カテゴリー: ポルシェ

  • ポルシェ、8気筒エンジンのための新工場を開設

    ポルシェ、8気筒エンジンのための新工場を開設

    ポルシェは、革新的な8気筒エンジンを生産するための工場を新たに竣工し、エンジンの製造を新たなステージに推し進める。

    シュトゥットガルト-ツッフェンハウゼンの中心に位置する工場は最先端の生産方式によって管理され、フル稼働時には400名の従業員が1日当たり約200基のV型8気筒エンジンを生産する。ポルシェはこの新しい生産施設に約8,000万ユーロの投資を行った。

    「ポルシェは、設計から生産にいたるまで、スポーティな高性能エンジンの象徴です。さらに私達は新しいエンジンによって、この領域で更なる強化を図ります。こうして未来に向けて、お客様に運転する楽しみを提供することを保証し、また従業員に将来の仕事を確保します。同時にポルシェを、エレクトリックモビリティの新時代に導く重要な基盤を創設します」とポルシェAG社長のオリバー・ブルーメは語る。

    ポルシェの新しいエンジン工場は、フォルクスワーゲングループ内の相乗効果にも寄与する。今後VWグループ全てのV型8気筒エンジンは、シュトゥットガルト-ツッフェンハウゼンにて製造される予定となっている。

    ポルシェAGの労使協議会議長のウーヴェ・ヒュックは「ツッフェンハウゼンはポルシェの伝説が生まれた場所であり、それは現在も生き続けています。最初の市販車である初代ポルシェ356モデルは66年前にここで製造されました。108名の従業員が働き、年間369台が製造されました。それが今日では、エンジンの生産のみで1,200名以上の従業員を雇用するまでに至りました。ポルシェの魂はエンジンの中に存在します。そして今、ポルシェは魂を生み出す新しい拠点を持とうとしています。しかし、ポルシェは新しいテクノロジーと建物だけに投資するわけではありません。人にも投資し、従業員のためにふさわしい労働条件を提供します。なぜならポルシェが成功を収めるためにもっとも重要な要素は、従業員だからです。新しいエンジンの生産施設は、ツッフェンハウゼン、シュトゥットガルトおよびバーデン=ヴュルテンベルク州、スポーツカー製造の未来、そしてとりわけポルシェの従業員に対する責任を担っています。ポルシェは単に発言するのみでなく、実際の取組で自動車産業における基準を打ち立てます。」と述べた。

    製造とオートメーションの柔軟な連携
    新しいエンジン工場の核となるのは、製造とオートメーションが調和して効率的に連結される柔軟な生産システム。まずこのシステムは、ニューパナメーラに搭載される革新的なV型8気筒エンジンの、非常に精度の高い工程を含む組み立てに導入される。そのため、十分な訓練を受けて高い技能を持つ従業員が、多くの責任を担っている。

    「私達はチームを計画段階から集中的に関与させ、新しい工場のために450以上のアイデアをもらいました」とポルシェAGの生産およびロジスティック担当取締役アルブレヒト・ライモルドは述べている。

    「これらの要望とアイデアは職場環境への最高の貢献となり、生産品質と作業条件の双方でプラスになっています。」

    たとえば、人間工学的な代表例となるアッセンブリーステーションは、各従業員が個別に調節することができる。従業員は、単調さを避けるために様々な種類の作業に携わり、組み立て工程全体について段階的に訓練を受けている。

    「究極の目標は全ての作業者がエンジン全体に精通することにあります」とライモルドは述べている

    彼らは最新のマシンと工具によってサポートされる。約100のイノベーションが生産システムのコンセプトに組み込まれている。たとえば、ポルシェは従業員による設定が可能な産業用運搬車両を導入した。リチウム-チタンバッテリーを積んだ電動運搬装置は、工場の2つのフロアをまたいで設置された16,000個の磁石によるグリッドネットワークによって導かれ、動き回る。柔軟な対応力を持つことによって、今後の製品変更や新方式に対して、生産工程を容易に適応させることができる。

    電子制御ツールも柔軟性に優れたシステムを採用している。たとえば、電子生産ネットワークを介してトルクやスピードのプリセットをいつでも変更することができる。つまり電子制御ツールは、特定の使用場所に限定されることなく、新しい仕事場に取り付けるだけで、原則的に組立工程で広く使用できる。さらに、人間工学的に最適化された工具によって、使いやすさが向上し、作業はいっそう容易になる。新しいエンジンの組み立ては3.5分ごとに始まり、95のワークピースキャリアが、全長432mのU形のラインに沿ってエンジンを運ぶ。110の作業サイクルのうち71サイクルが製造エリアにあり、8気筒エンジンが6.2時間で製造される。新しいV型8気筒エンジンの生産工程においてはデジタル化とデータ管理機能の活用がさらに増えている。

    ポルシェAGのアグリゲートおよびコンポーネント部門の責任者であるクリスティアン・ウィルは、「エンジンが完成してテストされた後、各エンジンについて約2,300のデータユニットを回収することが可能です。製造開始からかなり早い時期に品質変動を検出して不具合の発生を防ぎます」と述べている。

    柔軟な成長を可能にする多機能な工場構造
    2014年初頭に建設が始まった新しいエンジン工場は、ポルシェの主要生産拠点の西側の拡張ゾーンにある。建物のフロア面積は約10,000m2で、工場は1階のロジスティクスと上階のエンジン組み立ての2つの階に分割されている。多機能構造の生産エリアには、フレキシブルな使用を阻害するような恒久的な構造物はほとんどない。コンセプトは、新しいテーマ内容と製品を追加する際の選択肢が失われないようにすることにある。そのため、新エンジン工場の区画と周辺には拡張のための準備がなされている。建物はポルシェが拡張するために取得した25,000m2の区画の北東ゾーンに建設された。更なる拡張工事のために建物の反対側のスペースを使用できるように、正面に沿ってオフィスとソーシャルスペースを備えた3階建てのエントランスエリアがある。内部には、上階にもうひとつの作業階を設けられるようにスペースを確保して設計されている。

    ポルシェは、エンジン工場の建造物の持続可能性についてもマイルストンを達成する。新しい建造物が属する場所は、ドイツ持続可能な建築物協会(DGNB)からゴールド認証の事前証明書をドイツで最初に受けた産業地区である、プラント4の一部にあたる。建物は40の持続可能性基準に基づいて評価を受けた。とりわけ、建物の屋根の太陽光発電システムは年間242,500kW/hの電気エネルギーを発生する。これは従来の発電に比べて、発生するCO2に換算すると、105トンの削減となる。さらに、広大な屋根が植物により緑化されており、大気環境の改善に寄与している。

    投資プログラムによってよりいっそうのパワフルな成長を遂げるポルシェ
    ここ数年でポルシェは3億ユーロ以上をシュトゥットガルト-ツッフェンハウゼンの主要生産拠点に投資してきた。ポルシェは、新エンジン工場(以前のワイヤー工場)に隣接する旧トランスミッション製造施設を、中核ワークショップに変更することを計画している。若いポルシェ従業員のための新しいトレーニングセンターを以前の路面電車の停留所跡地に建設した。ポルシェAGは、将来のプロジェクトに向けて中心部の事業用地をさらに開発するために、シュトゥットガルトの保有地を2倍以上の600,000m2に拡大した。数年以内に10億ユーロを超える追加の投資を計画しており、更なる成長を後押しするために必要な資金を確保する。

    革新の主なけん引役は、初のフル電動スポーツカー。ツッフェンハウゼンだけでも1,000以上の新しい仕事がこの製品のために創出される。ポルシェは約7億ユーロを主要生産拠点に投資し、今後の数年間に新しい塗装工場と単独の組立工場を建設する。エンジン工場は、電気駆動部を製造するために拡張され、既存のボディ製造ショップは拡張される。ヴァイザッハ開発センターなどへの投資も行われる。

  • ポルシェ、新型パナメーラを発表

    ポルシェ、新型パナメーラを発表

    ポルシェは、新型パナメーラを発表。パナメーラ4Sおよびパナメーラターボの予約受注を7月28日(木)より全国のポルシェ正規販売店にて開始する。

    新しいパナメーラは二つの相反する要素、スポーツカーのパフォーマンスとラグジュアリーサルーンの快適性、をこれまでにないほど高い次元で融合している。

    「我々は2009年、パナメーラと共にラグジュアリースポーツサルーンという新たなセグメントを切り開きました。以来、15万台以上のパナメーラが販売されています。新しいエンジンとデザイン、最新のテクノロジーを得て、ニューパナメーラは完全に生まれ変わったと言えるでしょう。ニューパナメーラを生産するライプツィヒ工場には5億ユーロを投資し、ボディ生産設備を一新しました」とオリバー・ブルーメ社長は述べた。

    新型パナメーラのデザインはダイナミックなフライラインによりスポーツカーのアイコンである911とのつながりを生み出している。

    スタイル ポルシェのトップであるマイケル・マウアーは「クーペの様なルーフラインはよりダイナミックになりました。新たなサイドウィンドウを含む要素はサイドビューをクーぺに近づけ、より「スピード」を感じさせるデザインになりました」とコメントしています。ポルシェはニューパナメーラのデザインを「一目でパナメーラと分かること。そして、これまでパナメーラが持っていた特徴をさらに強化し、ウィークポイントであった点はすべて解消したもの」と表現していた。

    新型パナメーラに搭載される新しいツインターボエンジンは、よりパワフルになった。また新しい8速ポルシェ・ドッペルクップルング(PDK II)は16%の燃費向上に寄与している。11月のヨーロッパを皮切りに世界各国のマーケットに導入されるのは4WDのモデル。パナメーラ ターボのV8ガソリンエンジンは最高出力404 kW/550 PS、パナメーラ4SのV6ガソリンエンジンは最高出力324 kW/440 PS。

    更なる快適性とスポーツ性能を追求した新型パナメーラは、リアアクスルステア、アクティブロールコンペンセーション、3チャンバーエアサスペンション、4Dシャシーコントロール システムなどを装備している。これらの新しいシステムはパナメーラの快適性と安全性を大きく向上させる。

    新型パナメーラとともに、未来志向のディスプレイとコントロールコンセプトも新たに市場へ導入される。ポルシェ・アドバンストコックピットは、スマートフォンの様な操作性と視認性に優れたLEDスクリーンにより、直感的な操作が可能となった。

    新しいポルシェ コミュニケーション マネージメント システム(PCM)はインテリジェントな機能とオンラインサービスを提供する。パナメーラでの採用により、全てのポルシェにおいてポルシェ コネクトがオーダー可能となった。ポルシェ コネクトはデジタルサービスやスマートフォンを通じてのリモートコントロールによりクルマが持つ機能を拡張するだけでなく、効率的な運転にも役立つ。

    新型ポルシェ パナメーラ4S、パナメーラターボ 希望小売価格
    パナメーラ4S (8速PDK/右):¥15,910,000
    パナメーラターボ (8速PDK 右 / *左):¥23,270,000
    *パナメーラターボ左ハンドル車の予約受注は期間限定

    Panamera Turbo Poesche Panamera

  • ポルシェ、トヨタに敬意 「パフォーマンスは感動的だった」 / ル・マン24時間

    ポルシェ、トヨタに敬意 「パフォーマンスは感動的だった」 / ル・マン24時間

    2016年のル・マン24時間レースの勝者となったポルシェは、残り数分に非情なトラブルに見舞われたトヨタのパフォーマンスが「感動的だった」と敬意を表した。

    トヨタとポルシェは終始トップ争いを展開。ラスト2時間ではトヨタの5号車がおよそ30秒のリードを維持しており、勝利は確実と思われた。

    ポルシェは、残り15分でパンクによって2号車がピットインを強いられたことで中嶋一貴に1分以上のリードを許しており、その時点では敗北を受け入れていたと認めている。

    しかし、トヨタは残り6分の段階でパワーを失い、最終ラップのスタートでニール・ジャニに勝利を手渡すことになった。

    ポルシェのLMP1担当副社長を務めるフリッツ・エンツィンガーは「まず、今回のレースでトヨタが見せた感動的なパフォーマンスに対して敬意を払いたいと思います」とコメント。

    「彼らとは素晴らしい戦いができました。フィニッシュ直前まで、私達は2位になるだろうと思っていましたが、突然にル・マン2連勝を獲得することになりました」

    チーム監督のアンドレア・ザイドルもトヨタへの同情を示したが、レースを通して厳しいプレッシャーをかけ続けたことも優勝に繋がったと考えている。

    「まず、ケルンの仲間であり友人であるトヨタの無念をお察しします」とアンドレア・ザイドルはコメント

    「このような偉大なレースでの優勝を最終ラップで逃すことは、どんなに手強いライバルにも起こって欲しくないことです」

    「しかし、モータースポーツでは最後まで何が起きるかわかりません。これこそ私達がこのスポーツを愛して止まない理由でもあります」

    「激しい戦いの末に得た勝利です。私達は、トヨタにプレッシャーをかけ続け、レース全体を通じて全力を出し切りました」

    「また、ドライバー達もよく頑張りました。トップの入れ替わりが激しいレースでもありました」

    ポルシェのドライバーたちも、トヨタに同情を示している。

    2号車でポールポジションを獲得したニール・ジャニは「トヨタのドライバー達の気持ちを考えると悲しくなります」とコメント。

    「レーシングドライバーであれば誰でも、それがどのようなものか痛いほどわかると思います」

    元F1ドライバーのマーク・ウェバーは「今日トヨタに起こったことは受け入れ難く、残念なことです」と語り、ティモ・ベルンハルトは「トヨタチームの皆さんは残念でした。あのような形での敗退は残酷です」と述べた。

  • ポルシェ、ドラマチックな展開で18回目の総合優勝を果たす

    ポルシェ、ドラマチックな展開で18回目の総合優勝を果たす

    ポルシェの919ハイブリッドは、ル・マン24時間レースにおいて真夜中からトヨタと優勝を賭けた激しい一騎打ちを展開したが、誰も予想しなかったエンディングを迎えることになった。

    レースもいよいよ最終ラップ目前になり、誰もがトヨタの勝利を確信していたが、そのトヨタTS050ハイブリッドにトラブルが発生しコース上でストップした。

    そして263,000人の大観衆の前で最初にチェッカーフラッグを受けたのは、ロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リーブ組のカーナンバー2のポルシェ919ハイブリッドだった。このトリオは、2014年にブラジルで919ハイブリッドを初優勝に導いたメンバーだ。

    世界で最も過酷な自動車レースであるル・マンにおいてポルシェが18回目の総合優勝を果たした。最多優勝記録保持者であり、タイトルディフェンダーでもあるポルシェ本社には、2年連続で勝利の証であるトロフィーが飾られることとなった。2015年には、アール・バンバー/ニコ・ヒュルケンベルグ/ニック・タンディ組がドライブするポルシェ919ハイブリッドが優勝を果たしている。ポルシェはル・マンにおいて1970年6月14日にハンス・ヘルマン/リチャード・アトウッド組が917 KHクーペで初優勝している。

    現世界耐久選手権王者であるティモ・ベルンハルト/ブレンドン・ハートレー/マーク・ウェバー組がドライブしたカーナンバー1のもう1台のポルシェ919ハイブリッドは、夜間に長いピットストップを行ったが、その後の巻き返しによって総合13位でフィニッシュした。これは、LMP1クラスでは5位の結果だった。今回のル・マンでは、ポルシェはFIA世界耐久選手権(WEC)のマニュファクチュアラー部門で合計71ポイントを獲得した。ル・マン24時間レースでは、6時間で競われる他の8戦の倍のポイントが与えられる。この結果、ポルシェは127ポイントでアウディ(95ポイント)とトヨタ(79ポイント)をリードしている。また、ドライバー部門では、デュマ/ジャニ/リーブが合計94ポイントで、2位に39ポイント差をつけている。

    日曜昼以降のポルシェのレース展開
    カーナンバー2のポルシェ919ハイブリッドではマルク・リーブが4連続スティントで強さを発揮し、時折レースをリードした。日曜日の11時50分、331周の終了後ニール・ジャニにクルマを渡す。ジャニは345周、359周および373周を終了した時点で給油を行った。381周を終えて、彼はスローパンクのためピットインしなければならなかった。レース終盤では最高でも2位フィニッシュという場面が何度もあった。しかし、最終ラップに入る前に、トップのトヨタがコース上で停止し、919ハイブリッドが優勝した。

    一方、カーナンバー1の919ハイブリッドは、序盤レースをリードしていたが、23時13分にポンプの故障および損傷により39周遅れとなった。285周を周回した11時20分、車両はマーク・ウェバーに託された。ウェバーは、298周および311周で給油を行った。324周を終えて、ウェバーはティモ・ベルンハルトと交代し、ベルンハルトは337周で少量の給油のために短時間の最終ピットストップを行った後、346周、総合13位でレースを完走した。

    レース後のコメント

    フリッツ・エンツィンガー(LMP1担当副社長)
    「まず、今回のレースでトヨタが見せた感動的なパフォーマンスに対して敬意を払いたいと思います。彼らとは素晴らしい戦いができました。フィニッシュ直前まで、私達は2位になるだろうと思っていましたが、突然にル・マン2連勝を獲得することになりました。ヴァイザッハのすばらしいチーム、ここル・マンのチーム、そしてポルシェの従業員全員およびファンの皆様のサポートに感謝しています」

    アンドレア・ザイドル(チーム監督)
    「まず、ケルンの仲間であり友人であるトヨタの無念をお察しします。このような偉大なレースでの優勝を最終ラップで逃すことは、どんなに手強いライバルにも起こって欲しくないことです。しかし、モータースポーツでは最後まで何が起きるかわかりません。これこそ私達がこのスポーツを愛して止まない理由でもあります。激しい戦いの末に得た勝利です。私達は、トヨタにプレッシャーをかけ続け、レース全体を通じて全力を出し切りました。また、ドライバー達もよく頑張りました。トップの入れ替わりが激しいレースでもありました。919ハイブリッドの開発と準備を開始して以来、私達は常に強力なパフォーマンスを発揮してきました。これは、レースチームだけではなく、ヴァイザッハの同僚達にも言えることです。カーナンバー2のクルー達の歓びも、カーナンバー1のメンバーの悔しさも、私にはどちらもよくわかります。トラブルと長い修理がなければ、カーナンバー1も優勝争いに加わっていたでしょう。ル・マンでの勝利はシーズンのハイライトであり、私達がわずか3年目にして2連勝を達成できたのは信じ難いことです。今、私達は希望に満ちています。ここで、沢山のポイントを稼ぐことができたので、2つのタイトル防衛を目指します」

    ポルシェ919ハイブリッド(カーナンバー1)のドライバーのコメント

    ティモ・ベルンハルト(35歳、ドイツ)
    (参戦数9戦:2010年総合優勝、2015年総合2位、2002年GTクラス優勝)
    「カーナンバー2とポルシェ チームに祝辞を贈ります。彼らにはその十分な資格がありました。24時間にわたって勝利のために戦い、最後は接戦でした。トヨタチームの皆さんは残念でした。あのような形での敗退は残酷です。私達も不運で、マーク、ブレンドン、そしてクルー達も悔しい思いをしています。クルーは、粘り強く919ハイブリッドの修理に取り組み、走れる状態にしてくれました。今年は不運に見舞われましたが、乗り越えるしかありません。クルマは本当に速く、トップグループのスピードにも簡単についていくことができました。少なくともポルシェのためにマニュファクチュアラー部門のポイントを稼ぐことができたのは幸いでした。来年、また私達はここに戻ってきます。私は決して諦めず、ポルシェでル・マン優勝を目指します」

    ブレンドン・ハートレー(26歳、ニュージーランド)
    (参戦数4戦: 2015年総合2位)
    「それぞれの最終スティントでは、ポイントを獲得するために各ドライバーが走行する時間を確保することが重要でした。私達のクルマのフィーリングはすごくよかっただけに、前半のトラブルが悔やまれます。しかし、チームの全員が闘志を燃やし、カーナンバー2の幸運を祈りました」

    マーク・ウェバー(39歳、オーストラリア)
    (参戦数4戦: 2015年総合2位)
    「私はチームとあそこまでの頑張を見せたメカニック達を強く誇りに思います。またポルシェでル・マンに参戦できたのは名誉あることです。今日はウォーターポンプのトラブルで運がありませんでした。これは重大なトラブルで、大きくタイムをロスしました。しかし、ティモとブレンドンは素晴らしいドライビングをしてくれました。最後は、私達はカーナンバー2のために祈り、そしてもちろん私はチームメイト達とポルシェの勝利を喜んでいます。今日トヨタに起こったことは受け入れ難く、残念なことです」

    ポルシェ919ハイブリッド(カーナンバー2)のドライバーのコメント

    ロマン・デュマ(35歳、フランス)
    (参戦数15戦:2010年総合優勝、2007年総合3位、2015年総合5位、2013年GTEクラス優勝)
    「トヨタは残念でした。素晴らしいレースでした。しかし、ル・マンで勝てるチャンスが与えられれば、もちろん断ることはありません。今すぐには、何が起こったかを消化することはできません。今シーズンは、レギュレーション変更のため、ラップタイムはわずかに遅くなりました」

    ニール・ジャニ(32歳、スイス)
    (参戦数7戦: 2015年予選周回タイム新記録、決勝総合5位)
    「トヨタのドライバー達の気持ちを考えると悲しくなります。レーシングドライバーであれば誰でも、それがどのようなものか痛いほどわかると思います。ル・マン24時間での優勝をまだ言葉で表現することはできません。夢を見ているような感じです。それでも、私達はほとんどミスをすることなくクルマを限界までプッシュし、非常によいレースをしたと思います。この勝利は、本当に特別なものです」

    マルク・リーブ(35歳、ドイツ)
    (参戦数10戦: 2015年総合5位、2013年GTE/2010年GT2/2005年GTクラス優勝)
    「トラフィックと減速ゾーンで、まったく簡単なレースではありませんでした。私が行った4連続スティントは、限界ギリギリでした。最初の3回のスティントでさえ、トラフィックでのオーバーテークや、リスクを冒したりと、非常に難しいものでした。そして、最後のスティントでは燃料を節約しなければならず、特に性能が低下し始めたフロントタイヤも労らなければなりませんでした。私は全力を尽くしました。今日起こったすべての出来事を消化するのは、これからです」

    関連:【動画】 2016 ル・マン24時間レース ハイライト

  • ル・マン24時間:劇的な展開でポルシェが逆転勝利

    ル・マン24時間:劇的な展開でポルシェが逆転勝利

    第84回ル・マン24時間レースは劇的な幕切れとなった。

    6月18日(土)午後3時にル・マン24時間レースがスタート。スタート直前の強い雨により、セーフティカーの先導で約50分、7周の後に本格戦を開始。トヨタの2台と昨年の王者ポルシェとの三つ巴の首位争いを展開された。

    レースは終盤までトヨタの#5号車が完全にレースを支配していた。しかし、残り6分、トヨタ TS050ハイブリッドにマシントラブルが発生。ドライバーを務める中嶋一貴の「ノーパワー、ノーパワー」と無線で悲痛な叫び声を挙げ、残り3分でホームストレート上でマシンをストップ。ポルシェの#2号車にトップの座を譲ることになった。

    優勝は、ポルシェ #2号車(ロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リーブ)。ポルシェはル・マン24時間レース2連勝を成し遂げた。

    2位はトヨタ #6号車(ステファン・サラザン/マイク・コンウェイ/小林可夢偉)、3位にはアウディ #8号車(ルーカス・ディ・グラッシ / ロイック・デュバル / オリバー・ジャービス)が続いた。

    トヨタ #5号車は規定の6分以内に最終周を走り切ることが出来ず、失格となった。

    関連:【動画】 2016 ル・マン24時間レース ハイライト

  • ポルシェ、ル・マンにおける18度目のポールポジションを獲得

    ポルシェ、ル・マンにおける18度目のポールポジションを獲得

    ポルシェのポルシ919ハイブリッドはFIA世界耐久選手権(WEC)の2016年シリーズ第3戦として開催されている第84回ル・マン24時間レースの予選において、ポールポジションを獲得した。これはポルシェにとってル・マンにおける18度目のポールポジションとなる。

    6月16日(木)の19時から21時と22時から24時行われた予選2セッションはほぼウェットだったため、前日夜に行われた最初の予選セッションから誰もタイムを縮めることは出来なかった。

    今年のル・マンに参戦する60台中、トップタイムを記録したニール・ジャニは水曜日の予選で13.629kmに及ぶ長いサーキットを3分19秒733で駆け抜けた。ジャニは自身が昨年記録した現在のコースレイアウトにおける予選レコードラップの3分16秒887に挑んだが、難しいコンディションということもあり記録更新はならなかった。

    水曜日の予選、3分20秒203でジャニに続いたのは現WEC世界チャンピオンのティモ・ベルンハルトだった。この結果、昨年と同じ6名のポルシェワークスドライバー達がフロントローを独占する事になった。ポルシェがル・マンの予選でワン・ツーを獲得するのは15度目。

    ジャニは総出力662kW(900ps)を発生するゼッケン2の919ハイブリッドをロマン・デュマ/マルク・リーブとシェアする。ベルンハルトは世界で最もアグレッシブなドライバーとして知られるブレンドン・ハートレー/マーク・ウェバーとゼッケン1の919ハイブリッドへ乗り込む。

    フリッツ・エンツィンガー(LMP1担当副社長)
    「ル・マンのスタートで2台を最前列に並べる事ができた、素晴らしい予選でした。これはチームが919ハイブリッドを万全の状態で送り出すために痛みを伴うほどの労力を尽くした結果です。ル・マンを連破するという目標に向けて最高の土台が整いました」

    アンドレア・ザイドル(チーム監督)
    「2016年モデルの919ハイブリッドの開発が正しかったことが予選で証明されました。2台はセンセーショナルな仕事をしてくれました。レースウィークに入ってからの厳しい状況にも関わらず、技術的なトラブルやコース上でのアクシデントとはこれまで無縁です。我々のクルマが速いことは知っています。そしてWEC、特にル・マンにおいてポールポジションがレース結果に直結していないことも理解しています。チームは決勝レースに向けて最終準備に入ります。私たちが壮大な目的に向かっています。激しいコンペティションになりますが、自信はあります」

    ティモ・ベルンハルト (カーナンバー1)
    (35歳、参戦数9戦:2010年総合優勝、2015年総合2位、2002年GTクラス優勝)
    「ポルシェにとって素晴らしい結果でした。ポールポジションを獲得したチームメイト達を祝福します。今日は雨量が多く、視界も悪かったため運転するのも難しい状況でした。水曜に行われた2度目の予選で試したいくつかの事からも良い感触を得られました。もしレースでもあれだけ目まぐるしくコンディションが変わったとすれば、かなり難しくなるでしょう。柔軟な対応が求められそうです」

    ブレンドン・ハートレー (カーナンバー1)
    (26歳、参戦数4戦: 2015年総合2位)
    「あまり走れなくて残念でしたが、再びフロントローを独占し、これ以上ない予選でした。昨日ニールとティモはトラフィックに阻まれていましたし、アウディも本気でアタックはしていません。ずぶ濡れになりながらグランドスタンドやキャンプ場で応援してくれたファンのためにも、全力を尽くした予選を見せる事が出来ずに申し訳ない気持ちです」

    マーク・ウェバー (カーナンバー1)
    (39歳、参戦数4戦:2015年総合2位)
    「喜ぶべき予選結果です。しかし、これがレース全体で考えれば1パーセントにも満たないことも分かっています。全てのチームとドライバーが24時間レースのスタートを待ち望んでいます」

    ロマン・デュマ(カーナンバー2)
    (35歳、参戦数15戦:2010年総合優勝、2007年総合3位、2015年総合5位、2013年GTEクラス優勝)
    「ル・マンにおける目標は予選ではなく決勝レースであることは明らかです。とは言え最前列からスタートできるのは良い事ですし、WECのチャンピオンシップポイントも獲得出来ました。ウェットでも数周し、全ての状況下において919ハイブリッドが優れていることが分かりました」

    ニール・ジャニ(カーナンバー2)
    (32歳、参戦数7戦:2015年予選周回タイム新記録、決勝総合5位)
    「昨年ポールポジションを獲得したラップは衝撃的でしたが、今年は意味合いが違います。前日はトラフィックに阻まれましたが、それでも私はマシな方だったようです。これがたくさんのマシンと一緒に走行する難しさでしょう。今日は雨と汚れで路面が酷くて、とても厳しいコンディションでした。明日スタートドライバーを務めることができるのは光栄です。昨年もポールからスタートしましたが、我々は最も不運なポルシェになってしまいました。チームは細かい所まで準備をしてくれたので、今年はもう少し幸運に恵まれることを願います」

    マルク・リーブ(カーナンバー2)
    (35歳、参戦数10戦:2015年総合5位、2013年GTE/2010年GT2/2005年GTクラス優勝)
    「プラクティスから予選まで難しい状況が続きましたが、全ては順調でした。クルマを改善し、レースに向けて多くを学んで良いタイム、そして良いグリッドを獲得出来ました。あらゆる点で我々は準備万端です」

    関連:ル・マン24時間レース 2016:テレビ放送&ライブ配信スケジュール

  • ポルシェ、2016年ル・マン24時間のパブリックビューイングを実施

    ポルシェ、2016年ル・マン24時間のパブリックビューイングを実施

    ポルシェ ジャパンは、2016年6月18日〜19日に六本木ヒルズ内“ヒルズカフェ”にてル・マン24時間レースのパブリックビューイングを実施する。

    「Porsche Le Mans Café featuring 919 Hybrid」では、919ハイブリッド(2016年モデル)やパナメーラS E-ハイブリッドを展示してサルテサーキットの雰囲気を演出しながら、昼間はカフェ、夜間はスタンディングバーという形態で、Porsche Le Mans Café オリジナルメニュー等も提供致する(有料)。

    DJによる音楽演出が行われる中、CS放送「J-SPORTS」の生中継を特大の画像でライブ感を持って楽しめる。

    FIA世界耐久選手権(WEC)のトップカテゴリーに復帰してから僅か2シーズン目の2015年、ポルシェ919ハイブリッドはル・マン24時間レースにおいてポールポジションを獲得し、自身の持つメーカー最多勝利数を更新する17度目の総合優勝を果たした。

    ポルシェ 919ハイブリッドは、WECの2015年マニュファクチャラーズおよびドライバーズチャンピオンシップとしてゼッケン1、2を身に着け、2016年シーズンを戦っている

    Porsche Le Mans Café featuring 919 Hybrid

    場所:
    六本木ヒルズ ヒルズカフェ/スペース

    日時:
    6月18日(土) 11:00〜23:00
    6月19日(日) 11:00〜23:00
    ※J-SPORTS放送上映は18日 21:30〜(19日)06:00および19日 12:00〜13:55/16:00〜23:00

    展示車両:
    919 ハイブリッド 2016年モデル(展示用車両)
    パナメーラ S E-ハイブリッド

    その他:
    Porsche Le Mans Café オリジナルメニューを提供

  • ポルシェ、タイトルディフェンダーとしてル・マン24時間レースに挑む

    ポルシェ、タイトルディフェンダーとしてル・マン24時間レースに挑む

    ポルシェが参戦する第84回ル・マン24時間レース(6月18日/19日)へファンの期待が高まっています。ポルシェは、この世界で最も過酷なレースにおいて、最多勝記録保持者、タイトルディフェンダー、そしてマニュファクチュアラー部門およびドライバー部門のポイントリーダーとして、919ハイブリッドで挑戦する。

    ル・マンはFIA世界耐久選手権(WEC)の第3戦でもある。シーズンのハイライトとなるこのレースには、ロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リーブ組がドライバー部門のリーダーとして参戦する。

    もう1台の919ハイブリッドをドライブする、昨年のシリーズチャンピオンであるティモ・ベルンハルト/ブレンドン・ハートレー/マーク・ウェバー組は、最初の2戦では不運(シルバーストンでのアクシデント、スパ・フランコルシャンでのパンク)に見舞われたが、ここでの巻き返しを狙っている。

    サルテ・サーキットで開催されるこの伝統あるレースでは、6時間で争われる他のWECシリーズ8戦の2倍にあたる選手権ポイントが与えられる。

    ポルシェにとって、トップレベルのモータースポーツに復帰して以来、ル・マンへのエントリーは3回目となる。わずか2回目の参戦である2015年に、ポルシェは1-2フィニッシュを飾っている。革新的なライトサイジング2リッターV4ターボガソリンエンジンとエネルギー回生システム(ブレーキおよび排気エネルギー)を搭載した919ハイブリッドは、数多くのテクノロジーが投入されている。パワーユニットは662 kW(900 PS)のシステム出力を発揮し、空気抵抗を抑制した空力セッティングでル・マンに挑みます。長いストレートでは、このマシーンは頻繁に320 km/hを超える最高速度を記録する。

    6名のワークスドライバーのル・マンのレース参戦経験は合計49回にも上る。昨年2位でフィニッシュしたベルンハルト/ハートレー/ウェバー組は、今年はカーナンバー1をつけた革新的なプロトタイプをドライブする。2015年に5位でフィニッシュしたデュマ/ジャニ/リーブ組は、カーナンバー2のポルシェ919ハイブリッドで参戦する。昨年、優勝を飾ったのは、アール・バンバー/ニコ・ヒュルケンベルグ/ニック・タンディ組だった。

    フリッツ・エンツィンガー (LMP1担当副社長)
    「プレテストのためにル・マンに帰ってきたとき、チーム全員が感動しました。ル・マンでの優勝は実に困難を極めるため、この上ない経験となります。私達が2015年にわずか2回目の参戦で優勝したため、今年も優勝候補に挙げられています。私達は、その重圧に負けないようにしなければなりません。前回に比べて今回が楽に優勝できるわけではなく、実際はその逆です。ポルシェはトップカテゴリーに復帰したとき、最新のプロトタイプを投入することで新たなテクノロジーの基準を打ち立てました。ライバル達はこれに照準を合わせてきたため、今回の24時間レースはル・マン史上最も激しい展開となる可能性があります」

    アンドレア・ザイド (チーム監督)
    「レースチームとヴァイザッハのスタッフは、テストおよび準備だけでなく、開発においても良い仕事をしました。ル・マンでは多くのことを学ぶことができます。2014年のル・マンは、新生チームには時期尚早でした。それでも、私達は誰も予想しなかったほどの力を発揮し、また、フィニッシュ直前のリタイヤの苦さを味わいました。2015年には3台を投入して、決勝の1-2-3番グリッド獲得、全車完走、1-2フィニッシュを達成しました。2016年のル・マンは、チームにとって19戦目となります。これは豊富な経験とは言えませんが、技術的、オペレーション的には、私達はこれまで以上に準備が整っています。しかし、私達はレースウィーク、特にレース自体を、テクニカルなトラブルとコース上でのアクシデントなしで乗り切ることがどれほど困難なことであるかを理解しています。私達はそれを最優先に考えた上で準備を整えています」

    ティモ・ベルンハルト (ポルシェ919ハイブリッド #1)
    (参戦数9戦:2010年総合優勝、2015年総合2位、2002年GTクラス優勝)
    「私はこのレースを前に非常に興奮しています。ル・マンは、世界最大のレースのひとつで、すばらしい歴史があります。郊外の公道と常設サーキットを組み合わせたこのサーキットは本当に特別です。ル・マンでは常に冷静さを保つ必要があります。また、十分なエネルギーを貯えてレースに臨まねばならず、肉体的にも精神的にも完璧に整えておく必要があります。長時間コックピットで過ごした後でも、250 km/hでポルシェ・カーブを抜けるときに適切な判断を下すことができることが求められます。ポルシェ919ハイブリッドは最高の状態に仕上がっており、ドライバーには強力なチームのサポートがあります」

    ブレンドン・ハートレー (ポルシェ919ハイブリッド #1)
    (参戦数4戦: 2015年総合2位)
    「2012年に私が初めてル・マンを走ったとき、すぐにこのレースが好きになりました。最初の夜間のレース体験は、絶対に忘れることはありません。あの視野がせばまる感じとワープしているかのような速度感、アンジュレーションなどこのサーキット独特の個性と恐るべき直線スピードも大好きです。私の考えでは、ポルシェ・カーブは世界中のサーキットで最高の高速セクションのひとつです。この耐久レースには情熱が溢れています。その特別な雰囲気は、レース1週間前の公式車検から始まります。ル・マンの通りで行われる金曜日のパレードでは、自分が本当に歴史の一部であると感じます。そして、その歴史ではポルシェが重要な役割を担っています。ル・マンにポルシェで参戦する、という夢が現実のものとなったのです」

    マーク・ウェバー (ポルシェ919ハイブリッド #1)
    (参戦数4戦:2015年総合2位)
    「このレースは、私達、つまりティモ、ブレンドン、私、そしてポルシェにとって特別な何かを達成するすばらしいチャンスです。私達は2014年にはリタイヤするまで良い位置につけていましたし、2015年には2位に入賞しました。今年はあとひとつ順位を上げ、一緒に優勝したいと願っています。それにはまず、24時間を乗り切らなければなりません。私達は、このル・マン24時間がオペレーション、トラフィック、周回遅れの車両および天候の点で、簡単なレースでないという事実を受け止めています。これらに大きな不安はありますが、準備はできています。私達は自信過剰になっているわけではありませんが、レースに向けてこれ以上できないほどの準備を済ませました。優勝を目指す他のチームと同じだけのチャンスがあると思います。レースの前週には、しっかりと日課をこなし、寝られるときに寝て、自分の充電レベルに注意することが非常に重要です」

    ロマン・デュマ (ポルシェ919ハイブリッド #2)
    (参戦数15戦:2010年総合優勝、2007年総合3位、2015年総合5位、2013年GTEクラス優勝)
    「私にとってル・マンは1年のうちで最も重要なレースで、特にフランス人にとっては年間を通じて最大のスポーツイベントです。サーキットだけでも25万人の観客が来場し、その多くはフランス人ドライバーに注目します。このレースをポルシェで優勝するのが夢です。919でこの目標を達成するための十分な準備を整えました。すばらしいクルマ、チーム、クルーが揃っており、私は気力が充実しています」

    ニール・ジャニ (ポルシェ919ハイブリッド #2)
    (参戦数7戦:2015年予選周回タイム新記録、決勝総合5位)
    「このイベントに先立ち私達は多くのテストを行い、入念な準備を行いました。ドライバー全員が長い時間をコックピットで過ごすことができ、ポルシェ919ハイブリッドは可能な限りの準備が整っています。私個人としては、これまでの年と同じように準備しました。他のWEC戦より大幅に長い時間ドライブするため、特に持久力と首のトレーニングに重点を置きました。私にはこれまでの経験で上手く行っている手順があります。ル・マンはチームと私にとって年間最大のイベントです。年に1度の耐久レースの王冠がかかっているため、誰もが非常に張り詰めています。2016年のレギュレーションでは、燃料が減らされているためパワーは減少していますが、コーナリングスピードは上がっています。エンジニア達はよくやってくれました」

    マルク・リーブ (ポルシェ919ハイブリッド #2)
    (参戦数10戦:2015年総合5位、2013年GTE/2010年GT2/2005年GTクラス優勝)
    「私にとってル・マンは最大のレースです。私はシュトゥットガルトで生まれ、ツッフェンハウゼンのポルシェの隣ともいえる家で育ちました。私は5歳のとき、ル・マンとその後世界選手権を戦ったグループCカーが大好きでした。私は、これらのレーシングカーをF1よりずっと魅力的だと思ってきました。1回でいいからル・マンの最高クラスで総合優勝を目指して走りたいというのが私の夢でした。実際、私は今回で3回目の参戦を果たすことができ、これは私にとって非常に大きな意味をもちます。私がどれだけレースを楽しみにしているか、言葉で言い表すことはできません。プレテストは順調で、あらゆる点でこれまで以上の準備が整っています。それは車両の操縦性にも言えることで、おそらくこれこそが24時間レースでは最も重要な要因です」

    関連:ル・マン24時間レース 2016:テレビ放送&ライブ配信スケジュール

  • ポルシェ:2016 ル・マン24時間 テストデイレポート

    ポルシェ:2016 ル・マン24時間 テストデイレポート

    ポルシェが参戦する2016年のル・マンのイベントが始まりました。ポルシェ チームは、6月18日から19日に開催される24時間レースに向けて、公道9.2 kmを含む 1周13.629 kmのサルテサーキットで走行できる唯一の機会となるテストデイへ2台のポルシェ919ハイブリッドで参加した。

    公道には、有名なミュルサンヌ・ストレートも含まれ、900 PSを発揮するポルシェのル・マン・プロトタイプ(LMP1)の速度は320 km/hを大幅に上回る。

    テストデイの午後早くにマーク・ウェバーがポルシェ919ハイブリッドの最速ラップである3分22秒270を叩き出した。このオーストラリア人ドライバーは、ティモ・ベルンハルト(ドイツ)およびブレンドン・ハートレー(ニュージーランド)とチームを組む。 FIA世界耐久選手権(WEC)の現チャンピオンである919ハイブリッドはWECにおける究極のハイライトであるル・マン24時間でカーナンバー1をつけて走る。

    カーナンバー2をつけたもう1台のポルシェ919ハイブリッドのニール・ジャニは、3分22秒334のラップタイムを記録し、カーナンバー1に劣らぬラップタイムで走行した。スイス人ドライバーであるジャニは、チームメイトのロマン・デュマ(フランス)およびマルク・リーブ(ドイツ)とともに、今シーズンのWECドライバー部門をリードしている。

    この日、特に午前中は路面が滑りやすくなっていたが、昨年とは違い、雨は降らなかった。2台のポルシェ919ハイブリッドは7時間半で合計173周(2,357.8 km)を走行した。午後のセッションでは、残り30分となった17時30分に起きたアクシデントにより激しく損傷したガードレールの修理のためレッドフラッグが出された。ベストタイムはカーナンバー8のアウディが記録した3分21秒375だった。

    フリッツ・エンツィンガー (LMP1担当副社長)
    「昨年、成功を収めたル・マンに戻ってきたことは特別な瞬間でした。アラゴンでの耐久テストでも、今日のテストでも何の問題もありませんでした。タイムシートを見ると、レースウィークエンドがエキサイティングなものとなることは間違いありません。13.6 kmのサーキットでトップ4台が1.2秒以内の差に収まっています。これは、私達が今年の始めから言い続けているとおり、実力はより拮抗していて、特にル・マンに当てはまることを示しています」

    アンドレア・ザイドル (チーム監督)
    「滑り出しは好調で、レースに向けて良い自信となりました。両車とも順調で、ドライのコンディションですべてのテストを完了することができました。午前のセッションでは、セッティング作業に集中し、午後には主にタイヤの耐久性を試しました。また、セーフティカー導入およびスロー・ゾーンなど、ル・マン独特のレースの進行手順を練習することもとても重要でした。チームとして、レースウィークへの十分な準備が整っていると自信を持っています」

    ティモ・ベルンハルト
    「張り詰めたテストデイとなり、私達は重要な項目を確認しました。昨年に較べると、参戦車両が4台増え、ル・マンのルーキーが何人かデビューします。ドライバーとしては、そのような状況に適応してトラフィックの中で適切な判断を下さなければなりません」

    ブレンドン・ハートレー
    「長い1年を経て、ついにル・マンに戻って来た気分は最高でした。テスト中は、草や悪い路面状態の割には非常に速度が上がりました。我々にはル・マンを戦うための戦略があり、クルマの状態も悪くありません」

    マーク・ウェバー
    「1セットのタイヤでどれだけ走行できるかがレースの鍵となるため、タイヤの評価が今日の最優先事項でした。セッション中には予報された雨も降らず、天気が崩れなかったのが幸いでした。スムーズなテストができました」

    ロマン・デュマ
    「ル・マンでの最初の数周は路面のコンディションのため決して簡単ではありません。それにもまして、またサルテに来られたことは大変嬉しいことです。私はフランス人であり、ここには長い間住んでいたので毎回ル・マンを愉しんでいます。多くのセッティングを試し、何も問題はありませんでした。レギュレーションの制約で、昨年よりエンジンのパワーを落としていますが、車両およびタイヤは向上していて、コーナーではこれまでよりもクイックです」

    ニール・ジャニ
    「ここル・マンでの最初のスピード感をつかみました。レースウィークエンドがとても愉しみです。セッションが早めに切り上げられたことは残念でした。新しいタイヤの可能性を見極めたかったのです。しかし、この条件は皆同じです」

    マルク・リーブ
    「良いテストでした。 最初、クルマのバランスに苦労しましたし、トラフィックも容易ではありませんでした。しかしル・マンのテストデイではいつものことです。午後には、カーナンバー1とは違うエアロを試しました。私達は学習し続け、今年は過去のどのレースより準備が整っています。車両のハンドリングは良好で、24時間レースではこれが一番重要なことなのかも知れません」

    関連:ル・マン24時間レース 2016:テレビ放送&ライブ配信スケジュール

  • ポルシェ:2016 ル・マン24時間レース プレビュー

    ポルシェ:2016 ル・マン24時間レース プレビュー

    ポルシェは、6月18/19日に開催されるル・マン24時間レースに919ハイブリッドで参戦する。919ハイブリッドで3回目のエントリーを迎えるこの若きチームは、フランスのル・マンで開催される伝統あるレースにおいて、最も重要とされているFIA世界耐久選手権(WEC)のタイトル防衛に挑む。

    通算で17回の総合優勝を誇るポルシェは、サルテ・サーキットのレコードホルダーであり、2016年の世界選手権のマニュファクチュアラー部門およびドライバー部門をリードしている。

    スタート前の強烈なプレッシャーを克服するために、ポルシェ チームの戦略担当者はティモ・ベルンハルト(ドイツ)/ブレンドン・ハートレー(ニュージーランド)/マーク・ウェバー(オーストラリア)組のカーナンバー1およびロマン・デュマ(フランス)/ニール・ジャニ(スイス)/マルク・リーブ(ドイツ)組のカーナンバー2という2台のきわめて複雑なプロトタイプを最大限に管理するだけでなく、考え得るあらゆる要素を計算し、プロセスに組み込まなければならない。

    ポルシェ チーム
    チーム監督のアンドレア・ザイドルは、バイエルン生まれのストラテジスト。ザイドルは、チーフレースエンジニアのスティーブン・マイタス(オーストラリア)、ストラテジーエンジニアのパスカル・ズールランデン(フランス)およびレース車両エンジニアのカイル・ウィルソン=クラーク(イギリス、カーナンバー1)およびジェロミー・ムーア(オーストラリア、カーナンバー2)のエンジニアリングスタッフ達と協力し、あたかもチェスのプレーヤーのように無数の戦略を駆使してレースの先を読み、最適なアプローチを計画する。ただし、レースが始まれば、対応力の勝負となり、勝敗を決するのは決断力tとなる。

    レースのポイント1:給油のピットストップ
    レースを計画する上で勝負の行方を左右する大きな要素となるのは、給油のためのピットストップの間隔。WECでは、周回あたりの燃料および電気エネルギーの最大消費値が規定されているため、給油までの最長距離がわかる。また、各チームのストラテジストは、ライバル車両に関する情報も把握している。ル・マンの1周13.629 kmのコースでは、ポルシェ919ハイブリッドは満タンの62.5リッターの燃料で最大14周の走行が可能。

    24時間のレース中に走行する距離をこの14周でぴったり割ることはできない。しかし、目標は車両が文字通り燃料の最後の1滴を使ってフィニッシュラインを通過すること。タンク内の燃料が少ないほど車重が軽くなり、より速く走行できるからだ。そのため、満タンにしない給油ストップが1回あり、最も適したタイミングを考慮する必要がある。何もなければ、この満タンにしないピットストップは最後まで取っておく。しかし、天候の変化やセーフティーカーフェーズなどがあった場合、たとえばレインタイヤに換装するためのピットストップなどと組み合わせて前倒しで行うことで、時間を節約することになる。これらは非常に迅速な対応が求められ、時には数秒という非常に短い時間で決定しなければならない。ストラテジーエンジニアのズールランデン(フランス)が常に情報を入力しているシミュレーションプログラムが、この決定プロセスをサポートする。彼が入手できるデータは、車両本体、ライバル車両の観察、および気象学者から得られるものだ。

    レースのポイント2:タイヤ交換
    レース戦略の2番目の大きな要素は、タイヤの性能曲線で、この分野ではミシュランのエンジニア達の専門知識が不可欠となる。タイヤの摩耗が大きいほど、ラップタイムは悪くなる。そのため、このラップタイムの悪化とピットでのタイヤ交換によるタイムロスを比較評価する必要がある。タイヤの劣化は、必ずしも理論通りに発生するわけではない。また、数周してもゴム(コンパウンド)の表面温度がなかなか上がらないことがある。しかし、車両は周回を重ねる毎に軽くなるので、状況によっては、これがタイヤの寿命を延ばす要因となることがある。

    アンドレア・ザイドルは、「2015年のル・マンでは、1セットのタイヤでの最長走行記録は54周でした。これは、タイヤを交換せず3回の給油を行ったことを意味する。燃料の重量を加味して、タイヤは最大限のグリップ力から徐々に低下し、1周あたりに約1.6秒ずつタイムが落ちます。満タンからタンクが空になるまでの重量差の44 kgで、1周あたり約2秒の差が出ます」と説明している。

    24時間で最も長い距離を走行する上で何より重要なのは、車速とピットストップの長さ。2015年にル・マンで優勝を決めたとき、チームは1台あたり30回の給油を行った。ピットロードの走行時間を含め、最も早い給油のピットストップは51.3秒で、ドライバー交替とタイヤ交換を行った最短のピットストップは1分13秒9だった。ドライバーは、タイヤが許す限りできるだけ長くコースに留まらなければならない。ドライバー交替のためだけのピットストップは、時間の無駄になる。しかし、ドライバーがタイムを落とさず走行し続けることができるのは果たして何周だろうか?

    レースのポイント3:レーシングドライバー
    「私達のドライバー全員が身体的なコンディションを整えた完璧なプロフェッショナルで、夜間に4回のスティントにあたる54周をこなす能力があります」と、ザイドルが指摘する。

    「しかし、私達はドライバーのタイムにも注意しています。レギュレーションで、各ドライバーの最短および最長の走行時間が規定されています。ル・マンでは、各ドライバーは6時間以上ドライブする必要があり、6時間以内で4時間以上、またはレースのトータルで14時間以上ドライブすることはできません。通常であればこれは大きな問題ではありません。しかし、1名のドライバーが胃の調子を崩したらどうなるでしょう?このような要素も、レースの結果を左右するシナリオになりえます。私達はドライバー達に最適な休息時間を与える努力をし、スタッフサイドでは最後まで可能な限りの柔軟性を発揮するようにしています」

    チーム監督、レースエンジニアおよびドライバーで、どのドライバーをどのタイミングで担当させるかを話し合う。スタート直後の段階では熱くなりがちだが、そこで必要なのは冷静さ。夜間には長いスティントがあり、与えられた名誉ある使命はフィニッシュラインを通過することだ。ザイドルは、「全員を最適かつ公平に割り当てる計画を立てる努力をします。チームのムードもパフォーマンスに影響するからです」と語る。

    レースのポイント4:アクシデント
    レースがどのように展開、変化し、そして想定外の出来事が起ころうとも、それらに求められる迅速な対応にシミュレーションソフトが適切なサポートを行う。チームはレースが通常通り展開している場合は常に先を読むことができ、また、予定外の出来事が起こった場合はコンピューターから貴重なヒントを得ることもできる。例えば、セーフティカーが導入された場合に、ピットストップを前倒しにすることに意味があるかなど。このプログラムを使って、修理のためのピットストップが戦略におよぼす結果を計算することもできる。他の車両と接触した場合、タイヤ空気圧および空力データが一瞬でチェックされ、ドライバーが無線でフィードバックを行う。ドライバーもピットクルーも200 km/h以上の速度で走行している車両の損傷を、目で詳細に確認することはできない。これは、ズールランデンも控える「バトルルーム」と呼ばれる部屋のモニターに表示される。車両にピットストップが必要かを確認するため、スロー再生が必要な場合もある。

    レースのポイント5:ピットクルー
    ピットクルーは、どのようなピットストップが必要になった場合でも、通知があればすぐに対応できるよう常にスタンバイしている。そして、彼らはすばやく作業をこなす。2015年のル・マン24時間レースで3台のポルシェ919ハイブリッドに費やした合計時間はピットロード走行を含め95分36秒だった。比較するために例を挙げると、次に早い3台態勢のチームのタイムは130分を超えていた。

    クルーのチーフを務めるアミエル・リンゼイ(ニュージーランド)は、このような優れたパフォーマンスの理由を「ちょっとした訓練」だと、謙虚な姿勢で語る。ピットストップでの立ち回りでさえ、科学的に分析されている。それは、F1とは対照的に、車両の作業をできるメカニックの人数が限られて居るにもかかわらず、少人数での作業が極めて困難だからだ。2016年シーズンには、レギュレーションもさらに厳しくなり11ページにもわたる詳細なレギュレーションが定められている。これには、給油に関わるのは2名のみが許可され、給油作業中、車両はタイヤが接地している必要があり、タイヤ交換が完了するまで給油は禁止、タイヤ交換の作業を行うことができるメカニックは4名まで、同時に使用できるインパクトレンチは1台のみといったレギュレーションと、さらにペナルティのリストが含まれる。リンゼイは、いつ、どのステップとどの手順を実施するかを瞬時に判断し、それぞれの役割を誰が担当するかを考慮する。次に、ワークショップでリハーサルを行う。これは、1シーズンで250回以上におよぶ。これに、テスト中の訓練とレースウィークエンドのピットストップが加わる。タイヤを装着したホイールの重量は19.9 kgにもなるため、メカニック達は頑強で、すばやく、ストレスに強くなければならない。彼らにも、多大なプレッシャーがかかる。

    燃料消費量、タイヤの摩耗、ピットでのメンテナンスおよびサービスの軽減など、多くの項目は計算が可能で、テストすることができるものもあり、訓練することができる。しかし、ストラテジスト達は彼らの想定するシナリオによって24時間で起こり得るすべての事象を網羅することはできない。

    これをポルシェのワークスドライバーであるマーク・ウェバーの言葉がよく言い表している。

    「ル・マンは過酷です。ライバル達のことを考える前に、まずレース自体と戦わなければなりません」

    関連:ル・マン24時間レース 2016:テレビ放送&ライブ配信スケジュール