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  • フォード 22年ぶりF1表彰台でレッドブルとの提携に自信「長期的に続けたい」

    フォード 22年ぶりF1表彰台でレッドブルとの提携に自信「長期的に続けたい」

    フォードは、2026年F1カナダGPでマックス・フェルスタッペンが3位に入ったことで、レッドブル・フォード・パワートレインズとして初の表彰台を獲得した。フォードの名がF1の表彰台に戻ったのは、ジョーダン・フォードのジャンカルロ・フィジケラが2003年ブラジルGPで優勝して以来、22年ぶりとなる。

    フォード・レーシングのグローバルディレクターを務めるマーク・ラッシュブルックは、レッドブルおよびレッドブル・パワートレインズとの提携が順調に進んでいると強調。

    2026年F1シーズン序盤から注目を集めるRBPT製パワーユニットの競争力について、フォードとしても確かな手応えを得ている。

    22年ぶりに戻ったフォードの表彰台
    カナダGPでのフェルスタッペンの3位は、フォードにとって象徴的な結果となった。フォードの名前がF1で表彰台に上がったのは、2003年ブラジルGP以来。かつてF1で176勝、10度のコンストラクターズタイトルを支えたフォードにとって、今回の結果は単なる3位以上の意味を持つ。

    「マックスがレッドブル・フォード・パワートレインズ時代の初表彰台を獲得したことは、我々のパートナーシップにとって節目となる瞬間だ」とマーク・ラッシュブルックはコメント。

    「2026年シーズンに向けて注がれてきた並外れた努力を目の当たりにできたことは素晴らしいことであり、この結果はオラクル・レッドブル・レーシングとフォード・レーシング双方の努力にふさわしい指標だ」

    レッドブル・フォードPUへの評価
    2026年F1シーズン序盤、レッドブルRB22の競争力には一貫性を欠く部分もあるが、パワーユニットに関してはパドック内で高い評価を受けている。メルセデスと並ぶトップ2の一角、あるいはベンチマークに近い存在と見る声も出ている。

    ラッシュブルックは、レッドブルとの技術提携について「我々は今の位置に非常に満足している」と語った。

    「レッドブル・レーシングとレッドブル・パワートレインズは素晴らしいパートナーだ。それは3年半前に契約を結んだときから分かっていた」

    「ミルトンキーンズを拠点に、彼らとともにまったく新しいパワートレインを開発してきたこのパートナーシップは素晴らしいものだった。そして、そのパワーユニットがレッドブル・レーシングのマシン、そしてレーシングブルズのマシンにも搭載されていることを非常に誇りに思っている」

    ラッシュブルックは、RBPTを率いるベン・ホジキンソン、そしてレッドブルのレーシング部門全体を統括するローラン・メキースとの関係にも満足していると説明した。

    「もちろん、我々はレースに勝ち、チャンピオンシップを勝ち取りたい。もっと上位にいたいという思いはあるが、現時点ではトップハーフにいること、そしてミルトンキーンズに存在する能力を考えれば、今の位置には満足している」

    問題はあるが、解決への姿勢を評価
    ラッシュブルックは、レッドブル・フォードのプロジェクトに課題がないとは言わなかった。ただし、その問題を解決し続ける姿勢こそが、フォードが求めるパートナー像だと語っている。

    「2025年には、マックスをチャンピオンシップまで2ポイント差に迫らせるところまで巻き返した。キャンパス内外の全員が、パフォーマンスを改善し続けるために非常に懸命に働いている」

    「我々がパートナーに求めるのは、それだけだ。トップ・オブ・ザ・グリッドを目指して努力し続けるために、何であれ必要なことをするというコミットメントだ」

    「当然、問題はあった。間違いなくあった。しかし我々は、その問題を解決し、パフォーマンスを改善し続けることにコミットしている」

    ADUOと開発制限への見解
    2026年F1パワーユニット規則では、各メーカーの性能差を是正するためのADUOが注目されている。パドック内では、RBPTがトップ性能から2%以内に入っているため、追加のホモロゲーション更新機会を得られない側になる可能性もささやかれている。

    ラッシュブルックはその具体的な推測には踏み込まなかったが、キャッチアップ・メカニズムそのものには理解を示した。

    「何らかの仕組みは必要だ。皆がここにいるのは、イノベーション、学習、そしてマーケティングのためでもある。全員のブランドが懸かっている。だから、機会を与えることは適切だと思う」

    「我々は、ローランとベンがFIAやF1との直接の議論をリードすることに任せている。我々も彼らとオフラインで話をしているし、会議の場で彼らが我々をどう代表しているかを信頼している。彼らは素晴らしい仕事をしている」

    一方で、ホジキンソンは以前、現在のホモロゲーション規則よりも自由な開発競争を望む考えを示していた。ラッシュブルックも、コスト管理の重要性を認めつつ、競争の余地は議論されるべきだとした。

    「コストを管理し、コストキャップを維持することは重要だと思う。制御不能になれば、スポーツを傷つける可能性があるし、誰かがスポーツを去る原因にもなり得る」

    「しかし、我々は競争者でもある。変更を加える機会があること、それがレースだ」

    フォードはF1長期参戦を希望
    フォードのF1復帰は、規則議論とレッドブルの大規模な体制変更が重なる中で始まった。クリスチャン・ホーナー退任後、ローラン・メキースがレッドブルのレース活動全体を統括する形となり、RBPTもその枠組みの中に置かれている。

    それでもラッシュブルックは、フォードとレッドブルの関係は今後さらに深まっていくと見ている。

    「最初の段階、3年半前から、我々はどこで貢献できるか、レッドブルがどこで我々に貢献してほしいと考えているかのリストを持っていた。そのリストはこの3年半で広がってきた」

    「レッドブルはレーサーであり、我々もレーサーだ。我々は勝ちたい。だから、その取り組みに貢献できるものは何であれ提供してきた」

    「我々は現在のレギュレーション期間を通じて、それを続けることにコミットしている。フォードはF1に長期的にいたい。我々は22年間グリッドから離れていた」

    「戻ってこられて非常にうれしいし、それを長期的に続けたい。そして、レッドブルとの関係にも非常に満足している。これはパートナーシップであり、戦略的な技術提携だ。我々は互いに話し、耳を傾け、前に進むことができていると感じている」

  • フォード マスタング コブラジェット2200発表 2200馬力EVが6.86秒で新記録

    フォード マスタング コブラジェット2200発表 2200馬力EVが6.86秒で新記録

    フォード・パフォーマンスは、電動ドラッグレースの限界を押し広げる新型マシン「Ford Mustang Cobra Jet 2200」を発表した。

    ノースカロライナ州シャーロットのzMAXドラッグウェイで開催されたNHRA 4ワイド・ナショナルズで初公開されたこのモデルは、約2200ホイール馬力を発揮する完全電動ドラッグカーであり、早くも6.86〜6.87秒、最高速度221〜222mphという驚異的なパフォーマンスを記録している。

    これにより、従来のEVドラッグカーの記録(202.85mph)を大きく上回り、加速性能・最高速ともに新たな基準を打ち立てた。単なるコンセプトカーではなく、実戦データを伴った“記録更新マシン”として、その存在感を強く印象づけている。

    2200馬力EVドラッグカーが到達した新領域
    コブラジェット2200は、フォードの電動ドラッグプログラムの最新進化形にあたるモデルだ。2020年の1400馬力仕様「コブラジェット1400」、続く1800馬力仕様「スーパーコブラジェット1800」を経て、今回ついに2200馬力へと到達した。

    シャシーはプロモッド(Pro Modified)スタイルを採用し、ダブルフレームレール構造によって剛性を強化。車重は約3325ポンド(約1508kg)で、前モデルより約1100ポンドの軽量化も実現している。

    パワートレインは900ボルトの電動システムを採用し、2基のモーターをサミングギアボックスで統合。4つのバッテリーパック(合計32kWh)を車体各所に分散配置することで、加速時の重量移動を最適化している。

    RACCクラッチと5速ミッションがもたらす制御性能
    最大の特徴のひとつが、フォードが特許を取得したRACC(リバース・アクティング遠心クラッチ)だ。このシステムにより、ゼロ回転からの発進が可能となり、極端なトルクを持つEVでもトラクションを維持しながら加速できる。

    さらに、5速トランスミッションを組み合わせることで、単純なダイレクトドライブでは難しいトルク制御を実現。シフト時にはクラッチスリップを活用し、ホイールスピンを抑えながら効率的にパワーを路面へ伝える構造となっている。

    このアプローチは、従来のEVドラッグカーとは一線を画すものであり、内燃機関系ドラッグマシンのノウハウを高度に融合した設計と言える。

    フォード マスタング コブラジェット2200

    IMSAとNHRAの知見が融合した開発体制
    コブラジェット2200は、単独プロジェクトではなく、フォードのモータースポーツ全体の技術的蓄積を背景に開発された。IMSAやNHRAなど複数カテゴリーで得られたデータや知見が共有され、開発に反映されている。

    実際に車両はフォード・レーシング主導で設計され、MLeレースカーズとの共同で製作。ラスベガスやシャーロットでテストを重ねた後、今回の公開走行へと至った。

    イベント期間中は、エンジニアチームも現地に常駐し、観客や関係者との技術的対話も行われるなど、単なるデモにとどまらない“開かれた開発プロジェクト”としての側面も強い。

    EVドラッグは“実験”から“競技”へ
    コブラジェット1400が「EVでも速い」ことを証明し、1800が「競争力」を示したのに対し、2200はその先の問いを提示している。それは、「専用設計されたEVレーシングカーはどこまで到達できるのか」という点だ。

    すでに6秒台・220mph超という領域に突入したことで、EVドラッグは単なる技術デモの段階を完全に脱した。トラクション制御、重量配分、エネルギーマネジメントといった要素が高度に融合したこのマシンは、内燃機関の常識すら塗り替えつつある。

    zMAXドラッグウェイでの走行は、その進化の“途中経過”に過ぎない。フォードはさらなる記録更新を視野に入れており、このプロジェクトが今後どこまで加速するのか、注目は尽きない。

  • フォードが反論 キャデラックF1“唯一のアメリカンプロジェクト”発言に応酬

    フォードが反論 キャデラックF1“唯一のアメリカンプロジェクト”発言に応酬

    2026年F1シーズンの開幕を前に、アメリカ勢同士の火花がパドックで散っている。キャデラックF1が自らを「唯一の真のアメリカンプロジェクト」と位置付けたことに対し、フォードが強く反発した。

    ゼネラルモーターズ傘下のキャデラックは2026年から11番目のチームとして参戦。チーム代表グレアム・ロードンはバーレーンで「築き上げるための良い基盤がある」と語り、米国籍で参戦することを強調してきた。

    近年のF1人気拡大、とりわけNetflixの『Drive to Survive』やマイアミ、ラスベガス開催の影響で、アメリカ市場の存在感は急拡大している。その流れの中で、キャデラックは“ナショナルプライド”を前面に押し出す戦略を取っている。

    しかし、この主張は他の関係者の神経を逆なでした。

    ダン・トゥリス(キャデラックF1チームCEO)は、フォードとGMのプロジェクトは「比較にならない」とし、キャデラックの方がより強い「国家的誇り」の要素を持つと主張した。

    これに対し、フォードは自らのF1での実績を強調する。1967年以降、フォードはエンジンサプライヤーとして176勝に関与。主にフォード・コスワース名義で成功を収め、スチュワートやジャガーを通じてチームを保有した歴史もある。

    パドック関係者は、キャデラックの「純粋なアメリカ性」について次のように皮肉った。

    「マシンはシルバーストンで製造され、チーム代表は英国人、ドライバーはメキシコ人とフィンランド人だ。それが“アメリカ的”だというなら、フィッシュ・アンド・チップスやカルボナーラもアメリカ料理ということになる」

    フォードはまた、キャデラックがレッドブルとの提携を「単なるマーケティング」と表現したことにも強い不快感を示している。

    フォード・パフォーマンスのマーク・ラッシュブルックは次のように語った。

    「フォード・レーシングは125年にわたるモータースポーツの歴史を持つ、アメリカのレーシングチームだ。我々はどの米国メーカーよりも多くのカテゴリー、さまざまな路面で戦ってきた」

    「F1においても、我々は最も成功したアメリカのエンジンメーカーであり、かつては自前のチームも持っていた。ハースとともに、我々はアメリカとファン、ディーラー、サプライヤー、従業員を代表していることを誇りに思う」

    キャデラック F1

    特に注目されるのは、ここでハースF1チームに言及しつつキャデラックの名を出していない点だ。

    ラッシュブルックは、フォードがレッドブルのパワーユニット計画において、想像以上に深く関与していることも明かした。

    「当初の合意は主に電動化部分に焦点を当てていた。内燃機関は当初、我々の優先事項ではなかった」

    「しかし市販車の計画が変化する中で状況は変わった。現在ではディアボーンの先端製造施設や3Dプリンターで、内燃機関側の実部品も数多く製造している」

    フォードCEOのビル・フォードも以前、次のように反論している。

    「我々のレッドブルとの提携がマーケティング活動だというのは、事実とかけ離れている。むしろ逆だ」

    「彼らはフェラーリ製エンジンを使っている。キャデラック製エンジンではない。GMの社員がレースチームにいるかどうかも分からない。もしマーケティングに見えるものがあるとすれば、それはそちらだ」

    一方で、グレアム・ロードンはこの対立を前向きに捉えている。

    「GMとフォードの間には長年にわたる健全なライバル関係がある。ハリウッド映画にまでなったほどだ」

    「そのライバル関係は続くだろう。F1ファンは一定の対立構図を好む。ただし行き過ぎない範囲で、だ。これはF1にさらなる興味の層を加えるものになる」

    NASCARやル・マン24時間など数々のカテゴリーで競ってきた両社だが、2026年は初めてF1の舞台で真正面からぶつかるシーズンとなる。

    アメリカ市場拡大の波に乗るF1。その中心で、フォードとキャデラックの“デトロイト対決”が新たな物語を生み出そうとしている。

  • キャデラックF1代表「GMとフォードの健全なライバル関係はF1にとってプラス」

    キャデラックF1代表「GMとフォードの健全なライバル関係はF1にとってプラス」

    キャデラックF1チーム代表のグレアム・ロードンは、GMとフォードという2大アメリカ自動車メーカーのライバル関係が、フォーミュラ1に新たな物語性をもたらすと語った。キャデラックとフォードが同時期にF1へ関与することで、長年続いてきた米国発の競争が世界最高峰の舞台に持ち込まれることになる。

    キャデラックは2026年シーズンから、11番目のチームとしてF1に参戦する。

    初年度はフェラーリのパワーユニットを搭載するカスタマーチームとして戦いながら、並行してアメリカ国内では自社製パワーユニットの開発を進めている。一方、フォードはレッドブル・レーシングのエンジンパートナーとしてF1に復帰し、ミルトンキーンズで開発されている自社製パワーユニットを支援している。

    GMとフォードの同時参戦は、数十年にわたるアメリカ的ライバル関係をF1というグローバルな舞台へと持ち込む。NASCARでは、フォードとGM傘下のシボレーが長年激しく争ってきた。最近も舌戦が繰り広げられ、キャデラックF1のCEOであるダン・トウリスは、フォードのレッドブルへの関与を「影響の少ないマーケティング契約」と表現したが、これに対しフォードのビル・フォード会長は「まったくもってばかげている」と切り捨てている。

    健全なライバル関係が生む“もう一つの物語”
    ロンドンで開催されたオートスポーツ・ビジネス・エクスチェンジの場で、ロードンはMotorsport.comに対し、このライバル関係がF1をより魅力的なものにすると語った。

    「GMとフォードの間には、もう何年も続いている健全なライバル関係がある。ハリウッド映画にまでなったほどだ。つまりこれは本物で、実在する関係だ」とロードンは述べた。

    さらに彼は次のように続けている。

    「このライバル関係は今後も続いていくはずだ。我々はこれまでのF1でも、ファンが適度なライバル関係を好む場面を何度も見てきた。行き過ぎない限り、それは歓迎される。単純に、F1にもう一段階の興味深さを加えてくれる存在になる」

    キャデラック F1

    スーパーボウルで披露される“アメリカ流F1”
    キャデラックは、バルテリ・ボッタスとセルジオ・ペレスをドライバーに据え、F1参戦初年度を迎える。インディアナ州フィッシャーズには新たな本社が建設され、ミシガン州やノースカロライナ州にあるGMの既存施設も活用する計画だ。シャーロットにはドライバー・イン・ザ・ループ・シミュレーターも設置されている。

    チームはそのアメリカ的アイデンティティを前面に押し出している。その象徴が、来週行われるスーパーボウルのハーフタイムCMで、2026年の最終リバリーを発表するという試みだ。

    「スーパーボウルの件は、正直言って本当にクールだと思っている」とロードンは語った。

    「我々は最初から、新しいファンをこの旅に連れていきたいと言ってきた。スーパーボウルほどアメリカ的なものはそう多くない。スポーツ、音楽、文化が一体となった巨大なイベントで、これは新しいファンを引き込むための一つの方法でもある」

    さらにロードンは、次のように締めくくっている。

    「これまでに、他のF1チームが同じことをしたとは思わない。つまり我々は何か新しいことを持ち込んでいる。もしそれが、この愛してやまないスポーツに新たなファンを呼び込むなら、それは間違いなく良いことだ。だが正直に言えば、何よりもまず、ただただ“かっこいい”と思っている」

  • レッドブルF1 自社PU誕生までの真実 フォードと描いた4年計画

    レッドブルF1 自社PU誕生までの真実 フォードと描いた4年計画

    レッドブルは、今季初めて自社製パワーユニットでF1に参戦する。だが、このエンジンプロジェクトは過去4年間でどのように構築され、現在はどの段階にあるのだろうか。

    木曜日、レッドブルとフォードの協業はデトロイトでのイベントを通じて公式に始動した。フォードの本拠地であるこの都市での発表は、象徴的な意味合いが大きいものだった。

    しかし舞台裏では、ミルトンキーンズにあるレッドブルの拠点で、すでに4年にわたる作業が進められてきた。

    ローラン・メキースは、エナジードリンク企業がF1エンジンを自ら製造する挑戦について「正気の沙汰ではない」と表現した。ただし、よく見てみると、その発想は一見するほど突飛なものではない。実際、このアイデアは20年以上前にディートリッヒ・マテシッツの机の上にすでに載っていた。

    「自分がチームにいた頃、コスワースを買収して自分たちでエンジンを造るべきだと勧めていたのを今でも覚えている」とデビッド・クルサードは、レッドブルのF1参戦初期を振り返る。

    「最初はフォードのカスタマーで、次にフェラーリ、その後ルノーだったが、カスタマーチームであることは最悪だ。ルノーでもマクラーレン・メルセデスでもそれを経験したし、常に不利な立場に置かれると感じていた」

    「トロロッソを買収したときも、『待てよ、1チームで勝つだけでも難しいのに、どうやって2チームで勝つんだ?』と思った。だから個人的には、20年前からずっと言っていた。自分たちのエンジンを持つべきだと」

    「自分たちの運命を自分でコントロールしたいなら、他人に頼ってはいけない。今、チームは自分たちの運命を100%コントロールしている。もちろん挑戦になるし、最初はうまくいかないかもしれない。F1チームとしても最初はうまくいかなかったが、最終的には成功した。レッドブルには、それを長期的に成功させるためのコミットメント、リソース、人材がある」

    クルサードの理論の核心は、このプロジェクトを推進してきた中心人物の一人であるクリスチャン・ホーナーが強調してきた点と一致する。すべてを一つ屋根の下に集約することで、特にパワーユニットとシャシーの統合において、長期的なメリットが生まれるという考えだ。さらに、ルノーとの関係が不満足な形で終わり、ホンダが2021年末で正式にF1から撤退する決断を下した後、レッドブルは再び誰かに依存する状況を望まなかった。

    自立するという考えは魅力的に聞こえるが、実際には2026年レギュレーションに基づいたエンジン開発以上のことが必要だった。最初のステップは、ミルトンキーンズに施設を建設し、同時に有能な人材を集めることだった。

    エンジンホールの正式名称であるヨッヘン・リント・ビルディングの建設は、2022年初頭に始まった。この施設はMK7の道路を挟んだ向かい側に位置している。中に入ると、訪問者は「ブロディーズ・ブールバード」と名付けられた通路を歩くことになる。この名前は、2021年8月に最初期に移籍してきた元メルセデス社員スティーブ・ブロディに由来するもので、施設立ち上げにおいて重要な役割を果たした人物だ。その通路には、2022年8月の最初のファイアアップで使用されたV6内燃機関も展示されている。この瞬間を、マテシッツは亡くなる直前に目にすることができた。

    施設建設と並行して、レッドブルはパートナー探しも進めなければならなかった。資金面での支援だけでなく、追加のノウハウを提供してくれる存在が必要だったからだ。第一候補はポルシェだったが、交渉は決裂。その後、フォード・パフォーマンスの責任者マーク・ラッシュブルックは躊躇せず、ホーナーにメールを送ったと自ら明かしている。

    「フォードは興味がある。話をしないか?」

    そのメールからほどなくして、ビル・フォードやジム・ファーリーとの会合が設定され、最終的に契約が結ばれた。

    5人の先駆者から700人の組織へ
    その時点で、レッドブル・パワートレインズの責任者ベン・ホジキンソンは、すでに約1年にわたってプロジェクトの構想を練っていた。彼は2021年4月、レッドブルの野心的な計画のリーダーとして発表された。メルセデスHPPから移籍してきた一人であり、ホーナーによれば最大で220人が同様に移籍したという。ただし、この数字はやや大げさかもしれない。

    約5年後、ホジキンソンは笑みを浮かべながらこう語る。

    「遠回しに言うつもりはないが、僕がこの仕事に就けたのは、別のチームが成功したおかげだと思う」

    これは、2014年以降のメルセデスの支配と、その中での自身の役割を指しての言葉だ。

    「最初にこの話を持ちかけられたとき、パワーユニットだけでなく会社そのものを白紙の状態から作れるという点が気に入った。レギュレーションがどうなるか分かっていたから、それに合わせて完全にカスタムビルドできた。とてもクールな機会だったし、それをアドバンテージに変えなければならなかった」

    ただし、そこには大きなマイナス面もあった。

    「ゼロから始めるというのは短い言葉だが、その重みが本当に分かるまでには時間がかかった。短期間で700人規模まで人を集めるのは、本当に大変だった。工場が建つ前、会社は小さなオフィスに5人しかいなかった」

    そこから、レッドブル、ホンダ、メルセデス、さらにAVLのような企業から人材が急速に集められた。ホジキンソンにとって、日々の業務はスタートアップ企業そのものだった。

    「毎月20人ずつ人が増えていくから、役割や責任は週ごとに変わっていった。ある週は一人で設計、発注、製作を全部やっていたのに、翌週には組み立て担当が来て、その仕事をやらなくなる。常に進化し続ける生き物のようだった」

    ラッシュブルックも、別の難しさを指摘する。異なるバックグラウンドを持つ人々を集め、最大限の効率で機能させることだ。既存メーカーでは企業文化や組織構造がすでに確立されているが、レッドブルではそれを一から築く必要があった。

    「同時に、レッドブルの文化とは何かを定着させなければならなかったし、新しく加わった全員から最大限を引き出す必要があった」とホジキンソンは語る。

    「でも実際には、それが大きな認知的多様性を生み、高い変化率をもたらしたと思っている」

    「もう一つ、もし意図的だったら天才的だが、実際は偶然だったことがある。非常に大胆で野心的なプロジェクトを掲げると、自然と大胆で野心的な人しか集まらない。慎重でリスクを嫌う人は残る。その結果、来る人たちはレッドブルの文化にぴったりとはまり、イノベーションのスピードにとって素晴らしい環境になった。この4年間は刺激的であると同時に、非常に濃密だった」

    レッドブル・レーシング

    新参者はすぐに競争力を持てるのか
    技術面では、2022年8月の最初のファイアアップが示す通り、レッドブルは内燃機関から着手した。ビルドショップはV6用と単気筒用の2つに分けられている。この構成は、開発時間とコストキャップに直結している。単気筒でのテストは、フルV6よりも速く、安価に行えるため、新しいアイデアはまず単気筒で検証され、成功した場合のみV6全体で試された。

    一見すると、このアプローチはホンダとはやや異なる。HRCの渡辺康治社長は、日本のメーカーが当初は電動系コンポーネントにより重点を置いていたと説明している。両方のアプローチには、それぞれ理にかなった理由がある。レッドブルはエンジン施設をゼロから構築しなければならず、ICEから始めるのは自然な選択だった。

    当然ながら最大の疑問は、4年間の準備期間を経たレッドブルが、どれほど競争力を持てるのかという点だ。この問いにホジキンソン自身も答えを持っていないが、彼は的確な比喩を用いる。

    「チームメイトにはこう説明してきた。これは400メートル走のようなものだ。400メートルは実質的にはスプリントだから、スプリントの感覚がある。でも、観客のいないスタジアムで、しかもライバルたちとは違う国で走っている」

    この比喩が示すのは、他のメーカーが何をしているのか分からないという現実だ。

    「僕が知っているのは、僕たちが可能な限り全力で走っているということだけだ」

    その点において、ホジキンソンは初年度を迎えるにあたり、レッドブル・パワートレインズは可能な限り最良の位置にいると考えている。

    「僕はV10時代からF1エンジン設計に携わってきたから、良い会社がどんなものかは分かっている。ここでは、理想的なパワーユニットメーカーの姿を自分なりに形作れる、非常にユニークな機会を与えられている。施設面でもレッドブルはとても協力的だったので、自信はある」

    「人材も素晴らしいと思っている。必要な要素はすべて揃っている。ミシュランの星付きレストランになるかどうかは、これから分かることだがね」と彼は笑う。

    「正しい会社を作り、正しい人材を揃えたという自信はある。ただし、自信というのは負ける直前の人間も持つものだけどね」

    実際のところ、レッドブル内部の人間でさえ、このプロジェクトが数十年のF1経験を持つ競合と比べてどうなるかは分からない。メキースは、レッドブルが最高のパワーユニットを持って現れると考えるのは「ナイーブ」だと語った。一方でホジキンソンは、過去4年間で可能な限りのことはすべてやってきたと強調する。

    成功が保証されているわけではない。しかし少なくともこれは、マテシッツが抱いていた二つ目の夢を実現する取り組みなのである。

  • フォードvsキャデラック 「技術かマーケティングか」F1参戦前に米メーカー火花

    フォードvsキャデラック 「技術かマーケティングか」F1参戦前に米メーカー火花

    2026年のF1世界選手権はまだスターティンググリッドにも並んでいないが、アメリカの自動車大手であるフォードとキャデラックの間では、すでに激しい舌戦が繰り広げられている。

    火種となったのは、F1グリッドに新たに加わる11番目のチームであるGM系キャデラックが、フォードとレッドブルの提携に対して投げかけた強烈な言葉だった。この“口撃”に対し、フォード幹部は受け流すどころか、倍返しとも言える「ブルーオーバル流」の皮肉で応酬した。

    大西洋を挟んだこの応酬には、企業としての誇りが色濃くにじんでいる。メーカーがデトロイトを離れることはあっても、デトロイト魂までは切り離せない──そんな現実を証明するかのようだ。

    最初の一撃を放ったのは、キャデラックF1プロジェクトのCEOであるダン・トウリスだ。『The Athletic』の率直なインタビューで、トウリスはキャデラックのフルワークス参戦と、フォードのレッドブルとの技術提携との間に、明確な線を引こうとした。

    「まったく次元が違う」とトウリスは主張した。

    「一方は影響がごく限定的なマーケティング契約だが、GMは(キャデラックF1チームの)株主でもある。

    エンジニアリングの観点から深く関与しており、初日から参加している。この2つの契約は、まったく別物だ」

    この発言が示唆するところは明白だった。キャデラックはゼロからレガシーを築く“本物”のチームであり、フォードはマックス・フェルスタッペンのマシンの横に高価なステッカーを貼っているだけだ、というわけだ。

    フォードの反撃「思わず笑ってしまった」
    フォード陣営からの反応は迅速で、しかも皮肉に満ちていた。フォード・モーター・カンパニーの会長であるビル・フォードは、自社が安易な道を選んでいるという指摘に、腹を立てるどころか呆れた様子だったという。

    「思わず笑ってしまった」とフォードは『The Athletic』に語り、キャデラックの批判を「明らかにばかげている」と一蹴した。

    そして彼は、キャデラックの2026年計画における、ある“目立つ事実”を指摘する。

    「むしろ逆だと思う。

    彼らはフェラーリのエンジンを使う。キャデラックのエンジンではない。レースチームにGMの社員がいるのかどうかも、私は知らない」

    この反論は的確だった。キャデラックは最終的に2029年に自社製エンジンを投入する予定だが、2026年のデビュー時点ではフェラーリのカスタマーとして参戦する。これはまさに“供給を受ける側”の取り組みと言える。

    キャデラック F1

    単なるロゴ以上の関係
    この論争に加わったフォード・レーシングのゼネラルマネージャー、ウィル・フォードも、レッドブル・フォード・パワートレインズのプロジェクトが、マディソン街的なブランディングではなく、泥臭いエンジニアリングの挑戦であることを強調した。

    「我々のレッドブルとのパートナーシップがマーケティング目的だという見方ほど、真実から遠いものはない」と彼は説明した。

    「ただ大金を払ってマシンにロゴを貼ったり、チーム名に自分たちの名前を並べたりすることもできた。

    しかし我々は、レッドブル・フォード・パワートレインズを真の技術パートナーシップとして立ち上げるという、非常に意図的な決断を下した。レッドブルが自社パワーユニットを開発するという大胆な挑戦を選んだ、その努力を本気で補完するためだ」

    ウィル・フォードは、この協業がフォードの巨大な研究開発リソースと、レッドブルのレース現場での俊敏性を融合させるものだと説明した。

    「我々は、フォードがどの分野でレッドブルのスキルや能力を独自に補完できるのかを見極めた。

    組織としての規模、幅広さ、そして技術的専門性を活かし、かつてそうしてきたように、F1で最高のパワーユニットを生み出すことを目指している」

    少なくとも現時点で、フォードからのメッセージは明確だ。これはブランディングの話ではなく、技術的な軍拡競争であり、その実態を誤解されることに、彼らはすでに辟易している。

    2026年に1周も走らないうちからこの調子であれば、F1における最新のライバル関係は、シリーズ屈指の激しさになるかもしれない。

  • フォード、2027年参戦WECに元F1ドライバーのローガン・サージェントを起用

    フォード、2027年参戦WECに元F1ドライバーのローガン・サージェントを起用

    フォードは、2027年から参戦する世界耐久選手権(WEC)ハイパーカークラスの最初のドライバー陣の一人として、元F1ドライバーのローガン・サージェントを起用することを発表した。

    この発表は、米国で開催されたフォード・レーシングのローンチイベントの一環として行われたもので、同時に同社のスポーツカーレース最高峰への復帰計画の詳細も明らかにされた。

    サージェントは、すでにフォードのファクトリードライバーとして名を連ねるマイク・ロッケンフェラー、セバスチャン・プリオールとともに、車名未発表のフォードLMDhをドライブする予定だ。このマシンはORECA製LMP2シャシーをベースに開発される。

    サージェントのハイパカープログラム加入は、2025年11月に行われたWECバーレーン・ルーキーテストでのサプライズ登場に続くものだった。同テストでは、フォード・マスタングGT3を初めてドライブし、スポーツカーでの初走行を経験している。

    フォードLMDhプロジェクトを率いるダン・セイヤーズは、25歳のサージェントについて「この規模のプログラムにとって不可欠な、技術的な洗練度とハイダウンフォース環境での経験を備えている」と評価した。

    さらに、アメリカ人ドライバーをラインアップに加えたことについて、「1967年のル・マン24時間レースをフォードGT40 Mk.IVで制したダン・ガーニーやA.J.フォイトといった巨人たちへのオマージュでもある」と語っている。

    サージェントは2023年と2024年にウィリアムズからF1に参戦したが、成績不振により2年目シーズン途中でシートを失った。F1での唯一のポイント獲得は、2023年アメリカGPでの10位フィニッシュで、チームメイトのアレクサンダー・アルボンの後方だった。

    その後、2025年のヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)にIDECスポールから参戦予定だったが、シーズン開幕直前に撤退。このプログラムは、2026年に予定されていたジェネシスのLMDh計画につながる可能性もあった。

    レース活動への復帰は2025年終盤で、IMSAスポーツカー選手権最終2戦をPR1マティアセンのLMP2チームから出走し、その後バーレーンのルーキーテストに参加している。

    スポーツカー経験ではサージェントはまだ浅い一方で、ロッケンフェラーとプリオールは豊富な耐久レース実績を持つ。ロッケンフェラーはアウディのファクトリードライバーとして2010年のル・マン24時間レースを制し、2013年にはDTMタイトルも獲得した。2024年からはフォード陣営に加わり、IMSAでマスタングGT3をドライブしている。

    プリオールもまたIMSAのGTDプロクラスで複数回の勝利経験を持ち、父アンディ・プリオールが2016年から2019年にかけてWECでチップ・ガナッシ運営のフォードGTプログラムに関わっていたことから、フォードとは長い縁がある。

    フォードはまた、ロッケンフェラーとプリオールが2026年シーズンにELMSのLMP2クラスへ参戦し、ハイパーカープログラムに向けた準備を行うことも発表した。ただし、参戦チーム名や、フォードがどの程度オペレーションに関与するかについては明らかにされていない。

    サージェントの2026年の具体的な活動予定は未公表だが、今月行われるデイトナ24時間レースに、EraモータースポーツがエントリーするORECA 07で出場することが決まっている。

    フォードLMDhのパワートレイン詳細

    フォードは、耐久レース最高峰復帰を発表してからちょうど1年となるタイミングで、LMDhプロトタイプに搭載されるパワートレインの主要仕様も明らかにした。

    エンジンは自然吸気の5.4リッターV8で、マスタングGT3などに搭載されているユニットをベースに、Mスポーツがチューニングを担当する。

    他のLMDhマシンと同様、エンジンにはボッシュ、エクストラック、ウィリアムズ・アドバンスト・エンジニアリングが共同開発した共通ハイブリッドシステムが組み合わされる。

    セイヤーズは、「夜中の3時にミュルサンヌ・ストレートを駆け抜けるフォードの音を聞けば、バッジを見なくてもそれがフォードだと分かるべきだ」と語った。

    フォードによれば、このエンジンは完全に内製で開発され、ミシガンのフォードチームが、ミルトンキーンズに拠点を置くレッドブル・フォード・パワートレインズ部門と協力して作業を進めるという。

    すでに明らかにされている通り、フォードはハイパーカープロジェクトの運営を外部チームに委ねず、自社で一貫して行う方針だ。レースチームは英国バンベリーに新設される施設を拠点とし、かつてレッドブルのF1エンジンプログラム立ち上げにも関わったセイヤーズが全体を統括する。

    なお、現時点でフォードはWECハイパーカーへの参戦のみを正式に表明しており、IMSAのGTPクラスで並行プログラムを展開するかどうかについては、まだ明言していない。

  • フォードF1復帰「マックス・フェルスタッペンは軸だが前提ではない」

    フォードF1復帰「マックス・フェルスタッペンは軸だが前提ではない」

    フォードが2022年にレッドブルと組んでF1最高峰への復帰を発表した際、見出しの多くは「ブルーオーバルがマックス・フェルスタッペンを駆動する」という魅力的な構図に集中した。

    しかし、2026年のエンジン革命を前に、アメリカの自動車大手は明確なメッセージを発している。フォードのF1参戦は、特定のスター・ドライバー一人に依存するものではないという立場だ。

    レッドブル・パワートレインズとのパートナーシップは、フォードにとって特別な意味を持つ。20年以上前にジャガーF1チームとして売却したミルトンキーンズの組織へ、再び戻ってくる「円環」が完成するからだ。

    昨年、フェルスタッペンがメルセデスなど他チームへ移籍する可能性が取り沙汰され、パドックには不安が漂った。しかし、マーク・ラッシュブルック(フォード・レーシング グローバルディレクター)は、オランダ人王者を高く評価しつつも、プロジェクトの本質はより大きいと強調する。

    「マックスありき」ではない戦略
    3度のワールドチャンピオンを復帰プロジェクトの顔に据えられる魅力は、誰の目にも明らかだ。ラッシュブルック自身も、フェルスタッペンの存在感と開発面での価値が極めて大きいことを認めている。

    「彼は世代を代表する才能だ」とラッシュブルックは伊モータースポーツ誌に語った。

    「レッドブル・フォードのパワーユニットを積んだマシンにチャンピオンが乗ることは重要だ。我々はチームを信じ、パワーユニットを信じ、マシンを設計している人材を信じている」

    一方で、フォードのF1活動がフェルスタッペンの契約状況と直結している、という見方は明確に否定する。

    「最終的には、ドライバーがそのすべてを引き出す。我々はマックスがチャンピオンだと信じている」

    「マックスは重要な存在だが、『彼が去ったら我々も去る』というレベルではない。我々はチームに自信があるし、将来ほかのドライバーを迎えることもできる」

    フォード マックス・フェルスタッペン レッドブル・レーシング

    コックピットを超えたコミットメント
    フォードにとって、この挑戦は単なるマーケティングではない。目標は明確に表彰台、そして勝利だ。スターであれ若手であれ、ドライバーの顔ぶれよりも重視しているのは、2026年F1レギュレーション下で勝てるメカニカルパッケージを作り上げることにある。

    「私の発言はマックスとは独立している」とラッシュブルックは念を押す。

    「我々は勝つつもりでサーキットに戻る」

    ゼロからパワーユニットを開発し、フェラーリやメルセデスと渡り合うのは、これまで多くのメーカーが失敗してきた険しい道だ。それでも、フォードは後退しない。

    「どんな状況でもグリッドの先頭に立ちたい。新しいパワーユニットで臨むのは非常に大きな挑戦だが、それが我々の意図だ。仮に最初は前に出られなくても、目指す場所に到達するために全力を尽くす」

    「マックス非依存」の姿勢を示しつつも、フェルスタッペンとエンジニアの関係は良好だ。彼はパワートレイン施設を頻繁に訪れ、2026年に向けて開発陣を鼓舞している。

    「彼は何度も施設を訪れている。彼の関心を見ること、そして実際にそこにいることはチームにとって素晴らしいことだ。気にかけている姿勢が伝わるのは大事だ」

    「彼自身も、2026年に向けてチームが何を届けようとしているのかに自信を持てるようになる」

    フォードの復帰メッセージは明確だ。彼らは、現王者がいてもいなくても、F1で勝つために戻ってきた。

  • フォード 「レッドブルF1との長期目標? 2026年最初から勝ちにいく」

    フォード 「レッドブルF1との長期目標? 2026年最初から勝ちにいく」

    アウディが2030年にF1世界選手権制覇を目標に掲げる一方で、フォードはレッドブルとともに、最初から競争力を発揮する必要があると考えている。

    フォード・パフォーマンスのディレクターであるマーク・ラッシュブルックは、マックス・フェルスタッペンの将来に関するレイモンド・フェルミューレンの発言にも言及しつつ、彼を引き留めることは重要だが、プロジェクト自体は一人のドライバーに依存するものではないと強調した。

    レッドブルにとって2026年シーズンは、チーム史における新たな章となる。2005年にジャガーを買収して以来初めて、ミルトンキーンズのチームは自社製パワーユニットでF1を戦うことになる。この移行は、長期的にはエンジンとシャシーの統合といった面で多くの利点をもたらすはずだが、新パッケージが短期的にどこまで競争力を発揮できるかについては疑問も残る。

    ラッシュブルックは、社内目標は順調に達成されており、パワートレインズ・プロジェクトは計画通りに進んでいるとすでに明言している。ただし、他のパワーユニットメーカーがどのレベルに目標を設定しているのかは、依然として大きな未知数だ。

    ラッシュブルックは、レッドブル・フォードが新規参入として「エベレストを登るような挑戦」に直面しているというトト・ヴォルフの評価にも同意している。しかし同時に、2026年にスロースタートの余地は一切ないことも理解している。

    マックス・フェルスタッペンのマネージャーであるレイモンド・フェルミューレンは、2026年がオランダ人ドライバーの長期的な将来にとって決定的な年になると指摘している。これは、2027年に向けたドライバー市場が非常に流動的になると見られている状況とも一致している。

    昨年、フェルスタッペンの将来が再び話題になった際、ラッシュブルックはすでに、フォードのF1参戦は特定の個人、すなわちフェルスタッペン一人に結び付いたものではないと説明していた。その一方で、4度の世界チャンピオンが依然としてプロジェクトの一員であることを喜ばしく思っているとも語っている。

    「彼は世代を代表する才能だ。レッドブル・フォードのパワーユニットを搭載したマシンをチャンピオンがドライブすることは重要だろう? 我々はチームを信じているし、パワーユニットを信じているし、マシンを設計する人々も信じている。ただ、最終的にパフォーマンスのすべてを引き出すのはドライバーだ。我々は、マックスがチャンピオンだと信じている」とラッシュブルックはモータースポーツ・ドットコムの独占インタビューで語った。

    ただし、フォードの関与が特定のドライバーに依存していない点は改めて強調している。

    「マックスは重要な存在だが、彼がチームを去ったら我々も去る、というほどではない。そういうことはない。我々はチームを信頼しているし、将来的には他のドライバーも出てくると分かっている」

    フォード レッドブル・レーシング

    フェルスタッペンを引き留めるために必要なこと
    理想的なシナリオは、もちろん2026年以降もフェルスタッペンを維持することだが、フォードはそれが何を意味するかを理解している。

    「レーサーとして、常に勝ちたいと思うのは当然だ。だからこそ、サーキットで結果を出すことが重要になる。2026年は新レギュレーションによって、パドックの全員にとって厳しい年になると分かっている。ドライバーが誰であれ、チームが結果を出すことが不可欠だ」

    ドライバー市場の状況やフェルスタッペンの立場を考えると、レッドブル・フォードには適応のための時間があまり残されていないのではないかと指摘された際、ラッシュブルックはこう答えている。

    「私のコメントはマックスとは独立したものだ。我々は勝つつもりでサーキットに向かう」

    これは新規メーカーにとっては非常に野心的な目標に見えるかもしれない。その点で、たとえばアウディとは対照的だ。四つの輪を持つブランドは、2030年を世界タイトル獲得の目標年として設定しており、レッドブル・フォードとは明確に異なるタイムラインを描いている。

    「そうだが、彼らは立場が違うと思う。チーム、マシン、その他すべての面でね。マシンという点でチームが何を提供できるかは、これまでのレッドブルを見れば分かる。その一部は2026年にも引き継がれるだろう」

    「バルセロナやバーレーンで、我々がどこにいるのかが本当の意味で分かるだろう。とにかく、グリッドの前方にいたい。完全に新しいパワーユニットで挑むのは大きな挑戦だと分かっているが、それが我々の意志だ。もしすぐに達成できなかったとしても、目指す場所に到達するために、できる限りのことを続けていく」

    多様なバックグラウンドを持つ集団
    パワートレインズ・プロジェクトは、非常に多様な構成を持っている。レッドブルとフォードの従業員に加え、以前のエンジンパートナーであったホンダ出身の技術者や、メルセデスから加わった新戦力も含まれている。異なる組織で培われた知見を集約できる一方で、こうした多様なバックグラウンドを持つ人材が、いかに効果的に協働できるかが最大の課題となる。

    「それは常に挑戦だ。既存のエンジンメーカーには、すでに確立された文化がある。一方で、このケースでは少なくともミルトンキーンズのキャンパス内には、すでに明確な文化があった。そこに人が加わり、適応していく必要がある。パワートレインズ部門の従業員がゼロから500人以上に増える中で、全員がその文化を受け入れ、自分のものにすることが重要だ」とラッシュブルックは語る。

    ラッシュブルックによれば、フェルスタッペンはこのプロジェクトに強い関心を示しているという。それは新エンジンのドライバビリティに関する技術的フィードバックという意味だけでなく、ファクトリーで働く人々にとっての重要なメッセージにもなる。

    「彼は何度も施設を訪れている。彼の関心をチームが直接感じられるのは素晴らしいことだし、彼がそこにいるだけで違いが生まれる。彼が本気で気にかけていることが伝わるのは大きい。こうした関与を示してくれるのは良いことだし、同時に彼自身も、チームが2026年に向けて準備しているものに対する信頼を深めることができる」

  • 「マキシエル再会?」 フォード・レーシング映像にリカルドとフェルスタッペン

    「マキシエル再会?」 フォード・レーシング映像にリカルドとフェルスタッペン

    フォード・レーシングが公開した2026年シーズンローンチのティーザー映像が、F1ファンの間で大きな反響を呼んでいる。

    映像には、元レッドブルF1ドライバーのダニエル・リカルド、4度のF1ワールドチャンピオンであるマックス・フェルスタッペン、そしてアイザック・ハジャーの姿が含まれており、SNS上では一気に注目が集まった。

    2026年のレッドブルとフォードの新時代
    マックス・フェルスタッペンとアイザック・ハジャーは、2026年のレッドブル・レーシングのドライバーラインアップを構成する。チームはチーム代表ローラン・メキース体制のもと、新たな時代へ踏み出す。

    2026年からF1には新レギュレーションが導入され、レッドブルはホンダとのパートナーシップを終了し、自社製パワーユニットの開発に舵を切った。そのプロジェクトを支えるのがフォードであり、両者はパワーユニット分野での本格提携をスタートさせる。

    ティーザー映像が生んだ“再会”への期待
    今回のティーザーで主役級に扱われているのが、フォード・レーシングのグローバルアンバサダーを務めるダニエル・リカルドだ。リカルドは、フォードとレッドブル・パワートレインズのパワーユニット開発そのものには関与しないと明言しているが、それでも映像の中心人物として起用された。

    さらにマックス・フェルスタッペンも登場したことで、ファンの間では「かつてのチームメイト再会」を期待する声が噴出した。

    「Oh my god Maxiel reunion?!」

    「DanielとMaxだ!」

    「どうやったら招待してもらえる?」

    といったコメントが相次ぎ、投稿は拡散された。


    1月15日ミシガンで開催される一夜限りのイベント
    フォード・レーシングは、2026年シーズンローンチイベントを1月15日にミシガン州で開催すると予告している。会場はミシガン・セントラル・ステーションで、フォードが手がけるさまざまなモータースポーツ・プロジェクトを祝う場になるという。

    同時に、レッドブルとの新たなパートナーシップも正式に紹介される予定であり、マックス・フェルスタッペンがダニエル・リカルドとともに現地に姿を見せる可能性も示唆されている。

    ダニエル・リカルドの現在地 フォードとの新たな役割
    ダニエル・リカルドは2024年9月にF1を離脱後、しばらくはレースから距離を置いていたが、2025年に入りフォード・レーシングのグローバルアンバサダーに就任した。以降、フォードの公式SNSや各種イベントに登場している。

    最近では、2025年のラプター・ラリーでフォードF-150ラプターをドライブし、その様子をVlogとして公開。インスタグラムには、

    「ラプター・ラリーで砂漠を駆け抜ける自由と楽しさ。レイク・ハバスでF-150ラプターをジャンプさせるのは最高だった」

    と書き込み、新たな活動を満喫する姿を見せている。

    2026年を前に、フォード、レッドブル、そしてダニエル・リカルドとマックス・フェルスタッペンの名前が一つの映像で交差したことで、その象徴的な再会が現実になるのか、注目が集まっている。