願っている」

    ガスリーが求めたシステムの再確認
    ガスリーは、自身が速度制限を超えていたとは考えていないと主張した。F1マシンでピットレーンリミッターを作動させることは「おそらく最も簡単な設定」だとし、複数チームが同様の違反を取られたことにも疑問を呈した。

    「車内では60km/hを下回っていたことを事実として分かっているし、どちらの場合もラインのかなり手前でリミッターを入れていた」

    「3、4チームが速度違反を取られている状況で、これはF1マシンで入れられる最も簡単な設定だ」

    「彼らに警鐘が鳴り、何が起きているのか正確に確認する必要があると気づいてくれることを願っている」

    「これは正しくない。セバスチャン・ベッテルも2009年シンガポールで似たようなことがあった。彼はコーナーをカットして、それが速度違反を誘発した」

    「彼はルールを変えるべき時だと言っていた。これは愚かなシステムだ」

    「僕はこの表彰台に値した」
    ガスリーはランド・ノリスのマクラーレンMCL40を抑え、赤旗後のリスタートではアイザック・ハジャーをかわして3位に浮上した。自身6度目のF1表彰台が目前にあっただけに、失望は大きかった。

    「10年だ。僕はあらゆるチャンスをつかむために懸命に戦っている」

    「僕は5回表彰台を獲得した。でも自分に言わせれば、それでは十分ではない。そして僕は今回の表彰台に値した。彼らが何かしてくれることを願っている」

    「言ったように、これはとても簡単な設定で、車の問題だ。現時点では、本当に答えがない。心が折れている」

    「僕は3位でラインを越えた。9番手スタートから、僕たちは必要なことをすべてやった」

    モナコで得たはずの表彰台は記録上失われたが、ガスリーのレース内容そのものは消えない。アルピーヌにとっても、A526が混戦の中で上位を争えることを示した一戦となった。次戦バルセロナでは、この悔しさを結果に変えられるかが問われる。

  • トト・ヴォルフ「ペースを落とせと言った」 アントネッリのF1モナコGP圧勝に驚愕

    トト・ヴォルフ「ペースを落とせと言った」 アントネッリのF1モナコGP圧勝に驚愕

    キミ・アントネッリ(メルセデス)は2026年F1モナコGPで圧倒的なパフォーマンスを披露し、F1史上最年少のモナコGPウィナーとなった。

    レースでは後続を寄せ付けず、最大で約30秒ものリードを築いて優勝。メルセデスにとっても2019年以来となるモナコでの勝利となり、チーム代表のトト・ヴォルフはレース後、その走りに驚きを隠さなかった。

    「もっと遅く走れと思った」圧倒的なレースペース
    アントネッリはレースを完全にコントロールしながらも、終始ハイペースを維持した。後続との差が大きく開いた後もファステストラップ級のラップを刻み続け、ピットウォールはペースを抑えるよう指示していたという。

    「彼が見せた走りは信じられない。状況を完全にコントロールしていた」

    「時には誰よりも1.5秒も速く走り、再スタートのたびにさらにギャップを広げていった。本当に信じられないパフォーマンスだった」とトト・ヴォルフはSky Sports F1に語った。

    さらにヴォルフは、レースエンジニアのピーター・“ボノ”・ボニントンとともに無線でペースダウンを促したことを明かした。

    「最初はボノからだった。その後で私も伝えた」

    「私はボノに『30秒のリードがあることを伝えてくれ』と言った。そして彼はそれを伝えたが、それでも彼は同じようなラップタイムを刻み続けていた」

    「たぶん、それが彼のリズムなのだろう」とヴォルフは笑顔で振り返った。

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    モナコでの勝利が持つ特別な意味
    メルセデスは近年モナコで苦戦が続いており、ヴォルフも同地を“鬼門”のひとつと認識していた。

    「モナコはいつも少し苦手なサーキットだった」

    「だからここで勝てたことは本当にうれしい。私にとっても長年ホームのような場所だからね」

    今回の勝利は、ルイス・ハミルトンが2019年に優勝して以来となるメルセデスのモナコ制覇となった。

    表彰台に上がることをためらったヴォルフ
    レース後、コンストラクターズトロフィーを受け取るため表彰台へ向かったヴォルフだが、自ら進んで上がったわけではなかったという。

    「もう10年くらい表彰台には上がっていなかったと思う」

    「キミのために本当にうれしい気持ちがある一方で、感情的には冷静でいたいとも思っている」

    「チームのみんなから『ここはあなたのホームなんだから行くべきだ』と言われて表彰台に向かった」

    「でも今は気持ちを落ち着かせて、チームをまとめてバルセロナへ向かうことが大切だ」

    アントネッリのモナコGP制覇は、単なる今季5勝目というだけではない。チーム代表ですら「もう少し遅く走ってほしい」と思うほどの圧倒的な支配力を示したことで、19歳の新星が2026年F1タイトル争いの中心に立っていることを改めて印象づけるレースとなった。

  • BYDがモナコでFIA・F1首脳と会談 F1参戦構想の協議が進展

    BYDがモナコでFIA・F1首脳と会談 F1参戦構想の協議が進展

    BYDの副社長であるステラ・リーが2026年F1モナコGPの週末に、F1 CEOのステファノ・ドメニカリ、そしてFIA会長のモハメド・ビン・スライエムと相次いで会談していたことが明らかになった。

    世界有数の自動車メーカーであるBYDは、近年急速にグローバル市場で存在感を高めているが、今回の動きは同社のF1参入検討が単なる憶測ではなく、実際に最高レベルの協議段階へ進んでいることを示している。

    モナコで行われたトップレベル会談
    PlanetF1によると、ステラ・リーは金曜日にF1 CEOのステファノ・ドメニカリと会談し、その翌日にはモハメド・ビン・スライエムとも協議を行った。

    BYDは今年に入ってから中国メディアに対しF1への関心を認めていたが、今回のモナコでの一連の会談は、その検討がより具体的な段階へ進んでいることを示唆している。

    一方で、F1関係者の間では懐疑的な見方も残る。

    BYDは世界第3位規模の自動車メーカーではあるものの、モータースポーツ活動の実績がほとんどなく、チーム運営やレース活動のノウハウも持たない。そのため、一部では「ブランド宣伝のための調査活動に過ぎない」との声もある。

    しかし、BYDの急成長を考えれば、その可能性を軽視できないとの見方も少なくない。

    BYDは新チーム設立だけを考えているわけではない
    ステラ・リーは、BYDが新規チーム設立を最優先に考えているとは明言しなかった。

    「BYDの技術がFIAや他のチームにどのような貢献ができるのか、その機会を探っている」

    「そしてBYDとしては、この舞台でブランドを構築する必要もある」

    そう語り、複数の選択肢を検討していることを示唆した。

    F1パドックでは、既存チームの買収や出資というシナリオも取り沙汰されている。

    現時点で売却が公表されているチームは存在しないが、例えばアルピーヌの24%を保有するオトロ・キャピタルの持ち分取得などが候補として噂されている。

    V8回帰論とBYDの技術戦略
    興味深いのは、BYDが電動化技術の象徴的存在である一方、FIAが現在2031年以降のレギュレーションとしてV8エンジン回帰を模索している点だ。

    ビン・スライエムは、内燃機関を主軸とした新世代パワーユニットを推進しており、電動比率を大幅に縮小する案を支持している。

    一見するとBYDの企業戦略とは相反するように見える。

    しかしステラ・リーは、その点について柔軟な姿勢を示した。

    「たとえ内燃機関を使うとしても、最高レベルの材料工学が必要になる。その分野でBYDは非常に強い」

    BYDは2022年に純粋なガソリン車の生産を終了したが、内燃機関技術そのものを完全に否定しているわけではないことを示した格好だ。

    クリスチャン・ホーナーとの接触も判明
    今回の動きでさらに注目を集めているのが、ステラ・リーとクリスチャン・ホーナーの接触だ。

    PlanetF1は先日、リーがカンヌでホーナーと会談したことを報じている。

    ホーナーはレッドブル・レーシングで長年にわたり成功を収めた実績を持ち、将来的にF1へ復帰する場合は株式保有を含むオーナーシップを求めているとされる。

    BYDにとっては、F1経験を持たない最大の弱点を補える理想的なパートナー候補とも言える。

    リーもホーナーについて問われると笑顔を見せ、

    「彼は素晴らしい人物だ。良い友人でもある。私たちは彼を高く評価している」

    と語った。

    もっとも、BYDの参入が数年先になる可能性が高いことを考えると、ホーナーがその時期まで待つかどうかは不透明だ。

    BYDがF1にもたらすインパクト
    今回の会談で重要なのは、BYDが単なるスポンサー案件ではなく、自動車メーカーとしてF1参入の可能性を真剣に検討していることが見えてきた点だ。

    現在のF1にはメルセデス、フェラーリ、ホンダ、フォード、アウディ、GMといった世界的メーカーが集結しているが、中国メーカーはまだ存在しない。

    もしBYDが参入を実現すれば、F1にとって中国市場へのさらなる拡大を象徴する出来事になる。

    一方で、新規参入にはコンコルド協定に基づく厳格な審査が必要となる。

    FIAとFOMは現在、新たな参入希望者向けのEOI(関心表明)プロセスを共同で管理する体制へ移行しているが、関係者によれば新たな募集開始は差し迫った状況ではない。

    それでも、モナコで行われた一連の会談は、BYDがF1の未来において無視できない存在になりつつあることを示している。今後数年間の動向次第では、ホーナー率いるBYD F1チームという構想が現実味を帯びてくる可能性もある。

  • ルイス・ハミルトン F1モナコGPでキム・カーダシアンに感謝「毎日支えてくれる」

    ルイス・ハミルトン F1モナコGPでキム・カーダシアンに感謝「毎日支えてくれる」

    ルイス・ハミルトン(フェラーリ)は2026年F1モナコGPで2位表彰台を獲得した。レース中に5秒ペナルティを受けながらも順位を守り切り、今季3度目の表彰台を手にした。

    この結果により、ハミルトンはモナコでの通算表彰台回数を8回に伸ばし、アイルトン・セナの記録に並んだ。そんな特別な週末には、交際中とされるメディアパーソナリティのキム・カーダシアンもサーキットを訪れ、ハミルトンをサポートしていた。

    キム・カーダシアンの存在に感謝
    レース後、ハミルトンは周囲の支えについて問われると、カーダシアンへの感謝を口にした。

    「彼女(カーダシアン)が今週末ここに来てくれて、サポートしてくれたことは本当に素晴らしかった」とハミルトンはコメント。

    「でも、友人たちもそうだ。全体として本当に素晴らしい集まりだった」

    「それ以上に何と言えばいいのか分からないけどね」

    「良い人たちに囲まれて、良い人たちが支えてくれるのは本当に素晴らしいことだ。そして彼女は毎日僕を支えてくれている」

    今季はフェラーリ移籍後初勝利こそまだないものの、カナダGPに続いてモナコGPでも2位を獲得。タイトル争いの上位に踏みとどまっており、安定した成績を残している。

    セナの記録に並んだハミルトン
    モナコでの通算表彰台回数ではセナと並んだハミルトンだが、優勝回数ではまだ差がある。ハミルトンは3勝、セナは6勝を記録している。

    それでもハミルトンは、今後も記録更新を目指して挑戦を続ける考えを示した。

    「僕は長い間ここで走っているけど、その点ではまだ彼のレベルには達していない」

    「でも、僕はまだしばらくここにいるつもりだから、これからも追い続けるよ」

    「例えば8回の表彰台という意味で、彼と同じ場所に並べたことは本当に特別なことだ」

    「若い頃にアイルトンを見ていたことを今でも覚えているし、今でも彼は僕のお気に入りのドライバーだ」

    「だから本当にクールなことだと思う」

    モナコで再び存在感を示したフェラーリ移籍後のハミルトン
    モナコGPではアンドレア・キミ・アントネッリに及ばなかったものの、ハミルトンは難しいレースをまとめ上げて2位を獲得した。フェラーリ移籍初年度の2026年シーズンは序盤こそ苦戦もあったが、ここ数戦は表彰台争いの常連となりつつある。

    セナの表彰台記録に並んだハミルトンは、勝利数でもレジェンドに近づくことを目標に掲げる。その挑戦を支える存在として、家族や友人、そしてキム・カーダシアンの存在が大きな支えとなっているようだ。

  • ランス・ストロール F1モナコGPクラッシュの原因はホンダPU?ギアボックス?

    ランス・ストロール F1モナコGPクラッシュの原因はホンダPU?ギアボックス?

    ランス・ストロール(アストンマーティン)は2026年F1モナコGPでのクラッシュについて、ホンダ製パワーユニットに起因する減速時の不安定な挙動が原因だったと主張した。

    一方で、アストンマーティンのチームアンバサダーを務めるペドロ・デ・ラ・ロサは、問題の存在を認めながらも、クラッシュそのものは限界まで攻め続けた結果だったとの見方を示している。

    ストロール「アクセルが半分開いたようだった」
    ランス・ストロールは57周目、16番手走行中にアントニー・ノゲスでコースアウトし、テックプロバリアにクラッシュしてリタイアした。

    ストロールはレース後、その原因がエンジンブレーキの異常挙動にあったと説明した。

    「レース終盤に差しかかっていたが、レースを通じてエンジンブレーキにいくつか問題を抱えていた」

    「今シーズンずっとエンジンブレーキの問題がある。あるコーナーでは押し出され、別のコーナーでは逆に減速しすぎる。しかも毎回違う動きをするんだ」

    「その周回、そのコーナーでは単純に壁へ押し出された。まるでアクセルペダルが50%開いたままになっているような感覚だった」

    当時、アントニー・ノゲス進入前では路面が部分的に荒れていたことも確認されていたが、ストロールはそれが原因ではないと否定した。

    「それが問題だったとは感じなかった。まるでアクセルが固着したかのように、エンジンが僕を壁へ押し出したんだ」

    アロンソも警戒していた減速時の不安定さ
    アストンマーティンの両ドライバーは今季を通じてマシンの扱いづらさを訴えている。

    フェルナンド・アロンソはこの症状を「ランダムなシフトダウン」と表現しており、減速時に予測不能な挙動が発生していることを明かしていた。

    この問題はギアボックスに関連しているとみられるが、背景には2026年からアストンマーティンがメルセデス製カスタマーPUからホンダ製ワークスPUへ移行し、自社製ギアボックスを導入したことがある。

    実際にアロンソはモナコGP開幕前の木曜日、この問題がモナコ市街地コースで発生すれば重大な結果につながる可能性があると警告していた。

    その後アロンソ自身もフリー走行1回目でシケイン進入時にコントロールを失いウォールに接触しており、日曜日のストロールのクラッシュによって懸念が改めて浮き彫りとなった。

    デ・ラ・ロサ「ホンダだけの問題ではない」
    ただしペドロ・デ・ラ・ロサは、問題の存在を認めながらも単純にホンダ製PUだけへ責任を帰すべきではないと説明した。

    「ランスがクラッシュしたことは、我々のドライバーが決して諦めないことを示している」

    「週末を通じて減速時の一貫性のなさに苦しんでいた。それでも両ドライバーは限界まで攻め続けていた。それこそが最も驚くべきことだ」

    さらにストロールの『エンジンに壁へ押し出された』という発言について問われると、デ・ラ・ロサは問題が依然として解析中であることを強調した。

    「我々は減速フェーズで一貫性のない挙動を経験している」

    「まだ分析中なので詳細は話したくないが、ドライバーが限界まで攻めることを妨げている要素が確実に存在する」

    「そして減速プロセスが想定どおりに機能しなければ、壁に突っ込むことになる。ランスに起きたのはまさにそれだ」

    ホンダとアストンマーティンが共同で対策へ
    デ・ラ・ロサによれば、ホンダとアストンマーティンは現在共同で原因究明を進めており、次戦バルセロナ・カタルーニャGPに向けて新たな対策を検討している。

    「ホンダと我々は状況を分析している。次戦に向けて異なる解決策や異なるマッピングを準備している」

    「ただし非常に複雑な問題だ。エンジンとギアボックスはひとつのシステムとして機能している」

    「特に今季の新レギュレーション下ではなおさらだ。小型の内燃エンジンと大型ターボを組み合わせた新世代PUでは、物事はそう単純ではない」

    モナコGPではストロールのクラッシュという形で表面化したこの問題だが、アロンソも含めて週末を通じて同様の症状を訴えていたことを考えると、アストンマーティンとホンダにとっては2026年F1シーズン前半の重要な技術課題のひとつになりそうだ。

  • アントネッリ「まだ何も勝ち取っていない」 ラッセルのF1タイトル心理戦を一蹴

    アントネッリ「まだ何も勝ち取っていない」 ラッセルのF1タイトル心理戦を一蹴

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)は現在、モナコGPでの優勝によって5連勝を達成し、2026年F1ドライバーズ選手権で首位を快走している。

    そのモナコGPを迎える直前、チームメイトのジョージ・ラッセルから「タイトルはアントネッリが失うものだ」とプレッシャーをかけられた際も、19歳のイタリア人ドライバーは冷静な姿勢を崩さなかった。当時のコメントは、若きタイトル候補の精神的な成熟ぶりを示すものとして改めて注目を集めている。

    ラッセルの“タイトルは失うもの”発言
    モナコGPを前にした時点で、アントネッリは4連勝を記録し、ランキング首位を大きくリードしていた。一方のラッセルは、前戦カナダGPで首位走行中にリタイアを喫していた。

    ラッセルはカナダGP後、「タイトル争いはアントネッリ次第だ」と語っていたが、モナコでも同様の見解を繰り返した。

    「僕には失うものは何もないと思う」

    「ライバルの立場から見れば、彼は大きなリードを持っている。守るか失うかしかない状況だ」

    「タイトルは彼が失うものだ」

    しかしアントネッリは、この発言を意に介さなかった。

    「もちろん聞いたよ。聞いたときは笑ってしまった。こんなに早い段階でそういう話をする意味はないと思う」

    「それに、まだ勝ってもいないものをどうやって失うんだ?」

    プレッシャーは受け流す
    アントネッリは、ラッセルの発言が心理的な揺さぶりだったことも理解していた。

    「ジョージは確実に僕にプレッシャーをかけたかったんだと思う。でも僕は気にしていない」

    「僕は毎レース勝つためにサーキットへ行く。もちろん、時には受け入れなければならない結果もある。でも実際のところ、僕には失うものなんてない」

    「これまで通り、自分が楽しめる形でレースをするだけだ。その結果どうなるか見てみよう」

    結果的にアントネッリは、その後のモナコGPでも優勝を飾り、連勝記録を5へ伸ばした。ラッセルのプレッシャー戦術は少なくとも短期的には効果を発揮しなかった形だ。

    メンタルコーチとともに成長
    若くしてF1タイトル争いの中心人物となったアントネッリは、精神面のサポートについても率直に語っている。

    「プライベートな空間で話せる相手がいることは重要だ」

    「評価されるわけでもなく、ただ話を聞いてくれる存在だ。19歳の僕にとって、身近ではない人たちとの関係の中で起こるさまざまな状況に対処するのは時々難しい」

    アントネッリはメンタルコーチと取り組みながら、トップドライバーとしての振る舞いを学んでいるという。

    また、カナダGPでのラッセルとの激しい戦いも自身の成長につながったと振り返った。

    「モントリオールでは、自分自身について多くを学んだ。感情のコントロールについてもそうだ」

    「特にスプリントでは、普段よりかなりアグレッシブだった」

    「それはずっと取り組んできたことなんだ」

    さらに、これまで以上に闘争心を前面に出せるようになったと説明した。

    「良い意味で、以前より少し腹を立てられるようになったと思う」

    「ただ、その加減を管理しなければならない。やり過ぎてはいけないからね」

    タイトル争いでも変わらない姿勢
    ランキング首位を走る立場になっても、自身のアプローチは変わらないとアントネッリは強調した。

    「もちろん期待は高まっている。でも僕の取り組み方は変わらない」

    「マシンに乗り込み、可能な限り最高の結果を目指すだけだ。秋になれば自分がどこにいるのか分かるだろう」

    「プレッシャーは感じていないし、かなりリラックスしている。ジョージが僕を苦しめてくることは分かっているけど、それで怖気づくことはない」

    また、メルセデスがチームオーダーを出さず、両ドライバーに自由なレースを認めていることにも言及した。

    「僕たちはどちらも素晴らしいポジションにいるし、良いマシンも持っている。そして勝ちたいと思っている」

    「チームに混乱をもたらしたくはないし、もちろんトト・ヴォルフを怒らせたくもない」

    「でも同時に、勝利やタイトルが懸かっている状況でドライバーを縛ることもできない」

    「ジョージと僕は、カナダの後はもっと賢くやろうと考えている」

    ドメニカリが求める“成長する時間”
    F1最高経営責任者(CEO)のステファノ・ドメニカリも、急速に注目を集めるアントネッリについて慎重な姿勢を求めている。

    「彼は本当に素晴らしい若者だ。なぜなら今も自然体だからだ」

    「彼には過度なプレッシャーを与えず、成長する時間を与える必要がある」

    ドメニカリは4連勝という快挙を高く評価しながらも、若くして成功を収めたドライバーが直面する難しさにも触れた。

    「成熟するには時間が必要だ。しかし4連勝を達成するドライバーはそう多くない。それだけ彼が強いということだ」

    「私はこうした若者たちが好きだ。本来その年齢らしく、少し無邪気であることも含めてね」

    「ただ誰かが教えてあげなければならない。この世界には、君の成功を本当に喜んで笑顔を向けている人ばかりではないということを」

    「自分を守るための鎧を身につける必要がある」

    モナコGP前には「まだ何も勝ち取っていない」と語っていたアントネッリだが、その後も勝利を重ねて選手権の主導権を握り続けている。とはいえ、本人は依然としてタイトルを口にせず、一戦一戦に集中する姿勢を崩していない。その冷静さこそが、19歳の若さでF1の頂点争いをリードする最大の強みなのかもしれない。

  • ウィリアムズF1の名車FW25が復活 ボスGP参戦でV10サウンド再び

    ウィリアムズF1の名車FW25が復活 ボスGP参戦でV10サウンド再び

    ウィリアムズは、ヘリテージ部門を通じて歴史的なシングルシーター選手権「ボスGP」への参戦を発表した。投入されるのは2003年型のFW25で、20年以上の時を経て再びレースの舞台に戻ることになる。

    マシンをドライブするのはFW25のオーナーであるフィル・ストラットフォード。6月12日のニュルブルクリンク戦を皮切りに、マニクール、レッドブル・リンク、ムジェロの計4戦への参戦が予定されている。ウィリアムズにとってはボスGPへの初挑戦となる。

    2003年の名車FW25が現代によみがえる
    FW25はBMW製3.0リッターV10エンジンを搭載したマシンで、2003年シーズンにラルフ・シューマッハとファン・パブロ・モントーヤがドライブした。

    このシーズン、ウィリアムズは現在に至るまで最後となっているワン・ツーフィニッシュを達成しており、FW25は同チームの歴史を語る上で欠かせない1台として知られている。

    今回レース復帰するFW25は、当時このマシンの開発やレース運営に携わったメンバーを中心とするウィリアムズ・ヘリテージによって大規模なレストアが施された。

    50周年を前に歴史を次世代へ継承
    ウィリアムズ・ヘリテージのディレクターを務めるジョナサン・ケナードは、今回の参戦が単なるヒストリックカーイベントではなく、チームの伝統を未来へつなぐ重要な取り組みだと説明した。

    「ウィリアムズ・ヘリテージでは、我々の歴史が今も目的意識を形作り続けている。それはグリッド最前線への復帰を目指すウィリアムズ全体の挑戦を支えるものでもある」とケナードは語った。

    「来年のチーム創設50周年を前に、初めて歴史的レース選手権へ参戦することは、そのレガシーを新たなファン層へ届ける意味のある機会だ」

    「フィルがこの素晴らしいマシンを最高の状態へ復活させるために協力できたことを誇りに思う。そして、あの忘れがたい1万9000rpmのV10サウンドが再びニュルブルクリンクを駆け抜ける瞬間を楽しみにしている」

    オーナーの夢だったFW25でのレース参戦
    FW25のオーナーであるフィル・ストラットフォードにとっても、実際にこのマシンでレースへ出場することは長年の夢だったという。

    「FW25を所有し、レースで走らせることは人生を通じた夢だった」とストラットフォードは語った。

    「このクルマを誰よりも知るウィリアムズ・ヘリテージのエンジニアや技術者たちの全面的なサポートを受けながら実現できることは特別なことだ」

    「さらにラルフとファン・パブロが歴史を刻んだマニクールのようなサーキットで再び競争できるのは本当に素晴らしい。ニュルブルクリンクでの開幕戦が待ちきれない」

    単なるデモ走行ではない本格参戦の意義
    近年、多くのF1チームがヘリテージプログラムを拡充しているが、今回の取り組みは展示走行ではなく実際のレース参戦である点が特徴だ。

    来年に創設50周年を迎えるウィリアムズにとって、FW25の復活は栄光の歴史を振り返るだけでなく、チームブランドの価値を次世代へ伝える象徴的なプロジェクトとなる。2000年代初頭のF1を彩ったV10マシンが再びレースを戦う姿は、多くのファンにとって特別な光景となりそうだ。

  • フェラーリF1ブレーキ問題 ハミルトンはブレンボ製ディスクを使用せず

    フェラーリF1ブレーキ問題 ハミルトンはブレンボ製ディスクを使用せず

    フェラーリF1内部で、モナコGPの週末を通じて大きな話題となったのがブレーキの問題だった。

    発端はカナダGPまでさかのぼる。シャルル・ルクレールは週末を通じてブレーキのフィーリングに不満を訴え続け、タイヤ温度との関連性についても言及していた。低温かつ低グリップの路面だったモントリオールでは、その傾向が特に顕著だった一方、チームメイトのルイス・ハミルトンは比較的快適に走行していた。

    そして母国レースのモナコでも、ルクレールの不満は解消されなかった。

    ルクレール「解決策はあるが試さなかった」
    予選後、ルクレールはブレーキに関する問題について次のように語っていた。

    「解決策があることは分かっている。ただ、ここモナコでは試したくなかった」

    しかし決勝では再びブレーキのフィーリングに苦しみ、レース中の接触後には無線で感情を爆発させた。

    「この件の責任を僕は負わない。原因はこの忌々しいブレーキだ」

    レース後もその主張は変わらなかった。

    さらにルクレールは、ハミルトンがすでに別仕様のブレーキを使用していることを明かした。

    「ルイスは3レース前から違うブレーキを使っている。僕も次のレースから使うことになると思う」

    ただし、その詳細については明言を避けていた。

    ハミルトンは日本GPから別仕様を採用
    AutoRacerによると、ハミルトンは2026年F1日本GPから自身が好むブレーキ仕様へ変更していたという。

    フェラーリのブレーキシステムは基本的にブレンボ製だが、ハミルトンのマシンではブレンボ製キャリパーを維持しながら、ブレーキディスクのみをカーボン・インダストリーズ製へ変更したとされる。

    これはハミルトンがメルセデス時代に長年使用してきたメーカーであり、フェラーリ移籍によって一度離れていた仕様だった。

    重要なのは、ブレーキシステム全体を変更したわけではないという点だ。

    現在も44号車の大部分はブレンボ製コンポーネントが使用されており、変更されたのはディスク部分のみとみられている。

    メルセデス時代から続いていたハミルトンの要望
    実はこの変更は突然決まったものではない。

    ハミルトンはメルセデス在籍時代の2025年シーズンから、カーボン・インダストリーズ製ディスクへの強い信頼を示していた。

    問題は性能そのものではなく、長年使い続けてきたことで身についたフィーリングだった。

    フェラーリは50年以上続くブレンボとの関係を重視し、従来仕様を維持していたが、ハミルトンは移籍後も変更を求め続けた。

    2026年プレシーズンテストのバーレーンで評価が行われ、その後チームを説得することに成功。日本GPから事実上の仕様変更が実施されたという。

    フェラーリは2人のドライバーで異なる方向を選択
    モナコGP終了後の発言から見えてくるのは、フェラーリが現在2人のドライバーに異なるブレーキ仕様を提供しているという事実だ。

    ハミルトンは自身が慣れ親しんだ構成へ回帰し、一定の満足感を得ている。

    一方でルクレールは、カナダGPから続くフィーリング不足に苦しみ続けている。

    モナコGP後のコメントを見る限り、フェラーリは近いうちにルクレールにも同様の仕様を試させる可能性が高い。

    母国レース後に飛び出した「ルイスと同じブレーキを使う」という発言は、単なる感情的な不満ではなく、フェラーリ内部で進行している技術的な方向転換を示唆するものだったのかもしれない。

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  • セルジオ・ペレス「諦めなかった」 キャデラックF1初入賞は幻も前向き評価

    セルジオ・ペレス「諦めなかった」 キャデラックF1初入賞は幻も前向き評価

    セルジオ・ペレスは2026年F1モナコGPで10位フィニッシュを果たしたものの、レース後のペナルティによって初の選手権ポイントを失った。それでもペレスは、厳しい状況の中で最後まで戦い抜いたキャデラックの姿勢を高く評価した。

    キャデラックは今季の新規参戦チームとして苦戦が続いているが、モナコでは予選でQ2進出まであとコンマ2秒に迫る速さを見せ、決勝でも波乱を生かしてトップ10圏内でフィニッシュ。結果こそ覆ったものの、チームにとっては大きな前進を感じさせる週末となった。

    ポイント喪失につながったスタート手順違反
    ペレスはレース終盤に10番手まで浮上し、チェッカー時点ではキャデラックに初ポイントをもたらした。

    しかし審議対象となっていたスタート手順違反により、レース後にドライブスルーペナルティ相当の裁定を受けて15位へ降格。空いたグリッドに並ぶはずだったガブリエル・ボルトレトの位置にマシンを止めていたことが問題視された。

    「チームとの間でコミュニケーションミスがあった。それだけだ」とペレスは説明した。

    「いろいろな映像を確認したが、ある角度から見ると明らかに見えるし、別の角度からだとそれほど明確ではない」

    「それでも僕たちはコース上で10位だったし、そのことで何か利益を得たわけではない」

    「実際にはスタートも良くなかったが、再スタート後の1周目は素晴らしかった。それによって挽回できたし、それこそが重要だった」

    リタイア寸前だったキャデラックF1
    結果以上に印象的だったのは、キャデラックが深刻なトラブルを抱えながらレースを完走したことだった。

    ペレスによると、MAC-26はレース中を通じて振動、ブレーキ、パワーユニット関連の問題を抱えていたという。

    「僕たちにとっては非常に難しいレースだった。本当に厳しかった」

    「振動もあったし、ブレーキもあったし、エンジンの問題もあった」

    「ある時点ではリタイアも考えたが、諦めなかった」

    「走り続けたことでレースが新たなチャンスを与えてくれた。そして僕たちはそれを生かした」

    ペレスはエンジンを保護するために大幅なリフト・アンド・コーストを強いられていたことも明かした。

    「かなり苦しかった。多くのリフト・アンド・コーストをしなければならなかったし、同時にエンジンマネジメントも必要だった」

    「非常に難しい午後だったし、本当に苦戦した。次のレースで何ができるか見ていきたい」

    セルジオ・ペレス(キャデラック)

    結果以上に価値のあったキャデラックの姿勢
    モナコGPは結果だけを見ると15位で終わった。

    しかし、マシントラブルとペナルティに見舞われながらもトップ10でチェッカーを受けた事実は、キャデラックにとって大きな意味を持つ。

    特にペレスが評価したのはチーム全体のメンタリティだった。

    「チームは今回のレースを誇りに思うべきだ」とペレスは語った。

    「僕たちは諦めなかった。それはキャデラックの全員に見られる素晴らしい姿勢だ」

    「僕が覚えている中でも最悪レベルのモナコGPだった。あらゆることがうまくいかなかった」

    「それでも諦めなかった。それはチームにとって本当に素晴らしいことだ」

    ポイントこそ失われたが、キャデラックはモナコで初めて実力によってトップ10争いに加わった。ヨーロッパラウンドの本格化を前に、この週末はチームの自信を大きく高める一戦となった。

  • リアム・ローソン F1モナコGP5位「マシンがバラバラで出走できないと思った」

    リアム・ローソン F1モナコGP5位「マシンがバラバラで出走できないと思った」

    リアム・ローソン(レーシングブルズ)は2026年F1モナコGPで5位入賞を果たし、自身のキャリアベストタイとなる結果を記録した。しかし、そのレースはスタート前から危機に直面していた。

    予選9番手から決勝を迎える予定だったローソンだが、スタート直前にマシンの技術的トラブルが発生。レーシングブルズのクルーはガレージ内で緊急作業を行い、ピット出口閉鎖まで残された時間はわずかだった。

    リアム・ローソン(レーシングブルズ)は2026年F1モナコGPで5位入賞を果たし、自身のキャリアベストタイとなる結果を記録した。しかし、そのレースはスタート前から危機に直面していた。

    予選9番手から決勝を迎える予定だったローソンだが、スタート直前にマシンの技術的トラブルが発生。レーシングブルズのクルーはガレージ内で緊急作業を行い、ピット出口閉鎖まで残された時間はわずかだった。

    対応が間に合わなければピットレーンスタートとなる状況だったが、チームは土壇場でマシンを復旧させた。

    スタート直前の緊急修理がレースの分岐点に
    決勝後、ローソンはスタート前にガレージで目にした光景を振り返った。

    「ガレージに行ったらマシンがバラバラになっていて、今日はレースに出られないと思った」とリアム・ローソンはコメント。

    「だからそこからの巻き返しは本当に大きかったし、マシンを組み上げてコースに送り出してくれたチームのみんなには心から感謝している」

    モナコの市街地コースではポジション維持が重要になるが、レーシングブルズは冷静な戦略でレースを進めた。

    リアム・ローソン(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    ウィリアムズを抑えながら戦略を最適化
    ローソンはレース中の展開について、後方のウィリアムズ勢をコントロールしながら十分なレースペースを持っていたと説明した。

    「後ろのウィリアムズ勢をコントロールしていたし、かなり良いペースもあった。それは良かった」

    「だからスティントを延ばしてギャップを作り、必要なタイミングでピットインした」

    この判断は終盤の展開でも大きな意味を持った。

    赤旗がレーシングブルズに味方
    レース終盤の赤旗によって、ローソンとチームメイトのアービッド・リンドブラッドは有利なポジションで再スタートを迎えることができた。

    「そして赤旗のおかげで、再スタートに向けて僕たちの2台はとても良いポジションにいた」

    「その後、この順位で2台ともチェッカーまで持ち帰ることができた」

    ローソンはチェッカーフラッグ時点では6位だったものの、ピエール・ガスリーのピットレーン速度違反によるタイム加算ペナルティによって5位へ昇格。2025年F1アゼルバイジャンGPで記録した自己最高位に並び、レーシングブルズにとっても大きなポイント獲得となった。

    今回の結果は、モナコGPでの巧みな戦略だけでなく、レース開始前のわずかな時間でマシンを復旧させたチームの作業があってこそ実現したものだった。スタート前には出走すら危ぶまれた状況から5位入賞までたどり着いたことは、レーシングブルズにとって週末最大級の成功のひとつと言える。