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  • F1アカデミー 全10チームが複数年契約を更新 2027年からキャデラックも参加

    F1アカデミー 全10チームが複数年契約を更新 2027年からキャデラックも参加

    F1の全10チームは、女性ドライバー育成シリーズ「F1アカデミー」へのコミットメントを延長する新たな複数年契約に合意した。これにより、各チームがドライバーを支援し、チームブランドのカラーリングを用いる体制は今季以降も継続される。

    この合意は、2024年に導入されたモデルを基盤としている。F1チームがそれぞれ指定ドライバーを支援し、マシンに自チームのカラーを採用する方式だ。

    契約延長により、この仕組みはさらに数年間継続される。また、2026年にF1に参入するキャデラックが、2027年からF1アカデミーにも参加することも決まった。

    F1アカデミーは木曜日に契約更新を発表すると同時に、参戦規定のアップデートも明らかにした。2027年からは、すでに2シーズン参戦したドライバーに対し、明確な成長ポテンシャルを示した場合に限って3年目の参戦を認める特例措置が導入される。主催者はこれを「才能育成に向けた個別最適化アプローチ」と説明している。

    「現行のF1全10チームによる長期的な支援の継続、そして2027年からキャデラックが加わることは、F1アカデミーの未来に非常に力強いメッセージを送るものだ」と、シリーズのマネージングディレクターを務めるスージー・ウルフは語った。

    「私たちは現世代の女性ドライバーに舞台を提供するだけでなく、今後の世代の才能を支える道を一緒に築いている。高いポテンシャルを持つドライバーが最大3シーズン参戦できるようにするなど、個別育成への焦点をより鋭くしたことで、常に最高の女性ドライバーがグリッドに揃うことが保証される」

    F1アカデミーは2023年に創設され、女性のレース参戦の道筋を明確化し、草の根レベルでの参加拡大を目指すシリーズとして位置づけられた。初年度は単独シリーズとして行われたが、2024年からはF1のサポートレースとして世界各地のグランプリと併催されている。

    2025年シーズンはラスベガス(11月20〜22日)でタイトル決定戦を迎える。現在、メルセデス支援のドリアーヌ・ピンが、フェラーリ支援のマヤ・ウーグに9ポイント差で首位に立っている。

    2024年王者でアルピーヌの支援を受けていたアビ・プリングは、今季GB3選手権へステップアップ。シリーズが女性ドライバーの育成とキャリア形成の場として成功を強めていることの証左となっている。

    F1アカデミー参戦継続の意味:F1が“義務”ではなく“投資”として扱い始めた
    今回の合意は、単なる形式的な支援継続ではなく、F1がアカデミーを“長期的な投資対象”として扱い始めたことを示す動きだ。

    ■ 全10チームによる継続はシリーズの安定を保証
    ■ 2027年からキャデラックが参入し、F1アカデミーの拡張性がさらに強化
    ■ 3年目の参戦特例は、才能ある選手の“中途離脱”を防ぐ仕組み
    ■ 支援モデルが継続されることで、ドライバー発掘と育成がより体系化

    F1アカデミーは創設時より「女性にとってF1への道を広げる最も現実的な階段」として設計されてきたが、2024年以降のF1全チーム支援モデル採用により実効性が増した。

    今回の継続合意と制度強化により、ドライバーは“シート喪失や昇格不透明”を理由にキャリアが途切れるリスクが減少。シリーズとしても再現性のある育成サイクルを構築できるようになる。

    キャリア形成の出口戦略がより明確に
    アビ・プリングがGB3に進んだように、F1アカデミーは実際に“次のカテゴリーへの橋渡し”として機能し始めている。
    今後、F3やFRECAなど上位カテゴリーへの昇格事例が増えれば、シリーズの価値はさらに高まる。

    ■ 1〜2年で成長が止まらない場合も救済される
    ■ チームが支援することで才能の可視化が進む
    ■ 女性ドライバーの“次のステップ”がより現実的に

    F1アカデミーを通じたキャリアルートが定着すれば、F1全体のダイバーシティ推進にも大きく寄与することになる。

  • セルジオ・ペレス キャデラックF1とフェラーリSF-23でのテスト開始

    セルジオ・ペレス キャデラックF1とフェラーリSF-23でのテスト開始

    キャデラックF1チームが、2026年のF1参戦に向けた重要な節目を迎えた。今週、同チームはイモラ・サーキットでの2日間テストを開始し、セルジオ・ペレスがフェラーリから「貸与」された2023年型SF-23をドライブした。

    これにより、同チームは長らく続けてきたシミュレーション中心の準備段階から、ついにリアルトラックでの実働フェーズへと移行した。

    “Testing of Previous Car”を活用、フェラーリSF-23で実走開始
    キャデラックは、2026年のF1デビューへ向けてフェラーリから提供された2023年型SF-23を使用。これはF1規定の「Testing of Previous Cars(TPC/旧型車テスト)」に準拠したもので、今季のニューモデルを持たないキャデラックにとっては、実車で作業フローを確認する貴重な機会となる。

    車体はカーボン地むき出しのブラック仕様で、イモラのピットボックス16・17番にはフェラーリから約30名、キャデラックから20名ほどのスタッフが入り、共同でオペレーションを行った。

    事前には、アーサー・ルクレールがフィオラノでシェイクダウンを担当。今回のイモラテストは、すでにフィオラノで非公開で行われていた初回セッションに続く“2回目の実走テスト”にあたる。

    ロードン代表「テストしているのは“車”ではなく“人”」
    キャデラック代表グレアム・ロードンは、シンガポールGPでテストの目的を次のように強調している。

    「我々がテストしているのはマシンではなく、人だ。シミュレーションでリアルに近づけてはいるが、実車の運用経験はまったく別物だ」

    ロードンは特に、メカニックやエンジニアがF1マシン特有の“オペレーションの筋肉記憶”を身につけることを最優先に挙げた。

    「タイヤブランケットを扱う動作、マシンが発する熱、存在感。こうした要素に慣れる必要がある。ピットレーンで毎日働く他チームのメカニックたちと同じ経験値を積ませたい」

    今回のテストはセットアップ追求ではなく、ガレージ内のコミュニケーション、無線、作業手順など“組織としての熟成”が狙いだとされる。

    キャデラック F1 セルジオ・ペレス

    フェラーリがテスト日程の一部を提供、連携はすでに本格化
    フェラーリ代表フレデリック・バスールも、TPC日程の一部をキャデラックに提供したと認めている。フェラーリは今季の序盤にもルイス・ハミルトンをSF-23で走らせており、同じ枠組みでキャデラックも訓練が可能となった。

    また、キャデラックの技術陣には2026年に向けてフェラーリ側のエンジニアも加わる予定で、今回の共同作業はその前段階として機能している。

    The Race は、このイモラでの走行写真を公開しており、ガレージ内でキャデラックのメカニックとフェラーリクルーが混在しながら作業を行う様子が確認できる。

    さらに、キャデラックは先週末のF1ブラジルGP期間中に“フルスプリント週末シミュレーション”も初めて実施しており、本格的な運用体制づくりは加速している。

    バルテリ・ボッタスは2026年まで待機、ペレスが先行して実走
    2026年にキャデラックのレギュラードライバーを務めるバルテリ・ボッタスは、2025年末までメルセデスのリザーブ契約が残っているため、チーム始動は後回しとなる。

    一方、ペレスはすでにシミュレーターと実車プログラムにフル投入されており、チームの技術基盤づくりで中心的な役割を果たしている。

    2026年デビューへ向け準備は本格化、実走テストは今後も継続
    キャデラックはたびたび「2026年の参戦は“ただ出るだけではない”」と強調してきた。今回のテストはその覚悟を示す実質的なスタートラインとなる。

    イモラでの2日間のプログラムは今週中に完了予定。今後もフェラーリとの協力体制のもとで、追加の旧型車テストが実施される見込みだ。

    2026年のグリッドに向け、キャデラックは着実に最終準備フェーズへと歩みを進めている。

  • キャデラックF1チーム、TikTok出身のアフメド・イクバルをCMOに招聘

    キャデラックF1チーム、TikTok出身のアフメド・イクバルをCMOに招聘

    キャデラックF1チームは2026年のF1初参戦に向け、マーケティング責任者(CMO)としてアフメド・イクバルを招聘したと発表した。F1参入が正式決定して以降、同チームは技術・運営・マーケティングのあらゆる領域で採用を加速させており、今回の人事は「極めて重要な採用」と位置づけられている。

    キャデラックF1チームによると、イクバルはブランド開発、ファンエンゲージメント、パートナーシップ戦略など、グローバル市場におけるマーケティング全体を統括。

    米国モータースポーツ市場で同チームの存在感を定義し、持続的で独自性のあるブランドアイデンティティ構築を担うという。

    同氏は声明で「キャデラックF1の一員となり、世界最大のレースステージでアメリカのモータースポーツの新章を描く機会は、まさに“一世一代のチャンス”だ」と語っている。

    同チームによれば、イクバルはインタラクティブなデジタル体験、コミュニティ主導のストーリーテリング、ライブイベントなど、多面的なファン体験の創出にも取り組み、「アメリカのモータースポーツファンを結びつける存在」としてキャデラックF1チームを確立していく方針だ。

    イクバルはTikTokで自動車戦略を率いた経験を持ち、その前はTwitter(現X)でグローバル自動車部門を担当。さらに、JPモルガンでの投資銀行キャリアを経て、アウディ・オブ・アメリカで7年間にわたり複数のリーダー職を歴任している。

    キャデラックF1チームが狙う“アメリカ市場の主導権”
    キャデラックF1チームの採用動向は明確に「米国市場での存在感最大化」を目指しており、今回のCMO起用はその戦略を象徴している。

    F1は近年アメリカで人気が急上昇し、マイアミ、ラスベガス、オースティンの3レース体制に加え、Netflix効果も相まって新規ファン層が急拡大している。アメリカンブランドのキャデラックにとって、2026年参戦は単なるスポーツプロジェクトではなく、ブランド刷新と市場拡大に直結する国家的規模の取り組みだ。

    イクバルはTikTokやTwitter(X)でのソーシャル戦略構築の経験を持つ“デジタルネイティブ型マーケター”であり、F1チームのCMOとしては極めて異色の経歴を持つ。だからこそ、若年層や新規ファンへのリーチ、デジタル施策、コミュニティ形成など、従来のF1チームとは異なるアプローチが期待できる。

    2026年はアメリカのメーカー、アメリカのブランド、アメリカ人主導のマーケティングという“完全国産F1プロジェクト”が本格稼働する年となり、キャデラックF1チームがどのように存在感を確立していくかは大きな注目を集めそうだ。

  • バルテリ・ボッタス キャデラックF1に警鐘「初年度は現実的であるべき」

    バルテリ・ボッタス キャデラックF1に警鐘「初年度は現実的であるべき」

    キャデラックF1が2026年シーズンからF1に新規参戦するにあたり、チームを率いるバルテリ・ボッタスは「忍耐と冷静さが鍵になる」と語った。アメリカの自動車大手GMが母体となるこの新チームは、フェラーリ製パワーユニットを搭載し、セルジオ・ペレスとのコンビで挑む。

    GMが誇るブランドのF1参入はファンやメディアの注目を集めているが、ボッタスはフィンランド人らしい慎重な姿勢で、過度な期待を戒めている。2026年から導入される新レギュレーションの下、すべてをゼロから築く挑戦は容易ではない。

    「“エキサイティング”という言葉がぴったりだね。今のところ計画は順調で、スケジュール通り進んでいることに安心している」とボッタスはオランダの『RacingNews365』に語った。

    「大きなトラブルはまだないけれど、ゼロから始めるのは本当に大変なことだ」

    初年度は“現実的な期待値”で
    ハース以来となる新チームの誕生に向け、ボッタスは「最初の数カ月こそが重要」と強調する。

    「初年度に何を達成できるかよりも、まずは現実的であることが大切だ。期待値をマネジメントしなければならない」と述べ、「時間はかかるだろうが、僕はその覚悟ができている」と続けた。

    メルセデスのリザーブドライバーを務めた2025年を経て、36歳のベテランは「最初から大きな期待を持ちすぎない方がいい」と冷静に語る。

    「最初はどこに立っているのかを見極めることが大事で、最終的にどこまで到達できるかが重要なんだ」

    限られた関与と準備期間
    現時点でボッタスはメルセデスに在籍しており、キャデラックF1での活動には制約があるという。

    「もっと関わりたいけど、現段階では限界がある。必要な会議や意見交換はすでに済ませているよ」と説明。

    「オンラインでの打ち合わせはできるし、僕の過去のデータもチームに渡してある。すでにシルバーストンの施設も訪れているけど、今はペレスほど関与できない。とはいえ、今の雇用主はメルセデスだから、週末に備えるのが最優先だ」

    バルテリ・ボッタス キャデラック F1

    ペレスとの成熟したコンビ
    かつてメルセデスとレッドブルの間で激しく競った二人だが、今では“冷静で成熟した関係”が築かれている。

    「発表の日に一緒に過ごしたけど、彼はとても落ち着いた性格で、協調して働けるタイプだと思う」とボッタス。

    「お互いチームを第一に考える姿勢があるし、衝突するよりも助け合える関係になるはずだ」

    慎重な船出を予告する経験値
    メルセデスやアルファロメオでの経験を経て、10勝を挙げたボッタスはF1が「速さと同じくらい忍耐を報いるスポーツ」だと知っている。

    彼の言葉通り、キャデラックF1の参入は壮大な挑戦だ。だが、経験豊富なドライバー陣と堅実なアプローチがあれば、チームは着実に歩みを進めるだろう。

    F1の新たな一歩を前に、ボッタスの冷静な見解は示唆に富む。華やかな期待の裏で、成功への最短ルートは「焦らず一歩ずつ進むこと」なのかもしれない。

  • カルロス・サインツJr. ペレスのキャデラックF1復帰を称賛「完全に値する」

    カルロス・サインツJr. ペレスのキャデラックF1復帰を称賛「完全に値する」

    ウィリアムズのカルロス・サインツJr.が、2026年にキャデラックF1チームから復帰するセルジオ・ペレスを称賛した。サインツはメキシコ紙『El Heraldo de Mexico』の取材に対し、「彼は2度目のチャンスを得るに完全に値する」と語り、その粘り強さと実績を高く評価した。

    ペレスは2025年限りでレッドブル・レーシングを離れた後、アメリカメーカーの新チーム「キャデラックF1」で再びF1グリッドに戻る。

    サインツは「現代のF1で復帰できるドライバーはごくわずか」とし、ペレスをリカルドやヒュルケンベルグと並ぶ“再起組”のひとりとして称えた。

    「チェコはこれまでのF1キャリアを通じて、ドライバーとしてもアスリートとしてもどれだけ才能があり、どれだけ強いかをすでに証明してきた」とサインツは語った。

    「今、彼は“第2のフェーズ”を迎える準備をしている。それは彼にとって非常に刺激的なことだと思う」

    さらにサインツは、F1における“復帰組”の希少さを強調した。

    「2度目のチャンスを得られるドライバーはほんのわずかで、本当にF1に足跡を残した者だけだ。リカルド、ヒュルケンベルグ、そしてチェコのようにね」

    キャデラック参入が生む“新たな競争軸”
    サインツは、キャデラックF1チームの登場がF1の勢力図に変化をもたらすと指摘する。

    「グリッドに2台のマシンが追加され、500人以上のスタッフを擁する新しいチームが加わる。それは全チームにとって大きな挑戦になるはずだ」と述べた。

    キャデラックは2026年シーズンから正式参戦予定で、ペレスは同チームの初代エースとして起用される見通し。アメリカブランドのF1参戦は市場拡大の象徴であり、ペレスの“第2章”はF1の新時代を象徴する物語として注目を集めている。

  • キャデラックF1 チーム設立の舞台裏「364日でF1チームを作る恐怖」

    キャデラックF1 チーム設立の舞台裏「364日でF1チームを作る恐怖」

    アメリカの新興チーム、キャデラックF1チームのエグゼクティブ・エンジニアリング・コンサルタントを務めるパット・シモンズは、「F1参入までの道のりは“かなり恐ろしい”ものだった」と振り返る。

    チームは2026年シーズンの正式参戦に向けて今年3月にFIAから承認を受けたが、実際のプロジェクトはそれ以前から進行しており、当初は元F1ドライバーのマイケル・アンドレッティが主導していた。

    2026年には、セルジオ・ペレスとバルテリ・ボッタスがドライバーを務め、かつてマルシャF1チームを率いたグレアム・ロードンがチーム代表を務める予定だ。

    わずか364日でのF1参入準備
    F1で数十年の経験を持つシモンズは2024年初頭にチームへ参加し、短期間で急成長を遂げた体制を説明した。

    「これは本当に恐ろしいことなんだ」とシモンズはRacingNews365を含むメディアに語った。

    「驚くべきなのは、キャデラックの全員がこの新チームに注いでいる情熱とコミットメントだ。我々が正式にエントリーを得たのは今年3月7日で、オーストラリアGPのFP1のちょうど364日前だ。364日でチームを作るなんて、本来あり得ない。だからこそ、それ以前から人材確保などに全力を注いできた」

    シモンズは、最も難しい課題が「採用」だったと明かす。

    「年初の時点で、英国に159人がプロジェクトに関わっていた。エリック(=キャデラックのモータースポーツ統括)らのサポートもあったが、正式参入時には209人、そして今は426人にまで増えている。この成長スピードは非常に急激であり、本当に大変だった」

    F1の最前線品質を追求するチーム文化
    キャデラックF1チームは現在、イギリス・シルバーストンに拠点を構えており、さらに米インディアナ州にも本社機能を持つ施設を建設中だ。そこが将来的にキャデラックのすべてのモータースポーツ活動の中核拠点となる予定である。

    「私が初めてチームに来たときに最初に感じたのは、もちろん知っている顔ぶれが多かったことだが、何よりも“仕事の質の高さ”に驚かされた」とシモンズは語る。

    「多くの要素が、グリッド最前列チームと同等の品質を備えている。だからこそチャレンジングなんだ。やるべきことが本当に多い」

    シモンズはこれまでに約40台のF1マシン設計を手がけてきたが、今回のプロジェクトはまったく異なる難しさがあると説明する。

    「F1マシンを作るのが簡単だなんて言わない。決して簡単じゃない。でも、やるべきこととそのタイミングは経験からわかる。しかし、インフラ整備、手順や物流、建物の構築といった“チームを一から作る”経験はそう何度もできるものじゃない。それが最大の難関だったが、みんな本当によくやっている」

    分析:アメリカの「国家的プロジェクト」としての挑戦
    キャデラックF1の立ち上げは、単なる新規参戦ではなく、アメリカが本格的にF1の競争圏へ踏み込む象徴的な試みだ。

    GM傘下の技術力と、アンドレッティ由来のレース組織文化、そしてシモンズやロードンといった経験豊富なF1人材の融合によって、チームは短期間で「即戦力チーム」を形成しつつある。

    とはいえ、2026年シーズン開幕まで1年半を切った現時点でも、車体開発・空力部門・エンジン統合など課題は山積しており、F1参入の“壁の高さ”を象徴する事例でもある。

    パット・シモンズの「恐ろしい」という言葉は、挑戦の厳しさを語ると同時に、キャデラックがそれを真正面から受け止めている証でもある。

  • セルジオ・ペレス キャデラックF1準備でフェラーリSF-23をイモラでテスト

    セルジオ・ペレス キャデラックF1準備でフェラーリSF-23をイモラでテスト

    キャデラックF1に加入したセルジオ・ペレスが、2026年シーズンに向けた準備の一環として、来月イモラで旧型フェラーリを用いたテストを行うことを明らかにした。

    ペレスは今週末のF1メキシコシティGPに出場しており、木曜日に行われたチャリティ・サッカーイベントの後、来月実施される「旧型車テスト(TPC)」の詳細を語った。このセッションでは、キャデラックF1チームがフェラーリ製SF-23を使用し、初めて実走環境でのオペレーション確認を行う予定だ。

    ペレスとチームメイトのバルテリ・ボッタスがキャデラックF1のラインアップを形成しており、チームはまだ自前のマシンを持たないため、このテストは貴重な実戦準備の場となる。

    「11月にいくつかのテストセッションを予定している」とペレスは語った。

    「チーム全体でメカニックやエンジニアと連携して作業できるので、とても有意義な時間になると思う。1月の初めに始まるテストプログラムに向けて、チームを100%の状態に仕上げる準備を進めていく」

    イモラでの初テストと開発プログラムの意図
    今回のテストでは、フェラーリSF-23を使用してキャデラックのエンジニアやオペレーションチームがピットワークやレース週末の手順を実地で練習する。これは2026年にキャデラックが自社マシンでテストを開始する前段階として、重要なシステムチェックとなる。

    ペレスは「今はシミュレーター作業やフィジカル面の強化に集中しており、復帰に向けて万全の状態を整えている」と話した。

    「自分の意見を聞いてくれて、サポートしてくれて、価値を認めてくれるチームがあるというのは、本当に素晴らしいことだ。それはドライバーにとって夢のような環境だ」

    キャデラックとの協力関係はすでに本格化
    ペレスのキャデラックとの協力はすでに進んでおり、最近は米シャーロットの本社を訪れた後、シルバーストンでもチームのエンジニアと面会し、シミュレーター走行やコクピット調整のフィードバックを行っている。

    この段階でチームは、ピットストップ手順からガレージ内の通信に至るまで、レース週末のさまざまなオペレーションを繰り返しリハーサルしてきた。来月のイモラテストは、そうした準備の集大成となる。

    分析:キャデラックF1の「現実化」へ踏み出す一歩
    イモラでのテストは、キャデラックF1にとって初の実走プログラムとなり、単なる構想段階から“実戦準備”へと移行する節目となる。ペレスが述べたように、システムや人員の連携を早期に確立することは、新規参戦チームにとって極めて重要だ。

    特にフェラーリの旧型マシンを使うTPCは、実際のマシンを用いた貴重な学習機会であり、2026年に向けての技術的・人的シナジー構築の第一歩といえる。ペレスにとっても、長年のF1経験を活かして新チームを導く役割が期待されており、「リスニング・カルチャー」を持つキャデラックF1の文化が彼の再出発を後押ししている。

    イモラでの走行は、キャデラックF1が“構想”から“現実”へと歩み始める瞬間となりそうだ。

  • セルジオ・ペレス キャデラックF1のマシンに積極提案「操舵感を変えたい」

    セルジオ・ペレス キャデラックF1のマシンに積極提案「操舵感を変えたい」

    キャデラックF1チームは、2026年のF1参戦に向けて準備を進める中で、すでにセルジオ・ペレスがチームに実質的な影響を与えていることを明かした。ペレスはチームのシミュレーターセッションに参加し、マシンの重要な特性変更を求めたという。

    ペレスはバルテリ・ボッタスとともに、F1の新勢力キャデラックの初陣を担う経験豊富なラインアップを形成。チームは2026年シーズン開幕時にフェラーリ製カスタマーユニットを使用し、後に自社製パワーユニットへ移行する計画だ。

    現在もメルセデスと契約下にあるボッタスに対し、他チームと契約のないペレスはすでにシミュレーター作業を開始しており、実戦前から開発面で重要な役割を担っている。

    パット・シモンズ「パワーステアリングのフィーリングに変更要求」
    チームのエグゼクティブ・エンジニアリング・コンサルタントであり、ベネトン、ウィリアムズ、ルノーなどで活躍したパット・シモンズは、ペレスの参加によって得られた具体的な成果について次のように語った。

    「チェコ(ペレス)は現在どのチームにも縛られていないため、すでにシミュレーターに入っている」とシモンズはオースティンで招待メディアに語った。

    「彼とのデブリーフを行い、シミュレーターでも細かな部分を詰めている。たとえばエリック・ウォーレンのグループがパワーステアリングを設計しているが、チェコは『ステアリングのフィーリングを少し変えたい』と言った。これによってグループは彼の好みに合わせて調整できる。これは素晴らしいことだ」

    一方、ボッタスに関しては依然としてメルセデスとの契約があるため直接的な開発参加は制限されているが、メルセデス側は協力的で、ステアリングホイールのレイアウトなど、ドライバーの好みに関する要素を共有しているという。

    経験豊富な2人のドライバーが新チームに与える強み
    シモンズはまた、新チームにとってこの2人のベテランドライバーを擁する意義を強調した。

    「我々のような立場のチームにとって、2人の経験豊富なドライバーがいることは本当に幸運だ。来年のドライバーの作業量は決して軽くない」

    「2026年の新レギュレーションでは、レースはより戦術的になり、事前のプランだけでなく、走りながら考え、タイヤをマネージしなければならない。そのため、状況判断力に長けたドライバーが必要になる。2人があまり壁にぶつけないことを願っているよ」とシモンズは笑った。

    キャデラック F1

    分析:ペレスがキャデラックF1開発に与える初期インパクト
    ペレスがシミュレーター段階からパワーステアリングのフィーリングに介入したことは、彼がマシン特性に対して繊細な感覚を持ち、チームに即効性のあるフィードバックを提供できることを示している。

    特に2026年の新規定マシンは軽量化・空力効率化・エネルギーマネジメントなど複雑な要素が絡むため、ドライバーの入力特性に直結するステアリングフィールは極めて重要だ。ペレスが早期に関与することで、キャデラックはシーズン前テスト段階からドライバー主導の方向性を築ける可能性が高い。

    一方、ボッタスの技術的貢献はまだ限定的だが、メルセデスとの協力によりセットアップ志向やインターフェース設計面での知見共有が期待される。両者の経験値を活かせる環境が整えば、2026年のデビューシーズンでの信頼性確保と初期成績の安定につながるだろう。

    Source: RacingNews365

  • キャデラックF1、フェラーリ旧型車で実走テスト開始「チーム一体化に効果」

    キャデラックF1、フェラーリ旧型車で実走テスト開始「チーム一体化に効果」

    キャデラックF1の2026年F1参戦に向けた準備が本格化している。チーフテクニカルアドバイザーのパット・シモンズは、チームがすでに2年前のフェラーリマシンを使用して実践的なテストを行ったことを明らかにした。

    オースティンで記者団に語った元ウィリアムズ/ルノーのベテランであるシモンズは、このテストがチームのメカニックたちに貴重な実務経験をもたらしたと説明した。

    「我々は2年前のマシンを使ってテストに参加することができ、メカニックたちがチームとして協力しながら作業する良い機会になった」とシモンズは語った。「油圧のエア抜きや燃料補給といった基本的な作業を学ぶことが目的なんだ。

    この初回テストはチームスピリットの醸成にも非常に有効だったし、日常的なオペレーション面でも有意義だった。今後もう1回同様のテストを行う予定だ」

    アメリカを拠点とするキャデラックは、フェラーリ製のパワーユニットを搭載して2026年にF1の11番目のチームとして参戦予定。シモンズは、シャシーが「数週間以内に」FIAによるクラッシュテストを経てホモロゲーション(認証)を受ける段階にあると明かした。

    「私のキャリアの中でも、こんなに早く準備が整うのは初めてだ」とシモンズ。「だが我々にとってはこれが正しいやり方だ。何よりも準備不足で開幕テストに間に合わないチームを、過去に見たことがあるだろう。我々は同じ轍を踏むわけにはいかない」

    アメリカ3拠点+欧州連携、万全の布陣
    チームの拠点はアメリカ国内のシャーロットとフィッシャーズ、そしてイギリスのシルバーストーンに分かれており、空力開発はトヨタのケルン風洞で実施されている。

    「我々はアメリカのチームだ」とシモンズは強調する。「アメリカをベースにしているが、ヨーロッパの知見を活かすことは理にかなっている。地理的に離れていることは問題ではないし、精神的にはひとつのチームとして機能している」

    フェラーリとの提携は限定的、「カスタマーではない」
    キャデラックの技術提携はフェラーリのエンジンとギヤボックスカセットに限られるとし、ハースのような“カスタマーチーム”とは異なると強調した。

    「我々が受け取るのはエンジンとギヤボックスカセットだけだ」とシモンズは説明する。「だがギヤボックスキャリアやリアサスペンション、フロントサスペンションなど、他のチームがサプライヤーから購入している部品は自前で開発している。

    私は“自分たちの運命を自らの手で掴むべきだ”という信念を持っている。カスタマーチームのままでは世界チャンピオンにはなれない」

    ペレスとボッタスが開発に協力、ステアリング特性も調整
    シモンズはさらに、キャデラックのシミュレーター開発にはセルジオ・ペレスとバルテリ・ボッタスの両ドライバーが協力していることを明かした。

    「ペレスは『ステアリングのフィーリングを少し変えてほしい』と言っていた」とシモンズは説明する。「すでにこうした細かい要望に対応できる段階にあるのは素晴らしいことだ。

    メルセデスの協力も得ており、ボッタスのシート形状やステアリングホイールの好みなど、いくつかの点を明確にすることができた」

    アメリカ発チームの「欧州融合」戦略が成否の鍵
    今回の発言から見えてくるのは、キャデラックF1が単なる“新規参入チーム”ではなく、GMグループの総力を挙げた本格的なワークス体制を構築している点だ。シモンズの言葉どおり、「アメリカ拠点+欧州技術提携」のハイブリッド構成は、地理的な分散を超えて一体運営することを目指している。

    また、エンジン以外を自社開発とする方針は、将来的な完全ワークス化への布石ともいえる。ペレスとボッタスという経験豊富なドライバーがシミュレーター段階から関与している点も、マシンの完成度を初年度から高める重要な要素となりそうだ。

  • バルテリ・ボッタス キャデラックF1でペレスと共闘「最高のチームにできる」

    バルテリ・ボッタス キャデラックF1でペレスと共闘「最高のチームにできる」

    2026年にF1へ参入するキャデラックF1チームで、バルテリ・ボッタスとセルジオ・ペレスがチームメイトとしてタッグを組む。1年のブランクを経て復帰する2人は、新チームの船出を支える経験豊富なコンビとなる。

    ボッタスは2017年から2021年にかけてメルセデスでルイス・ハミルトンのチームメイトを務め、通算10勝・20回のポールポジションを記録。メルセデスのコンストラクターズタイトル5連覇に大きく貢献した。

    一方、ペレスはこれまでに6勝を挙げ、そのうち5勝をレッドブルで記録。2022年と2023年にはチームのタイトル獲得に貢献している。

    ペレスとの関係とチームへの期待
    「彼も僕と同じくらいワクワクしていると思う。彼はこの1年で少しリフレッシュできたようだし、家族との時間も増えたようだ」とボッタスはCrash.netの独占インタビューで語った。

    「僕たちは本当に良いチームを作れると思う。お互いに協力できる関係を築けるし、チームのために全力を尽くすことができるはずだ。これからの数年にとって、それが最も重要なことだと思う」

    かつて2021年の激しいタイトル争いでライバルチーム同士として戦った2人だが、ボッタスはペレスに対して常に敬意を抱いてきたという。

    「彼はいつも良い人だったし、僕に対しても親切だった。僕は彼をずっと尊敬している。彼は話しやすく、協力的なタイプだと思うし、僕も同じだ。だから問題ないと思う」

    チーム最優先の姿勢を強調
    経験豊富な2人を揃えたキャデラックF1チームには、大きな注目が集まっている。強力なチーム内バトルが期待される一方で、ボッタスは「まずチームを前進させること」が最優先だと強調する。

    「僕たちにとって最も重要なのは、一緒にチームを前進させること。お互いに競い合うことに時間を無駄にすべきではない」とボッタスは語った。

    「その理解は僕たち2人に共通していると思う。もちろん、接戦になればお互いを高め合える。それが理想的な関係だね」

    分析:キャデラックF1チーム、初年度から堅実な布陣
    キャデラックF1チームが初年度に選んだのは、通算16勝を誇るベテラン2人。経験と開発力を兼ね備えたコンビは、新規参入チームにとって理想的なスタートを切る要因となる。

    ペレスはタイヤマネジメントとレース戦略で知られ、ボッタスは開発志向と安定した予選力が強みだ。両者が「チーム最優先」で動くことで、キャデラックF1チームは早期に競争力を築く可能性が高い。

    Source: Crash.net