2019年のF1世界選手権 第13戦 ベルギーGPの決勝が9月1日(日)にスパ・フランコルシャンで行われ、シャルル・ルクレール(フェラ-リ)がポール・トゥ・ウィンでF1初優勝。フェラーリに今季初勝利をもたらした。
サマーブレイク期間が明けて、ベルギーで後半戦がスタート。開催地は、伝統のスパ・フランコルシャン。カレンダー中随一の全長を持つサーキットは、全開率の高さに加え、“オー・ルージュ”に代表される激しい高低差もあり、一瞬たりとも気の抜けないコースとなる。
ピレリは、高速のスパ・フランコルシャンにC1(ハード/ホワイト)、C2(ミディアム/イエロー)、C3(ソフト/レッド)という最も硬いコンパウンドが配分される。
パワーが求められる上に全長の長いサーキットだけにエネルギーマネジメントも重要でシーズンの中でも調整の難しい戦いになる。そのため、今回のF1ベルギーGPでは、全メーカーがエンジンアップグレードを投入。フェラーリ勢のみが夏休み前のエンジンでレースに週末に挑んでいる。
決勝前には、土曜日のFIA F2のレースでの事故で命を落としたアントワーヌ・ユベールに1分間の黙祷が捧げられた。
日曜日のスパ・フランコルシャンは曇り空となり、気温16.8度、路面温度27.2度と金曜日の同時間帯に各チームがロングランを行ったときより路面温度が10度以上低いコンディションでスタートを迎えた。
レースはスタートから波乱。5番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がスタートで出遅れてキミ・ライコネン(アルファロメオ)と接触。走行を続けるもオー・ルージュで左フロントサスペンションが壊れてタイヤバリアにクラッシュ。セーフティカーが導入される。
ポールポジションからスタートしたシャルル・ルクレールは、第1スティントでメルセデスをカバーした戦略によってタイヤ交換後はチームメイトのセバスチャン・ベッテルの後ろで復帰するも、ペースはベッテルより速くフェラーリはチームオーダー発令して前に出す。終盤はタイヤに苦しみ、ルイス・ハミルトン(メルセデス)の猛追を受けるも、0.981秒差で逃げ切って待望の今季初勝利。表彰台に初めてモナコ国家が流れた。前日に事故死したアントワーヌ・ユベールは同じ年でジュニア時代から戦ってきた仲間。ユベールに捧げる感傷的なF1初勝利となった。
2位にはルイス・ハミルトン、3位にはバルテリ・ボッタスとメルセデスがダブル表彰台を達成。表彰台ではユベールに敬意を表し、シャンパンファイトは行わなかった。
4位はセバスチャン・ベッテル。そして、5位にはレッドブル・ホンダのアレクサンダー・アルボンが入った。17番グリッドからミディアムタイヤでスタートしたアルボンは両方のスティントでオーバーテイクを連発。自身に代わってトロロッソに降格したピエール・ガスリー、元チームメイトのダニール・クビアトを次々と攻略し、最終ラップではセルジオ・ペレス(レーシングポイント)をコースに2輪を落としながらも力づくでオーバーテイク。5位でチェッカーを受けた(ペレスとの件は審議中)。レース前に「ポイントが主な目標だ。例えば、レーシングポイントなど速いクルマが何台かいるので簡単ではないだろう」と語っていたが、見事にレーシングポイントを抜いて有言実行を果たした。
6位にはセルジオ・ペレス(レーシングポイント)、7位にはダニールクビアト(トロロッソ)、8位にはニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)、9位にはピエール・ガスリー(トロロッソ)、10位にはランス・ストロール(レーシングポイント)が入った。ホンダF1エンジン勢は3台が入賞となった。
ファイナルラップでは他にも波乱があった。入賞圏内の9番手を走行していたアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)がクラッシュ。そして、5番手を走行していたランド・ノリス(マクラーレン)がスローダウン。なんとかチェッカーは横切ったが11番手まで順位を下げた。
次戦は連戦となり来週末にモンツァでイタリアGPが開催される。
2019年 第13戦 F1ベルギーGP 結果
【レース展開】
ジョージ・ラッセル、アレクサンダー・アルボン、アントニオ・ジョビナッツィ、ダニール・クビアト、ロバート・クビサがミディアムタイヤを選択。
ホールショットを奪ったのはポールポジションのシャルル・ルクレール。3番グリッドのルイス・ハミルトンがセバスチャン・ベッテルを抜くが、ストレートで抜き返され、上位4台はグリッド順で後半セクターへ。
後方ではマックス・フェルスタッペンがスタートで出遅れて1コーナーでキミ・ライコネン(アルファロメオ)と接触。走行を続けたが、オー・ルージュの途中で左サスペンションが壊れてタイヤバリアにクラッシュ。フェルスタッペに怪我はなかったが、レースはセーフティカーが導入される。この間に接触のあったマシン勢はピットに入る。
セーフティカー中、スタートで大きく出遅れていたカルロス・サインツがエスケープゾーンでマシンを停めてリタイア。4周を終えた時点でセーフティカーが退いてレースは再開。シャルル・ルクレールが後続をDRS圏外へと引き離していく。11番グリッドのランド・ノリスが5番手まで順位を上げている。
シャルル・ルクレールがファステストラップを連発してセバスチャン・ベッテルとの差を3秒まで広げる一方で、ルイス・ハミルトンが1秒近くまで差を詰めていく。
10周目にニコ・ヒュルケンベルグがミディアムタイヤに交換。14周目に8番手まで順位を上げていたピエール・ガスリーがミディアムタイヤに交換。17番手でコースに復帰する。
16周目に2番手でタイヤに苦しんでいたセバスチャン・ベッテルがミディアムタイヤに交換して4番手でコースに復帰。ルイス・ハミルトンがペースを上げる。セルジオ・ペレスなどもピットに入り、1回目のタイヤ交換がスタートする。
20周目に5番手を走行していたランド・ノリスがミディアムに交換。7番手で復帰するもすぐに6番手までアップする。
21周目にトップを走行したシャルル・ルクレールがピットイン。ベッテルの後ろでコースに復帰する。22周目にはルイス・ハミルトンがピットイン。ルクレールの後ろでコースに復帰する。さらに翌周にはバルテリ・ボッタスがピットインしてハミルトンの後ろで復帰。1.ベッテル、2.ルクレール、3.ハミルトン、4.ボッタスの順となる。
23周目には8番手まで順位を上げていたアレクサンダー・アルボンもピットン。ミディアムからソフトに交換して14番手で復帰。翌周には6番手を走行していたダニール・クビアトが同じくソフトに交換してして13番手で復帰する。
27周目、フェラーリがチームオーダーでペースの速いシャルル・ルクレールをセバスチャン・ベッテルの前に出す。ルイス・ハミルトンがDRS圏内に入ってプレッシャーをかける。
32周目、ルイス・ハミルトンがセバスチャン・ベッテルを抜いて2番手に浮上する。残り12周でトップのシャルル・ルクレールとの差は6秒。
33周目、アレクサンダー・アルボンがピエール・ガスリーを抜いてポイント圏内の10番手に浮上。9番手のダニール・クビアトのDRS圏内に入る。
34周目、バルテリ・ボッタスがセバスチャン・ベッテルを抜いて3位に浮上。
35周目、クビアト、アルボンがダニエル・リカルドを抜いて7番手と8番手に浮上する。
37周目、アレクサンダー・アルボンがダニール・クビアトを抜いて7番手に浮上する。
フィナルラップ、アントニオ・ジョビナッツイがクラッシュ。ルイス・ハミルトンがシャルル・ルクレールのDRS圏内まで追い詰めるもルクレールが逃げ切って初優勝。フェラーリに今季初優勝をもたらした。