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  • 自己批判を捨てた瞬間 ランド・ノリスF1王者への分岐点

    自己批判を捨てた瞬間 ランド・ノリスF1王者への分岐点

    ジャック・ヴィルヌーヴは、ランド・ノリスが2025年F1ドライバーズチャンピオンに輝いた最大の要因として、シーズン途中に見せた「姿勢の変化」を挙げた。

    ヴィルヌーヴは、マクラーレンのノリスがマックス・フェルスタッペンをわずか2ポイント差で下し、71勝を挙げてきた王者を引きずり下ろしたことについて言及し、ノリスが「自分を責め続ける」姿勢をやめたことが転機になったと語っている。

    夏休み明け最初の一戦となったオランダGPでリタイアした時点で、26歳のノリスはチームメイトのオスカー・ピアストリに34ポイント差をつけられていた。しかし、その後の最終9戦で驚異的な巻き返しを見せ、この期間だけでピアストリを47ポイント上回った。

    この追い上げが選手権争いの行方を大きく左右した。終盤戦ではフェルスタッペンがノリスとピアストリをそれぞれ68ポイント、115ポイント上回る成績を残していたにもかかわらず、新王者となったノリスが十分にパフォーマンスを引き上げたことで、タイトルを守り切る形となった。

    ヴィルヌーヴは、シーズン終盤のノリスの走りを高く評価しつつも、そのレベルを年間を通して維持する必要性を強調した。

    「彼はF1にかなり長く参戦しているから、経験があるし、スキルも磨いてきた。そしてシーズン終盤には、昨シーズン終盤と同じような走りをしていた。それが彼の非常に高いレベルだ」

    「彼が取り組むべきなのは、それを24レースすべてで維持することだ」

    マクラーレン内部でのタイトル争いにおいて、シーズン前半はピアストリのほうがミスが少なく、より冷静で、ノリスのミスが積み重なっていく中で主導権を握っていた。

    ノリスはこれまでも、メディア対応において自分の欠点を率直に語りすぎる点が批判されてきた。自己批判が過剰であることは弱点と見なされ、メンタル面の問題の表れだと捉えられることも多かった。

    しかしヴィルヌーヴは、シーズンが進むにつれてノリスに変化が見られたと指摘し、それこそがタイトル争いでの巻き返しを生んだ要因だと語った。

    「だが、シーズン中に彼が大きく変わったのも我々は見てきた」

    「シーズン序盤、彼は常に自分を強く責めていた。それが後半には止まった。姿勢の変化も見られた」

    「彼は物事に対して謝るのをやめ、本当にやるべきことに集中するようになった。チャンピオンシップの首位にいなくなり、状況が後退し、そして戦いがマックスとの直接対決になった時にだ」

    この変化こそが、ランド・ノリスを2025年F1ワールドチャンピオンへと導いた決定的な転換点だったと、1997年王者は結論づけている。

  • シャルル・ルクレール ランド・ノリスF1王座獲得は「美しいサクセスストーリー」

    シャルル・ルクレール ランド・ノリスF1王座獲得は「美しいサクセスストーリー」

    シャルル・ルクレールは、ランド・ノリスが2025年F1シーズンで初のワールドタイトルを獲得したことについて、「美しい成功物語だ」と称賛した。ノリスはシーズン後半にランキング首位に立ち、マクラーレンのチームメイトであるオスカー・ピアストリを安定して上回る結果を積み重ねた末、タイトル争いを主導した。

    最終盤には、レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンが急速に勢いを取り戻し、激しい追い上げを見せた。

    それでもノリスはわずかな差でリードを守り切り、シーズン終了時にはわずか2ポイント差でフェルスタッペンを退け、念願の初戴冠を果たした。

    この結果について、RacingNews365を含むメディアの取材に応じたルクレールは、ノリスのタイトル獲得が持つ意味を次のように語った。

    「それこそが、僕がこのスポーツを愛している理由だ。感情があるからだ」

    「どれだけライバルを打ち負かしたいと思っていても、ランドのあんなに幸せそうな表情を見ると、本当に美しいものだと感じる」

    「これは、このグリッドにいる全員にとって究極の夢だ」

    「彼は今年、それを実現した。だから本当にうれしいし、彼はそれに値する」

    一方でフェラーリとルクレール自身にとって、2025年シーズンは厳しい一年となり、チームは年間を通じて一度も優勝を挙げることができなかった。それでも、来季から新たな技術レギュレーションの時代が始まることを受け、ルクレールは将来に向けて前向きな姿勢を崩していない。

    「次は僕の番だ。追い続けて、来年は彼の生活を少しでも大変なものにできればいい」とルクレールは語り、次なるタイトル争いへの意欲を示した。

  • ランド・ノリス F1初戴冠の裏側 マクラーレンがテープに託した“特別な言葉”

    ランド・ノリス F1初戴冠の裏側 マクラーレンがテープに託した“特別な言葉”

    2025年F1タイトル決定戦となったアブダビGPのスターティンググリッドで、マクラーレンがランド・ノリスに向けて“特別なメッセージ”を託していたことが明らかになった。背景には、今季アメリカGPで発生した出来事をめぐり、FIAがレッドブルに「重大」とされる罰金を科していた事実がある。

    マクラーレンは以前から、ランド・ノリスがグリッドにマシンを止める際の目印として、ピットウォール側に細いテープを貼る慣習を続けてきた。

    そのテープが注目を集めるきっかけとなったのが、10月のアメリカGPだった。オースティンのCOTAで、フォーメーションラップ開始後にレッドブルのチームメンバーが再びグリッドエリアに立ち入ったとして、FIAはレッドブルに5万ユーロ(約800万円)の罰金(うち半分は執行猶予)を科した。

    この件は安全規定違反による処分であり、テープ自体への干渉行為は直接の処分対象ではなかった。しかし、その際、制止を振り切ったとされる関係者が、ノリスのために置かれていたテープに手を加えようとした疑いが浮上し、両チームの間で“小さな騒動”となっていた。

    「You got this」 愛情のこもった手書きメッセージ
    そしてタイトルが懸かったアブダビGP。決戦を前に、マクラーレンはノリスのために、いつものテープに特別な意味を込めていた。

    現地で撮影され、SNSに投稿された映像には、ノリスのレースエンジニアであるウィル・ジョセフが、グリッド上でしゃがみ込み、一本のテープを手にしている様子が映っている。

    そのテープには、両端に描かれた2つのハートとともに、手書きでこう記されていた。

    「You got this」

    さらに「R2」という文字も書き添えられており、これはスタート前にステアリングホイール上の設定を調整するためのリマインダーだったと見られている。

    2ポイント差で決した2025年F1タイトル
    ノリスはアブダビGPを3位でフィニッシュし、優勝したマックス・フェルスタッペンをわずか2ポイント差で上回り、キャリア初のF1ワールドチャンピオンに輝いた。

    シーズン全体では、フェルスタッペンが8勝を挙げた一方、ノリスとチームメイトのオスカー・ピアストリはいずれも7勝。レッドブルとマクラーレンの激しい争いは、最終戦までもつれ込んだ。

    ライバル同士のエンジニアが見せた和解の瞬間
    タイトル決定後、ノリスのエンジニアであるウィル・ジョセフと、フェルスタッペンのレースエンジニア、ジャンピエロ・ランビアーゼは、パドックで言葉を交わす姿が目撃されている。

    激闘のシーズンを戦い抜いた両陣営だが、最終的には互いの健闘を称え合う形で2025年シーズンを締めくくった。

    フェルスタッペンからの祝福メッセージ
    フェルスタッペンは体調不良のためFIA表彰式を欠席したが、事前に収録されたビデオメッセージで、マクラーレンとノリスを祝福している。

    「今夜は出席できず本当に残念だが、まずは再選されたモハメド・ビン・スライエム会長にお祝いを伝えたい」

    「そしてもちろん、すべての受賞者におめでとうと言いたい。みんな本当に努力しているし、その成功を誇りに思うべきだ」

    「自分の選手権について言えば、マクラーレン、そして特にランドに心から祝福を送りたい。信じられないようなシーズンだったし、最後までレースできたのは本当にクールだった」

    「ぜひこの瞬間を楽しんでほしい。2026年にまた会おう」

    マクラーレンが密かに託した一言の激励は、2025年F1シーズンを象徴するエピソードとして、ノリス初戴冠の舞台裏に刻まれることになった。

  • ランド・ノリス、F1初戴冠の直後にシュタイナーからMotoGPテストのオファー

    ランド・ノリス、F1初戴冠の直後にシュタイナーからMotoGPテストのオファー

    2025年F1ワールドチャンピオンに輝いたランド・ノリス(マクラーレン)が、来季にMotoGPマシンをテストするオファーを受けた。招待したのは、元ハースF1チーム代表のギュンター・シュタイナーだ。

    シュタイナーは2025年9月、コンソーシアムを率いてレッドブルKTMテック3 MotoGPチームの完全所有権を取得。2026年から新体制が発足し、シュタイナーがCEO、共同プロジェクトパートナーのリチャード・コールマンがチーム代表に就任する。

    幼少期からの“二輪への原点”
    ノリスはこれまでも、四輪に進む前に二輪競技へ強い情熱を注いでいたことを度々明かしてきた。8月にサウジアラビア・リヤドで開催されたeスポーツ・ワールドカップで、次のように語っている。

    「正直、バイクのことはやってみたい。実はそこが僕の原点なんだ。」

    「乗馬はやったけど嫌いだった。クワッドバイクは父が“盗まれた”って言ったけど、実際は危険だから売ったんだ。その後はモトクロスをやっていた。」

    「F1を観るより前、ロードレースを知るより前から、バイクやモトクロス、クワッドバイクみたいなダート系モータースポーツが大好きだった。バギーやデザートレースは“世界一クール”だと思っていたし、最初に憧れたのはバレンティーノ・ロッシだった。」

    シュタイナーが語った“テスト招待”
    アブダビGPで初のF1タイトルを決めた直後、シュタイナーはポッドキャスト「The Red Flags Podcast」に出演し、ノリスへ具体的な招待を口にした。

    「来年、彼はうちのバイクに乗っていい。カラーも同じだろう? マクラーレンと同じパパイヤ……まあ正確にはオレンジだけど、かなり似ている。」

    F1王者となった直後に持ち上がった二輪への誘いは、ノリスの原点と現在を結ぶ象徴的なエピソードとなった。実現すれば、四輪トップドライバーがMotoGPマシンを操る貴重な機会となる。

  • ランド・ノリス、F1王者表彰式でFワード FIA会長が即座に「罰金」ジョーク

    ランド・ノリス、F1王者表彰式でFワード FIA会長が即座に「罰金」ジョーク

    ランド・ノリスは、FIA会長モハメド・ビン・スライエムの前でFワードを口にしてしまい、ユーモラスでありながら気まずい一幕を演じた。

    アブダビGP最終戦で3位に入り、初のF1ワールドチャンピオンを決めてから5日後、ノリスはウズベキスタンで開催されたFIA表彰式に出席し、正式にF1ワールドチャンピオンとしてトロフィーを受け取った。

    表彰スピーチでの“失言”
    金曜夜の受賞スピーチの中で、26歳のノリスはタイトル獲得までのシーズンを振り返る中で、不用意に放送禁止用語を使ってしまった。

    「僕と、僕たちはいくつかのミスやf*** upもしてきた。ここでそれ言っていいのかな? 大丈夫?」とノリスはタシケントのステージ上で語った。

    ドライバーの暴言に対する取り締まりを主導し、罰金を科してきた当人でもあるビン・スライエムは、冗談めかして「1万!」と即座に返した。

    これに対しノリスは、「あ、ごめんなさい、罰金取られた! 今なら払えます!」と続け、会場の笑いを誘った。

    その後、ビン・スライエムがノリスの髪をくしゃっと乱す場面もあり、両者の間には一瞬、気まずい空気が流れた。これは、ヤス・マリーナでの最終戦後、クールダウンルームでも同様のことがあった出来事を繰り返した形だった。

    ビン・スライエムはさらに、「5,000ユーロの罰金にしようかと思ったが、今は髪を直すのに必要そうだからな。私がぐちゃぐちゃにしたから」と付け加えた。

    ランド・ノリス 国際自動車連盟 受賞式

    ノリスが語る“夢”のタイトル
    ノリスはスピーチの中で、マクラーレン、チームメイトのオスカー・ピアストリ、そしてタイトル争いを演じたレッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンに敬意を表した。

    「信じられない気分だ。これは多くの人、多くのレーシングドライバーにとっての夢で、僕はついにそれを生きることができた。子どもの頃に抱いていた、あの一つの夢を実現できた」とノリスは振り返った。

    「マクラーレン、長年一緒にやってきたこのチームに心から感謝したい。僕たち2人に素晴らしいクルマを与えてくれて、時にはレースをとても簡単で、美しいものにしてくれた。そのおかげでシーズン最後まで多くの勝利を持ち帰ることができた」

    「ピアストリ。素晴らしいチームメイトで、ここ数シーズンで僕を大きく成長させてくれた存在だ。僕たちを今のチームにし、コンストラクターズを2年連続で制するチームへと導いてくれた」

    「そしてもちろんマックスにも。最後まで僕たちを追い込み、プレッシャーをかけ続けてくれた。マックスがいつもやっていることそのものだ」

    ノリスはさらに続けた。

    「ここで皆と一緒に成長し、マクラーレンとともにこの結果を出し、ルイス(ハミルトン)、マックス(フェルスタッペン)、セブ(ベッテル)、フェルナンド(アロンソ)といった世界王者たちとレースができたことは本当に素晴らしい」

    「子どもの頃に憧れて見ていたドライバーたちと同じ舞台で戦い、彼らに挑み、自分が何ができるのかを示すチャンスを得た。そして今年、それをやり遂げることができた」

    「とても誇りに思っているし、もちろん本当に幸せだ。日曜のレース後はすごく感情的になったし、その後はめちゃくちゃ酔っ払って、最高の時間を過ごしたよ!」

  • ランド・ノリス F1初戴冠インタビュー「僕の人生を地獄にした2人へ」

    ランド・ノリス F1初戴冠インタビュー「僕の人生を地獄にした2人へ」

    2025年F1ワールドチャンピオンに輝いたランド・ノリスは、シーズン最終戦アブダビGP後、F1 Correspondent & Presenterのローレンス・バレットによるインタビューに応じ、初戴冠の喜びと、その裏にあった思いを率直に語った。

    アブダビの豪華なパドックビルのひとつ、その屋上に設けられた撮影スペースの端にランド・ノリスが姿を現した瞬間、シーズン最終戦で3位フィニッシュを果たし、初のワールドタイトル獲得に必要なポイントを確保したその瞬間から彼の顔に刻まれている笑顔は、今もなおまぶしいほどに輝いていた。

    彼は軽やかに椅子のところまで跳ねるようにやってきて「やあ」と声をかけ、体をくねらせながら座り心地を確かめる。マクラーレンのドライバーは、両手でマイクを握りしめたまま笑顔を崩さず、インタビューを始めたくてたまらない様子で、ローレンス・バレットの方を見つめている。こんなことはそうそう起こらないが、今は特別な時間だ。

    ノリスは高揚している。全身が汗とシャンパンでびしょ濡れになっていようとも、その高揚感を削ぐものは何もない。これは彼の瞬間だ。人生をかけて目指してきた、その瞬間である。

    ローレンス・バレットが改めて彼を「ワールドチャンピオン」と呼ぶと、ノリスはくすっと笑い、マイクをさらに強く握りしめながら、その笑顔はますます大きくなった。レースが終わってからすでに2時間ほどが経ち、すべての放送局を回るテレビペンでの取材を終え、さらにメディアを前にした長時間のチャンピオン会見をこなし、その後ガレージでチームと祝杯を挙げてきたはずだが、それでもまだ実感が湧いていないことは明らかだった。まったく、まだ現実感がないのだ。

    「僕たちが成し遂げたことを受け止めるには、少し時間が必要なんだ」とノリスは言う。「僕は夢を叶えた。あの小さな男の子の夢をね。

    6歳の頃、テレビで見て『僕もあれをやりたい』って思っていた自分がいて、今、ここにいて、それを実現している。これは本当にクレイジーだよ。だからまず最初に言わなきゃいけないのは、両親、ママ、パパ、兄弟姉妹、初日からそばにいてくれた人たちへの大きな感謝だ。本当に、ものすごい旅だった。

    マクラーレンとともに過ごした長い年月、浮き沈みもあった。でも今年、僕はそれらすべてに対して、一度に『ありがとう』を言えたと思う。コンストラクターズ(タイトル)とドライバーズ(タイトル)という形でね。いつ本当に実感できるのかは、正直分からない。

    正直に言うと、さっきトイレに行ったんだ。初めて一人になれて、静かで落ち着いた時間があって、そこで『ああ、やったんだ、やったんだ、やったんだ!』って思った。

    本当に、ついにこの感覚を味わえるのは信じられない。ほんのひとときでも、世界の頂点に立ったと感じられること。そして、自分にこれだけ多くを注いでくれたすべての人たちに恩返しができること。始まりは両親だったけど、エンジニア、メカニック、ファクトリーにいるみんなもそうだ。彼らはこの結果のために、本当に、本当に一生懸命働いてくれた。

    今日は言葉で『ありがとう』と言うだけじゃなくて、チャンピオンシップという行動そのものが、それ以上の意味を持っている。だから、世界中に向けて彼らに感謝したい」

    「自分は本当に幸運な人間だと分かっている」
    ノリスは、良い日であろうとそうでなかろうと、インタビューで長く語ることに慣れている。物事に正面から向き合い、説明し、正直でいる。それが彼のやり方だ。

    チャンピオンを獲得した今、その答えはさらに長くなった。チーム全体の努力であること、そしてこれまで支えてくれたすべての人たちを強調したかったからだ。それに、自分が成し遂げたことの途方もなさが、頭の中で渦巻いていて、簡潔に言葉にするのが難しかった。感覚が溢れ返っていた。

    彼が最初に抱きしめたのは、パルクフェルメで誇らしげに息子を待っていた両親だった。

    「とてもシンプルだよ」とノリスは言う。「彼らがいなければ、僕はここにいなかった。夢を生きるチャンスも、今の素晴らしい人生を生きることもなかった。

    僕は本当に幸運な人間だ。それは分かっている。だからこそ、自分がどれだけ恵まれているかも理解している。こんな若い年齢からカートに乗って、世界を旅して、今やっていることを楽しめる機会をもらえたんだから。

    今、僕は最大の形で『ありがとう』を言える立場になった。そして、恩返しができる。でも、この立場にいると、それは本当に難しい。いつも自分が受け取る側で、周りのみんなが支えてくれて、自分がスターみたいに見られるからね。

    でも、僕はその部分が好きじゃない。ただ、みんなが幸せそうにしているのを見るのが好きなんだ。それが世界で一番クレイジーな感覚だよ。自分がこれだけ大きな影響を与えられると知ること。そして、ママが泣いているのを見ること。パパもね。それが、これがどれだけ彼らにとって大きな意味を持っているかを物語っている」

    「これまでで一番良い仕事をしなければならなかった」
    ノリスはオーストラリアで勝利し、最高の形でシーズンをスタートさせた。しかしその後は、マシンへの適応に苦しむ中で、チームメイトのオスカー・ピアストリがタイトル争いを主導していった。ノリスも解決策を見つけ、モナコと母国シルバーストンで初勝利を挙げたが、ピアストリは勢いに乗り、夏休み前にかけて徐々に差を広げていった。

    ザントフォールトで2位走行中にノリスがストップし、ピアストリが勝利を収めたとき、ノリスは砂丘に座り込み、頭を抱えながら34ポイント差をどうやって覆すのかを考えていた。

    「あの時は、本当に人生がものすごく大変だと思った。そして、そこから先はずっとそうだった」と彼は振り返る。「これまでで一番良い仕事をしなければならなかった。たくさんのレースで勝たなければならなかった。常にチームメイトに勝たなければならなかった。常に全員に勝たなければならなかった。

    あの時点では、本当に重く感じた。1週末で彼に勝つことすら、やっとだったからね。

    シミュレーターでも、ここサーキットでも、エンジニアたちと一緒に、問題を理解し、これまで以上に深く掘り下げていった。より効率的になるために、いろんな人を巻き込んで、自分自身を理解し、自分からもっと引き出す方法、周囲の人たちからもっと引き出す方法、チームとしてどうすればもっと良くなれるかを考え続けた。

    そうしたすべての小さなこと。誰にも見えないし、誰も知らないこと。僕と、僕の周りのチームだけが知っていることだ。今日のような結果を出すために、彼らは本当に僕を後押ししてくれた。

    それを他の人に知ってもらう必要も、気にしてもらう必要もない。ただ、僕自身が知っている。『どうすればランドをより良い人間に、より良いドライバーにできるか』『34ポイント差からチャンピオンになれるのか』、そのためにどれだけの努力と時間と仕事が注がれたかを。

    そのすべてが報われた。それが、あの時一番嬉しかった理由だ。『本当にやっている』『やるべきことをやっている』と感じられたから。それが僕の仕事で、周りの人たちがいなければ、決してできなかった」

    ノリスはピアストリのリードを少しずつ削り、メキシコとブラジルでの圧倒的な勝利によって主導権を握った。しかし、ラスベガスでのマクラーレン2台失格と、カタールでの戦略ミスによって、友人であり4度のワールドチャンピオンであるマックス・フェルスタッペンが再び争いに戻ってきた。最終戦を前に、その差はわずか12ポイントだった。

    それでもノリスは動じなかった。ザントフォールト以降、彼は自分の殻にこもり、最も信頼する人たちだけを近くに置いた。そして、セバスチャン・ベッテルを含む、成功を収めたトップアスリートたちの助言にも支えられていた。

    「信じられないような人たちから、素晴らしい言葉やメッセージ、会話をもらった。いろんな競技で世界チャンピオンになった人たちだ。ルイスやセブもそうだ。僕がセブと話していることを知らない人は多いと思う。

    元MotoGPチャンピオンのケーシー・ストーナーもそうだ。僕が一番必要としていたときに、『これを考えろ』『自分を信じろ』って短いメッセージを送ってくれて、助けてくれた。

    2ポイント差でチャンピオンを獲ったことを考えれば、こうした周りの人たちからの信頼の瞬間が、その2ポイントをもたらしてくれたと言っていいと思う。だからこそ、みんなに感謝しなければならない。2ポイント、それが必要だったんだ」

    ランド・ノリス F1 マクラーレン

    「フェルスタッペンとピアストリは僕の人生を地獄にした」
    フェルスタッペンを打ち破り、そしてシーズンの3分の2にわたってタイトル最有力に見えたピアストリを抑えての戴冠。それは非常に印象的な偉業だ。

    「マックスとオスカー、特にオスカーのことは忘れないでほしいけど、彼らは今シーズン、僕の人生を地獄にした」とノリスは言う。「彼らが時々、僕を徹底的に叩きのめしてくれたからこそ、今の僕がある。

    そのたびに自分に問いかけるんだ。『どうしてここでこんなに差をつけられた?』『どうしてこのコーナーをあんなに上手く走れる?』って。

    マックスについては、すでに多くを成し遂げているから、みんな理解している。4度のワールドチャンピオンで、F1史上最高のドライバーのひとりだと本気で思っている。努力家で、信じられないほどのドライバーで、必要なものをすべて持っている。そしてオスカーは、いわば新顔だけど、20年もやってきたかのように走る。彼もまた、僕の人生をとても難しくした。

    チームメイトとして、お互いに難しい状況を作り合った。その結果、マックスが追いつき、僕たち二人の人生をさらに難しくした。でも、どうやって彼らに感謝し、称え、祝福すればいいのか、正直分からない。

    オスカーと一緒に祝いたい気持ちはある。でも同時に、彼はチームメイトだから難しい部分もある。彼が今、いろんなことを考えているのは分かっている。将来、僕が彼の立場になることもあるだろうし、その時は同じことを考えているはずだ。もしかしたら、彼がここに座って、君と話しているかもしれない。

    だからこそ、オスカーとマックスの両方に敬意と称賛を示したい。マックスはもう十分にそれを得ているけど、オスカーには特にね。インタビューをする以上、彼らへの祝福と感謝、そして評価を伝えないわけにはいかない」

    この20分に及ぶインタビューを終え、ノリスは世界中に配信される放送用の取材をきっちりとこなした。彼はその必要性を理解していたが、同時に、できるだけ早く友人たちのもとへ戻り、この信じられない偉業を祝いたい気持ちも隠せなかった。

    それからわずか36時間後(その間に相当な祝宴を挟みつつ)、彼は再びサーキットに戻り、2026年に向けたテストに参加した。F1は誰も待ってはくれない。

    それでも、昨夜ワールドチャンピオンのトロフィーを受け取るなど、まだ多くの仕事を残しながらも、まもなく数週間のオフを得て、ようやく日常から離れ、この生涯の夢を叶えたことを、心から味わい、噛みしめる時間を持つことになるだろう。

  • F1王者ランド・ノリス、ルイス・ハミルトンの2026年復活を支持「必ず立ち直る」

    F1王者ランド・ノリス、ルイス・ハミルトンの2026年復活を支持「必ず立ち直る」

    2025年のF1ワールドチャンピオンに輝いたランド・ノリスは、フェラーリF1移籍初年度に苦戦したルイス・ハミルトンについて、2026年には再び本来の姿を取り戻すと信じていると語った。

    ハミルトンは2025年シーズン開幕前にメルセデスからフェラーリへ移籍したが、新天地ではパフォーマンスに苦しみ、F1キャリアで初めてシーズン未表彰台に終わった。一方、ノリスはマクラーレンF1で僅差の2ポイント差でタイトルを獲得している。

    ノリスは、今後数年にわたってハミルトンとトップ争いを演じることを楽しみにしていると語った。

    「明らかに、フェラーリは今年、誰もが予想していた以上に苦しんでいたと思う」とノリスはSky Sportsに語った。

    「ルイスは、おそらく史上最高のドライバーだということを自ら証明してきた。厳しい年から立ち直れる人間がいるとすれば、それはミスター・ハミルトンだということを誰もが知っているし、彼ともっとレースで戦えるなら、それ以上の喜びはない」

    「世界最高のドライバーとレースができるというのは、常に特権だ。フェルナンド(アロンソ)、ルイス、マックス(フェルスタッペン)と、そういう存在が何人もいる」

    「僕たちの多くは、そうしたドライバーたちの足跡をたどりたいと思っている。ジョージ(ラッセル)やオスカー(ピアストリ)もその一人だし、グリッドには本当に多くのドライバーがいる」

    アブダビGPでタイトルを決めた日曜の夜、ノリスはハミルトンやフェルスタッペンを含む主なライバルたちへの敬意を改めて強調した。

    2024年F1ハンガリーGP後のクールダウンルームで、ハミルトンからの称賛に対し「7年前は速いクルマに乗っていた。今は僕たちだ」と応じた自身の発言に触れつつ、ノリスは感情が高ぶった場面での言葉が本心を反映していないことを認めた。

    「正直に言って、ときどき僕はバカなことを言ってしまう。マックスについてだったり、過去にルイスについて言ったことも、みんなが話題にするような発言をしてしまった」とノリスは語った。

    「後悔していることもあるし、口にしなければよかった、取り消せるならそうしたいと思うこともある」

    「でも、僕は誰よりも敬意を払っていると本気で思っている。オスカーにも、マックスにも、そしてルイスにも最大限のリスペクトを示そうとしている。彼は7度のワールドチャンピオンだ」

    「彼は最高のドライバーだ。シューマッハと比較される存在で、F1史上最高のドライバーだと思う。僕はそこには全然及ばないし、もしかしたら一生届かないかもしれない」

    「今日という日を夢見てきて、それを成し遂げた。でも、それは彼の7回と比べれば1回にすぎない」

    「クールダウンルームなどで言ってしまった発言を後悔しているかと聞かれれば、答えはイエスだ。ああいうのは感情が高ぶった瞬間のものだし、言った直後に『なんでこんなことを言ったんだ』と思うこともある」

    「だからこそ、できる限り正直でいようとしているし、常に本当の気持ちを語ろうとしている」

  • ランド・ノリス 「オスカー・ピアストリは将来F1ワールドチャンピオンになる」

    ランド・ノリス 「オスカー・ピアストリは将来F1ワールドチャンピオンになる」

    ランド・ノリスは、マクラーレンの同僚オスカー・ピアストリについて「将来F1ワールドチャンピオンになる」と高く評価した。シーズン最終戦で王座を決めた直後のコメントで、ノリスは今季の激しいタイトル争いを振り返りながら、チームメイトの実力を称えている。

    ピアストリは2025年シーズン、7勝を挙げて選手権争いを長くリードし、最終的にはランキング3位でシーズンを終えた。惜しくも初タイトルには届かなかったが、現王者ノリスはその戦いぶりを間近で見てきた立場から、将来の世界王者像を確信している。

    ノリスは、F1アブダビGP決勝で3位に入り、自身初のドライバーズタイトルを獲得した。ヤス・マリーナ・サーキットでの最終戦を終え、ランキング2位のマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)に2ポイント差をつけて王座に就いた。

    ノリスはこれでF1史上35人目のワールドチャンピオンとなった。一方、同僚のオスカー・ピアストリはランキング3位でシーズンを終え、ノリスから13ポイント差だった。ピアストリはシーズンの大半で選手権をリードし、勝利数もノリスと同じ7勝を挙げていた。

    ピアストリはオランダGPでノリスがリタイアした後、一時は34ポイントのリードを築いたが、終盤に6戦連続で表彰台を逃したことが、初タイトルを逃す結果につながった。本人も「望んでいた結末ではなかった」と認めている。

    それでもタイトル獲得直後のノリスは、ピアストリとフェルスタッペンの2人を真っ先に称え、特にチームメイトの将来を高く評価した。

    「今年は、めちゃくちゃ速い2人がいて、正直かなり大変だった」とノリスは語った。

    「オスカーは開幕戦からずっと、たぶん一番手強い相手になるだろうと分かっていたし、マックスはマックスだ。彼を決して軽視することはできない。」

    「僕たちは彼を一度も見くびらなかったし、もしそうしていた人がいたなら、彼はその人たちが間違っていたことを証明した。4度のワールドチャンピオンであるマックスと戦えたことは光栄だった。」

    「彼とああいうバトルをして、必ずしも毎回楽しかったわけじゃないけど、いくつかは本当に楽しめた。別のワールドチャンピオンと同じコース上で戦えること、そして将来ワールドチャンピオンになるオスカーとも戦えたことは特別だった。」

    「そういう理由もあって、このシーズンは本当に楽しかった。彼らは多くの場面で僕の人生を地獄みたいにしたけど、実はそういう瞬間こそが、いちばん楽しめた部分でもあったんだ。」

    マクラーレンにとっては、ノリスの初タイトルとともに、ピアストリという次なる王者候補の存在感が改めて際立つシーズンとなった。ノリスの言葉どおり、ピアストリが近い将来に世界王者の座に就く日が来ても不思議ではない。

  • ランド・ノリス、FIA表彰式でF1ワールドチャンピオンのトロフィーを初戴冠

    ランド・ノリス、FIA表彰式でF1ワールドチャンピオンのトロフィーを初戴冠

    ランド・ノリス(マクラーレン)は、ウズベキスタン・タシュケントで行われたFIAの年間表彰式において、2025年F1世界選手権ドライバーズチャンピオンのトロフィーを正式に受け取り、キャリア初の王者として戴冠した。

    アブダビGPでタイトルを決めてから数日後、FIAの恒例行事であるガラの場でトロフィーを手にしたノリスは、マクラーレンとともに2025年シーズンの成功を象徴する瞬間を迎えた。

    FIAガラで正式戴冠、初の世界王者に
    マクラーレンのランド・ノリスは、金曜夜にタシュケントで開催されたFIAの表彰式で、ドライバーズ世界選手権トロフィーを授与された。F1キャリアで初となる王者の栄冠であり、FIA会長モハメド・ビン・スライエムから直接トロフィーを受け取った。

    26歳のノリスは、前週末のアブダビGP最終戦で3位に入り、マックス・フェルスタッペンを2ポイント差で下してタイトルを獲得。これにより、フェルスタッペンが続けていた4年連続の王者支配に終止符を打ち、マクラーレンにとっては2008年のルイス・ハミルトン以来となるドライバーズタイトルとなった。

    僅差のタイトル争いとマクラーレンの快挙
    2025年シーズンのタイトル争いは最終戦までもつれ込む接戦となり、ノリスは冷静な走りで必要な結果を確保した。チームメイトのオスカー・ピアストリもランキング3位でシーズンを終え、13ポイント差で初タイトルを逃したものの、表彰式には同席している。

    一方、フェルスタッペンは体調不良のため式典を欠席した。

    なぜノリスはその場でトロフィーを受け取れなかったのか
    アブダビGP直後、ノリスは現地で本物のトロフィーを手にすることはできなかった。決勝前のグリッドに置かれていたのは1995年に作られたレプリカであり、実際のトロフィーはウズベキスタンへ輸送されていたためだ。

    FIAが授与するドライバーズチャンピオンのトロフィーは、銀と金で作られており、外側には歴代王者の署名、名前、そして優勝年が刻まれている。このトロフィーは、国際スポーティングコードに基づく「レビュー請求期間」が確保されるため、シーズン最終戦直後ではなく、年次表彰式で正式に授与されるのが慣例となっている。

    シーズンの締めくくりとしてのFIA表彰式
    FIAの年間表彰式は、モータースポーツシーズンを締めくくる伝統的なイベントであり、F1を含む各カテゴリーの王者が一堂に会する場でもある。

    この夜、マクラーレンのチーム代表アンドレア・ステラとCEOのザク・ブラウンも登壇し、チームとして2年連続となるコンストラクターズチャンピオンのトロフィーを受け取った。ノリスの戴冠は、ドライバーとチーム双方にとって、2025年シーズンを象徴する締めくくりとなった。

  • ピアストリ、マクラーレンの方針信頼「ノリスがF1王者でも何も変わらない」

    ピアストリ、マクラーレンの方針信頼「ノリスがF1王者でも何も変わらない」

    オスカー・ピアストリは、僅差でタイトルを逃した2025年シーズンを経て、来季もマクラーレンが「完全な公平性」と「平等」を維持することを期待していると語った。

    2025年、ピアストリは最多日数で選手権をリードしながらも、最終的にはランド・ノリス、マックス・フェルスタッペンに続くランキング3位でシーズンを終えた。

    マクラーレンは今年、両ドライバーに同じ機会を与える“パパイヤ・ルール(Papaya Rules)”を掲げ、平等を強調してきたが、ノリスへの贔屓があるという指摘は絶えなかった。

    ピアストリは、それでもチームの姿勢は2026年も変わらないと信じている。

    「それで何かが変わるとは思っていない」とピアストリはアブダビでの最終戦後に語った。

    「彼は素晴らしいシーズンを過ごし、ふさわしいチャンピオンになった。でも、ランド・ノリスはランド・ノリスのままだ。スーパーマンになったわけじゃない」

    ピアストリは、4月のサウジアラビアから10月のメキシコGPまで選手権をリードする期間もあり、タイトル争いの主役として存在感を示した。

    「なので、その点で何かが変わるとは思っていない。チームにはこれまで通りの“完全な公平性”と“平等”を期待しているし、それが変わる心配はまったくしていない。明らかに、ランドは今年とても強いシーズンを送ったし、最終的には彼の方が良い仕事をした」

    “Papaya Rules”は時に緊張を生んだが、互いを強くした
    ピアストリは、チームが今季のタイトル争いで両ドライバーを対等に扱おうとした姿勢が、時に難しい状況を生んだと認める一方、それが互いを成長させたと強調した。

    「コンストラクターズとドライバーズの両タイトルを、実力が拮抗した2人のドライバーで争うのは簡単じゃない。でも、それはシーズン当初から分かっていたことだ」

    「最終的には、そこから得られる良いことがたくさんある。確かに難しい瞬間や緊張があったのは事実だけど、ランドと僕は、お互いを限界までプッシュし合ったことで、より良いドライバーになれた。ときにはチーム全体にとって居心地の悪い場面もあったけれど、結局のところ、それは良い方向に働いた」

    「1年を通してたくさん話し合ってきたし、オフシーズンにも来年に向けて少し変えたいことがあれば議論するつもりだ。でも結局、チームは僕たち2人がフェアに世界選手権を戦えるよう、できる限りの機会を与えてくれた。それ以上求めるものはない」