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  • 佐藤琢磨 インディ500オープンテスト初日3番手 ベテラン勢が上位独占

    佐藤琢磨 インディ500オープンテスト初日3番手 ベテラン勢が上位独占

    インディアナポリス500マイルレースに向けたオープンテスト初日が行われ、コナー・デイリーが最速タイムを記録した。デイリーは225.394mphをマークし、エリオ・カストロネベス、佐藤琢磨、スコット・ディクソン、アレクサンダー・ロッシといった経験豊富なドライバーたちがトップ5を占める結果となった。

    今回のテストでは、上位5人すべてがインディ500で10回以上の出走経験を持つベテラン勢となり、「経験の重要性」が明確に表れる形となった。

    一方でドラフト(トウ)の影響が大きく、純粋なパフォーマンス比較は難しい状況でもあった。

    ベテラン勢が上位独占 経験値の差が顕著に
    デイリーに続いたのは、インディ500で4勝を誇るエリオ・カストロネベスで、225.200mphを記録。今季で26回目の出走となるカストロネベスは、史上初の5勝目を狙う。

    さらに、2017年と2020年の優勝者である佐藤琢磨が224.800mphで3番手に入り、16回の出走経験を持つ実績を示した。

    その後もスコット・ディクソン(224.564mph)、アレクサンダー・ロッシ(224.367mph)と続き、いずれも優勝経験を持つドライバーが上位に並んだ。

    トウの影響が支配するテスト セッティングは未完成
    今回のテストでは、多くのマシンが集団走行を行い、前走車の空力効果による「トウ」がタイムに大きく影響した。デイリーも終盤のランで記録したラップについて、次のように語っている。

    「最後の走行ではマシンの色以外はほぼすべて変更した状態だった。まだ完全に仕上がっていないが、このクルマは速い。だからこういうスピードが出せる」

    「まだレース仕様としては最適化されていない。明日はさらに調整して、もう少し攻めていきたい」

    一方で、トウなし最速はチームメイトのジャック・ハーベイで、220.318mphを記録。単独走行での実力指標として注目される結果となった。

    ルーキーとベテランの適応テストも実施
    この日はルーキー・オリエンテーションとベテランのリフレッシャーテストも行われ、ミック・シューマッハを含む4人のルーキーが走行を完了した。

    カイオ・コレットは初走行について次のように語った。

    「人生で最高の経験だと思う。最初は本当にできるのか不安だったが、チームがしっかり準備してくれて、すぐにスピードに乗ることができた」

    また、32台が合計2262周(約5655マイル)をノートラブルで走破し、初日は大きなトラブルなく終了した。

    本番へ向けた本格準備はこれから
    今回のテストはあくまで初期段階であり、各チームともレース仕様の完成には至っていない。実際にデイリーも「テスト結果に過剰反応すべきではない」と語っており、現時点での順位は限定的な意味しか持たない。

    それでも、経験豊富なドライバーが確実に上位に顔を揃えた点は、インディ500特有の環境において“経験値”が依然として大きな武器であることを示している。

    本格的なプラクティスは5月12日に開始され、決勝は5月24日に開催される予定だ。インディ500に向けた戦いは、ここから一気に加速していく。

    インディ500 オープンテスト初日

    2026年 インディ500 オープンテスト初日結果
    1位 コナー・デイリー 225.394mph
    2位 エリオ・カストロネベス 225.200mph
    3位 佐藤琢磨 224.800mph
    4位 スコット・ディクソン 224.564mph
    5位 アレクサンダー・ロッシ 224.367mph
    6位 ロマン・グロージャン 224.307mph
    7位 デビッド・マルーカス 223.892mph
    8位 スコット・マクラフリン 223.687mph
    9位 ジョセフ・ニューガーデン 223.415mph
    10位 ウィル・パワー 223.151mph
    11位 サンティーノ・フェルッチ 222.462mph
    12位 マーカス・アームストロング 222.433mph
    13位 ノーラン・シーゲル 222.324mph
    14位 デニス・ハウガー(ルーキー) 222.278mph
    15位 カイオ・コレット(ルーキー) 222.102mph
    16位 アレックス・パロウ 222.088mph
    17位 パト・オワード 222.026mph
    18位 ライアン・ハンター=レイ 221.650mph
    19位 リナス・ヴィーケイ 221.494mph
    20位 ジャック・ハーベイ 221.344mph
    21位 エド・カーペンター 221.242mph
    22位 クリスチャン・ルンガー 221.235mph
    23位 ルイス・フォスター 221.019mph
    24位 カイフィン・シンプソン 220.805mph
    25位 ミック・シューマッハ(ルーキー) 220.781mph
    26位 スティング・レイ・ロブ 220.773mph
    27位 マーカス・エリクソン 220.463mph
    28位 カイル・カークウッド 220.273mph
    29位 フェリックス・ローゼンクヴィスト 220.115mph
    30位 クリスチャン・ラスムッセン 219.800mph
    31位 ジェイコブ・アベル(ルーキー) 219.794mph
    32位 グラハム・レイホール 219.331mph
    33位 キャサリン・レッグ タイムなし

  • F1カナダGPとインディ500日程衝突 ファン批判とF1の反応

    F1カナダGPとインディ500日程衝突 ファン批判とF1の反応

    F1がカナダGPをインディアナポリス500と同日に開催すると発表した際、ファンからの反応は決して温かいものではなかった。

    かつてはモナコGPがインディ500と同日に行われていたが、タイムゾーンが異なるため、モナコはインディアナでのセレモニーが始まるずっと前に終了していた(2024年に発表された新契約により、2026年からモナコGPは6月開催となる)。

    今回、モントリオールのF1レースは5月24日にインディ500と重なることになり、インディ500が慣れてきた遠いモナコとは違い、地理的にも近い北米ファンの視聴・観戦の競合という脅威が生じる。モナコに行ける北米ファンは少なくても、カナダには足を運べる可能性が高いからだ。

    F1側からすれば、この日程変更によって大陸をまたいで移動する必要がなくなり、シーズン中に北米で1戦だけを孤立させる状況を避けることができた。特に序盤にマイアミGPが加わったため、モントリオールを3週間後に置くのは合理的だった。また、ジル・ヴィルヌーブ・サーキットは建設準備に時間がかかり、雪のリスクからもこれ以上早い開催は不可能だった。

    さらに、F1は2026年シーズンのスタート時間を発表し、モントリオールGPは午後4時(現地時間)にスタートすることになった。これは2025年の午後2時スタートからの変更である。

    インディアナポリスはこの時期は同じタイムゾーンであり、インディ500は通常午後12時45分に始まる。したがってカナダGPまでは3時間15分の余裕がある。今年のインディ500はほぼ3時間で終了した。

    しかし、もしインディ500に遅延があれば、その終了とF1のスタートが直接重なる恐れがある。これはどちらにとっても好ましくない。

    ただし『The Race』の理解では、F1はインディ500主催者と協議し、できる限り重複を避けるよう調整している。今年のように雨で30分遅れなければ、視聴者はインディ500をフルで観てからモントリオールに切り替えることが可能だった(ただし表彰式などの一部は見逃すことになる)。

    したがって午後4時スタートは、ファンにとって「両方を楽しめる」妥協的な解決策といえる。ただし、ファンが本当に望んでいたのは「そもそも選択を迫られないこと」である。

    インディカー側はこの重複に残念がりつつも冷静に対応しており、特に新しいTVプロモーターであるFoxがスーパーボウルCMや大学フットボール、NFLでの大規模な宣伝を行ったことから、インディ500自体の競争力には自信を持っている。

    F1 グランプリ インディ500

    F1の北米市場への進出強化は、インディカー界隈で賛否両論を呼んでいる。

    F1はカナダGPの日程を動かすことで自らの都合を優先したが、インディ500と直接ぶつけるほど無謀ではなかった。実際、F1がインディ500主催者に相談する義務はなかったのだ。それでも両者が協力し、できる限り衝突を避ける姿勢を見せたことは重要である。

    今回の件では、最も不利益を被るのはファンであり、両イベントにとってもプラスにはならない。

  • 佐藤琢磨 インディ500ピットミスをChatGPT相談「0.07秒早ければ完璧だった」

    佐藤琢磨 インディ500ピットミスをChatGPT相談「0.07秒早ければ完璧だった」

    佐藤琢磨は今年のインディアナポリス500マイルレース(インディ500)終了後、ピットストップ時のミスについてChatGPTを使って原因を分析していたことを明かした。

    近年、AIの活用はモータースポーツ界にも広がっており、多くのトップチームが戦略やデータ解析に人工知能を取り入れている。ただ、ドライバー本人が運転操作に関する助言をAIに求めるのは極めて異例だ。

    F1では2002年から2008年にかけてジョーダン、BAR、スーパーアグリから通算90戦に出走し、表彰台1回という記録を残した佐藤琢磨は、インディカーに転向後、6勝、14回の表彰台、10回のポールポジション、そしてインディ500での2勝という輝かしい実績を築いた。その佐藤琢磨が、レース中に犯したわずかなミスの原因をAIに問いかけたという。

    今年の第109回大会に向けた準備中、佐藤琢磨は時速375kmでのクラッシュに見舞われながらも、予選2番手、最終プラクティスでも2番手につけるなど、48歳にしてなお圧巻の速さを披露。本戦でも序盤から好調で、レース最多となる51周で首位を走行した。しかし、3回目のピットストップで停止位置をわずかにオーバー。マシンをクルーが後方に押し戻す羽目になり、貴重なタイムを失ったことで上位争いから脱落した。最終的な順位は11位だったが、マーカス・エリクソンとカイル・カークウッドの失格により9位に繰り上がっている。

    この痛恨のミスについて、佐藤琢磨はIndyCar on FOXのFacebook動画で次のように語った。

    「マシンはすごくいい状態でしたし、最初の2回のピットストップもすごくうまくいってたんです。でも、3回目でちょっとミスしてしまって。6フィート(約1.8メートル)行き過ぎちゃったんですね」

    「それで、たぶん皆さん、『じゃあ1秒早くブレーキ踏めばよかったんじゃない?』って思われるかもしれません。でも、やっぱり細かい部分がすごく大事なんです。自分では正確に計算できなかったので、ChatGPTに聞いてみたんです」

    「『時速60マイル(約96キロ)でピットレーンを走っていて、6フィートオーバーしちゃった場合、どれくらい早くブレーキ踏めばよかったの?』って」

    「そしたら、0.07秒、つまり7/100秒だけ早くブレーキを踏んでいれば止まれてた、って答えてくれました。完璧なピットストップにするには、ほんの一瞬早く踏むだけだったみたいです」

    「なので、次はそれをちゃんと意識して臨みたいと思います」

    佐藤琢磨 インディ500

    実際に記者も同様の質問をChatGPTに投げかけたところ、同じく「約0.068秒早くブレーキを踏めばよかった」との回答が得られた。等速減速を前提とした単純計算ではあるが、さらにインディカーの減速性能を加味させて再計算しても、その差はわずか0.072秒と、大きくは変わらなかった。

    コンマ数秒の判断が結果を左右する世界で、AIがドライバーの課題分析にも活用される時代が、すでに到来している。

  • 3度のインディカー王者アレックス・パロウがインディ500初制覇

    3度のインディカー王者アレックス・パロウがインディ500初制覇

    2025年シーズンのポイントリーダーであるアレックス・パロウが、待望のオーバル初勝利を、インディカー最大の一戦「インディアナポリス500」で飾った。

    パロウは終盤、上位の大半と同様に「通常戦略」上で走行していたが、それが最終的にはわずかに非効率だったことが判明した中で、そのグループの先頭に立つことに成功。燃費セーブが求められる終盤2スティントの間に順位を上げていった。

    パロウがそのパックの先頭に立ったことで、実質的にマーカス・エリクソンの後方2番手に浮上。2022年の勝者であるエリクソンは、レース中盤のピット戦略によりオルタネイト戦略へと転じており、ライアン・ハンター=レイが最終ピットストップ後にエンジンが始動せず脱落したことで、優位な立場に立っていた。

    しかし、エリクソンはデブリン・デフランチェスコとルイ・フォスターのスリップストリームに捉えられ、2台を周回遅れにするのに手間取った。両者も同様の戦略を取っていたためだ。

    この間にパロウとデイビッド・マルカスが先頭に食らいつき、残り14周の時点でパロウがターン1のイン側から勝負を仕掛けると、エリクソンはスロットルを戻さざるを得ず、これが勝負を分ける決定的瞬間となった。

    その後パロウもデフランチェスコやフォスターを抜けなかったが、最後までエリクソンを抑えきった。最終ラップではターン2でスライドを立て直す場面もあったが、ファイナルコーナーを立ち上がったところでマクラーレンのノーラン・シーゲルがクラッシュし、黄旗が提示されたことで勝利が確定した。

    この勝利で、パロウはインディ500を制した初のスペイン人ドライバーとなった。2025年シーズン開幕6戦で5勝目という驚異的な戦績である。

    エリクソンはターン1でパロウにラインを譲ったことを悔やんだかもしれないが、それでも過去4年で3回目となる2位以内のフィニッシュ。2024年にガナッシからアンドレッティへ移籍後、最も印象的なパフォーマンスを見せた。

    AJフォイト・レーシングのマルカスは、最終スティント序盤でパロウの前にいたものの3位でチェッカー。これはチームメイトのサンティノ・フェルッチが2023年大会で記録したリザルトに並ぶものだった。

    マクラーレンのパト・オワードはレースを通して上位争いに絡んでいたが、終盤にはあまり存在感を見せられず4位でフィニッシュ。以下、フェリックス・ローゼンクヴィスト(マイヤー・シャンク)、カイル・カークウッド(アンドレッティ)、フェルッチが続いた。

    ペンスキーの物議を醸した1週間の締めくくりとして、ジョセフ・ニューガーデンはレース序盤から猛烈な追い上げを見せたが、燃料ポンプのトラブルによりリタイアを喫した。

    ニューガーデンの追い上げと失速
    予選での車両規定違反により、ウィル・パワーと共に最後方からのスタートとなったニューガーデンだったが、その進撃は予想以上に速く、レース中盤にはトップ10に食い込んでいた。

    マクラーレンから参戦したNASCAR王者カイル・ラーソンが引き起こしたクラッシュによる黄旗中に順位を上げ、133周目には実質的に2回目の最終ピットを行う状況に達していた。

    だが、その翌周に給油のためピットに入り周回遅れとなると、以降もたびたびピットに入らざるを得ず、残り60周を残してチームはリタイアを決断した。

    ペンスキー勢で唯一完走したのはパワーだったが、19位に終わった。

    スコット・マクラフリンは、ペンスキー勢で唯一予選順位を維持して10番手からのスタートとなるはずだったが、スタート前のフォーメーションラップでクラッシュ。雨により36分遅れてのスタートとなったが、その直前、フロントストレートでタイヤに熱を入れようとした際に車を失い、ピットウォールに激突した。

    驚きのポールシッター、シュワルツマンはなぜ失速したのか
    注目を集めたプレマのポールポジションだが、勝利の可能性は元々低いと見られており、スタート直後からロバート・シュワルツマンは4番手に後退。その後もピットストップのタイミングやトラブルによりポジションを落とし続けた。

    特に最初のピットストップでは順位を大きく落とし、レース中盤にはピットで複数のクルーに接触。さらにウォールにも接触してフロントウイングを破損した。

    修復を試みたものの、89周目にはチームから「もう終わりだ」と無線が入り、リタイアとなった。

    一方、プレマのもう1台、カラム・アイロットはクリーンな走りで一時トップ10に定着し、最終的には12位でフィニッシュする健闘を見せた。

    2025年インディ500(第109回大会)の決勝リザルト

    1.アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)
    2.マーカス・エリクソン(アンドレッティ・グローバル)
    3.デイビッド・マルカス(AJフォイト・レーシング)
    4.パト・オワード(アロー・マクラーレン)
    5.フェリックス・ローゼンクヴィスト(マイヤー・シャンク・レーシング)
    6.カイル・カークウッド(アンドレッティ・グローバル)
    7.サンティノ・フェルッチ(AJフォイト・レーシング)
    8.クリスチャン・ラスムッセン(エデ・カーペンター・レーシング)
    9.クリスチャン・ルンガー(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)
    10.コナー・デイリー(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)
    11.佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)
    12.カラム・アイロット(プレマ・レーシング)
    13.エリオ・カストロネベス(メイヤー・シャンク・レーシング)
    14.デブリン・デフランチェスコ(アンドレッティ・グローバル)
    15.ルイ・フォスター(アンドレッティ・グローバル)
    16.ノーラン・シーゲル(アロー・マクラーレン)
    17.コルトン・ハータ(アンドレッティ・グローバル)
    18.エド・カーペンター(エデ・カーペンター・レーシング)
    19.ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)
    20.グラハム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)
    21.マーカス・アームストロング(チップ・ガナッシ・レーシング)
    22.ジャック・ハーヴィー(デイル・コイン・レーシング)
    23.スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)
    24.ライアン・ハンター=レイ(デイル・コイン・レーシング)
    25.ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)
    26.スティング・レイ・ロブ(AJフォイト・レーシング)
    27.カイル・ラーソン(アロー・マクラーレン)
    28.キフィン・シンプソン(チップ・ガナッシ・レーシング)
    29.ロバート・シュワルツマン(プレマ・レーシング)
    30.リヌス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)
    31.アレクサンダー・ロッシ(アロー・マクラーレン)
    32.マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・ハータ・パートナーズ)
    33.スコット・マクラフリン(チーム・ペンスキー)

  • インディ500カーブデイ:最速はニューガーデン 佐藤琢磨は2番手も不安残す

    インディ500カーブデイ:最速はニューガーデン 佐藤琢磨は2番手も不安残す

    第109回インディアナポリス500マイルレースに向けて、ジョセフ・ニューガーデンが歴史的快挙に挑もうとしている。レース前最後のプラクティス「ミラー・ライト・カーブデイ」では、ニューガーデンがトップタイムを記録し、本番に向けて手応えを得た。

    「世界最高のレース」とも称されるこのイベントで、ニューガーデンはNo.2 シェル Vパワー NiTRO+ チーム・ペンスキー・シボレーを駆り、平均速度225.687mph(約363.2km/h)を記録。

    自身3年連続となるインディ500優勝、そして史上初の「3連覇」を狙うが、スタート位置はなんと33台中32番手。これは、優勝者としては過去最も深いグリッドからの挑戦となる。

    ニューガーデンとチームメイトのウィル・パワーは、予選中に規定違反が判明したため、月曜に最後方グリッドへの降格処分を受けた。これまでの記録では、1911年のレイ・ハルーン、1936年のルイス・メイヤーが28番手から優勝しており、それを塗り替えることになる。

    「今日は良い走行ができた。マシンの確認もできたし、チームとの作業もうまくいった。日曜の決勝がすべてだし、本当に楽しみにしている」とニューガーデンは語った。

    2度のインディ500優勝経験を持つ佐藤琢磨は、No.75 AMADA ホンダで225.415mphを記録して2番手につけた。しかしその速さの裏で、セッション終盤にはマシントラブルに見舞われ、バックストレートで減速後、ターン3と4の間の減速レーンで停止し、2度目の赤旗原因となった。

    「まだ完璧なセットアップではなかったが、良い方向に進んでいた。最後のスティントでメカニカルトラブルがあり、クルマの片側のパフォーマンスを失った。ターン1でコントロールを失いかけたが、何にも当たらずに済んだのは幸運だった」と佐藤琢磨は語っている。佐藤はフロントロー2番手から決勝を迎える。

    3番手には、2008年以来の優勝を狙う6度のシリーズ王者スコット・ディクソン(No.9 PNCバンク・チップ・ガナッシ・レーシング・ホンダ/225.200mph)、4番手にはNo.30 ドージコイン・ホンダのデブリン・デフランチェスコ(224.778mph/16番グリッドスタート)、5番手には最後尾スタートのウィル・パワー(No.12 ベライゾン・チーム・ペンスキー・シボレー/224.419mph)が続いた。

    一方、ポールポジションからのスタートとなるロバート・シュワルツマン(No.83 プレマ・レーシング・シボレー)は220.987mphと伸び悩み、29番手にとどまった。シュワルツマンは1983年以来となるルーキーのポールポジション獲得者となっている。

    レイホール・レターマン・ラニガンとチーム・ペンスキーは、両チームともに2台をトップ5に送り込んだが、セッション中には数台にメカニカルトラブルが発生。佐藤のほか、グラハム・レイホールは45分でマシンをガソリン・アレーに戻し、2016年ウィナーのアレクサンダー・ロッシもウォーターリークによって走行時間を失った。

    セッション最初の赤旗は、2014年の優勝者ライアン・ハンター=レイのマシンから炎が上がったことで発生。彼はNo.23 DRR クジック WEDBUSH セキュリティーズ・シボレーをピットレーン上部に停車させ、自ら脱出。AMRセーフティチームが消火活動を行った。

    第109回インディアナポリス500 カーブデイの結果

    順位 車番 ドライバー名 平均速度(mph)
    1 2 ジョセフ・ニューガーデン 225.687
    2 75 佐藤琢磨 225.415
    3 9 スコット・ディクソン 225.200
    4 30 デブリン・デフランチェスコ 224.778
    5 12 ウィル・パワー 224.419
    6 60 フェリックス・ローゼンクヴィスト 224.416
    7 06 エリオ・カストロネベス 224.235
    8 5 パト・オワード 224.159
    9 4 デイビッド・マルカス 223.843
    10 76 コナー・デイリー 223.769
    11 23 ライアン・ハンター=レイ 223.525
    12 24 ジャック・ハーヴィー 223.515
    13 14 サンティノ・フェルッチ 223.437
    14 10 アレックス・パロウ 223.335
    15 27 カイル・カークウッド 223.001
    16 77 スティング・レイ・ロブ 222.899
    17 98 マルコ・アンドレッティ 222.809
    18 66 マーカス・アームストロング 222.786
    19 28 マーカス・エリクソン 222.749
    20 90 カラム・アイロット 222.739
    21 26 コルトン・ハータ 222.731
    22 45 ルイ・フォスター 222.539
    23 6 ノーラン・シーゲル 222.509
    24 21 クリスチャン・ラスムッセン 222.433
    25 18 リヌス・ヴィーケイ 222.178
    26 17 カイル・ラーソン 221.779
    27 3 スコット・マクラフリン 221.675
    28 33 エド・カーペンター 221.059
    29 83 ロバート・シュワルツマン 220.987
    30 7 クリスチャン・ルンガー 220.793
    31 8 キフィン・シンプソン 220.361
    32 20 アレクサンダー・ロッシ 220.261
    33 15 グラハム・レイホール 219.062
  • インディ500 ポール獲得は新人シュワルツマン 歴代王者8人が挑む

    インディ500 ポール獲得は新人シュワルツマン 歴代王者8人が挑む

    世界三大レースのひとつに数えられる伝統の一戦、インディアナポリス500マイルレース。その第109回大会が、かつてないほど多彩な顔ぶれとともに開幕を迎える。

    今年は過去の優勝者が8人も名を連ねる一方、ポールポジションにはインディ500初挑戦となるルーキー、ロバート・シュワルツマンが座るという波乱含みの構図だ。

    栄光を知るベテランたちと、未来を担う若き才能たちがひしめくこの年、果たしてヴィクトリーレーンでミルクを掲げるのは誰か――その答えは、時速370kmを超える超高速決戦の先にある。戦う舞台は、全米最大の観客動員を誇る「ブリックヤード」。レース史に新たな1ページを刻む準備は整っている。

    最前列に新星と歴戦の強者たちが並ぶ
    ポールポジションからスタートするのは、インディ500初出場のロバート・シュワルツマン(プレマ・レーシング)。練習走行では目立たなかったが、予選で見事なアタックを披露し、デビュー戦でいきなりのトップスタートを決めた。

    その隣には元F1ドライバーで2度のインディ500ウィナー、佐藤琢磨(RLLレーシング)。無観客開催となった2020年の優勝以来、再びフロントローから勝利を目指す。

    3番手には、過去3年間で2度の2位と1度のリタイアという悔しい経験をしてきたパト・オワード(アロー・マクラーレン)。悲願の初優勝に向け、今度こそ結果を出したい。

    注目の優勝候補たち
    優勝最有力と目されるのは、そのオワード。ブックメーカーでも最短のオッズが付いている。これを僅差で追うのが、今季好調のアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)だ。

    そのチームメイト、2008年の勝者スコット・ディクソンも侮れない存在。経験豊富であり、プラクティスでの速さもあり確実に上位争いに絡んでくるだろう。

    チーム・ペンスキーからは、スコット・マクラフリン、ジョセフ・ニューガーデン、ウィル・パワーの3名がエントリー。特にマクラフリンは、予選前にクラッシュを喫し10番手スタートながら、実力では上位に劣らない。

    一方でニューガーデンとパワーはそれぞれ32番手・33番手スタートとなり、1936年以来となる「28番手以下からの優勝」を目指すことになる。

    スターティンググリッド:2025年インディ500
    1列目
    1.ロバート・シュワルツマン(プレマ・レーシング)
    2.佐藤琢磨(RLLレーシング)
    3.パト・オワード(アロー・マクラーレン)

    2列目
    4.スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)
    5.フェリックス・ローゼンクヴィスト(マイヤー・シャンク・レーシング)
    6.アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)

    3列目
    7.デイビッド・マルカス(AJフォイト・レーシング)
    8.クリスチャン・ルンガー(アロー・マクラーレン)
    9.マーカス・エリクソン(アンドレッティ・グローバル)

    4列目
    10.スコット・マクラフリン(チーム・ペンスキー)
    11.コナー・デイリー(フンコス・ホリンジャー・レーシング)
    12.アレクサンダー・ロッシ(エド・カーペンター・レーシング)

    5列目
    13.キフィン・シンプソン(チップ・ガナッシ・レーシング)
    14.エド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)
    15.サンティノ・フェルッチ(AJフォイト・レーシング)

    6列目
    16.デブリン・デフランチェスコ(RLLレーシング)
    17.スティング・レイ・ロブ(フンコス・ホリンジャー・レーシング)
    18.クリスチャン・ラスムッセン(エド・カーペンター・レーシング)

    7列目
    19.カイル・ラーソン(アロー・マクラーレン/ヘンドリック)
    20.ルイス・フォスター(RLLレーシング)
    21.カラム・アイロット(プレマ・レーシング)

    8列目
    22.エリオ・カストロネベス(マイヤー・シャンク・レーシング)
    23.カイル・カークウッド(アンドレッティ・グローバル)
    24.ノーラン・シーゲル(アロー・マクラーレン)

    9列目
    25.ライアン・ハンターレイ(DRR・カジック・モータースポーツ)
    26.ジャック・ハーヴィー(DRR・カジック・モータースポーツ)
    27.コルトン・ハータ(アンドレッティ・グローバル)

    10列目
    28.グレアム・レイホール(RLLレーシング)
    29.マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・グローバル/カーブ・アガジャニアン)
    30.マーカス・アームストロング(マイヤー・シャンク・レーシング)

    11列目
    31.リヌス・ヴィーケイ(デイル・コイン・レーシング)
    32.ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)
    33.ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)

    記録とデータで見るインディ500
    ■ 今年のポールポジション獲得者ロバート・シュワルツマンは、1983年のテオ・ファビ以来となるルーキーPP達成。#83の車両がポールを取ったのも史上初。
    ■ イスラエル生まれのドライバーがインディ500に出場するのは今回が初めて。プレマ・レーシングもインディカー参戦初年での快挙となった。
    ■ 今年のルーキーはシュワルツマンのほか、ノーラン・シーゲルとルイス・フォスターの3人。
    ■ 最多優勝記録保持者はエリオ・カストロネベス(4勝)。今大会で25度目の出場となるベテランだ。
    ■ 最年長出場はカストロネベス(50歳)、最年少はノーラン・シーゲル(20歳)。若手が勝てば、1952年の最年少優勝記録(22歳)を塗り替える可能性がある。
    ■ インディ500での最多周回リードはスコット・ディクソン(677周)。にもかかわらず、優勝は2008年の1度だけという“報われない王者”として知られる。

    レース情報(日本時間)
    ・開催日:2025年5月26日(月)
    ・スタート時刻:午前3時45分(AEST)
    ・ライブ配信:Stan Sport(午前0時~)
    ・ドライバー紹介:午前1時47分
    ・米国国歌:午前2時24分
    ・「Back Home in Indiana」:午前2時36分
    ・エンジン始動指令:午前2時38分

  • インディ500決勝前最終調整 アレックス・パロウ最速 佐藤琢磨は3番手

    インディ500決勝前最終調整 アレックス・パロウ最速 佐藤琢磨は3番手

    2025年インディアナポリス500(第109回大会)の月曜プラクティスが行われ、3度のNTTインディカー・シリーズ王者アレックス・パロウが最速タイムを記録した。このセッションは、週末に実施された激しい予選を経て、各ドライバーとチームが決勝に向けたレースセッティングに集中する初の実戦走行となった。

    シリーズランキング首位で今季5戦中4勝を挙げているアレックス・パロウは、No.10 DHL チップ・ガナッシ・レーシング・ホンダで平均時速226.765マイル(約364.9km/h)をマーク。単独アタック中心だった予選とは異なり、トラフィックの中を走行する中でこのスピードを記録した。パロウは5月25日(日)の決勝を6番グリッドからスタートする。

    「No.10 DHLホンダにとって素晴らしい一日だった」とアレックス・パロウはコメント。

    「久々にトラフィックの中を走ったけど、クルマのフィーリングはすごく良かった。最終的にトップタイムだったけど、意味があるかといえばそうでもない。それでも、インディアナポリスでP1という結果はいつだって歓迎すべきものだ。

    とても快適に走れているし、まだやるべきことはあるけど、それは他のドライバーも同じだと思う。トラフィックの中での走行やオーバーテイクは簡単じゃないけど、自分は自信を持って走れているし、ちゃんと抜くこともできている。カーブデーの準備は万端だ」

    今回のセッションは、決勝前最後の実走行機会であり、「ミラーライト・カーブデー」に行われる2時間の最終プラクティスまでは走行の予定がない。カーブデーは金曜日の午前11時から午後1時まで実施され、その後は恒例の「インディ500 ピットストップチャレンジ」が開催される。

    2番手には、No.06 メイヤー・シャンク・レーシング w/カーブ・アガジャニアンのクリフス・ホンダを駆るエリオ・カストロネベスがつけた。タイムは226.441マイル(約364.4km/h)。22番グリッドからのスタートとなるカストロネベスは、史上初の「インディ500」5勝目を目指す。

    そして3番手に入ったのが、No.75 AMADA ホンダを駆る佐藤琢磨。226.087マイル(約363.8km/h)を記録した。48歳の佐藤琢磨、あるいは50歳のカストロネベスが勝利すれば、インディ500史上最年長のウィナーとなる可能性がある。決勝レースは日曜午前10時にスタートし、FOX/FOX Deportes/FOX Sportsアプリ/INDYCARラジオネットワークで放送される予定だ。

    4番手は、No.24 DRR CUSICK INVEST シボレーのジャック・ハーヴィー。226.048マイルを記録し、この日のシボレー勢最速となった。彼は26番グリッドからスタートする。

    5番手には、2014年のインディ500ウィナーであり、ハーヴィーのチームメイトであるライアン・ハンターレイがNo.23 DRR CUSICK WEDBUSH SECURITIES シボレーで225.969マイルを記録した。

    一方、予選で衝撃のポールポジションを獲得したロバート・シュワルツマンは、No.83 プレマ・レーシング・シボレーで222.561マイルにとどまり26番手。シュワルツマンは今大会が初のオーバルレースであり、インディ500ルーキーだ。

    この日の2時間のプラクティスは、晴れ時々曇りの天候、気温華氏70度台(摂氏21~24度前後)のコンディションで実施された。

    なお、セッション開始から12分後には1件のインシデントが発生。エド・カーペンター・レーシングのクリスチャン・ラスムッセンがターン2でSAFERバリアに軽く接触した後、バックストレッチの芝生上でスピンし、内側のウォールにも接触。No.21 ECR スプレンダ・シボレーは軽度の損傷を受けたが、ラスムッセン本人に怪我はなかった。

    第109回インディアナポリス500 月曜プラクティスの結果

    順位 車番 ドライバー エンジン タイム 平均速度(mph)
    1 10 アレックス・パロウ ホンダ 00:39.6887 226.765
    2 06 エリオ・カストロネベス ホンダ 00:39.7455 226.441
    3 75 佐藤琢磨 ホンダ 00:39.8077 226.087
    4 24 ジャック・ハーヴィー シボレー 00:39.8145 226.048
    5 23 ライアン・ハンターレイ シボレー 00:39.8285 225.969
    6 6 ノーラン・シーゲル(ルーキー) シボレー 00:39.8701 225.733
    7 12 ウィル・パワー シボレー 00:39.8881 225.631
    8 2 ジョセフ・ニューガーデン シボレー 00:39.8942 225.597
    9 21 クリスチャン・ラスムッセン シボレー 00:39.9562 225.247
    10 76 コナー・デイリー シボレー 00:39.9661 225.191
    11 17 カイル・ラーソン シボレー 00:39.9901 225.056
    12 5 パト・オワード シボレー 00:40.0119 224.933
    13 9 スコット・ディクソン ホンダ 00:40.0129 224.927
    14 14 サンティノ・フェルッチ シボレー 00:40.0162 224.909
    15 4 デイビッド・マルカス シボレー 00:40.0891 224.500
    16 60 フェリックス・ローゼンクヴィスト ホンダ 00:40.1083 224.392
    17 20 アレクサンダー・ロッシ シボレー 00:40.1631 224.086
    18 28 マーカス・エリクソン ホンダ 00:40.1686 224.056
    19 90 カラム・アイロット シボレー 00:40.1775 224.006
    20 30 デブリン・デフランチェスコ ホンダ 00:40.2341 223.691
    21 27 カイル・カークウッド ホンダ 00:40.2608 223.543
    22 26 コルトン・ハータ ホンダ 00:40.2812 223.429
    23 45 ルイス・フォスター(ルーキー) ホンダ 00:40.3453 223.074
    24 98 マルコ・アンドレッティ ホンダ 00:40.3596 222.995
    25 33 エド・カーペンター シボレー 00:40.3911 222.821
    26 83 ロバート・シュワルツマン(ルーキー) シボレー 00:40.4383 222.561
    27 18 リヌス・ヴィーケイ ホンダ 00:40.4711 222.381
    28 66 マーカス・アームストロング ホンダ 00:40.5407 221.999
    29 77 スティング・レイ・ロブ シボレー 00:40.5892 221.734
    30 15 グレアム・レイホール ホンダ 00:40.6188 221.572
    31 3 スコット・マクラフリン シボレー 00:40.6208 221.561
    32 8 キフィン・シンプソン ホンダ 00:40.7273 220.982
    33 7 クリスチャン・ルンガー シボレー 00:40.8073 220.549
  • 佐藤琢磨 2025年インディ500予選2位でホンダ勢をけん引 3度目の栄冠狙う

    佐藤琢磨 2025年インディ500予選2位でホンダ勢をけん引 3度目の栄冠狙う

    第109回インディアナポリス500の予選が現地時間5月18日(日)に行われ、2度の優勝経験を持つ佐藤琢磨が2番手タイムを記録。5月25日(日)決勝では、ホンダ勢をけん引する立場としてフロントロウからスタートする。

    ホンダ・レーシング・コーポレーション(HRC)のエグゼクティブ・アドバイザーも務める佐藤琢磨が最後にフロントロウからスタートしたのは2020年。そのときは見事優勝を飾っており、2017年の初優勝も含め、これまでトップ5からのスタートは2度とも勝利に結びついている。

    今季のインディ500では、2列目をすべてホンダ勢が占拠。2008年の優勝者スコット・ディクソンが4番手、トップ12予選で最速ラップを叩き出したフェリックス・ローゼンクヴィストが5番手、NTTインディカー・シリーズ3連覇中のアレックス・パロウが6番手につけた。

    2022年の勝者マーカス・エリクソンも昨年の「ラストチャンス予選」からの巻き返しを果たし、アンドレッティ・グローバルの#28マシンで9番手グリッドを確保している。

    この日には、グリッド最後尾3枠を争う「ラストチャンス予選」も実施され、マルコ・アンドレッティが自身20回目のインディ500出場を決めたほか、土曜朝のクラッシュから急遽スペアカーを用意したマーカス・アームストロングが32番手、リヌス・ヴィーケイが33番手で滑り込み、チームメイトのジェイコブ・エイベルを押し出す形となった。

    今年のインディ500は、史上初めてハイブリッドパワー搭載での開催となる。新システムは、HRC USとイルモアが共同開発し、2024年7月に導入された。

    佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)
    「まずはHRCに心からおめでとうを伝えたいです。とても困難で厳しい1年を経て、皆で力を合わせてここまで戻ってこられたこと、本当に素晴らしい仕事をしてくれたと思います。フロントロウに戻ってこられたこと、トップクラスの位置を獲得できたことに大きな喜びを感じています。チームとしても自分自身としても素晴らしい仕事ができたと思いますし、エンジニアやクルーのみんなには心から感謝しています。Rahal Letterman Lanigan Racingのメンバーは本当にファンタスティックな働きをしてくれました。応援してくださる皆さんにも、心から感謝しています。」

    佐藤琢磨 インディ500

    スコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)
    「スピードウェイでは毎回ワイルドな展開になるけど、今日は本当にその典型だった。P4スタートはいい位置だし、ホンダ勢がファスト6に4台入ったのは素晴らしいこと。もっと上を目指したい気持ちはあるけど、限界まで攻めてたし、バランスも悪くない。ルーキーがポールってのも驚きだね。でも僕たちにはレースで戦えるペースがある、それが重要なんだ。」

    フェリックス・ローゼンクヴィスト(Meyer Shank Racing)
    「P5はまだいい順位だけど、もっと上も狙ってたよ。クルマは限界ギリギリで、快適さもある程度保ちながら、できることは全部やったつもり。でもなぜかスピードが伸びなかった。引っ張りが足りなかった感じ。ここでは本当に不思議なことが起きる。」

    マーカス・エリクソン(Andretti Global)
    「来週のレースが楽しみだ。去年のドラマを思えば、今年は本当に良い予選週末になったよ。#28アレグラ・アンドレッティ・グローバルのクルーは素晴らしい仕事をしてくれたし、ホンダのパワーも週末ずっと好調だった。3列目アウトサイドからのスタートは、優勝争いに加わるにはちょうどいいポジションだと思う。」

    マーカス・アームストロング(Meyer Shank Racing)
    「終わって本当にホッとしてる。この2日間は本当に大変だった。でもレースに出られることが決まって、ほぼ最後尾スタートだけど、こんなに嬉しいことはない。MSRのクルーとHRCに感謝したい。本番でどこまでマジックを起こせるか見ていてほしい。」

    リヌス・ヴィーケイ(Dale Coyne Racing)
    「ジェイコブを弾き出す形になってしまったのは辛い。彼は本当に素敵な人で、インディNXTから来たばかりなのにインディカーでもたくさんの人に知られてる。友達としても大事な存在だし、今回の結果には複雑な気持ちだ。正直、2人とも最も遅かったから、どちらか一人しか残れなかった。2回目の走行は僕の判断だった。条件が良くなっていたし、スピードアップするはずだったから。ジェイコブが改善するなら今しかないと思ったし、自分の最初のランではハイブリッドの恩恵をうまく受けられなかったから、まだ上積みはあると思ってた。でもマシンは出るたびに遅くなる感覚で、結局、ジェイコブもさらに遅くなった。本当に残念だけど、なんとかグリッドには滑り込めた。ただ、レースで戦えるだけのスピードはまだ見つけ出さないといけない。」

    デビッド・サルターズ(HRC US代表)
    「まずは、我々のチームと勇敢なドライバーたちに心から感謝したい。まさに“空飛ぶマシンを操る偉大な男たち”であり、彼らの勇気と技術には毎年魅了される。HRC USの全員を本当に誇りに思っている。昨年からの巻き返しは見事だった。このチームは本当に特別で、献身的で、卓越したスキルを持ち、そして決して諦めない。我々は“ホンダ・チャレンジング・スピリット”を貫いてきた。私の長いレースキャリアの中でも、これほどのオフシーズンでの反転攻勢は見たことがない。今回はあと一歩届かなかったが、我々は挑戦の舞台に立ち、P1を目指して戦っている。HRC USのチーム、本当に素晴らしい、あなたたちは私たち全員のインスピレーションだ。」

  • インディ500予選2日目 シュワルツマン快挙のポール 佐藤琢磨が2番グリッド

    インディ500予選2日目 シュワルツマン快挙のポール 佐藤琢磨が2番グリッド

    第109回インディアナポリス500マイルレース(インディ500)に向けた予選2日目が現地時間5月18日(日)に開催され、ルーキーのロバート・シュワルツマンがプレマ・レーシングとともにポールポジションを獲得する快挙を達成した。初のオーバル参戦となるシュワルツマンは、ファスト6の4番手としてアタックに臨み、佐藤琢磨、スコット・ディクソン、アレックス・パロウらの記録を上回ってトップタイムを叩き出した。

    ファスト6によるポールポジション決定戦で、4番目にアタックしたシュワルツマンは、佐藤琢磨、スコット・ディクソン、アレックス・パロウといった強豪を打ち破って最速タイムを記録。その後、アロー・マクラーレンのパト・オワードとマイヤー・シャンクのフェリックス・ローゼンクヴィストが彼の記録に挑んだが、いずれも及ばなかった。

    ファスト6 予選4周平均スピード
    1位 ロバート・シュワルツマン:232.790mph(2分34秒6459)
    2位 佐藤琢磨:232.478mph(2分34秒8534)
    3位 パト・オワード:232.098mph(2分35秒1069)
    4位 スコット・ディクソン:232.052mph(2分35秒1377)
    5位 フェリックス・ローゼンクヴィスト:231.987mph(2分35秒1809)
    6位 アレックス・パロウ:231.378mph(2分35秒5894)

    プレマは火曜日の初日練習にすら間に合わず、序盤は雨にも悩まされたが、限られた走行時間のなかで準備を整え、4周・10マイルの走行で世界最速を決めるこのイベントにおいて、見事な予選パフォーマンスを披露した。

    佐藤琢磨は、チームメイトのグレアム・レイホールが土曜日の予選で2日目進出を逃した分を補うように、見事な2番手タイムを記録。これにより、エンジンサプライヤーであるホンダとシボレーの両陣営が、最前列に1台ずつ名を連ねる結果となった。ポールはシボレーが2年連続で獲得している。

    2度のインディ500優勝経験を持つ佐藤琢磨は、今回初めてアロウ・マクラーレンにフロントロウをもたらしたオワードの前に並ぶ。

    ディクソンは4位、ローゼンクヴィストは5位で続き、両者の所属するガナッシとマイヤー・シャンクのテクニカルパートナーシップが功を奏し、ファスト6に全体の半数となる3台を送り込んだ。

    多くの関係者が、ポイントリーダーのアレックス・パロウがポール最有力候補と見ていたが、日曜になると彼のマシンはパフォーマンスを失い、最終的に6位にとどまった。

    「もうこれ以上は無理だった」と無線で語ったパロウ。

    一方、ペンスキー勢は今回のポール争いに加わることができなかった。チームのうち2台は、ピットレーンでの不正改造の疑いにより出走が認められず、スコット・マクラフリンは練習走行でクラッシュし、前年のポール再現のチャンスを失った。

    ファスト6進出を逃したドライバー
    7位 デイビッド・マルカス:231.599mph(2分35秒4411)
    8位 クリスチャン・ルンガー:231.360mph(2分35秒6015)
    9位 マーカス・エリクソン:231.014mph(2分35秒8347)
    10位 スコット・マクラフリン:練習走行でクラッシュ
    11位 ジョセフ・ニューガーデン:技術検査に不合格
    12位 ウィル・パワー:技術検査に不合格

    マルカスはファスト6進出を逃した中で最速だったが、昨年の大会を欠場し、インディカーのSNSチームで働いていたという経緯を考えれば、今回の結果には満足しているだろう。

    レイホール・レターマン・ラニガンに所属するルンガーは、これまでインディ500で28番手以上にグリッドを上げたことがなかったが、今回は8位という好成績。9位のエリクソンも、昨年はバンプデイで予選通過に苦しんだが、今年は安定した結果を残した。

    ラストチャンス予選の結果
    日曜のバンプデイでは、今年もデイル・コイン・レーシングの1台が予選落ちとなった。ルーキーのジェイコブ・アベルが出走権を逃している。

    アベルは、同チームのリヌス・ヴィーケイと最後の予選枠をかけて争ったが、ヴィーケイの走行戦略は極めて危うく、インディ500で7位より下の順位に沈んだことのなかった彼にとって、予選通過も危ぶまれる場面だった。

  • インディ500予選1日目 アレックス・パロウ最速 コルトン・ハータ奇跡の復活劇

    インディ500予選1日目 アレックス・パロウ最速 コルトン・ハータ奇跡の復活劇

    第109回インディアナポリス500マイルレース(インディ500)に向けた予選1日目が現地時間5月18日(土)に開催され、アレックス・パロウがトップタイムを記録して日曜のポールポジション決定戦に進出した。大接戦となった予選では、パロウがスコット・マクラフリンをわずか0.0198秒差で上回る走りを披露。一方、コルトン・ハータはクラッシュからの劇的な復活劇で出場権を獲得し、観客を沸かせた。

    0.0198秒差の首位争いと、10マイル・4周の末に0.0028秒差で明暗が分かれた予選劇――インディアナポリス500の予選は、時速370kmを超えるスリルとともに、今年も圧巻のドラマを生んだ。

    土曜日には13番手から30番手までのグリッドが確定し、1番手から12番手のドライバーは日曜のポールポジション決定戦に進出。下位4台は、決勝最後の3枠をかけて「ラスト・チャンス・クオリファイ」に臨むこととなった。

    首位にはおなじみの名前が並んだが、6位には大番狂わせのルーキーが登場。さらに30位争いは、今年も痛烈で手に汗握る展開に。以下、この日の注目トピックを追っていく。

    快進撃のプレマ
    ロバート・シュワルツマンが初めてオーバルを走ること、そしてルーキーチームのプレマが火曜の走行準備すら整っていなかったことを考えれば、土曜に6番手を獲得したことはまさに驚異的。

    火曜の走行を逃した後も、プレマは地道な作業を続けてきた。シュワルツマンのマシンはチームメイトのカラム・アイロットよりも好調に見えたが、インディカー常連チームからの技術支援もなく、チームとしてもオーバル初挑戦の中で6位と23位を記録したのはまさに快挙だった。

    予選後のシュワルツマンは、インディカー中継で近年まれに見るほど喜びを爆発させたインタビューを披露。

    「正直、最高の気分だった」

    「神経をくすぐられるような感覚だった」

    「これまでさまざまなカテゴリーを経験してきたけど、今回の予選は間違いなくキャリアで最も難しい予選だった。F1カーにも乗ったことがあるけど、ここまでチャレンジングなことはなかった。1周じゃなくて4周、しかも毎周ミスできない」

    「最初の1周で“233マイルか、速い!いい感じだ”って思った。でも3周目からマシンがちょっとナーバスになって、“ちょっと工夫しなきゃ”と。でも、なんとか踏ん張った。ゴールしてホッとしてタイムを見たら、パト(・オワード)にかなり近くて、“これはいい走りだったかも!”って思った」

    今季まで在籍していた元テクニカルディレクターのマイケル・キャノンの功績かもしれないが、それはプレマの努力に失礼かもしれない。ヨーロッパから来たクルーと現地スタッフを融合させて急成長を遂げたのは間違いなくチームの力だ。

    デビュー戦でトップ25に入れれば成功と言えるが、6位と23位はまさに驚異だ。

    奇跡の復活劇
    現地時間12時5分、コルトン・ハータはターン1で激しくクラッシュし、マシンは裏返しのまま火花を散らして滑走した。そして午後4時45分、彼はインディ500の出場権を勝ち取っていた。

    2022年と2024年にも似たようなクラッシュを経験していたハータだが、それを乗り越えて29番手のタイムを出したことは、その勇気と不屈の精神を物語っている。

    さらに驚くべきは、出走マシンがショートオーバル用のスペアカーで、しかもわずか4時間足らずで準備されたという点。メインカーは1年かけて仕上げてきたものだった。インストレーションラップも行わず、クラッシュ現場のターン1に再び230マイルで飛び込んでいく胆力は称賛に値する。

    本来ならポールや優勝を狙える速さを見せていただけに、満足な結果ではないかもしれないが、昼過ぎの惨状からここまで持ち直したことは本当に見事だった。

    同様のケースとして、マーカス・アームストロングも土曜朝のプラクティスでクラッシュし、復帰の許可が下りたのは終盤。ラストチャンス予選に回るものの、クラッシュ後に再びコースに戻っただけでも大きな一歩だ。

    インディ500 コルトン・ハータ

    ポールを狙う12名
    インディ500予選では「早い出走順が有利」と言われるが、アレックス・パロウはまたしてもその常識を覆した。ポイントリーダーである彼は25番目の出走にもかかわらず、見事トップタイムを記録。スコット・マクラフリンの記録を0.0198秒上回った。

    ポールポジション決定戦進出の12名:
    1. アレックス・パロウ(233.043mph/2:34.4781)
    2. スコット・マクラフリン(233.013mph/2:34.4979)
    3. ジョセフ・ニューガーデン(233.004mph/2:34.5036)
    4. パト・オワード(232.820mph/2:34.6257)
    5. スコット・ディクソン(232.659mph/2:34.7327)
    6. ロバート・シュワルツマン(232.584mph/2:34.7828)
    7. デイビッド・マルーカス(232.546mph/2:34.8080)
    8. フェリックス・ローゼンクビスト(232.449mph/2:34.8726)
    9. 佐藤琢磨(232.415mph/2:34.8591)
    10. ウィル・パワー(232.144mph/2:35.0760)
    11. マーカス・エリクソン(232.132mph/2:35.0843)
    12. クリスチャン・ルンガー(231.809mph/2:35.3004)

    マクラフリンは2周目のギアシフトミスでレブリミッターに当たったと悔やみつつ、昨年のポールを守る自信を口に。予選後の解説席ではシュワルツマンを称賛するなど、終始リラックスしていた。

    ジョセフ・ニューガーデンは33番目の出走だったが、並び順から一度離脱してクルマを冷やし、効率よく走行して3番手タイムをマーク。昨年パト・オワードを逆転して勝利したドライバーらしい戦略だった。

    マルーカスも注目に値する存在だ。昨年はマクラーレンとの契約が破棄され、TikTokで姿を見る程度だったが、見事な復活劇で7位に食い込んだ。

    佐藤琢磨も、テスト中に大破したマシンを立て直してRLLから9位で突破。エリクソンも昨年のラストチャンス組から一転して11位通過。ルンガーは自己最高の28位を大きく上回る12位となった。

    残る3枠をかけたラストチャンス
    日曜のラストチャンス予選では、4台が4周のアタックを行い、1時間以内であれば複数回の挑戦も可能。インディ500の伝統的な「バンプデー」は、毎年ハラハラの展開を生む。

    ラストチャンス予選の4名:
    ・ジェイコブ・アベル
    ・マルコ・アンドレッティ
    ・マーカス・アームストロング
    ・リヌス・ヴィーケイ

    セッション中はグレアム・レイホールが30位のバブルラインに位置し、ギリギリの状況だった。残り12分でマルコ・アンドレッティを0.0028秒差でしのぎ、命拾い。

    ヴィーケイとアームストロングは続けて失敗し、アンドレッティも走行準備が間に合わずタイムアップ。最終的にダレ・コイン勢のアベルとヴィーケイ、アームストロング、アンドレッティの4台が3枠をかけて戦う。

    カイル・ラーソンの現状
    昨年は5番グリッドだったカイル・ラーソンだが、今年はテスト・金曜と2度のクラッシュ。ファストフライデーではアロー・マクラーレンの苦戦も目立った。

    それでも、ラーソンはまったく動じる様子を見せず、1回目のアタックで低迷した直後に改善し、最終的には21番手で通過。昨年よりも後方だが、クラッシュから立ち直って予選を終えた点は評価されるべきだ。

    13~30位の通過者一覧:
    13. コナー・デイリー(231.725mph)
    14. アレクサンダー・ロッシ
    15. キフィン・シンプソン
    16. エド・カーペンター
    17. サンティノ・フェルッチ
    18. デブリン・デフランチェスコ
    19. スティング・レイ・ロブ
    20. クリスチャン・ラスムッセン
    21. カイル・ラーソン
    22. ルイ・フォスター
    23. カラム・アイロット
    24. エリオ・カストロネベス
    25. カイル・カークウッド
    26. ノーラン・シーゲル
    27. ライアン・ハンターレイ
    28. ジャック・ハーヴィー
    29. コルトン・ハータ
    30. グレアム・レイホール

    なかでも衝撃だったのは、プラクティスで常に好タイムを記録していたカークウッドが25番手に沈んだこと。同じアンドレッティのエリクソンがトップ12入りを果たしただけに、選手権2位のカークウッドとしては不本意な結果となった。

    また、史上初のインディ500・5勝を狙うカストロネベスにとっても、24位という結果はやや期待外れだった。