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  • 佐藤琢磨、予選中のアクシデントにより最後尾グリッドからスタート

    佐藤琢磨、予選中のアクシデントにより最後尾グリッドからスタート

    佐藤琢磨は、インディカー 第15戦 ワトキンス・グレンの予選でバリアに接触し、決勝レースを最後尾グリッドからスタートすることになった。

    佐藤琢磨は、アタック最初のラップのターン7でスピンを喫し、バリアに接触。マシンは右側にダメージを負ったが、最後のウォームアップまでには作業が終了する見通し。佐藤琢磨は22台が並ぶグリッドの最後尾からスタートする。

    佐藤琢磨
    「僕たちにとってはとても残念なセッションとなりました。今日のプラクティスを終えたところで、僕たちはいくつかの作業を行い、マシンはよくなりましたが、少し扱いにくいところがありました。また、HANSデバイスが正しい位置にないという問題もあったため、ピットストップを行わなければならず、難しい状況に置かれました。そしてホットラップでは、純粋に僕はターン7でコントロールを失いました。いいマシーンを作り上げてくれたメカニックたちには申し訳ない気持ちでいっぱいです。明日のレースでいいパフォーマンスが発揮できることを期待しています」

  • 佐藤琢磨、ワトキンス・グレン初日は12番手 / インディカー

    佐藤琢磨、ワトキンス・グレン初日は12番手 / インディカー

    佐藤琢磨は、インディカー 第15戦 ワトキンス・グレンの初日のプラクティスを12番手で終えた。

    No.14 ABCサプライ・ホンダを駆る佐藤琢磨は、1分23秒7894をマーク、平均速度は144.792mph(約231.7km/h)でした。全体の12番手、ホンダ勢では3番手。

    明日は午前中に45分間のプラクティスを行ったのち、午後には公式予選が行われる。

    佐藤琢磨
    「ワトキンス・グレンに戻ってこられて本当に嬉しく思います。ここは超高速で、傑出したサーキットです。再舗装された路面は素晴らしく、グリップが向上したおかげでドライブしていてとても楽しいです。テストには参加できませんでしたが、走行初日となる今日は手応えを感じられる1日となりました。僕たちには消化しなければいけない作業がたくさんあるので、今日はいい1日だったと思います」

  • 佐藤琢磨、無念のリタイア / インディカー

    佐藤琢磨、無念のリタイア / インディカー

    佐藤琢磨は、インディカー 第9戦 テキサスの決勝レースをリタイアで終えた。

    6月11日にシリーズ第9戦としてスタートしたテキサス・モーター・スピードウェイでのレースは、雨のために71周を終えたところで中断され、8月最終週まで延期された。

    77日という長いインターバルを経てレースは再開されたが、待ったかいのある、とてもエキサイティングなバトルとなった。

    最終的に、トータル248周で8人のドライバーがトップに立ち、14回ものリード・チェンジが行われた。

    佐藤琢磨(A.J. Foyt Racing)は、77日間の赤旗中断を利用して新しいマシンセッティングを試した。ところが、レース前の10分間しかないプラクティスで、サスペンションの破損によるアクシデントが発生。チームはマシンを修復してグリッドに並べたが、マシンは正しくセッティングされていなかった。ハンドリングは悪く、タイヤの消耗も激しいマシンでは、走り続けても危険であるとの考えから、チームはマシンを停めることとした。

    テキサスでのレースにチェッカーフラッグが振り下ろされ、2016年インディカーシリーズは14レースを終えて、残るはロードコースでの2レースとなった。第15戦は休む間もなく、次の週末にニューヨーク州の歴史あるロードコース、ワトキンス・グレン・インターナショナルで開催され、9月18日の最終戦は今年もカリフォルニア州のソノマで行われる。

    佐藤琢磨(20位)
    「厳しい夜になりました。プラクティスで部品のトラブルに見舞われ、1周しか走ることができませんでした。チームのクルーたちは懸命に働いて、短時間でマシンをスタートに間に合わせてくれました。しかし、レースでは多くのトラブルが襲いかかりました。何が悪かったのか、すべてはまだ把握できていません。最終的には、次戦以降に向けてのリスクを大きくすべきではないと考え、リタイアすることにしました」

  • 佐藤琢磨 “3.5%の大誤算” / インディカー

    佐藤琢磨 “3.5%の大誤算” / インディカー

    佐藤琢磨が、インディカー 第14戦 ポコノのレース週末を振り返った。

    ポコノで行われたベライゾン・インディカーシリーズの500マイル・レースで、佐藤琢磨が走行した距離は5マイルに満たなかった。エアロバランスが恐ろしいほど大きく変化していた結果、そのとき3番手を走行していた佐藤琢磨のマシンはターン3でスピンし、ウォールに激突した。

    素晴らしい成績をもたらすかもしれなかったレースは最悪の結果に終わったが、不幸中の幸いといえるのが、レントゲン検査を受けても佐藤琢磨の身体に何の異状も認められなかったことにある。なにしろ今週末は、雨のために途中で中断となっていたテキサス・モータースピードウェイのレースに参加しなければならないのだ。

    「足首と左足が少し腫れています」 それでも、いつも変わらない前向きで楽観的な佐藤琢磨は、こんな言葉を口にするのも忘れなかった。「でも、テキサスでは左足を使わないでしょう!」

    全長2.5マイルのポコノで事前に1日間のテストを実施していたAJフォイト・レーシングは、No.14ダラーラ・ホンダを準備万端仕上げていた。

    「僕もチームもこのサーキットが大好きです。過去3年間、僕たちはずっとコンペティティブでした。成績はいいときもあれば悪いこともありましたが、僕たちのマシンはいつも好調で、ワクワクしながら週末を過ごしてきました」

    「2週間前に行ったテストは順調でした。スーパースピードウェイでのマシンについてたくさん学ぶことができたので、とても充実したテストでした。そして僕たちのベースライン・セットアップはとても強力なように思えました」

    フリープラクティスでは佐藤琢磨以外の3人のドライバーがアクシデントを起こしたため、No.14をつけたマシンの本当のポテンシャルを佐藤琢磨は引き出せなかった。それでも佐藤琢磨は予選に向けては自信満々だった。

    「アクシデントが起きたことは、誰もがギリギリのところで走っている証拠でした。彼らは、きっとマシンが持つパフォーマンスの最後の1%を引き出そうとしたのでしょう。マシンのパッケージングは去年とよく似たものですが、ドームスキッドが導入された影響で、空力シミュレーションが非常に複雑になり、たくさんの作業が必要となりました。それに、空力のコンピューター・シミュレーションがいつでも正確とは限りません。実際にマシンを走らせて得たデータからエアロマップを作り上げることが本来は必要なのです」

    「アクシデントがあったために、僕たちは予選用シミュレーションを実施できませんでしたが、僕たちのマシンはトップ5に入るパフォーマンスを有していると考えていました。220mphで走れる自信がありました」

    結果的に、佐藤琢磨はそれを上回る成績を残した。彼は2014年にポールポジションを獲得したデトロイト以来となる予選結果を手に入れたのだ。

    「僕のエンジニアであるラウル・プラドスがすばらしい仕事をしてくれました。ウォームアップの周回で、僕はマシンが絶好調であることに気づきました。予選結果は、僕たちの素晴らしいパフォーマンスを反映したものです」

    インディ500のときと同じように、ホンダが手がけた2016年仕様エンジンとエアロパッケージは非常に強力だったが、最後のセッションではシボレー勢がだいぶ近づいてきた。

    「レースセッティングでトラフィックのなかを走っているライバルたちは手強そうでした。僕たちは引き続きコンペティティブでしたが、アドバンテージはゼロも同然の状態でした。僕たちのチームに関していえば、あまりに予選に注力していたため、レースセットの仕上がりはまだ不十分でした。そのことは最初に走らせた段階で明らかになっていました」

    「大きなタービュランスに巻き込まれると、ダウンフォースが減少してコーナー進入時のスピードが低下します。そしてマシンのダイナミクス特性が大きく変化するため、コンピューター・シミュレーションを行ったときとは車高の値が大きく変わってきます」

    チームは車高が高すぎることに気づき、調整を行ったが、アンダーステアが過大だったためにフロントウィングの角度をより強くすることにした。

    「これがレースで起きた間違いを引き起こす原因となりました。僕たちはフロントのダウンフォースをどんどん増やしていきましたが、レース後に判明したところによれば、このときすでにフロントウィングのストールが始まっていたのです」

    日曜日は雨が降ったため、決勝レースは月曜日に延期された。この結果、プラドスとエンジニアリングチームはより長い時間をかけてマシンのセットアップを行えることとなった。その結論は、より大きなダウンフォースが必要というもの。そこでウィングの角度をさらに大きくしようとしたが、フロントウィングはもう調整できる範囲が残されていなかったため、より大きなガーニーフラップを取り付けることになった。

    「ホンダ陣営のチームはみんな同様のものをつけていました」と佐藤琢磨。

    「予選から決勝に向けては、エアロバランス(空力重心)を0.5%ほど後にずらすのが一般的です。ただし、僕たちは0.5%以上、後にずらすことを決めました。なぜなら、大きなガーニーフラップを使ったことがなかったので、安全を見積もってそうすることにしたのです。もちろんアンダーステアになる恐れはありましたが、そのときはアンチロールバーやウェイトジャッカーで補正できます。もっとも重要なのは最後のスティントなので、これでOKと判断しました。決勝中にマシンを仕上げようという考え方です」

    ポールシッターのミカイル・アレシンは極端に早いタイミングで加速を始めたため、2番手以降はもうひとつの集団を形成してスタートラインを横切り、スタートは仕切り直しとなった。グリーンが提示されたオープニングラップ、ジョセフ・ニューガーデンがアレシンを抜いてトップに浮上、佐藤琢磨はアレシンを射程範囲内に捉えていたところで、アクシデントは発生した。

    「僕は好スタートを切りました。(佐藤琢磨と同じ2列目グリッドからスタートした)エリオ・カストロネヴェスと僕はコース上でもコース外でもとても仲が良く、彼とだったら安心してレースができます。そのとき、僕はアタックもなにもせず、まったく危険を冒すことなくターン1に進入していきました。僕はフロントのグリップが非常に高い状態にあると考えていました。タイアが冷えているとそうはならないので、これはいいサインでした。フロントのロールバーを極端に硬いポジションにし、リアを柔らかく、そしてウェイトジャッカーで右寄りにしたクロスウェイトからも、いつも以上に注意を払ってスタートしたことが伺えると思います。ターン1はハイバンクによるサポートがあり、ターン2のキンクでは、グリップを使い切らない程度のカーブなので、マシンは安定していました」

    「そしてフラットなターン3に進入し、横Gがもっとも大きくなるアペックス付近まできたところで、マシンは突然スピンしました。僕は完全にコントロールを失い、ウォールに激突したのです。修正するような時間は一切ありませんでした。事故後にエンジニアがデータを確認したところ、非常に大きな問題が判明しました。エアロバランスが、当初想定していた0.7%後方ではなく、反対に3.5%前方に移動していたのです。その程度の違いは大したことないと思われるかもしれませんが、オーバルレースではたった0.2%のずれが大きな違いを生み出すことになります。このため、リアタイアはまるでグリップしない状態だったのです。そのときはわかっていませんでしたが、最後のプラクティスで走った段階で、フロントウィングはすでにひどくストールしており、したがってフロントのダウンフォースを一定に保つためにフロントウィングの角度を少し寝かし、さらにガーニーフラップを取り付けたときは、ストールが解消されて巨大なダウンフォースを生み出し始めていたのです。しかも、さらにガーニーフラップを取り付けていたのですから、エアロバランスは大きくフロントに向けて移動することになります」

    「予選結果とスタートがよかったうえに、チームのスポンサーであると同時にイベントのスポンサーでもあるABCサプライのたくさんのゲストが見守るレースだったので、とても残念です。もう、言葉にならないくらい悔しい思いを味わいました。レントゲン検査の後で、僕はレースを見ていましたが、ポコノではいつもそうなるように、今回も最後のスティントはとてもエキサイティングで、僕も一緒に走っていたかったと思いました。いずれにしても、今回もたくさんのことを学んだので、これをテキサスで生かしたいと思います」

    6月に開催されたテキサスのレースは、佐藤琢磨が1ラップ・ダウンの状態でリスタートが切られる。

    「エアロコンフィギュレーションに関しては、フィニッシュしたときとまったく同じ状態でスタートしなければいけません。ただし、僕たちにとって都合がいいことに、メカニカルなセットアップは変更していいことになっています。予選は絶好調だったものの、決勝のセットアップはあまりよくなかったので、おそらくとてもいい状況で戦えると思います」

  • インディカー 第14戦 ポコノ 決勝:雨のため翌日に延期

    インディカー 第14戦 ポコノ 決勝:雨のため翌日に延期

    インディカー 第14戦 ポコノの決勝レースは、雨のため翌日に延期となった。

    決勝レースは、現地時間午後3時10分に開始予定だったが、サーキットには激しい雨が降り、残りの午後も持続的に続く予報のため、レース主催者は翌日に延期することを決定した。

    レースは現地時間22日(月)の午後12時9分に開催される。

    今年、インディカーは、第9戦のテキサスも雨によって延期。翌日に一旦レースは行われたが、再びの降雨により71周で中断し、8月27日(土)にナイトレースで再開されることとなっている。

  • 佐藤琢磨、ポコノで3番グリッドを獲得 / インディカー

    佐藤琢磨、ポコノで3番グリッドを獲得 / インディカー

    佐藤琢磨は、インディカー 第14戦 ポコノの予選で3番グリッドを獲得した。

    No.14 ABCサプライ・ホンダを駆る佐藤琢磨は2ラップの平均速度で220.067mph(約352.1km/h)をマークし、3番グリッドを獲得。2年前にやはりこのポコノで手に入れた4番グリッドの記録を更新した。

    決勝レースは8月22日の午前4:00(日本時間)にスタートが切られる。

    佐藤琢磨
    「予選での走りにはものすごく満足しています。基本となるマシーンの状態も素晴らしかったと思います。2〜3週間前にテストしたことがとても役に立ち、スーパースピードウェイのパッケージを理解するのに役立ちました。ホンダが精力的に開発してきたこのパッケージは非常に優れたもので、僕たちのマシーンはかなり競争力が高いようです。チームのエンジニアリング・スタッフによる働きもとても大きな役割を果たしました。特に、僕のレースエンジニアであるラウルが細部まで煮詰めてくれたおかげで、ほとんど完璧なマシーンに仕上がりました。このため、2ラップの予選アタックを心から楽しむことができました。本当に素晴らしい結果を出せたと思います。できれば、素晴らしいレースカーを手に入れ、明日は最高のレースを戦いたいと期待しています」

  • 佐藤琢磨、残り3周の悲劇 「表彰台に上るのも夢ではなかった」

    佐藤琢磨、残り3周の悲劇 「表彰台に上るのも夢ではなかった」

    佐藤琢磨が、インディカー 第13戦 ミッドオハイオのレース週末を振り返った。

    佐藤琢磨とAJフォイト・レーシングはミッドオハイオで落胆を味わった。レースが残り3周となったとき、素晴らしい戦略と順調なレースペースにより、No.14ダラーラ・ホンダは4番手まで浮上していた。

    ところが、セバスチャン・ブルデーが判断を誤って佐藤琢磨に襲いかかった結果、2台はコースオフを喫し、佐藤琢磨は9位でフィニッシュすることになったのだ。

    チームが「アタック1ラップのタイム」を改善するのに苦しんでいたこともあり、プラクティスから予選にかけて佐藤琢磨のパフォーマンスは伸び悩んでいたが、レースセットアップに関して佐藤琢磨はなんの不安も抱いていなかった。

    「ここ何年もミッドオハイオではいい結果を残せませんでしたが、新しいエアロパッケージを得た今年は好成績が期待できると考えていました。というのも、ロードコース用の新しいセットアップを試したロードアメリカではとてもいい感触を得ていたからです」

    「トロントのレースが終わった直後、僕たちはミッドオハイオでテストを行い、とても多くの手応えを掴みました。ラップタイムが接近していたので判断は難しいところですが、それでもスピードは良好で、いいデータをたくさん収集できました」

    しかし、金曜日にはそうした希望も霧消してしまう。2回のフリープラクティスを16番手と22番手で終えた佐藤琢磨は、土曜日の午前中に行われたプラクティスでも21番手に沈み込んだのである。そして予選には強豪が揃ったグループから臨んで10番手となり、期待はずれな20番グリッドから決勝レースに挑むことが決まった。

    「通常、僕は、オウルトンパークによく似たこのタイプのコースが好きです」 佐藤琢磨はイギリスF3時代に慣れ親しんだサーキットを引き合いにだしながら、そう語った。

    「ミッドオハイオはレーシングカーの走行に伴ってコースコンディションが急激に改善されることで有名です。最初は滑りやすくてまるでグリップが得られませんが、20台以上のマシンが10周から20周くらいするとグリップ・レベルが急激に向上し、ラップタイムが5、6秒ほど短縮されることがあります。これに伴ってマシンのバランスも大きく変化するので、セッションごとに前もって対応することが必要となります」

    「金曜日のプラクティスは、以前テストしたときとはコンディションが異なっていたので、少し混乱しました。テストのときは好調だったセッティングがうまく機能せず、スピードにもグリップにも納得がいきませんでした。ただし、土曜日に行われた3回目のプラクティスではフィーリングが改善されたので、マシンの仕上がりについてはまずまず満足していました」

    「予選でのマシンは、過去数年のなかでもベストな状態でしたが、驚いたことに、ほとんどのドライバーが僕よりも好調でした。といっても、ほんのコンマ数秒の差ですが、ここでは信じられないくらいラップタイムは僅差になるのです」

    日曜日朝の最後のプラクティスにおいて、チームは新しい組み合わせのセットアップを試し、好感触を得た。

    「このコースではメカニカルグリップがとても重要で、バランスが決定的な要素となります。また、大きく回り込むコーナーが多いのもミッドオハイオの特徴で、ターン2はまるでヘアピンコーナーのように見えますが、最低旋回速度はとても高いのが実情です。そしてターン4からターン10まではひとつの流れでクリアします。もしもマシンのバランスがよくなければ、コーナーひとつについて100分の5秒はロスするでしょうから、1ラップあたりコンマ4秒に相当します。それでもファイナル・プラクティスではハンドリングが改善されました。ポジションは14番手でしたが、ようやくマシンのパフォーマンスがひとつにまとまってきたように思われたのです」

    そしてレースデイがやってきた。ミッドオハイオでは、イエローがたくさん出ると2ストップでも走りきれるが、グリーンが続いた場合は3ストップが基本となる。いっぽうで、ミッドオハイオのレースを制するドライバーがしばしば最初のピットストップを早めに行うのもまた事実である。

    「ミッドオハイオの王者といえば、まずはスコット・ディクソンですが、今回は彼も予選で苦戦していたので、僕たちは彼のレース戦略に追随することとしました。もっとも、これは過去に2度試して、2度ともうまくいきませんでしたが、今回は『3度目の正直』を期待していました! 最初のピットウィンドウが開くのは10周目ですが、僕たちは少しギャンブルに挑戦することにしました」

    ドラマは早々と起きた。佐藤琢磨は戦略の一環として硬めのブラックタイヤでグリッドに並ぶと、好スタートを決めてポジションを上げることに成功する。ところが、新品のレッドタイヤを装着していたマルコ・アンドレッティが後方グリッドから激しく追い上げていたのだ。

    「ダウンヒルのターン5で、彼は3ワイドになりながら迫ってきて、アウト側から僕をオーバーテイクしようとしたため、僕はサンドイッチされる格好となりました。ここで3台は接触、いくつものパーツが宙を舞いましたが、幸いなことに、どれも僕のものではありませんでした!」

    ただし、佐藤琢磨はブラックタイヤでのバランスに満足していなかった。そこで早めにピットストップを行い、残るレースをレッドタイヤで走りきることにする。ディクソンとともに佐藤琢磨がピットストップを行ったのは12周目のこと。すると、3周後にディクソンとエリオ・カストロネヴェスが接触し、この日最初のイエローが提示されることになった。ここでライバルの多くはピットストップを実施、佐藤琢磨は悠々とトップ10圏内に駒を進めると、リスタートではブルデーを攻略。ピットストップが一巡したときには3番手まで浮上していた。先行するのはミカエル・アレシンとカルロス・ムニョスのふたりだけである。

    「レッドタイヤを履いてからは、まるで予選のようにプッシュし続けましたが、いっぽうで、どこかで燃料をセーブしなければいけないことも承知していました。僕たちは順調にスティントを走りきり、イエローにも恵まれました。レース戦略はすべてうまくいっていたのです。この後、僕とブルデーはレースを通じてバトルし続けることになります!」

    2回目のピットストップはグリーンのまま行われ、佐藤琢磨は5番手となる。そして最後のピットストップは、チームメイトのジャック・ホークスワースが起こしたアクシデントをきっかけに始まった。このとき佐藤琢磨は6番手だったが、グリーンが提示された直後にキンボールがコースアウトしたため、5番手にポジションを上げる。そして、他のドライバーとは異なるタイミングで給油を行っていたコノー・デイリーが最後のピットストップを行ったことでNo.14は4番手に浮上。このとき、3番手のムニョスは手を伸ばせば届く距離にいた。

    「ピットストップではメカニックたちが素晴らしい働きをしてくれたほか、レースペースはとても安定したものでした。こうなることは、フリープラクティスのときからわかっていました。一発の速さはなくても、スピードが安定していたのです。つまり、スタビリティの高いレースカーで予選に臨んだようなものでした。このことは決勝での走りで証明され、僕は前を走るドライバーを次々と攻略することになりました」

    残り25周をグリーンのまま走り続けることになる最後のリスタートを迎えたとき、佐藤琢磨には上位フィニッシュを果たす自信があった。「最後のスティントは数周分の燃料をセーブしなければいけないという意味において、どのドライバーも似たような状況にありました。リスタートの直後にムニョスにチャレンジできるチャンスがあったのは、このためです。ターン11に僕とムニョスはサイド・バイ・サイドとなって進入しましたが、攻略には至りませんでした。僕も燃費を守るのに必死でしたが、何かあれば簡単にポジションを落としてしまう状況だったので、ミスは絶対に許されませんでした」

    「最後の20周、ムニョスと僕、僕とブルデーの間隔は、ほとんど同じようなものでした。そして残り3周となったところで、おそらくブルデーにピットから指示が出たのでしょうが、僕にアタックをしかけるようになり、ターン4で襲いかかってきました。もちろん、僕は即座に対抗します。僕はできることすべてを行ってポジションを守ろうとしました。もっとも、彼は僕のスリップストリームに入っている範囲で、並びかけていたわけでもありません。そして僕がコーナーへのブレーキングをギリギリまで遅らせたところ、ブルデーも接近。最後はブレーキをロックさせて追突、僕をコースアウトに追い込んだのです。これは本当に残念でした」

    佐藤琢磨は9番手でコースに復帰したが、これは小さななぐさめに過ぎなかった。

    「僕は勢いを保ってサンドトラップから抜け出すことができましたが、とにかく落胆しました。ブルデーの後方には数秒差でグレアム・レイホールがつけていましたが、ファイナルラップで彼はあとわずかでムニョスを攻略できるところまで追い上げました。最終ラップのムニョスのペースはとても遅かったので、おそらく燃料を使い果たしていたのでしょう。だから、もしも僕がアクシデントに遭ってなかったら、ムニョスを攻略して表彰台に上るのも夢ではなかったと思います。僕にはまだプッシュ・トゥ・パスが4つも残っていたし、燃料も問題ありませんでした。それを考えると、なおさら残念に思います。もっとも、あくまでもあれはレーシング・アクシデントで、僕にできることは何もありませんでした。それでも、ブルデーのようにレベルが高く、定評のあるドライバーがあのようなミスを犯したと思うと、やはり残念で仕方ありません」

    これで、佐藤琢磨は3戦連続でトップ5でフィニッシュするチャンスがありながら、それを達成できたのはトロントの1度だけという結果に終わった。

    「ペナルティがなければロードアメリカではトップ5に入っていたでしょう。そしてトロントで5位に入り、今回もいい成績が得られそうでした。僕たちは3戦連続でコース上とピットの両方で自分たちの強さを証明しました。レース後、僕がピットレーンに戻ってくると、誰もが落胆していましたが、いっぽうで笑顔も浮かべていました。なかでもAJはとても幸せそうに見えました。チームは素晴らしい判断を下し、僕の追い上げを大いに助けてくれました。残る課題は予選でのバランスだけです」

    8月21日にポコノのスーパースピードウェイで次戦が行われるまでには少し余裕があるが、佐藤琢磨とチームは木曜日にこのコースでテストを実施する予定だ。

    「ポコノではいつも力強いパフォーマンスを示してきたので、このコースで走るのが本当に楽しみです。今回はドームド・スキッドという、いままでとは異なるスペックで走ることになりますが、僕たちはきっとコンペティティブなはずなので、まずはまる1日かけて行うテストを楽しみにしています」

  • 佐藤琢磨、4位フィニッシュ目前で追突されて9位でゴール / インディカー

    佐藤琢磨、4位フィニッシュ目前で追突されて9位でゴール / インディカー

    佐藤琢磨は、インディカー 第13戦 ミッドオハイオの決勝レースを9位でフィニッシュした。

    アメリカ中西部のオハイオ州のほぼ中央にある全長2.258マイルのミッドオハイオ・スポーツカー・コースで、すばらしい天候に恵まれた中、Hondaインディ200は開催された。

    佐藤琢磨(A.J. Foyt Racing)は、予選まではマシンのセッティングが思うように進まなかったことから、レースのスタートは20番手という後方のグリッドからだった。

    佐藤琢磨は序盤に早目のピットストップを実施。この作戦によって8番手までポジションを上げ、一時は3番手を走った。

    ピットタイミングの異なるドライバーたちのポジションアップもあり、最後のピットストップで5番手から6番手にポジションを下げたが、リスタート直後にコースアウトしたドライバーも出たことで4番手に浮上し、そのままゴールまで走り続けることができそうな状況となった。

    ところが、ラスト5周で後続のマシンが追突してきたために、2台そろってコースアウト。それでも、佐藤琢磨はスタックすることなく走り続け、9位でゴールラインを横切った。

    インディカー・シリーズは2週間の休みを挟んで、8月21日(日)にペンシルベニア州ポコノにある2.5マイルのトライアングルコース、ポコノ・レースウェイで500マイルレースを開催する。

    佐藤琢磨 (9位)
    「チームがすばらしい力を発揮してくれました。ラリー・フォイトの戦略が的確でした。序盤のかなり早い段階でのピットストップは少し楽観的な作戦にも映っていましたが、そのすぐあとにちょうどいいタイミングでフルコースコーションになってくれました。あれで大幅にポジションを上げられました。そして、そこからゴールまでは本当に激しいバトルが続きました。私はすべてのラップを予選でのアタックのように走りました。クルーたちのピット作業も、最後の一番重要なものがとても速かったので、そこからは4番手争いを続けることができました。しかし、最後に不運な事態になりました。私はラインを保っていたのですが、すぐ後ろを走っていたドライバーがブレーキングで追突してきたのです。私はコースアウトしながらも、どうにか走り続けてコースに戻り、9位いう結果を拾い上げられました。ゴールできたことはよかったと思います。しかし、4位はほぼ確実だったのですから、9位は悔しい結果です」

  • 佐藤琢磨、20番グリッドからミッドオハイオの決勝に挑む / インディカー

    佐藤琢磨、20番グリッドからミッドオハイオの決勝に挑む / インディカー

    佐藤琢磨は、インディカー 第13戦 ミッドオハイオの予選を20番手で終えた。

    美しい景観に囲まれたミッドオハイオのロードコースにおいて、先週、ABCサプライ・チームはテストを実施したが、その経験を予選でのスピードに結びつけることができず、佐藤琢磨とチームメイトのジャック・ホークスワースはいずれもQ1で敗退。

    佐藤琢磨は20番グリッドから、ジャック・ホークスワースは17番グリッドから、それぞれ決勝レースに臨むことが決まった。

    第2グループから予選に挑んだ佐藤琢磨のタイムは1分4秒8354で、これは10番手に相当するため、10列目からスタートすることとなった。

    ミッドオハイオは追い抜きが難しいコースのため、決勝レースでは他のドライバーとは異なるタイミングでピットストップを行う“オルタネート・フューエル・ストラテジー”を採用することになる見通し。同じ20番グリッドからスタートしたトロントでも、このオルタネート・フューエル・ストラテジーを活用することにより、佐藤琢磨は5位でフィニッシュすることに成功している。

    明日は30分間のウォームアップを実施した後、2.258マイル(約3.61km)のコースを90周する決勝レースは日本時間の8月1日午前3時45分にスタートが切られる。

    佐藤琢磨
    「何を言えばいいかわかりません。すべて計画どおりでした。ラップタイムを見ても、ベストはほとんど3周目か4周目に記録されていますが、セッション前半はコースコンディションが急激に改善されていきました。僕たちは2セットのレッドタイアを投入する予定でしたが、これはここ数年なかったことです。しかし、プラクティスが終わった段階で、僕たちにはこれが必要だと判断しました。予選中も目立った問題はなく、純粋にスピードが伸び悩みました。バランスもフィーリングも良好でしたが、スピードだけがありませんでした。ミスもなく、ひやっとするシーンもなく、確実に、そしてハードにアタックしたラップでしたが、好成績を残すことができませんでした。何が起きているのか判断がつきかねますが、問題の解決に取り組みたいと思います」

  • 佐藤琢磨、20番グリッドからの復活劇 「笑顔がこぼれた」

    佐藤琢磨、20番グリッドからの復活劇 「笑顔がこぼれた」

    佐藤琢磨が、インディカー 第12戦 トロントのレース週末を振り返った。

    結果的に佐藤琢磨はベライゾン・インディカーシリーズのトロント戦で5位入賞を果たし、去る4月に行われたロングビーチ・グランプリと並ぶ今シーズン・ベストの成績を残した。

    それは素晴らしい週末の締めくくり方だったが、No.14AJフォイト・レーシング・ダラーラ・ホンダの悪い流れを変えるのに必要ないささかの幸運にも恵まれたのも事実。

    「最終的にはいい週末になりましたが、ある時点ではちょっとした心配もしていました」 佐藤琢磨もそう語っている。

    今年もトロントで開催された市街地レースにおいて、先ごろ開発されたばかりのセッティングを採り入れた佐藤琢磨は走り始めから好調だった。このためには、ピットレーンがアウトサイドに移設され、コース終盤のターン9、10、11がモディファイされた新しいコースレイアウトに適合することも必要だった。

    「新しいピットレーンを建設するために、オフィシャルはターン9、10、11にコンクリートウォールを築き、コース幅を半分ほどにしてしまいました。かつてピットレーンとして使われていた部分はレースコースとなっています。おかげでずっとタイトなうえにコース幅が狭く、とてもツイスティーなセクションに生まれ変わりました。以前はターン9が70mph(約112km/h)、ターン10は80mph(約128km/h)、ターン11は100mph(約160km/h)で通過していましたが、コーナリングスピードは大幅に低下しています。さらに、ターン9の中央にはコンクリート・パッチが作られ、とても滑りやすくなりました。右コーナーのターン10には大きなバンプが生まれたうえ、5度から7度ほどのひどい逆バンクとなった影響で、進入ではアンダーステアが出やすくなり、出口付近ではトラクションがかかりづらいコーナーとなりました。ターン11は複合コーナーで、奥に行くにしたがってコーナーはきつく、そして幅は狭くなります。プラクティスでふたりのドライバーがここでアクシデントを起こした際には、ウォールの間でまるでピンポンのようにマシーンは跳ね返されていました。さらにはサポートレースでも事故が起きていたので、ここには何かしらの問題が潜んでいると僕たちは考えるようになりました」

    しかし、佐藤琢磨は高い戦闘力を発揮、最初のフリープラクティスで4番手となる。続く2回目のセッションでは14番手になったものの、まったく心配はしていなかった。

    「セッション開始直後はトップ3に入っていて、マシーンも好調。4番手という結果にも勇気づけられました。2回目のセッションでもセッティングを煮詰めていきましたが、途中で赤旗が提示されます。当初はセッションの最後にニュータイアを装着する予定でしたが、複数の赤旗の影響でテストメニューの一部を割愛し、比較テストを行うために使い古した1セットのタイアを履き続けました。僕たちにスピードがあることは、このときすでにわかっていました」

    ところが、土曜日のプラクティスを迎えると状況は悪化し始めてしまう。佐藤琢磨は当初トップ5に食い込んでいたが、「やがてマシーンのバランスに問題が生じ始め、十分なグリップが得られなくなりました。ラップタイムは一向に速くならず、タイアのドロップオフが限界ではないかと僕たちは疑いました。そこでニュータイアを装着してベースラインを取り直そうとしましたが、驚いたことに古いタイアと大して変わらないタイムしかマークできません。何が原因か、まるでわかりませんでした。しかも、このコースの路面は場所によって様々なため、攻めすぎるとタイムが伸び悩み、それ以上、速く走れなくなってしまうのです」

    「僕たちは手持ちのリソースを使い果たしてしまったので、予選にはおそらくこれがいいだろうと思われるセッティングで臨みました。けれども、これでもうまくいきません。アンダーステアがひどいうえに、スナップ・オーバーも頻繁に顔を出します。まったく出口が見えない状態で、あれほど好調だったデイ1の次にこんな日がやってきたことが信じられないほどでした」

    予選を20位で終えた佐藤琢磨のマシーンには、なんらかの作業を行う必要があった。チームはフロントウィングがストールして十分なダウンフォースを発生していない可能性を見いだす。つまり、メカニカルなセッティングとエアロのセッティングがマッチしていなかったのだ。さらに、ダンパーのひとつにもトラブルがあったことが判明。そして直観に頼ることなく、最初のセッティングに戻すことを決断する。通常、アンダーステアを解消するには、フロントのスプリングを軟らかくしてバランスをリア寄りにするものだが、今回実施されたのは、フロントを固めてより大きなエネルギーを生み出すというもの。バンプが多いトロントでは、このセットアップが効果的なのだ。

    「アンダーステアの度合いは変わりませんが、フロントがしっかりと支持されるようになった結果、よりブレーキングを攻め込むことができ、安定するようになりました。おかげで僕たちは速くなりました。これはマシーンのパフォーマンスとサーキット環境のコンビネーションによるものであり、フロントのライドハイトをどうコントロールするかに関わることです」

    最後のプラクティスで佐藤琢磨はトップとわずか0.145秒差で6番手となる。状況は好転し始めたのだ。

    レースが始まると、序盤にしていくつかのイエローが提示されたため、佐藤琢磨は16番手に浮上。さらにグリーン中にアレクサンダー・ロッシをオーバーテイクして15番手へと駒を進める。「この種のコースでは、長いサバイバルレースになることが往々にしてあります。85ラップのレース中、フルコーションは平均して20ラップにもなるのです! だから、もしもポジションを上げるチャンスがあれば素晴らしいことですが、かりにそうでなかったとしても心配する必要はありません」

    プライマリーのブラックタイアでスタートした佐藤琢磨は、続くふたつのスティントを柔らかめのレッドタイアで走行する予定だったが、通常とは異なる試みによって状況をさらに改善することを目指し、早めにピットストップする戦略が検討された。そしてピットストップの際にレッドタイアを装着したところ、ラップタイムが向上する。これが45ラップ目にイエローが提示される前のことだった。

    「ここが分岐点となりました。レースの残りは40ラップ、ただし1度に給油できる燃料の量は最大でも30ラップ分しかありません。したがって40ラップの連続走行は現実的ではありませんが、途中でイエローが提示されれば可能になるかもしれません。それは試してみる価値のあるギャンブルでした」

    「レッドタイアは20周目を過ぎるとデグラデーションが起きるので、ラリー・フォイトが無線で『残り40ラップだ』と伝えてきたときには、冗談だろうと思いました! それでも、まずはやってみることにしましたが、そのためにはブラックタイアが必要で、イエロー中も燃料をセーブすることにしました。僕がノーマルのマッピングを使ったのはリスタートのターン3までで、その後はミクスチャーを薄くし、徹底的に燃料をセーブしながら走りました」

    「使える燃料は驚くほどわずかでしたが、それを守らなければならず、いっぽうでチームは順位を落とすなと指示してきました。もう、まるで信じられないような状況です。けれども、これも素晴らしいチャレンジですし、こういうことが僕は嫌いではありません」

    次にイエローが提示されるまの間には、結果的にこのレースで3位に入るジェイムズ・ヒンチクリフとバトルを演じる一幕もあった。前方を走るマシーンがピットインを行うと、佐藤琢磨は自分が4番手まで浮上していることに気づく。

    「僕の前にいたのはトニー・カナーン、ウィル・パワー、ヒンチクリフの3名だけだったので、ヘルメットのなかで笑顔がこぼれました。ただし、燃料は相変わらず不足していました」

    続くリスタートではエリオ・カストロネヴェスから猛チャージを受ける。

    「とても厳しい戦いでしたが、10ラップ以上は彼を抑え続けました。パドックでもっともリスペクトされているエリオとのバトルは本当に楽しいもので、コース上のバトルで彼との間に問題が起きたことはこれまで一度もありません。そして3度目のアタックで、エリオは僕を追い抜いていきました」

    レース終盤にはカナーンがスプラッシュ&ゴーを実施、ミカエル・アレシンの猛攻を受ける佐藤琢磨の直前でコースに復帰した。

    「彼はとてもアグレッシブで、何度もサイド・バイ・サイドになりました。一度、ターン3で完全に追い抜かれたこともありましたが、僕はインサイドにいたので、“スーパーレイト・ブレーキング”で順位を守り抜きました。何度か軽い接触もしましたが、心配すべきダメージはひとつもありませんでした」

    待望のイエローが提示されたのはレースが最終盤に入ってからのこと。そして、信じられないような低燃費で走り続けた佐藤琢磨は、ファイナルラップに入ったところでカナーンへのアタックを開始する。

    「残り1周で、まだプッシュ・トゥ・パスが5回分残っていたので、できる限りこれを使おうと思いました。僕はバツグンのリスタートを切り、ターン1に進入するときはカナーンのまさに直後につけていました。ターン2からの脱出も完璧に決まったところでプッシュ・トゥ・パスのボタンを押しましたが、僕は最悪のタイミングでオーバーブーストの問題を抱えることになります。これまでの84周、なにひとつ問題はなかったのに、ここで起きたのです。ある状況下で、エンジン回転を低く抑えたままスロットルペダルを踏み続けると、この種のトラブルが発生するのです。オーバーブーストはエンジンのパワーを制限します。僕の視界からはTKが徐々に遠ざかっていきましたが、幸いにも後から追ってくるドライバーはいませんでした」

    「それでも、20番グリッドから5位でフィニッシュするなんて誰にも想像できなかったはずです。ピットストップを含め、チームの働き振りは本当に素晴らしいものでした! ラリーと僕のエンジニアは素晴らしい判断を下すとともに、苦戦した予選の後で素晴らしいマシーンを作り上げてくれました。イエローが出たことはラッキーでしたが、これまで何度も不運を経験してきたので、今回くらいはいいでしょう」

    次戦は2週間後に開催されるミドオハイオ戦で、今週の後半にはこのコースでテストを行なう予定になっている。ロードアメリカで強い手応えを掴んだ佐藤琢磨は、このレースを楽しみにしているようだ。

    「このコースでも僕たちのセッティングは最高のパフォーマンスを発揮してくれるはずなので、僕たちの奮闘を見届けて欲しいと思います。テストでどんな成果が得られるのか、いまから楽しみで仕方ありません」