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  • アストンマーティンF1 “ストロール体制見直し論”浮上 株主が経営手法に疑問

    アストンマーティンF1 “ストロール体制見直し論”浮上 株主が経営手法に疑問

    アストンマーティンF1を巡って、ローレンス・ストロール会長兼オーナーの権限とマネジメント体制に対する疑問が、株主レベルで浮上していると報じられた。

    2026年シーズンのアストンマーティンは深刻な不振に苦しんでいる。大規模投資によって最新ファクトリーを整備し、エイドリアン・ニューウェイら大型人材も獲得したが、マシン「AMR26」は振動問題に悩まされ、ホンダ製パワーユニットも性能不足を指摘されている。完走すら苦しいレースが続き、ポイント争いからも取り残されている状況だ。

    さらにチーム内部では首脳陣の変更が相次いでいる。2025年にマイク・クラックの後任としてチーム代表に就任したアンディ・コーウェルは、わずか1年でニューウェイ主導体制へ移行。さらに元レッドブルのジョナサン・ウィートリー加入も控えており、組織構造の流動化が続いている。

    「問題はストロール本人ではないか」 株主側で疑念も
    ブラジルのジャーナリスト、ジュリアンヌ・セラソリは、アストンマーティン内部でストロール体制への疑念が強まりつつあると語った。

    「今のF1では、投資家と協力しながら運営するチームが増えている。そしてF1参入を望む投資家たちは、あらゆるチームの扉を叩いている」

    「だがストロールのところでは、“資金だけを入れて経営権は渡さない”という形になっている」

    「私が聞いている話では、株主たちはすでにその権力構造を疑問視し始めている。“問題はこの人物自身なのか? あるいは彼が作り上げたマネジメント体制なのか?”という議論が起きている」

    「実際に、その体制を見直すべきではないかという動きも出始めている」

    成功体験が裏目? “全部自分で動かす”経営への限界説
    ストロールはこれまで、経営不振ブランドを立て直してきた実績で知られる。アストンマーティン本体への出資もその延長線上にあり、“再建請負人”として高い評価を受けてきた。

    しかしF1では状況が異なる。

    セラソリは「彼はこれまで手を付けたものをすべて価値あるものに変えてきたと考えている人物だ」とした上で、「F1ではその“奇跡”が起きていない」と指摘した。

    特にパドック内では、“ストロールと働きたがらない人が多い”との見方も広がっているという。頻繁な組織変更や、ニューウェイへの大幅な権限委譲なども、内部の不安定化につながっているとみられる。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    中国メーカー参入説と“売却シナリオ”の現実味
    アストンマーティンを巡っては、財務面への懸念も強まっている。元F1ドライバーのカルン・チャンドックは、同社の負債状況を踏まえ「将来的なF1活動継続」に疑問を呈している。

    その中で、中国の自動車大手「浙江吉利控股集団(Geely)」やBYDの名前が取り沙汰されている。いずれも世界規模でEV市場を拡大しており、F1参入の可能性を模索しているとの観測がある。

    また、レッドブル離脱後のクリスチャン・ホーナーがアストンマーティンと接触しているとの噂も続いている。ホーナーは単なる代表職ではなく“オーナーシップを伴う立場”を求めているとされるが、ストロール側が株式譲渡に難色を示したことで交渉は停滞したとも報じられている。

    “ストロール撤退”よりも焦点は権力構造の変化か
    現時点で、ローレンス・ストロールがアストンマーティンF1から即座に撤退するという話ではない。

    ただし今回の報道で重要なのは、“株主側がストロールの経営スタイルそのものを問題視し始めた”という点にある。これは単なる成績不振以上に、チーム運営の主導権や将来的な資本構造の変化につながる可能性を示唆している。

    アストンマーティンF1は、ニューウェイ加入やホンダとの提携によって“未来への大型投資”を進めてきたチームでもある。その一方で、結果が伴わなければ、外部資本や経営再編の議論が一気に加速しても不思議ではない状況になりつつある。

  • カルロス・サインツJr. F1の政治構造を批判「メーカーが裏で糸を引いている」

    カルロス・サインツJr. F1の政治構造を批判「メーカーが裏で糸を引いている」

    カルロス・サインツ(ウィリアムズ)は、2027年F1パワーユニット規則を巡る政治的対立に警鐘を鳴らし、「メーカーが裏で糸を引いている」と現在のF1統治構造を痛烈に批判した。

    2026年から導入された新世代パワーユニットは、内燃機関と電動出力を50対50で配分する構造となっている。しかし、開幕後にはエネルギーマネジメントやスーパークリッピングへの懸念が噴出し、FIA、FOM、各メーカーはすでに2027年に向けた修正協議を開始している。

    2027年F1規則を巡る駆け引き
    ここ数週間、FIA、FOM、各パワーユニットメーカーは一連の会議を重ね、マイアミGPではエネルギー運用に関する暫定的な修正も実施された。

    だが、本当の焦点は2027年以降の方向性だ。

    マクラーレンのチーム代表アンドレア・ステラは、大規模なレギュレーション変更を2028年まで延期すべきだと慎重論を展開。一方で、メーカー間ではそれぞれ異なる利害が交錯している。

    現在、構造的な規則変更には「パワーユニット諮問委員会」での圧倒的多数が必要となる。この組織にはFIA、FOM、メルセデスHPP、フェラーリ、ホンダ、アウディ、レッドブル・パワートレインズが参加しており、2社の反対だけでも大規模改革は阻止される可能性がある。

    カルロス・サインツ「政治がすべてを止めている」
    GPDA(グランプリドライバーズ協会)のディレクターも務めるカルロス・サインツは、RacingNews365の取材に対し、現在のF1が政治的駆け引きによって停滞していると指摘した。

    「結局は、すべてのチームを政治的に同じ方向へ揃えられるかどうかなんだ。それがすべてを止めている」

    「明らかに多くの政治的利害が絡んでいる。あるメーカーは特定分野でより良い準備をしてきた。だからこそ、ルール変更によって自分たちのパフォーマンス上の優位を失いたくないんだ」

    サインツはさらに、現在のF1ではメーカー側に強すぎる発言力が与えられていると説明した。

    「チームにあまりにも大きな権限を与えれば、パワーユニットメーカーは自分たちの利益のために激しく戦うことになる」

    「メーカーが糸を引いている」
    サインツは、この膠着状態を打開するにはFIAがより強い主導権を持つべきだと主張した。

    「もしFIAが『これが新ルールだ』と決断するだけなら、おそらく大半のチームは対応できると思う」

    「問題は、水面下で糸を引いている存在がいることだ。メーカーたちはあらゆる場所でその糸を動かしている」

    この発言は、近年のF1が単なる技術競争ではなく、巨大メーカー同士の政治闘争の舞台になっている現実を浮き彫りにしている。

    メルセデスPU搭載でも“スポーツ優先”を主張
    興味深いのは、サインツ自身が現在メルセデス製パワーユニットを搭載するウィリアムズに所属している点だ。

    仮にメルセデスPUが優位性を持っているなら、本来は現行ルール維持を望んでも不思議ではない。

    それでもサインツは、スポーツ全体の公平性を優先すべきだと語る。

    「僕はメルセデス製パワーユニットを使っている。だから、メルセデスやレッドブルが優位を持っているなら、ルール変更に強く反対する立場でもおかしくない」

    「それでも、このスポーツのためを考えれば、もし自分が決定権を持っていたなら、2027年に向けて非常に大きな変更を行う」

    「GPDAとしても、2027年に向けた大規模な変更を強く推し進めていくつもりだ」

    2027年F1レギュレーションを巡る議論は、単なる技術論争を超え、各メーカーの思惑が複雑に絡み合う“政治戦争”の様相を強めている。サインツの発言は、その舞台裏をドライバー側から公然と暴露した極めて踏み込んだメッセージと言えそうだ。

  • エステバン・オコンとハースF1の関係悪化 陣営は開幕前から“離脱懸念”

    エステバン・オコンとハースF1の関係悪化 陣営は開幕前から“離脱懸念”

    エステバン・オコンとハースF1チームの関係が、想像以上に深刻な状況へ発展している。今季ここまでオリバー・ベアマンに大差をつけられている背景には、単なるパフォーマンス差ではなく、2025年シーズン中から続いてきたチーム内部の構造的な対立があったようだ。

    スペインメディア『Motornoción』によると、ハースF1チームは将来性を重視してベアマン中心の開発体制へ傾き、オコン陣営は開幕前の段階で“シーズン途中離脱”の可能性まで懸念していたという。

    小松礼雄の異例とも言える公開批判、オコンが訴えていたマシン特性への不満、そして後任候補として浮上する複数の名前――パドック内部で何が起きていたのかが徐々に明らかになってきた。

    小松礼雄の公開批判が意味したもの
    シーズン開幕前、小松礼雄がオコンを公然と批判したことは大きな波紋を呼んだ。近年ハースF1チームを立て直してきた小松礼雄は、バルセロナテスト後に次のように語っている。

    「我々はもっと期待していました」

    2025年、アルピーヌから加入したオコンはドライバーズランキング15位でシーズンを終え、ルーキーだったベアマンに3ポイント差で敗れていた。

    さらに小松礼雄は「チームの誰もエステバンの結果に満足していません」とも発言した。

    一般的にF1チームでは、批判は内部で行い、称賛は公の場で行うものだ。しかし小松礼雄は、あえて開幕前にオコンを表舞台で批判した。

    「彼の相手はルーキーです。もちろん非常に優秀なルーキーですが、エステバンはF1で10年戦い、優勝経験も表彰台経験もありますので、我々はもっと期待しています」

    「もちろん彼だけの問題ではありません。50対50です。ある時期には競争力のあるマシンを与えられなかった部分もありました」

    「バクーのようなサーキットで、オリーからあれほど離されるとは思っていませんでした」

    189戦を経験してきたオコンも怯まなかった。

    「アヤオのコメントにはあまり驚かなかった」

    このチーム代表による“公開説教”は、突然起きた出来事ではなかった。実際には、チームとオコンの関係悪化はかなり以前から続いていた。

    開幕前から囁かれていた“途中離脱説”
    それは単なる感情的な衝突や、一時的な苛立ちではなかった。バルセロナ以前の冬の段階で、オコン陣営の不満は極めて大きなものになっていた。実際、シーズンを最後まで戦えない可能性まで懸念されていたという。そして、まだ4戦しか終わっていない現在でも、その不吉な予想は現実味を失っていない。

    では、なぜここまで関係が悪化したのか。問題は2025年シーズン中から始まっていた。

    ハースF1チームは、21歳のオリバー・ベアマンを将来の中心と考えていた。そのため、開発方針は徐々にベアマン側へ傾いていった。チームに“お気に入り”のドライバーがいたわけではない。しかし、どちら側のガレージを軸にマシンを開発していくかという判断は存在していた。ベアマンのコメントはより重視され、英国人ドライバー側の意見に基づいて開発が進められていったという。

    これが、オコン陣営の不満につながった。

    “自分だけがロックしていた” オコンの不満
    プレシーズン中、オコンはフラストレーションを隠さなかった。

    「去年は12戦、13戦、14戦もの間、このフロントロックと不安定さに苦しんでいた」

    「ガレージの反対側ではまったく違う状況だった」

    「自信や、そのスタイルで運転できないという問題ではない。ブレーキへの圧力も、条件も同じだった。でも僕だけがロックしていた。もう一方では起きていなかった」

    2025年最終戦アブダビGPでは、この対立構造を象徴するような出来事も起きている。

    オコンはセットアップ変更後、突然ペースを取り戻した。Q3進出を果たし、予選ではベアマンを上回り、決勝では7位でフィニッシュした。

    「何を変えたのか詳細は話さない。それはチーム内部のことだからだ。でも、何であれ、その変更によって突然マシンが生き返った。金曜は新人みたいな感覚だった」

    「本来いるべき位置からコンマ5秒離れていた。でも土曜朝には、本来のパフォーマンスを発揮できるようになっていた」

    一方、ベアマンはルーキーイヤーから高いパフォーマンスを発揮し続けていた。2025年メキシコGPでは4位を獲得し、ハースF1チーム全体が祝福ムードに包まれた。

    それは、オコンにとって決定的な瞬間でもあった。彼はそこで完全に“脇役”へ追いやられてしまった。そして、その構図は現在も続いている。

    エステバン・オコン ハースF1チーム

    後任候補として浮上する名前
    最悪の場合、オコンがハースF1チームで今シーズンを最後まで戦えなかった場合、誰がその後任になるのだろうか。いくつかの名前が挙がっているが、現時点で決定的な存在はいない。

    ブラジル人ジャーナリストのジュリアンヌ・セラソリは、フェラーリ・ドライバー・アカデミー所属のラファエル・カマラの名前を挙げている。ベアマンと同じくフェラーリ育成ドライバーであり、フェラーリ製パワーユニットを使用するハースF1チームとの関係性も背景にある。

    また、長くリザーブドライバーを務めている平川亮も、有力候補の一人と見られている。トヨタがハースF1チームへ強く関与するようになったことで、日本人ドライバーへの追い風になる可能性もある。平川亮はすでにアルピーヌでフリー走行を経験しているが、一方でチーム内部には純粋なスピードやレースペースに疑問を持つ声もあるという。

    そのため、もう一人のリザーブドライバーであるジャック・ドゥーハンにも注目が集まっている。今年2月3日に発表されたドゥーハン加入は、パドックでも驚きをもって受け止められた。“単なる控え要員ではなく、将来的にレギュラーへ昇格させるための契約ではないか”そう疑う関係者もいたという。

    さらに、ベアマンがこのまま速さを見せ続ければ、フェラーリF1移籍説がさらに加速する可能性もある。そうなれば、ハースF1チームでは2席同時に空席が生まれる可能性すらある。

    また、このカテゴリーで豊富な経験を持つ日本人ドライバーである角田裕毅も、トヨタにとって魅力的な存在となる可能性はある。ただ、現時点ではそこまで有力候補として名前が挙がっているわけではない。

    “17対1”だけでは見えないもの
    今回の問題は、単純なポイント差だけでは説明できない。ハースF1チームが誰を未来の中心に据えようとしているのか。そして、その過程で何が起きていたのか。そこに、この一件の本質がある。

    ベアマンはフェラーリ育成の次世代候補として高く評価されている。一方のオコンは、豊富な経験を持ちながらも、チームとの関係を急速に悪化させていった。開幕前の段階から“途中離脱説”が囁かれていたという事実だけでも、この状況が異常であることは十分に伝わってくる。

    カナダGP以降の流れ次第では、2026年シーズン最初のドライバー交代劇へ発展する可能性もありそうだ。

    【関連】
    ・エステバン・オコンが“確執説”を全面否定 ハースF1チーム離脱報道は「作り話」

  • フェラーリF1代表 FIAのスタート手順“土壇場変更”を批判「フェアではない」

    フェラーリF1代表 FIAのスタート手順“土壇場変更”を批判「フェアではない」

    フェラーリF1代表のフレデリック・バスールは、2026年シーズン開幕直前にFIAが導入したスタート手順変更について「フェアではない」と不満を示した。フェラーリは新世代パワーユニットの弱点を見越して独自の技術的アプローチを採用していたが、その優位性が“安全上の理由”によるルール変更で失われたと考えている。

    2026年型F1パワーユニットではMGU-Hが廃止され、ターボの回転維持が難しくなったことで、スタート時のレスポンスが大きな課題となっていた。

    フェラーリはこの問題を重視し、最高出力の一部を犠牲にしてでも発進性能を優先する設計を選択。その結果、開幕戦からシャルル・ルクレールやルイス・ハミルトンが好スタートを見せ、ハースF1チーム勢も一定の恩恵を受けていた。

    フェラーリが選んだ“スタート優先”の技術的妥協
    フレデリック・バスールによると、フェラーリは2026年型パワーユニット開発の段階で、スタート性能を最重要テーマとして扱っていたという。MGU-H廃止によってターボラグが増大し、エンジン始動や発進時の加速性能に影響が出ることを早い段階から想定していたためだ。

    そのためフェラーリは、より小型のターボを採用し、立ち上がり性能を優先する方向へ舵を切った。ピークパワーでは不利になる可能性を受け入れつつも、グリッド上でポジションを守ることを重視した形だ。

    「スタートは断トツで最も重要なテーマだった」とバスールはThe Raceに語った。

    「妥協案はこうだ。1周あたり0.1秒を得るか、それともスタートで5ポジション失うか。エンジニアたちに聞けば、“なら良いスタートを選ぶ”という話になる」

    実際、冬季テストやシーズン序盤では、フェラーリ勢が他チームよりも安定してスタートを決めていた。これは偶然ではなく、レギュレーションを踏まえたうえで意図的に構築された設計思想だった。

    FIAが導入した“青色ランプ”延長手順
    しかしFIAは開幕直前、スタート前に青色ランプを5秒間点滅させる追加手順を導入した。これは各チームがターボ回転を維持しやすくするための措置であり、スタート時のエンジン失速や発進不能リスクを軽減する狙いがあった。

    バスールは、この変更によってフェラーリが積み上げてきた優位性が失われたと考えている。

    「この青いライトがなければ、中国GPのグリッドにはまだ止まったままのマシンがいたはずだ」

    一方でバスールは、安全上の判断である以上、最終決定権がFIA側にあることも認めている。

    「安全上の理由を持ち出すことはできる。それはFIAの権利であり、我々は受け入れるしかない」

    「最終的には安全を理由にした決定だった。彼らの管轄だ。たとえ全員が反対していても、彼らは決めることができる」

    “ルールに合わせてクルマを作れ”との矛盾
    バスールが特に不満を抱いているのは、この問題が“グレーゾーン活用”ではなく、フェラーリがルールを正面から解釈した結果だった点にある。

    フェラーリは以前からFIA側とこの問題について議論しており、その際に返ってきたのが「クルマをルールに合わせるべきであり、ルールをクルマに合わせるべきではない」という説明だったという。

    「私は1年前にFIAへ行き、この件について話をした。スポーティング諮問委員会でも、パワーユニット諮問委員会でも議論した」

    「その時のFIAの返答は、“ルールに合わせてクルマを設計すべきであり、あなたのクルマのためにルールを作るべきではない”というものだった。我々はその考え方を評価していた」

    だがその後、多くのチームが危険性を主張し始めたことで状況が変わった。

    「グリッドの半分、40%ほどのチームが“非常に危険だ”と騒ぎ始めた。政治的にはうまいやり方だったが、フェアプレーではなかった」

    フェラーリが感じる“後出し変更”への不満
    バスールは今回の件について、安全性向上そのものを否定しているわけではない。ただ、シーズン直前の変更によって、フェラーリが意図的に行った技術的妥協が無意味になったことに強い不満を抱いている。

    「我々にとってはかなり厳しい話だった」

    「安全上の理由で彼らが行ったことは理解している。しかし別の方法として、“危険だと判断されるならピットレーンスタートにする”という選択肢もあったはずだ」

    「我々は特定の基準を持ってエンジンを開発した。そしてある意味では、彼らは土壇場でルールを変えたんだ」

  • 2026年F1カナダGP5つの焦点 ラッセル反撃とADUO初評価に注目

    2026年F1カナダGP5つの焦点 ラッセル反撃とADUO初評価に注目

    2026年F1カナダGPは、今季3度目のスプリント週末としてモントリオールで開催される。タイトル争いではメルセデス勢が主導権を握るなか、ジョージ・ラッセルの反撃、キミ・アントネッリの連勝継続、そしてマクラーレンやフェラーリ、レッドブルによる追撃が大きな見どころとなる。

    さらに今週末は、2026年F1パワーユニット規則の鍵を握る「ADUO(追加開発・アップグレード機会)」の初回評価期間終了という重要な節目でもある。

    アップグレード競争、変わりやすいモントリオールの天候、そして初開催となるカナダGPのスプリント形式が重なり、シーズン序盤の流れを左右する週末になりそうだ。

    ラッセルにとって反撃の舞台となるモントリオール
    ジョージ・ラッセルは昨年のカナダGPでポールポジションから勝利を挙げ、その前年もポールから表彰台を獲得している。ジル・ヴィルヌーヴ・サーキットは、近年のラッセルにとって特に相性のいい舞台だ。

    開幕前はタイトル候補の一角と見られていたラッセルだが、中国GP予選での信頼性問題をきっかけに流れが変化。その間にキミ・アントネッリが中国、日本、マイアミで勝利を重ね、ランキング首位で20点差を築いた。マイアミでは苦戦したラッセルにとって、カナダは反撃への重要な一戦となる。

    カナダグランプリ F1 ジョージ・ラッセル

    メルセデスを追うマクラーレン、フェラーリ、レッドブル
    マイアミGPでは、マクラーレン、フェラーリ、レッドブルを含む複数チームが大規模なアップグレードを投入した。これにより、メルセデスとの差は前戦で明確に縮まり、上位争いはさらに接近した。

    ランド・ノリスはスプリントでマクラーレンの1-2を先導し、決勝でもアントネッリと優勝争いを展開。オスカー・ピアストリも表彰台を獲得し、マクラーレンの競争力向上を印象づけた。

    メルセデスもカナダでさらなるアップグレード投入を予定しているとみられ、マクラーレンも追加パーツを準備中だ。フェラーリやレッドブルもマイアミで得たデータを分析し、最新パッケージの理解を深めてくる。

    カナダグランプリ 2026年のF1世界選手権

    ADUOが焦点に パワーユニット勢力図を左右する制度
    今週末のカナダGPでは、「ADUO」という言葉が大きな注目を集める可能性がある。ADUOは「Additional Development and Upgrade Opportunities(追加開発・アップグレード機会)」を意味し、2026年F1パワーユニット規則の一部として導入された新制度だ。

    これは、ホモロゲーション済みパワーユニットに大きな性能差が認められた場合、追加開発を許可する仕組みで、対象は内燃エンジン(ICE)に限定される。

    FIAの評価により、最良のICEから2%超〜4%未満の差があるメーカーには、今季と来季にそれぞれ1回の追加アップグレードが認められる。4%以上の差がある場合は、それぞれ2回の追加開発機会が与えられる。

    2026年F1カナダGPは、最初の監視期間終了後に行われる最初のイベントとなるため、FIAによる評価結果とADUO適用の有無が焦点となる。

    カナダグランプリ ADUO

    壁と縁石が生むカナダGP特有の緊張感
    カナダGPは、独特の雰囲気と荒れた展開が魅力のイベントとして知られている。セントローレンス川の人工島に位置するジル・ヴィルヌーヴ・サーキットには毎年多くのファンが集まり、週末全体を特別な空気で包み込む。

    コースはシケインが多く、ウォールとの距離が極めて近い。最終シケイン外側にある「ウォール・オブ・チャンピオンズ」は象徴的な存在で、1999年にはミハエル・シューマッハ、ジャック・ヴィルヌーヴ、デイモン・ヒルという3人のワールドチャンピオンが同じ週末にクラッシュしたことで有名になった。

    2011年にはジェンソン・バトンが劇的な逆転勝利を挙げるなど、過去にも数々の名レースを生み出してきた。開催時期が5月へ移動した今年は、変わりやすい天候がさらなる波乱を呼ぶ可能性もある。

    カナダグランプリ ジル・ヴィルヌーヴ・サーキット

    初開催のカナダGPスプリントが勢力図を揺さぶる
    今年のカナダGPは、スプリント形式導入後では初めてスプリント週末として開催される。金曜日にスプリント予選、土曜日にスプリントが行われることで、通常以上に重要なセッションが増える。

    一方で、チームとドライバーに与えられる準備時間は大幅に限られる。フリー走行は1時間のみであり、縁石の使い方やウォール際の攻め方が重要となるモントリオールでは、ドライバーがどれだけ早く限界域に到達できるかが大きなポイントになる。

    特に序盤から自信を持って攻められるドライバーは、スプリント週末で大きなアドバンテージを得られる可能性がある。逆に、週末を通じて徐々にペースを上げるタイプのチームには難しい条件となりそうだ。

  • 小松礼雄 ハースF1チームとトヨタの協業を語る「人を育てることが重要」

    小松礼雄 ハースF1チームとトヨタの協業を語る「人を育てることが重要」

    ハースF1チームの小松礼雄代表が、ポッドキャスト番組「Inside the ICE House」に出演し、トヨタとのパートナーシップやF1の成長、組織文化の重要性について語った。

    小松礼雄は、2024年に始まったトヨタとの技術提携が、2025年末のタイトルパートナー契約によってさらに深化したと説明。その原点には、トヨタ自動車会長の豊田章男との“価値観の一致”があったと振り返った。

    豊田章男との初対面で確信した“共通の哲学”
    小松礼雄は、2024年夏に東京で豊田章男と初めて対面した際、「10年、15年来の知り合いのようだった」と感じたと明かした。

    「何にワクワクするのか、朝起きる理由は何か、そういう話をしました。契約の話はほとんど出ませんでした」

    そう振り返った小松礼雄は、「大きな協業ほど、人間関係が重要になります」と説明。豊田章男と“人を育てること”への考え方が一致したことで、ビジネス面は自然と整っていったと語った。

    また、小松礼雄はこの提携を「完全に50対50の関係」と位置付けている。

    「ドライバーでも、エンジニアでも、メカニックでも、マーケティングや財務でも、人を育てることが重要です。F1は人格や人間性を成長させる環境でもあります」

    と述べ、F1を“人材育成の場”として捉えている考えを明かした。

    テストチーム創設で若手育成を加速
    小松礼雄は、トヨタとの協業によって若手育成の幅が大きく広がったことも説明した。

    現行F1マシンには走行制限があるため、ハースF1チームは旧型車を活用した「テストチーム」を新設。これにより、若手ドライバーや若手エンジニア、メカニックに実践機会を提供できるようになったという。

    「トヨタ側の若手ドライバーに機会を与え、トヨタのエンジニアと我々のエンジニアを統合しています。将来的には組織全体に広げていきたいです」

    さらに、小松礼雄は、F1で育成した人材が将来的にトヨタ本社へ戻ることにも大きな価値があると強調した。

    「国際的な環境で成長した人材がトヨタ自動車へ戻れば、将来的に会社をさらに発展させる重要人物になる可能性があります」

    と語り、モータースポーツを通じた長期的な人材育成の重要性を説明した。

    “最小チーム”だからこそ文化が重要
    小松礼雄は、ハースF1チームが現在もグリッド最小規模のチームであることに触れ、「だからこそ協力体制が重要になります」と語った。

    「400人規模の我々が1200人規模のチームと戦うには、全員が同じ方向を向き、支え合う必要があります」

    そのうえで、「結果だけでなく、どんな文化を作るのかを共有することが大切です」と説明。トヨタとの協業によって、段階的に組織能力を拡張できていると述べた。

    小松礼雄(ハースF1チーム代表)

    Netflix時代でF1は“別のスポーツ”になった
    F1全体の変化について、小松礼雄は「23年前とは完全に別世界です」と語った。

    「2003年当時のF1は、純粋にレースをする場でした。ですが、デジタル時代やSNS時代への対応が遅れていました」

    しかし、リバティ・メディア体制やNetflix『Drive to Survive』の成功によって、F1は大きく変化したと分析した。

    現在は女性ファン比率が42%に達し、若年層も大きく増加。小松礼雄は、中国ではドライバーが“K-POPスターのように扱われている”とも紹介した。

    「以前は“モータースポーツはこうあるべき”と思っていましたが、今は違う楽しみ方があっていいと思うようになりました」

    と述べ、多様な楽しみ方を受け入れることがF1成長の鍵だと語った。

    決断力と“失敗を恐れない文化”
    F1の現場では瞬時の判断が求められるが、小松礼雄は「最も悪いのは何も決断しないことです」と強調した。

    「15秒決断を遅らせれば、ピットタイミングを逃すこともあります」

    そのため、チームには「失敗を恐れず決断できる安全な環境」が必要だと説明した。

    また、問題発生時には“責任追及文化”ではなく、“学習文化”が重要だと語る。

    2025年開幕戦でマシンに大きな問題が発覚した際には、「問題を認めること」から始め、エンジニアに解決策を委ねたという。

    「もし何もしなければ、何も学べません」

    そう語った小松礼雄は、リスクを取る決断をリーダーとして引き受けた結果、エンジニア陣が自信を深め、最終的にはシーズン終盤に“5番目に速いマシン”へ成長できたと振り返った。

    “才能”だけでは成功できない
    人材評価について、小松礼雄は「能力だけでは不十分です」と説明した。

    「どれだけ優秀でも、周囲を壊すような性格なら意味がありません」

    F1では協調性や謙虚さ、チームへの貢献意識が極めて重要だと語った。

    また、若手ドライバーのオリバー・ベアマンについても高く評価した。

    「18歳でF1カーに初めて乗った時点で、チーム全体の目的を理解し、それを実行できていました」

    さらに、自らミスを分析し、次のアタックで即座に修正できる“学習能力”にも感銘を受けたと語った。

    “純粋にレースのために存在するチーム”
    最後に小松礼雄は、TGRハースF1チームの独自性についてこう語った。

    「我々は飲料を売るためでも、クルマを売るためでもなく、純粋にレースのために存在しています」

    そのうえで、トヨタを中心とした“同じ価値観を持つパートナーの共同体”が形成されつつあることに大きな可能性を感じていると説明した。

  • エラ・ハッキネン マクラーレンF1育成入りに驚き「本当に信じられなかった」

    エラ・ハッキネン マクラーレンF1育成入りに驚き「本当に信じられなかった」

    ミカ・ハッキネンの娘であるエラ・ハッキネンが、マクラーレンF1のドライバー育成プログラム加入までの舞台裏を明かした。

    カート界で頭角を現してきたエラ・ハッキネンは、2025年11月にマクラーレンのドライバー・ディベロップメント・プログラム加入が発表された。現在はF4ステップアップに向けた準備を進めながら、マクラーレンから包括的なサポートを受けている。

    “疑わしかった”マクラーレンの視線
    エラ・ハッキネンはチェコ国籍でレース活動を行っており、2024年の「チャンピオンズ・オブ・ザ・フューチャー・アカデミー」クレモナ大会で優勝を記録した。

    現在はマクラーレンの支援のもと、ドライバー教育やアドバイスを受けながら、将来的なフォーミュラカー昇格を見据えている。

    「マクラーレンのドライバー育成プログラムに加入できて本当に誇りに思っています。素晴らしい機会ですし、とても感謝しています」

    「去年積み重ねてきた進歩が、こうしてチーム加入という形で実を結んだと思います。本当に嬉しいです」

    一方で、本人にとって加入決定は完全なサプライズだったという。

    「私にとっては驚きでした。去年はマクラーレンのスタッフがいつもサーキットに来ていて、セッション後には毎回話しかけてくれていました」

    「ちょっと怪しいなとは思っていましたけど、まさかそれがこのプログラム加入につながるなんて全然思っていませんでした」

    「その後、ヨーロッパ選手権のためにスウェーデンにいた時に、“契約完了”というメールを受け取りました。本当に信じられませんでした」

    「父は笑い出していました。本当に予想外でしたし、とても幸せな瞬間でした」

    “父のチーム”を受け継ぐ特別な意味
    現在のマクラーレン育成プログラムには、F1アカデミー参戦中のエラ・ロイド、エラ・スティーブンスも所属しており、エラ・ハッキネンは3人目の女性メンバーとなった。

    「女性ドライバーを支援してくれる素晴らしい環境だと思います。でもそれだけではなく、本当に素敵な人たちがたくさんいるチームです」

    「もちろん父が走っていたチームでもあるので、その足跡を追えることは私にとって特別なことです」

    幼少期からF1パドックやグランプリに触れて育ったことも、彼女がモータースポーツへ進んだ大きな理由だった。

    「一番古い記憶は、父と一緒にグランプリへ行ったことです。8歳か9歳くらいの頃、父と一緒にレースへ行って、ただマシンが走るのを見ていました」

    「当時は詳しいことは分かっていませんでしたけど、その場にいるだけで楽しかったです。マシンが走る姿を見るのが大好きでした」

    「色々なモーターショーにも行きましたし、昔からクルマにすごく興味がありました。弟と一緒にチェコで初めてカートに乗った時のことも覚えています。本当に楽しかったです」

    ミカ・ハッキネンから受け継いだ“最高の助言”
    2度のF1ワールドチャンピオンを父に持つエラ・ハッキネンには、当然ながら直接アドバイスも送られている。

    その中でも、最も印象に残っている言葉についてこう語った。

    「他人がどう思うかなんて気にする必要はない」

    「私は周囲の目を気にしてしまうタイプです。でも父はいつも支えてくれて、“他人がどう思うかなんて気にしなくていい。それは相手側の問題だ”と言ってくれます」

    「“自分だけに集中しろ”といつも言っています。それが最高のアドバイスです」

    ただし現在のレース環境は、父ミカ・ハッキネンが戦っていた時代とは大きく異なることも理解している。

    「父は去年3レースくらいしか来ていませんでしたけど、とても良いアドバイスをくれます」

    「もちろん父は多くのことを知っています。でも今のドライビングは、父がレースしていた時代とは本当に違います」

    「だから父自身も、まずはチームのエンジニアやデータ担当の話を聞いた方がいいと分かっています」

    「もちろん父の助言は聞きますけど、どちらかと言えば別の視点からのアドバイスという感じです」

    F4挑戦へ向けた次のステップ
    15歳となったエラ・ハッキネンは、本格的にフォーミュラカテゴリーへの準備を進めている。

    今季は大規模なテストプログラムをこなしながら、将来的なトップカテゴリー到達を目指している。

    「F4へのステップを本当に楽しみにしています。そして長期的には、シングルシーター最高峰へ到達することが目標です」

    「今年はスピード、レース感覚、メンタル、フィジカルなど、あらゆる面で大きく成長できています」

    また、優れたレーシングドライバーに必要な資質について尋ねられると、冷静さの重要性を強調した。

    「まずは落ち着いていることです。それから自立していること。でも同時に、多くのアドバイスを受け入れられる人でもあるべきだと思います」

    「そして整理整頓ができて、人との関係性においても良いメンタリティを持っていることが大切です」

  • アストンマーティン・ホンダF1をメルセデスが警戒「2027年規則変更で一変も」

    アストンマーティン・ホンダF1をメルセデスが警戒「2027年規則変更で一変も」

    アストンマーティンとホンダは、2026年F1シーズン序盤で深刻な苦戦を強いられている。だが、ライバル陣営であるメルセデスF1は、その現状を決して額面通りには受け取っていない。

    メルセデスの首脳陣は、エイドリアン・ニューウェイとホンダという組み合わせを“過小評価すべきではない存在”として警戒しており、2027年のレギュレーション変更が勢力図を大きく塗り替える可能性があると見ている。

    今季のアストンマーティンは、AMR26の競争力不足とホンダ製パワーユニットの信頼性問題に苦しみ、開幕から下位に低迷。マイアミGPでは一定の改善を見せたものの、依然としてグリッド後方から抜け出せていない。

    その状況を受け、一部ではエイドリアン・ニューウェイのチーム代表就任そのものに疑問の声も上がっている。

    しかし、メルセデスF1副代表のブラッドリー・ロードは、独メディア『Champ1』の取材に対し、アストンマーティンとホンダを“見限る”考えはまったくないと語った。

    メルセデスF1はアストンマーティンとホンダを“過小評価せず”
    「本当に苦しい状況になったときこそ、そのチームの強さが見えるものだ」

    ブラッドリー・ロードはそう語り、困難な状況でチームがどのように結束し、立て直していくかが重要だと強調した。

    「我々は彼らをまったく過小評価していないし、見限ってもいない。ただ、彼らの前には非常に大きな仕事が待っているのは明らかだ」

    「だが、エイドリアン・ニューウェイを擁し、アストンマーティンの資金力と野心があり、さらにホンダのようなエンジンメーカー兼パートナーの技術力があるチームは、必ず戻ってきて戦うようになる。問題は、それがいつになるかだけだ」

    さらにロードは、2027年に導入される可能性がある新レギュレーションが、アストンマーティンとホンダにとって特に大きな転機になる可能性を示唆した。

    「F1では、チームは1年で大きく変わることがある。特に2027年に新しいレギュレーションが導入されればなおさらだ」

    「だからこそ、彼らを見くびるのは最大の間違いになる」

    「我々はアストンマーティンが持っている力と、この数年で見せてきたものに大きな敬意を抱いている。今年後半なのか、来年なのかは分からないが、彼らは必ず強くなって戻ってくると考えている」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ホンダ支援問題と2027年への視線
    現在のF1パドックでは、ホンダに対する“ADOU支援パッケージ”も大きな議論になっている。

    F1チーム側は、ホンダがプロジェクト撤退を避けられるよう、総額1400万ポンド規模の技術支援を行う方向で調整を進めていると報じられている。

    一方で、その支援策が将来的にアストンマーティンとホンダの競争力向上につながり、自らのライバルを強化する結果になるのではないかとの懸念も存在する。

    実際、レッドブル時代のホンダが、マクラーレンとの苦戦を経て王者争いを演じるまでに成長した前例は、F1関係者の間でも強く意識されている。

    アストンマーティンは現在、7月のベルギーGP投入を目指してAMR26の大規模アップデートを進めている。

    エイドリアン・ニューウェイ主導による全面的な見直しが成功すれば、2026年後半戦から勢力図が変化し始める可能性もある。

    【関連】
    ・ホンダのF1継続に暗雲 経営悪化とV8回帰論がアストンマーティン計画を直撃

  • フォード F1のV8エンジン復活構想を歓迎「そのアイデアは大好きだ」

    フォード F1のV8エンジン復活構想を歓迎「そのアイデアは大好きだ」

    フォードは、2030年以降のF1パワーユニット規則をめぐる議論の中で、V8エンジン復活の可能性に前向きな姿勢を示した。

    FIAとF1は、2026年F1レギュレーション導入後の次世代エンジン構想について検討を進めており、完全持続可能燃料を前提に、電動比率を抑えたハイブリッドV8案が現実味を帯び始めている。

    フォードが歓迎するV8復活構想
    F1のステファノ・ドメニカリCEOが、現行パワーユニット時代にメーカーへ過度な影響力を与えた可能性に言及した後、FIA会長のモハメド・ビン・スライエムはマイアミで、V8エンジンの復活は「時間の問題」だと述べた。

    現在検討されている構想は、ハイブリッド要素を残しながら、2026年F1レギュレーションよりも電動比率を下げる方向とみられている。燃料には完全持続可能燃料を使用し、環境目標を維持しながら、F1が失ったとされる感情的な魅力を取り戻す狙いがある。

    フォード・パフォーマンスのマーク・ラッシュブルックは、モータースポーツ・ドットコムに対し、次期レギュレーションの議論について前向きに語った。

    「将来、次のレギュレーションに向けて、スポーツは何が重要で、何が関係しているのかについて、関係者を巻き込む正しいアプローチを取っていると思う」

    「我々が関わってきたすべて、そしてそこで見ているものは、我々にとって心強いものだ」

    「対話は行われており、正しい決定が下されると信じている。そして、そのどれも我々がここにいるというコミットメントを変えるものではない」

    V8はフォードの市販車戦略とも一致
    フォードのF1復帰は、レッドブル・パワートレインズとの提携を通じたものであり、当初はF1のハイブリッド時代に対する強い支持と受け止められた。しかしラッシュブルックの発言は、フォードの投資が特定の技術思想だけに縛られていないことも示している。

    「それは我々にとって魅力的だ」

    「近年、乗用車の基準や要件が地域ごとに大きく異なるようになった中で、フォードが車両にどう取り組んでいるかを見ると、我々には内燃エンジン、さまざまな構成のハイブリッド、内燃と電動の比率が異なるもの、そして完全電動がある」

    「世界中の異なる市場でそれらを提供できる準備をしておく必要がある。だから我々には、そのすべてのライブラリーがある」

    ラッシュブルックは、V8フォーミュラがフォードの既存ラインナップや顧客層と自然に結びつくと説明した。

    「それによって、F1を含むさまざまなシリーズでレースをする際に、多くの選択肢が生まれる。我々が設計し、開発し、顧客に販売するものと、レースを関連付け続けることができる」

    「我々はV8のアイデアが大好きだ。なぜなら、我々は多くのV8を販売しているからだ。そして電動化の要素も大好きだ。なぜなら、我々には多くのハイブリッド車があるからだ」

    「それが50対50であれ、60対40であれ、90対10であれ、我々は内燃と電動の統合について学び続けることになる。我々はそれに非常にオープンだし、コース上のレースにも役立つ。繰り返すが、それによって我々のアプローチやコミットメントが変わることはない。我々は将来に向けた議論に満足している」

    V型8気筒 エンジン

    市販車との技術的関連性と感情的魅力の両立
    フォードの姿勢が意味するのは、単なる大排気量エンジンへの郷愁ではない。F1はメーカー、政府、ファンの要求を同時に満たす必要があり、その中で市販車との技術的関連性と、F1らしい感情的な魅力を両立できるかが問われている。

    ラッシュブルックは、2026年F1レギュレーションをめぐる複雑性やコスト、レース内容への懸念がある中でも、現行の方向性からフォードが大きな価値を得ていると語った。

    「我々は現在のルールに満足していたし、調整を行うことにも満足している」

    「我々は今もそこから大きな価値を得ている。ただ、先ほど言ったように、我々にはパワートレインのポートフォリオがあるので、多くの異なるものを我々にとって意味のあるものにできる能力がある」

    「おそらく、それ以上ですらある。我々は3年半前に始めたときに想像していた以上に、それを楽しんできたし、今も大きな恩恵を受けている」

    フォードは、F1がどのようなエンジン形式を選んだとしても、その商業的価値と技術的意義を見いだせる立場にある。完全持続可能燃料を使うV8ハイブリッドという将来像は、F1にとって過去への回帰ではなく、メーカーの実利とファンの期待をつなぐ現実的な選択肢になりつつある。

  • ルイス・ハミルトン F1政治構造に問題提起「ドライバーにも席を」

    ルイス・ハミルトン F1政治構造に問題提起「ドライバーにも席を」

    ルイス・ハミルトン(フェラーリF1)が、F1のレギュレーション策定においてドライバー側にも正式な発言権を与えるべきだと訴えた。しかし、フレデリック・バスールやジェームス・ボウルズらチーム代表陣は、現状でもドライバーの意見は十分に反映されているとの見解を示している。

    2026年F1シーズンでは、パワーユニット調整や2027年F1レギュレーションの方向性を巡り、FIAや各メーカー、チーム間で議論が続いている。

    その中でハミルトンは「ドライバーにも正式な“席”が必要だ」と主張。F1コミッションにおける意思決定構造そのものに問題提起を行った。

    ハミルトンが求める“正式な発言権”
    ハミルトンはマイアミGPの週末、4月に行われたF1関係者会合について言及。2026年F1マシンや2027年F1レギュレーションに関する議論が進む一方で、ドライバーは正式な“ステークホルダー”ではないため、投票権を持たない現状に疑問を呈した。

    ハミルトンは、F1コミッションの中にドライバーの恒久的な代表枠を設けるべきだと訴えている。

    これは単なる不満ではなく、近年のF1が抱える“競技性とショー性のバランス”にも直結するテーマだ。特に2026年F1パワーユニットでは、エネルギーマネジメントやデプロイメント制御がレース展開を左右しており、実際にマシンを操るドライバー側の感覚を規則へどう反映するかが重要視されている。

    フレデリック・バスール「ドライバーは除外されていない」
    一方で、フェラーリF1のチーム代表フレデリック・バスールは、“ドライバー排除論”には否定的な立場を取った。

    「ドライバーたちはここ数週間のエンジン規則変更の議論にも参加していた。うまく機能していたと思う」とフレデリック・バスールは語った。

    「もちろん彼らは異なる視点を持っているし、妥協点を見つけるのは簡単ではない。ただ、彼らは議論の一部だ。我々も彼らの意見を聞き、FIAとのレギュレーション協議へフィードバックを持ち込んでいる」

    「彼らはまったく排除されていない」

    フレデリック・バスールの考え方は明確だ。ドライバーは“投票者”ではなく、“重要な助言者”として機能しているという立場である。

    つまり、ドライバー → チーム → FIAという既存の伝達構造によって、現場の意見は十分に反映できているという認識だ。

    ルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリ)

    ジェームス・ボウルズ「これ以上増やせば議論が止まる」
    ウィリアムズF1のチーム代表ジェームス・ボウルズも、より現実的な視点からハミルトン案に慎重姿勢を示した。

    ジェームス・ボウルズは、GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)の役割を例に挙げ、カルロス・サインツがニコラス・トンバジスから直接意見を求められていたことを明かした。

    「カルロスは実際に相談を受けていた。ニコラス・トンバジスは彼を議論に加え、規則変更前に意見を確認していた」とジェームス・ボウルズは説明した。

    ただし、正式な投票組織へドライバーを追加することには懸念を示す。

    「正直、すでにテーブルには人が多すぎる。議論が堂々巡りになってしまうからだ。我々をさらに5人増やしても助けにはならない」

    さらにジェームス・ボウルズは、“メーカー寄り”の議論になる危険性にも触れた。

    「重要なのは、特定のパワーユニットメーカーの方向へ偏らないことだ。本当に必要なのは、ドライバー全体の意見を聞く仕組みだと思う」

    F1が抱える“誰が競技を作るのか”という問題
    今回の議論は、単なる政治的な対立ではない。

    2026年F1レギュレーション以降、F1はエネルギーマネジメント重視の方向へ急速に進んでいる。さらに2030年以降にはV8復活論まで浮上しており、FIA・メーカー・チーム・ドライバーそれぞれの思惑が複雑に絡み始めている。

    ハミルトンが求めているのは、“現場の感覚”をもっと制度側へ直接反映させる仕組みだ。

    一方でチーム代表側は、現在のF1政治構造ですら意思決定に時間がかかっており、さらに権限主体を増やせばレギュレーション策定そのものが停滞しかねないと警戒している。

    つまり対立点は、「ドライバーの意見が必要かどうか」ではない。

    その声を、“どの立場で”“どこまで制度化して”取り込むべきなのか――そこにある。