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  • レッドブルF1 RB22に深刻な性能低下問題 メキース「2027年にも残る」

    レッドブルF1 RB22に深刻な性能低下問題 メキース「2027年にも残る」

    レッドブル・レーシングのチーム代表ローラン・メキースは、RB22が走行を重ねるにつれてパフォーマンスを失っていく問題を抱えていることを認め、その解決には時間がかかるとの見通しを示した。問題は2026年F1シーズン中に完全には解消されず、2027年まで持ち越される可能性があるという。

    マックス・フェルスタッペンは以前から、セッションやレースが進むにつれてRB22の挙動が悪化し、マシンをコントロールすることが難しくなると訴えてきた。

    メキースはその指摘が正しいことを認め、単純な部品の不具合ではなく、より複雑な問題としてチームが調査を続けていることを明かした。

    フェルスタッペンが訴えてきたRB22の性能低下
    「セッション中やレース中にマシンのパフォーマンスが低下していく問題があるとマックスが言っていることについては、彼が正しいと思う」

    メキースはそう語り、フェルスタッペンが数カ月にわたって指摘してきたRB22の問題を認めた。

    この現象は、単発の故障や特定の部品の明確な不具合というものではない。走行を重ねるにつれて徐々にパフォーマンスが失われ、その影響がラップを重ねるごとに大きくなっていくという。

    フェルスタッペンは夏休み明けにも、レースが進むにつれてマシンそのものが「劣化」していくように感じられ、ドライビングが次第に難しくなると説明していた。

    ハンガリーでは再びマシンのコントロールに苦しみ、F1イタリアGPが行われたモンツァでも、フリー走行から決勝までリアアクスルの挙動について繰り返し不満を訴えていた。

    可動式リアウイングとは別の空力損失
    メキースによれば、レッドブルは空力面でのパフォーマンス低下を確認している。ただし、それは可動式リアウイングの作動に関連したものではなく、問題の原因は当初考えられていた以上に複雑だという。

    「これは新しい問題ではないという彼の指摘も正しい。この件について我々が何もせずにいたわけではなく、さまざまな方法で対処しようとしてきた」

    「もちろん、私はこれを複雑な問題だと考えている。そうでなければ、すでに解決できているはずだからだ」

    問題をさらに難しくしているのが、部品の品質や性能の一貫性だという。同一仕様の部品であっても、それぞれのパフォーマンスに違いが生じるケースがあり、2026年には複数のF1チームが同様の現象を確認しているとされる。

    期待された性能を部品が発揮できなければ、そのままラップタイムの損失につながる。場合によっては部品を交換する必要もあり、コストキャップ下では予算面にも影響を及ぼすことになる。

    「マシンのパフォーマンスを構成する要素のひとつが、時として最適なレベルを維持できていないということだ」

    「我々が話しているのは、ラップタイムに大きな影響を与える問題だ」

    レッドブル・レーシング

    問題を抱えながらもフェルスタッペンは結果を残す
    それでもフェルスタッペンは、RB22がシーズンの多くで上位勢に対して苦戦する状況のなか、6回の表彰台を獲得している。

    F1スペインGPでも、序盤の展開からは表彰台獲得が難しい状況に見えたが、ルイス・ハミルトンのリタイアとバーチャルセーフティカー(VSC)のタイミングも追い風となり、最終的に2位でフィニッシュした。

    レッドブルとしても問題を放置しているわけではない。マドリンクで行われたF1スペインGPの週末には、問題を理解するうえでいくつかの前進があったとメキースは説明する。

    「週末を通じて、その点ではいくつか前向きなステップを踏むことができた」

    「突然すべてを完全に理解できるようになることはないが、理解という面では確実に前進している」

    「2027年にも残る問題になるだろう」
    ただし、レッドブルがすでに完全な解決策を見つけたわけではない。メキースは、現在把握している改善策のすべてをRB22に適用できているわけではないと説明した。

    「まだすべての解決策をマシンに適用できているわけではないが、正しい方向に進んでいると信じている」

    そして、短期間で問題が消える可能性については慎重な見方を示した。

    「すぐに解決できるようなものではない。だから、おそらく来年も我々に残る問題になるだろう」

    レッドブルにとって、RB22で表面化しているパフォーマンス低下は、2026年シーズンだけで完結する問題ではなくなりつつある。

    フェルスタッペンが以前から訴えてきた症状についてチーム側も認識を共有し、原因の理解は進んでいるものの、完全な解決には至っていない。レッドブルは残る2026年F1シーズンで改善を進めながら、2027年に向けてもこの問題への対策を継続することになりそうだ。

  • レッドブルF1代表 ホンダへの特別救済措置を支持「必要なら解決策を見つける」

    レッドブルF1代表 ホンダへの特別救済措置を支持「必要なら解決策を見つける」

    ホンダF1が抱えるパフォーマンス不足をめぐり、レッドブル・レーシングのチーム代表ローラン・メキースが、FIAによる支援策の導入に理解を示した。

    FIA会長のモハメド・ビン・スライエムはF1スペインGPが開催されたマドリードで、アストンマーティン・ホンダの状況を改善するため、FIAに何ができるのかフェルナンド・アロンソに説明するよう求めたことを明らかにしていた。

    アロンソが2027年以降もF1を続けるかどうか決断を保留しているなか、ホンダF1のパワーユニットの競争力不足が、その判断を左右する要素のひとつになっていると報じられている。

    メキース「スポーツのために全チームが賛成した」
    ホンダF1の折原伸太郎はその後、状況を一変させるような「魔法の解決策」はないとの考えを示し、あくまで自社の開発プログラムに集中していることを強調した。

    一方、ローラン・メキースは『La Gazzetta dello Sport』に対し、大きく後れを取ったメーカーを支援するため、F1が全体として対応した前例がすでに存在すると指摘した。

    「今年の初めにも、大きく後れを取ったところを助けるため、まさにADUOのレギュレーションに最初の変更が加えられた」

    「スポーツ全体の利益のため、全チームがそれに賛成した」

    さらにメキースは、各チームの利害が必ずしも一致しないF1においても、必要な場合には共通の解決策を見いだすことは可能だと語った。

    「すべてについて意見が一致するわけではない。だが、解決したり支援したりする必要がある状況なら、我々は解決策を見つける」

    ローラン・メキース(レッドブル・レーシング)

    ヴォルフも公平性を条件に支援策を支持
    メルセデスF1のチーム代表トト・ヴォルフも、同様の考えを示している。競争の公平性が保たれ、選手権全体の利益につながるのであれば、ホンダF1を含めた競争力の低いパワーユニットメーカーに対する調整について議論すること自体は妥当だとの立場だ。

    2026年からF1のパワーユニット規則は大幅に変更され、各メーカーの間にはパフォーマンス差が生じている。こうした格差を一定の条件下で縮小するための仕組みとして導入されているのがADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities)である。

    ビン・スライエムがさらなる対応の可能性に言及したことで、ホンダF1に追加の開発機会などを認めるべきかどうかが新たな焦点となっている。

    とりわけアストンマーティンにとって状況は重要だ。ホンダF1のパワーユニットの競争力不足が続くなか、その改善速度はチームの今後だけでなく、アロンソが2027年もF1に残るかどうかを判断する材料のひとつになるとみられている。

  • レッドブルF1 ADUO判定をSNSでネタに「RED BULL, BEST WITH ICE」

    レッドブルF1 ADUO判定をSNSでネタに「RED BULL, BEST WITH ICE」

    レッドブル・レーシングが、F1の最新ADUO(追加開発・アップグレード機会)の判定を受け、SNSでユーモアを交えた動画を公開した。

    2026年シーズンはいまだグランプリ未勝利のレッドブルだが、ADUOの評価ではレッドブル・パワートレインズのICE(内燃エンジン)がF1で最も高い性能を持つと判定された。

    「Red Bull and ICE, what (a)duo」
    ADUOは、パワーユニット全体ではなく、純粋なICEの性能を基準としてメーカー間の差を評価し、一定以上の差があるメーカーに追加の開発機会を与える仕組みだ。

    最新の評価ではレッドブル・パワートレインズが基準となるトップに位置した。その結果、メルセデスはトップから2%以上、フェラーリ、アウディ、ホンダは4%以上の差があると判定され、それぞれ追加の開発機会を得ている。

    一方、トップ評価となったレッドブルには追加の開発機会は与えられない。

    この結果を受け、レッドブルはSNSで「Red Bull and ICE, what (a)duo」というコメントを添えて動画を投稿した。

    「Red Bull and ICE, what a duo(レッドブルとICE、なんてコンビだ)」というフレーズの「a duo」に「ADUO」を重ねた言葉遊びで、今回の判定制度そのものをネタにした格好だ。

    そして動画内には「RED BULL, BEST WITH ICE」の文字が大きく登場。ADUOでレッドブル・パワートレインズのICEがトップ評価を受けたことをユーモラスにアピールした。


    未勝利でもICEはF1トップ評価
    興味深いのは、実際のレース結果とのギャップだ。

    2026年シーズンのレッドブルはここまでグランプリ未勝利。一方、メルセデスHPPは11勝、フェラーリは2勝を記録している。それでもICE単体を対象とするADUOでは、レッドブル・パワートレインズが最高評価となった。

    もちろん、ADUOはマシン全体やパワーユニット全体の競争力を示すランキングではない。ICE以外の電動系やエネルギーマネジメント、シャシー性能などもレース結果を大きく左右するため、勝利数とADUOの評価が一致するとは限らない。

    それでも、自社製パワーユニットでF1新時代に参入したレッドブル・パワートレインズにとって、ICEがトップ評価を得たことはひとつの成果だ。

    グランプリではまだ勝利を挙げていないものの、ADUOでは“F1最高のICE”と評価されたレッドブル。その結果を「what (a)duo」という言葉遊びと「RED BULL, BEST WITH ICE」という動画で巧みにネタにしてみせた。

  • レッドブルF1の名車RB8が地下鉄に変身 マドリードの線路を実走

    レッドブルF1の名車RB8が地下鉄に変身 マドリードの線路を実走

    レッドブル・レーシングが、F1スペインGPを前に再びユニークな企画を実現した。2012年にF1世界選手権を制した名車「RB8」を“列車”へと改造し、マドリード地下鉄の線路上を実際に走行させた。

    F1は今週末、1981年以来45年ぶりにマドリードでグランプリを開催する。新設されたマドリンクでのF1スペインGPを盛り上げるため、レッドブルはセバスチャン・ベッテルが2012年のドライバーズタイトルを獲得したRB8を、地下鉄網を走行できるマシンへと変身させた。

    2012年王者RB8を地下鉄仕様に改造
    今回のプロジェクトでは、F1マシンを鉄道のレール上で走らせるという異例のエンジニアリング課題に挑戦。RB8には専用設計された金属製ホイールが装着され、その重量は29.8kgに達した。

    ステアリング操作で自由に進路を変える通常のF1走行とはまったく異なり、金属製ホイールをレールに載せることで、RB8を文字通り“F1列車”へと変貌させた。

    ドライバーを務めたのは、元F1ドライバーで現在レッドブルのヘリテージ活動にも参加しているパトリック・フリーザッハー。アトレティコ・マドリードの本拠地近くにあるエスタディオ・メトロポリターノから、サセダルおよびチャマルティンの車両基地へと続くマドリード地下鉄の線路をRB8で走行した。

    レッドブル・レーシング RB8

    フリーザッハー「F1マシンで線路を走るなんて非現実的だった」
    これまでにもレッドブルのヘリテージチームでさまざまなF1マシンを走らせてきたフリーザッハーだが、地下鉄の線路をF1マシンで走る体験は別格だったと振り返った。

    「信じられないような経験だった。ヘリテージチームでは幸運にもいろいろなことを経験させてもらってきたけど、F1マシンを鉄道の線路で走らせるなんて非現実的だったよ」

    「自分の経歴に“地下鉄運転士”を加えられるのはすごくクールだね」

    レッドブルはこれまでもF1マシンを使った大胆なプロモーション企画を数多く展開してきたが、今回はマドリードの象徴的な交通インフラそのものを舞台に選択。F1スペインGPを前に、チャンピオンマシンRB8が地下鉄の線路を駆け抜けるという異色の光景を作り出した。

  • レッドブルF1に痛手 第2回ADUOでも対象外 2026年PU追加開発不可

    レッドブルF1に痛手 第2回ADUOでも対象外 2026年PU追加開発不可

    FIA(国際自動車連盟)は、2026年F1シーズンに導入されたADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities/追加開発・アップグレード機会)の第2評価期間の結果を公表した。第1期間で最も高い性能を持つパワーユニット(PU)と判定されたレッドブル・フォード・パワートレインズには、第2期間でも追加のホモロゲーション枠は与えられなかった。

    これにより、レッドブルは2026年シーズン終了までADUOを利用したPUアップグレードを行うことができない。

    一方、第1期間の評価で基準となるレッドブルから一定以上の性能差があると判定されたメルセデス、フェラーリ、アウディ、ホンダには、すでに追加開発の機会が認められている。

    第2回ADUOでは全メーカーに追加枠なし
    FIAは水曜日、2026年のADUOについて、第1期間と第2期間の評価結果を正式に発表した。

    第1期間はカナダGP終了後、第2期間はハンガリーGP終了後に評価が締め切られた。

    そのなかでFIAは、第2期間について「いずれのパワーユニットメーカーにも追加のホモロゲーションは付与されなかった」と明らかにした。

    つまり、第1期間で追加開発の対象外だったレッドブル・フォード・パワートレインズにとって、第2期間は新たな開発機会を得るチャンスとはならなかった。

    ADUOは、2026年から始まった新しいPUレギュレーションの下でメーカー間の性能差が大きくなった場合、後れを取ったメーカーに追加の開発機会を与えるために導入された制度だ。

    評価基準となる最上位メーカーとの性能差に応じて、追加ホモロゲーションやダイナモテスト、コストキャップ面での追加枠が認められる。

    レッドブルが「最強PU」と正式認定
    FIAの今回の発表によって、第1期間の評価でレッドブル・フォード・パワートレインズが最も高い性能を持つPUと判定されていたことも正式に確認された。

    これは2026年シーズン序盤のF1パドックで広く共有されていた認識とは異なるものだった。

    開幕からのパフォーマンスを受け、メルセデスが最も競争力の高いPUを持っているとの見方が強かったが、FIAの分析ではレッドブルが基準となった。

    メルセデスはレッドブルに対して2〜4%の性能差があるカテゴリーに分類され、2026年に1回、2027年に2回の追加ホモロゲーションが認められた。さらにコストキャップとダイナモテストについても追加枠を得る。

    一方、フェラーリ、アウディ、ホンダはいずれも4%を超える性能差があると判定されたため、2026年と2027年にそれぞれ2回の追加アップグレード機会が認められている。

    レッドブルはFIAの評価に反発
    レッドブル側は、第1期間で自社PUが最高性能と評価されたことに疑問を呈してきた。

    チーム代表のローラン・メキースは、レッドブル・フォード・パワートレインズがライバルをリードしていることを示す「データポイントはひとつもない」と主張し、FIAに事実関係の再検討を求めていた。

    モナコGP後にこの評価が明らかになった際には、その後数週間以内にFIAから正式な発表が行われるとみられていたものの、公表は見送られていた。

    今回、FIAが第1期間と第2期間の結果をまとめて発表したことで、少なくともADUOの評価上ではレッドブルが基準メーカーであることが正式に確定したことになる。

    そして第2期間でも追加ホモロゲーションが認められなかったことで、レッドブルは少なくとも2026年中、ADUOによる追加アップグレードの恩恵を受けることができない。

    レッドブル・レーシンフ

    FIA「分析結果には高い信頼性がある」
    ただしFIAは、各メーカーの具体的な性能指数については公表しない方針を示している。

    FIAは声明で「この情報の機密性を考慮し、パワーユニットの性能指数測定に関するこれ以上の詳細は公表されない」と説明した。

    FIAシングルシーター部門ディレクターのニコラス・トンバジスは、ADUOの評価について次のように語った。

    「FIAはADUOのレビュー過程の一環として、徹底的かつ包括的な分析を行った」

    「第2期間の結果を公表するにあたり、データの質を踏まえれば、その分析は極めて堅牢なものであり、我々の結論には非常に高い信頼性があると確信している」

    一方で、PUメーカーの技術情報をどこまで公開できるかには限界があると説明する。

    「結果の詳細を公表するにあたっては、チームとパワーユニットメーカーの機密性、そして知的財産を尊重しなければならない」

    また、ADUOが導入初年度の制度であることから、将来的に仕組みが変更される可能性も認めた。

    「今年はADUOの初年度なので、当然ながら、すべてのPUメーカーと協議しながら今後発展させていく可能性のある領域も存在する」

    第3回評価が残っていてもレッドブルは救済対象外
    2026年シーズンのADUO評価はこれで終了ではない。第3評価期間はメキシコシティGP終了後に設定されており、そこで再び各メーカーのPU性能が評価される。

    ただし、レッドブル・フォード・パワートレインズにとって、第3期間は2026年中の追加アップグレードを獲得する機会にはならない。

    ADUOの規則では、シーズン最初の2回の評価期間のいずれでも追加開発機会を与えられなかったPUメーカーは、そのシーズン最後の評価期間で新たにADUOの対象になることはできない。

    レッドブルは第1期間で最も高い性能を持つPUと判定され、ADUOを付与されなかった。さらに第2期間でも追加ホモロゲーションは認められなかったため、この条件に該当する。

    つまり、第3期間の評価で勢力図が変化し、仮にレッドブルがライバルメーカーに対して性能面で後れを取る結果になったとしても、それを理由として2026年中の追加ホモロゲーションを新たに獲得することはできない。

    一方、第1期間の評価ですでにADUOの対象となったメルセデス、フェラーリ、アウディ、ホンダには追加開発の機会が認められている。

    初の自社開発F1パワーユニットを投入したレッドブルにとって、第1、第2期間でADUOを獲得できなかったことで、2026年中に同制度を利用してPUを追加アップグレードする道は閉ざされたことになる。

  • レッドブルF1 開発加速の代償 予算上限でRB22アップデート継続に限界

    レッドブルF1 開発加速の代償 予算上限でRB22アップデート継続に限界

    2026年シーズン前半に大規模なアップデートを重ねてきたレッドブル・レーシングだが、その積極的な開発がシーズン後半の足かせになる可能性が浮上している。

    チーム代表のローラン・メキースは、RB22の弱点を修正するために多くの開発リソースを投入した結果、今後は同じペースでアップデートを続けることは難しいとの見通しを示した。

    RB22の立て直しに前半戦で開発を集中
    マックス・フェルスタッペンがハンガリーGPで記録した2位は、2026年シーズン最高成績となった。しかし、その結果はRB22が依然としてトップ争いには十分届いていない現実も浮き彫りにした。

    レッドブル・レーシングは2025年タイトル争いを最後まで続けた影響もあり、新レギュレーション初年度となる2026年型マシンの開発で出遅れた。

    シーズン序盤はRB22が中団グループと争う場面も少なくなく、状況を打開するため、日本GP、マイアミGP、オーストリアGPを中心に大規模なアップデートを投入してきた。

    基本コンセプトは維持しながらも、フロントウイング、フロア、サイドポッド、ディフューザー、さらにメカニカル面まで幅広く改良。開幕当初にドライバーが訴えていたステアリング系の問題も、マイアミで原因を特定して対策を投入した。

    オーストリアでは空力改善だけでなく軽量化も実施。2025年からの開発遅れによって最低重量を上回っていたRB22は、このアップデートによって大きく改善された。

    予算上限が今後の開発を制約
    しかし、この積極的な開発には大きな代償が伴う。

    F1では2026年の予算上限が2億1500万ドルに設定されており、シーズン前半に多くの資金を投入すれば、その分だけ後半戦で使えるリソースは限られる。

    実際、レッドブル・レーシングは開幕以降だけでもフロアを6回更新し、サイドポッドやボディワークでは8種類ものアップデートを投入。リア周りやフレキシブルリアウイングなども含めれば、グリッドで最も積極的に開発を続けてきたチームの一つとなっている。

    対照的にアストンマーティンは、前半戦の開発をほぼ凍結し、AMR26Bへ予算を集中させる戦略を採用していた。

    メキースはハンガリーGPで現在の状況について次のように説明した。

    「開幕戦から現在までの間に、マシンへ非常に多くのアップデートを投入してきた。序盤に抱えていた大きな遅れをできるだけ早く解消するためだった」

    「このペースを今後も維持できるとは考えにくい。それでも残るコンマ3秒の差を埋める最善の方法を見つけなければならない」

    残る0.3秒は最も難しい領域
    レッドブル・レーシングは現在、トップ勢との差を約0.3秒と見積もっている。

    しかし、この最後の0.3秒こそが最も獲得が難しい領域だ。

    開発初期は改善できる部分が多く、比較的大きなゲインを得られる。しかしトップレベルへ近づくほど性能向上の余地は小さくなり、しかもライバルも同時にアップデートを続けるため、差は簡単には縮まらない。

    マクラーレンはハンガリーGPから新しい開発パッケージを投入し始め、メルセデスとフェラーリも夏休み明けに大型アップデートを予定している。

    マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、シーズン終盤まで優勝争いを続けるには「さらに約0.5秒の性能向上が必要になる」との見通しも示している。

    レッドブル・レーシング

    レッドブルは2027年へ早期シフトへ
    さらに各チームは、2027年マシンへの開発配分という重要な判断も迫られている。

    昨年のレッドブル・レーシングはタイトル争いを優先した結果、2026年マシンへの準備が遅れた経緯があった。

    その反省もあり、2027年に向けては昨年以上に早い段階で開発の重点を切り替える方針だ。

    メキースはその考えについて次のように語っている。

    「他チームがどうするかは分からないが、今年と来年のどちらへ重点を置くかは、どこかの時点で必ず決断しなければならない」

    「現在のレギュレーションを考えれば、その判断は昨年よりも早くなると予想している」

    前半戦でRB22の立て直しに成功しつつあるレッドブル・レーシングだが、その代償として残りシーズンの開発余力は限られつつある。ライバル勢の大型アップデートが控える中、限られた予算と開発リソースをどこへ投入するかが、2026年後半戦だけでなく2027年の競争力も左右する重要な決断となりそうだ。

  • レッドブルF1技術責任者 RB22序盤不振の原因を告白「ステアリングに機械的な問題」

    レッドブルF1技術責任者 RB22序盤不振の原因を告白「ステアリングに機械的な問題」

    2026年シーズン序盤に苦戦を強いられたレッドブルF1の『RB22』について、テクニカルディレクターのピエール・ワシェが、ドライバーがマシンの挙動を正しく感じ取れなくなる機械的な問題があったことを改めて明かした。

    マックス・フェルスタッペンとアイザック・ハジャーは開幕から一貫してRB22の扱いづらさを訴えていたが、その背景にはステアリング機構の不具合が存在していたという。

    ドライバーの感覚を奪ったステアリングの問題
    レッドブルRB22はシーズンを通して扱いが難しいマシンとなっているが、序盤戦ではその問題をさらに悪化させる隠れた機械的トラブルを抱えていた。

    ピエール・ワシェによれば、ステアリングラックとステアリングコラムに問題があり、ドライバーはフロントタイヤの状態やマシンの挙動をステアリングから十分に感じ取ることができなかったという。

    フェルスタッペンはプレシーズンのバルセロナ・シェイクダウンの時点から異変を訴え、「まったく運転できない」と表現。開幕から3戦では「基準になるラップすら刻めない」「毎周が生き残りをかけたような状態」と不満を漏らしていた。

    ハジャーも鈴鹿でマシンを「ひどい」と酷評し、「周回ごと、セッションごとに何が起こるか予測しなければならない」と苦しい状況を語っていた。

    レッドブルは最終的にステアリング関連部品を交換。この対策によってマシンの感触は改善されたものの、絶対的な速さが劇的に向上したわけではなかった。

    さらにマイアミGPでは大規模アップグレードを投入し、軽量化と空力コンセプトの見直しを実施したが、RB22はいまなお安定したパフォーマンスを発揮できない状態が続いている。

    直近7戦でフェルスタッペンは4度の表彰台を獲得している一方、両ドライバーとも週末ごとに安定した速さを引き出すことに苦戦している。

    ハンガリーGPではハジャーがRB22を「運転不能」と表現し、チームの状況を皮肉交じりに「良い後退だ」と語る場面もあった。

    レッドブル・レーシング RB22

    ワシェ「機械的な問題でドライバーがマシンを感じられなかった」
    RB22に予想外の問題があったのかと問われたワシェは、開発当初の状況を次のように説明した。

    「どのレーシングカーでも同じだが、ドライバーがどのようにマシンを使えるか、その荷重のかかり方には限界が見えてくる」

    「その特性によってバランス調整やリバランスでできることが制限される」

    「我々のマシンにも、進入時の安定性やコーナー中盤でのアンダーステアといった制約があり、それを改善するためにメカニカルな手法を使って対処しようとしている」

    そして、開幕当初の問題について次のように明かした。

    「シーズン序盤は、ライバルと比べてダウンフォースが不足していたことは明らかだった」

    「それに加えて、マシンにはいくつか機械的な問題があり、ドライバーがステアリングを通じてマシンの状態を感じ取れなかった。我々はシーズン序盤にその問題を修正した」

    「修正には少し時間がかかったが、それはマシン全体の性能やポテンシャルとは別の問題だった。ドライバーのフィーリングに関する問題があったということだ。隠している話ではない」

    ステアリングを通じたフィーリングの問題は解消されたものの、RB22は依然としてコーナー進入時の安定性やアンダーステアといった根本的な課題を抱えている。ワシェの説明からは、序盤の不振は単なるダウンフォース不足だけではなく、ドライバーがマシンの限界を正確に把握できないという機械的な要因も重なっていたことがうかがえる。レッドブルが後半戦で再び優勝争いの主役となるには、さらなる開発によってRB22のポテンシャルを安定して引き出せるマシンへと仕上げることが求められる。

  • レッドブルF1 FIAとのPU性能評価対立が法廷闘争へ?

    レッドブルF1 FIAとのPU性能評価対立が法廷闘争へ?

    2026年F1シーズンのパワーユニット(PU)性能評価をめぐり、レッドブルとFIA(国際自動車連盟)の対立が新たな局面を迎えている。

    FIAが5月のマイアミGP後に実施したエンジン性能評価で、レッドブル・パワートレインズ製PUが「基準(ベンチマーク)」と認定されたことに対し、チーム側は現在も異議を唱え続けている。

    この対立は単なる技術論争にとどまらず、FIA国際控訴裁判所(International Court of Appeal)への持ち込みに発展する可能性まで指摘されており、2026年シーズン後半の政治的な焦点となりつつある。

    ADUO制度を巡るレッドブルとFIAの溝
    FIAはマイアミGP後、メルセデス、フェラーリ、ホンダ、アウディ、レッドブル・パワートレインズの5メーカーの内燃エンジン(ICE)性能を比較。その結果、レッドブル製PUが最も高性能と判断された。

    この評価によってレッドブルはADUO(性能調整制度)の対象外となり、シーズン中のPUアップグレードを認められていない。一方で、メルセデスやフェラーリには性能改善のためのアップグレードが許可されている。

    しかし、この結果には多くの関係者が驚きを示した。メルセデスは開幕から10戦で8勝を挙げており、ベルギーGP後にはチーム代表トト・ヴォルフも自ら「我々のエンジンが最高だ」と認めているためだ。

    そのため、一部ではメルセデスやフェラーリがADUO制度を有利に活用できるよう性能を見せ方で調整しているのではないかとの憶測も浮上している。ただし、こうした主張を裏付ける証拠は示されていない。

    「非常に緊張した状況」 国際控訴裁判所に発展する可能性も
    ブラジル人ジャーナリストのジュリアンネ・セラソリは、ポッドキャスト『Nailing the Apex』で、この問題を「非常に緊張した状況」と表現した。

    レッドブルが疑問視しているのは、FIAが示した性能評価そのものだ。しかし、FIAは他メーカーの詳細データを機密情報として扱っており、レッドブル側へ公開することはできない。

    セラソリは次のように説明している。

    「レッドブルが数値に疑問を呈しても、FIAは他メーカーのデータを見せることはできない。『我々を信頼してほしい』と言うしかないのだ」

    さらに、両者の対立は法廷闘争へ発展する可能性もあると指摘した。

    「現在、水面下では非常に緊張した状況になっている。解決策が見つからなければ裁判になる可能性もある」

    一方で、セラソリは「F1では最終的には政治が勝つ」とも述べ、法的な決着よりも政治的な妥協によって収束する可能性が高いとの見方も示している。

    ハンガリーGP後に再評価へ
    FIAは今週末のハンガリーGP終了後、夏休み前最後となるPU性能評価を再び実施する予定となっている。

    ただし、レッドブルがADUOの対象となるには、最新の評価で基準PUより2%以上劣ると認定される必要がある。前回は逆にトップ評価だったため、制度適用には大幅な評価の変化が求められる。

    なお、現在のランキングは内燃エンジン(ICE)の性能を基準として算出されているが、ADUOによる開発許可はICEに限らず、パワーユニット全体のコンポーネントへ適用できる仕組みとなっている。

    今回の問題は、新代表ローラン・メキース体制となったレッドブルにとって初めての大きな政治的争点ともいえる。かつてFIAで要職を務めた経験を持つメキースが、この難しい交渉をどのように進めるのかにも注目が集まる。

    今後のハンガリーGP後の再評価結果次第では、レッドブルとFIAの対立がさらに激化する可能性もありそうだ。

  • レッドブルF1 「マカレナ」リアウイングをハンガリーGPで復活へ

    レッドブルF1 「マカレナ」リアウイングをハンガリーGPで復活へ

    レッドブル・レーシングは、今週末のF1ハンガリーGPで「マカレナ」と呼ばれる回転式リアウイングの改良版を再投入する見通しとなった。オーストリアGPとイギリスGPで相次いで発生したトラブルの原因を特定し、対策が完了したためだ。

    ベルギーGPでは信頼性を優先して従来仕様のリアウイングに戻していたが、チームはハンガロリンクで新仕様を復活させる準備を整えている。アップデートが実戦でどのような効果を発揮するかが注目される。

    2件のメカニカルトラブルを特定 ハンガリーGPで修正版を投入
    レッドブルは、オーストリアGPとイギリスGPでマックス・フェルスタッペンのマシンに発生したリアウイングのトラブルを受け、ベルギーGPでは旧仕様へ戻して原因究明を進めていた。

    ベルギーGP後、チーム代表ローラン・メキースは問題が空力ではなく、異なる2種類のメカニカルトラブルだったことを明らかにした。

    「機械的な問題だった。そして2つは異なる原因だった」

    「ブダペストまでには修正を用意できる」

    技術責任者のピエール・ワシェも、問題はリアウイングの機械的な設計にあり、空力コンセプトそのものではないと説明した。

    「シルバーストンでの事故の後に機械的な問題を発見した」

    「すでに修正を施している。マシンへ搭載する前に十分な信頼性があることを証明しようとしている。ブダペストには間に合うはずだ」

    FIAも問題視せず レッドブルは独自基準で慎重姿勢
    ワシェによれば、FIAはこのリアウイングの合法性や構造そのものには懸念を示しておらず、投入を見送ったのはレッドブル独自の安全基準による判断だったという。

    「我々が行った対策についてはFIAにも証明している」

    「慎重になっているのは我々自身だ。リスクは取りたくないし、100%の確信を持って投入したい」

    この回転式リアウイングはフェラーリが先に導入したコンセプトをベースに、レッドブルが独自に発展させたものだ。しかしシルバーストンで2戦連続となるトラブルが発生したことで、フェルスタッペンは「非常に危険だ」と強く批判していた。

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)

    フェルスタッペン「旧型のほうが安心感はあった」
    ベルギーGPでは旧仕様のリアウイングへ戻したことで、フェルスタッペンは3位表彰台を獲得。ドライバビリティも改善したと評価している。

    旧型リアウイングについて尋ねられると、フェルスタッペンは冗談交じりにこう答えた。

    「旧型? 良かったよ。少なくともコース上に留まることができた。それが一番大事だったと思う」

    さらに、マシンバランスの改善も感じていた一方で、決勝ではハードタイヤで苦戦したと振り返った。

    「もう少し競争力はあったし、バランスも少し改善していた。でもハードタイヤでは苦戦した。それだけだ」

    一方で、ハンガロリンクは高速コーナーよりも連続コーナーでの性能が重要となるサーキットだけに、新仕様リアウイングがどこまで競争力向上につながるかについては慎重な見方を示している。

    「ハンガリーではエネルギー不足の影響が少なくなるのは良いことだ。でも、それが有利なのか不利なのかは分からない。結局はコーナーが多いサーキットだから、マシンのコーナリング性能が重要になる。だから、自分たちがどれだけ戦えるかは現時点では予測できない」

    今回の改良版「マカレナ」リアウイングは、レッドブルにとって2026年シーズン後半戦の重要な開発パーツとなる。信頼性問題を克服した新仕様がハンガリーGPで期待どおりの性能を発揮できるか、その実力が初めて本格的に試されることになる。

  • レッドブルF1 レーシングブルズ30億ドル買収提案を拒否との報道

    レッドブルF1 レーシングブルズ30億ドル買収提案を拒否との報道

    レッドブルが、姉妹チームであるレーシングブルズに対する約30億ドル(約4,400億円)の買収提案を拒否したと報じられた。巨額オファーを退けたことで、同社がF1で展開するA/Bチーム体制を今後も維持する方針を明確にした格好だ。

    英『The Times』によると、買収提案はアブダビの投資ファンドが支援し、元F1最高責任者バーニー・エクレストンの顧問を務めた金融関係者アンドリュー・ハリオット氏と、元エクレストン陣営の調査担当だったディーン・アトゥ氏が主導したという。

    レッドブルはこの提案を受け入れず、レーシングブルズを引き続きグループ内で保有する決断を下した。GPFansはレッドブルにコメントを求めているが、現時点で公式な回答は出ていない。

    レッドブルはA/Bチーム体制を維持
    今回の判断は、レッドブルがレーシングブルズを単なる育成チームではなく、競争力を支える重要な戦略資産と位置付けていることを示している。

    ファエンツァを拠点とするレーシングブルズ(旧トロロッソ/アルファタウリ)は、若手ドライバーを育成しトップチームへ送り出す役割を担ってきた。レッドブルは近年も積極的なドライバー交代を行っているが、この体制によって実戦経験を積ませながら才能を見極めることが可能となっている。

    2026年にはアイザック・ハジャーがレーシングブルズからレッドブル・レーシングへ昇格。2025年の活躍が評価され、マックス・フェルスタッペンのチームメイトとして起用されると、ここまで安定したパフォーマンスを見せている。

    ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム

    ライバルチームは公平性に懸念
    一方で、このA/Bチーム体制にはライバルチームから批判の声も上がっている。

    マクラーレンCEOのザク・ブラウンはFIA会長モハメド・ビン・スライエム宛てに書簡を送り、「スポーツの完全性と公平性が損なわれる恐れがある」と警鐘を鳴らした。

    ブラウンは「所有関係や戦略的提携、あるいはそれに準ずる支配・影響力を持つ関係を排除し、すでに存在するものについても解消に向けた取り組みを始める必要がある」と主張。現在のチーム間の関係性を見直すようFIAに求めている。

    30億ドルより将来性を優先
    F1チームの企業価値が近年急騰するなか、30億ドルという巨額の買収提案は極めて異例だった。それでもレッドブルは売却ではなく、育成・技術開発・競争力の維持という長期的なメリットを重視し、A/Bチーム体制の継続を選択した。

    一方で、この体制を巡る公平性への議論は今後も続く見通しであり、FIAが将来的にどのようなルール整備を進めるのかにも注目が集まりそうだ。