カテゴリー: スーパーフォーミュラ

  • スーパーフォーミュラ第10戦:牧野任祐が今季2度目のポールポジション

    スーパーフォーミュラ第10戦:牧野任祐が今季2度目のポールポジション

    10月12日(日)、前日の雨が止んで曇り空となった静岡県・富士スピードウェイで、全日本スーパーフォーミュラ選手権第10戦のノックアウト予選が行われた。路面には依然としてウェットパッチが残り、難しいコンディションの中で戦いが展開された。

    ポールポジションを獲得したのは、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGの牧野任祐。第3戦以来となる今季2度目のPPで、見事な走りを披露した。

    わずか0.076秒差で続いたのはPONOS NAKAJIMA RACINGのイゴール・オオムラ・フラガ。フラガは自身最高の2番手グリッドを獲得し、ルーキーとして存在感を示した。3番手には牧野のチームメイト太田格之進が入り、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGがフロントローを独占する形となった。

    4番手には岩佐歩夢、5番手に野尻智紀、6番手に佐藤蓮が入り、トップ6をホンダエンジン勢が占拠。ランキング首位の坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)はトヨタ勢最上位の7番手にとどまった。

    Aグループ:牧野がトップ通過、オサリバンはエンジントラブル
    AグループのQ1は午前10時10分に開始。路面はダンプコンディションで、競技団からはWET宣言が出された。気温20℃、路面温度23℃。大半のドライバーがスリックのニュータイヤでコースインする中、ザック・オサリバン(KONDO RACING)はエンジンハーネスの問題で出走できず。
    セッション終盤、牧野が1分22秒759をマークしてトップ通過。フラガが0.034秒差で続いた。3番手は福住仁嶺(Kids com Team KCMG)。阪口晴南(CERUMO・INGING)、岩佐、大嶋和也(docomo business ROOKIE)がQ1を突破した。フェネストラズ、Juju、野中誠太はここで姿を消す結果に。

    Bグループ:太田が圧巻の22秒651で首位通過
    10時25分からのBグループでは、太田格之進が圧巻の1分22秒651を叩き出しトップ通過。
    2番手に坪井翔、3番手に野尻智紀、4番手に佐藤蓮、5番手に大湯都史樹(CERUMO・INGING)、6番手に小出峻(San-Ei Gen with B-Max)が続いた。小高一斗、山下健太、小林可夢偉は惜しくもQ2進出ならず。

    Q2:牧野が0.076秒差で今季2度目のPPを奪取
    10時45分に始まったQ2は、霧が立ち込める難しいコンディション。全車がスリックタイヤで出走し、終盤にアタックが集中した。
    牧野が1分22秒123を叩き出し、フラガが0.076秒差で続いた。太田が3番手に入り、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGが再び1-2体制。岩佐が4番手、野尻が5番手、坪井が7番手でセッションを終えた。

    全日本スーパーフォーミュラ選手権 第10戦 富士スピードウェイ 予選結果
    1.牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)/1’22.123
    2.イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)/1’22.199
    3.太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)/1’22.263
    4.岩佐歩夢(TEAM MUGEN)/1’22.291
    5.野尻智紀(TEAM MUGEN)/1’22.439
    6.佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)/1’22.465
    7.坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)/1’22.551
    8.大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)/1’22.583
    9.小出峻(San-Ei Gen with B-Max)/1’22.590
    10.福住仁嶺(Kids com Team KCMG)/1’22.888
    11.阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)/1’23.179
    12.大嶋和也(docomo business ROOKIE)/1’23.324
    13.小高一斗(KDDI TGMGP TGR-DC)/1’23.151
    14.高星明誠(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)/1’23.786
    15.三宅淳詞(ThreeBond Racing)/1’23.197
    16.野中誠太(KDDI TGMGP TGR-DC)/1’24.216
    17.山下健太(KONDO RACING)/1’23.523
    18.サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)/1’24.307
    19.小林可夢偉(Kids com Team KCMG)/1’23.719
    20.Juju(HAZAMA ANDO Triple Tree Racing)/1’25.817
    21.オリバー・ラスムッセン(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)/1’23.860
    22.ザック・オサリバン(KONDO RACING)/No Time

    スーパーフォーミュラ 第10戦

    ドライバーコメント
    牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
    「金曜日のフリー走行とは少しセットアップを変えて臨みました。ダンプっぽいコンディションにも対応できたのが大きかったと思います。富士はセクターの合わせ込みが難しいですが、セクター3にうまく合わせられたので良いアタックができました」

    イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)
    「やれることはやり切りましたが、ウォームアップがうまくいかず、特にTGRコーナーとコカ・コーラコーナーではもっと速く走れたと思っています。少し悔しいです。決勝ではベストを尽くして悔いのないレースをしたいです」

    太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
    「ポールを狙っていましたが、この結果には満足しています。フリー走行から改善できましたし、1ポイント取れたのも良かった。富士は坪井選手の得意なコースですが、できるだけポイント差を詰めて鈴鹿でプレッシャーをかけられるよう頑張ります」

    午後の決勝(41周)はドライコンディションになる見込み。タイヤ交換義務も課されるため、前日とはまったく異なる展開が予想される。
    牧野がポール・トゥ・ウィンでチャンピオン争いを接戦に持ち込むのか、それとも坪井が逃げ切るのか。最終戦・鈴鹿への重要な一戦となる。

    Source: superformula.net

  • スーパーフォーミュラ:雨と霧に翻弄された14周、フェネストラズが今季初優勝

    スーパーフォーミュラ:雨と霧に翻弄された14周、フェネストラズが今季初優勝

    大雨により難しいコンディションとなった全日本スーパーフォーミュラ選手権第9戦の決勝は、10月11日(土)午後3時にセーフティーカー先導でスタートした。しかし、雨脚がさらに強まり、6周目で赤旗中断。その後、天候の回復を待って午後3時48分に再開されたが、再び霧の影響で視界が確保できず、午後4時8分に2度目の赤旗。結局、レースは14周を終えたところで終了が決定された。

    規定周回数に達しなかったため、各ドライバーに与えられるのはハーフポイントとなった。

    PPスタートのサッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)がポール・トゥ・ウィンを飾り、2位に坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)、3位に野尻智紀(TEAM MUGEN)が続いた。

    4位牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、5位佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)、6位大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、7位太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、8位イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)、9位阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、10位山下健太(KONDO RACING)までが入賞を果たした。

    ランキングでは、坪井が9.5ポイントを加算して104.5ポイントとし、首位をキープ。岩佐歩夢(TEAM MUGEN)はエンジン交換によるグリッド降格からノーポイントに終わり、依然90ポイントのまま。太田格之進が89ポイントで3位につけ、タイトル争いは最終戦・鈴鹿に持ち越される。

    全日本スーパーフォーミュラ選手権 第9戦 富士スピードウェイ 決勝結果

    1.サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)
    2.坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)
    3.野尻智紀(TEAM MUGEN)
    4.牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
    5.佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)
    6.大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)
    7.太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
    8.イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)
    9.阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)
    10.山下健太(KONDO RACING)
    11.ザック・オサリバン(KONDO RACING)
    12.福住仁嶺(Kids com Team KCMG)
    13.大嶋和也(docomo business ROOKIE)
    14.小林可夢偉(Kids com Team KCMG)
    15.小高一斗(KDDI TGMGP TGR-DC)
    16.高星明誠(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)
    17.オリバー・ラスムッセン(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)
    18.野中誠太(KDDI TGMGP TGR-DC)
    19.三宅淳詞(ThreeBond Racing)
    20.Juju(HAZAMA ANDO Triple Tree Racing)
    21.岩佐歩夢(TEAM MUGEN)
    22.小出峻(San-Ei Gen with B-Max)

    スーパーフォーミュラ 第9戦 富士

    第9戦優勝 サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)コメント
    「とても良い一日でした。“運”も必要だなと感じましたし、予選での結果も良く、自分の実力を感じることができました。このようにトップに戻れたことを本当に嬉しく思っています。2022年に離れた時、『またいつかチャンピオンを争うために戻りたい』と思っていたので、スーパーフォーミュラでアルゼンチン国歌を聞けたのは感動的でした。最近家族を亡くしたので、この優勝をその人に捧げたいです。

    富士大会以降、クルマのセットアップを大きく変えてから乗りやすくなりました。別のチーム時代の経験をもとに提案したことが良い方向に作用し、自信につながりました。まだ完璧ではありませんが、方向性が見えてきたと思います。TOM’Sはトップチームですし、そのために僕も頑張ります。明日も2台で1-2フィニッシュを目指します。」

    第9戦2位 坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)コメント
    「レースをしてフルポイントが欲しかったのですが、ハーフポイントで終わってしまったのは残念です。普通にレースができれば勝つチャンスもあったと思いますが、安全面を考えれば仕方のない判断でした。

    去年はウエットに苦手意識がありましたが、SUGOから改善され、今回はさらに自信を持って走れました。ウエットでも結果を出せたのは良い材料ですし、鈴鹿がもし雨でも準備はできたと思います。明日はドライになると思うので、スッキリとレースを終えたいです。TOM’Sの2台が上り調子なので、明日も良い形で締めくくりたいですね。」

    第9戦3位 野尻智紀(TEAM MUGEN)コメント
    「今日はすごく手応えがありました。どのチームも2台の差がある中で、我々もいろいろトライをしてきて、その成果が出たと思います。予選より確実に上がっていた実感があり、『レースをしたかった』というのが正直な気持ちです。

    フリー走行では良いアタックだったのにタイム差が大きく、悩みましたが、岩佐選手を参考にして改善を重ねています。明日はアグレッシブに攻めていくつもりです。チャンピオン争いを続けるのは簡単ではありませんが、最後まで可能性を残して戦いたいです。」

    VANTELIN TEAM TOM’S 舘信秀監督コメント
    「1-2フィニッシュは夢のようです。長く2台の差を指摘される時期が続きましたが、同じチームとして並んで戦えるのは理想です。フェネストラズ選手は本当に良くなってきていますし、坪井選手もポイント差を広げてチームランキングも面白くなってきました。明日もこの勢いでいきたいですね。」

    明日の第10戦はドライ決戦に
    第9戦が悪天候で短縮された一方で、10月12日(日)は天候が回復傾向。午前10時10分からの予選、午後の決勝では、本来のスピードバトルが展開される見込みだ。タイトル争いの行方は、鈴鹿の最終戦を前に大きな注目を集めている。

  • スーパーフォーミュラ第9戦:フェネストラズがPP トムスがフロントロウ独占

    スーパーフォーミュラ第9戦:フェネストラズがPP トムスがフロントロウ独占

    10月11日(土)、富士スピードウェイで行われた全日本スーパーフォーミュラ選手権第9戦の予選は、朝からの雨により完全なウェットコンディションで実施された。午前10時10分に始まったノックアウト予選では、各グループで激しいタイムアタックが展開されたが、最終的にサッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)がポールポジションを獲得。チームメイトの坪井翔が2番手に入り、VANTELIN TEAM TOM’Sがフロントロウを独占した。

    Q1のAグループでは、岩佐歩夢(TEAM MUGEN)がトップタイムで通過。阪口晴南、フェネストラズ、牧野任祐、ザック・オサリバン、佐藤蓮がQ2進出を果たした。Bグループでは、雨脚が強まる中、坪井が1分32秒725の好タイムでトップ通過。野尻智紀(TEAM MUGEN)、山下健太、太田格之進、イゴール・オオムラ・フラガ、大湯都史樹がQ2へと進出した。

    決勝のグリッドを決めるQ2は雨がさらに強まる難しいコンディションで行われた。残り時間が1分半となったところで岩佐が1分33秒196を記録してトップに立ったが、その直後、100Rでハイドロプレーニングによりスピン、クラッシュ。赤旗が提示され、セッションはそのまま終了した。岩佐は赤旗の原因を作ったため全タイム抹消となり、フェネストラズがポールポジションを獲得。2番手に坪井、3番手に野尻が続いた。

    ランキング首位の坪井はフロントロウからのスタートとなる一方、ランキング2位の岩佐は12番手からの追い上げを強いられる。午後の決勝も雨が予想されており、波乱含みの展開が予想される。

    全日本スーパーフォーミュラ選手権 第9戦 富士スピードウェイ 予選結果

    1.サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)
    2.坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)
    3.野尻智紀(TEAM MUGEN)
    4.牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
    5.佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)
    6.大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)
    7.太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
    8.イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)
    9.阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)
    10.山下健太(KONDO RACING)
    11.ザック・オサリバン(KONDO RACING)
    12.岩佐歩夢(TEAM MUGEN)
    13.福住仁嶺(Kids com Team KCMG)
    14.小出峻(San-Ei Gen with B-Max)
    15.大嶋和也(docomo business ROOKIE)
    16.小林可夢偉(Kids com Team KCMG)
    17.小高一斗(KDDI TGMGP TGR-DC)
    18.高星明誠(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)
    19.オリバー・ラスムッセン(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)
    20.野中誠太(KDDI TGMGP TGR-DC)
    21.三宅淳詞(ThreeBond Racing)
    22.Juju(HAZAMA ANDO Triple Tree Racing)

    スーパーフォーミュラ 富士

    サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S) コメント
    「とてもポジティブな予選だった。トムスの2台が揃って力強い予選だったと思う。坪井選手のタイトル争いにも良い結果だし、チームタイトル争いでもトムスを押し上げられた。すごく難しいコンディションだったけど、結果には満足している。午後もベストを尽くしたい」

    坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S) コメント
    「予選2位は良かったですね。ウエットは少し不安がありましたが、チームの2台とも速さを見せられたのは収穫です。Q2ではピットを出るタイミングを外してしまったのが悔やまれますが、2番手から優勝を狙える位置にいるのは大きい。決勝でしっかり勝ってポイント差を広げたいです」

    野尻智紀(TEAM MUGEN) コメント
    「非常に難しい予選でしたけど、いつ赤旗が出てもおかしくない状況だと分かっていたので、ミスをしないように走りました。その結果が上位につながったと思います。前回の雨は良くなかったので、今回は違う展開にしたい。今日もベストを尽くします」

  • カッレ・ロバンペラ F1挑戦の現実味 “トヨタの逸材”が選んだ異端の道

    カッレ・ロバンペラ F1挑戦の現実味 “トヨタの逸材”が選んだ異端の道

    世界ラリー選手権(WRC)で2度の世界王者に輝いたカッレ・ロバンペラが、わずか25歳で頂点の座を捨て、フォーミュラ1という未知の領域に挑む決断を下した。2026年を視野に入れた計画は、まず日本スーパーフォーミュラへの参戦から始まる。

    “WRCのマックス・フェルスタッペン”と称された天才が、トヨタの後押しを受けてサーキットレースの世界へ――。ラリー王者が単座フォーミュラの頂点を目指すという“異端の転向劇”は、モータースポーツ界全体に新たな波紋を広げている。

    頂点を極めた男が、ゼロから再び挑む理由静寂のガレージに響くエンジンの音が、ロバンペラの新しい章の幕開けを告げる。かつてグラベルとスノーを自在に舞い、世界の頂点に立った男が、今度はアスファルトの上で“新人”としてスタートラインに立つ。

    彼の姿には迷いがない。WRCで全てを手にした男にとって、次に求めるのは“未知”そのものだった。「ラリーで得た感覚を別の形で試したい」――そう語る彼の表情には、恐れよりも好奇心が浮かんでいた。

    トヨタ・ガズーレーシングのエンブレムを胸に、ロバンペラは再び挑戦者へと戻る。その挑戦の舞台は、日本。スーパーフォーミュラという世界でも屈指の難易度を誇るカテゴリーだ。

    ここで彼は、サーキットレースの呼吸、タイヤの温度、ブレーキングの限界――全てを一から学び直す。

    異分野転向という大胆な賭け
    ロバンペラはラリードライバーとして前例のないスピードで頂点を極めた。父ハリの指導のもと幼少期からステアリングを握り、史上最年少でWRCの表彰台、優勝、そして世界タイトルを獲得した。

    その才能は「マックス・フェルスタッペン級」と評されるが、サーキットレース経験はほぼゼロ。彼が語った計画によれば、今後2年間はスーパーフォーミュラで武者修行し、その後F2を経てF1を目指すという長期プロジェクトだ。

    カッレ・ロバンペラ

    “無謀”でありながら魅力的な挑戦
    Scott Mitchell-Malm(The Race)は「コルトン・ハータのF2転向よりもさらに無茶だが、それ以上にワクワクする挑戦だ」と称賛する。

    「スーパーフォーミュラは極めて難しく、さらにF2では別次元の戦いになる。もし順応し、結果を残せば、F1の長期的オプションを得る可能性もある」と分析する。

    トヨタとの深い関係を持つロバンペラにとって、将来的にはハースF1との技術提携を通じたトヨタ系ルートも視野に入る。

    「F1という夢は極めて遠いが、彼の挑戦はこの上なく興味深い」と締めくくっている。

    WRCの衰退が背中を押した
    Jack Benyonは「この決断は非現実的ではない」とし、WRCの現状を背景に指摘する。

    「セバスチャン・ローブもF1テストでは光る速さを見せたが、当時はWRCが黄金期で、離れる理由がなかった。だが今のWRCは1990年代の輝きを失い、将来像も不透明だ。ロバンペラには“失うものがない”」と語る。

    そして、「なぜ結果を決めつけてしまうのか。彼が“トップを目指すが、何より挑戦を楽しみたい”という気持ちで臨むのを純粋に楽しめばいい」と強調した。

    ローブよりも“本格的な計画”
    Glenn Freemanは「今回の計画はローブのF1テストより現実的で、ステップを踏んだ“本気の挑戦”だ」と評価。

    「トヨタとロバンペラは無謀な直行ルートではなく、数年をかけて準備を整える道を選んだ。F1を目指すにはこの慎重なアプローチが重要だ」と述べる。

    また、「最近のドライバーは多様性を求める傾向が強まっている。フェルスタッペンのニュル挑戦、ハータのF2転向、そしてロバンペラのF1挑戦はその象徴だ」とし、「モータースポーツの世界が再び“越境”に開かれていくきっかけになる」と期待を寄せた。

    現実という壁
    Jon Nobleは「物語としては素晴らしいが、現実は厳しい」と冷静に分析する。

    「25歳のロバンペラはまだ若いが、カートやフォーミュラで育ったF1世代のドライバーたちに比べると経験値で大きく遅れている」とし、さらにFIAシングルシーター委員長エマヌエーレ・ピッロの言葉を引用する。

    「サーキットレースでは常に100%を出し続ける考え方が主流だ。ラリーのように“限界の中で調整する”感覚とは真逆。頭の切り替えが必要になる」と指摘。

    その上で「才能は疑いようがないが、習熟には時間がかかるだろう」と述べた。

    “天賦の才”が壁を越える可能性
    Josh Suttillは「ロバンペラの持つ生まれながらのスピードを侮るな」と強調する。

    「彼はF4やF3を経ずに世界王者になった稀有な例であり、まだ“上限”が見えていない。それこそが最大の魅力だ」と分析。

    「ハータやパロウのように明確な“天井”が見えているドライバーとは違う。未知数のポテンシャルを秘めているからこそ、彼の挑戦はモータースポーツ界に新しい刺激を与える」と結んでいる。

    ロバンペラF1挑戦が示す“越境時代”の到来
    カッレ・ロバンペラのF1挑戦は、単なる話題作りではなく、モータースポーツの枠を超える“実験”として重要な意味を持つ。

    トヨタが本格的にF1復帰を狙う中、同社が育てた世界王者がサーキットに挑む構図は、企業ブランドとスポーツの双方に新しい価値をもたらすだろう。

    もちろん道のりは険しく、F1の壁は想像を絶する高さだが、才能と話題性、そしてトヨタの後押しがあれば「WRC王者からF1ドライバー」という前人未到の物語が現実になる可能性もある。

    Source: The Race

  • カッレ・ロバンペラ WRCを引退して2026年にスーパーフォーミュラ参戦

    カッレ・ロバンペラ WRCを引退して2026年にスーパーフォーミュラ参戦

    TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)のドライバー、カッレ・ロバンペラが2025年シーズンをもってラリー競技から引退し、サーキットレースの最高峰への挑戦を開始することを発表した。

    2度のFIA世界ラリー選手権チャンピオンであるロバンペラは、今後もTGRファミリーの一員として活動を継続し、2026年にはTGRのサポートを受けて全日本スーパーフォーミュラ選手権に参戦する。ラリードライバーがフォーミュラカーへ転向するのは極めて異例の挑戦であり、モータースポーツ界に新たな話題をもたらすこととなる。

    WRC史上最年少王者、次なる舞台はフォーミュラの世界へ
    ロバンペラは2020年に19歳でTGRと共にWRCトップカテゴリーにデビュー。わずか2戦目のラリー・スウェーデンで3位に入り、WRC史上最年少表彰台獲得者となった。翌2021年にはラリー・エストニアで初優勝を果たし、最年少優勝記録を更新した。

    2022年にはRally1ハイブリッド規定下でGR YARIS Rally1ハイブリッドを駆り、シーズン7戦中5勝を挙げて22歳と1日で史上最年少ワールドチャンピオンに輝くと、翌2023年にもタイトルを防衛。2024年は7戦中4勝を挙げ、TGR-WRTのマニュファクチャラーズタイトル4連覇に貢献した。

    2025年シーズンは残り3戦を残して3度目のドライバーズタイトルを目指しており、ラリー・イスラス・カナリアスでの圧勝や地元ラリー・フィンランドでの待望の初優勝など、ターマック・グラベル両方で圧倒的な速さを見せている。

    カッレ・ロバンペラ
    「今回の決断は簡単ではありませんでしたが、しばらくの間自分の中で考えていたことです。この年齢で、すでにラリーで多くの成果をあげることができ、自分には他にどのような可能性があるのか、どんな新しい挑戦をしたいのかを考えるようになりました。難しい決断でしたが、次の夢や挑戦を追いかけることは正しい選択だと感じています。この新しい挑戦の最初からTGRのサポートを受けられること、そしてスーパーフォーミュラでレースができることは特別なことです。ラリーからの転向でいきなり深いところに飛び込むことになるのはわかっていますが、とても楽しみに思っています。この機会を最大限に活かせるよう、TGRと共に、できる限りの準備をする計画を立てています。小さい頃から運転を始めて、WRCドライバーになること、ラリーで優勝すること、そして世界チャンピオンになることが私の夢でした。このように早い段階で全てを叶えることができたのは言葉では表せないほどの思いで、 TGR-WRTには本当に感謝しています。私たちは素晴らしいことを一緒に成し遂げてきましたし、このような素晴らしいチームと仕事ができて光栄でした。そして、コンビを組んだ初日からずっと支え続けてくれたヨンネには感謝してもしきれませんし、浮き沈みがある中で常に応援してくれたファンの皆様にも感謝の気持ちでいっぱいです。ラリーでの残り3戦、全力を尽くして最後までプッシュし続けます。」

    ヤリ-マティ・ラトバラ(チーム代表)
    「カッレはTGRと共に、すでにWRCで素晴らしいキャリアを築いてきました。史上最年少でWRC優勝を果たし、その後最年少でワールドチャンピオンとなり、ドライバーズタイトルを2度獲得しています。彼はこれまで多くの成果を挙げながらもまだまだ若いので、挑戦できるうちに新たな挑戦を望むのは自然なことです。これまでにレーシングドライバーがラリーに挑戦する例は見てきましたが、ラリードライバーがサーキットレースに挑戦し、特にフォーミュラカーのようなシングルシーターでトップレベルに挑む例は非常に稀です。TGRは常にドライバーが夢を実現するサポートをしたいという考えを持っており、そのような機会を提供できるメーカーは多くはないと思います。これは双方にとって非常にワクワクすることです。これまでのシーズン、カッレとヨンネはチームの成功に大きく貢献してきました。今シーズン、残り3戦となり、彼がラリーキャリアをワールドチャンピオンとして締めくくりたいと強く願っていることは間違いありません。ですが、同じく勝利を強く望むチームメイトが二人いることも事実です。彼がいなくなることは寂しいですが、我々は才能ある若手ドライバーの育成にも力を入れてきており、2026年以降も強いドライバーラインナップで挑めると自信を持っています。」

  • 岩佐歩夢 スーパーフォーミュラ初優勝「時間がかかってしまい申し訳ない」

    岩佐歩夢 スーパーフォーミュラ初優勝「時間がかかってしまい申し訳ない」

    岩佐歩夢(TEAM MUGEN)は8月10日(日)、全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)第8戦東北大会の決勝でポール・トゥ・ウインを達成し、シリーズ初優勝を飾った。今季初のポールポジションからスタートした岩佐歩夢は、雨のスポーツランドSUGOで終始トップを守り抜いた。

    決勝日は朝から雨となり、全車がレインタイヤでセーフティカー(SC)先導スタート。6周目にレースが本格開始されると、予選2番手のサッシャ・フェネストラズ(トヨタ)がテール・トゥ・ノーズで迫ったが、岩佐歩夢は冷静なディフェンスで首位を死守した。

    9周目、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)のコースオフでSCが導入。再開後も岩佐歩夢は絶妙な加速でフェネストラズを引き離し、後方ではイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)が一時5位に浮上するも、福住仁嶺(トヨタ)に抜き返され6位に後退。21周目には三宅淳詞(ThreeBond Racing)と大嶋和也(トヨタ)の接触で再びSCが導入された。

    28周目にレースが再開されても、岩佐歩夢はフェネストラズの攻撃を許さず、30周過ぎに雨が強まる中でもペースを維持。2度のSC導入により規定周回前に時間切れとなったレースを48周で走り切り、トップチェッカーを受けた。

    Honda/M-TEC勢はイゴール・オオムラ・フラガが6位、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が16番手スタートから8位、牧野任祐(同)が10位に入りポイントを獲得。ランキングでは岩佐歩夢が首位の坪井翔に5点差の2位へ浮上、太田が3位につけた。

    岩佐歩夢 スーパーフォーミュラ

    岩佐歩夢(TEAM MUGEN)
    「まずはやっと優勝できて、嬉しいのひとことですね。ここまで時間がかかってしまったというのは本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。でも、ここまでずっと優勝できなかった期間、応援し続けてくださったファンやスポンサーの方々、チーム、ホンダのみなさんに感謝したいです。ただ、ここから本番の戦いが始まるというか、今週見せた自分たちのスピードだったり強さみたいなものを引き続き見せていくタイミングだと思っています。今日終わるまではしっかり喜んで、明日から切り替えて、次戦に向けてしっかり準備していきたいなと思います。
    1勝の重みはゆくゆく変わってくるんじゃないかなと(苦笑)。今はこの1勝に対する重みは全然感じていないというのが正直なところです。去年からスピードがあったりなかったりという状況があって、いろいろトラブルもあって、今年は基本的にスピードはあるけどトラブルで落としてしまうレースがいくつかあって、まとめきれなかったのが(優勝するのに)ここまで時間がかかった要因だと思っています。(今日のレースで)しっかりそれ(優勝)ができるということを自分たちで確認できたので、さらにそれをベースにスピードやパフォーマンスを上げながら、引き続き戦っていくだけかなと思っています。
    フリー走行の時から(タイヤが)キツくなるのは分かっていたので、レースの始めからマネージメントして、F2の時の経験を活かしてやりきったという感じでした。最後のペースもそんなに悪くなかったですし、ペース配分だったりをどこでマネージメントして、どこでプッシュしてとか、ドライバーとして最大限のパフォーマンスを見せることができたのは自分の経験が活きたかなと思います。
    やっと(チャンピオンシップを)戦える位置に戻ってきたというか、ここからが勝負になると思っています。もちろん簡単にはいかないと思っていますし、それは身に沁みて感じているので、全力プッシュするだけだと思います」

  • 岩佐歩夢 待望のスーパーフォーミュラ初優勝! 2025年第8戦SUGO

    岩佐歩夢 待望のスーパーフォーミュラ初優勝! 2025年第8戦SUGO

    レッドブルF1のリザーブドライバーを務める岩佐歩夢が、8月10日(日)にスポーツランドSUGO(宮城県)で開催されたスーパーフォーミュラ第8戦で待望のスーパーフォーミュラ初勝利を挙げた。

    TEAM MUGENからスーパーフォーミュラ参戦2年目を迎えている岩佐歩夢は、ポールポジションから雨天の難コンディションで複数回のリスタートに冷静に対処し、待望の初優勝。2位にはサッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)、2位には福住仁嶺(Kids com Team KCMG)が続いた。

    2025年 スーパーフォーミュラ 第8戦SUGO:決勝結果

    1.岩佐歩夢(TEAM MUGEN)
    2.サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)
    3.福住仁嶺(Kids com Team KCMG)
    4.坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)
    5.阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)
    6.イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)
    7.ザック・オサリバン(KONDO RACING)
    8.太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
    9.山下健太(KONDO RACING)
    10.牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
    11.高星明誠(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)
    12.大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)
    13.小出峻(San-Ei Gen with B-Max)
    14.小高一斗(KDDI TGMGP TGR-DC)
    15.野尻智紀(TEAM MUGEN)
    16.野中誠太(KDDI TGMGP TGR-DC)
    17.オリバー・ラスムッセン(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)
    18.大嶋和也(docomo business ROOKIE)
    19.小林可夢偉(Kids com Team KCMG)
    20.Juju(HAZAMA ANDO Triple Tree Racing)
    DNF.三宅淳詞(ThreeBond Racing)
    DNF.佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)

  • スーパーフォーミュラ 岩佐歩夢が今シーズン初ポールポジション / 第8戦

    スーパーフォーミュラ 岩佐歩夢が今シーズン初ポールポジション / 第8戦

    スーパーフォーミュラ第8戦の公式予選が8月9日、スポーツランドSUGOで行われ、岩佐歩夢(TEAM MUGEN)が2025年シーズン初のポールポジションを獲得した。

    夏らしい強い日差しが降り注ぎ、気温31度・路面温度49度というコンディションで14時に予選がスタート。SUGOは1周が短いため、Q1はA・Bの2組に分かれて10分間ずつ行われ、多くのドライバーが2度のアタックを敢行した。

    Q1 A組では、ランキング11番手のサッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)が1分05秒930を記録しトップ通過。今季ベストグリッドの更新が見込める走りを披露した。フリー走行でトラブルに見舞われた大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)が2番手、今季4度のポールを獲得している野尻智紀(TEAM MUGEN)が3番手で通過した。一方、ランキング2位の太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)はグリップ不足を訴え、まさかの8番手でQ1敗退となった。

    B組では、注目のルーキー小出峻(San-Ei Gen with B-Max)が序盤にS字で縁石へ大きく乗り上げ、そのままストップ。右フロントのトラブルが疑われ、赤旗中断の原因となった。再開後はイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)が1分05秒641でトップ通過、2番手に岩佐、3番手にザック・オサリバン(KONDO RACING)が続いた。ポイントリーダーの坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)は一時ノックアウト圏外に沈んだが、2周連続のアタックで小林可夢偉(Kids com Team KCMG)をわずかに上回りQ2進出を決めた。

    Q2は12台による7分間のタイムアタック。残り時間が2分を切った終盤、フェネストラズが1分05秒766で一旦トップに立つも、直後に岩佐が1分05秒517を叩き出して逆転。その後このタイムを更新する選手は現れず、岩佐のポールが確定した。最終盤には大湯が最終コーナーでコースアウトしタイヤバリアに激しく接触するクラッシュが発生。ドライバーは無事だったが、マシンは大きく損傷した。

    2番手はフェネストラズ、3番手には阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)が入り、いずれも今季予選最高位を記録。4番手に坪井、5番手に福住仁嶺(Kids com Team KCMG)がつけた。

    第8戦決勝は8月10日(日)14時20分にスタートが切られる予定で、全51周のレースが展開される。

    スーパーフォーミュラ 岩佐歩夢

    2025年 スーパーフォーミュラ 第8戦 予選

    1.岩佐歩夢(TEAM MUGEN)
    2.サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)
    3.阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)
    4.坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)
    5.福住仁嶺(Kids com Team KCMG)
    6.イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)
    7.牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
    8.ザック・オサリバン(KONDO RACING)
    9.佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)
    10.山下健太(KONDO RACING)
    11.野尻智紀(TEAM MUGEN)
    12.大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)

    13.小林可夢偉(Kids com Team KCMG)
    14.三宅淳詞(ThreeBond Racing)
    15.オリバー・ラスムッセン(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)
    16.太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
    17.野中誠太(KDDI TGMGP TGR-DC)
    18.大嶋和也(docomo business ROOKIE)
    19.Juju(HAZAMA ANDO Triple Tree Racing)
    20.高星明誠(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)
    21.小出峻(San-Ei Gen with B-Max)
    22.小高一斗(KDDI TGMGP TGR-DC)

  • スーパーフォーミュラ 第7戦富士:太田格之進が逆転優勝 ランキング2位浮上

    スーパーフォーミュラ 第7戦富士:太田格之進が逆転優勝 ランキング2位浮上

    午後3時15分のスタート予定が計時トラブルにより42分遅延する波乱の幕開けとなった全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦・富士。

    セーフティーカーの導入を含む波乱の41周を制し、今季3勝目を挙げたのは太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)だった。太田はこの勝利でランキング2位に浮上し、ポイントリーダーの坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)を射程圏内に捉えた。

    午前中の予選から約4時間後、静岡・富士スピードウェイにはトランスポンダーのバッテリー低下による計時不能のトラブルが発生。スタートは大幅に遅れ、午後3時57分にようやくフォーメーションラップが開始された。スタートでは2番グリッドから太田がホールショットを奪うも、ダンロップコーナーでのオーバーランを突かれて坪井が首位を奪取する展開となった。

    早めのピット戦略が功を奏した岩佐
    戦略面で注目を集めたのは岩佐歩夢(TEAM MUGEN)の早めのピットインだった。7周目にタイヤ交換を敢行し、18周目に発生した野中誠太のマシントラブルによるセーフティーカー導入の際に順位を一気に上げ、トップに浮上。後方では坪井と太田が2番手、3番手でリスタートを迎えた。

    勝負を分けた後半のバトル
    リスタート後は3台による接近戦が続いたが、勝負が動いたのは30周目以降。まずは2番手の坪井がOTS(オーバーテイクシステム)を駆使して岩佐攻略を試みるも失敗。その隙を突いた太田が31周目に坪井を、33周目には岩佐を連続でオーバーテイク。冷静なタイヤマネジメントと巧みな駆け引きが光り、トップチェッカーを受けた。

    スーパーフォーミュラ優勝した太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は富士で初勝利

    上位勢のコメント
    太田格之進(優勝)
    「富士では絶対に止めないといけないと思っていたので、『明日は勝つ』と宣言して臨みました。ピット戦略も含め、すべてが計画通りで、特に坪井選手とのガチンコ勝負で勝てたのが嬉しいです。冷静にOTSの使いどころを見極め、ここしかないという瞬間に勝負をかけました」

    岩佐歩夢(2位)
    「タイヤの寿命差を考えると厳しい状況でしたが、できることはすべてやり切れたと思っています。太田選手の動きも見えていましたし、最終的に2位でフィニッシュできたのは自分にとっても最高の結果だと思います」

    坪井翔(3位)
    「3位という結果は十分です。今日の展開では勝ち切るのは難しかったですが、次の富士に向けて課題も見えましたし、また強くなって戻ってきます」

    レース後半の混戦と佐藤蓮のペナルティ
    4位争いでは佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)が好走を見せたが、セーフティーカー明け直後のコースオフにより5秒加算のペナルティを受け、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)に順位を譲った。その他のポイント獲得者にはサッシャ・フェネストラズ、山下健太、大湯都史樹、大嶋和也が名を連ねた。

    ランキング争いはさらに接戦へ
    第7戦終了時点で、ランキング首位の坪井が87ポイント、太田が84ポイントと3点差に接近。続くは牧野任祐(73ポイント)、岩佐歩夢(67ポイント)、野尻智紀(57ポイント)。残る2戦に向けて、チャンピオン争いは激化の様相を呈している。

    次戦は8月9~10日、スポーツランドSUGOで開催予定。毎年波乱含みの展開となる菅生で、誰が主導権を握るのか注目だ。

  • 坪井翔が優勝「F1テストに向けダサい走りはできない」スーパーフォーミュラ

    坪井翔が優勝「F1テストに向けダサい走りはできない」スーパーフォーミュラ

    全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦の決勝が7月19日(土)、静岡県・富士スピードウェイで行われ、VANTELIN TEAM TOM’Sの坪井翔が素晴らしいオーバーテイクとハイペースでの走行を披露し、今季2勝目を挙げた。これにより、前戦第5戦に続く2連勝を飾ると同時に、富士では4連勝を達成。ドライバーズランキングでもトップに躍り出た。

    2位はポールポジションからスタートした野尻智紀(TEAM MUGEN)、3位には5番グリッドからスタートした岩佐歩夢(TEAM MUGEN)が入った。

    レース展開:追い風のなかで展開された熱戦
    午後3時15分、気温33℃・路面温度49℃の過酷なコンディションのなかでスタートが切られた決勝レースは、ポールスタートの野尻がホールショットを奪取。しかし、2番手スタートの坪井は序盤から高いペースで野尻を追い上げ、2周目のストレートでオーバーテイクシステム(OTS)を駆使しトップに浮上。そのままファステストラップを記録しつつ、後続との差を拡大した。

    ピットイン戦略が明暗を分けた中盤、先に動いた野尻に対し、坪井は23周目にピットイン。野尻にアンダーカットされる形で一時的にポジションを失うも、26周目に再度オーバーテイクに成功。以降は圧倒的なペースで突き放し、37秒台後半から24秒台前半の安定したラップで勝利を決定づけた。

    表彰台の顔ぶれと主な展開
    野尻は早めのピットインで首位を奪い返すも、坪井の猛追を受けて2位に。3位には、最終盤に福住仁嶺(Kids com Team KCMG)をかわした岩佐が入り、貴重な表彰台を手にした。

    4位は福住、以下5位牧野任祐、6位大嶋和也、7位阪口晴南、8位大湯都史樹、9位イゴール・オオムラ・フラガ、10位太田格之進までがポイントを獲得している。

    坪井翔 F1第6戦優勝:坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)

    坪井翔コメント「F1テストに向けてダサい走りはできない」
    「防戦一方のスタートでしたが、コカ・コーラコーナーで福住選手を抑えられたのは大きかったです。OTSの使い所も迷いましたが、押し切って野尻選手を抜けたことが大きなターニングポイントでした」

    「F1テスト(ハースでの)も発表されましたし、スーパーフォーミュラで勝った者として、誇りを持って走りたいと思います」

    野尻智紀コメント「このままだとチャンピオンシップの流れを持っていかれる」
    「ポールからのスタートでトップを守れなかったのは反省点です。決勝ペースも厳しく、もう少しやり切るべきだったと感じています。少しでも上積みがあれば追いつけると信じて、明日は違う日になるよう頑張りたい」

    岩佐歩夢コメント「持てる力の最大限は出し切れた」
    「専有走行から予選までフィーリングが悪く、スピードも足りていない中での3位は、今ある力での最大の結果だったと思います。トップスピードが伸びずオーバーテイクに苦しみましたが、今後の課題として改善していきたいです」

    チーム監督 舘信秀コメント「完璧なレース、ただし37号車の課題も」
    「富士4連勝ですか!? 予選は悔しかったですが、今回は2番手から勝ってくれて本当にうれしいです。ただ、もう1台の37号車(フェネストラズ)が速さを見せられていないのが課題。次戦に向けてしっかり仕上げたいと思います」

    次戦は明日、第7戦
    スーパーフォーミュラは連戦となり、7月20日(日)午前10時10分から第7戦の予選、午後3時15分から決勝レースが開催される。再び坪井が勝利を収めるのか、それとも新たなウィナーが誕生するのか、注目の一戦となる。