カテゴリー: F1スポンサー

  • ハースF1チーム ネバーマイルと提携 日本発テクノロジー企業がF1参入

    ハースF1チーム ネバーマイルと提携 日本発テクノロジー企業がF1参入

    ハースF1チームは6月24日、日本のテクノロジー企業であるNeverMile(ネバーマイル)との新たなパートナーシップ締結を発表した。契約は2026年F1第8戦オーストリアGPから開始され、NeverMileのロゴはVF-26やガレージ、デジタル資産などに掲出される。

    今回の提携では、ソフトウェア開発や業務改革を強みとするNeverMileが、ハースF1チームのグローバルなオペレーションやサプライチェーン管理に関する知見を共有。

    両社は業務効率の向上や海外市場での新たなビジネス機会の創出を目指し、F1という世界最高峰の競技環境を通じて企業価値の向上を図っていく。

    日本企業の技術をF1の現場へ
    NeverMileは東京都を拠点とするテクノロジー企業で、ソフトウェア開発と業務改革を通じて企業の変革を支援している。物流や製造業を中心に、建設、小売、金融サービスなど社会インフラを支える業界向けのソリューションを提供している。

    今回の提携では、ハースF1チームとNeverMileがグローバルなオペレーションやサプライチェーン管理に関する知見を共有するほか、新たな海外市場でのビジネス機会の創出や企業価値の向上を目指す。

    F1は、開発、調達、生産、物流、レース運営を極めて短期間で連携させる必要がある世界最高水準のオペレーション環境として知られている。ハースF1チームはアメリカ、イギリス、イタリアの複数拠点をまたいでチーム運営を行っており、その運営ノウハウとNeverMileのソフトウェア技術を組み合わせることで、新たな価値創出を図る考えだ。

    小松礼雄代表「本物のパートナーシップを築いていく」
    ハースF1チームの小松礼雄代表は、新たな提携について次のように語った。

    「NeverMileを新たなパートナーとして迎えることで、成長を続けるパートナーポートフォリオをさらに強化できることを大変嬉しく思います」

    「私たちは、チームとしての価値観と真に一致するブランドとの、誠実で本質的なパートナーシップを重視しています」

    「NeverMileは、継続的な卓越性の追求と価値創出という共通の理念を持つパートナーです」

    「Formula 1の世界に彼らを迎え入れ、その専門知識を活用して私たちのオペレーション効率向上につなげることで、双方にとって有益な成果を生み出せることを楽しみにしています」

    NeverMile「世界最高峰の運営環境から新たな価値を創出する」
    NeverMile創業者兼CEOの深作康太氏は、今回の提携の意義について次のように述べた。

    「このたび、TGR Haas F1 Teamとのパートナーシップを発表できることを大変嬉しく思います」

    「Formula 1はモータースポーツの最高峰であると同時に、世界最高水準のオペレーションが求められる環境でもあります」

    「ネバーマイルは創業以来、物流・製造業を中心に、サプライチェーン領域における業務改革とソフトウェア構築を支援してまいりました」

    「今回のパートナーシップを通じて、世界最高峰の現場との交流を深めながら、新たな知見や価値を共創し、その成果をお客様への提供価値向上につなげていきたいと考えています」

    「また、日本発のテクノロジーカンパニーとして、今後もグローバル市場への挑戦を積極的に進めてまいります」

    オーストリアGPからブランド掲出
    NeverMileのロゴは、2026年オーストリアGPからVF-26、ガレージ内のサイン類、デジタルコンテンツなどに掲出される。両社は今回の提携を通じて知識や経験を共有し、F1の現場で培われる運営ノウハウを活用しながら、新たな価値創出に取り組んでいく。

    今回の提携により、ハースF1チームは日本企業との新たな協力関係を築き、オペレーションの効率化と海外市場でのビジネス拡大を目指す。NeverMileにとっても、F1という世界最高峰の競技環境で得られる知見を、自社の技術や顧客への価値向上につなげる重要な取り組みとなる。

  • メルセデスF1とアディダスが特別コレクション発表 伝説のブルーワンダー復活

    メルセデスF1とアディダスが特別コレクション発表 伝説のブルーワンダー復活

    メルセデスF1とアディダスは、2026年F1イギリスGPに向けた特別コレクション「Blue Wonder Collection(ブルーワンダー・コレクション)」を発表した。

    1955年にメルセデスが使用した伝説的な高速輸送車「ブルーワンダー」に着想を得たこのコレクションは、チームの歴史と伝統を称えるとともに、シルバーストンでのホームレースを彩る特別デザインとして展開される。

    1955年の伝説的輸送車をモチーフに採用
    ブルーワンダー・コレクションは、1955年シーズンにメルセデスのレーシングカーをサーキットへ運搬するため製作された高速輸送車「ブルーワンダー」からインスピレーションを得ている。

    チーム本拠地のブラクリーおよびブリックスワースに最も近いレースであるシルバーストンを舞台に、メルセデスの歴史的遺産を現代的なモータースポーツアパレルとして再解釈した。

    コレクション全体は輸送車を象徴する鮮やかなブルーを基調とし、当時の車両に使用されていたホワイトのレタリングを思わせるディテールを採用。伝統と革新を融合させたデザインとなっている。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    ラッセルとアントネッリがイギリスGPで着用
    コレクションはジョージ・ラッセルとキミ・アントネッリをはじめ、メカニックやエンジニアなどチーム全員がイギリスGP週末に着用する予定だ。

    中心となるドライバーズジャージーはブルーをベースに、伝統的な雰囲気を演出するフェードピンストライプを採用。ホワイトのロゴや肩、襟、袖口のアクセントによって統一感のあるデザインに仕上げられている。

    さらにジャケット、パンツ、シューズ、アクセサリーまで展開され、チームスタッフからファンまで楽しめるフルコレクションとなっている。

    「すべての夢にはチームが必要だ」
    ドライバーズジャージーには「Every Dream Needs a Team(すべての夢にはチームが必要だ)」というメッセージが添えられている。

    これはガレージからレース現場まで、すべての成功がチームワークによって支えられていることを表現したものだ。

    また、英国の伝統的なハリントンジャケットもラインアップに加えられ、ブルーワンダーをイメージしたカラーリングとタータンチェックの裏地によってホームレースとの結び付きを強調している。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ イギリスグランプリ

    アディダス初のモータースポーツ向けトレフォイル
    今回のコレクションでは、アディダスの象徴的なトレフォイルロゴが全アイテムに採用された。

    アディダスによると、トレフォイルロゴが現代のモータースポーツコレクションで全面的に使用されるのは今回が初めてだという。

    アディダスのモータースポーツ部門ゼネラルマネージャー、マイケル・バッツは次のように語った。

    「街からパドックまで、すべてを青で染め上げるコレクションを作り上げた。現代のモータースポーツでトレフォイルを採用する初めての試みとなる」

    「伝統、革新、チームワークを称えながら、1955年の高速輸送車を現代的なアパレルとフットウェアとして再解釈した」

    一方、メルセデスF1のチーフ・コマーシャル・オフィサーであるリチャード・サンダースは次のようにコメントした。

    「サーキットで成功するためにはチーム全員の力が必要だ。アディダスとともに、その精神を体現するコレクションを作り上げた」

    「このコレクションはジョージのホームレースとチーム、そして毎年シルバーストンを埋め尽くす何万人ものファンやマーシャル、さらに世界中の視聴者を結び付ける存在になる」

    「私たちの歴史を象徴する一台を称えると同時に、その背景にある革新と協力の精神を表現している。イギリスGPでスタンドやパドックが青く染まる光景を見るのが楽しみだ」

    ブルーワンダー・コレクションは6月16日から販売が開始されており、2026年F1イギリスGPではメルセデスF1チーム全体が着用する予定となっている。

  • 反たばこ団体がF1にニコチンブランド排除を要求 若年層への影響を懸念

    反たばこ団体がF1にニコチンブランド排除を要求 若年層への影響を懸念

    F1とたばこ産業の関係を巡り、新たな論争が浮上している。世界の反たばこ団体や健康関連団体162組織が、F1の商業権保有者や主要パートナー企業に対し、ニコチンパウチブランドによるスポンサー活動の禁止を求める書簡を送付した。

    対象となっているのは、フェラーリを支援するフィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)の「Zyn」と、マクラーレンを支援するブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)の「Velo」である。

    若年層拡大戦略との矛盾を指摘
    反たばこ団体は、F1が近年進めてきた若年層ファン獲得戦略と、ニコチン製品のスポンサー活動は相容れないと主張している。

    昨年12月にはZynとフェラーリのパートナーシップが拡大され、より多くのレースでブランド露出が行われることになった。一方でVeloもドライバーのレーシングスーツやマシン、さらには特別カラーリングなどを通じてF1イベントで広く展開されている。

    書簡では、「たばこ企業はF1チームへのスポンサー活動を通じて、F1が苦労して獲得した若年層へリーチしようとしている」と批判。「F1はこうした取り組みに加担すべきではない」と訴えた。

    また、ディズニーやレゴ、ホットウィールを展開するマテルといった若年層向けブランドにも書簡が送られ、ニコチンパウチ関連スポンサーシップの禁止を求めている。

    F1人気の若年化が背景
    問題視されている背景には、近年のF1人気の若年化がある。

    2025年に公表されたデータによると、米国およびEU圏では8歳から12歳のアクティブ視聴者が約400万人に達している。

    F1はNetflixの『Drive to Survive』をはじめ、SNS戦略やディズニー、レゴ、ホットウィールとの提携によって若年層ファンを大幅に増やしてきた。

    こうした状況の中で反たばこ団体は、「ニコチン製品メーカーがスポーツを利用して若者へ接触しようとしている」と懸念を示している。

    企業側は成人向けマーケティングを強調
    これに対し、PMIとBATはともにマーケティングの対象は成人のみであると反論している。

    PMIの広報担当者は、今回の批判について「時代遅れで安易な主張だ」とコメント。F1の視聴者の大半は成人であると主張した。

    BATも、マクラーレンとの関連活動は各国の規制を順守しており、デジタル施策については年齢制限を設けていると説明している。

    F1側はロイター通信に対し、適用されるすべての法律を順守していると回答した。

    専門家もスポーツスポンサーには否定的
    一方で、ニコチンパウチを喫煙者の害低減手段として評価する専門家の中からも、スポーツスポンサー活動には否定的な意見が出ている。

    ノルウェー公衆衛生研究所の上級研究員カール・エリック・ルンド氏は、「ニコチンパウチは紙巻きたばこより害は少ないが、リスクがないわけではない。元喫煙者向けに限定されるべきだ」と指摘した。

    また、ミシガン大学公衆衛生学部の名誉教授ケン・ワーナー氏は、「企業はモータースポーツが多くの若者を引き付けることを理解している。今回の行動は彼らの本質を示している」と批判した。

    まとめ
    F1は近年、若年層のファン拡大に成功している一方で、その人気の高まりが新たな議論を呼んでいる。たばこ企業はニコチンパウチを紙巻きたばこより低リスクな製品として位置付けているが、反たばこ団体は依然として若者への影響を警戒している。

    かつてのたばこ広告全盛時代から脱却したF1だが、新世代のニコチン製品を巡るスポンサー問題は、今後もスポーツ界全体を巻き込む論争となりそうだ。

  • マレリのF1公式データロガーが300戦達成 AI搭載のSDR 5を投入

    マレリのF1公式データロガーが300戦達成 AI搭載のSDR 5を投入

    マレリがFIAと共同開発するF1公式データロガー「サバイバル・データ・レコーダー(SDR)」が、2026年モナコGPで通算300レース目の運用を達成した。

    さらに、2026年の新レギュレーションに対応した最新モデル「SDR 5」が実戦投入され、AIを活用した高度なデータ分析機能や通信性能の向上によって、F1の安全性と規則順守を支える役割をさらに強化している。

    F1の安全と競技運営を支える重要な電子ユニット
    SDRはすべてのF1マシンに搭載されている公式データロガーであり、レース中の安全性向上や技術レギュレーションの監視を目的としてFIAへリアルタイムでデータを提供している。

    マシンに搭載された加速度センサーや温度・圧力・速度センサー、さらには各種電子制御ユニットから情報を収集し、高速かつ高信頼で記録する。取得したデータは数式処理やハードウェアフィルターによって整理・分析され、専用通信回線を通じてFIAの競技委員へ送信される。

    これにより異常な挙動やトラブルの兆候を迅速に検知できるほか、事故解析や技術規則違反の有無を確認するための重要な基盤となっている。

    FIAとマレリが300レース達成を祝福
    モナコGPでは300レース到達を記念するセレモニーが実施され、マレリ・モータースポーツ責任者のリカルド・デ・フィリッピが、FIA会長モハメド・ビン・スライエムへ限定版の「SDR 4」を贈呈した。

    モハメド・ビン・スライエムは次のように述べた。

    「SDRはF1にとって極めて重要な存在です。安全性を支え、規則順守を確実にするために必要な高品質なデータをFIAに提供してくれています。F1で300レースを達成したことは素晴らしい節目であり、マレリとの強い協力関係の証でもあります」

    「モータースポーツの根幹には常にイノベーションがあります。新しいSDR 5のような先進技術は、より速く、より正確で、より包括的なデータを届けることで、FIAの競技委員を支える上で、今後さらに重要な役割を果たすことになるでしょう」

    AIを搭載した新型SDR 5がデビュー
    今回投入されたSDR 5は、2026年から導入された新たなF1技術規則に対応するために開発された最新モデルだ。

    従来システムとの互換性を維持しながら、10基の高速CAN FDインターフェースと新たな車載イーサネット・ポートを搭載し、通信能力を大幅に向上させた。

    最大5,000チャンネルのデータ取得に対応し、重要データの収集速度も改善。データ転送量と通信速度は従来比で2倍となり、より効率的な情報処理が可能となった。

    さらに、高度なフィルター機能や監視機能の追加によってデータ精度を高めたほか、電圧や電流の測定機能も新たに搭載。最新のドライバー回路によってアクチュエーター制御の柔軟性も向上し、電流の直接計測や設置作業の簡略化も実現している。

    そして最大の特徴がAIの導入だ。AIによる高度なデータ分析機能によって、膨大なレースデータから有益な情報をより迅速に抽出できるようになった。また、本体の軽量化によってマシン全体の性能向上にも貢献している。

    マレリ「F1の進化を支え続ける」
    リカルド・デ・フィリッピは、新型SDR 5の投入について次のようにコメントした。

    「最先端のモータースポーツにおいて、リアルタイムのデータ分析は極めて重要です。当社のSDRがデータの収集と転送を支え、技術レギュレーションの順守に貢献してきたF1レースは、これまでに300回を超えました。これはまさに祝うべき節目です」

    「新しいSDR 5の導入により、競技委員はこれまで以上に正確で信頼性が高く、すぐに役立つ情報を得られるようになります。私たちはFIAと共にイノベーションを推進し、F1の進化を支えていきます。これからも技術の限界に挑み続けることを楽しみにしています」

    マレリは、SDR 5の導入によってF1およびFIAへの技術的貢献をさらに深めていく考えだ。100年以上にわたりモータースポーツで培ってきた経験を活かし、今後も安全性の向上と技術革新を通じて、最高峰カテゴリーの発展を支えていく。

  • ルイ・ヴィトン 2026年F1モナコGPでタイトルパートナーに初就任

    ルイ・ヴィトン 2026年F1モナコGPでタイトルパートナーに初就任

    ルイ・ヴィトンが、2026年F1モナコGPのタイトルパートナーに初めて就任した。大会は「フォーミュラ1 ルイ・ヴィトン グランプリ・ドゥ・モナコ 2026」として開催される。

    ルイ・ヴィトンは2021年からモナコ自動車クラブのパートナーを務め、2025年からはF1のオフィシャルパートナーとして活動している。今回のタイトルパートナー就任により、モナコ公国との結びつきをさらに強めることになった。

    ルイ・ヴィトンは6年連続で特別製作したグランプリ・ドゥ・モナコのトロフィートランクも披露する。モナコ公国のナショナルカラーをイメージした赤いモノグラム・キャンバスを採用し、ホワイトとレッドのラインで「Vuitton」と「Victory(勝利)」を象徴する「V」を表現したデザインとなっている。

    これまでモナコGPでは、2021年と2023年のマックス・フェルスタッペン、2022年のセルジオ・ペレス、2024年のシャルル・ルクレール、そして2025年のランド・ノリスの優勝を祝福するトロフィートランクが製作されてきた。

    ルイ・ヴィトン F1 モナコGP

    また、ルイ・ヴィトンは大会期間中、モナコ市街地コース内でサイネージを展開。スピード感に着想を得た特別なグラフィックデザインを通じて、サーキット全体でブランドの存在感を示す。

    モナコ市内のルイ・ヴィトン モナコ ストアでは、グランプリをテーマにした特別なウィンドウディスプレイを実施。手描きのグランドスタンドや観客フィギュア、精巧なレースシーンを配置し、往年のモータースポーツの世界観を表現する。

    さらに、ルイ・ヴィトンは「シティ・ガイド モナコ」を新たに発売する。約200件の厳選されたアドレスを掲載したこのガイドブックは、F1モナコGPの開催に合わせて刊行されるもので、伝統と革新、ラグジュアリーと真正性が共存するモナコ公国の魅力を紹介している。

    伝統とモダニティが交差するモナコで開催されるF1モナコGPは、モータースポーツとラグジュアリーを象徴するイベントとして世界的な注目を集めており、ルイ・ヴィトンはタイトルパートナーとしてその舞台を彩る。

  • キャデラックF1が最新DiLシミュレーター導入 ダイニスマと契約

    キャデラックF1が最新DiLシミュレーター導入 ダイニスマと契約

    2026年からF1に参戦するキャデラックF1が、チームの技術基盤強化に向けて重要な投資を発表した。キャデラックは英国のシミュレーター開発企業ダイニスマ(Dynisma)と契約し、最新鋭のドライビングシミュレーター「DMG-360XY」を導入することを明らかにした。

    新シミュレーターは米国インディアナ州にあるキャデラックF1の拠点に設置される予定で、車両開発やセットアップ作業、ドライバー育成など幅広い分野で活用される。

    F1で重要性を増すシミュレーター開発競争
    近年のF1では、風洞試験やCFD(数値流体解析)に加え、ドライバー・イン・ザ・ループ(DiL)シミュレーターが開発競争の中心的な役割を担っている。

    ダイニスマはフェラーリやマクラーレンにもシミュレーターを供給しており、今回キャデラックが採用したDMG-360XYは同社の最上位モデルに位置付けられる。

    このシミュレーターは最新のLEDウォール映像技術を採用し、高速なデータ処理能力によって実車との高い相関性を実現。X軸とY軸方向に最大5メートル移動できるほか、ヨー方向(左右回転)は無制限に動作することで、実際のマシン挙動を極めて高精度に再現できるという。

    ニック・チェスター「重要な決断だった」
    キャデラックF1の最高技術責任者(CTO)であるニック・チェスターは、今回の決定について次のように説明した。

    「適切なシミュレータープラットフォームを選択することは、どのF1チームにとっても重要な決断だ」

    「ダイニスマの技術は、我々が求めていた忠実性、応答性、そして相関性を提供してくれる。チームの技術力を構築していく中で非常に重要な要素だ」

    「DMG-360XYの導入は、今後数シーズンにわたって我々のエンジニアリング活動とドライバープログラムを支えるツールやシステムを整備する上で重要な一歩となる」

    2028年以降を見据えたインフラ整備
    キャデラックF1は2026年と2027年はフェラーリ製パワーユニットを使用し、2028年から独自パワーユニット投入を目指している。

    そのため現在は人材獲得と施設整備を急ピッチで進めており、今回のシミュレーター導入もその一環とみられる。

    F1ではマクラーレン、メルセデス、レッドブル、フェラーリなど上位チームが大規模なシミュレーター施設を活用しており、キャデラックとしても参戦初年度から競争力を確保するためには不可欠な投資となる。

    ダイニスマ創業者のアッシュ・ウォーンも、「現代のモータースポーツにおいてシミュレーションはドライバーのフィードバックとエンジニアリング開発を結びつける中心的な役割を果たしている」と説明した。

    実車テストが厳しく制限されている現在のF1では、シミュレーターの性能が開発速度を左右する重要な要素となっている。キャデラックは今回の投資によって、F1参戦へ向けた技術基盤の整備をさらに加速させることになる。

  • ウィリアムズF1とコマツが若手育成を拡大 フォーミュラ・スチューデントと連携

    ウィリアムズF1とコマツが若手育成を拡大 フォーミュラ・スチューデントと連携

    アトラシアン・ウィリアムズF1チームとコマツは5月28日、「コマツ・ウィリアムズ・エンジニアリング・アカデミー」の第3期プログラムを開始すると発表した。

    同プログラムは世界中の優秀な若手エンジニアを発掘し、オンライン学習や最先端製造施設の見学、コマツおよびウィリアムズの専門家によるメンタリングを通じてキャリア形成を支援することを目的としている。

    フォーミュラ・スチューデントとの連携で対象を拡大
    2026年からアカデミーは、大学生向けの工学コンペティションとして知られるフォーミュラ・スチューデントとの協力体制で運営される。また、その姉妹大会であるフォーミュラSAEの支援も受け、より幅広い地域から参加者を募る。

    参加者は英国シルバーストンで開催されるフォーミュラ・スチューデントの決勝進出者や、世界各地を対象としたオンライン選考センターを通じて選抜される。

    英国フォーミュラ・スチューデントの決勝進出者は6月8日から応募可能となり、それ以外のフォーミュラ・スチューデントおよびフォーミュラSAE参加者向けのオンライン応募は年内に開始される予定だ。

    ウィリアムズが重視する人材育成戦略
    コマツ・ウィリアムズ・エンジニアリング・アカデミーは、ウィリアムズの若手人材育成プログラムの中核を担う取り組みとして3年目を迎える。

    ウィリアムズはインターンシップ、大学新卒採用プログラム、職業体験制度を通じて将来の人材への投資を続けており、現在は全従業員の12%がアーリーキャリア人材で構成されている。

    一方のコマツも、世界各地で地域社会に根差した技術者育成プログラムを展開し、次世代のエンジニアや技術者の育成に取り組んでいる。

    F1と産業界が共同で次世代技術者を育成
    アトラシアン・ウィリアムズF1チームのチーフ・ピープル・オフィサーを務めるアン・ペリンズは、若手育成の重要性を強調した。

    「アトラシアン・ウィリアムズF1チームでは、将来の成功は次世代の才能にかかっていると理解しています」とアン・ペリンズは述べた。

    「コマツ・ウィリアムズ・エンジニアリング・アカデミーのようなプログラムは、モータースポーツ、産業エンジニアリング、機械分野を問わず、優秀な人材を見つけ出し、その成長を加速させる特別な機会を与えてくれます。今年後半にシルバーストンやオンラインで決勝進出者の皆さんとお会いできることを楽しみにしています」

    コマツCEO「若手技術者の飛躍の場になる」
    コマツの代表取締役社長兼CEOである今吉琢也は、人材育成が同社の長年の強みであると説明した。

    「コマツは105年にわたり、世界中の従業員の技術力向上に誇りを持って取り組んできました」と今吉琢也は語った。

    「アトラシアン・ウィリアムズF1チームとのパートナーシップは、世界中のお客様に革新的なソリューションを提供しながら成長を続ける中で、多様な次世代技術人材を惹きつけ育成することを目的としています。コマツ・ウィリアムズ・エンジニアリング・アカデミーは、若いエンジニアたちがキャリアを加速させる素晴らしい機会です。この素晴らしい才能が発揮されることを楽しみにしています」

    F1への登竜門として期待
    英国機械技術者協会(IMechE)フォーミュラ・スチューデントの主席審査員であるダン・ジョーンズは、この提携が学生にとって大きなチャンスになると評価した。

    「フォーミュラ・スチューデントは創設以来、若いエンジニアがスキルを磨き、産業界でのキャリアに向けた経験を積む機会を提供することを目的としてきました」とダン・ジョーンズは述べた。

    「私自身も含め、多くの参加者にとってこの経験はF1で働くという夢の実現につながっています。コマツ・ウィリアムズ・エンジニアリング・アカデミーとの協力は、その理念と完全に一致しており、学生たちがモータースポーツ最高峰で働くための貴重な次の一歩となる素晴らしい機会です。応募するすべての学生の幸運を祈っています」

  • グッチがアルピーヌF1を救うのか? ブリアトーレが描く“ベネトン再現計画”

    グッチがアルピーヌF1を救うのか? ブリアトーレが描く“ベネトン再現計画”

    アルピーヌF1チームとグッチのパートナーシップ発表は、単なるスポンサー契約以上の意味を持つ可能性がある。

    2026年にルノーが自社パワーユニット計画を終了し、チームへの投資も縮小するなか、エンストンを拠点とするアルピーヌF1は将来的な所有体制の変化が取り沙汰されている。そのタイミングで登場したのがイタリアの高級ブランドであるグッチだった。

    一見するとファッションブランドとF1チームの一般的なスポンサー契約に見える。しかしF1の歴史を振り返ると、フラビオ・ブリアトーレとイタリアのアパレルブランドが結び付いた時、その先にはチーム買収と世界タイトル獲得という前例が存在する。

    ベネトンが歩んだ“スポンサーからオーナー”への道
    1980年代初頭、イタリアのアパレルブランドであるベネトンはF1への参入を模索していた。

    最初はティレルのスポンサーとなり、その後アルファロメオへと活動の場を移した。しかしスポンサーとしてチームを支援するだけでは満足せず、1985年にトールマンを買収する決断を下す。

    このトールマンこそ、現在のアルピーヌF1へとつながるチームの原点だった。

    ベネトンはチームを買収後、名称をベネトン・フォーミュラへ変更。やがてミハエル・シューマッハを擁し、1994年と1995年にドライバーズタイトル、1995年にはコンストラクターズタイトルを獲得した。

    その成功の中心にいたのが、後にF1界屈指の辣腕マネージャーとして知られるフラビオ・ブリアトーレだった。

    エンストンに戻ってきた“仕掛け人”
    2024年、ブリアトーレはアルピーヌのエグゼクティブアドバイザーとしてF1復帰を果たした。

    その時点でルノーはすでに自社パワーユニット計画終了を視野に入れていたとみられており、将来的なチーム運営体制の見直しも避けられない状況だった。

    そうした中でブリアトーレに求められた役割は、技術責任者ではなく「ビジネスを動かす交渉人」だった。

    過去にもブリアトーレはミハエル・シューマッハ獲得、リジェ買収、スポンサー開拓など数々の大型案件を成立させてきた。彼の強みは技術開発ではなく、チームを成長軌道に乗せるための資金と人材を集める能力にある。

    グッチとの提携は、その最新事例と言える。

    グッチはスポンサーで終わるのか
    現在のアルピーヌF1は、投資会社オトロ・キャピタルが主要株主の一角を担っている。

    パドックでは将来的な資本再編の可能性も噂されており、メルセデスやクリスチャン・ホーナーを含む投資家グループの名前も取り沙汰されている。

    そのため、一部ではグッチが単なるタイトルスポンサーに留まらず、より大きな役割を担う可能性も想像されている。

    もちろん現時点でグッチによる買収計画が存在する証拠はない。しかし40年前、ベネトンも最初は単なるスポンサーだった。

    そして最終的にはエンストンのチームを手に入れ、世界王者となった。

    歴史は繰り返されるのか
    グッチとアルピーヌの提携発表に際し、フラビオ・ブリアトーレは次のように語っている。

    「エンストンのチームは常に他とは違うやり方で成功してきた。そして以前には、ファッションブランドがF1で最初にチェッカーフラッグを受けたこともある」

    この発言は単なる過去への言及ではないのかもしれない。

    1980年代、ベネトンはスポンサーとしてF1に参入し、やがてチームオーナーとなり世界王者へ上り詰めた。そして2026年、同じエンストンを拠点とするチームに再びイタリアのファッションブランドが現れた。

    グッチが本当にベネトンの足跡をたどるのかは分からない。しかし少なくともブリアトーレという男がいる限り、エンストンで起きる変化を単なるスポンサー契約として片付けるのは早計かもしれない。

  • グッチ、アルピーヌF1とのタイトルスポンサー契約は総額300億円規模との報道

    グッチ、アルピーヌF1とのタイトルスポンサー契約は総額300億円規模との報道

    イタリアの高級ファッションブランドであるグッチが、2027年からF1に本格参入する。The Raceによると、アルピーヌF1チームとの新たなタイトルスポンサー契約は、総額2億ドル(約300億円)規模に達する可能性があるという。

    グッチは現在のBWTに代わってアルピーヌF1チームのタイトルスポンサーとなり、チーム名は「グッチ・レーシング・アルピーヌF1チーム」に変更される予定だ。

    F1チームのタイトルスポンサーをラグジュアリーファッションブランドが務めるのは史上初となる。

    年間90億円規模とも報じられる大型契約
    The Raceによると、正式発表では契約金額は明かされていないものの、契約規模は年間5000万〜6000万ドル(約75億〜90億円)と見積もられている。

    契約期間は最低3年間とされ、さらにアルピーヌの成績に応じたボーナス条項も含まれているとみられており、総額は2億ドル(約300億円)規模に達する可能性がある。

    これは単なるスポンサー契約ではなく、グッチにとってF1を軸にした新たなブランド戦略の一環と位置づけられている。

    “Gucci Racing”始動 ブラック&ゴールドのF1マシンへ
    グッチは今回の提携を通じて、「Gucci Racing」という新たなブランドプラットフォームを始動する。

    公開された新ロゴは、グッチの象徴であるインターロッキングGと「Gucci Racing」のワードマークを組み合わせたものとなっており、2027年型アルピーヌF1マシンではブラック&ゴールドを基調としたカラーリングが採用される見込みだ。

    The Raceは、グッチ側が「可能な限り多く」の広告スペースをマシン上に確保したい意向を持っていると報じている。一方でアルピーヌ側は、自社ブランドカラーであるブルーも一定程度残したい考えだという。

    パドックウェアだけでなく機能製品も展開へ
    グッチはパドック向けアパレルだけでなく、メカニックやドライバー向けのパフォーマンス製品もデザインする計画だとされる。

    これまで高級ブランドとF1の提携は数多く存在してきたが、多くは限定コレクションやライフスタイル展開が中心だった。今回のグッチは、現場機能やチームオペレーションにまで踏み込む点で異例のプロジェクトとなる。

    F1人気拡大がグッチ参入を後押し
    グッチがこのタイミングでF1参入を決断した背景には、F1そのものの市場拡大がある。

    世界的な人気上昇に加え、若年層や女性ファンが急増していることを、グッチは重要視している。

    グッチの社長兼CEOであるフランチェスカ・ベルッティーニは、「これはブランドに対する我々の野心と、この舞台でグッチが果たしたい役割を反映している」とコメント。

    「F1は現在、パフォーマンス、カルチャー、そしてグローバルな影響力が交差する独自の場であり、アルピーヌはこのビジョンを実現するための理想的なパートナーだ」と語った。

    ブリアトーレが再び“ファッション×F1”を主導
    今回の契約を主導したのは、アルピーヌF1チームのエグゼクティブアドバイザーであるフラビオ・ブリアトーレだった。

    ブリアトーレは1990年代前半、ファッションブランド「ベネトン」をF1タイトル獲得へ導いた人物として知られている。

    現在、旧ルノーCEOのルカ・デメオが、グッチを傘下に持つケリングのCEOを務めていることも、今回の大型契約を後押しした。

    ブリアトーレは「エンストンのチームには、他とは違うことをしてきた歴史がある」と述べ、「ファッションがF1で勝てることを、我々は以前にも示してきた」と語っている。

  • アルピーヌF1 グッチと冠スポンサー契約 2027年に「Gucci Racing Alpine」誕生

    アルピーヌF1 グッチと冠スポンサー契約 2027年に「Gucci Racing Alpine」誕生

    グッチは、2027年FIA F1世界選手権からアルピーヌF1チームのタイトルパートナーに就任し、チームが「グッチ・レーシング・アルピーヌF1チーム(Gucci Racing AlpineF1 Team)」として参戦すると発表した。

    ラグジュアリーファッションハウスがF1チームのタイトルパートナーを務めるのは初めてで、グッチは新たに「グッチ・レーシング」という事業および体験型プラットフォームを立ち上げる。

    F1を“高級コンテンツプラットフォーム”と捉えたグッチの参入
    今回の提携は、単なる車体ロゴ掲出にとどまらない。グッチは、F1が世界的なリーチを持ち、若年層や女性を含む多様でプレミアムな観客層を拡大している点に注目している。

    グッチ・レーシングは、パフォーマンス、精密さ、規律、卓越性という価値を軸に、ラグジュアリーとスポーツの交差点に構築される新たなプラットフォームと位置づけられている。専用ロゴには、グッチを象徴するインターロッキングGと「Gucci Racing」のワードマークが組み合わされる。

    アルピーヌは2027年からグッチカラーで参戦
    アルピーヌは2027年シーズン開幕から「グッチ・レーシング・アルピーヌF1チーム」として参戦し、グッチのカラーをまとって戦う。

    アルピーヌは1955年にジャン・レデレによって創設され、モータースポーツを起点に発展してきたブランドであり、その歴史は1977年からF1に関わってきたルノー・グループのモータースポーツ遺産とも重なる。

    今回の発表では、アルピーヌが現在コンストラクターズ選手権で5位につけており、ドライバーたちが今季の勢いを高めていることも強調された。グッチは、チームの成長軌道と自社ブランドの再活性化を重ね合わせている。

    ベルッティーニ「グッチはF1で新たな章を記す」
    「アルピーヌF1チームとのこのパートナーシップは、新たな章を記すものだ。グッチは、F1でタイトルパートナーを務める初のラグジュアリーファッションハウスになる」とグッチの社長兼CEOであるフランチェスカ・ベルッティーニはコメント。

    「それは、ブランドに対する我々の野心と、この舞台でグッチが果たしたい役割を反映している。F1は今日、パフォーマンス、カルチャー、そして世界的なリーチが交わる独自の場であり、アルピーヌF1チームはこのビジョンを実現するための適切なパートナーだ」

    「グッチ・レーシングは、グリッド上の存在以上のものだ。それは、我々が何者であり、ブランドをどこへ導きたいのかを表現するものだ。そして、これからさらに多くのことがある」

    アルピーヌF1チーム グッチ(Gucci)

    F1の商業価値を背景にしたラグジュアリー戦略
    ケリングCEOのルカ・デメオは、F1がスポーツの枠を超えた存在になっていると説明した。

    「F1はスポーツをはるかに超えて進化し、世界で最も強力なプレミアムコンテンツプラットフォームのひとつになった。毎シーズン15億人以上に届き、急速に拡大する若く、ますます女性比率の高い観客を刺激している」

    「創造性、卓越性の追求、人間の達成が交わる場として、我々はF1を、ラグジュアリーブランドが境界を押し広げ、有意義なつながりを生み出し、長期的な価値とブランドの望ましさを構築するための独自のプラットフォームと見ている」

    ブリアトーレ「ファッションがF1で勝てることを示してきた」
    アルピーヌF1チームのエグゼクティブアドバイザーであるフラビオ・ブリアトーレは、グッチとの提携を誇りに感じていると語った。

    「グッチほどの格式あるブランドと、アルピーヌF1チームのタイトルパートナーとしてF1で提携できることを、私は非常に誇りに思っている」

    「それだけでなく、グッチとのパートナーシップがもたらす可能性、そして我々が世界規模で共に達成できる素晴らしいことに興奮している」

    ブリアトーレはさらに、エンストンのチームには他とは違うことをしてきた歴史があり、過去にもファッションがF1で先頭に立てることを示してきたと強調した。

    2027年からのグッチ参入は、アルピーヌにとって単なるスポンサー獲得ではなく、チームのブランド価値そのものを押し上げる大型提携となる。F1がスポーツ、エンターテインメント、ラグジュアリーを結びつける舞台へと変化する中で、「グッチ・レーシング・アルピーヌF1チーム」はその象徴的な存在になりそうだ。