カテゴリー: ザウバーF1チーム

  • ペーター・ザウバー 「ルイス・ハミルトンはサウバーでF1デビュー寸前だった」

    ペーター・ザウバー 「ルイス・ハミルトンはサウバーでF1デビュー寸前だった」

    ペーター・ザウバーが、約20年前にルイス・ハミルトンがサウバーでF1デビューする可能性が非常に高かった事実を明かした。2025年の最終戦が“サウバー”としての最後のレースとなる中、ザウバー夫妻がアブダビを訪れ、この驚きの秘話が語られた。

    チーム名の「C」の由来である妻クリスティアーネとともに、最後のサウバー車C45を見届けるために訪れたアブダビ。その席で語られたのは、ハミルトンのキャリアに大きな影響を与えていたかもしれない未公開のエピソードだった。

    2026年からチームはアウディへと移行し、サウバーという名前はここで幕を閉じる。

    アップルパイの席で語られた“歴史が変わり得た瞬間”
    スイス紙『Blick』によれば、ザウバーがアブダビを訪れた際、アップルパイを囲んだ席で語られたのが、ルイス・ハミルトンがF1デビュー直前までサウバーに来る予定だったという事実だった。

    ザウバーはこう語った。「ほとんど誰も知らないが、約20年前、ルイス・ハミルトンは私たちのチームで走りかけていた。彼はマクラーレンに所属していたが、彼らはF1の徒弟期間として、ハインヴィルへ送り出そうとしていたんだ」

    交渉はクローテン空港で行われたが…
    当時、チューリッヒのクローテン空港で会談が設定され、ハミルトン、父アンソニー、ペーター・ザウバー、モニシャ・カルテンボーンが顔を合わせた。

    しかし、交渉は決裂した。

    ザウバーはその理由をこう説明する。「取引がまとまらなかったのは、マクラーレンが1年だけのレンタルを望んだのに対し、我々は2年を主張したからだ」

    そしてハミルトンはマクラーレンから衝撃のデビューへ
    ザウバー移籍は実現しなかったが、その結果ハミルトンは2007年にマクラーレンから直接F1デビュー。デビューから9戦連続表彰台、3勝、そしてタイトル争いに加わる歴史的なルーキーシーズンを送ることになる。

    もし当時、レンタル期間が一致していれば、F1史はまったく異なるものになっていたかもしれない。“サウバーからデビューするルイス・ハミルトン”という別の世界線が、確かに存在していた。

  • ニコ・ヒュルケンベルグがハミルトン主催のF1ドライバー会食を欠席した理由

    ニコ・ヒュルケンベルグがハミルトン主催のF1ドライバー会食を欠席した理由

    レッドブルやマクラーレンなどF1パドック中が注目した“シーズン最終会食”に、19人中3人のドライバーが姿を見せなかった。ルイス・ハミルトンがアブダビで主催した木曜夜のディナーには、フェルナンド・アロンソ、ランス・ストロール、そしてニコ・ヒュルケンベルグが不参加だった。

    ハミルトンはSNSに集合写真を投稿し、互いへの敬意と友情を称えた。「Class of 2025。僕たちは世界でも唯一の存在で、とても幸運だ。互いに敬意しかないし、彼らを友人と呼べることを誇りに思う」と綴った。

    45年のF1取材人生に幕…独ジャーナリストの送別会を優先
    だが、ファンがすぐに気づいたのは、いつも時間に正確でユーモアに富むヒュルケンベルグの不在だった。独紙Bildによると、ヒュルケンベルグはあえて欠席を選んだという。

    彼が向かった先は、メルセデスのモーターホーム屋上テラスで開かれた、ドイツ人ジャーナリスト ミハエル・シュミット(Auto Motor und Sport)の“非公開送別会”。

    シュミットは1987年からF1を取材し続け、45年のキャリアに幕を下ろす。

    ヒュルケンベルグはデビュー以前から彼を知る間柄で、自身のキャリアを記録し続けた人物の門出を見届けることを最優先にした、と報じられている。

    アロンソとストロールの欠席理由は不明
    ハミルトン会食を欠席した残りの2名、アロンソとストロールについては、現時点で理由は明らかになっていない。

  • ニコ・ヒュルケンベルグ F1アブダビGP初日「予選で再現するのが目標だ」

    ニコ・ヒュルケンベルグ F1アブダビGP初日「予選で再現するのが目標だ」

    ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)は、アブダビGP金曜フリー走行で両セッションを5番手で終え、「この流れを予選で再現することが目標だ」と意気込みを語った。

    先週のカタールでは序盤のクラッシュによりポイント連続獲得が途切れたが、アブダビ初日は終始上位に並び、好感触のまま土曜日を迎えることになった。

    FP1では多くのチームがルーキーを起用するなか、ヒュルケンベルグが5番手、チームメイトのガブリエル・ボルトレトが7番手を記録。続くFP2でもヒュルケンベルグは再び5番手、ボルトレトは6番手とそろって上位に入った。

    予選で重要になる“初日好調の再現”
    ヒュルケンベルグは、予選に向けて同等のパフォーマンスを維持できるか問われると、次のように語った。

    「そう願っている。目標であり、狙いはそこにある」

    「多くのドライバーはFP1を走っていないので、今夜の間に僕らよりも学ぶことは多いはずだ。でも、今日の手応えは良かった。ベースとなるパフォーマンスとクルマのバランスはいい位置にあるし、1日を通してスムーズに進んだこともポジティブだった」

    また、この上位タイムがチームにとって想定外だったかどうかについては、こう続けた。

    「多少は驚きだったかもしれない。明らかに低速コーナーが少し多いレイアウトで、これは僕たちのクルマにとって悪くない。でも、実際に走るまで分からない」

    「金曜に速いのは良いことだけど、本当に重要なのは明日だ」

    ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバーF1チーム) アブダビグランプリ

    ボルトレトも自信「FPだけど、良い流れ」
    ボルトレトも金曜の上位進出に満足しつつ、予選へ向けた慎重さを崩さなかった。

    「まだフリー走行だ。これから起きることはたくさんある」

    「FP1とFP2でとても競争力があって、いいペースを出せたのはポジティブだ。明日も自信はある。でも、あくまでFPだからね。周りにも速いドライバーがたくさんいるし、差もすごく小さい。簡単ではないけど、うまくまとめられれば良い結果を出せると思う」

    コンストラクターズ8位争いへ 予選がカギ
    ザウバーは現在コンストラクターズ9位で、前を走るハースとは5ポイント差。ボルトレトは日曜のポイント獲得を狙う上で、予選の重要性を強調した。

    「明日の予選で2台が良い位置につけてほしい。日曜にポイントを狙い、前のチームを追いかけるためにも、良いスタート位置が本当に大事になる」

  • ボルトレト誤判断で事故もザウバーF1代表が擁護姿勢「スローダウン不要」

    ボルトレト誤判断で事故もザウバーF1代表が擁護姿勢「スローダウン不要」

    ガブリエル・ボルトレトは、F1ラスベガスGPのターン1でブレーキングを誤り、ランス・ストロール(アストンマーティン)に接触して両者ともにリタイアとなった。ルーキーにとって厳しい週末となったが、ザウバーF1チーム代表ジョナサン・ウィートリーは「スピードを落とす必要がある」という指摘を否定している。

    レース序盤、ボルトレトはアプローチ速度が高すぎた結果ロックアップを誘発し、ストロール側面へ突っ込む形でアクシデントが発生。

    ストロールは即時リタイアとなり、ボルトレトも2周目終盤でマシンを止めざるを得なかった。前戦ブラジルGPでも1周目にストロールと接触しており、2戦連続の早期リタイアとなっている。

    ウィートリー代表「“スローダウンしろ”は正しいアプローチではない」
    ジョナサン・ウィートリーは、ボルトレトに対する「慎重に走るべき」との声に対して明確に反論した。

    「レーシングドライバーに“スローダウンしろ”と言うのは、必ずしも成功するアプローチではない」とウィートリーは語った。

    「彼はミスをした。ブレーキングポイントを誤っただけだ。ただ、レース後にランスを訪ねて謝罪した姿勢には本当に謙虚さを感じた」

    「その点はガブリエルの素晴らしい部分だ。レース後に彼ととても良い会話をした。F1の良いところは、すぐ翌週にまたやり直せることだ」

    さらにウィートリーは、ボルトレトの週末を総合的に評価し、内容自体は悪くなかったと強調した。

    「彼は壁から距離を取りつつ、ペースを慎重に積み上げていった。最後の計測ラップでセクター1がやや慎重すぎたことを除けば、楽にQ2へ進めていたはずだ」

    「まだデビュー年であり、これは純粋なドライバーのミスだということを忘れてはいけない」

    ガブリエル・ボルトレト ザウバーF1チーム

    ボルトレト「完全に自分のミス。5メートル手前で止まれていれば…」
    ボルトレト本人も、接触の責任を全面的に認めている。

    「ブレーキングポイントを誤った。あと5メートル手前で踏んでいれば多分止まれたと思う。ランスに申し訳ない。自分のミスで、あまり言うことはない」

    新人らしい読み違いではあるものの、本人の明確な反省とウィートリー代表の信頼が示された形だ。厳しい結果ではあったが、次戦カタールでどのように立て直すかが注目される。

  • ニコ・ヒュルケンベルグ F1ラスベガスGP決勝「最大限の結果だ」

    ニコ・ヒュルケンベルグ F1ラスベガスGP決勝「最大限の結果だ」

    ザウバーのニコ・ヒュルケンベルグは、2025年F1ラスベガスGP決勝を7位でフィニッシュし、3戦4度目となる入賞を果たした。

    ハードタイヤでスタートしたヒュルケンベルグはロングスティントを戦略の軸に据え、序盤の混戦の中でも冷静にタイヤをマネジメント。ピットストップのタイミングではルイス・ハミルトンをオーバーカットする形で前に出て、トップ10圏内をキープした。

    レース後、マクラーレン勢の失格により9位から7位へ繰り上がり、チームに貴重なポイントをもたらした。

    ヒュルケンベルグはレースを次のように振り返った。

    「今日もポイントを持ち帰ることができて、とても満足している。これが取り得る最大の結果だったと思う。前にいたドライバーは全員、自分より前からスタートしていて、しかも少し速かった。だから僕たちはやるべきことをしっかりやって、この順位を持ち帰ることに集中した」

    「低デグラデーションのレースでバリエーションも少なかったけれど、クリーンな1ストップ戦略を遂行できた。ハードでの最初のスティントは強かったし、序盤の接近戦の中でタイヤをマネジメントするのは簡単じゃなかったけど、しっかりやり切れた」

    「チームにとって重要な2ポイントを稼げたし、コンストラクターズの争いは依然としてタイトだけど、まだすべての可能性が残っている」

    ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバーF1チーム)

    ジョナサン・ウィートリーは、ヒュルケンベルグについて次のように評価している。

    「ニコはまた素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。これで2戦連続のポイント獲得だ。レースに向けてハード–ミディアムの1ストップ戦略を決めていたが、それを完璧に実行し、チームにとって非常に価値のある結果を持ち帰ってくれた」

    ザウバーはラスベガスを終えてコンストラクターズ選手権64ポイント。残る2戦で競合との差を詰める上で、ヒュルケンベルグの安定した得点力は大きな武器となりそうだ。

  • ガブリエル・ボルトレト ストロールと接触で次戦F1カタールGPで5グリッド降格

    ガブリエル・ボルトレト ストロールと接触で次戦F1カタールGPで5グリッド降格

    ガブリエル・ボルトレトは、2025年F1ラスベガスGPのオープニングコーナーでランス・ストロールと接触したことで、次戦カタールGPで5グリッド降格のペナルティを受けた。

    キック・ザウバーのドライバーであるボルトレトは、ラスベガスの市街地で行われた50周のレースを18番手からスタートしたが、ターン1の時点で数台のイン側に飛び込み、前方のストロールと接触したことで、良い結果への望みは消えてしまった。

    この接触でボルトレトはスピンを喫し、最終的に2周目にリタイアした。一方のストロールは、衝突直後にレースを終えており、このインシデントはレース後に調査対象となった。

    最終的にスチュワードは、来週末のカタール・グランプリに向けてボルトレトに5グリッド降格と、ライセンスに2点のペナルティポイントを科した。スチュワードは、ボルトレトが「極端に遅くブレーキした」と指摘している。

    さらにスチュワードは、ボルトレトがリタイアしたためレース中に科すことができなかった10秒ペナルティの代替として、「ガイドラインに従って」このグリッド降格を適用したと付け加えた。

    「僕のミスだった。自分が持っていたグリップと、自分がコース上のどこにいたかを誤判断したんだ」と、ここ3レース連続でクラッシュしているボルトレトは語った。

    「スタートがすごく良くて、ウィリアムズのイン側に仕掛けに行った。そしてウィリアムズの左側にマシンを置いたときには、もうブレーキすべきタイミングだった。でも5メートル遅くブレーキしてしまい、コーナーに少し長く入りすぎてしまった」

    「完全にイン側に入り込んでいたからコーナーを回り切る角度がなかったし、ただ読み違えただけだった。僕のミスだった」

    ストロールは次のように語った。「こういうことは起きる。レースだ。時々こういうことが起きるし、そういうものだよ」

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  • “F1の新章”へ向かうアウディ、その原点と歴史で存在感を示す

    “F1の新章”へ向かうアウディ、その原点と歴史で存在感を示す

    キャデラックが新規参入チームとして大きな注目を集める中、アウディは静かに、しかし確実に自らのF1プロジェクトを前へ進めている。アウディがF1参戦を発表したのは3年以上前。2022年にはザウバーとの提携を正式発表し、ドナウ河畔ノイブルクの本社施設には新たなパワーユニット部門を設置した。その後、チームの完全買収も完了し、2026年からF1グリッドに並ぶ準備が整いつつある。

    キャデラックの派手なローンチとは対照的に、アウディはこれまで慎重なアプローチを続けてきた。カタール資本からの投資やRevolut、Adidasとのパートナーシップを公表したものの、ブランド発信の面では控えめだった。しかし2025年11月、いよいよ参戦目前となったミュンヘンで、アウディは明確に“F1時代の到来”を告げるイベントを開催した。

    “歴史”で語るアウディのレース哲学
    この日、アウディが特に強調したテーマが「歴史」だ。2026年のイメージを示すR26コンセプトリバリーを披露しつつ、同社が長年にわたって築いてきたモータースポーツの伝統を改めて示す構成となった。

    会場には、往年の名車アウトウニオン・タイプCが姿を見せ、ゲルノート・デールナーCEO、F1プロジェクト責任者マッティア・ビノット、チーム代表ジョナサン・ウィートリーといった主要人物が歴代アウディ車に乗って登場した。

    ドライバーのニコ・ヒュルケンベルグとガブリエル・ボルトレトも、象徴的なアウディ・クワトロのラリーカーに同乗して登場。さらに、トム・クリステンセン、ハンス=ヨアヒム・スタック、ミシェル・ムートン、アラン・マクニッシュといったレジェンドたちもイベントに加わった。

    アウディはラリーGr.B時代のタイトル、R10 TDIによるル・マン初のディーゼル制覇、そしてダカールで電動駆動車として初優勝を果たしたRS Q e-tronなど、革新的技術と勝利の歴史を積み上げてきたブランドでもある。

    ジョナサン・ウィートリーは、その歴史が自身をアウディへと導いた理由だと語る。

    「僕は“クルマが好きな人間”なんだ。アウディのF1プロジェクトに誘われた瞬間、心のどこかで自然に惹かれた。どこかを去るという感覚ではなかった。子供の頃、森の中を走るクワトロの炎を見ながら育った。技術への探求心、そして何をどう変えるか、アウディが挑んできた姿勢そのものが魅力なんだ」

    2030年に“勝てるチームへ” 明確に示されたロードマップ
    アウディはイベントの随所で「未来」を語った。会場には2026年オーストラリア開幕まで“115日”を刻む巨大カウントダウンが設置され、F1参戦の本格始動が迫っていることを強調。さらに、より重要な節目として「2030年に世界選手権を争うチームになる」という目標が繰り返し掲げられた。

    マッティア・ビノットはその目標について「野心的だ。我々は野心的であるべきだ」と語り、デールナーCEOは他のアウディのレースプロジェクトから学んだという。

    「このプロジェクトには、新しいチーム、新しい体制、まったく新しい要素が一度に集まっている。2026年は特にチャレンジングな年になるが、長期計画を掲げている。高速で学び、適応していくことが求められる。過去のプロジェクトを基準にすれば、4年間で“勝てる状態”に近づくことは、野心的ではあるが現実的でもある」

    アウディは自らを「挑戦者→競争者→勝者」という3段階で進化させる構想を示しており、2030年はその最終段階だ。

    アウディ F1

    既存チーム買収によるアドバンテージ、そしてF1という新世界
    巨額の投資によってザウバーの設備やインフラは大幅に強化されている。既存チームを引き継ぐことは、新規参入チームとしての成長速度を高めるうえで大きな利点となる。

    ただしアウディ自身も認めるように、F1はかつて成功してきたカテゴリーとは異質の世界だ。“四輪駆動の王者”“耐久レースの革新者”“電動オフロードの開拓者”であっても、F1という巨大競争市場に適応するには険しい道が待ち受ける。

    それでもアウディは、自らの歴史に刻まれた数々の挑戦と成功を武器に、「F1という新章を切り開く準備が整っている」と強調している。

  • ニコ・ヒュルケンベルグ「アウディF1での期待値は高まるが現実的であるべき」

    ニコ・ヒュルケンベルグ「アウディF1での期待値は高まるが現実的であるべき」

    ニコ・ヒュルケンベルグは、現在のサウバーが来季ついにアウディのワークスチームへと生まれ変わることで、チームに対する世間の見方が大きく変わるだろうと語った。しかし同時に、「いきなり勝てる」といった過剰な期待は抱くべきではないと強調している。

    サウバーは長い歴史の大半で中団に属してきたチームであり、コンストラクターズランキングでトップ6に入ったのは2022年の6位が近年の最高成績。

    2026年からの完全なアウディ体制に向けて歩みを進めているものの、ヒュルケンベルグは“変わるのは perception(認識)であって、すぐに順位表の最上位に躍り出るわけではない”と冷静だ。

    「認識は確実に変わる。アウディという大きな自動車メーカーになるわけだから、もっと多くの視線が注がれるし、もっと大きな期待をされる。でも、我々は現実的であるべきだ」とヒュルケンベルグはコメント。

    「最初からレースに勝てるとは思っていない。これは長い旅の始まりで、インフラ面でもファクトリー面でもトップチームにはまだ大きなアドバンテージがある。でも僕らは前に進んでいるし、追いつこうとしている。メーカーとして見られる来年は、チームへの期待値もこれまでとは少し変わるはずだ」

    豊富な経験をアウディの成長加速に生かす──「学習スピードを上げる手助けがしたい」
    今年38歳のヒュルケンベルグは、ウィリアムズ、フォースインディア、ルノー、アストンマーティン、ハース、そしてサウバーと多くのチームを経験してきた。この“引き出しの多さ”をアウディの土台づくりに役立てたいと考えている。

    「ドライバーとして速く走り、結果を出すのはもちろんだけど、それ以外の面でも貢献できる。とくにレギュレーションが変わる時は新しく学ぶことが多い。来年のチームの学習を少しでも早められたらと思っている」

    「経験は助けになる。違う時代、違う規則、違うクルマを知っていれば、それだけ知識の幅が広がる。そこに自分のフィーリング、データ、エンジニアリングの視点が加わる。常にテストして、答えを得て、また積み重ねていく──その繰り返しで全体像を構築していくんだ」

    アウディ F1 ニコ・ヒュルケンベルグ

    “15年目でアウディのワークスドライバー”という誇り
    どれだけ結果が出るかは未知数だが、ヒュルケンベルグには特別な感情がある。ドイツの名門アウディのF1ワークスドライバーに就任するという事実は、キャリア終盤の彼にとって大きな意味を持つ。

    「すごくクールだし、そう何度も巡ってくる機会じゃない。2023年にハースへ戻ってから、そこから物事がどう動いていったかを考えると、本当にクレイジーだと思うよ。15年間この業界でやってきて、そこからアウディというメーカーのファクトリードライブにたどり着いた。とても誇りに思っているし、幸せだ」

  • ザウバーF1 ラスベガスGPで別れを刻む“ファイナルラップ”特別リバリー

    ザウバーF1 ラスベガスGPで別れを刻む“ファイナルラップ”特別リバリー

    サウバーF1チームは、ラスベガスGPに向けてチェッカーフラッグをあしらったワンオフの特別リバリーを公開した。これは、F1におけるサウバーの歴史に終止符が打たれることを象徴するものだ。

    サウバーの名称は、30年以上にわたり多様な形でF1に存在してきたが、2026年の大規模レギュレーション変更に合わせてアウディによる完全買収が完了し、F1から姿を消すことになる。

    ラスベガスの夜に“チェッカーフラッグ”を纏うC45
    ウィリアムズがすでにラスベガスGP向けの特別カラーを発表するなど、複数チームがワンオフデザインを準備する中、サウバーもアメリカのナイトレースに向けた特別仕様を公開した。

    今回の変更点は従来のグリーンとブラックの通常カラーから大幅には乖離していないが、C45の両マシンにはチェッカーフラッグのモチーフが波打つように描かれている。チームがF1で“最終コーナー”に差し掛かっていることを象徴するデザインだ。

    サウバーは今季、マイアミとスペインでもワンオフリバリーを採用しており、タイトルスポンサーのステーク/キックとともに、華やかなアメリカの舞台に合わせて再びリバリーを変更することになった。

    ザウバーF1チーム ラスベガスグランプリ

    「チェッカーフラッグのスリルと感情への鮮烈なオマージュ」
    ザウバーは今回のラスベガス仕様について、F1を象徴するチェッカーフラッグのスリルと感情に着想を得た「鮮烈なビジュアル・トリビュート」と表現している。

    「動きの中で再解釈されたスイープ状のチェッカー要素は、まるでフィニッシュラインで振られた瞬間を捉えたかのようにボディワーク上をねじれながら走る。これらのダイナミックなパターンは深いブラックのカーボンテクスチャーへとシームレスに流れ込み、チームのシグネチャーであるエレクトリックグリーンがアクセントとして加わる。結果として、スピード感に満ち、生命力があり、ラスベガスのネオングローの下で“本領を発揮する”かのような、自信に満ちたルックとなっている」

    ザウバー ラスベガスグランプリ F1

    消えゆく“サウバー”の名前と、接戦の中団争い
    サウバーは現在、コンストラクターズランキング6位争いの真っただ中におり、6位のレーシングブルズから9位のサウバーまで20ポイント差という混戦が続いている。

    こうした中での“最後の特別カラー”は、サウバーの時代が終わりを迎える象徴的な節目にもなった。2026年からはアウディがワークスチームとして再ブランド化する予定で、先週にはアウディのリバリーコンセプトが公開されている。

    チーム代表ジョナサン・ウィートリーはデザインについて次のように語った。

    「ラスベガスはスペクタクル、エネルギー、そして限界への挑戦がすべてのレースだ。このリバリーはまさにそれを体現している。

    『Final Lap』デザインは、大胆で、派手で、自信にあふれている。我々が進む道のりと、その途中で刻んできたあらゆるマイルストーンを表現している。そしてStakeとの旅路にふさわしいトリビュートであり、シーズン終盤に向けた力強い送り出しだ」

  • ニコ・ヒュルケンベルグ F1終盤で予選力が復調は「気合いを入れただけ」

    ニコ・ヒュルケンベルグ F1終盤で予選力が復調は「気合いを入れただけ」

    ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)は、シーズン中盤にガブリエル・ボルトレトに予選で後れを取る形となっていたものの、直近4戦で再び優位に立っている理由を語った。

    今季中盤、ニコ・ヒュルケンベルグは1周ペースで苦戦し、チームメイトのガブリエル・ボルトレトが安定して前に立つ展開が続いた。しかし、サンパウロGPを含む直近4戦ではニコ・ヒュルケンベルグがすべて上回り、予選対決は現在11対10でボルトレトが依然リードするものの、その差はごく僅かに縮まっている。

    中盤戦の失速とボルトレトの伸び
    シーズン序盤、ニコ・ヒュルケンベルグは経験値の差を生かし、ヨーロッパラウンドに入る頃には4対2とリードを築いていた。

    しかし、その後は1周ペースの低下とガブリエル・ボルトレト側の改善が重なり、ヨーロッパ離脱時点では11対6と大きく逆転されていた。

    「ちょっと気合いを入れて、やるべきことをやっただけだ」予選力復調の理由
    ニコ・ヒュルケンベルグはインテルラゴスでのガブリエル・ボルトレトの母国GPを前に、メディア(RacingNews365を含む)に次のように語った。

    「まあ、ちょっと気合いを入れて、やるべきことをやっただけだ」

    「ときにはポジティブな流れや勢いがあって、ときにはそれがないこともある。夏の時期には明らかに難しい時期があった。でも僕たちは取り組み続けて、作業を続けて、ただ地道にやってきた」

    ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバーF1チーム)

    現在、両者の純粋な予選最速タイム差はわずか0.014秒。ニコ・ヒュルケンベルグにとって最近のハイライトはアメリカGPで、スプリント予選4番手を獲得しながら1コーナーで不運にも巻き込まれた。しかし決勝では8位入賞と4ポイントを獲得し、イギリスGPでの初表彰台以来となるポイントを手にした。

    サンパウロのアウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェでも9位を獲得し、復調傾向を裏付けた。

    「クルマとの関係が良くなってきた」
    ニコ・ヒュルケンベルグは続けて次のように語った。

    「クルマとのフィーリングや関係性が、夏の頃より今の方がたぶん良くなっている。これはおそらく、そのプロセスの結果だ」