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  • China GT フェラーリ炎上事故で声明 救助体制への批判受け「徹底的に調査」

    China GT フェラーリ炎上事故で声明 救助体制への批判受け「徹底的に調査」

    中国のGTレースシリーズ「China GT」は、上海国際サーキットで発生したオリー・ミルロイのフェラーリが炎上した重大事故について声明を発表した。事故後にはマーシャルや救急体制をめぐって厳しい批判が相次いでおり、シリーズ側は謝罪するとともに、安全管理や緊急対応を含めた「徹底的な検証と調査」を行うと表明した。

    事故は9月5日に行われたChina GTのレース開始から約20分後に発生。複数台が絡むクラッシュでミルロイのフェラーリが炎上し、ミルロイは複数の負傷を負った。

    現場では後続のローク・ハートッグがマシンを止めて救助に向かい、消火器で炎を抑えながらミルロイを燃えるマシンから救出した。

    炎上するフェラーリからライバルが救出
    事故映像では、ハートッグが自身のマシンを止めて現場へ駆け寄り、消火器を使って炎を抑えた後、ミルロイをコックピットから引き出す様子が確認できる。

    事故後には、現場の緊急対応をめぐって大きな批判が起きた。事故に関係したTBC by 610 Racingのチーム代表ヤン・バイジエは、マーシャルがパニックに陥って消火器を落とし、その場から逃げたと主張。さらに救急車についても、ドライバーが眠っていたため現場到着まで15分を要したと訴えている。

    こうした批判が広がるなか、China GTは事故について公式声明を発表した。

    「これは組織委員会を含め、関係する誰もが望んでいなかった事故です」

    「今回の事故、そしてその後に皆様へ与えた衝撃と影響について深くお詫びします」

    「組織委員会は91号車のオリバー・ミルロイ選手と、事故に関係した他のドライバーの皆様にお見舞いを申し上げ、一日も早い回復を心から願っています」

    China GTはまた、自らの危険を顧みず救助にあたったハートッグに謝意を示した。

    「同時に、最初に現場へ到着して救助にあたったローク・ハートッグ選手に、深い感謝と敬意を表します」

    China GT「国内レベルの競技基準には適合」
    一方でChina GTは、イベント全体の体制については、予備調査の段階で国内レベルの競技基準を満たしていたとの認識を示している。

    「予備調査によれば、イベント全体の体制は国内レベルの競技基準に適合していました。しかし、細部の管理については改善の余地があります」

    そのうえで、今回の事故を受けて大会運営全般を改めて検証するとした。

    「レース終了後、今回の事故について徹底的な検証と調査を実施し、大会運営、安全対策、緊急対応、救助活動、競技中の医療体制に存在したあらゆる問題に対し、より包括的な改善策を策定します」

    「大会主催者は今回の事故を教訓として、これらの分野における管理をさらに強化し、すべての対策が確実に実施されるようにします」


    参戦チームが相次いでChina GT撤退を表明
    事故の余波はシリーズへの参戦体制にも広がっている。ミルロイが所属するAAI Motorsportは、今後China GTには参戦しない方針をすでに明らかにしている。

    さらにTBC by 610 Racingもシリーズからの永久撤退を表明した。同チームのニール・ヴァーヘイゲンは今回の事故について責任があると判断されたが、チーム側はこの裁定に異議を唱えている。

    チーム代表のヤン・バイジエは事故後、SNSで「これはモータースポーツにとっての悲劇だった」と強く批判した。

    「今日起きたことはモータースポーツにとっての悲劇です。単に事故が起きたからではありません。我々は優れたドライバーを失いかけたのです」

    「マーシャルはパニックになり、消火器を落として逃げました」

    「救急車は事故発生から15分後に到着しました。ドライバーが眠っていたからです。人々が窓を叩いても起こすことができませんでした」

    さらに、事故後のスチュワードの対応についても厳しく非難した。

    「レース後、スチュワードはドライバーが無事かどうかも把握しないまま、我々を審議室に呼び出しました。他の2人のドライバーについて尋ねることも、気遣う言葉もありませんでした」

    「自分たちの救助対応にどれだけ時間がかかったのかについても、何ひとつ触れませんでした。それどころか、最初の反応が笑顔で、自分たちの失敗から責任をそらすために我々へ責任を押しつけようとしたことに愕然としました」

    「チーフスチュワードは驚くほど傲慢な態度で、これをアマチュア的なミスとして片づけました」

    「私のチームメイトはファクトリードライバーであり、デイトナのチャンピオンです。それにもかかわらず、彼らが最初に考えたのは、自分たちの失敗から目をそらすため、我々自身に不利な世論誘導に協力するつもりがあるかどうかを尋ねることでした」

    ヤンは、China GTから永久に撤退する意思を明確にした。

    「私はChina GTから永久に撤退します。これが私に残された唯一の抗議手段です」

    「この選手権に関わるすべての人間が、命と安全をそれにふさわしい真剣さで扱うようになるまで、私は戻りません」

    「我々は、今回のスチュワードの行動やレース委員会の対応を受け入れることはできません」

    また、事故原因についてもChina GT側の判断に反論している。

    「我々のオンボードデータはWECのスチュワードにも提出しており、専門的な評価の結果、我々がこの事故の主たる原因ではなかったことが確認されています」

    「China GTが自らの過失を軽減するために我々を利用しようとするのであれば、私自身、チームメイト、そして事故に関係したドライバーを守るため、法的措置を取ります」

    China GTはイベント全体の体制が国内レベルの競技基準に適合していたと説明する一方、細部の管理には改善の余地があることを認めた。ただし、マーシャルが現場から逃げたことや救急車の到着に15分を要したとの指摘については、現時点の声明では個別に説明していない。

    重大事故そのものに加え、救助や医療対応をめぐる関係者からの告発、さらに複数チームの撤退表明にまで発展している。China GTが今後の調査で事故発生後の救助体制と対応の時系列をどこまで明らかにし、再発防止策につなげられるかが焦点となる。

  • MGU-H消滅が招く混乱 2026年F1マシンでスタートが難化する理由

    MGU-H消滅が招く混乱 2026年F1マシンでスタートが難化する理由

    2026年F1マシンについては、電力マネジメントの難しさがこれまで数多く語られてきた。だが、ドライバーたちがこれまで以上に頭を悩ませることになる分野が、もうひとつ存在する。それがレーススタートだ。

    バルセロナで行われた最初のプレシーズンテストで、ピット出口付近からスタート練習を見ていた者なら、その違いは一目瞭然だった。

    従来世代のマシンで当たり前になっていた、完璧に整った回転数、スムーズなクラッチリリース、鋭い加速とは異なり、2026年マシンのスタートはどこかぎこちなく、不安定に映った。

    マシンが停止した状態でクラッチをつないだまま、ドライバーはこれまで以上に高い回転数を、しかも長時間維持している。しかし、いざクラッチを離しても、その高回転が完璧なトラクションを伴った鋭い加速につながっていない。

    むしろ、マシンは一瞬もたつき、スタートの出来には大きなばらつきがあるように見える。

    この印象は、実際にコクピットに座るドライバーたちの感覚とも一致している。2025年F1王者ランド・ノリスは、2026年のスタートが確実に難しくなることを認めている。

    「かなりトリッキーだね」とノリスは語った。

    “不安定な”パワーギャップ
    その原因は、大きく3つの要素が重なった結果だ。マシンのハードウェア変更、バッテリー消費への慎重姿勢、そしてスタート時に適用される新たなレギュレーションである。

    まずパワーユニット面では、MGU-Hの廃止によって、ターボラグが再び大きな問題として浮上している。これまでMGU-Hは電動モーターとしてコンプレッサーを回転させ、ラグによって生じるパワーの谷間を埋める役割を果たしていた。そのおかげで加速は常に即応性を保ち、スタートも極めて安定していた。

    ノリスは、この“切り札”を失った影響についてこう表現している。

    「バッテリーで、そのちょっと怪しいパワーの隙間を埋めることができなくなったんだ」

    MGU-Hがなくなった今、ターボラグを克服する手段は2つしかない。

    ひとつはMGU-Kとバッテリーを使ってターボを回す方法だが、これは後のラップで使うべき貴重なエネルギーを浪費するリスクがある。もうひとつはエンジン回転数を高く保つことだ。実際、ドライバーたちはコーナーでもターボを回し続けるため、高回転を維持しながら走行している。

    だが、スタートに関してはMGU-Kを使う選択肢自体が封じられている。

    技術規則第5.2.19条では、スタート前にグリッド上で停止している間、MGU-Kのトルクは「負のトルク」、つまり充電方向にしか使えないと定められている。MGU-Kの機械的保護を目的とした制御を除き、ターボを準備するために使うことは許されていない。

    つまり、グリッド上でターボを万全にする唯一の方法は、クラッチを切ったまま極端に高い回転数を維持することになる。

    2026年のF1世界選手権 自動車競技 フォーミュラ1カー

    50km/hまで“助けなし”
    しかも制約はそれだけではない。クラッチを離した後も、ドライバーはターボラグをバッテリーで補うことができない。

    2026年から導入される新ルールでは、スタンディングスタート時、MGU-Kの使用は車速が50km/hに達するまで禁止されている。技術規則第5.2.12条には、「グリッドからのスタンディングスタート中、MGU-Kは車両が50km/hに達した後にのみ使用できる」と明記されている。

    結果として、回転数、クラッチ操作、ターボ回転のバランスを完璧に合わせられなかったドライバーは、少なくとも50km/hに到達するまで立て直す術を持たない。

    さらに、50km/hを超えた後も、必ずしもバッテリーを使う決断が最適とは限らない。

    2026年マシンは深刻なエネルギー不足に悩まされており、各ラップで最も重要な場面に向けて、できるだけ多くの電力を温存する必要がある。スタート直後に電力を使えば、1コーナーに到達する前、あるいは立ち上がりで電欠に陥り、“的”になってしまう危険がある。

    ハースF1チームのオリバー・ベアマンは、ターボラグ対策としてバッテリーに頼ることの非効率さを率直に語っている。

    「バッテリーが助けてくれてパワーを与えてくれるけど、それはもちろんすごく非効率なんだ。ターボラグは感じないけど、その分、電気エネルギーを早く使い切ってしまう」

    完璧さが求められるスタート
    こうした要素が重なった結果、2026年のレーススタートは、これまで以上にシビアな領域になる。

    ノリスは、週末を通して最も難しい局面のひとつになると説明する。

    「以前は、バッテリーを使ってターボを完璧な状態にして、そこから内燃エンジンと一緒にきれいにパワーを出していけた」

    「今はずっと複雑だ。どんな状況でもバッテリーを使えば、その分、残りのラップで使えるエネルギーを削ることになる」

    「スタートは良くなるかもしれない。でも、場所によっては、例えばメキシコみたいなところだと、ターン1に着く前に電気を使い切ってしまう可能性もある。だから、いろいろな問題が出てくると思う」

    2026年F1では、スタートの成否がこれまで以上に結果を左右する。ほんのわずかな操作ミスが、そのままレース序盤の明暗を分ける時代が、すでに始まっている。

  • 2026年F1マシン 予選で露呈する“エネルギーマネジメント”の綱渡り

    2026年F1マシン 予選で露呈する“エネルギーマネジメント”の綱渡り

    2026年F1レギュレーションにおける最大の学習課題のひとつが、電気エネルギー使用量の増大と、そのマネジメントだ。この分野では、エネルギーのデプロイを最適化できなければ、特に序盤戦でドライバーが露骨に“晒される”可能性がある。

    ほぼすべてのドライバーが、1周のアタックラップとレースランの両方において、新しいブーストモードを「どこで」「いつ」使うべきかという難しさを語っている。

    アンドレア・キミ・アントネッリは、MGU-Kから最大350kWが使える状況下で、パワーを投入するか控えるかの判断には常にチャンスとリスクが共存しており、それは「スピードチェス」のようなものだと表現した。

    バルセロナで行われたシェイクダウンの主目的は、新車の慣らし運転と信頼性面の小さな問題を洗い出すことだったが、同時にドライバーたちにとっては、新しいパワーユニットやモード、操作ツールを現実のサーキットで初めて体験する機会でもあった。これまではシミュレーター上の初期バージョンでしか試せておらず、その評価は正直なところ賛否が分かれていた。

    実際の走行を経たドライバーたちの総合的な反応は、この挑戦を受け入れるというものだった。たとえそれが、マシンの運転方法そのものを根本から変えることを意味していたとしてもだ。そして、最も早く順応できたチームとドライバーが、シーズン序盤で最大の成果を手にする可能性が高い。

    ハースF1チーム代表の小松礼雄は、この点を強調し、とりわけ予選でリスクとリターンが顕在化することになると指摘した。特に序盤戦では、1周を通じたパワーデプロイの完成度が、極めて大きなパフォーマンス要素になるという。

    「我々の場合、バルセロナは非常に難しいサーキットのひとつです」と小松礼雄は、パワーマネジメントの難しさに言及した。「コースレイアウト、特に最終コーナーの影響が大きい。バーレーンはもう少し簡単になると思いますが、それでも、より万全な準備をするためには、まだ多くの作業が必要です。」

    「少なくとも最初の数戦では、いろいろな問題が見られると思います。マシンが壊れるという意味での問題ではなく、例えば予選やレース中にデプロイを最適化できないといった問題です。」

    「そうした点について、手順を徹底し、安定性を確保することに本当に集中する必要があります。ただ、たとえバーレーンで安定して自信を持てるようになったとしても、次はまったく条件の異なるメルボルンに行くことになります。」

    「これは本当に大きなチャレンジです。だから、ほとんどのチームにとって、非常に急勾配の学習曲線になると思います。」

    フォーミュラ1カー F1 自動車競技

    小松礼雄は、この課題はドライバーとレースエンジニアが一体となって取り組むべきものだと語った。ピットウォール側は重要なライブデータを提供でき、さらに各レースウイークエンド前の準備作業も極めて重要になる。

    「この点で、ドライバーとエンジニアを切り離して考えることはできません。これはこの新レギュレーションが持つ、良い面でもあり悪い面でもあります」と小松礼雄は付け加えた。

    「エネルギーマネジメントに関して、ドライバーとエンジニアは、これまで以上に統合された形で協力する必要があります。ドライバーにどれだけ負荷をかけられるのか、レース中の毎周回でどこまで要求できるのか。これは本当にチーム全体の作業で、ドライバーも含めた共同作業です。」

    「ファンの皆さんも、すぐに分かると思います。例えば予選ラップの最初、ピットストレートからターン1に向かう場面で、もし正しくデプロイできていなければ、明らかに遅いことが分かります。特に序盤戦では、とても分かりやすく見えるはずです。」

    「他チームのGPSデータをじっくり分析する時間はまだありませんが、もしかするとメルセデスにはそうした不安定さがないのかもしれません。ただ、回生はコンディション依存、ドライバー依存の要素が強く、さらにソフトウェアには高い堅牢性が求められます。だから、シーズン序盤は脆さが大きくなります。」

    この“脆さ”こそが、シーズン序盤の予選で大きなラップタイム差を生む要因になり得る。マシンやパワーユニットの純粋な性能差を考慮する以前の問題として、だ。

    「何かがうまくいかなければ、それはかなり明白になると思います」と小松礼雄は説明した。「これはコンマ1秒、2秒の話ではありません。0.5秒、0.6秒、0.7秒を非常に簡単に失うことがあります。それが一番怖いところです。」

  • 2026年F1バルセロテスト3日目 まとめ:マクラーレン初走行とドライバーの声

    2026年F1バルセロテスト3日目 まとめ:マクラーレン初走行とドライバーの声

    2026年F1バルセロナ・シェイクダウン3日目が終了し、5日間にわたる非公開テストは折り返し地点を迎えた。水曜日は複数チームが一斉に走行を行い、ルーキーの初走行や新車の本格始動など、見どころの多い1日となった。

    どのチームとドライバーがコースに姿を見せ、各陣営はこの日をどう振り返ったのか。カタルーニャ・サーキットで行われた3日目の動きを総ざらいする。

    どのチームとドライバーが走行したのか?
    水曜朝のセッションは慌ただしいスタートとなり、最初にコースインしたのはメルセデスのジョージ・ラッセルだった。彼は月曜日の走行に続いて再びステアリングを握った。続いてレーシングブルズのアービッド・リンドブラッドが走行を開始し、ルーキーとしてバルセロナ・シェイクダウン初走行の周回を重ねた。

    アルピーヌからはフランコ・コラピントが走行に加わり、ハースではオリバー・ベアマン、アウディではニコ・ヒュルケンベルグがステアリングを握った。後者の2人も、このイベントでの初走行だった。

    一方マクラーレンは、午前中しばらくガレージ内で最終準備を進めた後、新世界チャンピオンのランド・ノリスが午前中盤にコースへ姿を現した。マシンには「#1」が掲げられていた。

    午前のセッションでは多くの周回が積み重ねられ、特にラッセル、リンドブラッド、コラピントが走行距離を伸ばした。昼休憩後も走行は続き、メルセデスではアンドレア・キミ・アントネッリが交代でドライブし、アルピーヌではピエール・ガスリーがシェイクダウン初走行を行った。

    午後のセッションも晴れ間が広がる中で活発に行われ、日が落ちる頃に3日目のチェッカーフラッグが振られた。

    複数のマシンが3日目にコースインし、レーシングブルズのマシンをドライブするリンドブラッドの姿も見られた。

    ランド・ノリス(マクラーレン)

    まだ走行していないチームは?
    バルセロナ・シェイクダウンでまだ走行を開始していない唯一のチームはアストンマーティンで、週の初めに木曜と金曜に走行する予定だと明かしている。

    一方ウィリアムズは、このイベントに参加しないことをすでに表明しているが、チーム代表のジェームス・ボウルズは水曜日のアップデートで、新車がすべての必須クラッシュテストを通過し、バーレーンでのプレシーズンテストに向けて準備が整っていると語った。2回行われる3日間テストの最初は2月11日に開始される予定だ。

    各チームが残している走行可能日数については、5日間のうち3日まで走行できる規定の中で、レッドブル、メルセデス、レーシングブルズ、ハース、アルピーヌ、アウディはいずれもすでに2日を消化しており、残りは1日となっている。

    キャデラックとフェラーリは、それぞれ月曜と火曜に走行しているため、残る2日間の両日を走行可能だ。マクラーレンも木曜と金曜にプログラムを継続する予定となっている。

    ドライバーたちのコメント
    メルセデスはこの日も多くの周回を重ね、ラッセルは3日目の内容を前向きに振り返った。

    「今日はキミと僕の2人で本当に大量の周回をこなせた。それが素晴らしかった。」

    「今朝は路面温度が摂氏2度で、これまで走った中でも最も低い部類だったと思う。でもすべてがとてもスムーズに進んで、テストプログラムをしっかり消化できた。」

    残り1日の走行をどう使うかについて、ラッセルは次のように述べている。

    「もう少し予選シミュレーション的な走行を見ていくつもりだ。木曜に走るか金曜に走るかは、天候次第だ。」

    午後にラッセルから交代したアントネッリは、月曜の初走行よりも楽しめた1日だったと明かした。

    「今日は自分にとってより良い1日だった。初日は朝のウエットコンディションで少し妨げられたからね。」

    「午後はとても楽しくて、多くの周回を走り、レースシミュレーションもできた。最も重要なのは、たくさん走って多くの走行距離とデータをチームにもたらせたことだ。全体として良い1日だった。」

    水曜日はメルセデスだけでなく、レーシングブルズのリンドブラッドも初走行ながら多くの距離を走った。

    「今日は走れること自体が本当にうれしかった。」

    「本来は昨日走る予定だったが、雨で遅れてしまった。だから今朝、初めて本格的に走れることにすごく興奮していた。問題もほとんどなく走れたし、VCARBとRBPT、そしてフォードのサポートには感謝している。全体的にとてもポジティブな1日だった。」

    ノリスもこの日、マクラーレンMCL40で初めてコースに出たドライバーの一人だった。世界チャンピオンは、#1をつけたマシンで走ることに笑顔を見せた。

    「戻ってこられてうれしいし、自分のマシンに1があるのを見るのは本当に信じられない。」

    「今日が、みんなが初めて完成した状態のマシンを見る日だった。今朝まで組み上がっていなかったから、本当に驚くべきことだ。全員の努力が形になるのを見るのはうれしいし、僕はただ楽しくドライブできた。今日はまず全体を理解するための日で、すべてがきちんと機能しているかを確認することが目的だった。」

    2026年型マシンのドライビングについて、ノリスはこう語った。

    「かなり違う。コーナリングスピードは少し遅くなった感じがあるけど、加速やストレートスピードは昨年より速く感じる部分もある。」

    「バッテリーやパワーユニットなど、理解すべき要素が増えて複雑になっている。でも違いがあるということは、理解する時間が必要なだけで、こうした日がそのためにある。良い理解が得られたと思う。」

    ハースのベアマンも、冬休みを経て再び走れることを喜んだ。

    「規則サイクルのごく初期段階だけど、これまではとてもクリーンな走行ができている。」

    「フィオラノで200kmを走ってから、2日後の朝9時にここバルセロナで走れるのは印象的だった。今朝は小さな問題があったが、それも想定内だ。新しいパワーユニットには学ぶべきことが本当に多い。」

    アルピーヌでは、午後にコラピントから交代したガスリーも初走行を行った。

    「これまでのF1キャリアで感じたことのない感覚が多く、基準をリセットする必要がある。」

    「過去に乗ったどのマシンとも比較できない。適応して理解するには時間がかかるが、良いチャレンジだと思っている。」

    アウディではヒュルケンベルグがシェイクダウン初走行を行った。

    「今日はスロースタートだったが、午後はとても生産的だった。多くの周回をこなし、いくつかのことを発見し、テストできた。」

    「まだ初期段階だが、チームの雰囲気はとても良い。ここからバーレーン、そして開幕戦まで長い道のりになるが、前向きでワクワクしている。」

    次は何が待っているのか?
    木曜日には4日目が行われ、アストンマーティンがバルセロナ・シェイクダウンで初走行を迎える見込みだ。他のチームも引き続きプログラムを進める。

    ただし天候が走行計画に影響を与える可能性もあり、残り1日しか走行できないチームは、より条件の良い日を選ぶことになりそうだ。

  • 2026年F1バルセロナテスト 3日目 ハイライト動画

    2026年F1バルセロナテスト 3日目 ハイライト動画

    2026年F1バルセロナテスト3日目は、メルセデスが主役となる1日だった。午後に走行したアンドレア・キミ・アントネッリが最速タイムを記録し、午前にトップだったジョージ・ラッセルを約0.2秒上回った。

    ラッセルは極端に低い路面温度の中で主にハードタイヤを使用して走行しており、「タイムから読み取れるものはほとんどない」とコメント。メルセデスはこの日だけで2人合わせて180周以上を走り、テスト全体でも300周超と豊富な走行距離を積み重ねている。

    マクラーレンはこの日が初走行となったが、ランド・ノリスが3番手タイムを記録し、70周以上を走行。アルピーヌもフランコ・コラピントとピエール・ガスリーの2人で100周超を消化し、安定した1日となった。

    一方、非メルセデス勢はトラブルが相次いだ。ハースはオリバー・ベアマンが最速のフェラーリ勢となったものの、マシントラブルで走行は40周余りにとどまった。アウディは油圧系トラブルで赤旗を出したが、最終的にニコ・ヒュルケンベルグが約70周を走行。レーシングブルズはアービッド・リンドブラッドが100周以上を走り切っている。

    フェラーリとレッドブル・レーシングはこの日は走行せず、アストンマーティンは翌日の初走行を予定。ウィリアムズは今回のテストを欠席している。

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  • F1バルセロナテスト3日目:メルセデスのアントネッリ最速 王者ノリスが3番手

    F1バルセロナテスト3日目:メルセデスのアントネッリ最速 王者ノリスが3番手

    2026年F1バルセロナテスト3日目は、天候の回復とともに走行台数が増え、メルセデスがタイミングシートの1-2位を占めて一日を終えた。舞台はカタルーニャ・サーキットで、水曜は各チームにとって今週2日目の走行を消化する動きが目立った。

    前日の火曜はレッドブルとフェラーリのみが走行する静かな一日だったが、この日はメルセデス、ハースF1チーム、アウディ、レーシングブルズ、アルピーヌが参加。さらにマクラーレンは新車MCL40の初走行で今週初めてコースインした。

    アントネッリが午後に更新、ラッセルを0.2秒上回る
    メルセデスは午前をジョージ・ラッセル、午後をアンドレア・キミ・アントネッリが担当。ラッセルが朝にこのテスト最速を記録した後、アントネッリが午後に1分17秒362をマークし、約0.2秒差で上回った。

    「朝の路面温度は一桁台前半で、これまでで最も寒い条件の一つだった。タイムに読み取れるものはほとんどない」とジョージ・ラッセルは述べた。

    この日だけでメルセデスは183周(約850km)を走破。週合計は334周に到達し、2人とも90周超を記録した。なお、メルセデスは木曜または金曜にもう1日走行できる。

    マクラーレン初日、アルピーヌは2台で着実
    マクラーレンはMCL40の初走行を実施。ランド・ノリスが70周超を重ね、トップから1秒以内の3番手につけた。

    アルピーヌはピエール・ガスリーとフランコ・コラピントで分担し、合計100周超を走行。コラピントが4番手、ガスリーが5番手と、メルセデスPU勢がトップ5を占めた。

    赤旗は技術トラブル起因、周回数で明暗
    この日は短時間の赤旗が複数回発生した。アウディはニコ・ヒュルケンベルグの油圧系の軽微なトラブルで早々に停止し、今週2度目の赤旗を出した。

    ハースF1チームもオリバー・ベアマンが朝に小さな問題、午後により深刻な不具合に見舞われ、走行は42周で終了した。

    一方、レーシングブルズのアービッド・リンドブラッドはタイムこそ7番手だったが120周を走り、この日の最多周回を記録した。アウディはヒュルケンベルグが約70周まで周回数を回復させている。

    フェラーリとレッドブル・レーシングは火曜に走行済みのため水曜は不参加となった。なお、レッドブルは火曜にアイザック・ハジャーのクラッシュで早期終了している。アストンマーティンは木曜に初走行を予定しており、ウィリアムズは今回のテストを欠席している。

    j自動車競技 ランド・ノリス(マクラーレン)

    非公式リザルト(F1バルセロナ3日目)
    ■ 1位 アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス) 1分17秒362/91周
    ■ 2位 ジョージ・ラッセル(メルセデス) +0.218秒/92周
    ■ 3位 ランド・ノリス(マクラーレン) +0.945秒/76周
    ■ 4位 フランコ・コラピント(アルピーヌ) +1.788秒/58周
    ■ 5位 ピエール・ガスリー(アルピーヌ) +1.935秒/67周
    ■ 6位 オリバー・ベアマン(ハースF1チーム) +1.952秒/42周
    ■ 7位 アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ) +2.058秒/120周
    ■ 8位 ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ) +3.648秒/68周

  • 2026年F1バルセロナテスト 初日 ハイライト動画

    2026年F1バルセロナテスト 初日 ハイライト動画

    バルセロナで行われた2026年のF1世界選手権シーズン非公開テスト初日は、限られた情報公開の中でも各チームの状況が浮かび上がる1日となった。

    初日最速はレッドブルのアイザック・ハジャー。新レギュレーション初年度のマシンRB22は安定した走行を重ね、メルセデスと並んで終日タイムシートの上位を占めた。レッドブルとメルセデスは交互に首位に立ち、初日のパフォーマンス面での主役となっている。

    一方で、走行距離の面ではハースF1チームが際立った存在だった。エステバン・オコンが154周を走破し、信頼性確認を重視したプログラムを順調に消化。メルセデスも2人のドライバーを通じて多くの周回を重ねた。

    新規参戦のアウディとキャデラックにとっては、やや厳しい滑り出しとなった。アウディは早い時間帯にマシントラブルで走行を中断し、その後はコースに戻らず。キャデラックも2人のドライバーで走行したものの、トラブルの影響で周回数は伸びなかった。

    アルピーヌは赤旗の原因となる場面がありながらも、フランコ・コラピントが3番手タイムを記録。一定の存在感を示している。

    なお、フェラーリは2日目から、マクラーレンは2日目または3日目からテストに合流予定。アストンマーティンは後半からの参加が見込まれ、ウィリアムズは今回のテストを欠場している。

    非公開形式で実施されている今回のテストだが、初日から勢力図や各チームの準備状況には明確な差が見え始めている。

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  • F1ドライバーとFIAが会合 現行レースガイドラインの見直しを議論

    F1ドライバーとFIAが会合 現行レースガイドラインの見直しを議論

    FIA(国際自動車連盟)はカタールGPの開幕に合わせてF1ドライバーたちと会合を行い、今季におけるレースガイドラインやスチュワード判定の一貫性を巡る問題について協議した。近年、判定の揺れがレースの質に影響しているとの声が強まり、今回の会合はその不満が頂点に達した形だ。

    ドライバーやチーム、ファンの間では「判定基準の不透明さ」「状況に即していないガイドライン」が指摘されており、週末の序盤からカルロス・サインツJr.が「Sky Sportsのアナリストを判断委員会に加えるべきだ」と苦言を呈するなど、問題意識は広がっていた。

    2022年導入の“運転基準”が逆効果に?
    2022年に導入された新しいドライビングスタンダードは、本来はスチュワード判定の一貫性向上を目的としていた。

    しかしドライバー側は、これが「過度に教科書どおりに適用され、実際のレース状況や常識が無視されるケースが増えている」と指摘。フェラーリのシャルル・ルクレールも「今は本当に“本のとおり”で動いていて、状況に応じた常識的判断が難しくなっている」と語った。

    今季の具体例5件を協議、ピアストリとルクレールの接触も議題に
    会合では、今季の象徴的な5つの事例についてドライバーがFIAへ説明と見解を求めた。

    その中には、インテルラゴスで起きたアントネッリ/ピアストリ/ルクレールの多重接触が含まれ、ルクレールがリタイア、ピアストリに10秒ペナルティが科された事例が取り上げられた。ガイドラインどおりの裁定ではあったが、ドライバー側は「実際の状況を反映していない」と異議を唱えた。

    さらに以下の二つのコーナー進入時の“車両位置”に関する判定も議論対象になった。

    ・ザントフォールトでのカルロス・サインツJr.とリアム・ローソンの接触(後に抗議でペナルティ撤回)
    ・モンツァでのオリバー・ベアマンとサインツの接触(ベアマンがペナルティを受けた)

    これらの事例は、コーナー進入時の位置関係のみを基準に裁定することで、実際のレーシング状況と乖離した判断が生まれる可能性を示していると指摘された。

    そして最も議論が白熱したのは、近年F1全体で問題化している「トラックリミット」。特に今年のラ・サーキット(COTA)でのランド・ノリスとルクレールのバトルを例に、オーバーテイクの際にコース外へ出た場合、それを“トラックリミット違反”と扱うべきなのかという根本的問いが提示された。

    国際自動車連盟 F1 自動車競技

    FIAは即時変更を否定、だが“重要な前進”も
    FIAは今回の協議を「率直で開放的かつ協調的だった」と評価しつつ、ガイドラインの即時変更には踏み切らないと表明した。

    しかしいくつかの重要ポイントについて前向きな姿勢を示した。

    ・スチュワードが十分なデータや視界を得られない場合、判定をレース後に回す可能性を検討
    ・青旗運用について、特にタイトなコースにおける明確化を進める
    ・オーバーテイク時に求められる“期待行動”の再整理
    ・ラップ遅れ車と周回車の双方が理解しやすいルール作りを目指す

    一方で、ドライバー側が長年求めている「常設スチュワード制度」については、FIAとGPDA(ドライバー組織)の間で見解が分かれており、今回も合意には至らなかった。

    判定一貫性の問題は“継続案件”、2025年シーズンの焦点に
    F1ではここ数年、「判定がレース結果を左右しすぎる」「ドライバーの心理戦を阻害する」といった批判が増加。今季も複数の章典騒動が発生しており、判定基準の改革は2025年後半の重要テーマの一つになっている。

    今回の協議では、ドライバーからの具体的な不満と改善提案がFIAに正式に共有された形となり、今後のガイドライン改訂につながる可能性が高い。

    一方で、即時改善が行われるわけではないため、今後のレースでも今回の問題が再発する懸念は残る。F1のレース運営をより公平かつ一貫性のあるものにするための議論は、引き続き求められることになりそうだ。

  • 2026年F1でポーパシングは消える?メルセデスが警告する“新たな落とし穴”

    2026年F1でポーパシングは消える?メルセデスが警告する“新たな落とし穴”

    2026年シーズンのF1は、空力レギュレーションが大幅に刷新され、現在の世代を悩ませてきたポーパシング問題が「ほぼ解消される」と期待されている。しかしメルセデスのトラックサイド・エンジニアリングディレクター、アンドリュー・ショブリンは“安心は禁物”だと警告する。

    フロア形状の変更によって車体下の気流構造が大きく見直される一方で、新しい空力規則には別の“落とし穴”が潜んでいる可能性があるという。

    シミュレーションでは見えない挙動が実走行で露わになる可能性を指摘し、ショブリンは「誰かは必ずつまずく」と強い言葉で新時代のリスクを示唆した。

    ショブリン「ポーパシング再発の可能性は低いが、罠は必ずある」
    ショブリンは、2026年マシンが現在のようなポーパシングやバウンシングに苦しむ可能性は低いとしながらも、新規則に完全な安全地帯は存在しないと語る。

    「常に罠はあるし、必ずどこかのチームは“思っていたのと違う”という状況になる。新レギュレーションに入るときに『今回こそ楽だろう』と思うようなことは絶対にない」

    2026年のフロアは2022年以前の構造に近づき、フロア前方からディフューザーまでの大半がフラット化される。これにより、現在の世代で問題視された“渦の破綻”をきっかけとするポーパシングは起きにくいという。

    「規則が以前の世代のマシンに近い方向へ戻っている以上、今のようなポーパシングが発生するとは考えにくい」

    さらにショブリンは、仮に似たような現象が現れたとしても、チームはすでに対処するための知見やツールを備えていると説明する。

    「問題が起きたとしても、この期間で学んだことや、空力理解のために開発してきたツールがあるおかげで、はるかに正しく対処できるだろう」

    ただし、新レギュレーションで最も難しいのは「実走行まで真の挙動が分からない」点だと強調する。

    「シミュレーションでどれだけ作業をしても、実際にサーキットで走らせてみるまではどう振る舞うか分からない。そこが新フォーミュラのバランス取りの難しさだ」

    フォーミュラ1カー F1 自動車競技

    エネルギー不足が“オーバーテイクの新時代”を生む?
    ショブリンは、ジョージ・ラッセルが語った「2026年は奇妙な場所でオーバーテイクが発生するかもしれない」という見解にも触れた。

    2026年はバッテリーエネルギー管理が今よりもシビアになり、周回中のエネルギー残量の差がドライバー同士の駆け引きを大きく左右する可能性がある。

    「確かに、エネルギー不足はかなり重要な要素になる。最大限回生しなければならないが、この状況はグリッド全体で同じだ」

    エネルギー不足が生む新たなレース展開の一例として、ショブリンは“序盤に抜いても後半で抜き返される”状況を挙げる。

    「序盤の区間では簡単に追い抜ける場面があっても、そこで使い切ってしまえば後で抜き返される。それは十分に起こり得る」

    ショブリンは、エネルギーの使いどころが2026年のレース戦略の中心になると予測する。

    「大きな純粋性能差を生むわけではないが、レースの戦略面では非常に大きな要素になると思う」

  • F1マシン 2026年に“カーボン剥き出し規制”導入:最低55%の塗装を義務化

    F1マシン 2026年に“カーボン剥き出し規制”導入:最低55%の塗装を義務化

    FIA(国際自動車連盟)は、近年多くの批判を浴びてきたカーボン剥き出し主体のF1リバリー問題に対処するため、2026年に向けて新たなレギュレーションを導入する。

    金曜日のF1コミッションの会合では、側面および上面から見た車体表面積のうち、最低55%を塗装あるいはステッカーで覆わなければならないという義務が正式に盛り込まれた。FIAは、この措置の目的を「マシン間の視覚的な差別化を高めること」と説明している。

    近年のF1では軽量化を優先し、塗装を極力省いたカーボン剥き出しのマシンが増加していた。華やかだった過去のグリッドと比べ、近年のマシンは色彩が乏しく、見分けがつきにくいという批判がファンやメディアから数多く寄せられてきた。2026年から最低重量が引き下げられることもあり、各チームはさらなる軽量化を狙ってカーボン剥き出しを拡大しようとする可能性があったが、今回の規制はその流れに歯止めをかけることになる。

    会合では、2014年に導入されたドライバーの固定ゼッケン制度についても議論が行われ、キャリア途中でナンバー変更を認める提案が合意されたと報告された。ただし、どのような条件で変更が可能になるのかといった具体的な内容は示されていない。

    空力開発制限(ATR)についても協議された。ATRは前年のコンストラクターズ順位に基づいて風洞やCFDの使用量を制限する制度で、年の途中でリセットが実施される。FIAは、計算能力とシミュレーション技術の進歩に合わせた制度改訂を進めており、同時にコストを考慮した形に調整する必要があるとの見解を示した。

    グランプリにおける2ストップ義務化の可能性も話し合われたが、今回は合意には至らず、2026年に議論を継続することになった。ドライバー冷却システムについては改善案が提起され、こちらも今後さらに検討される予定である。

    一方で、公開された会合サマリーには、ブラジルGPでレッドブルがマックス・フェルスタッペンのエンジンを交換した件に関してマクラーレンが求めている明確化については一切触れられていない。マクラーレンは、信頼性ではなくパフォーマンスを目的としたエンジン交換がコストキャップの対象に含まれるのかどうか、FIAに判断を求めている。

    フォーミュラ1カー 自動車競技

    2026年に向けて“カーボン剥き出し規制”がもたらす変化
    今回の規制は、近年急速に進んでいたF1マシンの“黒一色化”を抑えるための明確な方針転換となる。各チームは軽量化のため塗装を削る動機が強かったが、視覚的な魅力を損なうとの批判が増えていた。最低55%の塗装義務は、ファンからの要望に応え、マシンの識別性を高めるための強制力を持つ施策といえる。

    ドライバー番号変更の合意が示すF1の新しい柔軟性
    ゼッケン変更を認める案が合意されたことは、F1のマーケティング戦略やドライバーのブランド構築に新たな選択肢を提供する可能性がある。ドライバーがキャリアの節目で番号を変えることによりイメージ刷新につながるだけでなく、タイトル獲得時の象徴的な番号の扱いにも自由度が広がる。

    2ストップ義務化とレース運営の今後
    2ストップ義務化はレースの戦略幅を制限する可能性があるため慎重な扱いとなっており、すぐに導入される見込みは薄い。それでもレースの単調化を避けるための議論は継続される見通しで、タイヤ運用のあり方を巡る議論は今後も注目を集めるだろう。

    マクラーレンのPU疑義が取り上げられなかった背景
    フェルスタッペンのエンジン交換が「性能向上のためではないか」というマクラーレンの疑念は、今回の会合では正式な議題として扱われなかった。これは調査が別枠で進められている可能性や、政治的判断によって公表を避けた可能性が考えられる。この問題はタイトル争いの行方にも関わるため、今後も議論が続くことが予想される。