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  • ジェンソン・バトンのマネージャー、ポルシェとの交渉を認める

    ジェンソン・バトンのマネージャー、ポルシェとの交渉を認める

    ジェンソン・バトンのマネジャーを務めるリチャード・ゴッダードは、ジェンソン・バトンがマクラーレンのシートを失った場合、2015年はル・マンのスポーツカーシリーズに転向する可能性があるとし、ポルシェと話し合いをしていることを認めた。

    2014年シーズンも残り3レースとなったが、マクラーレンは、まだ来季のドライバーラインアップを公表していない。マクラーレンは、フェラーリ離脱が濃厚とされるフェルナンド・アロンソと交渉していると報じられている。

    リチャード・ゴッダードは「マクラーレンは、自分たちがどうするつもりなのかわかっていないし、ラインなップがどうなるかも知らない」と Daily Mail にコメント。

    「ジェンソンは、非常に競争力のあるレーシングドライバーであり、レースをしたがっている。F1の後方グリッドに座るには優秀すぎる。F1で競争力のあるマシンに乗るか、別のところでそれを見つけるかだ」

    同紙によると、ジェンソン・バトンはすでにポルシェと話し合いを行っているという。

    ル・マン24時間レースを含む世界耐久選手権でポルシェを駆るドライバーには、かつてジェンソン・バトンと共にF1を戦ったマーク・ウェバーがいる。

    「世界耐久選手権は勢力を増している素晴らしいシリーズであり、そこで戦うマークは多くを加えている」とリチャード・ゴッダードは述べた。

    現在、現役F1ドライバーの中で最も経験豊富なジェンソン・バトンは263戦に出走し、15勝を記録している。

  • ポルシェ、3位表彰台を獲得 (WEC第5戦富士)

    ポルシェ、3位表彰台を獲得 (WEC第5戦富士)

    ポルシェのワークスチームから世界耐久選手権(WEC)にエントリーする919ハイブリッドは、今シーズン2度目となるポディウムフィニッシュを富士スピードウェイにて開催された6時間耐久レースで達成した。

    WECの第5戦として開催された富士でのレースは大きな混乱も無くドライコンディションの中、進んだ。ポルシェ919ハイブリッド(カーナンバー20)のティモ・ベルンハルト(ドイツ)/ブレンドン・ハートレー(ニュージーランド)/マーク・ウェバー(オーストラリア)組は見事3位でゴール。マーク・ウェバーは 1:27.759 (12周目)でファステストラップも記録している。

    カーナンバー14 の919ハイブリッドをドライブするロマン・デュマ(フランス)/ニール・ジャニ(スイス)/マルク・リーブ(ドイツ)組は続いて4位でチェッカーを受けた。

    マルク・リープがスタートドライバーを務めたカーナンバー14 はオープニングラップを4位で終えた後、36ラップを周回して3位にあがりジャニに交代した。ニール・ジャニは73周目にタイヤ交換を行い、110ラップした時点でロマン・デュマにステアリングを託した。ロマン・デュマは147ラップ目にタイヤ交換と給油をして3位でコースに戻った。最終スティントの184ラップでは3位に浮上したが、220ラップ目にピットストップを行い4位でクルマをゴールまで運んだ。

    カーナンバー20はスタートからしばらくトップ争いを繰り広げたが、スローパンクチャーによりピットストップを余儀なくされる。ダブルスティントを1セットのタイヤで走りきった後、84周でティモ・ベルンハルトにシートを譲った。ティモ・ベルンハルトもダブルスティントを担当し122周でタイヤ交換および給油を行い、ブrネンドン・ハートレーに交代。919ハイブリッドは197周目に最後のタイヤ交換および給油を行う。見事、重責を果たした形のブレンドン・ハートレーは3位でチェッカーを受けた。

    ヴォルフガング・ハッツ (ポルシェAGの研究開発担当役員)
    「このレースにおける目標は達成いたしました。2台は完走し、そのうち1台は表彰台にのりました。序盤はトップ争いにも絡み力強いパフォーマンスを見せて、3位と4位を獲得出来たのです。このレースで見せたように、今後も進歩しつづけます」

    フリッツ・エンツィンガー (ポルシェAG LMP1プロジェクト トップ)
    「素晴らしい結果です。何よりも今週末に我々が遂げた大きな進歩を誇らしく思います。金曜日は大変な思いをしましたが、セッションごとに改善を重ねて見事な予選、そして決勝ではしっかりと結果につなげることができました」

    アンドレア・ザイドル (LMP1チーム監督)
    「3位と4位は最良の出来といって良いでしょう。クルマもチームも優れたパフォーマンスを発揮しました。現場に居るスタッフだけでなくヴァイザッハに残った皆と一緒に勝ち取った成績です。デビューから5レースにして、初めて2台ともトラブル無くレースを完走しました。ゼッケン20は戦略面でも上手くいきました。ゼッケン14のドライバーは素晴らしい走りをしてくれました。ワンツーフィニッシュで完勝したトヨタにも拍手を送ります」

    ロマン・デュマ (カーナンバー14)
    「3位と4位を獲得したことがチームにとって重要です。しかし、まだまだやるべきことはたくさんあります。919ハイブリッドのポテンシャルはこんなものではありません」

    ニール・ジャニ (カーナンバー14)
    「トリッキーなコンディションの中、ダブルスティントを1セットのタイヤで走り切りました。他者を抜かす際にラインを外すとタイヤがすぐにタイヤカスを拾ってしまうと、なかなかキレイな状態には戻らなかったのです。スティント後半には、路面状況は悪化していきました」

    マルク・リーブ (カーナンバー14)
    「スタートとフィニッシュを担当しました。最初の周では何度もポジションが入れ替わりました。幸いなことにトラブルとは無縁で、後半は特にGTクラスの車両をパスする際には注意を払いました。タイヤのでグレーションは思ったほどではなかったのですが、それでもダブルスティントでは大きな負担になりました。しかし919ハイブリッドは間違いなく進歩しています」

    ティモ・ベルンハルト (カーナンバー20)
    「トラブル無くダブルスティントを終えました。しかし早い段階でタイヤ交換を行いライバルたちと争うことがなかったため、レース中のリズムを失ったのも事実です。タイヤマネージメントには手こずりましたが、2度目の表彰台を獲得しました。これ以上、何を望むことがあるのでしょうか?メカニックとエンジニアに感謝しています」。

    ブレンドン・ハートレー(カーナンバー20)
    「レースを楽しむことができました。ポルシェのワークスドライバーとして2度目のポディウムは素晴らしい経験となりました。スタート直後のスローパンクチャーにも関わらず、チームはレース中ほとんどをダブルスティントでこなしました。チームメイトのマークとティモを誇りに思います。我々ドライバーはチームとともに急激に成長できました。このままで行けば初勝利にも近づけるでしょう。クルマも素晴らしく、ここでは大きく2歩前進したと言ってよいと思います」

    マーク・ウェバー (カーナンバー20)
    「良いスタートでトヨタにプレッシャーを掛けることができました。しかし左リヤがパンクし、優勝のチャンスが遠のいたのです。交換したタイヤでダブルスティントを走行しましたが、このピットストップでタイムを失いました。ティモとブレンドンの素晴らしいドライビングで3位を獲得することが出来ました」

  • ポルシェ、2015年シーズンにむけてLMP1カーを再設計

    ポルシェ、2015年シーズンにむけてLMP1カーを再設計

    ポルシェは、2015年のWECシーズンにむけて、新たなLMP1カーを設計している。

    今年のLMP1クラスに919ハイブリッドで復活したポルシェだが、LMP1プログラムの責任者は、来シーズンにむけてを新しいモノコックを含めてマシンを完全に再設計していることを明らかにした。

    だが、マシンのコンセプトとハイブリッド・パワートレーンに関しては、劇的な変化はないと強調している。

    ポルシェ LMP1のテクニカルディレクターを務めるアレックス・ヒッチンガーは「ほぼ新車になる。それはプログラムを開始したときから決定していたことだ」とコメント。

    「新しいタブを走らせ、レース初年度で学んだことに基づいてマシンを再設計することは計画されていたことだ」

    「我々は新しいデザインチームだ。最初に打ち出したデザインがまさに最適であるとは思っていない」

    ポルシェのチーム代表を務めるアンドレア・ザイドルは、2015年マシンは「ゼロから設計される」が、今季マシンである919のコンセプトの「改革ではなく進化型」であると述べた。

    ポルシュの新車は、919というタイプ番号は保持されるとみられ、年末に初テストが実施される見込みだという。

    だが、2015年のエネルギー回復に関して、現在の6MJクラスから8MJに上昇させるかどうかはまだ明らかにしていない。

    「そこは再びオープンになっており、テストで状況を評価するつもりだ」とアンドレア・ザイドルは説明した。

    トヨタのテクニカルディレクターを務めるパスカル・バセロンは、2015年シーズンのマシンは、既存のTS040 HYBRIDのアップデート版となり、“大きな進化ではない”とした。また、8MJへの移行にも取り組んでいるが、まだ最終的な決定はしていないと認めている。

    アウディは、2015年マシンは今季マシンのコンセプトを保持し、ハイブリッドパワーのレベルを現在の2MJクラスから4MJクラスに上昇させようとしていると述べている。

  • ポルシェ、長時間レースをリードするも表彰台を逃す (WEC第4戦)

    ポルシェ、長時間レースをリードするも表彰台を逃す (WEC第4戦)

    ポルシェのワークスチームからスポーツカー世界耐久選手権(WEC)にエントリーする919ハイブリッドは、米国オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開催されたWEC第4戦において予選2位、3位という好位置からスタートし、6時間におよぶ決勝レースでは長時間にわたってリードしたものの、結果4位および5位に終わった。

    予選で2位を獲得したLMP1クラスの919ハイブリッド(カーナンバー14)をドライブするロマン・デュマ(フランス)/ニール・ジャニ(スイス)/マルク・リーブ(ドイツ)組は、決勝レースでも好調さを見せつけ長くトップを走り続けましたが終盤でトラブルに見舞われ、4位でレースを終えた。もう1台のポルシェ919ハイブリッド(カーナンバー20)のティモ・ベルンハルト(ドイツ)/ブレンドン・ハートレー(ニュージーランド)/マーク・ウェバー(オーストラリア)組は、5位でフィニッシュした。

    スターティングドライバーを務めたデュマとウェバーは、レース序盤で早くも後退し1回目のピットストップ前には、それぞれ5位と6位を走行していた。最初の100分が経過すると、雨が降り出し急に水に浸かったコースでは、6台の車がスピンしてコースアウトしてスタックしたが、ティモ・ベルンハルトがステアリングを握るカーナンバー20のもそのうちの1台でした。混乱が生じたコースにはレッドフラッグが出され、レースは45分間中断された。

    セーフティカーの後からの再スタートでは、ジャニがドライブするカーナンバー14はスリック・インターミディエイトタイヤを選択していた。ジャニは間もなくリードを奪い、105周後にピットインし919ハイブリッドを託されたリーブはスリックでコースに復帰する。133周の後、リーブは最終の給油を行うべくリードを保ったままピットに入ったが、その後、エンジンパワーを失い4位に後退したままレースを終えた。

    カーナンバー20のベルンハルトは、フルウエットタイヤでグラベルから救出された後、レッドフラッグの後も走行を続けることができたが、彼もすぐにスリック・インターミディエイトタイヤに履き替えた。90周目に4位のままハートレーと交代。最後の30分で、ウェバーが再び車に乗り込み、最終的に5位でフィニッシュラインを通過した。

    ヴォルフガング・ハッツ (ポルシェAG 研究開発担当役員)
    「チェッカーフラッグの直前まで、今の週末は非常に期待感がもてるもので、私達はレース優勝を目指して戦いました。チームは優れた仕事をしたにもかかわらず、報われなかったのは残念です」

    フリッツ・エンツィンガー (ポルシェAGのLMP1プロジェクト トップ)
    「残念ながら、ここ数ヶ月の開発と素晴らしい予選結果をチャンピオンシップのポイント獲得に十分に活かすことができませんでした。ル・マンでの展開と同様、表彰台獲得、さらに言えば優勝のチャンスがありました。私達は、カーナンバー14のパワーダウンの原因を徹底的に分析し、富士スピードウェイでのレースに備えます」

    アンドレア・ザイドル (LMP1チーム監督)
    「レースの結果は、もちろん残念なものでした。厳しいレースで、コンディションも複雑でした。レース序盤は、ドライで気温も高く、リーダーのペースに追従することはできませんでしたが、雨の中で私達は驚く程の強さを発揮しました。再スタートでは、可能性を高めるために、それぞれ別の作戦を割り振りました。そして、カーナンバー14にスリック・インターミディエイトタイヤをチョイスし、リードを取ることができました。しかし、終盤にパワートレインにトラブルが発生し、表彰台を逃しました」

    LMP1クラス ポルシェ919ハイブリッド(カーナンバー14)
    ロマン・デュマ
    レース序盤は30°を超える気温のため、多少苦戦しました。コースが空いていた周回では問題ありませんでしたが、トラフィックではアンダーステアが強すぎました」。

    ニール・ジャニ
    「雨が降り出してからは、どうにもなりませんでした。最初は、1つのコーナーだけがウェットになったのですが、すぐにサーキットのあらゆる場所が水浸しになりました。私は上りに差し掛かったところでスライドしました。グラベルトラップを超えて、芝に突っ込み、コースに戻りました。再スタートはスリック・インターミディエイトタイヤで行くという判断は正解でした。熱さのためサーキットがすぐにドライになることを願っていました。自分はこのタイヤを本当に上手く使い30秒以上のリードを持って車を渡しました。作戦はすべて正しく機能し、チームはすばらしい仕事をしました」

    マルク・リーブ
    「厳しい戦いでした。ロマンとニールは良いレース運びをしました。ポルシェ919ハイブリッドをトップで受け取ったことは、素晴らしいことでした。しかし、私がピットストップした後、エンジンが急にパワーダウンしたため、最後までリードを守り切ることができませんでした。チームは車をしっかりと準備してくれました。私達は本当に表彰台に上ってしかるべきでした」

    LMP1クラス ポルシェ919ハイブリッド(カーナンバー20)
    ティモ・ベルンハルト
    「今日は、ついていませんでした。雨が降り出すまで、スティントの出だしは好調でした。私はスリック・インターミディエイトタイヤを選択しましたが、ピットレーンで急に雨が激しくなりました。私は自分が浮いているのに気付きました。まるで乗客のような気分でした。セーフティカーの後からの再スタートでは安全策を取り、フルウエットタイヤで臨みましたが、これが不利に働いてしまいました。その後、スリック・インターミディエイトタイヤに換えたあとは、何も問題ありませんでした。これがレースというものです」

    ブレンドン・ハートレー
    「ティモから車を受け取った時点で、すでに1周遅れでした。ポルシェ919ハイブリッドは強い印象を与え、昼も夜も両方ともドライビングを愉しむことができました。担当スティントの途中にはコース上の大きな破片に衝突し、エアロダイナミクスに多少の影響が出てしまいました」

    マーク・ウェバー
    「最初、アウディとよいバトルをしました。しかし、トラフィックでは彼らの方が明らかに余裕があり、簡単にさまざまなラインを取ることができていました。一時的に、フルブーストが使えなくなりましたが、走行中に解決することができました。レース序盤の高温と、その後のそれぞれのスティントにも我々が多くを学んだのは間違いありません」

  • ポルシェ、キャラミサーキットを買収

    ポルシェ、キャラミサーキットを買収

    ポルシェは、F1を約20年開催した南アフリカのキャラミサーキットを買収した。

    先週、全長4.26kmのトラックを含めた72ヘクタールの敷地がヨハネスブルクでオークションにかけられ、ポルシェ南アフリカが2億500万ランド(約19億7500万円)で落札した。

    キャラミは、2010年の世界スーパーバイク選手権を最後に国際カテゴリーのレースを開催していないが、ポルシェは、今後、再びレースを開催する可能性があることを明確に示している。

    ポルシェ南アフリカ責任者のトビー・ヴェンターは「キャラミがレースのために救済されたことが最も重要であり、我々はレーストラックとしての運営を継続させる予定だ」とコメント。

    キャラミは、1967年から1985年までF1レースを開催し、ボイコット騒動を経て1992年と1993年に一時的にカレンダーに復帰したが、メインスポンサーの倒産により再びF1から遠ざかった。

  • マーク・ウェバー 「フェラーリではなくポルシェを選んで正解」

    マーク・ウェバー 「フェラーリではなくポルシェを選んで正解」

    マーク・ウェバーは、フェラーリF1チームとの以前の交渉を続行するよりも、将来のためにポルシェのル・マン・プログラムを選んだことに非常に満足していると述べた。

    マーク・ウェバーがもう一年レッドブルに残留することを決定する前、フェラーリとマーク・ウェバーは、フェルナンド・アロンソのチームメイトとして2013年のF1シートについて交渉していた。

    だが、マーク・ウェバーはレッドブルを離脱した際、F1を離れることを選び、2014年からポルシェの新しいLMP1チームに加入することを決めた。

    マーク・ウェバーは、すでに自分が正しい決定をしたと確信していると述べた。

    「これが実際に自分の将来に描いていたことだ」とマーク・ウェバーは述べた。

    「スポーツカーで同じくらい長いキャリアを過ごすかはわからない。僕はF1に13年間いたけど、おそらくスポーツカーでそうはならないだろう」

    「でも、おそらくベストなスタートが切れたと思うし、非常に歓迎されていると感じている」

    「何か異なることをやりたかった。その前年にフェラーリへ行く機会があった。面白かったかもしれないけど、ここにいれることをとても嬉しく思っている」

    最終的にエンジントラブルで完走することはできなかったが、マーク・ウェバーのポルシェ 919ハイブリッドは、ル・マン24時間レースで首位争いを繰り広げた。

    マーク・ウェバーは、F1オーストラリアGPの週末はF1を恋しく思ったことを認めるが、それ以降は、新しい人生が完全に定着していると述べた。

    「現時点でこれ以上の幸せはあり得ないだろうし、F1のことはまったく寂しく思ってはいない」

    「開幕戦のメルボルンはちょっと扱いにくかったけど、今はもう克服しているよ」

  • ポルシェ、ル・マンで力強いパフォーマンスを示すも夢叶わず

    ポルシェ、ル・マンで力強いパフォーマンスを示すも夢叶わず

    ポルシェのワークスチームは、ル・マン24時間レース決勝において2台の919ハイブリッドが力強いパフォーマンスを発揮したが、レース終盤の劇的な幕切れにより、結果を残すことはできなかった。

    LMP1クラスのカーナンバー20(ティモ・ベルンハルト/ブレンドン・ハートレー/マーク・ウェバー組)のチームは、ル・マン24時間レース決勝において、レース中盤から後半にかけて、多くの時間にわたりトップを走行してした。しかし、スタートから22時間以上を過ぎた時点でパワートレインの問題で後退を余儀なくされた。

    カーナンバー14(ロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リーブ組)に託されたもう1台919ハイブリッドも、やはり非常に高い戦闘力を証明したが、ドライブトレインの問題に足を引っ張られた。それでもカーナンバー14は、自力でフィニッシュラインを超えた。

    スタート直後は、変化する気象条件と多くの事故によってスリリングな展開となったが、夜になるとレース展開が比較的落ち着きはじめ、日曜日の12時36分、カーナンバー20のポルシェ919ハイブリッドを駆るティモ・ベルンハルトがトップでマーク・ウェバーと交代した。ところが、それから20分も経たない間にスローダウンを余儀なくされ、電気モーターのパワーだけでピットまで戻って来た。チームは、損傷したパワートレインを修理することができなかった。

    さらに30分と経たない間に、マルク・リーブが駆るカーナンバー14にはトランスミッションの不具合が発生して12時54分にピットに入るまでは4位につけていた。チェッカーフラッグが振られる直前にコースに復帰したが、結局完走扱いとはならなかった。

    マティアス・ミューラー(ポルシェAG社長)
    「私たちは、チームの多大な努力によってル・マンに復帰しました。ポルシェ919ハイブリッドのデビューを表彰台で飾るという私たちの密かな夢が、もう少しで実現しそうでした。驚くほど長時間にわたりレースをリードしました。一生懸命に尽くしてくれた全ての人々に対して感謝を述べたいと思います。私たちは前向きに考えており、2015年にはさらに強くなって戻って来るつもりです」

    ヴォルフガング・ハッツ(ポルシェAG 研究開発担当役員)
    「私たちが公言した目標は、このレースを完走することでした。それは完全にはかないませんでしたが、少なくとも919ハイブリッドのポテンシャルの高さとその革新的なパワートレインを示すことはできました。私たちは、自らの勇気あるコンセプトを信じ、それをさらに発展させるつもりです。すでに2015年のレースに向けて取り組み始めています」

    フリッツ・エンツィンガー(LMP1担当 ポルシェAG副社長)
    「この結果は、準備作業に奮闘してきた私たちのチームにふさわしいものとは言えません。この波乱に満ちたレースは、信じがたく忘れられないものとなりました。チームの全員が限界まで働き、決して諦めませんでした。私はチームをとても誇りに思います」

    アンドレア・ザイドル(LMP1チーム監督)
    「今はもちろん残念な気持ちで一杯です。しかし、もしこのような結果になることがレース前に分かっていたとしても、それを嬉しく思ったでしょう。私たちは、来年のために多くのことを学び、明日からは2015年に向けて準備を始めます。ドライバーもチームメンバーも、全員が見事な働きをしました。1台のマシンにフィニッシュラインを踏ませたことを誇りに思います。しかも、レース終了局面までもう1台と共に優勝争いを演じることができたのは、素晴らしいことでした」

    アレクサンダー・ヒッツィンガー(LMP1テクニカルディレクター)
    「アウディを祝福したいと思います。彼らの優勝は当然の結果です。もちろん私たちとしては残念です。私たちもそのような良い結果にもう少しで手が届きそうだったのですから。それでも自らの成し遂げたことを誇って良いと思います。マシンの速さを証明し、ライバルチームも919ハイブリッドに注目していました。目標はレースを完走することでしたが、違った形でフィニッシュラインを超えることになりました。残りのレースと2015年のル・マンを楽しみにしています。今日のマシンは必ずしも扱いやすくなかったのですが、ドライバーたちは素晴らしい仕事をしてくれました。そのことを全員に感謝したいと思います」

    ニール・ジャニ(カーナンバー14)
    「私たちのマシンは本当に良く走り、何度かトップグループに並びました。これほど大きなポテンシャルがあるのですから、今回の結果についてはとても残念です。一方で、継続が極めて重要であり、すぐに成功するのが困難であることを思い知らされました」

    マルク・リーブ(カーナンバー14)
    「何と言えばいいのか分かりません。なぜなら、レース中に発生した今回のような問題に対処するのは、困難だからです。カーナンバー20は、実に素晴らしいレースを見せてくれました。彼らにはレースの終了直前まで全く問題が発生しませんでした。これに対して私たちのカーナンバー14のマシンは、いくつかの些細な技術的不具合によってスローダウンし、何度もピットストップを強いられました。それでも私たちは最善を尽くしました。チェッカーフラッグのおよそ1時間半前、もっと大きな問題が発生しました。チームはどうにかしてマシンを再び走れるようにして、私たちは最終的にフィニッシュラインを超えることができました」

    ティモ・ベルンハルト(カーナンバー20)
    「これほど長い空白期間を経てル・マンと世界耐久選手権に戻って来たことは、結果的にポルシェにとって大きな収穫だったと思います。しかし、私たちは必死に闘い、最後には本当に優勝目前まで行っただけにとても残念です。少なくとも表彰台には立てたはずです。それを実現するのは困難でしたが、チームのメンバーは素晴らしい仕事をして、マシンも良く走ってくれました。マシンのバランスに関していくつか問題を抱えていたため、コントロールするのは簡単ではありませんでしたが、結局、燃料を節約してコーナーで無理をしないようにしました。その後、1速ギアでエンジンが壊れました。しかし、最終的にはポルシェにとって大きな収穫であったと思います」

    マーク・ウェバー(カーナンバー20)
    「全員にとって残念な結果でした。もし完走できていれば驚くべき偉業となったでしょう。レース終盤にこれほど有利な位置にいられるとは、チームの中で誰も期待していなかったと思います。ポルシェが成し遂げたことは、本当に誇るべきことです。レース中にこの位置までマシンを到達させることがどれほど困難であるか、理解できる人はあまりいません。ル・マンでリタイアすることは決して良いことではありませんが、今日の結果は、ある意味で望みうる最良のものであると思います。なぜなら私たちは予想以上に健闘し、多くのことを学んだからです。もし早めにリタイアしていれば、何も学べず辛い思いをしたでしょう。もしあと1周の時点でリタイアしていれば、よりいっそう耐え難かったでしょう。私たちは、初めてのル・マンにおいて、表彰台に限りなく近づくことができました」

  • ポルシェ、919ハイブリッドがル・マンのフロントローを獲得

    ポルシェ、919ハイブリッドがル・マンのフロントローを獲得

    ポルシェ 919ハイブリッドが、ル・マン24時間レース予選において2番手と4番手を獲得した。

    トップカテゴリーであるLMP1クラスでは、伝説的な全長13.629kmのロングコースのいたるところでポールポジションをかけた熾烈な争いが繰り広げられ、カーナンバー14のロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リーブ組は、ロマンが予選最終日で最速のラップタイム(3分22秒146)を叩き出した。

    カーナンバー20のティモ・ベルンハルト/ブレンドン・ハートレー/マーク・ウェバー組では、予選2回目でティモの記録したベストラップが、そのまま最速タイムとなった。最終予選の終了間際、ニールとブレンドンはそれぞれのマシンに乗り込んでいたが、タイムを短縮するチャンスは巡ってこなかった。コース上で発生した複数の事故を受けて、安全のためにいわゆるスローゾーンがいくつも設けられたからだ。

    ヴォルフガング・ハッツ (ポルシェAGの研究開発担当役員)
    「ル・マンでフロントローを獲得することは、予選の目標でもありました。私たちは初めての試みでそれを達成することができました。ポールポジションではありませんが、全く問題ありません。私たちが十分に速いことを証明できたからです。それでもクリアラップを得られなかったのは残念でした。決勝に向けて集中し、ミスを犯さないように努めます。私はチームを誇りに思っており、全員の成功を願っています」

    フリッツ・エンツィンガー (LMP1担当 ポルシェAG副社長)
    「私たちがル・マンでフロントローとセカンドローを獲得できたのは素晴らしいことだと思います。予想以上の結果で、予選は非常に上手くいきました」

    アレクサンダー・ヒッツィンガー (LMP1テクニカルディレクター)
    「私たちのマシンが、このコースでも競争力があることを確認できたのは良かったと思います。ポールポジションを目指してアタックする機会があれば、もっと良かったのですが。ポールポジションは手の届く範囲であったと信じています。しかし、2番手と4番手のスタートも、上出来の結果であることに間違いありません」

    アンドレア・ザイドル (LMP1チーム監督)
    「私にとって、このスターティンググリッドは驚くべき結果であり、2年間の準備が大きく報われました。外部から見れば、全てを最初から作り上げることがどれほど困難であるか想像できないでしょう。しかも、今回のル・マンの予選は油断を許さない状況で何度も中断があったにもかかわらず、うまく対処することができました。この予選結果は今、サーキットにいるチームメンバーのみならず、ヴァイザッハに戻ったメンバー達にとっても励みになる結果です」

    ロマン・デュマ (ポルシェ919ハイブリッド No.14)
    「私は全力を尽くし、常にマシンを改良してきました。まだ少しだけアンダーステアに対処しなくてはなりませんでしたが、満足しています。残念なのは、ベストラップを記録した周回において、他の車両を追い越さなくてはならなかったことです。そのために数分の1秒を無駄にしましたが、楽しく走ることができました」

    ニール・ジャニ (ポルシェ919ハイブリッド No.14)
    「2番グリッドは素晴らしい結果です。ロマンが早めに良いタイムを出してくれたおかげで、私たちにはよりチャレンジするチャンスが生まれました。しかし、最後に自由に走れなかったことは少し残念です。もっとうまくやれたと思います。第1セクターは良かったのですが、いたるところにスローゾーンがありました。私たちはポールポジションを狙っていました。それでもフロントローからスタートできることには満足すべきでしょう。今からレースのスタートが楽しみです」

    マルク・リーブ (ポルシェ919ハイブリッド No.14)
    「マシンの調子はとても良かったです。ロマンが担当した5周を走るのに使ったものと同じタイヤで走りました。私が最速タイムを記録した周回では、コース上が少し混雑していましたが、インラップは全く問題ありませんでした。マシンの感触がとても良いことに満足しています。レースへの備えは万全だと思います」

    ティモ・べルンハルト (ポルシェ919ハイブリッド No.20)
    「私にとってクリアラップが一度もなかったのは残念でした。予選3回目が始まった時、いたるところで他のコース上のマシンに対処しなくてはなりませんでした。それさえなければ、もっとラップタイムを縮めることができただけに残念です。とはいえ、十分に健闘しましたし、マシンの感触も良好です。これからはレースに集中しなくてはなりません。私たちは新たなリズムに乗れるでしょう。それを楽しみにしています。今年は既に多くの事故が発生し、そのために何度も走行が中断されたことは少し気がかりです」

    ブレンドン・ハートレー (ポルシェ919ハイブリッド No.20)
    「スローゾーンやレッドフラッグ、イエローフラッグだらけの厳しい予選でした。クリアラップを得られるかどうかは運次第で、それに恵まれなかったのが少し苛立たしく思えました。しかし、チームの立場から見れば、これは素晴らしい成果でした。LMP1クラスに復帰したポルシェがいきなり2位と4位を獲得するというのは、信じられないことです」

    マーク・ウェバー (ポルシェ919ハイブリッド No.20)
    「私は2回の計測ラップしか走っていないので、コメントすることはほとんどありません。私たちはティモのためにマシンを仕上げ、それがとても上手くいったと感じました。私がステアリングを握っていた時のコースの状態はあまり良くなく、気温も昨夜よりわずかに高めでしたが、レースに向けて万全の準備を整えています」

    関連:ル・マン24時間レース 2014:テレビ放送&ライブ配信スケジュール

  • ポルシェ、ル・マン復帰を記念した911カレラSを発売

    ポルシェ、ル・マン復帰を記念した911カレラSを発売

    ポルシェは、WEC世界耐久選手権のトップカテゴリーであるLMP1クラスへの復帰を記念し、ポルシェ エクスクルーシブによる911カレラSの「マルティーニレーシングエディション」を発売する。

    伝統的なマルティーニレーシングデザインを纏った911の限定モデルには、1970年代のレーシングカーのスタイリングが反映され、917や935「モビーディック」など、ル・マンで活躍した伝説的なポルシェのレーシングカーに対する敬意が表されている。

    911カレラS マルティーニレーシングエディションは80台限定で、欧州の一部、日本、中国、およびラテンアメリカ市場でのみ販売される。ポルシェ テクイップメントでは、ドイツとその他市場において、911モデルレンジのためにアフターマーケットキットとして「エクスクルーシブ マルティーニデカールセット」を販売する。

    ボディカラーは、ホワイトとブラックの2色。フロントフード、ルーフセクション、リアウイング、両サイドが、マルティーニの特徴的なブルーとレッドのカラーパターンによる「マルティーニレーシングデザイン」のデカールセットによって強調される。

    カップ エアロキットの専用フロントエプロンは最適化されたリップスポイラーを備えており、いっそう特徴的な外観を与え、さらに固定式リアスポイラーがスポーティなルックスを強調。”911 Carrera S – Martini Racing Edition”のモデル名が赤く浮かび上がるステンレススチール製のイルミネーテッド・ドアエントリーガードによって、乗るたびにこのモデルが特別なリミテッドエディションであることを主張する。

    インテリアパッケージには、”Martini Racing Edition”ロゴをあしらったボディカラー同色のダッシュボードアクセントが含まれているほか、スポーツデザインステアリングホイールとスポーツクロノパッケージも標準装備。また、Boseサウンドシステム、ブラックの文字盤のレブカウンター、ブラックレザーの電動スポーツシートなどの装備も標準で備わる。

    このモデルの心臓は、最高出力400PSを発生する3.8リッター水平対向6気筒エンジンで、標準の911カレラSに匹敵する動力性能をもたらす。PDK仕様車でスポーツ・プラススイッチを使用すると0−100km/h加速タイムは4.1秒となり、NEDC(新欧州サイクル)での総合燃費も8.7リッター/100km(CO2 排出量は202g/km)という優れた値を示す。

    各マーケットへの導入は、オランダ、イタリア、スペイン、ポーランド、ウクライナ、チェコ共和国、キプロス、フィンランド、イギリスでは2014年6月、中国では2014年8月、そして日本とラテンアメリカでは2014年10月以降を予定している。

    ポルシェ 911カレラS マルティーニレーシングエディション Porasche 911 Carrera S – Martini Racing Edition

  • ポルシェ919ハイブリッド:パワーユニット解説

    ポルシェ919ハイブリッド:パワーユニット解説

    ポルシェは、ポルシェ919ハイブリッドによりシルバーストンで開催されたFIA世界耐久選手権(WEC)の開幕戦で表彰台に登り、スパ・フランコルシャンではポールポジションを獲得して、スポーツカーレースのトップカテゴリーへ見事な復帰を果たした。

    新たに結成されたポルシェ ワークスチームにとっては幸先の良いスタートとなったが、ポルシェ919ハイブリッドの大胆なイノベーションを考えると、決して予測可能な結果ではなかった。

    この結果はWECとル・マンにおける新時代の到来を告げている。ポルシェ919ハイブリッドは、未来の市販車のための技術プラットフォームであり、実証試験でもある。「WECのスターティンググリッドに並ぶ他のプロトタイプには、ポルシェ919ハイブリッドほど効率的で複雑なハイブリッドシステムを備えた車はない」とポルシェは自信をみせる。

    ポルシェは、WECのトップクラスへの復帰によって重要な課題に直面している。第一に、919ハイブリッドは、スポーツカーメーカーがかつて製造した中でも最も複雑なレーシングカーであるということ。第二に、ポルシェはライバル達とは異なり、比較するための前年度の経験やデータを持ち合わせていないということだった。そして第三に、新設のLMP1レーシングチーム内において、ポルシェは自社のエンジニアでプロトタイプを開発したということ。それは、他の企業から既存のコンポーネントを購入するより遥かに困難なことだが、長期的には、より将来性のある道筋といえる。このような試みにおいて、LMP1テクニカルディレクターのアレクサンダー・ヒッツィンガーと彼のチームは、将来の市販車カスタマーにメリットをもたらすソリューションを探し出すというポルシェ伝統の経路を辿ることになる。

    最適なエネルギー変換効率(供給されるエネルギーと使用するエネルギーの間の最良の比率)の追求が、エアロダイナミクスや重量が最適化された各コンポーネントなどポルシェ919ハイブリッドのあらゆる側面に大きな影響を与えている。高度で先進性溢れるエネルギー回生システムとドライブシステムは、2つの際立った特徴となっている。WECの画期的な2014年シーズンの新しいレギュレーションは、ポルシェのスペシャリストたちに大きな裁量を与えた。周回ごとに使用可能な燃料の量が、車の性能の主な制限要因になっている。このアプローチでは、エネルギー効率が主要な要因となる。一方、ハイブリッドシステムも、LMP1-Hカテゴリーから出場するワークスカーの必要条件となる。レギュレーションの制定者は、エンジンの気筒数と最大排気量の選択とともに、回生エネルギーの貯蔵のタイプと方法をメーカーの裁量に任せた。

    ポルシェ919ハイブリッドは24時間に4,500kmを超えるエネルギーを発生
    ル・マンにおいては、周回ごとにドライバーが使用できるブーストとして供給される電気エネルギーの総量は制限される。規定では、2〜8メガジュール(MJ)までのエネルギーレベルに応じて4つのカテゴリーに分かれている。ポルシェは、ポルシェ919ハイブリッドを6メガジュールのカテゴリーで登録した。つまりこのLMP1プロトタイプは、サルトサーキットの13,629kmのロングコースにおいて、厳密に1.67kWhのエネルギーを使用できるということになる。それは実質的にどういうことを表すのだろうか?

    2013年のル・マンの覇者は348周を走破した。同じ距離から算出すると、ニューポルシェ919ハイブリッドは581.2 kWhを発生し、使用する。それは、60Wの電球を9,687時間という莫大な時間点灯させる電力に相当する。言い換えると、LMP1ポルシェ プロトタイプがル・マンのレース中に回生するエネルギーによって、フォルクスワーゲンの新しいe-Golfなど、現在販売されているコンパクトクラスの最も効率的な電気自動車で、4,576kmを走行できることになる。それは米国の東海岸から西海岸、すなわちニューヨークからロサンゼルスまでを横断できる距離にあたる。

    熱エネルギー回生における新たなベンチマークを設定
    「フロントアクスルにおける制動時の運動エネルギーの回生は、ブレーキング時にダイナミックに前方に移動する軸荷重によって大きなポテンシャルを備えるので、これを利用するシステムが論理的な展開といえました。私達は、このソリューションの選択によってリアアクスルへのKERSの適用を諦めました。自然吸気エンジンから始めるとKERSが唯一の選択肢になります。しかしターボチャージャーを使用することによって他の選択肢が生じました。私達が、ターボチャージャーによって排気ガスからエネルギーを引き出すことを選択した理由はそこにあります」とアレクサンダー・ヒッツィンガーは説明する。

    極めて革新的な排気ガスによる熱エネルギー回生を備えた、新しいル・マン・プロトタイプの複雑なハイブリッドシステムは、WECにおいては唯一ポルシェが採用している。このシステムでは、基本的にいわゆるウェイストゲートバルブの代わりに追加のタービンジェネレーターユニットを使用している。このバルブは通常、コンプレッサーの駆動に必要のない、排気ガスによる余分なエネルギーを大気中に逃す。ポルシェは、排気ガスによるこの過剰なエネルギーを利用している。すなわち、このエネルギーが、電気エネルギーを発生するジェネレーターを駆動する2つめのタービンを動かす。この新しいテクノロジーは、他のシステムでは常に失われていたエネルギーを回生する。ポルシェ919ハイブリッドは、このような排気ガスからのエネルギーの使用により、同クラスの車両において唯一、制動時だけでなく加速時にもエネルギーを回生する車となっている。両方のシステムが、電気エネルギーに変換された運動エネルギーと熱エネルギーを、水冷式リチウムイオンバッテリーに戻す。

    走行性能はそのままに、燃料消費量を30%削減
    電気エネルギーの貯蔵方法においてもポルシェは自らの方針に基づく独自の手法をとった。それは効果が少なくても簡単に利用できるシステムを採用する代わりに、将来性のあるテクノロジー、この場合は水冷式リチウムイオンバッテリーを使用すること。

    「ポルシェのエンジニアとの協力で開発されたこのノウハウは、未来のハイブリッド車にメリットを与えます」とヒッツィンガーは強調する。ヒッツィンガーは、フライホイールによる貯蔵とウルトラキャパシターとも呼ばれるスーパーキャパシターの研究も行ったが、リチウムイオンバッテリーが最高の解決策であることを見つけ出した。「しかしあくまで、高出力密度に高度な貯蔵容量を提供するために適切なセルテクノロジーが利用できる場合に限られます」と彼は付け加えている。ポルシェはこれを達成するために、パートナーのA123システムズによるバッテリーセルに信頼を置いている。

    ポルシェがエンジンのために採用したアプローチも同様に他に類がない。2リッターの排気量と直噴を備えた新開発のV型4気筒ターボエンジンは、ポルシェにとっては異型のシステムで、ダウンサイジングの先駆的な例となる。4気筒エンジンは、低重量なコンパクトサイズと構造的剛性および高出力の理想的な組み合わせ。ポルシェが選択した6-MJカテゴリーでは500PSを超えるガソエンエンジンには、ル・マンの1周に対してわずか4.78リッターの燃料消費しか許可されない。回生システムがパワフルになるほど燃料の燃焼は減少することになる。走行性能は同じにもかかわらず、エネルギーの許容量は昨年より30%減少している。

    ル・マン挑戦のための最先端テクノロジーソリューション
    FIA世界耐久選手権(WEC)の今年のカレンダーには、8つのレースが含まれる。イギリスのシルバーストンと「アルデンヌのジェットコースター」スパ・フランコルシャンの2つの6時間レースの後、待望の第3戦は、シーズンのハイライトであると同時に比類のない挑戦となる伝説のル・マン24時間。13.629kmのサルトサーキットの大半(9km)は、普段は通勤車や重量物運搬車も通行する、わだちの残る地方道を閉鎖して走る。長いストレートもル・マンの特徴。LMP1のワークスカーは、昼夜を問わず周回ごとに320km/hを超えることが数回におよび、2ヶ所のシケインでは、市街地での走行速度まで減速しなければならない。しかも周回の約70%でエンジンはフルスロットル。

    急ブレーキと長く続くパワフルな加速。ポルシェはこの特別な条件に合わせて、運動および熱エネルギー回生システムを備えた、パートタイム4WDのポルシェ919ハイブリッドを開発した。精巧なバランスのエアロダイナミクスも、ル・マンにおいてポルシェ919ハイブリッドの優位性を保つ上で決定的な役割を果たす。結果、発生するダウンフォースは、「ポルシェカーブ」などの高速コーナーで抜群のスピードをもたらす。これに対して可能な限り空気抵抗を減らすることにより、ロングストレートでは最高速度に達することができる。

    フランスのサルト県で行われるル・マン24時間の後、WECは3ヶ月のインターバルをおいてから、ヨーロッパを離れる。スケジュールには、米国(オースティン、9月20日)、日本(富士、10月12日)、中国(上海、11月2日)、バーレーン(サヒール、11月15日)、ブラジル(サンパウロ、11月30日)の5つの6時間レースが含まれる。