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  • ホンダ×エイドリアン・ニューウェイが導くアストンマーティンF1の革新計画

    ホンダ×エイドリアン・ニューウェイが導くアストンマーティンF1の革新計画

    アストンマーティンF1チームは、2026年の「ホンダ・ワークス化」に向けて大きな変革期を迎えている。

    2026年の新レギュレーション時代を見据え、同チームは新たにホンダのパワーユニットを搭載するだけでなく、F1デザイン界の巨匠エイドリアン・ニューウェイを迎え入れた。この2つの要素が融合することで、アストンマーティンは次世代F1において強力なポテンシャルを手に入れつつある。

    ニューウェイとホンダの再結成がもたらす力
    ニューウェイは、ホンダとの過去の協業で輝かしい成果を残してきた。彼が設計を手掛けたレッドブルF1マシンは、ホンダエンジンとともに6度の世界タイトルを獲得。マックス・フェルスタッペンが2021年から2024年まで4連覇を果たしたのも、このコンビの成功の象徴だ。

    現在、アストンマーティンのマネージング・テクニカル・パートナーとしてチームに加わったニューウェイは、3月の就任以来、すでに2026年仕様のマシン開発に全力を注いでいる。これにより、ホンダとの経験値を最大限に活かした「理想的なパッケージング構築」が進められている。

    アンディ・コーウェルが語る“理想的なワークス関係”
    アストンマーティンのCEO兼チーム代表アンディ・コーウェルは、ホンダとの協業についてシンガポールGP前に次のように語っている。

    「ホンダはエンジニアリング主導の組織で、アストンマーティンと非常に似ている。革新性、情熱、そして勇気にあふれている。日曜のレース後には、さくらの施設で数日を共に過ごす予定だ」

    さらにコーウェルは、ワークスチーム化による利点を強調する。

    「これまでカスタマーチームとして、パワーユニット後方の構造には口を出せなかった。しかし今後は、冷却構造、トランスミッションの統合、そしてシャシー全体とのパッケージングについて議論できる立場になる。それが非常に刺激的だ」

    ニューウェイの存在が、その変革をさらに後押ししているという。

    「彼はホンダとの経験が豊富で、どこを攻められるか、どこが限界なのかをよく理解している。それがすでに大きな助けになっている」

    2026年のF1がもたらす新時代
    2026年には、パワーユニットとシャシーの両面で大規模な技術革新が導入される。

    新PUは電動化率が2倍以上に高まり、燃料は完全合成の持続可能なバイオ燃料に切り替わる。また、シャシー面では車重が約30kg軽量化され、前後ウイングには「アクティブ・エアロ」が採用されることで、DRSは廃止される予定だ。

    タイヤはピレリ製のままだが、前輪は25mm、後輪は30mm細くなる。チームは1月26日に予定される初テストまでにマシンを完成させる必要があり、年末のクリスマス休暇を考慮すると時間的猶予は限られている。

    「多くの新技術が投入される。PU、燃料、空力、素材、トランスミッション、すべてが刷新される。だが、完走しなければポイントは得られない。そのバランスをどう取るかが重要だ」とコーウェルは語った。

    そして最後にこう付け加えた。

    「今年よりテストもレースもずっと面白くなると思う。我々はその挑戦を心から楽しみにしている」

    ニューウェイ加入の真意:アストンマーティンの再構築計画
    アストンマーティンがエイドリアン・ニューウェイを迎え入れた背景には、単なる技術面の補強にとどまらない「組織改革の意図」も見え隠れする。

    アンディ・コーウェルがチーム代表兼CEOに就任して以降、アストンマーティンは経営と技術の両輪を根本から再構築しており、ニューウェイの参画はその象徴的な一歩といえる。

    ニューウェイはチームの“マネージング・テクニカル・パートナー”という肩書を持ち、従来の「チーフデザイナー」的な立場を超え、チーム全体のテクニカル戦略を統括する役割を担う。

    これはつまり、マシン設計だけでなく、PUパートナーとの連携方針、風洞開発の方向性、素材選定、シミュレーション技術など、チーム全体の技術判断に関与するということだ。

    そのため、アストンマーティンの“ニューウェイ体制”は、従来の「レッドブル式アプローチ」をモデルにしつつも、ホンダとの緊密な共同開発という新しい枠組みを打ち立てている。

    ホンダとの再タッグが意味するもの
    ホンダにとっても、ニューウェイとの再会は大きな追い風だ。

    ホンダのF1プロジェクトは2026年に完全復帰するが、過去にニューウェイがホンダPUの特性を最大限に引き出した経験は、今後の開発で重要な指針となる。

    特に、2026年のPUは「電動化の比率が大幅に高まる」という特徴を持つ。

    MGU-K(運動エネルギー回生システム)の出力が現在の約3倍に増加し、内燃機関(ICE)のパワーとバランスを取る必要がある。この複雑なエネルギー管理において、冷却効率と車体統合の最適化は極めて重要だ。

    コーウェルが言及した「冷却構造とパワーユニットの統合議論」は、この課題を示唆している。
    そしてニューウェイは、その“車体とエンジンを一体で設計する能力”を持つ数少ないエンジニアであり、ホンダにとっても理想的なパートナーとなる。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダ F1 エイドリアン・ニューウェイ

    アストンマーティンの「2026年型マシン開発ロードマップ」
    2026年に向けて、アストンマーティンは段階的に開発フェーズを進めている。

    ■ フェーズ1(2024年冬〜2025年春)
     既存マシンのデータを基に、空力・冷却・レイアウトのベースコンセプトを確立。ニューウェイ主導でCFDシミュレーションと風洞試験を実施。

    ■ フェーズ2(2025年夏)
     ホンダPU試作機との結合テスト開始。桜の研究所(さくらの施設)とシルバーストン拠点の両方で共同解析を実施。

    ■ フェーズ3(2025年末〜2026年初頭)
     統合型シャシー+PUのファイナル仕様を完成させ、1月26日の初テストに向けて最終調整へ。

    このロードマップの中で、ホンダとアストンマーティンの共同開発は従来よりも早期に始まっており、風洞・シミュレーションのデータ共有が進んでいる点が特徴だ。これはメルセデス時代には不可能だった“本当の意味でのワークス連携”の第一歩である。

    見据える先は「ワールドチャンピオン」
    ニューウェイが加入したチームの歴史を振り返れば、その多くが数年以内にチャンピオン争いに加わっている。

    ウィリアムズ、マクラーレン、レッドブル——いずれも彼の哲学のもとで頂点を経験したチームだ。

    アストンマーティンもまた、その“ニューウェイ・サイクル”の新たな章を迎えようとしている。

    アンディ・コーウェルの経営的手腕、ホンダの技術基盤、そしてニューウェイの設計思想——この3者が結集することで、アストンマーティンは単なる挑戦者ではなく「タイトル候補」として2026年シーズンを迎えることになるだろう。

    総括:ホンダ×ニューウェイ体制は“奇跡の再現”となるか
    アストンマーティンが2026年に掲げる目標は、単なる表彰台ではない。

    ホンダとニューウェイの再結成により、チームはかつてのレッドブルと同じく“PUとシャシーが完全に調和した理想的なマシン”を手に入れる可能性がある。

    その成功の鍵は、「妥協なき協働」にある。

    ホンダの技術哲学とニューウェイの独創的な設計思想が融合すれば、2026年のF1グリッドにおいて、アストンマーティンが最も革新的な存在となることは間違いない。

    Source: planetf1.com

  • アストンマーティンF1 2026年へ本格移行 ニューウェイ×ホンダ連携が加速

    アストンマーティンF1 2026年へ本格移行 ニューウェイ×ホンダ連携が加速

    アストンマーティンF1チームは、2026年からホンダ製パワーユニットを搭載するワークスチームとして新時代を迎える。その準備が本格化する中、チームはホンダだけでなく、F1デザイン界の巨匠エイドリアン・ニューウェイという大きな戦力も手に入れた。

    ニューウェイはレッドブル時代、ホンダとの協力で圧倒的な成功を収めた張本人だ。彼の設計したマシンは、マックス・フェルスタッペンによる4年連続ドライバーズタイトル(2021〜2024年)と、レッドブルのコンストラクターズタイトル連覇(2022〜2023年)を支えた。

    現在、エイドリアン・ニューウェイはアストンマーティンのマネージング・テクニカル・パートナーとして、来季および2026年のプロジェクトに集中している。

    アストンマーティンCEO兼チーム代表のアンディ・コーウェルは、シンガポールGP前にホンダとの協業についてこう語った。

    「ホンダは素晴らしい。彼らはアストンマーティンと同じくエンジニアリング主導の組織で、革新性、情熱、そして勇気を持っている。レース後にはさくらの施設を訪問して数日間一緒に過ごす予定なんだ」

    「カスタマーチームからワークスチームへの移行は非常にエキサイティングな段階だ。これまではパワーユニットの後部構造に関して発言権がほとんどなかったが、今後は前部構造の設計や冷却、トランスミッションとの統合など、全体の議論に加わることができる」

    「3月から加わったエイドリアンの存在が大きい。彼はホンダと仕事をした経験があり、どこまで攻められるか、何をすべきでないかをよく理解している。まさに心強い存在だ」

    F1 2026年の新時代へ──軽量化と電動化の進化
    2026年のF1は、パワーユニット規定とシャシー規定が大幅に刷新される。ホンダのほか、メルセデス、フェラーリ、レッドブル、アウディが新PUメーカーとして名を連ねる。新PUは電動出力が従来の2倍以上に増え、完全持続可能なバイオ燃料を使用する内燃エンジンと組み合わせられる。

    マシン側では30kgの軽量化が予定され、DRSに代わる前後ウイングのアクティブエアロを導入。ピレリタイヤも前輪25mm、後輪30mmのナロー化が進む。各チームは2026年1月26日の初テストに向けて、クリスマス期間の作業停止を挟みながら開発を急ピッチで進めている。

    「これは全チームにとって大きな挑戦だ」とコーウェルは認める。

    「新しいパワーユニット、持続可能燃料、空力、素材、シャシー、トランスミッション──まさにクルマ全体の再設計になる。だが、我々はテスト日も開幕日も動かせない。だからこそ、できる限り革新を重ね、性能を追求している」

    「ただし、完走しなければポイントは得られない。そのバランスを常に意識している。ここ数年よりも興味深いテストとレースになるはずだ。非常に楽しみにしているよ」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダ F1

    ニューウェイ×ホンダ連携がもたらす相乗効果
    ニューウェイとホンダの再タッグは、アストンマーティンにとって技術的にも心理的にも大きなアドバンテージとなる。ホンダは過去にレッドブルと共に勝利の方程式を確立しており、その経験値を持つニューウェイの加入は、パワーユニットとシャシーの融合設計において即効性を発揮している。

    コーウェルが「自然な理解がある」と語ったように、さくらの開発陣とニューウェイの意思疎通はスムーズで、2026年に向けたシームレスな統合が進んでいる。
    2026年のF1は、技術革新の象徴的な転換点となる。アストンマーティンはその中心に立ち、ワークスチームとして真のタイトル争いに名乗りを上げようとしている。

    Source: PlanetF1

  • ホンダ スーパーGTもてぎで2026年GT500「プレリュード」を初披露デモラン

    ホンダ スーパーGTもてぎで2026年GT500「プレリュード」を初披露デモラン

    ホンダ・レーシング(HRC)は、2026年シーズンのSUPER GT GT500クラス参戦を見据え、「プレリュード」をベースに開発した新型プロトタイプマシンを初披露する。デモランは11月2日(日)にモビリティリゾートもてぎで開催される最終戦「MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL」の決勝前に実施される予定だ。

    2025年シーズンを締めくくる最終戦の舞台で、ホンダが新時代のGT500マシンとして送り出す「プレリュード」ベースのプロトタイプが初めて公の場に登場する。ファンにとっては、ホンダの新たな挑戦と進化の方向性を象徴する瞬間となりそうだ。

    「プレリュード」ベースの新型GT500プロトタイプ
    新型マシンは「PRELUDE(プレリュード)」をベースに開発されたGT500クラス用プロトタイプ。11月2日(日)決勝日の午前10時15分から10時35分にかけて、「SUPER GT Honda 2026 プロトタイプマシン デモンストレーションラン」として、モビリティリゾートもてぎのレーシングコースで一般公開デモ走行が行われる。

    2025年シーズンの最終戦に華を添えるとともに、ホンダが2026年に向けて挑む新時代のマシン開発の方向性を示す注目のプログラムとなる。

    ホンダコレクションホールでも「Honda Sound Demonstration」開催
    また、併設のホンダコレクションホールでは、SUPER GT最終戦の開催にあわせて「Honda Sound Demonstration」を実施。

    11月1日(土)は13:00と16:30、11月2日(日)は9:00と16:30に開催され、観戦チケットを持つ来場者は中庭から観覧できる。

    最終日の16:30回には元ホンダワークスドライバーの道上 龍氏がゲスト出演予定。イベントでは、HSV-010 GT(2010年)のエンジン始動や、バラードスポーツ CR-X(1983年)、プレリュード(1987年)、ビート(1991年)のデモンストレーション走行が披露される。

    ホンダの歴史を彩った名車たちとともに、来季GT500マシンのサウンドをいち早く体感できる貴重な機会となりそうだ。

    ■イベント概要
    名称:SUPER GT Honda 2026 プロトタイプマシン デモンストレーションラン

    日時:2025年11月2日(日)10:15〜10:35

    会場:モビリティリゾートもてぎ レーシングコース

    ■Honda Sound Demonstration日時:11月1日(土)13:00/16:30、11月2日(日)9:00/16:30
    会場:ホンダコレクションホール 中庭

    出演:道上 龍(11月2日16:30回のみ)

    展示車両:HSV-010 GT(2010年)、バラードスポーツ CR-X(1983年)、プレリュード(1987年)、ビート(1991年)

    Source: ホンダモビリティランド株式会社 プレスリリース

  • ホンダ 2026年スーパーGTに向けて開発中GT500車両「プレリュードGT」公開

    ホンダ 2026年スーパーGTに向けて開発中GT500車両「プレリュードGT」公開

    ホンダ・レーシング(HRC)は9月30日(火)、2026年SUPER GTシリーズに参戦するプレリュードをベースとした新型GT500マシンのプロトタイプを初公開した。10月1日(水)に初テスト走行を実施する。

    2024年から投入されたシビック・タイプR-GTは、わずか2シーズンで引退することになる。HRC(ホンダ・レーシング)広報担当者は、来季のGT500用ベースモデルについて「最終決定はまだ下されていない」と強調していた。

    ホンダは、NSXロードカーの生産終了を受け、2024年にNSX-GTから4ドアのシビックへとスイッチ。タイプRブランドのプロモーションを目的としていたが、これまでの戦績は昨年の富士スピードウェイでARTAの野尻智紀/松下信治組が挙げた1勝のみ。2025年は第3戦セパンでの2位が最高成績で、その後の富士スプリントレース2連戦では「近年最悪のレース」とチーム首脳が評する不振に陥った。

    ホンダ陣営からは、シビックのボディ形状に起因する基本的な限界が大きく、トヨタの独走を止めるにはベースモデル変更が唯一の選択肢ではないかとの声もある。現在トヨタのGRスープラは、富士スプリント2連勝を含む9連勝中と圧倒的な強さを誇る。

    HRC渡辺康治社長は今年初め、シビック投入によるマーケティング効果については肯定的に語ったが、3年目の継続については明言を避けていた。

    第6世代となる新型プレリュードは、2023年末にコンセプトカーとして初公開され、今年の東京オートサロンで「プロトタイプ」として披露。9月5日に予定され、日本での発売後、年末に北米市場、2026年に欧州市場へ投入される。

    2026年は空力開発凍結の解除に伴い、GT500の3メーカーのうちホンダだけが新型ベース車を導入する可能性が高い。トヨタは当初GRスープラの退役も噂されたが、1年延長の公算が大きく、日産はZ NISMO継続の方針で改良型を投入するとみられている。

    ホンダ プレリュード SUPER GT

  • アイルトン・セナ 自動車殿堂入り ホンダと築いたF1栄光

    アイルトン・セナ 自動車殿堂入り ホンダと築いたF1栄光

    9月25日、デトロイトで開催された自動車殿堂(Automotive Hall of Fame)の殿堂入り式典において、伝説的なF1ドライバーである故アイルトン・セナが顕彰された。自動車殿堂は、自動車産業においてモビリティと革新に永続的な影響を与えた人物を称える権威ある栄誉であり、式典ではモータースポーツへの並外れた貢献と、技術革新やクラッシュ・セーフティへの影響が改めて称えられた。

    この発表を受け、アメリカン・ホンダとホンダ・レーシング・コーポレーション(HRC)はセナの殿堂入りを祝福。セナの情熱、比類なきドライビングスキル、不屈の精神は、ホンダと共にモータースポーツ史の象徴的な瞬間を築き、今も世界中のファンやエンジニアにインスピレーションを与えていると強調した。

    式典では、セナの象徴的な1992年型マクラーレン・ホンダMP4/7 F1マシンが展示され、その功績とホンダとの永遠の絆を象徴した。

    セナの現役時代にホンダF1チームのメンバーであり、現在はHRCさくらに所属する田辺豊治も出席し、次のように語った。
    「アイルトン・セナとそのご家族に心よりお祝い申し上げます。セナが我々の創業者である本田宗一郎と藤沢武夫と共に殿堂に加わることはホンダにとって光栄です。本田宗一郎氏はセナと親しい関係にあり、この知らせをきっと喜んでくれると思います」

    アイルトン・セナ F1 ホンダ(本田技研工業)1992年型マクラーレン・ホンダMP4/7が展示され、セナの功績とホンダとの絆を象徴した

    セナのF1における輝かしい実績
    ・ワールドチャンピオン 3回(1988年、1990年、1991年)
    ・グランプリ優勝 41回
    ・ポールポジション 65回
    ・表彰台 80回
    ・モナコGP優勝 6回(歴代最多記録)

    セナは1994年5月1日、イタリアのイモラで行われたサンマリノGPで首位走行中にクラッシュし、34歳の若さでこの世を去った。

    ホンダは「セナの挑戦の精神と革新への情熱は、今も我々の原動力であり、未来へと受け継がれていく」と述べ、その遺産を誇りに感じていることを強調した。

  • 角田裕毅 ホンダRA272でメキシコGPデモ走行 ホンダF1初優勝60周年記念

    角田裕毅 ホンダRA272でメキシコGPデモ走行 ホンダF1初優勝60周年記念

    角田裕毅が、ホンダにF1初優勝をもたらした伝説のマシン「RA272」を駆り、F1メキシコGPでデモ走行を行うことが決まった。1965年にリッチー・ギンサーが勝利を挙げてから60周年を迎える節目の特別プログラムとなる。

    会場は、当時ホンダが歴史的快挙を達成したエルマノス・ロドリゲス・サーキット。日本人F1ドライバーとして角田裕毅がステアリングを握り、挑戦と栄光の歩みを象徴する走りを披露する。

    ホンダは今年、F1で初勝利を収めてから60周年を迎える。その記念の一環として、現地時間10月26日(日)にエルマノス・ロドリゲス・サーキット(メキシコシティ)で開催されるF1メキシコグランプリのプログラムにおいて、今シーズンレッドブル・レーシングから参戦している角田裕毅による、ホンダに初優勝をもたらしたマシン「Honda RA272」のデモ走行が決定した。

    1965年10月24日に開催されたF1メキシコグランプリにて、ホンダはRA272を駆ったリッチー・ギンサーにより、日本の自動車メーカーとして初めて世界最高峰の舞台で勝利を収めた。RA272はホンダがフルコンストラクターとして挑んだ2年目のF1マシンで、1.5L V12エンジンを搭載し、白地に日の丸をあしらったその姿は、日本のモータースポーツの歴史を切り拓いたシンボルともいえる。

    今回のデモ走行に向け、ホンダコレクションホール所蔵のRA272にHRCのエンジニアが特別なメンテナンスを実施。そして、ホンダがF1初勝利を収めたエルマノス・ロドリゲス・サーキットで、ホンダを代表して日本人F1ドライバーの角田裕毅がRA272をドライブする。

    ホンダは創業当初から「レースは人と技術を鍛える場」として挑戦を続けてきた。今年は7月の英国2025 Goodwood Festival of Speedおよび8月の米国Monterey Car Weekでのウィリアムズ・ホンダ FW11デモ走行、そして今回のメキシコグランプリでのRA272のデモ走行と、60年にわたる挑戦と勝利を振り返る特別プログラムを展開している。2026年からのF1参戦に向け、パワーユニット開発を進めるとともに、挑戦を通じて人と技術を磨き続け、世界中のモータースポーツファンやHondaファンに夢や感動を届けていく。

    角田裕毅
    「ホンダがF1で初めて勝利を挙げた特別な場所でRA272を再びドライブできることを光栄に思います。60年前にRA272が日本のモータースポーツの歴史を切り拓いたサーキットで自分が走らせることは、特別で感慨深い経験です。Hondaが積み重ねてきた挑戦の歴史を胸に、ファンの皆さんに夢と情熱を感じていただける走りをお見せしたいと思います」

    渡辺康治(ホンダ・レーシング 代表取締役社長)
    「1965年にHondaが初勝利を飾ったメキシコの地で、60年の時を経てRA272が再び走ることを非常にうれしく思います。そして、その歴史あるマシンを、日本を代表するF1ドライバーである角田選手がドライブすることは大きな意味を持ちます。Hondaの挑戦の歴史を振り返るとともに、これからの夢と希望をファンの皆様とわかちあえる貴重な機会になると信じています」

    角田裕毅 ホンダRA272(本田技研工業)

    ホンダの主なF1活動
    1964年-1968年 エンジン・車体を含めたオールホンダとして参戦
    1965年 メキシコグランプリで初優勝
    1983年-1992年 エンジンサプライヤーとして参戦
    1986年 ウィリアムズ・ホンダとしてコンストラクターズチャンピオンを獲得
    1987年 ウィリアムズ・ホンダとしてドライバーズチャンピオンとコンストラクターズチャンピオンのダブルタイトル獲得
    1988年-1991年 マクラーレン・ホンダとして4年連続でドライバーズチャンピオンとコンストラクターズチャンピオンのダブルタイトル獲得
    2000年-2005年 B・A・R ホンダとしてエンジン供給と車体の共同開発による参戦
    2006年-2008年 エンジン・車体を含めたオールホンダとして参戦
    2015年-2017年 パワーユニットサプライヤーとして参戦(マクラーレンに供給)
    2018年 スクーデリア・トロロッソにパワーユニット供給を開始
    2019年 レッドブル・レーシングにパワーユニット供給を開始
    2021年 レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペン選手がドライバーズチャンピオン獲得
    2021年をもってF1参戦を終了
    2022年 レッドブル・パワートレインズへHRCが技術支援を開始。レッドブル・レーシングとマックス・フェルスタッペン選手がコンストラクターズチャンピオンとドライバーズチャンピオンのダブルタイトル獲得
    2023年 2026年からのF1再参戦を発表。コンストラクターズチャンピオンとドライバーズチャンピオンのダブルタイトルを2年連続で獲得
    2024年 マックス・フェルスタッペン選手がドライバーズチャンピオン4連覇を達成

  • 2026年F1日本GP「Honda応援席」発売決定…C席に特典付きチケット

    2026年F1日本GP「Honda応援席」発売決定…C席に特典付きチケット

    2026年F1日本グランプリでは、ホンダがアストンマーティンF1チームにパワーユニットを供給し、F1に本格復帰するシーズンに合わせて、「Honda応援席」がC席に設定されることが発表された。

    観戦チケットには応援グッズが特典として付属し、ホンダを後押しするファンに向けた特別なシートとなる。

    C席は上段・中段・下段に分けられ、さらに視界に一部制限のある「アウトレットシート」も用意される。料金は以下の通り(税込)。

    ■ C席 上段
    ・大人(24歳以上):50,400円
    ・U23(高校生~23歳):25,200円
    ・子ども(小・中学生):5,000円
    ・3歳~未就学児:3,500円

    ■ C席 中段
    ・大人(24歳以上):46,000円
    ・U23:23,000円
    ・子ども:5,000円
    ・3歳~未就学児:3,500円

    ■ C席 下段
    ・大人(24歳以上):42,000円
    ・U23:21,000円
    ・子ども:5,000円
    ・3歳~未就学児:3,500円

    ■ C席 アウトレットシート
    (フェンスや柱などにより視界が一部遮られる席)
    ・大人(24歳以上):31,400円
    ・U23:15,700円
    ・子ども:5,000円
    ・3歳~未就学児:3,500円

    いずれのC席にも応援グッズが含まれるが、内容や引換日時は後日発表される予定。特典は変更となる場合もある。

    なお、10月13日(月・祝)以降に購入したC席については、アップグレードや年齢区分の変更が可能で、その期限は2026年3月25日(水)23時59分までと案内されている。

    ホンダ復帰イヤーの鈴鹿で、アストンマーティンを後押しする絶好の機会となりそうだ。

    2026年F1 日本グランプリ ホンダ

  • エイドリアン・ニューウェイ ホンダF1エンジン時代に向けて深夜も奮闘

    エイドリアン・ニューウェイ ホンダF1エンジン時代に向けて深夜も奮闘

    アストンマーティンF1の内部関係者が、デザイン界の伝説エイドリアン・ニューウェイの unusual(珍しい)習慣を明かした。

    ニューウェイは史上最高のカーデザイナーのひとりと広く見なされており、彼が設計したマシンはウィリアムズ、マクラーレン、レッドブルで通算25回のワールドチャンピオンシップを獲得してきた。

    現在66歳のニューウェイは、19年間在籍したレッドブルを離れ、今年3月からアストンマーティンのマネージング・テクニカル・パートナーに就任した。

    ニューウェイは、2026年にスポーツへ導入される新レギュレーションと、同年から搭載するホンダのワークスパワーユニットのもとで、アストンマーティンをより前方に押し上げようとしており、野心的なこのチームは将来的にタイトル争いを目指している。

    アストンマーティンのアンバサダーであるペドロ・デ・ラ・ロサは、ニューウェイがいかに懸命にシルバーストンのチームをライバルに近づけようとしているかを明かし、非常に遅い時間まで働いていることを示唆した。

    「重要なのは、エイドリアン・ニューウェイがアストンマーティンに来たのは引退するためではないということだ」とデ・ラ・ロサはポッドキャスト『Dura La Vita』で語った。

    「彼はチームの可能性を見ているからだ。ニューウェイは24時間働いているわけではない、なぜなら彼も寝るからだ。ただし、彼が眠る時間は本当にわずかだということは保証できる。そしてそれは驚くべきことだ」

    「どの日でも、どの時間でも工場に行けば、彼がオフィスにいるのを目にするだろう。いつでもだ。午前2時でさえ、僕が物を取りに行って置いてくるときにも彼はいるんだ」

    「“エイドリアン・ニューウェイ効果”は単なるマーケティングの話ではない。それは仕事の効果であり、インスピレーションの効果でもある。そしてそれは新しい世代を突き動かし、鼓舞している。誰もが彼と一緒に働き、学べることにとても興奮している」

    「ニューウェイがチームに来たのは、彼が可能性を見たからだ。風洞やCFDテストなどに何年もかかる投資があるから、その可能性は存在している。ただし、我々がそれを証明するのは2026年になる。これらすべてはきれいな言葉に過ぎないが、ひとつのライフラインが多くを物語る」

    エイドリアン・ニューウェイ ホンダ F1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

  • フェルナンド・アロンソ 2026年でF1引退?アストンマーティン・ホンダで挑戦

    フェルナンド・アロンソ 2026年でF1引退?アストンマーティン・ホンダで挑戦

    フェルナンド・アロンソは2026年シーズン限りでF1からの引退を示唆した。二度の世界王者は、契約満了を迎えるアストンマーティン・ホンダでの戦いをキャリアの区切りとするかどうかを、マシンの競争力次第で決めると語っている。

    アストンマーティンF1チームとホンダのタッグが始動する2026年は、アロンソにとってF1参戦23年目となり、2006年以来20年ぶりに王座奪還を狙う節目のシーズンとなる。新レギュレーション元年の行方が、彼のキャリアの最後を左右することになりそうだ。

    アロンソはAS.comのインタビューで「来年、自分がどう感じるか、肉体的にも精神的にもどうなのかにかかっている」と語った。

    「でも今のところははっきりとした考えはない。もしクルマがうまくいけば、2026年が最後の年になる可能性は高い」

    より競争力のあるマシンでキャリアを延ばすよりも、良い形で幕を下ろしたいかと問われると、アロンソは「そうだね」と答えた。

    「2027年や2028年の方が、今のアドリアン・ニューウェイや他のスタッフと安定したチーム体制の中で良い結果を出せる可能性は高いだろう。最初の年からうまくいくかもしれないが、2年目か3年目には必ず結果が出るはずだ」

    「ただ、自分自身のことも考えなければならない。もしクルマが悪ければ、プラスの形で終えるためにもう1年続ける可能性が高い。もしクルマが良ければ、2026年がおそらく最後の年になるだろう」

    フェルナンド・アロンソ アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダアロンソは2005年と2006年にルノーでタイトルを獲得し、ミハエル・シューマッハのF1王座独占を打ち破った

    2026年シーズンは、アロンソが最後にタイトルを獲得してから20年の節目であり、パワーユニットとシャシーの両面で大きな変更が加わる新レギュレーション元年でもある。2009年にブラウンGPやレッドブルが台頭したように、勢力図が大きく変わる可能性がある。アロンソはこの変化が自分にとって大きな動機になっていると説明した。

    「これが最後のチャンスだとわかっている。差別化要因なんだ。これまでのルール変更は単なる変更で、うまくいけばいい、チームがルールを正しく解釈して速いクルマを作れるようにと願っていただけだった」とアロンソはコメント。

    「でも今回は違う。自分が経験する最後のルール変更であり、もう一度グランプリに勝ち、良い瞬間を楽しみ、表彰台に上がり、チャンピオン争いをする最後のチャンスだからだ」

    「2026年の変化には多くの期待がかかっている。過去のルール変更よりも大きいわけでも小さいわけでもないが、自分にとっては感情的に非常に重要な変化なんだ」

  • ホンダも同意? F1 V8エンジン復活案は当初計画通り2031年を軸に進行

    ホンダも同意? F1 V8エンジン復活案は当初計画通り2031年を軸に進行

    F1で議論が続いていた「持続可能燃料で駆動するV8エンジン」復活案は、2029年導入が正式に消滅し、2031年以降に先送りされる見通しとなった。モンツァでFIA会長モハメド・ビン・スライエムがメーカー会合の中止を通知したことで、当初想定されていた妥協案の2030年導入も実現の可能性が低下。ホンダやアウディを含む大半のメーカーがコスト負担や開発リスクの観点から早期移行に消極的な姿勢を示し、F1の将来のエンジン規則は当初計画通り2031年を軸に進むことになる。

    F1のエンジンメーカーたちは、モンツァでFIA会長モハメド・ビン・スライエムが2029年のV型8気筒エンジン導入に関する会合をキャンセルしたと通知し、不意を突かれた。

    数カ月にわたり、次世代のターボハイブリッドから持続可能燃料で駆動するV8エンジンへと移行する枠組み合意をまとめようと議論が続けられてきた。そのため、最近数週間では何らかの合意に至れるのではないかという見通しがあった。

    実際、『The Race』が独占的に報じたように、ビン・スライエムは9月11日にロンドンでメーカーたちを集め、合意に向けて話を進める会合を招集していた。

    もちろん、メーカー間にはまだ意見の相違が残っていた。しかし、だからこそ全員を一堂に集め、その場で議論して解決する意味があった。

    基本的な「2.4リッターV8内燃機関」コンセプトは広く支持されていたが、多くの細かい点では見解が分かれていた。

    ターボ要素を含めるかどうかもそのひとつだった。また、すべての自動車メーカーが何らかのバッテリーハイブリッド要素は不可欠と認識していたが、その全体出力への寄与度をどの程度にするかは意見が割れていた。

    10%で良いと考える者もいれば、30%を望む者もおり、数値にあまりこだわらない者もいた。

    しかし最も論争を呼んだのは、導入時期の問題だった。

    いつ導入するのかという問題
    ビン・スライエムは2029年に新エンジンを導入することを望んでいた。そうすれば、彼が懸念する2026年からの新世代ターボハイブリッドにかかる巨額コストを3シーズンだけ負担すれば済むと考えたからだ。

    しかし、このタイムラインは大多数の自動車メーカーには支持されなかった。

    レッドブルとキャデラックはこの日付に賛成していたとされるが、他のメーカーはそうではなかった。メルセデスとフェラーリは2030年がより現実的だと理解していた。

    そしてホンダとアウディは、2030年末まで新しいターボハイブリッドを維持するという現行計画を変更することには特に関心を示していなかった。

    F1のパワーユニット・ガバナンス協定では、「抜本的」な変更──新しいエンジンの導入のようなもの──を2031年以前に行うにはメーカーの「スーパー・マジョリティ」が必要とされる。

    関係者によると、この承認を得るには4メーカーの支持が必要だった。

    決定の対象となる年によって、支持が必要な母数は2026年から参入する5社(フェラーリ、メルセデス、レッドブル、ホンダ、アウディ)のうち4社、または2029年に参入予定のキャデラックを加えた6社のうち4社ということになる。

    ホンダとアウディが強く反対し、メルセデスとフェラーリが2030年以前の導入を望まなかったため、2029年案が成立する可能性はなかった。

    しかし、2030年であれば不可能ではなかった。フェラーリ、メルセデス、レッドブル、キャデラックがそのタイムラインを支持すれば、理論的には合意に進むことができ、さらにホンダかアウディのいずれかを説得できる可能性もあった。

    だが、ロンドン会合を利用して2030年での妥協に向かう余地があったにもかかわらず、ビン・スライエムはすべてを中止した。

    彼の視点では、2029年に変更が支持されないことが明らかになった以上、ロンドン会合を行う意味がなかった。

    しかし驚くべきことに、チームに送られた通知では「2029年が消えた以上、次は2030年の準備」という話にはならなかった。焦点は2031年に向けたルール作りに移るとされたのだ。

    つまり、当初の計画通り、新しいターボハイブリッド規則の5年間を全うすることになる。

    感情か、それとも理性か?

    「2029年か、さもなくば2031年」という姿勢は、なぜこうした判断が下されたのかとメーカーたちの間に興味を呼んだ。

    これは、巨額コストを回避することにメーカーが関心を示さないことに対するビン・スライエムの苛立ちが噴出したものなのか。彼は以前、よりシンプルで安価なV8エンジン構想について「彼らは受け入れなければならない、だってそれが常識だからだ」と語っていた。

    それとも、より論理的で現実的な理由があったのか。

    上層部の情報筋によれば、「2029年か2031年か」という判断は感情的反応ではなく、メーカーが直面している状況を踏まえた現実的な判断だったという。

    2029年に変更すれば、新ターボハイブリッドにかかるコストを2年間分節約できる。しかし2030年に変更した場合は、わずか1シーズンしか恩恵がなく、拙速すぎると見なされたのだ。

    ある情報筋は『The Race』に「たった1年のために本当にそれをやる価値があったのか?」と語った。

    2029年末までに新しいエンジン技術(特にバッテリー)が成熟し、財政的効率性がシステムに根付くと期待されている。そのため、1シーズンだけのルール改訂では大きな利益が得られず、2031年からしっかりと導入する方が合理的と判断された。

    さらに、メーカーたちがビン・スライエムに返した反応の中で、「世界は変わった」という認識が広がっていた。

    米国大統領ドナルド・トランプによる関税、各国政府によるEV政策の揺れ、中国経済の減速がメーカーの財務に重くのしかかった。

    その結果、F1参戦メーカーたちは、ターボハイブリッドとV8の二重開発プロジェクトに資金を投じる意欲を持たなくなった。

    メルセデス代表トト・ヴォルフは「ほとんどのOEM(自動車メーカー)は『2年以内に新エンジンを開発しなければならない二重コストプログラムは望まない』と言っている。我々も同じだ」と『The Race』に語った。

    F1 V型8気筒 エンジン / ホンダ(本田技研工業)

    適切なタイミングを選ぶ
    一部メーカーが表明していた懸念は、V8移行を急ぎすぎているという感覚だった。

    将来のエンジンロードマップは、時間をかけて適切に検討すべき問題だと多くが考えていた。

    2029年変更案を終わらせたことにより、メーカーが財務状況やF1で何を望むのかをじっくり考える余地が生まれた。

    また、2026年規則で犯した失敗を避けられる。

    翌年導入される規則については、完璧ではないエンジンルールを作ってしまったことで、シャシー規則を妥協せざるを得ない状況に陥り、不確実性を招いた。

    エネルギー回生やエネルギー投入がレースに与える影響には依然として疑問があり、可動式エアロの全面導入も結局はエンジン出力不足を補うための応急処置にすぎない。

    したがって一部メーカーからすれば、V8+ハイブリッドという新規則を急いで決定するのは理想的ではなかった。

    むしろ、F1の車両がどうあるべきかについて総合的な議論を行うべきだと考えている。重量、寸法、パワーウェイト比、どのようなレースをF1が目指すのか。そして、顧客チームのコストなど、メーカーにとって重要な課題も含まれる。

    こうした答えは、数時間のロンドン会議から生まれるものではなく、関係者を交えて数カ月にわたる詳細な議論からしか得られない。

    V8の次のステップ
    2029年のV8移行案は完全に消えたが、その後の状況はまだ明確ではない。

    現在の計画は、2031年に向けて正しい手順を検討する作業を続けることだ。FIA、FOM、メーカーは今後数カ月間協議を続け、このプロセスを前進させる。

    理論的にはFIAが2031年以降のルールを独自に定めることも可能だが、そうすればメーカーが好まない道をF1が進むリスクを伴う。

    したがって、すべての当事者が合意し、受け入れられる形でルールをまとめる方が理にかなっている。

    「V8+ハイブリッド+持続可能燃料」という構想自体は、大多数が受け入れられる案として残っている。

    ただし、2030年が完全に消えたわけではない。2026年規則がどのような結果をもたらすか次第である。

    もし懸念されるような大失敗にはならなければ、2031年以前に変更する可能性はほぼ消えるだろう。

    だが、もし問題が起こり、レースやコスト、技術面で規則があまりにマイナスに作用する場合は、2030年が再び俎上に載る可能性がある。

    イタリアGPでこの件について語ったヴォルフは、F1の将来に向けた大まかな方向性は定まったと述べた。ただし、要素を確定し、最終パッケージをまとめるにはまだ時間が必要だとした。

    「最終的にV8が最良の妥協点だった。高回転で回る自然吸気、依然として性能差を生むエネルギー回生システム、持続可能燃料──そのすべては一致している。

    今はモハメド(ビン・スライエム)、ステファノ(ドメニカリ)と対話し、『今後どうするか?』をメーカー全員で話し合う段階だ。

    利害の一致があると思う。我々がしている会話は非常にバランスが取れていて、理性的だ」

    F1の過去を彩ったV8は、未来においてもその中心となりそうだ。ただし、それは当初望まれていた2029年ではなく、2031年以降になる見通しである。