タグ: アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

  • エイドリアン・ニューウェイ語るF1の核心 風洞とAIが支えるアストンマーティン

    エイドリアン・ニューウェイ語るF1の核心 風洞とAIが支えるアストンマーティン

    アストンマーティンF1に加入したエイドリアン・ニューウェイは、現代F1における技術競争の核心である空力、そしてその中核となる風洞開発に早くから深く関わっている。

    チームの新風洞は現在「コアウィーブ」と名付けられており、AMR26の開発がこの施設で本格的に始まったのは4月に入ってからだったが、ニューウェイはこのツールに対する強い手応えを隠していない。

    長年にわたりパドック屈指の設備で仕事をしてきた経験を踏まえたうえで、ニューウェイはアストンマーティンの風洞を明確に最上位クラスに位置づけている。

    「コアウィーブの風洞は、まさに最先端の設備だ。F1用途としては、おそらく世界最高の風洞だと言っていいと思う。非常に高度で、我々の仕様に完全に合わせて設計されており、あらゆるレベルでコアウィーブの専門知識が組み込まれている。我々にとって真のゲームチェンジャーになるはずだ」とニューウェイは語った。

    その熱意は、単なる新設備への期待にとどまらない。ニューウェイにとって、この投資はF1におけるパフォーマンスの本質そのものに直結している。

    「空力は、F1のパフォーマンスを分ける最大の要素だ。この分野における我々の主要な研究ツールが風洞であり、それは絶対に不可欠な存在だ。そして今、ようやくその成果を得始めている」

    風洞にコアウィーブの名称が付けられているが、その関与は単なるネーミングライツやスポンサーシップの枠を大きく超えている。ニューウェイは、計算技術や解析技術が風洞の運用そのものに深く組み込まれている点を強調する。

    「彼らの貢献の一部は、風洞そのものの運用に関わる部分だ。もう一つは計測技術、例えばPIV、粒子画像流速測定だ。これは空気中に粒子を注入し、レーザーを使って流れの特性を測定することで、空気の流れを可視化する手法だ」

    極めて精密な手法である一方で、膨大な計算資源を必要とする。

    「この手法には非常に複雑なポストプロセス解析が必要になる。コアウィーブの計算能力と最先端のAIソフトウェアが風洞に直接統合されていることで、こうした流れを解析し、操作し、CFDのような他のツールと照合する能力が大きく向上している」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    AIは目立たずとも、すでに不可欠な存在
    人工知能があらゆる技術分野で話題となるなか、ニューウェイはF1におけるAIの位置づけについて冷静な見方を示す。

    「機械学習というものは昔から存在していた。それが単に、流行語として『AI』に置き換わっただけだ。今では誰もがAIという言葉を知っているが、実際に多くの人が日常的に使っているAIは、インターネット検索やパターン認識が中心だ」

    チャットGPTの使用について冗談交じりに問われると、ニューウェイは笑顔を見せつつも、アストンマーティンの方針を明確にした。

    「我々が使っている、いわゆる機械学習やAIは、もっと特化した用途のためのものだ。使い方は非常に限定的で、一般にインターネット由来のものを使うことはほとんどない。要求される内容があまりにも専門的だからだ」

    「ただし、比較的単純なタスクや、シミュレーションやゲーム理論を用いたレース戦略の分野では、パターン認識が役立つケースもある」

    より高度なAI活用については、競争上の優位性を意識し、あえて踏み込まなかった。

    「さらに進んだ応用も存在するが……それについては、今のところ触れないでおきたい」

    ニューウェイは、計算能力とデータ処理、そしてAIの進化の速さについても言及する。

    「計算能力、データ処理、そして人工知能の世界では、すべてが非常に速いペースで進化している。今日の最新技術は、12か月後にはほぼ時代遅れになっているだろう」

    「それは我々にとって非常にエキサイティングなことだ。だが同時に、パートナーと連携し、このスピードについていかなければならない。そこに生まれるチャンスは計り知れないほど大きい」

    そのためには、常に姿勢を改め続ける必要があるとニューウェイは強調する。

    「利用可能な技術に対して、常に心を開き続ける必要がある。毎日というわけではないが、少なくとも半年ごとには、新しい可能性を最大限に活かすために考え方を更新しなければならない」

    この柔軟な姿勢こそが、アストンマーティンの今季を貫く指針となる可能性が高い。そして、その象徴がAMR26だ。

    「その通りだ。メルボルンで走るAMR26は、バルセロナのシェイクダウンで人々が見たマシンとは大きく異なるだろう。そして、アブダビでシーズンを終えるときのAMR26も、開幕時のものとはまったく別物になっているはずだ」

    「心をオープンにしておくことが、何よりも重要だ」

  • ランス・ストロール アストンマーティン・ホンダF1初走行は割を食った?

    ランス・ストロール アストンマーティン・ホンダF1初走行は割を食った?

    アストンマーティンの2026年F1マシンAMR26は、バルセロナで行われたシェイクダウンの最終局面で初走行を迎えた。そのデビューランを担当したのはランス・ストロールだったが、走行はわずか5周にとどまり、十分な周回数を確保できないまま初日を終えている。

    チームは水曜日の夜になってようやくサーキット・デ・バルセロナ=カタルーニャに到着し、木曜日はマシンの組み立てとシステムチェックに専念した。

    最終時間帯の冒頭でストロールがインスタレーションラップに出走したものの、ガレージに戻って追加確認を行った後、再びコースに出た際にトラブルが発生した。

    走行中、コースマーシャルがマシンのLEDライトの異常を確認し、ストロールにストップの合図を送ったとされている。問題はホンダの新パワーユニットに関連した電気系トラブルの可能性が指摘されており、この時点でストロールの周回数は5周のままだった。

    翌金曜日、AMR26は再びコースに戻ったが、ステアリングを握ったのはフェルナンド・アロンソだった。チームは両ドライバーに走行機会を与える方針だったとされるが、結果的にストロールの走行時間は約1時間に制限され、アロンソが8時間すべてを担当する形となった。アロンソは非公式ながら49周を走破し、この日の11台中10番手のタイムを記録している。

    ランス・ストロール アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    元アストンマーティンの戦略担当であるバーニー・コリンズは、ストロールの立場について「少し割を食った形になった」との見方を示した。

    「彼はもう少し走りたかったはずで、正直なところ、少し割を食ったと感じていると思う」

    「ただ、誰が最初に走るかを決めた時点で、それがくじ引きなのか、どのように決めたのかは分からないけれど、そこは運の巡り合わせでもある」

    「雨の日に走行が偏るのと同じで、後のテストで周回数を均等にしようとするはずだし、可能であればそれがランスの目標になる」

    「バーレーン最終日に周回数を入れ替えられるなら、彼はそれを受け入れると思う。現時点では落胆してはいないはずで、あくまでマシンを理解する段階であって、性能を追う走行ではないと分かっている」

    「彼はリラックスして見える。周回数が少なかったにもかかわらず、マシンに苛立っている様子はない」

    「これまでファクトリーで積み重ねてきた作業がどれだけ大変だったかも、彼は分かっているはずだ」

    AMR26は設計から投入までが極めてタイトなスケジュールとなり、シェイクダウンでも限られた走行時間しか確保できなかった。ストロールにとっては消化不良の初走行となったが、チーム全体としては学習段階にあることを理解した上で、今後の公式テストでの挽回を見据えている。

  • ホンダF1を支える現場責任者 折原伸太郎が語るアストンマーティンとの挑戦

    ホンダF1を支える現場責任者 折原伸太郎が語るアストンマーティンとの挑戦

    ホンダは、2026年F1シーズンから新たなワークスパートナーとしてアストンマーティンと本格的な挑戦をスタートさせる。その最前線に立つのが、HRC F1トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアを務める折原伸太郎だ。

    2003年に本田技術研究所へ入社して以来、量産車開発からF1の最前線まで、20年以上にわたりホンダのエンジン開発を支えてきた折原。2026年からは、サーキット現場におけるパワーユニット運用の最終責任者として、新時代のF1に臨む。

    ホンダ入社の原点はF1だった
    折原がホンダを志した原点は、中学生時代にテレビで見たF1だったという。

    「テレビでF1を見ていて、特に際立っていたのがHondaエンジンを搭載したマクラーレンのマシンでした。その瞬間から、ホンダに入り、この素晴らしいスポーツの一部になりたいと思うようになりました」

    2003年に入社後、最初の10年間は量産車プロジェクトに従事。それでもF1への情熱は消えることはなかった。

    「F1への愛と情熱は消えることなく、努力が実を結びました。2013年にレース部門へ異動し、夢を叶えることができたのです」

    F1エンジニアとしての道のりは、決して平坦ではなかった。

    「激しい逆境の時も経験しましたが、最終的には栄光の思い出や素晴らしい時間を過ごすことができました。ホンダとF1は、私の人生の一部であると自信を持って言えます」

    トラックサイド・ゼネラルマネージャーとしての役割
    2026年、折原はHRC F1トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアとしてサーキットに立つ。

    「最終的には、サーキットにおけるパワーユニットに関する最終決定を下すことが私の役割です」

    現場では、Honda Racing Corporationの全トラックサイドメンバーを統括し、パワーユニットの準備状況を管理する。

    レースウイーク前には、日本のさくらの施設にいる同僚と入念な打ち合わせを行う。

    「レースに向けて出発する前に、一連の会議を行い、状況確認とイベントに向けた計画を立てます。週の初めに移動し、サーキット到着時にはメンテナンス後のエンジン状態を確認します」

    現地では、エンジニアとともに週末の計画を微調整し、コンディションに応じた選択肢やシナリオを評価する。

    「その後、アストンマーティン・アラムコF1のエンジニアとミーティングを行い、細部に至るまで確認し合い、完全な統合を図ります」

    セッション中は、パワーユニットの操作自体は他のホンダスタッフが担当し、折原は全体を俯瞰する立場に立つ。

    「私が判断を下し、無線を通じてチームとコミュニケーションを取ります」

    一日の終わりには、現場と日本のコントロールルームをつないだ内部のパワーユニットミーティングを実施する。

    「何が起きたかを振り返り、問題が発生した場合は対策を講じます。その後、チームに報告・協議し、認識の統一を図ります」

    アストンマーティンとの最初の“実戦の年”
    アストンマーティン・アラムコF1との関係について、折原は2026年を「本当の意味でのスタートの年」と位置づける。

    「2026年は、私たちがサーキットでアストンマーティン・アラムコと共に学ぶ最初の年です。パートナーシップは2023年に発表されましたが、これまではすべて理論とシミュレーションに基づいて進められてきました」

    そのため、実走テストへの期待は大きい。

    「第一の目標は、現場における両者の基礎的な関係を構築することです。そして第二に、走行距離を重ねてデータを収集し、RA626HパワーユニットがAMR26という車体でどのように機能するかを理解することです」

    バーレーン公式テストへの思い
    バーレーンで行われるF1公式プレシーズンテストを前に、折原は率直な心境を明かす。

    「正直なところ、待ち遠しかったです。長年の開発と努力が、ここで結実するのですから」

    日本のさくらの施設、HRC UK、そしてアストンマーティン・アラムコF1。それぞれの拠点が一体となり、準備を重ねてきた。

    「バルセロナでのシェイクダウンは、私たちの関係における極めて重要な瞬間であり、正しい方向への大きな一歩となりました」

    次に見据えるのは、信頼性と実走データの積み重ねだ。

    「我々のパワーユニットで走行距離を重ね、エンジンの信頼性を確認し、すべての機能をチェックすることが次の目標です。車体とパワーユニットがひとつのマシンとして、どのような挙動を見せるかを楽しみにしています」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    折原伸太郎 キャリア概要

    ■ 2003年
    本田技術研究所(栃木)入社。四輪エンジンベンチテストエンジニア

    ■ 2013年
    HRD F1プロジェクト(さくら)、ベンチテストエンジニア

    ■ 2014年
    HRD F1プロジェクト(ミルトンキーンズ)、PUファクトリーマネージャー

    ■ 2018年
    HRC F1プロジェクト(さくら)、PUテストチームリーダー

    ■ 2022年
    ホンダ・レーシング(さくら)、テストチームリーダー

    ■ 2023年
    ホンダ・レーシング(F1活動)、PUチーフエンジニア

    ■ 2025年
    ホンダ・レーシング、F1トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニア

  • エイドリアン・ニューウェイが語るアストンマーティン・ホンダF1の設計思想

    エイドリアン・ニューウェイが語るアストンマーティン・ホンダF1の設計思想

    エイドリアン・ニューウェイは、先週バルセロナで行われたテストでわずか65周の走行ながら注目を集めたマシンについて、初めて口を開いた。

    AMR26が姿を現したのは、非公開で実施された5日間のシェイクダウン4日目、最終時間帯になってからだったが、その瞬間から、極めて攻撃的と受け止められる設計思想で関係者の注目を集めた。

    技術解説者のパオロ・フィリゼッティは、数多くの領域で目にした特徴を踏まえ、このマシンを「すべてのライバルの設計からのラディカルな逸脱」と評している。

    昨年3月にマネージング・テクニカル・パートナーとしてチームに加わり、11月にチーム代表へ就任したニューウェイは、アストンマーティンのF1復帰以降で初めて、今回のマシンが「極めてタイトにパッケージされている」と認めている。

    「このマシンは非常にタイトにまとめられている。私の知る限り、これまで試みられてきたものより、はるかにタイトだ」とニューウェイは語った。

    「そのため、我々が求める空力形状を実現するには、メカニカルデザイナーとの非常に緊密な協力関係が必要だった」と続ける。

    「正直に言って、ここにいるメカニカルデザイナー全員が、その思想を本当に受け入れてくれた。彼らの仕事を簡単にしたわけではない。むしろその逆だが、彼らは見事にその挑戦に応えてくれた」

    ニューウェイは、新レギュレーションに対する攻撃的な解釈だと断定することについては、あえて踏み込まなかった。

    19年間にわたりレッドブルで攻撃的なマシンを手がけてきたことで知られるニューウェイだが、自身の設計について次のように述べている。

    「私は自分の設計を攻撃的だとは考えたことがない。ただ、我々が正しいと感じる方向性を追求しているだけだ」

    「我々が選んだ方向性は、確かに攻撃的だと解釈されるかもしれない。これまでに例のない特徴もいくつか盛り込まれている。それが攻撃的かどうか? そうかもしれないし、そうでないかもしれない」

    総合的なアプローチと不確実性
    ニューウェイは、マシンの設計において「総合的なアプローチ」を採ったとしながらも、どの解釈が最善なのかについて、確信を持てていないことを率直に明かしている。

    「正直なところ、レギュレーションの最善の解釈が何なのか、そして従うべき最良の哲学が何なのか、私自身にも分からない」と述べた。

    「開発期間が非常に圧縮されていたため、我々は特定の方向性を選び、それを追求する決断を下した。それが正しかったかどうかは、時間が教えてくれるだろう。ただ、道は選ばなければならないし、選んだ以上は前に進むしかない」

    設計の中身について、ニューウェイは次のように分解して説明している。

    「すべてはマシン全体のパッケージングから始まる。ホイールベース上でマシンをどう配置するのか、主要な質量をどこに置くのかという点だ」

    「そこからフロントとリアのサスペンションへと話は進む。フロントもリアも、流れ場をコントロールするうえで非常に重要な役割を果たしている」

    「さらにフロントウイングとノーズ形状があり、これらも今年はやや異なっている。そこからサイドポッド、そしてマシン後方周辺の処理へと続くが、ここも我々がこれまでに行ってきたものとは確実に異なる」

    「他のチームが我々と似た解決策に行き着くのかどうかは分からない。実際に他のマシンを目にするまでは分からないだろう」

    「我々は、自分たちにとって正しいと考える方向性を追求しただけだ。他の人たちは別の方向を選んだかもしれない。それこそが新レギュレーションの醍醐味であり、皆が何を生み出してくるのかを見る楽しみだ」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    開発遅れがもたらした影響
    今回のプロジェクトにおける大きな問題の一つは、ニューウェイ自身がレギュレーション公開から2か月遅れてチームに合流したことにある。

    その影響で、アストンマーティンはライバルに比べて開発曲線の後方に置かれ、バルセロナでのシェイクダウン参加も大幅に遅れる結果となった。

    「現実として、我々が2026年マシンのモデルを風洞に入れたのは4月中旬だった。一方で、ほとんど、あるいはすべてのライバルは、前年1月初めに2026年向けの空力開発制限が解除された瞬間から、風洞にモデルを入れていたはずだ」とニューウェイは述べている。

    「それによって、我々は約4か月分の遅れを負うことになった。その結果、研究と設計のサイクルは極端に圧縮された。マシンは文字どおり最後の瞬間にようやく完成し、だからこそ我々はバルセロナ・シェイクダウンに間に合わせるために必死に戦うことになった」

  • アストンマーティンF1、セルシウスと複数年グローバル提携を締結

    アストンマーティンF1、セルシウスと複数年グローバル提携を締結

    アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラワン・チームは、プレミアム機能性エナジードリンクブランドのセルシウス(CELSIUS)と、独占的な複数年グローバルパートナーシップを締結した。

    セルシウスはチームパートナーおよび公式グローバル・エナジードリンク・パートナーとなり、ガレージ、ホスピタリティ、フィットネス施策、リテールに至るまで、オン/オフトラックで幅広く展開される。

    この提携は、急成長を続けるセルシウスにとってF1での存在感を再定義する節目となる。世界的なF1人気の高まりを背景に、新世代のファンとつながり、アクティブでウェルネス志向のコミュニティへ向けてブランド体験を拡張していく。

    LIVE. FIT. GO.を軸にした体験型アクティベーション
    パートナーシップの中核には、セルシウスの「LIVE. FIT. GO.」キャンペーンが据えられる。2025年に北米とオーストラリアで始動した同キャンペーンは、2026年に追加市場へ拡大予定で、アストンマーティンF1との協業により、共同ブランドの文化的・フィットネス体験へと進化する。

    開幕戦オーストラリアGPからは、レースサーキットや都市ランドマーク、チームのタッチポイントに着想を得たカスタム区間を走る「ラン・チャレンジ」を共同開催。主要レース週末に合わせ、フィットネスとF1双方のコミュニティを結ぶイベントが展開される。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ガレージからファン体験まで“新しいエネルギー”を注入
    セルシウスは、無糖で爽快なエナジードリンクを通じて、シーズンを通してチームのガレージおよびファン体験を活性化。販売拠点と連動した施策も含め、オン/オフトラックでの没入型体験を創出する。

    「我々はファンとの関わり方に誇りを持ち、他では得られない体験を提供することを目指している。セルシウスとの新たな提携は、I / AMプログラムに新鮮なエネルギーをもたらし、野心、文化、コミュニティをさらに結びつける機会だ」と、アストンマーティンF1の商業部門を統括するジェファーソン・スラックは述べた。

    「メルボルンでの最初のランクラブを皮切りに、シーズンを通して創造的なアクティベーションを展開し、前向きなエネルギーのムーブメントを共に祝っていく」と続けた。

    セルシウスホールディングスのカイル・ワトソン最高ブランド責任者は、「情熱的なファンベースを持つアストンマーティンF1との提携は、F1におけるセルシウスの新時代を切り開くものだ」と語った。

    「LIVE FITの価値観を共有し、限界に挑み卓越性を追求する両者の協業を、世界規模で活性化できることをうれしく思う」と述べている。

    2026年、新時代へ向かうアストンマーティンF1
    2026年は、アストンマーティンF1にとってワークス体制としての新章が始まる年となる。新たな技術レギュレーションの下で、持続可能燃料や高性能潤滑油の開発と並行し、ファンエンゲージメントとESG施策も強化。セルシウスとの提携は、その変革期における象徴的なパートナーシップとして位置づけられている。

  • ホンダ新パワーユニット始動 アストンマーティンF1、AMR26初走行の舞台裏

    ホンダ新パワーユニット始動 アストンマーティンF1、AMR26初走行の舞台裏

    アストンマーティンF1は、バルセロナで行われたシェイクダウンの最終前日に2026年型マシンAMR26を初走行させた。チーフ・トラックサイド・オフィサーのマイク・クラックは、この節目の瞬間について「少し遅れての到着にはなったが、誇りに思い、喜ぶことができる」と語っている。

    AMR26は水曜夜にカタルーニャ・サーキットへ搬入され、メカニックたちは新たなパワーユニットパートナーであるホンダとともに、木曜の初走行に向けた最終準備に追われた。

    AMR26がバルセロナに到着するまでには、舞台裏で慌ただしい動きがあった。シルバーストーンのファクトリーでは、技術陣が夜間作業も含めた対応を続け、少なくとも1日分の走行を実現するため、マシンを時間内にスペインへ送り出す必要があった。

    出発のゴーサインが出たのは水曜早朝。チームのロジスティクス担当は、最寄りの国際空港であるバーミンガムから、サーキットへのアクセスが最も良いジローナ空港までの緊急輸送を短時間で手配することを求められた。

    ただし、問題は輸送手段だった。AMR26を収めた大型コンテナを搭載できる航空機を確保する必要があり、最初に確保できたのが、ウクライナの貨物航空会社が運航する機体だった。

    用意されたのは、1972年製のアントノフAn-12BP。半世紀以上前に製造された4発プロペラ機が、エイドリアン・ニューウェイ設計による最新F1マシンを運ぶという、対照的な組み合わせとなった。

    この“空のベテラン”は任務を問題なく完遂し、ミッドランズからカタルーニャまでのフライトは3時間足らずで終了。到着時には、その姿を目撃したファンが写真を撮影し、SNSに投稿する様子も見られた。

    パドックでは「博物館級の機体が、現代F1でも屈指の最先端プロジェクトを運んできた」と冗談交じりに語る関係者もいたが、結果的に輸送自体が遅延の原因になることはなかった。AMR26が“少し遅れて”バルセロナ入りした背景には、こうした綱渡りのような舞台裏があった。

    ホンダF1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    現地時間17時ごろ、デイ4の残り1時間というタイミングで、ランス・ストロールがエイドリアン・ニューウェイによる初のアストンマーティン設計車でピットを離れ、インスタレーションランを兼ねた探索的な走行で4周を記録した。

    この日を振り返り、クラックは次のように語っている。

    「新車が出るたびにそうだが、いつも感情が高ぶるし、本当にエキサイティングな瞬間だ。ここ数日、非常に多くのハードワークが注ぎ込まれてきた。まだやるべき仕事は山ほどあるが、今日はひと息ついて、マシンをコースに送り出せたことを喜んでいいと思う」

    「とても感情的で、チームにとって素晴らしい瞬間だった。全員が注いできた努力への賛辞でもある。F1は容赦なく、常に前を見続けなければならないし、これからもさらに多くのハードワークが待っているが、それを楽しみにしている」

    新車と新たなワークスエンジン契約という形でプロジェクトが進んだ点について、クラックはこう続けた。

    「我々は少し特別な状況にある。新しいパワーユニットパートナーとしてホンダを迎え、長い年月を経て自分たちで初めてギアボックスを製作し、そこに新シャシーレギュレーションと新パワーユニットレギュレーションが重なっている」

    「最悪のケースとも最高のケースとも言えるが、チームとしてはワークスチーム、ファクトリーチームになるという大きな変化だ。それがこれらのレギュレーションと同時に訪れた。さらにエイドリアンが加わったことで、すべてがとてもエキサイティングで、大きな変化がある」

    「F1は待ってくれないから、準備ができていなければならない。今回は少し遅れたが、このテストには間に合った。だから、この達成を誇りに思い、喜んでいいと思う」

    ホンダとの新たな関係性についても、クラックは率直に語っている。

    「まだ新しい関係だし、以前のパートナーと長い付き合いがあった分、人を知り、名前を覚え、どのように一緒に仕事をするのか、期待値や責任の範囲は何なのか、そういったことを学んでいく必要がある」

    「ただ、良いスタートだった。お互いに笑顔もあった。我々の目標は、この時間を使ってできるだけ統合を進め、どうやって一緒に仕事をしていくかを学ぶことだ。彼らはレーサーで、とてもオープンだし、こちらからチャレンジすることもできる。本当に良い関係で、これを続けていくのが楽しみだ」

    ストロールもまた、コックピットからの初体験について短く言葉を残し、金曜の走行をチームメイトのフェルナンド・アロンソに託した。

    「良い感触だった。数週間ぶりにクルマに戻れて良かったし、今日クルマを走らせるために、みんなが本当に良い仕事をしてくれた。メカニックもチーム全員も、フルプッシュで準備してくれて、長い一日だった」

    「一日の終わりに少し周回できて、フィーリングも良かった。このマシンには本当に多くの時間が費やされてきたから、実際にステアリングを握れて、新しいホンダのパワーユニットや、この新世代のクルマに慣れ始めることができたのは良かったし、とてもワクワクしている」

  • ジェンソン・バトン、アストンマーティン・ホンダF1のアンバサダーに就任

    ジェンソン・バトン、アストンマーティン・ホンダF1のアンバサダーに就任

    アストンマーティンF1は、2009年F1ワールドチャンピオンのジェンソン・バトンを、チームアンバサダーとして複数年契約で迎え入れたと発表した。バトンは2021年から2025年までウィリアムズでアンバサダー、アドバイザー、ヘリテージドライバーを務めてきたが、2026年F1シーズンを前に新たな役割へと移ることになる。

    バトンは2000年にウィリアムズでF1デビューを果たしており、今回の決断はキャリアの原点を経たうえでの新章となる。

    一方で、これまでシルバーストン拠点のチーム、かつてのジョーダンやフォース・インディア時代に同チームでレースをした経験はない。しかし、アストンマーティンが2026年からホンダのワークスチームとなることを考えれば、この移籍は極めて自然な流れと言える。

    バトンはF1キャリアの大半をホンダ製パワーユニット搭載車で戦ってきた。BARホンダ、ホンダ、そしてマクラーレン時代を通じて、ホンダエンジンで142戦に出走しており、この数字はアイルトン・セナの96戦を大きく上回る。2006年ハンガリーGPでは、ホンダがフルコンストラクターとして参戦した体制で勝利をもたらした。さらに引退後もホンダとの関係は続き、2018年にはホンダ陣営でスーパーGTのタイトルを獲得している。

    46歳となったバトンの新たな役割は、アストンマーティンF1の「メディア、パートナー、商業活動」を支援することだ。チームは、彼が持つ信頼性、世界的な知名度、ストーリーテリング能力、視点、そして情熱を高く評価している。

    「チームとこのスポーツにとって変革期となるタイミングでアストンマーティンに加われることは、本当にエキサイティングだ」とバトンは語った。

    「ホンダとの新たなワークスパートナーシップは、僕にとって大きな魅力だった。これまで彼らと一緒に仕事をしてきた経験を、このアンバサダーという役割で生かしていきたい。2026年シーズンは非常に興味深いものになるだろうし、これほど野心的なチームの一員になれるのは大きなチャンスだ。メルボルンが待ちきれない」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダ F1 ジェンソン・バトン

    バトンは2025年限りでプロフェッショナルレーシングから退き、キャデラック・チーム・ジョタから参戦していた世界耐久選手権を最後に第一線を離れている。今後はヒストリックカーでの活動に重点を置く意向を示している。

    「耐久レースをやるなら、常に関わり続けなければならない」と彼は昨年9月に説明していた。

    「クルマやシステムで何が起きているのかを理解している必要がある。僕が乗るたびに、毎回何かが違っていて、新しいことを学ばなければならない。44歳で飛び込むと、20代の頃よりもどうしても時間がかかる」

    ウィリアムズでの役割を終え、ホンダとの深い縁を背景にアストンマーティンF1へと加わるバトン。2026年F1の新時代において、その経験と存在感がチームにどのような価値をもたらすのか、注目が集まる。

  • アストンマーティン・ホンダF1、ブライトリングと提携でイエロー追加の噂

    アストンマーティン・ホンダF1、ブライトリングと提携でイエロー追加の噂

    アストンマーティン・ホンダF1は、時計ブランドのブライトリングとのパートナーシップを現地時間2月5日に正式発表する見通しだ。現時点で噂されている新規スポンサーはブライトリングのみだが、チーム周辺ではAMR26のカラーリングにイエローが加わる可能性も取り沙汰されている。

    この動きと前後して、アストンマーティンF1がバルセロナで予定していた追加の撮影日(フィルミングデー)をキャンセルしたことが注目を集めている。

    新スポンサーの発表と公式リバリー公開を控え、正式お披露目前に新カラーリングを見せたくないという判断があったとみられている。

    AMR26の初走行は最小限にとどまる
    2026年F1の新世代マシンとして高い注目を集めるAMR26は、エイドリアン・ニューウェイ主導で設計されたアクティブエアロ世代の一台だが、バルセロナでの初走行は限定的だった。木曜の終盤にランス・ストロールがコースインし、最初の5周を走行したのみで走行は中断された。

    走行停止の原因は電気系トラブルとされ、マシンのライト周辺に異常が確認されたため、ストロールはコース上で停止。回収時には高電圧対応の装備を着用したメカニックが対応する慎重な場面も見られた。

    翌金曜はフェルナンド・アロンソがステアリングを握り、61周を走破。ベストタイムは1分20秒795で、最速だったフェラーリ勢からは大きく遅れていたが、これは意図的に最高速を230〜275km/hに制限した状態での走行だったとされる。チームは純粋なパフォーマンス評価よりも、AMR26のシステム確認と新ホンダ製パワーユニットの統合チェックを優先していた。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    幻に終わった42周分の追加走行
    当初アストンマーティンF1は、バルセロナに残り追加のフィルミングデーを実施する計画だった。F1の規則では、1日あたり200kmまでの撮影走行が認められており、全長4.657kmのカタロニア・サーキットでは理論上ちょうど42周を追加できる計算になる。

    この追加走行が実現すれば、AMR26の走行距離は大きく増え、初期信頼性の確認に貴重な機会となるはずだった。しかし計画は最終的に取りやめとなり、チームはシルバーストンへ戻ってバーレーン公式テストへの準備を優先する判断を下した。

    リバリー刷新への含み
    66周という控えめな走行距離にもかかわらず追加走行を見送った背景には、信頼性への一定の手応えに加え、リバリー戦略の影響があると見られている。新スポンサー発表を前に、正式カラーリングを隠すために走行機会を犠牲にしたのであれば、それはAMR26が「単なるグリーンカー」ではないことを示唆している。

    2月5日の発表で明らかになるブライトリングとの関係性、そしてAMR26に施される新たなカラーリングが、2026年シーズンを前にしたアストンマーティンF1の方向性を象徴するものとなりそうだ。

  • アストンマーティンF1、AMR26は「別次元」 ニューウェイ設計の衝撃

    アストンマーティンF1、AMR26は「別次元」 ニューウェイ設計の衝撃

    2026年型アストンマーティンF1マシンは、木曜にバルセロナでついに姿を現した。

    急進的な外観を持つ2026年型アストンマーティンF1マシンは、「別次元」「驚異的な細部へのこだわり」と評され、エイドリアン・ニューウェイによる設計がテスト現場で大きな注目を集めた。

    ホンダ製パワーユニットを搭載するこのマシンは、スペインでの走行開始が木曜の遅い時間帯となり、まずはランス・ストロールが低速で数周を走行。その後、金曜にはフェルナンド・アロンソがニューウェイ設計のマシンを初めてドライブし、49周を走り込んだ。

    アストンマーティンは2026年F1の新時代に大きな期待を寄せている。シルバーストンに建設された最先端ファクトリーへの巨額投資、ホンダとのワークスPU契約、そして設計の天才ニューウェイの加入。彼がレギュレーションをどう解釈するのかは、パドックでも大きな関心事となっていた。

    ニューウェイの目を引く設計については、RacingNews365のテクニカルアナリストであるパオロ・フィリゼッティが分析。さらに、チームの古参メンバーがAMR26開発の舞台裏をSNSで明かしている。

    「AMR26──私にとって25台目のF1マシンだが、初めての“ニューウェイ車”だ」

    そうLinkedInに投稿したのは、製作部門のリーダーであるニール・ザンバーディ=クリスティーだ。彼はジョーダン時代から、ミッドランド、スパイカー、フォース・インディア、レーシング・ポイントを経て、現在のチームに在籍してきた。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1 本田技研工業

    「これまで素晴らしいマシンもあったし(ひどい出来のものもいくつかあった)、だがこれは別次元だ。デザインと細部へのこだわりは驚異的だが、それ以上に印象的なのは、この設計と厳しいタイムフレームが生み出した課題に対し、チーム全体がどう立ち向かったかという点だ」

    「工場の清掃スタッフからテクニカルディレクターに至るまで、全員がこのマシンに関わっている。これは完全なチームワークであり、我々が作り上げたものを誇りに思うべきだ」

    「多くの人が何カ月にもわたり、常軌を逸した時間を費やしてここまでたどり着いた。その負担が本人や家族、愛する人たちにどれほど影響しているかは、過小評価されがちだ。しかし、その献身、覚悟、そして本当に血のにじむような努力が、我々をこの地点まで導いた。彼らは、得られるよりもはるかに多くの評価を受けるべき存在だ。私から同僚全員に大きな感謝を伝えたい」

    「この一員であることを誇りに思う、素晴らしいチームの成果だ」

    「速さについては時間が教えてくれるだろう。だが、見た目どおりに速ければ、我々は良い年を迎えることになるかもしれない…」

    エイドリアン・ニューウェイの哲学が細部にまで刻み込まれたAMR26。その真価が問われるのはこれからだが、少なくとも最初の一歩は、パドックに強烈な印象を残した。

  • アストンマーティンF1 “ピラー連結サス”はニューウェイがRB19で試した発想

    アストンマーティンF1 “ピラー連結サス”はニューウェイがRB19で試した発想

    アストンマーティンAMR26は、バルセロナでの初走行直後から大きな注目を集めた。その理由は、新車を率いたエイドリアン・ニューウェイが採用した、きわめて大胆なリアサスペンションの構成にある。この発想は突飛なものではなく、ニューウェイ自身が2023年のレッドブルRB19で部分的に試していたアイデアを、さらに推し進めたものだ。

    ニューウェイはしばしば空力設計の天才として語られるが、実際にはメカニカル面にも極めて強いこだわりを持つエンジニアだ。

    その姿勢は、シルバーストンのチームが送り出したAMR26の細部に色濃く表れている。黒のカーボン仕様で姿を現したマシンは、多くの興味深い要素を備えているが、とりわけサスペンションに関する選択はパドックの視線を一身に集めた。

    フロントは保守的、しかし細部で空力を狙う
    AMR26はフロント、リアともにプッシュロッド式サスペンションを採用している。フロントではマルチリンク構造が用いられ、後方側のアームは大きく下向きに傾斜し、なおかつ非常に開いた角度を持つ配置となっている。

    マクラーレンやレッドブルがロアアーム背後からステアリング機構を外す方向へ進む中で、ニューウェイはフェラーリと同様、あえてこのレイアウトを選択した。重量面ではやや不利になるが、空力的な自由度という点では一定のメリットが見込める構成だ。

    注目はリア サスペンションの“極端さ”
    最大の関心が集まったのは、やはりリアサスペンションである。アストンマーティンはこれまで、メルセデス製のギアボックスとリアサスペンションを流用してきたが、ホンダ製パワーユニットへの完全移行により、トランスミッションケースとサスペンション機構を自社で設計する必要が生じた。

    この制約を、ニューウェイはむしろ好機と捉えた。空力的な理由から、リア上側三角形の後方アームを大きく持ち上げ、リアウイングを支えるセンターピラーと結合させるという、非常に攻めた構成を選んだのである。

    このレイアウトでは、ピラーとサスペンションアームの両方に複合的で大きな荷重がかかる。しかし、構造的な安全性に問題はないとされており、実際に同様の思想は過去にも試されている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    RB19での実験と、その進化形
    2023年のレッドブルRB19では、現在のような2本支持ではなく、カーボン製の単一ピラーが用いられていた。その下部にはリング状の補強構造が設けられ、中央を単一排気が通過する形で、高い応力に耐えるためのトラス構造が組み込まれていた。

    この設計により、レッドブルのギアボックスは非常にコンパクトとなり、ウエストラインも低く抑えられていた。リアウイング支持部とサスペンションの取り付け点が、極めて薄く成形された2本のキールに集約されていたことが、その特徴だった。

    AMR26では、このコンセプトがさらに先鋭化されている。実際の内部構造がどのように成立しているのかは、今後の詳細な観察を待つ必要があるが、ニューウェイらしい「限界への挑戦」であることは間違いない。

    過去の先例と、AMR26独自のレイアウト
    歴史を振り返ると、同様の発想はニューウェイ以外にも存在した。2013年のウィリアムズFW33では、上下一体のような形で三角形アームが一点で支持される、非常に珍しいリアサスペンションが採用されていた。

    AMR26では、リア上側三角形が大きく持ち上げられ、その前方にプッシュロッドが配置され、下側三角形はさらにオフセットされた“カスケード状”の構成となっている。この配置によって、各アームを空力デバイスとして活用しつつ、トランスミッション両脇の空間を解放し、ディフューザー効率を最大化する狙いが見て取れる。

    レーキ角を前提とした2026年型思想
    AMR26は、比較的大きなレーキ角で走行することも想定されているように見える。2026年レギュレーションで認められている自由度を最大限に活用し、車体後部の空力性能を引き上げるための設計思想が、サスペンションレイアウトそのものに組み込まれている。

    この極端なリアサスペンションが、実際のパフォーマンスとしてどこまで効果を発揮するのか。その答えは、テストの積み重ねとシーズン開幕後の走りの中で、徐々に明らかになっていくことになる。