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  • トヨタF1、戦略ミスを悔やむ (F1バーレーンGP)

    トヨタF1、戦略ミスを悔やむ (F1バーレーンGP)

    トヨタF1チームのジョン・ハウエットは、バーレーンGPでの戦略があまりに保守的だったために、チーム初優勝のチャンスを逃してしまったと語る。

    ポールポジションと2番グリッドからスタートしたトヨタのヤルノ・トゥルーリとティモ・グロックだったが、トゥルーリはレースで3位に落ち、グロックはタイヤに問題を抱え7位でフィニッシュした。

    ジョン・ハウエットは、チームはロングスティントでプライムタイヤを使うという決断をし、その決断により、ヤルノとティモの貴重なタイムが犠牲になったことを認めた。

    「我々は、ロングスティントをソストタイヤで行くべきだった。3ストップと2ストップの選択肢があった。3ストップではトラフィックにはまる可能性があったので、我々は2ストップで行くことに決めた」

    「我々はソフトタイヤが重い燃料とコンディションでは持たないかもしれないと懸念していた。戦略的にそれが間違っていたと思う。我々はハードタイヤで遅く、アドバンテージの大部分を失ってしまった」

    「我々が失望しているのは、ポジティブなことだと思う。3年前だったら、我々は3位でのフィニッシュに有頂天になっていただろう。ところが今の我々は、勝利のにおいを感じて、失望しているのだからね」

    「ポジティブな兆候だし、ヤルノはレース終盤までセバスチャンを追いまわした。我々にはレッドブルと同じペースがあった。正直なところ、レースではブラウンがわずかに速いが、射程距離内だと思う」

    「しかっりとしたシーズンのスタートだ。だが、我々は勝利に飢えている。それを感じることができることが、刺激になっていると思う。プッシュし続けるためのモチベーションは高い」

    ハウエットは、トヨタがまだ初勝利をあげていないのは、勝利を意識し過ぎていることが原因の1つだと語る。

    「F1では、全てがトップレベルでなければならないし、我々がレースで勝てば、そのあとはリラックスして、もっと簡単になるかもしれない。我々はあまりに一生懸命すぎるのだと思う」

    「いつも同じだ。勝つことに飢えていて、ミスに対して神経質になり、保守的な決定をしてしまい、勝てない」

    「しかし、我々はチームと我々がしたことを誇りに思わなければならない。エンジニアはとても速いマシンを造ったし、しっかりとした信頼性がある」

  • トヨタ:タイヤ戦略が裏目に – 初優勝ならず (F1バーレーンGP)

    トヨタ:タイヤ戦略が裏目に – 初優勝ならず (F1バーレーンGP)

    トヨタは、F1バーレーンGPで、ヤルノ・トゥルーリが3位、ティモ・グロックは7位だった。

    フロントローからスタートしたトヨタの2台。1コーナーでグロックが前に出て、第1スティントはグロック-トゥルーリの順で順調にリードを広げた。しかし、1回目のピットストップでトヨタの2台はハード側のタイヤを選択。この戦略が裏目に出たカタチとなり、中団での苦しい戦いを強いられることになった。

    結局、グロックは予定より早くピットインし、ソフト側のタイヤに交換。トゥルーリは上位で踏ん張ったが、3位でフィニッシュ。トヨタに初優勝をもたらすことはできなかった。

    ヤルノ・トゥルーリ (3位)
    「今週はトヨタ初優勝のチャンスだと考えていたので、正直、少し残念だ。厳しいレースだった。第1コーナー進入で少しティモより遅くなり、1回目のピットストップまではティモの後方を走った。彼より1回目のピットストップが遅いことは、知っていた。次のピットストップまでは、長距離をミディアムタイヤで走り、他のクルマと激しく競い合ったが、ピットストップの後はセバスチャンに前に出られた。その後、彼はミディアムタイヤ、自分はスーパーソフトタイヤを使った。自分のほうが早かったので、頑張ったけど、結局追い抜くことはできなかった。エンジニアやメカニックは良い仕事をしてくれたので感謝したいし、再び表彰台に上がれ良かった」

    ティモ・グロック (7位)
    「難しいレースだった。スタートは良かったが、路面が汚れているサイドからスタートした自分が、ヤルノの前に出れて驚いた。ピットに最初に入ったが、良かったのかどうか分からない。ミディアムタイヤで走ったとき、グリップを得られず、初めの2周で、何秒失ったか分からない。タイヤが温まらず、2度目のピットインまではいい走りができなかった。滑りやすく、スピードはスーパーソフトの方が良かったのは明らかだ。結局、キミを追いかけたが、オーバーテイクはできなかった。2ポイント稼いたが、次のスペインではもっと上位を狙いたい」

    新居章年 (シャシー部門技術コーディネーション担当ディレクター)
    「ヤルノが表彰台を獲得でき、嬉しさはあるが、優勝のチャンスを逃した悔しさの方が大きい。予想より気温も路面温度も高く、タイヤの選択が非常に難しかったが、予選までの積極的な作戦とは逆に、少しリスクを避けすぎたかもしれない。またシーズン中一番ブレーキの厳しいサーキットであり、消耗が激しかったが、ヤルノもティモも本当にいい走りだった。これで開幕4戦を終わり、表彰台3回と順調とも言えるが、舞台をヨーロッパに移した後も、常にトップ争いを続けて、初優勝に向かって頑張りたい」

    山科忠 (TMG会長 兼 チーム代表)
    「もっと上位を期待していたが、3位を獲得し喜んでいるし、ヤルノの頑張りに感謝している。ティモはミディアムタイヤでのグリップに苦労し、安定性を確保できなかったが、それでも2ポイントを獲得した。今季3度目の表彰台は、バーレーンに来ているスタッフだけでなく、ケルンのファクトリーにいるスタッフ全員に、そしてスポンサーの皆様に感謝したい。今回のようなコンディションの時、表彰台の真ん中を狙わなければいけない。次のバルセロナから、また頑張りたい」

  • トヨタ:初のフロントロー独占! (F1バーレーンGP予選)

    トヨタ:初のフロントロー独占! (F1バーレーンGP予選)

    トヨタは、F1バーレーンGPの予選で、ヤルノ・トゥルーリが1番手、ティモ・グロックが2番手だった。

    ヤルノ・トゥルーリがポールポジションを獲得した。トゥルーリにとっては、2005年のアメリカGP以来のポールポジション。トヨタとしても2005年の日本GP以来のポールポジションとなった。

    ティモ・グロックも2番手に入り、トヨタはF1参戦で初めてフロントローを独占した。

    ヤルノ・トゥルーリ (1番手)
    「再びポールポジションに戻ることができ、興奮している。今週は上手く行っており、明日の最前列からのスタートを嬉しく思う。セッション中、ブレーキングに問題があったので、実は、昨日ほどスムーズなわけではなかった。これは決勝への不安要素なので、今夜中に、確認したい。レースのペースもタイヤの調子も良いので、決勝も行けると信じている。開幕から第3戦まで、順調ではなかったので、そろそろ風向きを変えたい。冬のテストをここバーレーンで実施し、良いタイムを出していた。それが、今日1、2位をトヨタが独占したことにも、つながったのだろう。ポールポジションは、一生懸命働いてくれたチームのみんな、そして、地震にあわれた故郷のアブルッツォ地域の方たちに捧げたい」

    ティモ・グロック (2番手)
    「最前列グリッドを独占できて最高。昨日、自分のクルマにトラブルが発生したが、セットアップを変えるなど、今日のためにチームが一生懸命やってくれた。午前のフリー走行では、電気系統の故障で、時間いっぱい走ることができなかったが、最速タイムを刻むことができた。予選はとてもスムーズに行った。風が少し変わったが、初めに使ったミディアムタイヤに慣れるのに苦労した。予選第2セッションでは、少し良くなったが、第3セッションの8週目の後、小さなミスをして、ヤルノに追いつけなかった。今季はチームにとって厳しいスタートとなったので、エンジニアとメカニックのみんなに心から感謝したい。今日は素晴らしい結果となった」

    パスカル・バセロン (シャシー部門シニア・ゼネラル・マネージャー)
    「予選の結果には大喜びしている。競争力を高く保てていたので、1位を目指していたし、結果、そうなった。私たちに続くほかのクルマとの差はもう少し小さいと思っていた。ドライバーは2人とも、よくやってくれ、予選第1セッションから良いペースが刻めていたので、その調子のまま、残りの予選を戦うだけだった。タイヤについては、ミディアムとスーパーソフトの両者に大きな違いが出るので、明日の決勝は面白く、様々な戦略が考えられる。昨日のフリー走行で、短距離と長距離の走行ペースも確認できている。本日午前のフリー走行も、ティモが電気系統の小さなトラブルを抱えた以外、うまく行った。時間内に直したエンジニアとメカニックに、感謝したい。今日の結果を明日につなげたい」

    新居章年 (シャシー部門技術コーディネーション担当ディレクター)
    「フロントローをヤルノとティモで独占できた事は、ドライバー、チーム全員のおかげで素直に感謝して喜びたい。今朝のフリー走行で昨日の悪かった点を修正する事が出来た。フリー走行の最後にティモのエンジンが止ってしまう不具合もあったが、チームの懸命な作業で原因を突き止め、無事に予選までに修復する事が出来た。また予選に入ってからは本当に上手くタイヤマネージメントが出来、これが今日の結果につながったと考える。しかし本当の勝負は明日のレースなので、車のチェックなどしっかり進めて、表彰台の真ん中を目指してチーム一丸のレースする」

  • ヤルノ・トゥルーリ、ポール獲得も「ブレーキが心配」

    ヤルノ・トゥルーリ、ポール獲得も「ブレーキが心配」

    F1バーレーンGPでポールポジションを獲得したヤルノ・トゥルーリは、午前中からブレーキに問題を抱えており、ポールポジションを獲得したことに驚いていると語る。

    ヤルノ・トゥルーリにとって通算4回目、トヨタにとっては2005年の日本GPとなるポールポジション。

    トヨタはティモ・グロックも2番グリッドを獲得し、チームにとって初となるフロントローを独占した。

    自身2度目の優勝を狙っているトゥルーリだが、日曜のレースで彼のマシンのブレーキに再び問題が発生することを懸念していることを明らかにした。

    「簡単な予選ではなかったし、状況はかなり困難だった」

    「クルマにいくつかトラブルを抱えており、ブレーキペダルはだんだん長くなっていった」

    「正直なところ、予選ラップにはあまり快適には感じられなかった。レースペースではもっと競争力があると思っている」

    「でも、良いクルマを持っていて、ポール争いができることはわかっていたので、1位手と2位手で終われたのは最高のことだし、特にチームのために今回の素晴らしい結果を示せたことは素晴らしいことだね」

    「でも、問題を抱えていたのが心配なので、ブレーキに問題があるかを調査するためにデータを分析する必要がある」

  • ティモ・グロック 「トゥルーリには敵わなかった」

    ティモ・グロック 「トゥルーリには敵わなかった」

    ティモ・グロックは、F1バーレーンGPの予選で、たとえ最終ラップでミスをしなかったとして、チームメイトのヤルノ・トゥルーリを打ち負かすことはできなかったと語る。

    ティモ・グロックは、セッション終了間近までトップタイムを記録していた。しかし、その直後、ヤルノ・トゥルーリがグロックのタイムを上回り、ポールポジションを獲得した。

    グロックは、予選終了後、トゥルーリのタイムに届くことはできなかったことを認めた。

    「そんなに不愉快ではないよ」とグロックは語る。

    「一晩中かけて、かなりの事を見つけられた。昨日はブレーキにかなり苦労していたけど、マシンを変化させることができた」

    「終盤に僕が最速だったことには驚いた。予選にはかなり満足しているけど、風向きが変化して、マシンがナーバスになって、Q3はかなり難しかった。ヤルノは予選で素晴らしかったし、僕は1つミスをしてしまって、少しタイムを失った。でも、それがなくてもポールを獲るには十分ではなかった」

    ポールポジションを獲得できなかったグロックだが、チームの初フロントロー独占に喜びを語った。

    「僕たちは昨日すでにマシンに問題を抱えていて、テストのペースからは程遠かったので、多くのことを変更しなかれなならなかった」

    「マシンにはかなり満足していたけど、予選では風向きが変化して、Q1で少し苦労した。でも、Q2とQ3には満足している」

    「ポールポジションは獲れなかったけど、最前列には満足しなければならないね。ここ数週間、本当に懸命に作業してくれたチームとメカニックのおかげだ」

  • トヨタ:F1バーレーンGP初日

    トヨタ:F1バーレーンGP初日

    トヨタは、F1 バーレーンGP初日のフリー走行で、ヤルノ・トゥルーリが3番手、ティモ・グロックが8番手だった。

    ヤルノ・トゥルーリ
    このサーキットでは冬のテストでたくさんの情報を収集したが、今日のコンディションはテストの時とは全く異なっていた。ずっと高い気温に合わせ、いくつかセットアップを変えなければならなかった。また、テストの時より、クルマが滑ったが、たぶん、他のチームのドライバーも同じように感じていると思う。今日はいつものように、タイヤのテストとセットアップのプログラムをこなした。ドライバビリティがもう少し必要だけど、決勝に向けて悪くないスタートができたと思う。

    ティモ・グロック
    ここでの冬季テストでは安定的したペースを刻め、良かったが、今日は運転が難しかった。ラップタイムは悪くないけど、特に周回を重ねた時の車のバランスが、あまり良くないように感じた。ブレーキングの感触も、もう少し良くしたい。明日からの方向性を整理し、クルマを有るべき状態に戻す為に、我々は今晩も遅くまで頑張らなければならない。

  • ティモ・グロック、F1中国GPを振り返る

    ティモ・グロック、F1中国GPを振り返る

    ティモ・グロックが、F1中国GPとこれまでのシーズンを振り返った。中国GPではピットレーンスタートから7位入賞。ティモ・グロックは、これまでの3戦で1回の表彰台を含めすべてのレースでポイントを獲得している。

    今シーズンの自分の滑り出しをどう評価していますか?
    僕とチームにとって、今シーズンは良いスタートが切れたね。個人的な観点から言えば、わずか2戦目にして表彰台に上がれたのは本当にポジティブなことだったし、オーストラリアでのヤルノの3位に続いて、チームは2戦連続で表彰台を獲れたんだからね。中国では全体的にちょっと期待外れだったけれど、でも表彰台を狙える競争力のあるクルマでシーズンをスタートできたのは素晴らしいことだ。自分のパフォーマンスには満足している。何度か難しい状況に置かれたにも関わらず、既にかなりのポイントを獲得できたわけだけど、これに関しては本当に一生懸命仕事をしてくれたチームのみんなにお礼を言わなければならない。

    今年のスリックタイヤには簡単に適応できましたか?
    間違いなく、スリックタイヤの方が遥かに感触がいい。昨年、僕が取り組まなければならなかった大きな課題の1つは、グルーブド(溝付き)タイヤを理解することだったんだ。スリックタイヤと比べてかなり挙動が異なっていたし、僕にはグルーブドタイヤの経験がそれほど多くなかったからね。僕にとって、スリックタイヤに戻るのは全く問題なかったよ。自分のキャリアのほぼ全体を通じてスリックタイヤを使ってきたから、今シーズンは走るのが楽になった。もちろん、レース毎にコンパウンドが違うから、タイヤの性能を最大限に引き出すのは今でも大きな挑戦だけど、でもスリックの方が安心できるね。

    中国GPでの7位には満足していますか?
    もっと良い結果を期待していたから、もしあの週末の前にそう質問されていたら、“ノー”と答えていただろう。でも土曜日のトラブルとピットレーンからのスタートだったことを考えれば、2ポイントで満足しなければならないね。今年はここまでの3戦でいずれもポイントを獲得しているのはポジティブだよ。

    レース序盤のコースの状態はどんな感じでしたか?
    最初の数周はかなり危なっかしかった。僕はギヤボックスを交換したために、集団の後方にいたわけだけど、水煙が凄くてその位置からはほとんど何も見えなかった。まるで目隠しされたまま走っているような感じだった。自分がどこに向かって走っているのかも良くわからなかったし、とにかくクルマをコース上にとどめておくことすら非常に困難だった。ブレーキングの場所の判断を誤った際、ニック(ハイドフェルド)とあわやという場面があり、残念なことに彼のマシンの後部にぶつかって、僕のフロントウイングが損傷してしまったんだ。

    その損傷は問題になりましたか?
    壊れていない方が良いのは間違いないね。クルマの感触が完璧ではなかったので、予定よりも早めにピットストップを行った。その際にフロントウイングを交換したんだけど、チームは本当に短時間で素晴らしい仕事をしてくれた。今年のフロントウイングは昨年までのものより遥かに大きいため、ピットクルーがそれを交換するのは大変なんだ。でも彼らが冬の間に練習を重ねていたことは僕も知っていた。本当にあっという間に彼らは交換してくれたんだ。新しいフロントウイングになった途端、クルマの感触が遥かに良くなり、ポイント獲得目指して攻めることができた。

    あのような状況では、他車が前後にいない方が運転が楽でしたか?
    目の前にクルマがいない時の方が視界が遥かに良好だった。水煙があると本当に運転が難しくなる。僕は5〜6周にわたって良好な視界で走ることができた。良いペースで走れていたし、かなり速いように思えたんだけど、その後にキミ(ライコネン)に行く手を阻まれてしまった。しばらくの間、彼に前を抑えられてしまい、どこに水たまりがあるのか良く見えなかったから、やや引き下がらざるを得なかった。最終的には彼を抜くことができたけど、簡単じゃなかった。一番の問題は視界だったね。他車の後ろを走っている時は、とにかくどこを走っているのか正確にわからなかったよ。

    バーレーンGPではどんな展開を予想していますか?
    レースに関しては楽観的に考えている。冬の間にバーレーンでテストをしたし、できれば今回のレースでも引き続き正しい方向に向かって進み、更に多くのポイントが獲得できるといいね。基本的にコンスタントに性能アップするためには、ハードにプッシュしていく必要がある。他のチームがクルマを改善すべく頑張っているのはわかっているし、僕たちも集中して可能な限りハードに仕事をしていかなければならない。少なくとも、他チームと同じくらいの速さで開発していく必要がある。

  • リカルド・チェカレッリ博士 (トヨタF1 チームドクター)

    リカルド・チェカレッリ博士 (トヨタF1 チームドクター)

    トヨタF1チームのチームドクターとしてグランプリに帯同するリカルド・チェカレッリ博士が、チームドクターの仕事、F1というスポーツ、そしてF1ドライバーの体調管理などを医学的に解説する。

    あなたのチームでの役割は?
    私はいわばチームと一緒に旅をするファミリードクターのようなもので、現場で起こるあらゆる問題に対処している。小さな“薬局”を現場に持ち込んで、チームの面々の手当をしている。彼らができるだけ早く回復して、最高の仕事をできるようにね。

    症状がもっと酷い場合には、メディカルセンターあるいは(現地の)病院に行った方が良いのかどうかを私が判断している。メディカルセンターや病院には私も帯同し、適切な治療を受けているかどうかを確認している。また、彼らが日常的に自分自身の健康をちゃんと気遣っているかどうかをチェックするため、私はチームメンバーと一緒に仕事をこなしている。例えば、レース中にチームメンバーが適切に水分補給できるよう、私は特性のミネラル飲料を用意して、ガレージでそれを配っている。それは、チームの全員が自分たちの仕事をできるだけ健康な状態でこなせるようにするのが目的だ。日曜日の午後に体力を回復させようと思っても、ドライバーはもちろんのこと、チームメンバーは誰であれホテルでゆっくり過ごすことなんて不可能だからね。

    あなたはドライバーに近い場所で仕事をしていますよね。F1ドライバーにはどのくらいの体力が必要なのでしょう?
    F1ほど心臓に大きな負荷がかかるスポーツは、世界中のどこ探してもない。トップドライバーの心拍数は、90分間あるいはそれ以上のレースの全般にわたり、平均して180回/分を超える。これはとても大きな数字だし、これほど長時間にわたり心拍数がここまで高くなるスポーツはほかにない。更には、身体全体の筋肉もかなりの仕事をしている。Gに耐えるために首の筋肉はキツい仕事をこなさなければならないし、脚と腕にもかなりの負荷がかかり、また、身体を安定させるためには腰が強靭でなければならない。普通の人がそうした負荷の下、F1カーに乗って走ったら、2〜3周走っただけで身体が音を上げてしまうだろう。

    ドライビングにおけるメンタル面については如何ですか?
    筋肉への要求は重要な要素だが、脳への負荷は信じられないレベルになる。F1は、レースの最初から最後まで脳を必死で使わなければならないスポーツだ。テニスでは数秒毎に休憩があるし、ボクシングでは3分おきに休憩がある。また、射撃では常に休憩の時間がある。つまり、F1ドライバーの脳は、そういったスポーツ選手とは違う形で機能しているんだ。F1ドライバーの脳を平均的な一般人のそれと比較すると、その働き方が全く異なっている。

    レースと比べて、予選ではドライバーの反応が異なるのでしょうか?
    その通り。レース中のドライバーは、予選のアタックとは違う走り方をしている。予選では身体への負荷がより激しくなる。予選ではドライバーは本当に限界ぎりぎりで走っており、常に簡単にミスしてしまう状況にいる。また通常のレース中の周回よりも心拍数が50回/分も速くなる場合がある。これは、ドライバーの身体がとてつもない量の仕事をこなしていることを示しており、この状態を維持するのは数分が限度で、レース全体を通じてこれを続けるのは無理だ。

    酷暑の日は、チームメンバーとドライバーにどんな影響が及ぶのでしょうか?
    簡単に言えば、人は誰でも熱があるときは身体が弱まっているように感じる。これは身体が適切に機能していないためだ。クルマのエンジンがオーバーヒートすると、パフォーマンスが下がるのと同じようにね。バーレーンのように酷暑の中でドライビングあるいは仕事していて、しかも(冷房のある部屋などで)クールダウンできない場合、体温が上昇して熱があるときと同じような反応が表れる。体温が上昇するとすぐに、脳と筋肉、そして(刺激に対する)反応に影響が及ぶ。発汗というのは、身体の冷却機能であり、発汗することによって体内の水分を失う。従って過度の暑さにさらされているときは、その熱および体内の水分を失うことによって、身体が弱くなったように感じるんだ。

    水分を失うとどのような状態になるのでしょう?
    体重の2パーセントの水分を失うと、心理面と身体面の能力の重要な部分を失い始める。体重が60キロだとしたら、わずか1キロとすこしの汗でそうなるわけだ。ドライバーは時にはレース中に最大3キロを失うが、体重の4パーセントを失った場合、心理/身体能力の約40パーセントを失うことになる。従って、熱に対し何の対処もしないとしたら、暑い日のレースでドライバーのパフォーマンスが低下するのは普通のことなんだ。

    では、それを補うために何ができるのでしょう?
    いろいろと細かなことをやることだ。そういったことを全部合わせれば、かなり効果が高まる。まずは水分をたくさん補給すること、そして常に飲み物が入ったボトルを自分の側に置いておくことだ。飲み物は基本的に水だが、それに多少ミネラルを加えてもいい。2つ目は、栄養に十分気を配ること。消化しやすいシンプルな食べ物が一番いいね。最後に、ドライバーについて言えば、レース前はできる限り彼らを涼しい状態に保つことだ。たとえばヘルメットの中に氷を入れるとか、シューズを冷蔵庫に入れておくといったことなど。そうやっておけば、クルマに乗り込んだ瞬間にすでに身体がオーバーヒート気味になっている、といった状況を回避できる。

    ドライバーが完全に健康な場合、そういったやり方がどのくらいドライバーのパフォーマンスに影響するのでしょう?
    ドライバーへの影響はかなり微妙だし、それを確認するのは難しい。私はトヨタに加入する以前に、レース前の4日間にわたり酷い感染症にかかっていたドライバーを診たことがある。彼は体内の水分をかなり失ってしまい、日曜日にサーキットに来たときはかなり悪い状態だったが、それでも彼はレースに参加しなければならなかった。レース後、彼は“レース中はずっと酷い状態で、すぐにでも倒れそうだったけど、いいクルマだったからトップ6でフィニッシュできた”と私に話してくれた。普段から身体の状態が最高のドライバーが病気になった場合、レースではいつもよりコンマ4秒から最大でコンマ5秒くらい遅くなる可能性がある。

  • ヤルノ・トゥルーリ (F1バーレーンGPプレビュー)

    ヤルノ・トゥルーリ (F1バーレーンGPプレビュー)

    ヤルノ・トゥルーリが、F1第4戦 バーレーンGPへ向けての意気込みを語った。

    ヤルノ・トゥルーリ (トヨタF1チーム)
    冬季テスト以来のバーレーンでの走行を楽しみにしている。バーレーンで初めて、ドライコンディションで、TF109をテストしたが、競争力の高いパッケージだとすぐに分かり、シーズンが始まり、それを証明できた。テストではクルマは力を発揮できたので、今週末も期待しているし、上位争いができると思う。

    レース時の天候やトラックの状態は、テストの時とは違うが、それでもセットアップの情報は使えるうえ、2種類のタイヤに関しても経験がある。いつものように、精一杯やるし、チーム全員、盛り上がっているので、レースがうまく行けばと思う。

  • ティモ・グロック (F1バーレーンGPプレビュー)

    ティモ・グロック (F1バーレーンGPプレビュー)

    ティモ・グロックが、F1第4戦 バーレーンGPへ向けての意気込みを語った。

    ティモ・グロック (トヨタF1チーム)
    バーレーンGPは面白く、独特のサーキットだ。セットアップに関しては、バランスを取るのが難しい、ストレートでのスピードと低速コーナーでのグリップをうまく両立させなければならない。砂漠を吹く風が、バーレーンでは特に問題で、毎周、風向きが変わる。悪い方向から吹くと、クルマが少し不安定になるが、予想できることなので、対処する準備ができる。

    去年は、初めてのポイントを稼げたところだったのに、些細な技術的な問題で、8位に届かず、ついてなかった。今シーズンは、昨年に比べはるかに良いスタートを切れたし、このままの調子を続けられる自信がある。