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  • ホンダF1 カナダGP展望 折原伸太郎「ドライバビリティを強化」

    ホンダF1 カナダGP展望 折原伸太郎「ドライバビリティを強化」

    ホンダは2026年F1シーズン第5戦カナダGPに向け、エネルギーマネジメントとドライバビリティのさらなる最適化に取り組む。

    舞台となるジル・ヴィルヌーヴ・サーキットは長い直線と低速コーナーを併せ持つストップ&ゴー型レイアウトで、2026年レギュレーション下ではパワーユニット制御の完成度が大きく問われる週末となる。

    今大会はスプリントフォーマットで開催され、現地時間5月22日(金)にFP1とスプリント予選、23日(土)にスプリントと公式予選、24日(日)に決勝レースが行われる。限られた走行時間の中でセットアップとエネルギー戦略をまとめ上げる必要があり、各メーカーにとってFP1の重要性が例年以上に高まっている。

    マイアミGPの成果をカナダで継続検証
    ホンダ F1 トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアの折原伸太郎は、前戦マイアミGPで得たデータを踏まえ、モントリオールでも継続検証を行うと説明した。

    「マイアミGPでは、バッテリー振動対策の効果と、パワーユニット全体の信頼性を確認することができました。また、2026年新レギュレーションにおけるエネルギーマネジメントについて重要な学びの機会となり、カナダGPでも継続して取り組んでいきます」

    ドライバビリティ向上が週末の鍵
    折原伸太郎は、特にドライバビリティ向上が週末の重要テーマになると語る。

    「ストロール選手のホームレースでもあるモントリオールでは、ドライバーがさらに自信を持って走行できるよう、ドライバビリティとエネルギーマネジメント戦略の強化に注力します。これは週末を通じた重要な目標です。コーナー進入時により高いスピードを維持できるような自信を持つことができれば、ラップタイムの向上につなげられます」

    ジル・ヴィルヌーヴ・サーキットでは、バックストレートへ向かう低速コーナーやターン1〜2の立ち上がりでのトラクション性能が重要となる。2026年仕様のパワーユニットでは、MGU-Kによる回生とデプロイメント制御がラップタイムに与える影響も大きく、ドライバーが安心してアクセルを踏める特性づくりが鍵になる。

    ホンダ F1 カナダグランプリ

    スプリント週末で重要となる60分FP1
    さらに、スプリント週末特有の制約も大きなポイントとなる。

    「カナダはスプリントレースのフォーマットで開催されるため、FP1が非常に重要になります。今大会では通常通り60分のセッションとなるため、時間内にあらゆる要素を最適化する必要があります。また、このサーキットは長い直線があり、この区間に向けたデプロイメントの最適化も重要です」

    「バックストレートの手前には低速コーナーがありますし、ターン1、2も同様に低速で難しいセクションです。加えて、ウェットコンディションとなる可能性や気温の低下も考慮しなければなりません。こうした条件下ではグリップの確保が難しく、MGU-Kの制御精度やトルク供給の精度など、ドライバビリティの重要性がさらに高まります」

    マイアミGPで確認した信頼性改善を実戦で再び証明できるか。そして、2026年F1で重要性を増すエネルギーマネジメント戦略をどこまで洗練できるか。ホンダにとってカナダGPは、今後を占う重要な検証の場となる。

  • 元F1ドライバーのクルサード フォーミュラE Gen4に衝撃「人生で経験したことがない」

    元F1ドライバーのクルサード フォーミュラE Gen4に衝撃「人生で経験したことがない」

    元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、モナコでフォーミュラEの新型Gen4マシンをドライブし、その加速性能に強い衝撃を受けた。

    来季から実戦投入されるGen4は、常時四輪駆動を採用し、最高出力600kW(815馬力)、0-100km/h加速1.8秒、最高速335km/hを誇る。クルサードはモナコE-Prix第2戦を前に、サーキット・ド・モナコで4周を走行した。

    常時四輪駆動と600kWが生む「別世界」の加速
    クルサードは走行直後、RacingNews365のインタビューで、まず常時四輪駆動と600kWのパワーが最も印象的だったと語った。

    「そうだね、信じられない感覚だった。僕にとっては忙しくもあった! フォーミュラEがポルシェを数周ドライブする機会をくれたのは本当にありがたかった。まず市街地コースを思い出すためにもね」

    「最初に際立っていたのは、常時四輪駆動と600kWのパワーだ。加速は、自分のキャリアで慣れていたものを超えていた。最後にはスタンディングスタートもやったが、とても一貫していた。100km/hまで2秒未満だ。リアタイヤを空転させる心配なく、ただこうして加速できるのは印象的だった」

    モナコの縁石にも対応する柔軟性
    クルサードは、Gen4が単に直線加速に優れているだけでなく、モナコ特有の縁石に対しても扱いやすさを感じたと説明した。

    「言えるのは、マシンにはある程度のしなやかさがあって、縁石でマシンがそれほど跳ね回らないということだ。僕は、いわば縁石に敬意を払って走っていた。レースドライバーなら容赦なく乗っていくだろうが、僕に与えられた数周では、それを確かめる時間ではなかった。知っての通り、シケインはミスをすればバリアに飛ばされる」

    「全体として、最も馴染みのある感覚は、シケインやラスカスでのフロントアクスルから来るものだった。タイヤが少し滑っているのを感じられる。どんなレーシングカーにも、どの時点でもグリップの限界はある。そこが、僕が慣れていた感覚に最も近かった」

    「だが、コーナーを立ち上がって加速した瞬間からは、グリップと加速が別世界だった」

    フォーミュラE Gen4 デビッド・クルサード

    「人生で経験したことがない」トンネルのワープ感
    Gen4はF1との差を大きく縮めると見られており、モナコではラップタイム差が5秒以内に収まる可能性もある。加速性能は現行F1マシンより30%速いともされ、その感覚はクルサードを言葉に詰まらせた。

    フォーミュラEの国際放送で、クルサードはこのマシンを「普通ではない」と表現し、モナコのトンネルは「ワープスピード」のようだったと語った。

    「まさにそういう感覚だった。もちろん、加速を理屈として理解することも、マシンを信頼することもできる。だが、ライトがワープスピードのように流れていくと言った時、あれは人生で経験したことがないものだった」

    「それが、僕がもうレーシングドライバーではないからなのか、それとも四輪駆動と600kWがあまりに印象的で、頭が適応しなければならないからなのかは分からない」

    「もちろん、数周走る頃には慣れてきた。ただ、何もレースをしていない状態から、突然ハイパフォーマンスカーに乗ったわけだ。幸い、数週間前にポール・リカールでクラシックRB7をドライブしていたので、感覚はすでに目覚めていた」

    「だが、プロのドライバーがこのコースをどれだけ速く走れるのかを見るのは、本当に驚きになると思う。僕はあらゆる場所で大きな余裕を残していたし、パフォーマンスのポテンシャルははるかに大きいと感じた」

    Gen4は、フォーミュラEがこれまで積み重ねてきた電動レーシングカーの進化を一段引き上げる存在となる。クルサードの反応が示すのは、単なる数値上の進化ではなく、F1経験者の身体感覚さえ揺さぶる加速と駆動性能が、すでに現実のものになっているということだ。

  • F1カナダGP スプリント初開催も完売ならず チケット高騰と拡張戦略の現実

    F1カナダGP スプリント初開催も完売ならず チケット高騰と拡張戦略の現実

    2026年F1カナダGPは、モントリオールで初めてスプリント形式が導入される歴史的な週末となるが、主催者は開催直前の段階でチケットが完売していないことを認めた。

    今年のカナダGPにはF2とF1アカデミーも加わり、サーキット・ジル・ビルヌーブは改修後初の大規模拡張イベントを迎える。しかし、Le Journal de Montrealによれば、テラス席、スイート、グランドスタンド、ホスピタリティ関連のパッケージには依然として空きが残っている。

    スプリント初開催でも残る空席
    カナダグランプリのジャン=フィリップ・パラディ会長兼CEOは、今年の販売状況について、単純な需要低下ではなく、収容力と商品構成の拡大が背景にあると説明した。

    「今年はいくつかのエリアと商品で収容力を増やした。特にスイート、ビーチにあるCGVエクスペリエンス・プラットフォームで増やしている」

    「一般入場、コンサート付きのCGVエクスペリエンス、テラス席、そしてホスピタリティエリアのクラブパッケージにはまだチケットが残っている。これらは企業グループ向けのものではない」

    一方で、昨年のレース後には大幅なチケット価格の引き上げが行われ、一部の3日間グランドスタンドパッケージは約20%値上がりしたと報じられている。個別日程のチケットも現在販売中であり、需要の鈍化と価格上昇の影響が重なっている可能性がある。

    2035年までの契約延長を見据えた大型投資
    主催者側は、チケットが残っている状況を認めつつも、今回の拡張は長期的な成長戦略の一部だと位置づけている。モントリオールは2035年までF1開催契約を延長しており、世界各地の常設型パドックや大型ホスピタリティ施設に対抗する必要があった。

    サンドリーヌ・ガルノーCOOは、近代化の必要性を強調した。

    「数年前から話し合っていた。特に世界中のホスピタリティ施設を見たあとで、その必要性を感じていた」

    「常設パドックに対抗するには、収容力を増やして競争力を持ち、より近代的になる必要があった」

    「我々は巨大なスポーツイベントを開催している。必要な構造物を備えなければならない」

    “スーパ―サタデー”で週末価値を引き上げる狙い
    今年のカナダGPは、モントリオール初のスプリント週末としても注目される。パラディは、金曜から日曜まで競争要素を増やすことで、観客にとっての価値が高まると説明した。

    「モントリオールのファンは、世界最高のドライバーたちを見たいと思っている」

    「個人的には、マシンをテストしている人たちを見るより、本当の競争を見るほうが素晴らしいと思う。ステファノ(ドメニカリ)に同意している。これは他のすべての主催者にも勧めたい。週末に追加の意味を生み出し、一種の“スーパーサタデー”を作るからだ」

    さらに、今季序盤にバーレーンとサウジアラビアのF2ラウンドが中止された影響により、F2が急きょモントリオールのサポートレースに加わった。F1アカデミーも含め、今年のカナダGPは例年以上に厚いレースプログラムとなる。

    それでも開催直前に完売へ届いていない事実は、F1人気の低下というより、チケット価格の上昇、ホスピタリティ拡張、そして観戦商品の高額化が、伝統あるグランプリにも現実的な影響を与え始めていることを示している。

  • クリスチャン・ホーナー 中国BYDと協議 12番目のF1チーム構想が浮上

    クリスチャン・ホーナー 中国BYDと協議 12番目のF1チーム構想が浮上

    クリスチャン・ホーナーが、中国EV大手BYDの副社長ステラ・リーと複数回にわたって会談したことが明らかになり、F1復帰に向けた新たな可能性が浮上している。

    BYDはF1参入に関心を示しており、既存チームの少数株取得ではなく、新たなF1チームとしてグリッド参戦を目指す可能性を探っているとされる。ホーナーにとっては、レッドブル離脱後に求めている所有権や株式を伴う役割と合致する道筋となり得る。

    BYDが見据える12番目のF1チーム構想
    BYDは現在、アルピーヌF1チームの株式取得をめぐる動きにも関連して名前が挙がっているが、現時点での主な関心は既存チームへの少数出資ではなく、独自のF1チーム設立にあるとされている。

    ホーナーは先週末、南フランスのカンヌを訪れ、BYD副社長のステラ・リーと2日間にわたって複数回の会談を行ったとされる。BYDが公開した「カンヌ・ナイト」の映像にも、ホーナーが同社のゲストとして参加している姿が確認されている。

    リーは先月、F1グループCEOのステファノ・ドメニカリと上海で会談していることを認め、BYDがF1参入の可能性について「議論している」と発言していた。

    「F1が好きなのは、情熱と文化があり、人々がF1にいることを夢見るからだ」

    リーは、F1参入がBYDにとって自社技術を試す機会になるとも語っている。

    ホーナーにとって所有権付き復帰の現実的な選択肢
    ホーナーは2025年夏にレッドブルF1のチーム代表兼CEO職を離れた後、ガーデニングリーブ期間を経て、5月8日以降はF1での活動再開が可能になっている。

    その間、ホーナーはドメニカリやFIA会長モハメド・ビン・スライエムとも複数回会談しているとされ、12番目のF1チーム構想も話題に上がっていたという。レッドブルを成功に導いた実績は、投資家や新規参入を目指すメーカーにとって大きな魅力となる。

    ホーナーは次の役割について、単なるチーム代表職ではなく、所有権や株式を伴うポジションを望んでいるとされる。BYDのような巨大メーカーがF1参入を検討する場合、ホーナーの経験とF1内での人脈は、プロジェクトを現実化するうえで強力な武器になる。

    アルピーヌ株式争奪とは別の“より大きな道”
    ホーナーは現在、アルピーヌF1チームの24%株式を保有するオトロ・キャピタルの持ち分取得をめぐっても名前が挙がっている。ルノー・グループは、単なる受動的投資家ではなく、スポーティング面で関与できるパートナーを求めているとされ、ホーナーはその条件に合う候補と見られている。

    一方で、メルセデスもアルピーヌ株式取得に関心を示しているとされる。アルピーヌはメルセデス製パワーユニットを使用しており、その既存関係が交渉に影響する可能性もある。

    ただし、メルセデスによるアルピーヌ出資案には、共通所有構造への懸念も出ている。マクラーレンCEOのザク・ブラウンは、FIAに対して共通所有構造を規制する議論を求める書簡を送ったとされ、仮にそうした規制が進めば、メルセデスの選択肢は制限される可能性がある。

    その場合、ホーナーはアルピーヌ側の有力候補としてさらに浮上することになるが、BYDとの新規チーム構想は、それとは別に、より大きな裁量と所有権を伴う復帰ルートとなる。

    FIAとFOMが重視する“価値を加えるチーム”
    FIA会長モハメド・ビン・スライエムは以前、中国からのF1参入案について、適切な条件を満たせばFOMも前向きに受け止めるだろうとの見方を示していた。

    「中国からチームが来るとしよう。FOMが承認すれば、私は100%承認すると考えている。中国が加われば、より多くの収益を生むのではないか。私はそう思う」

    ただし、ビン・スライエムは12番目のF1チームについて、単にグリッドを埋めるためのものではなく、F1の事業と選手権の長期的価値を高める存在でなければならないとも強調している。

    ドメニカリも、新規チームについては慎重な姿勢を示しており、物流面ではすでに限界に近いとして、極めて重要な意味を持つ申請だけを評価する考えを示している。

    BYDは世界有数の自動車メーカーであり、EVやバッテリー技術で強い存在感を持つ。中国市場の戦略的重要性を考えても、BYDが本格的なF1参入案をまとめた場合、FIAとFOMにとって無視しにくい候補になる。

    BYDとホーナーの組み合わせが持つ説得力
    BYDは2025年に世界販売台数を伸ばし、EVと新エネルギー車分野で急速に存在感を拡大している。高性能ブランド「仰望(ヤンワン)」では、量産車の最高速記録やニュルブルクリンクでの電動スポーツカー記録も打ち立てており、F1参入に必要な技術的ストーリーも持っている。

    一方のホーナーは、レッドブルをF1のトップチームへと押し上げた実績を持ち、新規プロジェクトの顔として投資家、FIA、FOM、商業パートナーを説得できる存在だ。

    アルピーヌ株式取得、アストンマーティンとの関係、そしてBYDとの新規チーム構想。ホーナーのF1復帰には複数の道が残されているが、BYDとの連携は、その中でも最も野心的で、F1全体の勢力図を変える可能性を持つシナリオといえる。

    【関連】
    ・BYD アルピーヌF1買収に関心 ルノー旧PU工場も取得検討か

  • 元F1ドライバーのティモ・グロック 「ドイツはフェルスタッペンにひざまずくべき」

    元F1ドライバーのティモ・グロック 「ドイツはフェルスタッペンにひざまずくべき」

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、ニュルブルクリンク24時間レースでの圧倒的な存在感によって、停滞していたドイツ・モータースポーツ界に再び熱狂をもたらしている。

    元F1ドライバーのティモ・グロックは、満員となった2026年ニュルブルクリンク24時間レースを例に挙げ、「ドイツはフェルスタッペンにひざまずくべきだ」とまで語り、その影響力を絶賛した。

    フェルスタッペンが“消えかけた熱”を呼び戻した
    ドイツは2020年以降F1開催を失い、現在のF1グリッドにいるドイツ人ドライバーもニコ・ヒュルケンベルグのみとなっている。かつてミハエル・シューマッハやベッテルの時代に巨大な人気を誇ったドイツ・モータースポーツ界は、近年大きく存在感を失っていた。

    そうした中、ニュルブルクリンク24時間レースへのマックス・フェルスタッペンの参戦は、かつてない注目を集めた。

    「誰もこのことについて話していなかった。でもマックス・フェルスタッペンが来てから変わった」とティモ・グロックは語った。

    「ルイス・ハミルトン、マックス・フェルスタッペン、ニコ・ロズベルグ、誰もがドイツ・モータースポーツから重要な影響を受けて育った。でも今のドイツにはそれがない」

    「これは本当に深刻だ。不幸なことにドイツの政治の結果でもある」

    「我々にはもうドイツGPすらない」

    今回のニュルブルクリンク24時間レースは、史上初の完全ソールドアウトとなった。

    「ここが完全満員になったのはマックスのおかげだ」

    「24時間レース史上初めて、すべてが完売した」

    「これは本当に美しいことだ。僕にとって、これはモータースポーツの象徴だ」

    “映画よりレース” フェルスタッペンの異常な情熱
    グロックは、現在のF1ドライバーたちとの姿勢の違いについても言及した。

    「最高の例は、他のF1ドライバーたちがニューヨークで『F1/エフワン』のプレミアに出席していた時、マックスはスパでGT3カーを走らせていたことだ」

    「それが彼のモータースポーツへの向き合い方を示している。彼はすべてに対して非常に深く向き合っている」

    「24戦ものF1を戦いながら、どうやってこれをやっているのか分からない」

    さらにGT3経験者たちも、フェルスタッペンの速さに驚かされたという。

    「彼は本当に細部まで作業する。どうすればマシンが良くなるかを追求している」

    「そしてここに来て、ばかげた速さを見せる」

    「トラフィックの読み方も完璧だ。本当に素晴らしい」

    “ドイツはフェルスタッペンに感謝すべき”
    グロックはRTLの取材で、フェルスタッペンがニュルブルクリンクとノルドシュライフェを再び世界的な存在へ押し上げたと強調した。

    「ドイツの我々は、彼にひざまずかなければならない」

    「ここ数か月で、ノルドシュライフェやニュルブルクリンクという名前が世界中でどれだけ語られているか見てほしい」

    「このイベントがどれだけ注目を集めているか。我々はドイツでこんな光景を長い間見てこなかった」

    そしてグロックは、シューマッハやベッテル以降、ドイツ・モータースポーツを再び世界へ押し出した存在として、フェルスタッペンを位置づけた。

    「ミハエル・シューマッハとセバスチャン・ベッテル以降、ドイツ・モータースポーツを再び注目させることに成功しているのは、マックスだけだ」

    皮肉にも、グロック自身は黄旗区間での速度違反により、今回のニュルブルクリンク週末でノルドシュライフェ・ライセンスを失う結果となった。

  • オスカー・ピアストリ F1の友情関係に持論「尊敬と友達は別物」

    オスカー・ピアストリ F1の友情関係に持論「尊敬と友達は別物」

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン)は、現代F1のパドックには高い相互リスペクトが存在すると認めながらも、「本当の友情」を築くのは依然として難しいと語った。

    2025年にランド・ノリスとタイトル争いを繰り広げたピアストリは、マクラーレンが両者の関係を適切にマネジメントしていたと評価。激しい選手権争いが関係悪化につながることはなかったと説明した一方で、F1という環境そのものが深い友情を育みにくい世界だと明かしている。

    “尊敬”と“友情”は別のもの
    オスカー・ピアストリは、F1ドライバー同士には以前よりも強いリスペクト文化が存在すると説明した。

    「今のF1では、全ドライバーの間にすごく大きなリスペクトがあると思う」

    「でも、お互いを尊敬することと、友達であることはまったく別の話なんだ」

    さらにピアストリは、年間24戦にわたって直接戦う相手と親しい友情を築く難しさを率直に語った。

    「基本的には、24回も同じ相手と戦いながら、自分のほうが優れていることを証明しようとしているわけだからね」

    「そういう相手と本当に親友になるのは、僕にとってはやっぱり難しいことなんだ」

    “距離感”が今のF1パドックを形作る
    かつてのF1では、ドライバー同士がほとんど口を利かない時代も存在した。

    しかし現在のパドックは、以前よりもはるかに穏やかで友好的な雰囲気になっている。

    それでもピアストリは、競争相手との距離感を完全には崩さない立場を取っている。

    特に“本当に仲の良い関係”は、直接ライバルではない相手との間に生まれやすいと説明した。

    「ドライバー同士の一番近い友情って、別カテゴリーで走っている相手との間に生まれることが多いと思う」

    「あるいは、昔チームメイトだった相手だね。ジュニアカテゴリー時代だったり、以前F1で同じチームにいた相手だったり」

    「もう直接戦っていないから、そこに競争の緊張感がないんだ」

    F1では“情報共有”すら駆け引きになる
    ピアストリは、F1では何気ない会話ですら競争に影響する可能性があると指摘した。

    ドライバー同士は同じ職業だからこそ共感できる部分も多い一方で、「話しすぎること」が自分の不利益につながる可能性もあるという。

    「僕たちは全員ドライバーだし、同じ仕事をしているから、共有できる話題はたくさんある」

    「でも時には『これを話したら、次に自分を倒すヒントを与えることになるんじゃないか?』って考えることもある」

    「だから、すごく複雑な世界なんだ」

    近年のF1はSNSやメディア露出の増加によって、ドライバー同士の仲の良さが以前よりも強調される傾向にある。

    しかしピアストリの発言は、世界最高峰カテゴリーにおける“友情”と“競争”の間に、今もなお繊細な境界線が存在していることを改めて浮き彫りにしている。

  • キミ・ライコネン フォース・インディアF1加入目前だった過去が判明

    キミ・ライコネン フォース・インディアF1加入目前だった過去が判明

    キミ・ライコネンが2012年にロータスからF1復帰を果たす直前、実はフォース・インディア移籍の可能性があったことが明らかになった。

    当時フォース・インディアの経営陣だったオトマー・サフナウアーは、ブラジルGPの週末にライコネン本人と極秘会談を行っていたという。そして、その交渉の場には世界的人気ゲーム『Angry Birds(アングリーバード)』の創業者たちも同席していた。

    サフナウアーが明かした“ライコネン獲得計画”
    サフナウアーは『High Performance Racing』ポッドキャストで、当時を次のように振り返った。

    「ライコネンがロータスに行く前、我々は彼と契約寸前までいっていた」

    「ブラジルGPの最終戦だった。モルンビーのハイアットにある日本食レストランでキミと会った。彼の友人2人も一緒だった。我々はフォース・インディア加入を説得しようとしていた」

    当時のフォース・インディアはまだ中団チームの立場であり、2007年F1ワールドチャンピオンを獲得するには大胆すぎるプランとも言えた。

    しかしライコネンは交渉自体には前向きで、「シーズン終了後にまた話そう」と応じていたという。

    交渉の場にいた“アングリーバード創業者”
    サフナウアーが特に印象的だったと語ったのが、ライコネンの“側近”たちだった。

    「彼の友人2人は『Angry Birds』の創業者だったと思う。マネージャーはいなかった。友人たちとライコネンだけだった」

    『Angry Birds』はフィンランド企業ロビオ・エンターテインメントが開発した世界的ヒットゲームで、ライコネンと同じくフィンランド出身の関係者が多かったことで知られている。

    その後、ライコネンと『Angry Birds』の関係は実際にF1でも展開されることになった。

    2012年アメリカGPでは、ライコネンとロマン・グロージャンのロータスに『Angry Birds Star Wars』のロゴが掲載。また同年には、ロビオとの公式マーチャンダイズ契約も発表された。

    ライコネンが着用していた「Ice Bird」ロゴ入りキャップも、“アイスマン”の愛称と『Angry Birds』を掛け合わせたコラボレーションだった。

    ライコネンがロータスを選んだ理由
    最終的にライコネンはフォース・インディアではなくロータス加入を選択した。

    サフナウアーもその判断には理解を示している。

    「結局、彼を説得することはできなかった」

    「将来性が他チームより明るいとドライバーに信じてもらう必要がある。そして公平に見れば、当時のロータスは我々より多く勝っていた。より強いチームだった」

    実際、ライコネンは2012年のF1復帰初年度にアブダビGPで優勝。ロータスでも高い競争力を発揮し、“成功したカムバック”として語り継がれることになった。

    一方で、もしフォース・インディア移籍が実現していれば、F1の勢力図は大きく変わっていたかもしれない。

  • メルセデスAMG 新型電動GT 4ドアクーペを先行披露 F1アカデミー女王ピンが試乗

    メルセデスAMG 新型電動GT 4ドアクーペを先行披露 F1アカデミー女王ピンが試乗

    メルセデスAMGは、電動化時代に向けた新たなパフォーマンスモデルとして、新型メルセデスAMG GT 4ドアクーペを発表する準備を進めている。

    正式公開を前に、メルセデス・ベンツCEOのオラ・ケレニウスと、F1開発ドライバーで2025年F1アカデミーチャンピオンのドリアーヌ・ピンが同車をテストドライブし、新世代AMGの走りを確認した。

    AMG初の新世代電動4ドアGT
    新型メルセデスAMG GT 4ドアクーペは、AMG.EAと呼ばれるメルセデス・ベンツの新しい電動専用アーキテクチャをベースに開発される。

    従来のメルセデスAMG GTクーペとは異なり、今回登場する4ドアモデルは完全電動車となる。AMGにとっては、電動パフォーマンスカーの新章を示す重要なモデルだ。

    軸方向磁束モーターで性能を引き上げ
    この新型モデルの大きな特徴は、軸方向磁束モーター技術を採用する点にある。

    AMG.EAプラットフォームは、メルセデスAMGの電動車における性能ポテンシャルを大きく引き上げることを目的としており、新型AMG GT 4ドアクーペはその技術を市販モデルとして示す最初の存在となる。

    ドリアーヌ・ピンが走りを確認
    正式公開は5月19日に予定されており、それに先立ってオラ・ケレニウスとドリアーヌ・ピンが新型メルセデスAMG GT 4ドアクーペを試乗した。

    ドリアーヌ・ピンはF1開発ドライバーであり、2025年F1アカデミーチャンピオンでもある。レーシングドライバーとしての経験を持つピンが試乗に参加したことは、この新型AMGが単なる高性能EVではなく、ドライバーの感覚に訴えるモデルであることを印象づける。

    電動AMGでも“操る楽しさ”を追求
    新型メルセデスAMG GT 4ドアクーペには、ドライバーが俊敏性やトラクション制御などを調整できるAMG RACE ENGINEERコントロールユニットも用意される。

    圧倒的なパワーだけでなく、電動化後もAMGらしい関与感のあるドライビング体験を実現することが、このモデルの焦点となる。

    新型AMG GT 4ドアクーペは、AMG.EA時代の幕開けを告げるモデルとして、メルセデスAMGの電動パフォーマンス戦略を象徴する1台になりそうだ。

  • オリバー・ベアマン フェラーリF1電撃デビューの“代償”「首が完全に壊れた」

    オリバー・ベアマン フェラーリF1電撃デビューの“代償”「首が完全に壊れた」

    オリバー・ベアマン(ハース)は、2024年F1サウジアラビアGPでの衝撃的なフェラーリF1デビューについて振り返り、「首が完全に壊れた」と当時の過酷な身体的負担を明かした。

    カルロス・サインツJr.が虫垂炎の緊急手術を受けたことで、当時18歳だったベアマンは急遽フェラーリからF1デビューを果たすことになった。準備期間はほとんどなかったが、予選ではQ3進出まで0.036秒差の11番手。そして決勝ではランド・ノリスやルイス・ハミルトンを抑え切り、7位入賞という鮮烈な結果を残した。

    F2とF1の“別次元”の肉体負荷
    しかし、その舞台裏では想像以上の苦闘があった。

    ベアマンはF1公式サイトのインタビューで、F2とF1の差について率直に語っている。

    「FP3での最初のラップは、前日にF2で記録したポールポジションのラップより12秒くらい速かった」

    「最初のランの時点で、もう首は完全に壊れていた。だから正直、レースを楽しみにする余裕なんてなかった。あれは本当に痛かった」

    F1マシン特有の高速コーナリングによる横Gは、F2とは比較にならないレベルだったという。

    隣にいたエステバン・オコンも「F1が首に与える負荷は、実際に経験するまで分からない」と同意しており、ベアマンもそれに強くうなずいた。

    「本当にその通りだ。僕にとってF2は身体的には簡単だった。首なんて問題にもならなかった」

    「でもF1で1レース走っただけで、頭の中は首のことしかなかった。あれは本当にクレイジーなステップだった。でも楽しい一日だったし、楽しい夜でもあった」

    オリバー・ベアマン スクーデリア・フェラーリ

    “フェラーリF1デビュー”でも緊張する余裕はなかった
    ベアマンにとって、このレースは単なるF1デビューではなかった。世界最高峰チームであるフェラーリF1から、いきなり実戦投入された異例のデビュー戦だった。

    だが本人は、「緊張している暇すらなかった」と振り返る。

    「ストレスを感じている余裕なんてなかった。とにかく首に耐えながら走っていたんだ」

    当時、父親もフェラーリのガレージ奥から息子の走りを見守っていたという。

    「父もかなり緊張していたと思う。でもあの日を一緒に共有できたことは、本当に特別だった」

  • マックス・フェルスタッペンのニュル敗因 “攻めすぎ”説をチームメイトが一蹴

    マックス・フェルスタッペンのニュル敗因 “攻めすぎ”説をチームメイトが一蹴

    マックス・フェルスタッペンは、ニュルブルクリンク24時間レースで終盤まで首位を争いながらも、ドライブシャフトのトラブルによって優勝を逃した。しかし、その原因がフェルスタッペンの“攻めすぎ”にあったのではないかという見方について、チームメイトたちは明確に否定している。

    フェルスタッペンは2026年仕様のメルセデスAMG GT3でニュルブルクリンクに参戦。レース終盤までトップを快走していたが、ダニエル・ジュンカデラがステアリングを握っていた際にマシンがトラブルに見舞われ、大きく後退した。

    “攻めすぎ”説をチームメイトが否定
    レース後には、マックス・フェルスタッペンのアグレッシブなドライビングスタイルが故障を引き起こしたのではないかとの声も上がった。特に、縁石の使い方やGT3での激しいオーバーテイクが原因だった可能性が議論された。

    しかし、ダニエル・ジュンカデラはその見方を否定した。

    「実際には最後の数時間はかなり慎重に走っていたんだ」

    さらに、元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーを叔父に持つルーカス・アウアーも、ノルドシュライフェでは縁石を積極的に使うのが当然だと説明した。

    「ここではそういうものなんだ。生き残るためには必要なことだよ」

    フェルスタッペン効果でニュルに35万人超
    今回のニュルブルクリンク24時間レースは、週末を通じて35万2000人の観客を集め、史上初の完売開催となった。その背景には、マックス・フェルスタッペン参戦による“F1効果”があったと見られている。

    メルセデスAMGカスタマーレーシングの責任者シュテファン・ヴェンドルは、オランダ人ドライバーの影響力を高く評価した。

    「マックスのおかげで、普段はF1しか見ないファンも多く来場している」

    「彼らは、ここがまったく異なるモータースポーツだということを目にしている。特にホイール・トゥ・ホイールの激しい戦いは、彼らにとって新鮮なのかもしれない」

    一方で、ヴェンドルは“F1批判”に話を広げることは避けつつ、フェルスタッペンの適応能力にも驚きを隠さなかった。

    「マックスが今後も我々を選んでくれたことを誇りに思う。多くの人が、彼が別カテゴリーのクルマにここまで早く適応することに驚いているが、私はもう驚かなくなっている」

    「これほど短時間で適応するドライバーを私は見たことがない。現役F1ドライバーが、純粋にレースへの情熱だけでこのプログラムに参加していること自体が特別なんだ」

    メルセデスはアントネッリ参戦に慎重姿勢
    その一方で、メルセデスF1はキミ・アントネッリをすぐにニュルブルクリンクへ送り込む考えはないようだ。

    アントネッリが今年中にニュルブルクリンク参戦ライセンス取得を目指す可能性について問われたメルセデスF1副代表のブラッドリー・ロードは、明確に否定した。

    「いや」

    「彼とはその話をしたよ。でも冗談だったと思う。もしかしたら4回タイトルを獲ったあとなら挑戦できるかもしれないね」

    「マックス・フェルスタッペンには、それだけの経験がある。アントネッリはF1に完全に集中するべきだ」