リアム・ローソンが、2026年F1第12戦オランダGPでレッドブル・レーシングに復帰する。負傷したアイザック・ハジャーの代役としてマックス・フェルスタッペンのチームメイトを務めることになり、一度レッドブルのシートを失ったドライバーが再び同チームからF1に参戦する史上初のケースとなる。
2025年序盤、わずか2戦でレッドブルからレーシングブルズへ降格したローソン。それから約1年半、着実に評価を取り戻してきたニュージーランド人ドライバーに、思わぬ形で雪辱のチャンスが巡ってきた。
複雑に入れ替わったレッドブル系ドライバー
今回の交代劇は、近年のレッドブル系ドライバーの目まぐるしい変遷を象徴するものとなった。
ローソンがレッドブルで代役を務めるのは、2025年に自身の後任となったハジャー。そのローソンが抜けるレーシングブルズには角田裕毅が入り、アービッド・リンドブラッドとコンビを組む。
ローソンはもともと2023年、負傷したダニエル・リカルドの代役として当時のアルファタウリからF1デビュー。その後、2024年シーズン途中にリカルドの後任としてレギュラーシートを獲得し、2025年にはセルジオ・ペレスに代わってレッドブルへ昇格した。
しかし、そのレッドブルでの最初の挑戦はわずか2戦で終わった。

2025年はわずか2戦でレッドブル降格
ローソンがレッドブルに昇格した時点で、F1決勝出走はわずか11戦だった。
開幕戦オーストラリアGPでは、エンジントラブルによってプラクティスで十分な走行時間を確保できず、決勝では雨による難しいコンディションのなかでクラッシュ。続く中国GPも、それまで走った経験のない上海インターナショナル・サーキットで扱いの難しいRB21に苦戦した。
レッドブルはわずか2戦でドライバー交代を決断。第3戦日本GPから角田裕毅を昇格させ、ローソンをレーシングブルズへ戻した。
ローソンにとっては大きな挫折だったが、その後はレーシングブルズで徐々にパフォーマンスを取り戻していった。
一度シートを失ったドライバーとして史上初のレッドブル復帰
今回の昇格には、レッドブルのドライバー史において特別な意味がある。
これまでレッドブルのレギュラーシートから外されたドライバーが、その後再び同チームでF1レースに出場した例はない。
ピエール・ガスリー、アレクサンダー・アルボン、セルジオ・ペレス、そして角田裕毅はいずれもレッドブルのシートを失った後、同チームのレースドライバーには戻っていない。
ローソンは今回、ハジャーの負傷による代役という形ではあるものの、その前例を初めて破ることになる。
2026年前半戦でランキング9位
ローソンが再びチャンスを得た背景には、レーシングブルズで積み重ねてきた結果もある。
2026年シーズン前半戦を終えた時点で、ローソンは43ポイントを獲得してドライバーズランキング9位。モナコGPとイギリスGPでは自己最高位となる6位に入った。
メルセデス、フェラーリ、マクラーレン、レッドブルという上位4チームに所属していないドライバーのなかでは、ランキング最上位につけている。
2025年序盤にはレッドブルのマシンへの適応に苦しんだローソンだが、今回は当時とは異なり、F1での経験と実績を積み重ねた状態でフェルスタッペンの隣に戻ることになる。
ニュージーランド人52年ぶりの表彰台にも期待
オランダGPでは、ローソンに大きなチャンスが待っている。
RB22は上位争いが可能なマシンとみられており、短期間でマシンに適応できれば、ポイント獲得だけでなく上位進出も視野に入る。
さらに表彰台に立てば、ニュージーランド人F1ドライバーとしてはデニス・ハルムが1974年オーストリアGPで2位に入って以来、52年ぶりの快挙となる。実に913グランプリぶりだ。
一度はわずか2戦でレッドブルのシートを失ったローソン。その後レーシングブルズでキャリアを立て直した末に巡ってきた今回のF1オランダGPは、単なる代役参戦ではなく、自らの成長を証明し、レッドブルでの評価を覆す絶好の機会となる。
















