タグ: フォーミュラE

  • アンドレッティ・フォーミュラE 東京E-Prixでリバティーウォーク特別カラーを披露

    アンドレッティ・フォーミュラE 東京E-Prixでリバティーウォーク特別カラーを披露

    アンドレッティ・フォーミュラEは、2026年7月25日・26日に開催される2026 TDK東京E-Prixに向け、日本を代表するカーカルチャーブランド「リバティーウォーク(Liberty Walk)」とのコラボレーションによる特別カラーリングを公開した。

    フォーミュラE史上初となる東京ナイトレース・ダブルヘッダーに合わせて投入されるスペシャルリバリーは、クロームを基調に鮮やかなブルーを組み合わせたデザインとなっており、日本のカーカルチャーへのオマージュが込められている。

    東京ナイトレースを彩る特別デザイン
    今回の特別カラーリングは、2023年フォーミュラE世界王者ジェイク・デニスが駆る27号車と、フェリペ・ドルゴヴィッチの28号車に採用される。

    リバティーウォークを象徴する「LB-Works GT-R」や「Skyline Silhouette」から着想を得たデザインで、クロームのボディにブルーのアクセント、漢字を取り入れたグラフィック、リバティーウォークのロゴを融合。フォーミュラEの先進性と日本のカーカルチャーを表現している。

    夜間開催となる東京E-Prixでは、東京ベイの夜景を背景にクロームのボディが一層際立つ演出となる。

    カラーリングだけでなく、デニスとドルゴヴィッチは特別デザインのレーシングスーツを着用。チームスタッフもリバティーウォークの世界観を取り入れた特別仕様のウェアでレースウィークに臨む。

    アンドレッティ フォーミュラEアンドレッティ フォーミュラE 東京E-Prix

    原宿でファンイベントも開催
    レースウィークに先立ち、7月22日(水)にはリバティーウォーク原宿店でファンイベントを開催する。

    デニスとドルゴヴィッチは、今回のカラーリングをイメージしたクローム&ブルー仕様の日産 スカイラインGT-R(R34)で来場。GEN3 Evoマシンとともに展示される予定だ。

    イベントにはリバティーウォーク創設者の加藤渉氏も参加し、今回のコラボレーションを記念した限定Tシャツやキーホルダー、ダイキャストモデルカーを販売。来場者はドライバーや加藤氏との交流を楽しめるほか、フォーミュラEマシンとリバティーウォーク仕様のロードカーを間近で見ることができる。

    2026 TDK東京E-Prixは、シリーズ3年連続の日本開催となり、フォーミュラE史上初の東京ナイトレース・ダブルヘッダーとして、東京ビッグサイト周辺の市街地コースで7月25日と26日に開催される。

    ロジャー・グリフィス(アンドレッティ・フォーミュラE チーム代表)
    「二つの象徴的なブランドが協力して、本当にユニークなものを生み出せる機会はそう多くありません。だからこそ、今週東京で皆さんにお披露目できることをとても楽しみにしています。昨年東京を訪れた際、アンドレッティ・フォーミュラEとリバティーウォークの車好き同士の会話から始まった今回のコラボレーションは、日本全国に広がるカーカルチャーと情熱を称えるものです。加藤氏とリバティーウォークのチームは、世界で最も認知度の高いカーカルチャーブランドの一つを築き上げ、その影響力はチューニングカーの世界をはるかに超えています。このパートナーシップの中心にあるのは、自動車技術への情熱を通じて、レースファン、カーカルチャー、ファッション、ライフスタイルをひとつにつなぐことです。そして、それを実現するのに東京ほどふさわしい場所はありません。今週、その全貌を皆さんと共有できることを楽しみにしています」

    加藤 渉(リバティーウォーク創設者)
    「リバティーウォークでは、常に車への情熱を表現する新しい方法と、世界中の車好きとつながる方法を追求しています。アンドレッティ・フォーミュラEチームとのコラボレーションによって、モータースポーツ最先端のレースカーの一台に、私たちらしいスタイルを取り入れることができました。この特別なプロジェクトで、アンドレッティのような歴史と伝統を持つブランドとパートナーシップを結べたことを誇りに思います。日本は私たちのホームであり、その日本で開催されるフォーミュラE史上初のナイトレースに参加できることは、このコラボレーションをさらに特別なものにしています。私たちが共に創り上げた『アンドレッティ・リバティーウォーク・エディション』をファンの皆さんに見ていただけることを楽しみにしています」

    エリー・ノーマン(フォーミュラE チーフ・マーケティング・オフィサー)
    「フォーミュラEは、常にモータースポーツの可能性を押し広げることを目指しています。アンドレッティとリバティーウォークのパートナーシップは、その革新的な精神を見事に体現しています。アンドレッティは、この選手権を特別なものにしている要素、すなわち優れたレースと歴史あるオートモーティブ・ライフスタイルを融合させ、次世代のファンとつながる姿勢を象徴しています。東京で初めて開催されるナイトレースで、この印象的なクロームとブルーのマシンが走行し、さらに日本の若者文化の中心地でファンイベントを開催することは、フォーミュラEが世界の主要都市にもたらしたい興奮と文化的な共鳴を完璧に表現するものです。」

    フォーミュラE アンドレッティ

  • フォーミュラE シトロエン代表シリル・ブレイが43歳で死去 東京E-Prixで追悼

    フォーミュラE シトロエン代表シリル・ブレイが43歳で死去 東京E-Prixで追悼

    シトロエン・レーシング・フォーミュラEチームの代表を務めるシリル・ブレイが、43歳で死去した。フォーミュラEとシトロエンが7月20日(月)に訃報を発表した。

    ブレイはフォーミュラEでエンジニア、技術責任者、チーム代表を歴任し、パドック内で高い評価を受けてきた人物だった。シトロエンは今週末の東京E-Prixに出場し、チームとフォーミュラE全体でその功績をたたえる追悼を行う。

    シトロエンFEを率いたシリル・ブレイが死去
    シリル・ブレイの死去は、シーズン第14戦と第15戦が行われる東京E-Prixを数日後に控えたタイミングで発表された。

    フランス出身のブレイは、現在ニック・キャシディとジャン・エリック・ベルニュを擁するシトロエン・レーシング・フォーミュラEチームのチーム代表を務めていた。

    チーム運営を率いる一方で、次世代マシン「Gen4」の導入に向けた準備にも深く関わっていたとされる。

    シトロエン・フォーミュラEディレクターのベス・パレッタは、ブレイの死を受けて次のようにコメントした。

    「シリルを失ったことを、チーム全員が深く悲しんでいる。チームの多くのメンバーが、何年にもわたって彼を知り、ともに仕事をしてきた。彼の家族、友人、そしてパドックの仲間たちに心からお悔やみを申し上げる」

    「シリルはこのチームを心から信じていた。彼の家族の意向を尊重し、彼が私たちに植え付けた献身と情熱を持って戦い続けることで、彼を最善の形でたたえていく」

    F3からF2を経てフォーミュラEへ
    ブレイのモータースポーツでのキャリアは、2007年にマノー・モータースポーツでF3のレースエンジニアを務めたことから始まった。

    2012年にはアーデン・モータースポーツへ移籍。GP3のチーフレースエンジニアからフォーミュラ・ルノー3.5のチーフレースエンジニアへと昇進し、最終的には同チームのF2およびF3プログラムのテクニカルディレクターを務めた。

    2019年にマヒンドラのレースエンジニアとしてフォーミュラEへ参戦。その後、現在のシトロエンにつながるモナコ拠点のチームへ移籍した。

    シーズン8を前に、当時ベンチュリとして参戦していたチームでルーカス・ディ・グラッシのレースエンジニアに就任。その後、チームがマセラティへ移行すると、2シーズンにわたってマキシミリアン・ギュンターを担当した。

    シーズン10を前にチーフエンジニアへ昇格し、その後すぐに副チーム代表に就任。さらにチーム代表へ抜てきされ、マセラティがシトロエンへ移行した後もその役職を務めていた。

    フォーミュラEの「エンジニア・オブ・ザ・イヤー」に選出された経験もあり、技術面だけでなく、チームをまとめるリーダーとしても高く評価されていた。

    東京E-Prixで功績とレガシーを追悼
    フォーミュラEのジェフ・ドッズCEOも声明を発表し、ブレイの死をシリーズ全体にとって大きな損失だと表現した。

    「同僚であり友人でもあったシリルを失い、私たちは深い悲しみに包まれている。彼の家族、愛する人々、そして彼を知るすべての人に、心から哀悼の意を表する」

    「シリルの死は、彼の家族、MSG、シトロエン・レーシング、そしてフォーミュラEコミュニティ全体にとって壊滅的な損失だ」

    「私たちは並外れた同僚を失い、多くの者が友人と呼ぶことを誇りに思っていた人物を失った。フォーミュラEのパドック全体が、この非常に困難な時期を支え合っている」

    「彼がこのスポーツに残した多大な貢献をたたえるため、シトロエン・レーシング・フォーミュラEチームとフォーミュラEコミュニティは、今週末の東京E-Prixでシリルの記憶と素晴らしいレガシーに追悼を捧げる」

    シトロエンは深い悲しみのなかで東京E-Prixに臨むことになる。チームはブレイが注ぎ込んだ情熱と献身を受け継ぎ、その記憶とともに日本でのレースを戦う。

  • ローラ・ヤマハABT フォーミュラE初優勝 ディ・グラッシが17番手から大逆転

    ローラ・ヤマハABT フォーミュラE初優勝 ディ・グラッシが17番手から大逆転

    ルーカス・ディ・グラッシが、2026年フォーミュラE第13戦上海E-Prixで劇的な逆転勝利を挙げ、ローラ・ヤマハABTにとって参戦初優勝をもたらした。

    17番手スタートから天候変化と戦略を味方につけたディ・グラッシは、終盤のアタックモードを最大限に活用。最終ラップでジャン・エリック・ベルニュを逆転し、自身にとって約4年ぶりの勝利を飾った。一方、選手権首位だったミッチ・エバンスはマシントラブルで決勝をスタートできず、タイトル争いにも大きな変化が生まれた。

    雨を読む戦略が勝敗を分ける
    レースはウエットコンディションでスタートし、セーフティカー先導の数周を経て本格的なバトルが始まった。

    各チームの戦略は大きく二手に分かれた。序盤にアタックモードを消化するグループと、エネルギーを温存しながら終盤までアタックモードを残すグループである。

    さらに一部のチームは、雨が止むことを見越してドライ寄りのセットアップやタイヤ内圧を選択。その判断が結果的に的中し、レース終盤で大きなアドバンテージとなった。

    終盤のアタックモードで大逆転
    レース前半はポルシェ勢が優勢だった。パスカル・ウェーレインとニコ・ミューラーが先頭を争い、アンドレッティのフェリペ・ドルゴヴィッチ、ジェイク・デニスが続く展開となる。

    しかし終盤になると、17番手、18番手、19番手からスタートしたジョエル・エリクソン、ジャン・エリック・ベルニュ、ディ・グラッシが優勝争いへ浮上した。

    残り3周では、チームメイトのゼイン・マロニーがピットストレートでサスペンション破損によりストップし、フルコースイエローが導入される。

    レース再開時点でディ・グラッシだけがアタックモードを1回残しており、この追加パワーを武器に最終ラップでベルニュをオーバーテイク。劇的な逆転勝利を決めた。

    この勝利はディ・グラッシにとって約4年ぶり、そしてシーズン限りでの引退を表明しているベテランにとって現役最後となる可能性が高い白星となった。同時に、ローラ・ヤマハABTにとってもフォーミュラE初優勝となった。

    ランキング首位交代でタイトル争いも激化
    ベルニュが2位、エリクソンが3位で表彰台を獲得した。

    4位でフィニッシュしたウェーレインは、マシントラブルにより決勝をスタートできなかったジャガーのミッチ・エバンスを逆転し、ドライバーズランキング首位に浮上した。ジャガーによると、エバンスの欠場は共通部品(スペックパーツ)のトラブルが原因だったという。

    第13戦終了時点のランキングは、ウェーレインが141ポイントで首位、エバンスが132ポイントで2位。3位には114ポイントのオリバー・ローランド、4位に111ポイントのアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ、5位に109ポイントのジェイク・デニス、6位に103ポイントのエドアルド・モルタラが続いている。

    2026年フォーミュラE 第13戦 上海E-Prix 決勝結果
    1位 ルーカス・ディ・グラッシ(ローラ・ヤマハABT)
    2位 ジャン・エリック・ベルニュ(シトロエン) +0.565秒
    3位 ジョエル・エリクソン(エンビジョン) +2.903秒
    4位 パスカル・ウェーレイン(ポルシェ) +11.093秒
    5位 セバスチャン・ブエミ(エンビジョン) +17.373秒
    6位 フェリペ・ドルゴヴィッチ(アンドレッティ) +19.651秒
    7位 ニコ・ミューラー(ポルシェ) +22.456秒
    8位 オリバー・ローランド(日産) +22.539秒
    9位 テイラー・バーナード(DSペンスキー) +22.690秒
    10位 ダン・ティクトゥム(キロ) +23.685秒
    11位 マキシミリアン・ギュンター(DSペンスキー) +24.248秒
    12位 ペペ・マルティ(キロ) +24.362秒
    13位 ジェイク・デニス(アンドレッティ) +26.722秒
    14位 アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(ジャガー) +26.934秒
    15位 ニック・キャシディ(シトロエン) +27.138秒
    16位 エドアルド・モルタラ(マヒンドラ) +29.960秒
    17位 ノーマン・ナト(日産) +31.309秒
    18位 ニック・デ・フリース(マヒンドラ) +52.032秒
    リタイア ゼイン・マロニー(ローラ・ヤマハABT)
    DNS ミッチ・エバンス(ジャガー)

    ディ・グラッシの逆転優勝は、変わりゆく路面状況を見極めた戦略と終盤まで温存したアタックモードが勝因となった。また、ローラ・ヤマハABTに初勝利をもたらしただけでなく、ウェーレインのランキング首位浮上によって2026年フォーミュラEのタイトル争いも一段と激しさを増す結果となった。

  • フォーミュラE 2026-27年カレンダー発表 史上最多21戦で東京が最終戦

    フォーミュラE 2026-27年カレンダー発表 史上最多21戦で東京が最終戦

    フォーミュラEとFIAは23日、2026-27シーズンのABB FIAフォーミュラE世界選手権の暫定カレンダーを発表した。FIA世界モータースポーツ評議会(WMSC)の承認を経て公開された新カレンダーは、シリーズ史上最多となる13都市・21レースで構成される。

    2026-27シーズンは、新世代マシン「GEN4」のデビューイヤーとなるだけでなく、アメリカのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)、オランダのザントフォールト、そしてロンドンE-Prixの新開催地となるブランズハッチが加わるなど、大幅な拡大が図られた。

    GEN4に合わせてサーキット開催を拡大
    GEN4マシンは最大600kW(約815馬力)を発生し、全走行フェーズで四輪駆動を採用するフォーミュラE史上最速のマシンとなる。その性能向上に対応するため、従来の市街地コース中心の構成から、常設サーキットを活用する方向へと舵が切られた。

    新たに加わるCOTA、ザントフォールト、ブランズハッチはいずれも世界的に知られるモータースポーツの名門コースであり、GEN4の高速性能を最大限に引き出す舞台として選ばれた。

    一方で、東京、モナコ、ベルリン、ジェッダなど従来の市街地イベントも維持されており、フォーミュラEは都市中心部でのレース開催というアイデンティティを残している。

    史上最多21戦で争われる新シーズン
    2026-27シーズンは2026年12月18~19日にサウジアラビア・ジェッダで開幕。シリーズ初となるナイトレースでの開幕戦となる。

    その後はメキシコシティ、オースティン、マイアミ、サンパウロとアメリカ大陸を転戦し、4月に中国・三亜でアジアラウンドを開催。5月からはベルリン、モナコ、ロンドン、ザントフォールト、マドリードと欧州ラウンドが続く。

    シーズン終盤は上海と東京でダブルヘッダーを実施し、2027年7月25日の東京E-Prixで初年度GEN4王者が決定する予定だ。

    ■ 2026-27年フォーミュラEカレンダー

    1-2戦:ジェッダ(12月18-19日)

    3戦:メキシコシティ(1月16日)

    4戦:オースティン(2月6日)

    5戦:マイアミ(2月20日)

    6戦:サンパウロ(3月13日)

    7戦:三亜(4月17日)

    8-9戦:ベルリン(5月8-9日)

    10-11戦:モナコ(5月15-16日)

    12-13戦:ロンドン/ブランズハッチ(5月29-30日)

    14-15戦:ザントフォールト(6月18-19日)

    16-17戦:マドリード(6月26-27日)

    18-19戦:上海(7月10-11日)

    20-21戦:東京(7月24-25日)

    新フォーマット「E-Prix Unleashed」導入
    GEN4時代のスタートに合わせて、フォーミュラEはダブルヘッダー週末に新たなレースフォーマットを導入する。

    従来型の「E-Prix」に加え、「E-Prix Unleashed」と呼ばれる30分間のスプリントレースを実施。GEN4の性能を最大限に引き出すことを目的としている。

    従来のE-Prixでは45分レース、低ダウンフォース仕様、8分間のアタックモード、そしてPIT BOOSTが義務付けられる。

    一方のE-Prix Unleashedでは高ダウンフォース仕様を採用し、6分間のアタックモードを使用。PIT BOOSTは行われず、より純粋なスピード勝負が展開される。

    メーカー参戦も拡大
    GEN4時代の開幕に合わせて、ドイツの名門オペルがフォーミュラEへ新規参戦することも正式発表された。

    オペルはジャガー、日産、シトロエン、ローラ、マヒンドラ、ポルシェなど既存メーカー勢に加わり、電動モータースポーツの最高峰で競うことになる。

    またポルシェは来季もワークス2チームに加えてカスタマーチームへの供給を継続予定で、メーカー間競争はこれまで以上に激化する見通しだ。

    なぜ重要なのか
    GEN4時代の開幕は、フォーミュラEにとってシリーズ創設以来最大級の転換点となる。

    史上最多21戦への拡大、新たなサーキット開催、新レースフォーマット導入、そしてGEN4マシンの投入によって、フォーミュラEは「都市型EVレース」から「世界規模のトップカテゴリー」へと進化を目指している。

    特に東京がシーズン最終戦として設定されたことは、日本市場に対するシリーズの期待の大きさを示すものであり、2027年7月にはGEN4初代王者決定の舞台として世界的な注目を集めることになりそうだ。

  • BYDのF1接近にも強気 フォーミュラE CEO「中国メーカーはBYDだけではない」

    BYDのF1接近にも強気 フォーミュラE CEO「中国メーカーはBYDだけではない」

    中国のEV大手BYDによるF1参入への関心が高まるなか、フォーミュラEは冷静な姿勢を崩していない。フォーミュラE CEOのジェフ・ドッズは、BYDがF1を選択したとしても「フラストレーションはない」と語った。

    さらにドッズは、中国メーカー獲得の可能性をBYDだけに限定していないことも強調。中国市場を重視するフォーミュラEだが、他にも有力なメーカー候補が存在するとの認識を示した。

    BYDのF1接近が鮮明に
    BYDは近年、モータースポーツへの本格参入を模索しているとみられている。当初はフォーミュラEへの参戦が有力視されており、今年のメキシコシティE-Prix開催週には関連イベントも実施された。

    しかしここ数か月で状況は変化している。BYD副社長のステラ・リーはF1 CEOのステファノ・ドメニカリと会談を行い、モナコGPのパドックにも姿を見せた。また、レッドブル元代表のクリスチャン・ホーナーとも協議を行ったと報じられている。

    こうした動きから、BYDがF1参入の可能性を真剣に検討しているとの見方が強まっている。

    フォーミュラE CEO「フラストレーションはない」
    BYDは長らくフォーミュラEにとって最も有力な中国メーカー候補のひとつと考えられてきた。しかしドッズCEOは、仮にBYDがF1を選択したとしても気にしていないと語る。

    RacingNews365のインタビューでドッズは次のように説明した。

    「僕がフラストレーションを感じるのは、自分でコントロールできることだけだ。そしてBYDがフォーミュラEに参戦するかどうかは、僕がコントロールできることではない」

    「だから気にしていない。もしBYDが本格的にモータースポーツへ参入し、F1を選ぶのであれば、むしろ両カテゴリーに参戦するのは理にかなっていると思う」

    「そうなれば電動レースのプログラムも持つことになるからだ」

    さらにドッズは、仮にBYDがF1参入を決断したとしても、その実現には長い時間がかかるとの見方も示した。

    「もし彼らがF1に参入したいのであれば、それはおそらく長い道のりになる。だからフラストレーションはない」

    中国メーカーはBYDだけではない
    今回の発言で特に注目されたのは、フォーミュラEがBYD一社に依存していない姿勢を明確にしたことだ。

    ドッズは、中国メーカーへの関心は高いものの、その対象はBYDだけではないことを示唆した。中国には世界的なEVメーカーが数多く存在しており、フォーミュラEとしては複数の選択肢を視野に入れている。

    そのため、仮にBYDがF1への道を選んだとしても、フォーミュラEの中国市場戦略そのものが揺らぐわけではないという自信がうかがえる。

    F1とフォーミュラEの両立も選択肢
    ドッズは、BYDがF1とフォーミュラEの両方に参戦する可能性についても否定しなかった。

    現在、多くの自動車メーカーが複数カテゴリーでモータースポーツ活動を展開している。F1をブランド価値向上の場として活用しながら、フォーミュラEで電動技術をアピールする戦略は十分に現実的だ。

    現時点でBYDは具体的なモータースポーツ参入計画を発表していない。しかし、F1首脳陣との接触が相次いでいることから、同社が将来的な選択肢を幅広く検討していることは間違いない。

    BYDが最終的にどのカテゴリーを選ぶのか、あるいは両方への参戦を目指すのか。その判断は、今後のモータースポーツ界における中国メーカーの存在感を占う重要な指標となりそうだ。

  • フォーミュラE王者ローランドがGEN4初テスト 新世代マシンの進化を絶賛

    フォーミュラE王者ローランドがGEN4初テスト 新世代マシンの進化を絶賛

    日産フォーミュラEチームは、今季のABB FIAフォーミュラE世界選手権王者である オリバー・ローランド が、来季シーズン13から導入されるGEN4マシンで初のテスト走行を実施したことを発表した。

    現行のGEN3時代は残り7戦となり、今年後半から始まるシーズン13では大幅な性能向上を遂げたGEN4マシンが投入される。ローランドは実際にステアリングを握り、その進化の大きさに強い印象を受けたと語った。

    GEN4は出力も四輪駆動も大幅進化
    GEN4マシンは現行GEN3と比較して大幅な性能向上が図られている。

    通常レース時の出力は300kWから450kWへ、アタックモード時は350kWから600kWへ引き上げられる。また、アクティブ四輪駆動の採用によってトラクション性能やコーナリング性能も向上する。

    ローランドは初走行後、その変化を次のように説明した。

    「GEN4マシンのパワーには本当に驚かされた。特にフロントの駆動が大きく強化されていて、その独特な挙動に慣れる必要がある」

    「性能面ではGEN3から大きく進化していて、とても印象的だった。高いダウンフォースによってこれまで以上のグリップが得られるし、ディファレンシャルや四輪駆動、フロントアクスルへの追加パワーなど、新しい技術要素も多い」

    「パワーはほぼ倍増していて加速は非常に鋭い。すべての動きがより速くなっている。シャシーも改良されていて、現行マシンより乗り心地が良くなっている点もドライバーにとって大きなプラスだ」

    パワーステアリングへの適応が鍵
    ローランドはテストを重ねる中で比較的早くマシンに順応できたと説明する一方、新たな課題としてパワーステアリングへの適応を挙げた。

    「テストを通じて徐々にマシンに慣れ、すぐにスピードに乗ることができた」

    「最も対応が必要なのはパワーステアリングだ。これまであまり使ってこなかったため、ステアリングを通じて限界を感じ取る方法や、性能やパワー、ドライビングスタイルの最適化を学ぶ必要があった」

    さらに、高出力化とダウンフォース増加によって走行特性そのものが変化していると説明した。

    「トップスピードも高くなっているし、コーナリングスピードも同様だ。技術的な観点からマシンをどうセットアップするかが重要になるが、最大限のパフォーマンスを引き出そうとすること自体は変わらない」

    「ブレーキのフィーリングもより良い方向に進化していると感じた」

    フォーミュラE GEN4

    レーススタイルへの影響は未知数
    近年のフォーミュラEは、エネルギーマネジメントを重視したペロトンレースによる予測不能な展開が特徴となっている。

    しかしGEN4では大幅な性能向上が実現するため、レーススタイルそのものが変化する可能性もある。

    ローランドは現時点で結論を出すのは難しいとしながらも、今後のレギュレーション次第でレースの姿が変わる可能性を指摘した。

    「レースの勝敗はエネルギーマネジメントに大きく依存する。従来のような省エネ戦略やアタックモードが維持されれば、引き続き予測不能で面白いレースになるだろう」

    「ただし規則の細部次第では、スピード向上によって従来のフォーミュラカーのようにオーバーテイクが減る可能性もある」

    「まだ不確定要素が多く、他車の後ろを走った際の影響も完全には分かっていない。ただタイヤは耐久性が高いため、性能低下による影響は大きくないはずだ」

    フォーミュラEにとって大きな前進
    ローランドはGEN4マシンについて、シリーズ全体の価値を高める存在になるとの見方を示した。

    「GEN4はフォーミュラEにとって大きな前進だ。見た目にも迫力があり、すべてのドライバーが非常に期待している」

    「他カテゴリーのドライバーからの評価もさらに高まるだろう。ラップタイムを比較すれば、その大きな進歩が確認できるはずだ」

    GEN4マシンの開発は今後も継続され、11月に予定されているプレシーズンテストで初の公式走行が行われる予定だ。一方でローランドは、6月20日に中国・三亜で開催される次戦に向け、今シーズンのタイトル争いへ集中していく。

  • フォーミュラE東京大会 銀座たけ内とONE OR EIGHTがイベント出演

    フォーミュラE東京大会 銀座たけ内とONE OR EIGHTがイベント出演

    フォーミュラEは7月25日(土)・26日(日)に東京・有明で開催される「2026 TDK Tokyo E-Prix」の出演アーティストを発表した。

    東京大会は2024年の初開催以来3年連続の開催となり、今季もダブルヘッダー形式で実施。さらに今回は東京初のナイトレースとして開催される。会場では世界最高峰のEVレースに加え、ライブパフォーマンスやレースシミュレーターなど多彩なエンターテインメントを展開。レース観戦と音楽体験を融合したイベントとして開催される。

    銀座たけ内とONE OR EIGHTの出演が決定
    フォーミュラEは、RIP SLYMEのDJ FUMIYAとSUによるDJユニット「銀座たけ内」と、国内外で人気を集める8人組ボーイズグループ ONE OR EIGHT の出演を発表した。

    7月25日(土)は銀座たけ内がメインステージを担当。26日(日)にはONE OR EIGHTがライブパフォーマンスを披露し、ナイトレース開催を盛り上げる。

    銀座たけ内は2022年に結成されたDJ FUMIYAとSUによるユニットで、テクノやテックハウスを中心としたDJプレイを展開。音楽とカルチャーを融合させた独自のスタイルで知られている。

    一方のONE OR EIGHTは「一か八か」を由来とするグループ名を掲げ、世界市場への挑戦を続ける8人組ボーイズグループ。代表曲「TOKYO DRIFT」はTikTokを中心に世界的な人気を獲得している。

    出演者が東京大会への意気込みを語る
    DJ FUMIYAは今回の出演について次のようにコメントした。

    「モーターレースにどハマり中の僕にとって、フォーミュラEの会場でDJさせて頂くなんてとても光栄です。会場にいる皆様の熱気がさらにアタックモードに突入するぐらい、そんな音楽が提供できたら最高です」

    SUも「フォーミュラEの楽しみ方の1つとしてご提案させて頂きます。当日はレースと音楽を一緒にガッツリと楽しみましょう!」と来場者へ呼びかけた。

    また、ONE OR EIGHTのMIZUKIは「東京初開催となるナイトレースという特別な舞台で、世界最高峰のEVレースと共にパフォーマンスできることを楽しみにしています」とコメント。「東京から世界へ向けて、自分たちらしいエネルギーと音楽を届けたい」と意気込みを語った。

    チケットは好評販売中
    2026 TDK Tokyo E-Prixの観戦チケットは現在販売中で、主催者によると残りわずかとなっている。

    会場ではレースに加え、音楽ライブや体験型コンテンツを楽しめるほか、隣接する東京ビッグサイトではGX技術をテーマとしたイベント「TOKYO GX ACTION MUSEUM」も同時開催される。

    東京初のナイトレースとなる2026 TDK Tokyo E-Prixは、7月25日(土)・26日(日)に東京・有明で開催される。

  • マクラーレン フォーミュラE撤退後にコストキャップ違反で40万ユーロ罰金

    マクラーレン フォーミュラE撤退後にコストキャップ違反で40万ユーロ罰金

    マクラーレンは、すでに撤退したフォーミュラEで思わぬ後日談に直面した。FIA(国際自動車連盟)は、2024/25シーズンのフォーミュラEにおけるコストキャップ違反を認定し、マクラーレンに40万ユーロ(約6500万円)の罰金を科した。

    マクラーレンは2024/25シーズン終了後、リソースをF1、インディカー、そして2027年のWEC(世界耐久選手権)ハイパーカープロジェクトに集中させるため、フォーミュラEから撤退していた。しかし、撤退後の監査によって最終シーズンの支出が上限を超えていたことが明らかになった。

    コスト上限を約55万ポンド超過
    FIAの調査によると、マクラーレンはフォーミュラEの支出上限を4.54%超過していた。金額にして約55万5628ポンドに相当する。

    この超過は、チームが提出した財務資料に対する詳細な監査によって発覚した。なお、このシーズンにはテイラー・バーナードが5回の表彰台を獲得している。

    ただし、FIAは今回の超過支出が競争上の優位性を得るためのものではなかったと結論付けた。

    超過分の大半は、フォーミュラE撤退決定後に発生したチーム閉鎖・整理に伴う費用によるものだったという。

    マクラーレン フォーミュラE

    自主申告と全面協力をFIAが評価
    今回のケースで重要だったのは、マクラーレンが正式な調査開始前に自主的に超過支出を申告していた点だ。

    FIAは報告書の中で、マクラーレンがコストキャップ管理部門に対して「自主的に通知した」と説明。また、「調査の全過程を通じて協力的かつ完全な透明性をもって対応した」と評価した。

    さらにFIAは、超過支出について「選手権撤退決定後の秩序ある事業終了に伴う費用が主な要因だった」と認定している。

    加えて、「悪化要因を示す証拠や指摘は存在しない」とし、マクラーレンが不誠実な行為を行った形跡はなかったと結論付けた。

    その結果、両者は2026年6月1日に「Accepted Breach Agreement(違反受諾合意)」に署名し、マクラーレンは40万ユーロの罰金支払いを受け入れた。

    撤退後も続いたフォーミュラEとの関係
    今回の一件は、マクラーレンのフォーミュラE参戦の最終章としては異例の結末となった。

    チームはすでに電動シリーズを離れ、新たなプロジェクトへと舵を切っている。しかしFIAの財務監査は、最後にもう一度マクラーレンを呼び戻すことになった。

    競争上の利益を目的とした違反ではなかったこと、自主申告だったこと、そして全面的な協力姿勢が認められたことでスポーツ面の制裁は科されなかった。それでも、コストキャップ時代において財務規律がいかに厳格に運用されているかを示す事例となった。

  • F1のV8エンジン回帰論は「我々にとって良いこと」 フォーミュラE CEOが歓迎

    F1のV8エンジン回帰論は「我々にとって良いこと」 フォーミュラE CEOが歓迎

    2026年F1レギュレーション導入からわずか数戦で、パワーユニットの将来を巡る議論が加熱している。電動出力比率を50%まで高めた新世代パワーユニットにはドライバーや関係者から批判の声が相次ぎ、FIAのモハメド・ビン・スライエム会長やF1のステファノ・ドメニカリCEOも2030年以降のV8エンジン復活を支持する姿勢を示している。

    そうした流れを、意外にも歓迎しているのがフォーミュラEだ。シリーズCEOのジェフ・ドッズは、F1が再び内燃機関中心へ回帰することは、電動カテゴリーであるフォーミュラEの価値をむしろ高めると主張している。

    F1が認めた「想定外の現実」
    ドッズはスペインのSoy Motorに対し、まずF1が現状を認識し方向修正に動いていることを評価した。

    「まず彼らを評価しなければならない。期待していたようには進んでいないことを認識し、その声に耳を傾けて変化を起こそうとしているからだ」とドッズは語った。

    「どんな組織でも、フィードバックに反応し課題へ対応する能力が必要だ。その点は高く評価すべきだと思う」

    2026年から導入された新レギュレーションでは電動出力の比率が大幅に引き上げられた。しかし、その影響でエネルギーマネジメントへの依存度が増し、ドライバーから不満の声が上がっている。

    マックス・フェルスタッペンは新世代F1マシンについて「ステロイドを打ったフォーミュラEのようだ」と評したことでも話題となった。

    「予想外ではなかった」
    ドッズは現在の状況について、多くの関係者にとって予見可能なものだったと指摘した。

    「おそらく驚くようなことではなかったし、驚くべきでもなかったと思う。難しくなることは分かっていた」

    「期待していた通りにならなかった部分はあるかもしれないが、多くの人はこうした状況になる可能性を予想していたと思う」

    この発言は、現在パドック内で進んでいる2027年以降のパワーユニット見直し議論とも重なる。メルセデスやレッドブルはFIA案を支持する一方で、アウディなどは慎重姿勢を示しており、すでに妥協案の模索も始まっている。

    フォーミュラEにとっては追い風
    興味深いのは、ドッズがF1の方向転換をフォーミュラEにとっての好材料と捉えている点だ。

    「彼らが変更することは我々にとって良いことだと思う。なぜなら彼らは内燃機関の選手権であり、我々は電動選手権だからだ」

    「非常に分かりやすい話だ」

    近年のF1は電動化を強く推進してきたが、その結果としてフォーミュラEとの立ち位置が曖昧になるとの指摘もあった。

    しかしF1がV8エンジンへ回帰し、フォーミュラEが完全電動カテゴリーとして進化を続ければ、両シリーズの個性はこれまで以上に明確になる可能性がある。

    V8復活はまだ遠い未来
    もっとも、ドッズはV8復活を期待するファンやドライバーに対し、実現までは長い時間がかかると指摘した。

    「2030年や2031年はまだかなり先の話だ」

    「もしF1ドライバーがV8復活を楽しみにしているなら、そこへ到達するまでの3〜4年を楽しみに待たなければならない」

    「かなり長く感じるだろう」

    実際、現在の2026年F1パワーユニットはメーカー各社が莫大な投資を行って開発しており、短期間で放棄することは現実的ではない。

    パドックで広がるV8支持論
    それでもV8復活を支持する声は日に日に大きくなっている。

    モハメド・ビン・スライエム会長は2030年または2031年までのV8復活を公言しており、ステファノ・ドメニカリCEOも同様の考えを示している。

    一方で、ベテラン記者のロジャー・ブノワは現行レギュレーションに極めて厳しい見方を示した。

    「私にとって、ここまでは完全な失敗だ」

    「ルールは単純であればあるほど良いという古い格言がある。それはサッカーにもF1にも当てはまる」

    さらにブノワは現在のエネルギーマネジメント中心の競技性についても疑問を呈した。

    「私はこのエネルギーマネジメントシステム全体に非常に批判的だ。マックス・フェルスタッペンは最初から正しかった」

    「今なおこれほど議論されているという事実自体が、根本的に何かがおかしいことを示している」

    F1が電動化路線を修正しつつある今、皮肉にもその恩恵を受ける可能性があるのはフォーミュラEかもしれない。両カテゴリーの役割が明確になれば、モータースポーツ全体としても新たなバランスが生まれることになりそうだ。

  • 元F1ドライバーのクルサード フォーミュラE Gen4に衝撃「人生で経験したことがない」

    元F1ドライバーのクルサード フォーミュラE Gen4に衝撃「人生で経験したことがない」

    元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、モナコでフォーミュラEの新型Gen4マシンをドライブし、その加速性能に強い衝撃を受けた。

    来季から実戦投入されるGen4は、常時四輪駆動を採用し、最高出力600kW(815馬力)、0-100km/h加速1.8秒、最高速335km/hを誇る。クルサードはモナコE-Prix第2戦を前に、サーキット・ド・モナコで4周を走行した。

    常時四輪駆動と600kWが生む「別世界」の加速
    クルサードは走行直後、RacingNews365のインタビューで、まず常時四輪駆動と600kWのパワーが最も印象的だったと語った。

    「そうだね、信じられない感覚だった。僕にとっては忙しくもあった! フォーミュラEがポルシェを数周ドライブする機会をくれたのは本当にありがたかった。まず市街地コースを思い出すためにもね」

    「最初に際立っていたのは、常時四輪駆動と600kWのパワーだ。加速は、自分のキャリアで慣れていたものを超えていた。最後にはスタンディングスタートもやったが、とても一貫していた。100km/hまで2秒未満だ。リアタイヤを空転させる心配なく、ただこうして加速できるのは印象的だった」

    モナコの縁石にも対応する柔軟性
    クルサードは、Gen4が単に直線加速に優れているだけでなく、モナコ特有の縁石に対しても扱いやすさを感じたと説明した。

    「言えるのは、マシンにはある程度のしなやかさがあって、縁石でマシンがそれほど跳ね回らないということだ。僕は、いわば縁石に敬意を払って走っていた。レースドライバーなら容赦なく乗っていくだろうが、僕に与えられた数周では、それを確かめる時間ではなかった。知っての通り、シケインはミスをすればバリアに飛ばされる」

    「全体として、最も馴染みのある感覚は、シケインやラスカスでのフロントアクスルから来るものだった。タイヤが少し滑っているのを感じられる。どんなレーシングカーにも、どの時点でもグリップの限界はある。そこが、僕が慣れていた感覚に最も近かった」

    「だが、コーナーを立ち上がって加速した瞬間からは、グリップと加速が別世界だった」

    フォーミュラE Gen4 デビッド・クルサード

    「人生で経験したことがない」トンネルのワープ感
    Gen4はF1との差を大きく縮めると見られており、モナコではラップタイム差が5秒以内に収まる可能性もある。加速性能は現行F1マシンより30%速いともされ、その感覚はクルサードを言葉に詰まらせた。

    フォーミュラEの国際放送で、クルサードはこのマシンを「普通ではない」と表現し、モナコのトンネルは「ワープスピード」のようだったと語った。

    「まさにそういう感覚だった。もちろん、加速を理屈として理解することも、マシンを信頼することもできる。だが、ライトがワープスピードのように流れていくと言った時、あれは人生で経験したことがないものだった」

    「それが、僕がもうレーシングドライバーではないからなのか、それとも四輪駆動と600kWがあまりに印象的で、頭が適応しなければならないからなのかは分からない」

    「もちろん、数周走る頃には慣れてきた。ただ、何もレースをしていない状態から、突然ハイパフォーマンスカーに乗ったわけだ。幸い、数週間前にポール・リカールでクラシックRB7をドライブしていたので、感覚はすでに目覚めていた」

    「だが、プロのドライバーがこのコースをどれだけ速く走れるのかを見るのは、本当に驚きになると思う。僕はあらゆる場所で大きな余裕を残していたし、パフォーマンスのポテンシャルははるかに大きいと感じた」

    Gen4は、フォーミュラEがこれまで積み重ねてきた電動レーシングカーの進化を一段引き上げる存在となる。クルサードの反応が示すのは、単なる数値上の進化ではなく、F1経験者の身体感覚さえ揺さぶる加速と駆動性能が、すでに現実のものになっているということだ。