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  • ウィリアムズF1 バクー投入の“Bスペック”は未来を占う試金石

    ウィリアムズF1 バクー投入の“Bスペック”は未来を占う試金石

    ウィリアムズは2026年F1第17戦アゼルバイジャンGPで、大規模アップグレードを施した「Bスペック」マシンを投入する予定だ。チーム代表ジェームズ・ボウルズは、このアップグレードは単なる性能向上ではなく、チームの開発体制そのものを証明する重要な試金石になると位置づけている。

    近年のウィリアムズは組織改革を進めており、シーズン中に大型アップグレードを設計・製造・投入できる体制を築けるかが、将来的なトップ争いへの重要なステップになるという。

    ウィリアムズも大型アップグレードを準備
    最近は、ハンガリーGPで大規模アップグレードを投入予定のアストンマーティンに注目が集まっている。一方、その陰でウィリアムズも9月のアゼルバイジャンGPに向け、大幅な仕様変更を進めている。

    ただし両チームのアプローチには違いがある。アストンマーティンが一度に大きく性能を引き上げる戦略を採るのに対し、ウィリアムズはシーズン序盤から継続的に改良を重ねてきた。

    マイアミGPでは比較的大きなアップグレードを投入し、イギリスGPでは新型フロントウイングを導入。段階的な改良を積み重ねながら、バクーで最大の進化を目指している。

    サインツJr.「劇的な変化は期待していなかった」
    新型フロントウイングについて、カルロス・サインツJr.は導入前から大きな期待は抱いていなかった。

    「奇跡は期待していなかったし、ゲームチェンジャーになるとも思っていなかった」

    実際、イギリスGPスプリント予選ではサインツJr.が15番手、アレクサンダー・アルボンが16番手と大幅な順位向上にはつながらなかった。

    それでもモナコGP以来初めて両車がQ2へ進出し、チーム内ではハースを上回る戦力になったとの手応えを得ている。

    サインツJr.はアップグレードを次のように評価した。

    「正直に言えば、小さな前進だった。望んでいたほどではなかったけれど、新しいフロントウイングは機能していると思う」

    「ハースの前に出られるようになったことが成果だ。彼らの後ろから前へ行けたのだから、小さいながらも価値のあるアップグレードだったと思う」

    しかし現状への危機感も隠さなかった。

    「残念ながら、トップ10まではまだかなり遠い。今週末はレーシングブルズとアウディが約0.5秒速い。それは僕たちにとって大きすぎる差だけど、現実を受け入れて努力を続けるしかない」

    アルボン「本当の勝負はバクー」
    アレクサンダー・アルボンも、本格的な戦闘力向上はバクーまで待つ必要があると認めている。

    「純粋な速さという意味では、バクーまで待たなければならない」

    一方で、今季は信頼性トラブルが多発していることから、中団グループに食らいついていればポイント獲得のチャンスは十分あると見ている。

    「カルロスにも前戦で起きたけれど、今年は全体的に信頼性がかなり低い。だから中団争いに加わっていればポイント獲得のチャンスはある」

    「バクーまで待機モードというわけではないけれど、ポイントを獲るには他チームのトラブルも多少期待している」

    ウィリアムズ・レーシング

    ボウルズ「Bスペックは新車に近い」
    チーム代表ジェームズ・ボウルズは、アゼルバイジャンGPで投入するパッケージを「Bスペックカー」と表現した。

    「分かりやすく言えばBスペックカーだ。新しいシャシーと、それに伴う多くの新パーツを投入する。非常に大きなアップグレードになる」

    ただし、それだけに依存しているわけではないと説明する。

    「鈴鹿からマイアミまでにもかなり大きなアップグレードを投入した。今週末も十分大きな改良を入れている」

    「さらに軽量化も進めていて、性能面ではかなり大きな効果がある。だからアストンマーティンのように一度のアップグレードだけに賭けているわけではない」

    そして現在の戦闘力については、イギリスGPである程度評価できるとの見方を示した。

    「今週末の走りを見てもらえれば、現状のマシン性能はある程度分かるはずだ。その上で今後を評価していきたい」

    Bスペックは組織改革の成果を示す試金石
    ボウルズは、バクーでの大型アップグレードはラップタイム以上の意味を持つと強調する。

    現在進めている組織改革によって、シーズン中でも高品質な大型アップグレードを設計・製造・投入できる体制を築けたかどうかを証明する機会だからだ。

    「私たちは企業として、シーズン中でも適切な品質で設計し、適切な品質でマシンを製造できることを自分たちに証明しなければならない」

    「例えるなら、飛行機を飛ばしながら同時に作り直しているようなものだ」

    「3年前の私たちとは違う組織になったこと、その能力を備えたことを証明する必要がある。そして現時点では、その目標に向けて順調に進んでいる」

    今回の「Bスペック」は単なる空力アップデートではない。ボウルズが進めてきた組織改革の成果を示す実証実験でもあり、その成否は2027年以降の競争力を占う重要な指標となりそうだ。

  • マクラーレンF1大株主が待った フェルスタッペン獲得の障壁はピアストリ契約

    マクラーレンF1大株主が待った フェルスタッペン獲得の障壁はピアストリ契約

    マックス・フェルスタッペンのマクラーレン移籍説が加熱するなか、新たな障害としてオスカー・ピアストリとの契約問題が浮上した。

    元F1ドライバーのラルフ・シューマッハによれば、マクラーレン首脳陣はフェルスタッペン獲得に前向きな姿勢を示しているものの、多数株主が既存契約の尊重を強く求めており、交渉を進める上で大きな制約になっているという。

    フェルスタッペン獲得への障壁はピアストリとの契約
    マックス・フェルスタッペンの去就を巡る憶測はここ数週間で急速に広がっている。レッドブル共同オーナーの一人がフェルスタッペンとの決別を望んでいるとの報道もあり、移籍市場への注目は高まる一方だ。

    マクラーレンのアンドレア・ステラ代表とCEOのザク・ブラウンは、これまでもフェルスタッペンの実力を高く評価し、チームにもたらす価値を公然と認めてきた。

    しかし、契約書に署名するだけで実現できるほど状況は単純ではないようだ。

    ラルフ・シューマッハ「多数株主は契約履行を求めている」
    ポッドキャスト『Backstage Boxengasse』でラルフ・シューマッハは、マクラーレン内部の事情について次のように語った。

    「マクラーレンはフェルスタッペンへのオファーを用意しているようだ。しかし本当の問題は、現在オスカー・ピアストリと契約を結んでいることだ」

    さらに、その背景にはチームの株主の意向があると説明した。

    「多数株主は、まだ有効な契約は守られるべきだと強く求めている」

    「もし双方が受け入れられる妥協案が見つかるなら、それは十分に考えられるだろう」

    マクラーレン

    ピアストリ退団なら状況は一変する可能性
    シューマッハは、ピアストリ自身が状況を左右する重要な立場にあるとも指摘した。

    同氏は、2025年イタリアGPでマクラーレンがランド・ノリスを優先した対応以降、ピアストリはチームへの信頼を失ったと聞いていると明かした。

    今季は期待されたようなパフォーマンスを発揮できておらず、そこへフェルスタッペン加入説まで浮上したことで、ピアストリの立場はさらに複雑になっているとの見方を示している。

    さらに最近では、ピアストリが現在の契約を解除して自らチームを離れる可能性も報じられている。現行契約は2028年まで続くとされているが、もし本人主導で契約が解消されれば、多数株主が問題視する契約上の障壁は取り除かれ、ブラウンCEOによるフェルスタッペン獲得交渉が進展する余地が生まれる可能性がある。

    今回の情報はラルフ・シューマッハの証言を中心としたものであり、マクラーレンやフェルスタッペン陣営から公式なコメントは出ていない。それでも、フェルスタッペン移籍説の裏側では、ドライバーの実力だけでなく契約や株主の意向といった経営面も大きな要素となっていることが改めて浮き彫りになった。

  • アストンマーティン・ホンダF1 ニューウェイが15時間勤務 苦境脱出へ設計に没頭

    アストンマーティン・ホンダF1 ニューウェイが15時間勤務 苦境脱出へ設計に没頭

    アストンマーティンは2026年F1イギリスGPでも苦戦を強いられ、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールはともにトップから大きく遅れ、決勝でも周回遅れで18位、19位に終わった。

    一方で、チーム再建を託されたエイドリアン・ニューウェイは、シルバーストンのファクトリーで連日15時間にも及ぶ作業を続け、新パーツの設計に没頭していることが明らかになった。期待を大きく下回るシーズンとなるなかでも、名エンジニアは改善への歩みを止めていない。

    アストンマーティンはなお深刻な低迷
    アストンマーティンは今季、ホンダ製パワーユニットの振動問題については大幅な改善を果たしたものの、AMR26全体の競争力は依然として不足している。

    イギリスGP予選ではフェルナンド・アロンソとランス・ストロールがポールポジションから約5秒遅れを喫し、決勝でも2台とも周回遅れでフィニッシュした。

    レース中のオンボード映像では、コーナリング時に大きくステアリングを切らなければならない場面も映し出され、アロンソはグリッドへ向かう途中でエンジンストールも経験するなど、マシンの扱いづらさが際立っていた。

    ニューウェイは15時間勤務で改善策を模索
    ニューウェイはシーズン序盤までにアストンマーティンがトップクラスのシャシーを手にしていると考えていたとされる。しかし実際には、自身が主導したAMR26の大胆な設計コンセプトは期待した成果につながらず、さらにホンダ製パワーユニットも信頼性や性能面で苦戦している。

    それでもニューウェイ自身は、マシン開発の方向性が間違っていたとは考えていない。

    現地ジャーナリストのティム・ハウラニーは、イギリスGP直前にアストンマーティンのファクトリーを訪問。その際、ニューウェイが朝7時30分頃から夜遅くまで約15時間にわたり勤務し、自室で新パーツのスケッチを描き続けていた様子を目撃したという。

    ハウラニーはポッドキャスト『Nailing The Apex』で次のように語っている。

    「木曜日の夜にアストンマーティンのファクトリーを訪れ、案内を受けていた。メカニカル部門、空力部門、CFD、風洞施設などがオープンレイアウトで配置されていて、建物の奥まで見渡せた」

    「一番奥に巨大な製図板があり、定規が置かれていた。私の両腕を広げたよりも長いくらい大きなものだった。夜9時30分だったが、近づいてみるとニューウェイ本人だった」

    「彼はイーゼルの前で身をかがめ、マシンに使えそうな新しいパーツをスケッチしていた。私は天才が仕事をしている姿を遠くから見て圧倒されていた」

    「案内してくれた人に『彼はいつからここにいるのか』と聞くと、『朝早くからです』と言われた。朝7時30分頃に来ていて、私が見たのは夜9時30分。それでも『おそらく夜11時頃まで仕事を続けるでしょう』と言っていた」

    エイドリアン・ニューウェイ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    ハンガリーで大型アップグレード投入へ
    アストンマーティンはハンガリーGPで大型アップグレードを投入し、巻き返しを狙っている。

    ただしチーム内部でも、このアップデートだけで状況が劇的に改善するとは考えられていない。期待どおり約2秒の性能向上が得られたとしても、現状では依然として最後尾付近にとどまる可能性があるとの見方もあり、トップ争いへの復帰にはさらなる開発が必要とみられている。

    今回明らかになったニューウェイの長時間勤務は、アストンマーティンが抱える問題の大きさを物語ると同時に、名設計者がその解決へ全力を注いでいることを示している。ハンガリーGP以降のアップグレードが復調への第一歩となるのか、その成果に注目が集まる。

    【関連】
    ・アストンマーティン・ホンダF1 大型アップグレード後もAMR26開発継続を示唆

  • フェラーリF1にハミルトン優先論 元エンジニア「極端な決断が必要」

    フェラーリF1にハミルトン優先論 元エンジニア「極端な決断が必要」

    2026年F1イギリスGPでシャルル・ルクレールが今季2勝目を挙げ、ルイス・ハミルトンも3位表彰台を獲得したことで、フェラーリのタイトル争いへの期待が高まっている。

    一方で、元フェラーリのレースエンジニアであるロブ・スメドレーは、ドライバーズタイトル獲得を本気で狙うのであれば、フェラーリはハミルトンを優先する「極端な決断」を下すべきだと主張した。

    イギリスGPで縮まったタイトル争い
    シルバーストンではルクレールが優勝し、ジョージ・ラッセルが2位、ハミルトンが3位に続いた。一方、ランキング首位のアンドレア・キミ・アントネッリは5秒ペナルティの影響もあってノーポイントに終わり、選手権争いは再び接戦となっている。

    現在のランキングではアントネッリが首位を維持し、ラッセルが25ポイント差、ハミルトンが32ポイント差で続く。ルクレールは首位から71ポイント差となっている。

    メルセデスではラッセルとアントネッリの自由なレースが続くとみられるなか、フェラーリは異なる戦略を採るべきではないかとの議論が浮上している。

    「唯一の戦略」はハミルトン優先
    2004年から2013年までフェラーリで活躍した元レースエンジニアのロブ・スメドレーは、『High Performance Racing』ポッドキャストで、フェラーリがドライバーズタイトルを狙うにはハミルトンを全面的に支援するしかないとの見解を示した。

    スメドレーは、イギリスGP終盤にルクレールとハミルトンが1位と2位を走行していた場面で、順位を入れ替えるべきだったかと問われると、次のように答えた。

    「自分の論理には反するが、フェラーリが今年のワールドチャンピオンを獲得する唯一の可能性は、それほど極端な決断をすることだと思う」

    「マシン性能だけでメルセデスに勝とうとし、さらにルイスとシャルルを自由に戦わせ続ければ、ドライバーズタイトルを獲得できる確率は大きく下がる」

    「私の考え方には反するが、オトマー(・サフナウアー)が言ったように、この先は変数が多すぎる。だから普通ならそんなことはしない。しかし、ルイスがワールドチャンピオンになるためには、それが唯一の戦略だと思う」

    シューマッハならチームオーダーを求めた?
    さらにスメドレーは、「もしミハエル・シューマッハがハミルトンの立場だったら、チームオーダーを要求したと思うか」と質問されると、即座にこう答えた。

    「もちろんだ。答えは一言、『イエス』だ」

    フェラーリ時代のシューマッハは、タイトル争いでチーム全体の支援を受ける体制を築いており、スメドレーはハミルトンも同様のサポートを受けるべきとの考えを示した形だ。

    フェラーリが決断を迫られる時期は来るのか
    現時点では、フェラーリがルクレールを犠牲にしてまでハミルトンを全面支援する可能性は高くない。シーズンはまだ前半戦であり、両ドライバーともタイトル獲得の可能性を残しているためだ。

    しかし、ハミルトンが現在の好調を維持し、メルセデスに信頼性トラブルが再び発生するような展開になれば、フェラーリはチームオーダーを含めた戦略的な判断を迫られる可能性がある。

    次戦はベルギーGP。スパ・フランコルシャンでの結果は、フェラーリが「両ドライバー平等」の方針を維持するのか、それともタイトル獲得を最優先に戦略を切り替えるのかを占う重要な一戦となりそうだ。

  • レッドブルF1共同オーナーがフェルスタッペンとの決別を希望か 移籍報道が加速

    レッドブルF1共同オーナーがフェルスタッペンとの決別を希望か 移籍報道が加速

    マックス・フェルスタッペンの去就を巡る憶測が再び過熱している。契約は2028年末まで残るものの、2027年以降の残留を明言しておらず、レッドブル内部でも意見の相違が表面化していると報じられた。

    報道によると、共同オーナーのマーク・マテシッツはフェルスタッペンとの関係を終わらせる意向を示している一方、CEOのオリバー・ミンツラフは2030年までの契約延長を目指して慰留を続けているという。さらにマクラーレン移籍が間近との見方も浮上し、2027年のドライバー市場に大きな波紋を広げている。

    フェルスタッペンの将来を巡りレッドブル首脳の考えに温度差
    ドイツ『Auto Motor und Sport』などの報道を引用したPlanetF1によると、フェルスタッペンは先月、レッドブル株式の51%を保有するチャレーム・ユーウィッタヤー氏と、49%を保有する共同オーナーのマーク・マテシッツとの会談のためオーストリアを訪れた。

    レッドブル側は2027年以降もチームに残る意思を確認したい考えで、契約に盛り込まれている離脱条項(エグジットクローズ)の放棄を求めたという。

    契約自体は2028年末まで有効だが、フェルスタッペンには成績条件を満たした場合に契約を解除できる条項が存在するとされる。今季は夏休み前の時点でランキング2位以内を逃すことが数学的に確定しており、この条項を行使できる状況になったとみられている。

    さらに一部報道では、レッドブルが離脱条項を行使しない見返りとして約690万ポンド(約13億円)を提示したものの、フェルスタッペン側は受け入れなかったとも伝えられている。

    共同オーナーは「決別」を望み CEOは慰留を継続
    報道によれば、ここ数週間の一連の出来事を受けてマーク・マテシッツは強い不満を抱いており、「フェルスタッペンとの関係を断ち切ることを望んでいる」との意向を示したという。

    一方でCEOのオリバー・ミンツラフはまったく異なる立場を取っている。フェルスタッペンを2030年までチームに引き留めたい考えで、2028年までの現契約をさらに2年間延長する構想を推進しているとされる。

    つまり、レッドブル首脳陣の間でもフェルスタッペンへの対応を巡って見解が一致していない状況だ。

    マーク・マテシッツ

    マクラーレン移籍説が浮上 ピアストリの名前も
    同誌は「有力な情報筋」の話として、フェルスタッペンとマクラーレンとの間で合意が「間近に迫っている」とも報じている。

    仮に移籍が実現した場合、現在のレギュラードライバーのうちオスカー・ピアストリがシートを失う可能性があるという。ただし、ピアストリ陣営は残留に自信を示しており、仮にマクラーレンを離れる場合でも、フェルスタッペンの後任としてレッドブル入りすることが有力な選択肢になるとみられている。

    もっとも、このマクラーレン移籍説については現時点で公式な裏付けはなく、あくまで関係者証言に基づく報道段階にとどまっている。

    レッドブルが求める「忠誠」とフェルスタッペンの選択
    レッドブル内部では、フェルスタッペンをF1界屈指の高給ドライバーとし、4度のワールドチャンピオン獲得を支えるマシンを提供してきたことから、チームに対してより強い忠誠心や感謝を示してほしいとの考えもあるという。

    一方のフェルスタッペンは将来について明言を避け続けており、2027年に向けた選択は依然として不透明なままだ。

    なお、もしフェルスタッペンがレッドブルに残留すれば、来季にはルイス・ハミルトンが保持する「同一コンストラクターからの最多出走記録」を更新する可能性がある。また、レッドブルでの通算勝利数は現在70勝で、ミハエル・シューマッハがフェラーリで記録した71勝まであと1勝に迫っている。

    今回の報道は、フェルスタッペンを巡るレッドブル内部の対立やマクラーレン移籍説を伝える内容だが、その多くは匿名情報筋に基づくものであり、現時点でチームやフェルスタッペン本人から公式なコメントは出ていない。今後の正式な発表や夏休み前後の動向が、2027年以降のF1勢力図を左右する重要な焦点となりそうだ。

  • FIA会長が示唆 クリスチャン・ホーナーのF1復帰先は「すでに知っている」

    FIA会長が示唆 クリスチャン・ホーナーのF1復帰先は「すでに知っている」

    クリスチャン・ホーナーのF1復帰を巡る憶測が続くなか、FIA(国際自動車連盟)のモハメド・ビン・スライエム会長が、復帰は確実との見方を示すとともに、その行き先についても「私は知っている」と意味深な発言を行った。

    レッドブル退団後にガーデニング休暇を終えたホーナー本人も、すでに複数のプロジェクトと協議を進めていることを認めており、BYDが支援する新規F1チームへの関与を含め、さまざまな憶測が飛び交っている。

    FIA会長「彼は戻ってくる」 復帰先も把握と明かす
    モハメド・ビン・スライエム会長は、英『Oxford Mail』の取材でクリスチャン・ホーナーのF1復帰について問われると、迷うことなく「はい」と回答した。

    さらに、復帰の可能性について重ねて質問されると、次のように語っている。

    「彼は戻ってくる。どこになるかは私が言うことではない。たとえ私が知っていたとしても、それを話すのは彼自身だ」

    この発言は、ホーナーの復帰先についてFIAトップが何らかの情報を把握していることを示唆したものとして注目を集めている。

    実績を高く評価「勝ちたいなら彼のような人物が必要」
    ビン・スライエム会長は、レッドブル退団を巡る一連の騒動よりも、ホーナーが残してきた実績を重視すべきだとの考えも示した。

    「彼の経歴を見れば分かる。誰だって間違いは犯す。しかし、彼は結果を出したのか?」

    そして、こう続けた。

    「何を求める? 勝ちたいのか、それとも勝ちたくないのか。挑戦したいのか、それともしたくないのか」

    長年にわたりレッドブルをF1屈指の強豪へと育て上げた手腕を高く評価していることがうかがえるコメントだった。

    ホーナー「今は自由の身」 復帰へ向け協議を認める
    一方のホーナー本人も、英『The Times』の取材で将来についての話し合いが始まっていることを認めた。

    「もちろん話し合いはある。しかし最近まではガーデニング休暇中だったので、何もできなかった」

    「今は技術的に言えば自由の身だ」

    52歳のホーナーは、復帰するのであれば条件が重要だとも強調している。

    「戻るとすれば、違いを生み出し、勝利を目指せる立場でなければならない」

    「勝つためでないなら、なぜやる必要があるんだ?」

    最有力候補はBYD新チーム説も 本人は慎重姿勢
    パドックでは、中国の自動車メーカーBYDが支援するとされるF1第12チームへの参画が最有力候補との見方が広がっている。

    しかしホーナーは、この噂について明言を避けた。

    「巨大な組織だ。本当に巨大な会社だ」

    その一方で、次のように笑顔で語っている。

    「これまで本当に多くの憶測が飛び交ってきた。今ではグリッド上のほぼすべてのチームと結び付けられていると思うよ」

    さらに「私は急いでいない」と付け加え、焦らず最適なプロジェクトを見極める姿勢を示した。

    今回のビン・スライエム会長の発言によって、ホーナーのF1復帰は既定路線との見方がさらに強まった。一方で、その復帰先については依然として明かされておらず、BYD支援の新規参戦プロジェクトを含め、今後の動向に注目が集まりそうだ。

  • リンドブラッド F1イギリスGP無線激怒の真相 標的はローソンではなかった

    リンドブラッド F1イギリスGP無線激怒の真相 標的はローソンではなかった

    レーシングブルズのアービッド・リンドブラッドがF1イギリスGPで発した無線メッセージは、チームメイトのリアム・ローソンへの不満ではなかったことが明らかになった。

    レース中継では放送されなかった無線が公開されたことで、ローソンによるオーバーテイクに対する怒りではないかとの見方も広がった。しかし実際には、1周目に発生したバッテリーのデプロイメント(エネルギー展開)の不具合が原因だったという。

    リンドブラッドの怒りはローソンではなくデプロイメント不具合
    レーシングブルズはシルバーストンでも好調を維持し、リアム・ローソンが6位、アービッド・リンドブラッドが7位でフィニッシュ。チームとして4戦連続で2台が1ポジション差という安定した結果を残した。

    ただし、その舞台裏では1周目に小さなトラブルが発生していた。

    リンドブラッドはスタート直後、ビレッジでマックス・フェルスタッペンと6番手争いを展開した際にコース外へ押し出され気味となり、その後ウェリントン・ストレートでローソンの攻撃を受けることになった。

    ブルックランズではステアリングを修正しながらアウト側を走行したもののコース外へ膨らみ、ローソンに加えてオスカー・ピアストリにも先行を許した。

    その直後、リンドブラッドは無線で「くそったれ。本当に勘弁してくれ」と不満を口にした。

    これに対しレースエンジニアのピエール・ハムランは「取り返そう。本来のポジションを取り戻そう。集中だ」と応じていた。

    このやり取りが公開されたことで、ローソンのオーバーテイクへの怒りと受け止められていた。

    レース後にチームが謝罪「1周目はこちらの責任」
    チェッカーフラッグ後も、この出来事はリンドブラッドの頭から離れていなかった。

    無線では次のようなやり取りが交わされた。

    リンドブラッド:「みんなおめでとう。また素晴らしい結果だった」

    ハムラン:「1周目については申し訳ない。こちらの責任だ」

    リンドブラッド:「正直に言うと、あれは本当に悔しい」

    ハムラン:「私も同じ気持ちだ」

    リンドブラッド:「あなたに怒っているわけじゃない。ただ本当にフラストレーションがたまる。でもチームとしてはいい仕事だった。これからも改善していこう」

    ハムラン:「チームとしては良い一日だった。でも十分ではない。必要な武器をすべて与えられるよう改善する。本当に申し訳ない」

    この無線だけを見ると、ローソンに先行されたことへの不満とも受け取れた。

    しかし実際には、チーム側も認めたデプロイメントのトラブルについて話していたことが後に判明した。

    アービッド・リンドブラッド(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    リンドブラッド「問題がなければローソンの前を維持できた」
    レース後、リンドブラッドは取材に対し、無線の真意を説明した。

    「チームにとっては本当に良い一日だった」

    「ただ僕たちのガレージ側としては完全には満足していない。1周目にまたデプロイメントの問題が起きたからだ」

    「あれがなければリアムの前にいられたと思う。それでもチームとしては本当に良い結果だった」

    一方のローソンも自身のレースを振り返った。

    「本当に良いレースだった。最初から最後まで順調だった」

    「1周目も良かったし、スティント後半のペースがとても強かった。タイヤマネジメントもうまくできた」

    「ここ数戦ずっとその点は良くなっていて、とても励みになっている」

    誤解を招いた無線の真相
    前戦オーストリアGPではチームオーダーを巡る騒動もあったことから、今回の無線もローソンへの不満と受け止められていた。

    しかしレース後の本人の説明とチームとの無線内容を合わせると、リンドブラッドが問題視していたのはチームメイトではなく、1周目に発生したデプロイメントの不具合だったことが分かる。レーシングブルズはダブル入賞という成果を手にした一方で、スタート時のシステム運用には改善すべき課題を残した。

  • エイドリアン・ニューウェイがレッドブルF1に“一時復帰” グッドウッドでRB17走行

    エイドリアン・ニューウェイがレッドブルF1に“一時復帰” グッドウッドでRB17走行

    エイドリアン・ニューウェイが今週末開催されるグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで、レッドブルの一員としてサプライズ復帰を果たす。

    現在はアストンマーティンに所属するニューウェイだが、自身がレッドブル在籍時に設計を手掛けたハイパーカー「RB17」のヒルクライム走行を担当する予定で、チームを離れて以来初めてレッドブル関連イベントに姿を見せることになる。

    ニューウェイがRB17でレッドブルに“一時復帰”
    レッドブルは、2026年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでRB17のダイナミックデビューを実施することを発表した。

    そのステアリングを握るのは、RB17の生みの親であるエイドリアン・ニューウェイだ。現在はアストンマーティンで技術部門を率いるニューウェイだが、このイベント限定でレッドブルのプログラムに参加する。

    RB17は今後も開発・テストが続けられ、年内には専用サーキットで本格的な性能評価が行われる予定となっている。

    角田裕毅やハジャーらもデモランに参加
    今回のグッドウッドでは、レーシングブルズのアイザック・ハジャー、レッドブルのリザーブドライバーを務める角田裕毅、レッドブル・レーシング・アカデミー所属のアリーシャ・パルモウスキーもデモランに参加する。

    また、セバスチャン・ベッテルが2013年に4年連続のF1ワールドチャンピオン獲得を果たした「RB9」も走行予定で、歴代の特別カラーリングを施したマシンの展示も実施される。

    RB17とはどんなマシンなのか
    RB17は5年以上の開発期間を経て誕生したハイパーカーで、自然吸気コスワース製V10エンジンとハイブリッドシステムを組み合わせたパワートレインを採用している。

    F1などの競技規則に縛られることなく設計されたことが最大の特徴で、レッドブル・アドバンスト・テクノロジーズ(RBAT)は「これまでで最も高度な技術を投入したハイパーカーの一台」と位置付けている。

    レッドブル・RB17

    RBAT首脳「重要な節目になる」
    RBATのテクニカルディレクターを務めるロブ・グレイは、RB17の初走行について次のように語った。

    「レッドブルは、他者が不可能だと考えるような挑戦に取り組む時こそ最高の力を発揮する」

    「RB17はまさにその象徴だ。グッドウッドでのダイナミックデビューは、このプロジェクトにとって重要な節目となる。実際の走行環境でマシンの検証と開発を続け、その性能を最大限まで引き出していきたい」

    今回のグッドウッドでの走行は、ニューウェイがアストンマーティン移籍後にレッドブルと公の場で再び関わる初めての機会となる。RB17の開発プログラムにおいても大きな節目となるイベントとして注目を集めそうだ。

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    ・エイドリアン・ニューウェイ アロンソに謝罪「私の責任」 2027年残留も熱望

  • フェラーリF1 ハミルトンのフォルススタート判定に異議「センサーは検知せず」

    フェラーリF1 ハミルトンのフォルススタート判定に異議「センサーは検知せず」

    ルイス・ハミルトンがF1イギリスGPで科されたフォルススタート(false start)による5秒加算ペナルティについて、フェラーリのフレデリック・バスール代表は「やや厳しすぎる判定だった」との見解を示した。

    チームのセンサーではマシンの動きは検知されなかったと説明し、ハミルトンのミスと断定する見方にも反論した。

    フォルススタート判定に「少し厳しすぎる」
    ハミルトンはイギリスGPのスタートで好発進を決めたものの、スタート直後にフォルススタートの疑いで審議対象となった。

    スチュワードは、5つある赤信号のうち3つ目が点灯した後、スタートシグナルが出る前に44号車が前進したと判断。オンボード映像では、タイヤ側面の黄色いピレリロゴが前方へ回転していることが確認できたとして、競技規則B5.11.1条違反で5秒加算ペナルティを科した。

    一方、バスール代表はチームの計測データと映像との違いを指摘した。

    「センサーではマシンがグリッド上で動いたことは確認できなかった。ただ、映像ではタイヤのステッカーが少し動いているように見える。それがフォルススタートかどうかを判断するのは私の役目ではない」

    「センサーが動きを検知していない状況であれば、少し厳しすぎる判定だったと思う」

    「ミス」との指摘にも反論
    記者から、このフォルススタートはハミルトンの「ミス」の一つではないかと問われると、バスール代表はその表現自体に異議を唱えた。

    「ミス? その言い方は少し厳しすぎる」

    「グリッド上で2mmほど動いた可能性はあるが、それをミスと言うのは少し厳しいと思う」

    フェラーリは、映像上ではわずかな動きが確認できたことは認めつつも、車載センサーでは動きを検知しておらず、判定基準との違いに疑問を示した形だ。


    ハミルトンとフェラーリの連携は着実に前進
    レース終盤にはセーフティカー中のピットストップによってハミルトンは2位から3位へ順位を落としたが、バスール代表はドライバーとチームの関係性は着実に深まっていると強調した。

    「これは双方から来ているものだ。我々はルイスをより深く理解し、彼もチームをより理解している」

    「彼はかなり前から2026年型マシンの開発プロジェクトに関わってきた。すべては小さな積み重ねだ。何か一つの劇的な変化があったわけではなく、一つひとつの積み重ねによって、今は全体がより噛み合うようになっている」

    今回のフォルススタート判定についてフェラーリは完全に否定しているわけではないが、車両データでは動きを確認できなかったとして、5秒加算という裁定は厳しかったとの立場を示した。一方でバスール代表は、ハミルトンとチームの連携は着実に向上しており、その成果が近年の競争力向上にもつながっているとの認識を示している。

  • フェラーリとレッドブルの“マカレナ”F1ウイングに安全性懸念 FIAが調査開始

    フェラーリとレッドブルの“マカレナ”F1ウイングに安全性懸念 FIAが調査開始

    FIA(国際自動車連盟)が、フェラーリとレッドブル・レーシングが採用する革新的なリヤウイング「マカレナ・ウイング」の安全性について調査を開始した。

    きっかけとなったのは、F1イギリスGP決勝でマックス・フェルスタッペンがリヤウイングのトラブルによってクラッシュした一件だ。FIAは両チームの技術責任者と協議を進めており、必要と判断すれば追加の安全対策や設計変更、さらには将来的な禁止措置も視野に入れている。

    フェルスタッペンのクラッシュがFIAを動かす
    今回の調査の発端となったのは、シルバーストンでのフェルスタッペンのクラッシュだった。

    レース終盤、ストウ・コーナーで突然マシンの挙動を乱したフェルスタッペンはグラベルに飛び出してリタイア。原因の詳細は公表されていないが、リヤウイングの不具合が関係していることが判明している。

    フェルスタッペンは、そのわずか1週間前のオーストリアGP予選でも、空力の気流再付着(エアフロー・リアタッチメント)の問題によって最終コーナーでコースアウトしており、短期間で2度続いたトラブルに強い危機感を示した。

    「本当に危険だった。ケガをしていてもおかしくなかった。オーストリアでも今回も運が良かっただけだ。だから腹が立つんだ」

    この発言を受け、FIAは安全面から状況を精査する必要があると判断した。

    「マカレナ・ウイング」とは何か
    問題となっているのは、パドックで「マカレナ・ウイング」と呼ばれる新世代リヤウイングだ。

    従来型DRSとは異なり、上部フラップが大きく回転する構造となっており、フェラーリでは直線モードに入る際に約225度も時計回りに回転するとみられている。

    この大胆な動きによって空気抵抗を大幅に低減し、さらにごくわずかな揚力を発生させることで転がり抵抗まで減らすことを狙っている。

    現在このコンセプトを実戦投入しているのはフェラーリとレッドブルのみで、他チームよりも積極的な可動機構を採用している。

    レッドブルは従来型への回帰も検討
    レッドブル代表ローラン・メキースは、ベルギーGPまでに原因究明を進め、安全性を最優先すると説明した。

    「安全面についてはあらゆる可能性を検証する。必要であれば、どんな対応でも行う」

    レッドブルはこの可動式リヤウイングをマイアミGPから使用している。

    そのため、今回の問題がウイング設計そのものによるものなのか、それとも別要因なのかを慎重に分析している段階だという。

    原因を完全に特定できなければ、シーズン序盤まで使用していた従来型リヤウイングへ戻す可能性も排除していない。

    FIAはフェラーリにも説明を求める
    今回の調査はレッドブルだけが対象ではない。

    FIAは同じコンセプトを採用するフェラーリとも技術協議を進めており、可動式リヤウイング全体の安全性を再評価している。

    両チームの設計は事前にFIAの承認を受けており、導入時点で安全性の確認も行われている。

    現在の技術規則では、リヤウイングはストレートモードからコーナーモードへ400ミリ秒以内に切り替わらなければならず、さらにシステムに異常が発生した場合は、自動的にコーナーモードへ戻る「フェイルセーフ設計」が義務付けられている。

    今回の協議では、これらの安全機能が実戦環境でも十分に機能しているかが重点的に確認されている。

    禁止措置に発展する可能性も
    FIAが安全性に十分な保証を得られない場合、チームに追加の安全対策を義務付ける可能性がある。

    例えば、機械的なバックアップ機構の追加や、コーナー進入時の作動ロジック変更などが選択肢として考えられる。

    さらに踏み込めば、このタイプのリヤウイング自体を安全上の理由から禁止する可能性もある。

    マクラーレンを含む他チームも低ドラッグ型リヤウイングの開発を進めており、このコンセプトは今後さらに普及するとみられる。そのため、FIAが早い段階で一定の方向性を示す可能性もある。

    技術規則第C1.2条では、危険と判断された部品を装着したマシンについて、スチュワードは即時に参戦を禁止できる権限を持つことも定められている。

    フェラーリでは大きな問題は発生せず
    一方、フェラーリでは同様のトラブルは発生していない。

    このリヤウイングはプレシーズンテストで初登場し、中国GPではフリー走行で使用されたものの、万全を期してレース投入は見送られた。

    その後、マイアミGPから本格投入されて以降は継続使用されているが、これまで重大な不具合は報告されていない。

    今回のFIAの調査は、レッドブルの連続トラブルをきっかけとしながらも、今後普及が見込まれる可動式リヤウイング全体の安全基準を見直す重要なケースとなりそうだ。

    Source: The Race