カテゴリー: オスカー・ピアストリ

  • ヨス・フェルスタッペン 「私がピアストリならテーブルを叩いて抗議する」

    ヨス・フェルスタッペン 「私がピアストリならテーブルを叩いて抗議する」

    マックス・フェルスタッペンの父で元F1ドライバーのヨス・フェルスタッペンは、オスカー・ピアストリが2025年のF1ワールドチャンピオンシップを逃した場合、評判に悪影響を及ぼす可能性があると警告した。

    ピアストリは9月初旬の時点でチームメイトのランド・ノリスに34ポイント差をつけ、6か月にわたってタイトル争いをリードしていた。しかしその後流れは一変。イタリアGPでの物議を醸したチームオーダー(ピットストップのミス後、ノリスに2位を譲る指示)以降、表彰台から遠ざかっている。

    現在、ノリスが1ポイント差で首位に立ち、フェルスタッペンは36ポイント差の3番手。残り4戦を前に、タイトル争いは三つ巴の様相を呈している。

    ヨス・フェルスタッペン「ピアストリが突然ドライビングを忘れるはずがない」
    「マクラーレンで起きていることは奇妙だと思う」とヨス・フェルスタッペンはオランダ紙『De Telegraaf』に語った。

    「ピアストリが突然ドライビングを忘れるなんてことはありえない。もし僕が彼、もしくは彼のマネージャー(元F1ドライバーのマーク・ウェバー)なら、チーム内で一度はテーブルを叩いて抗議するだろう」

    「今の状況では『彼はプレッシャーに耐えられないのか?』と誰もが疑問を持ち始めている。それは彼の評判にとって良くない。ピアストリの評価が下がってしまうんだ」

    マクラーレン贔屓説とファンの反応
    チャンピオンシップの急転は、ピアストリの実力だけで説明できないとの見方を生み、さまざまな憶測を呼んでいる。メキシコGPでノリスが優勝した際には観客からブーイングが起き、地元メディアは「チームがピアストリよりノリスを優遇している」との陰謀論がファンの間で広まっていると報じた。

    しかしマクラーレンはこれを一貫して否定し、2人のドライバーを平等に扱っていると主張している。

    ピアストリ「チームが僕を不利に扱っているわけではない」
    サンパウロGPのメディアデーで、ピアストリはチームが自分に不利な扱いをしているという説を明確に否定した。

    「そんなことはない」とピアストリは断言した。「ここ数戦は少し難しい週末が続いているけど、その理由はかなり明確になっている。何が起きたのか分からないなんてことはない」

    「走り方の違いなど、いくつかの点で疑問はあるけど、すべて説明がつくことなんだ」

    マクラーレン内部の力学と心理戦
    ピアストリとノリスの間に明確な優先順位はないとチームは主張しているが、シーズン後半の戦略判断やアップデートの流れを見ると、外部からは“微妙な差”が感じ取られるのも事実だ。

    ヨス・フェルスタッペンの指摘は、ピアストリ陣営が心理的に受け身に回っている現状を突いており、「テーブルを叩く」発言は、若いドライバーに自己主張を求めるメッセージでもある。

    ノリスが勢いを取り戻す一方で、ピアストリは冷静さを保ちつつも、タイトル争いにおける政治的・心理的駆け引きの重要性を学ぶ段階にあるといえる。

    残り4戦──インテルラゴスの週末は、彼の真価が問われる局面となる。

  • ピアストリ 陰謀論にブランドル「マクラーレンF1はどちらが勝っても構わない」

    ピアストリ 陰謀論にブランドル「マクラーレンF1はどちらが勝っても構わない」

    マーティン・ブランドルは、オスカー・ピアストリがマクラーレンで不公平な扱いを受けているという陰謀論を一蹴したうえで、「彼はいま確実に立て直しが必要な時期にある」と指摘した。

    ピアストリは夏以降の成績で失速し、オランダGP時点でランド・ノリスに対して持っていた34ポイントのリードを失った。残り4戦となった現在、両者の差はわずか1ポイント。チーム内タイトル争いは完全な五分に戻った。

    ブランドル「頭の中がかき乱されたようだ」
    ブランドルはスカイスポーツの番組『The F1 Show』で、ピアストリがアゼルバイジャンGPで2度クラッシュし、ジャンプスタートも犯した週末を「頭の中が散らかったような状態」だったと表現。若いドライバーとしてのプレッシャーの兆候が見え始めたと分析した。

    「マクラーレンはシャシー、エアロ、セットアップまで何度も確認しているはずだ。僕は本気で、マクラーレンがどちらのドライバーに勝ってほしいかは気にしていないと思う。とにかくチームとしてタイトルを取ること、それもフェルスタッペンではなく自分たちのドライバーが取ることが重要なんだ」

    「突然、冷静さが崩れた」
    ブランドルは、今季序盤に比べてピアストリの冷静さが失われていると感じているという。

    「シーズンの初め、彼は“水平的”と言われるほど冷静だった。無線でも常に落ち着いていて、何事にも動じなかった。だが今はその“ガラスの天井”のような冷静さが崩れている。彼は苦しんでいるように見える」

    「チームは年間4億ドルを投じ、1500人ものスタッフが働いている。誰かのマシンをわざと遅くするなんてことはあり得ない。オスカーの担当スタッフも、彼がブラジルで立て直すことを心から望んでいるはずだ。彼はシーズン序盤に見事な勝利を挙げた。それを急に忘れることなんてない」

    オスカー・ピアストリ マクラーレン

    「与えるプレッシャーと受けるプレッシャー」
    ブランドルは、自身のかつてのチームボスの言葉を引用し、タイトル争いの心理的側面をこう締めくくった。

    「ハイレベルなスポーツでは、プレッシャーは2通りしかない。与えるか、受けるか。その中間はない。ランドとマックスはいま“プレッシャーを与える側”になり、オスカーは“受ける側”に回っている。それがいま目の前で起きている現象なんだ」

    マクラーレンのチーム内バランス
    ピアストリは直近の数戦で「マシンを最大限に活かすため、運転の仕方を変えざるを得なかった」と語り、一方のノリスは「自分に合わせたセットアップ開発を進めている」と説明している。両者が異なる方向でマシンを仕立てる中で、心理的な差が結果に表れ始めたとも言える。

    ブランドルの見立ては明快だ。マクラーレンがどちらを優遇することもない――だが、プレッシャーの受け止め方次第で、2025年のチャンピオンは変わるかもしれない。

  • オスカー・ピアストリ F1タイトル失速の原因をビルヌーブ指摘「慢心が招いた」

    オスカー・ピアストリ F1タイトル失速の原因をビルヌーブ指摘「慢心が招いた」

    1997年のF1ワールドチャンピオン、ジャック・ビルヌーブは、オスカー・ピアストリがここ数戦でタイトル争いから後退した原因は「慢心」だと指摘した。

    夏以降、ピアストリが意識をチームメイトのランド・ノリスにのみ集中させた結果、終盤にマックス・フェルスタッペンとノリスが勢いを増す中で対応しきれなかったと分析している。

    ピアストリはオランダGPでの優勝後、34ポイント差でノリスをリードし、フェルスタッペンに対しては104ポイントものアドバンテージを築いていた。だが、メキシコGPまで4戦連続で表彰台を逃し、ついにノリスに1ポイント差で逆転を許した。

    「チームメイトだけを意識した」ことが生んだ隙
    「どんなスポーツでも同じことが起きる」とビルヌーブはSky Sports『The F1 Show』で語った。

    「シーズンを通して平均的なチームが、終盤になると突然トップに躍り出ることがある。なぜか? 全勝していたチームが崩れることだってある」

    「今シーズン序盤、ランドはあまり良くなかった。去年終盤のようなランドではなかったんだ。そこで僕たちは『ピアストリが成長してランドに並んだ、あるいは上回った』と思い込んだ。

    でも実際には、ピアストリが上がったのではなく、ランドが本調子ではなかっただけかもしれない。ピアストリは“自分はもう速い”と安心してしまったのかもしれない。チームメイトしかライバルがいない状況では、最後の一歩、あとコンマ1秒を攻めようとはしないものだ」

    ノリスとフェルスタッペンの覚醒で露呈した限界
    ビルヌーブは、ノリスが調子を取り戻し、フェルスタッペンが勝ち続けるようになってからピアストリの歯車が狂ったと見る。

    「バクーを境に、マックスがすべてを勝ち取り始めた。そしてランドが完全に覚醒したんだ。今シーズン最高の走りをしている。だがピアストリはそれについていけなかった。彼はもう限界に達していたんだ」

    「そして、さらにコンマ2秒を削らなければならなくなった時、これまで完璧に感じていたクルマが突然扱えなくなる。『同じマシンなのに、なぜこんなに難しいんだ』と感じてしまう。限界内で走っていた時はクルマが完璧に見えるけれど、その限界を超えようとすると、すべてが悪く見えるんだ」

    オスカー・ピアストリ マクラーレン

    マシンもタイヤも変わっていない
    ビルヌーブは、マクラーレンのMCL39やピレリタイヤの仕様が大きく変化していないことも指摘した。

    「マシンは大きく進化していない。タイヤもピレリ製で同じだ。たまにコンパウンドが柔らかいとか、気温が高いとかあるが、基本的には変わらない」

    「だから、ほんの少しチームメイトがステップアップするだけで、自分が取り残されたように感じる。そして『なぜうまくいかないんだ?』と混乱し、セットアップをいじりすぎて迷路に入る。

    データを見て『コーナーでチームメイトが0.1秒速い。じゃあ僕も変えよう』と思う。それが間違いなんだ。本来の自分の走りを忘れずに、少しだけ上積みすればいい」

    “慢心”がもたらすチャンピオンシップの落とし穴
    ビルヌーブの分析は、シーズン前半で支配的だったピアストリが、プレッシャーと自己疑念の中でリズムを失っていった姿を浮かび上がらせる。

    残り数戦、ピアストリが精神的な迷いを振り払い、本来の強さを取り戻せるかがカギとなる。

    ノリス、そしてフェルスタッペンが勢いを増すなか、“慢心”という心の隙をどう克服するか──。それがF1タイトル争いの行方を左右することになるだろう。

  • ピアストリ苦戦の真相 「滑らせて速く走る」マクラーレンF1との相性差

    ピアストリ苦戦の真相 「滑らせて速く走る」マクラーレンF1との相性差

    今季のF1でマックス・フェルスタッペンが再びタイトル争いに復帰するという驚きが続く中、さらに意外な展開は、オスカー・ピアストリのパフォーマンス低下だ。

    開幕戦メルボルンでルイス・ハミルトンを最終ラップで抜いて9位に入ったオーストラリア人は、その後も安定して上位を争い、中国からモンツァまでの間に4位のカナダを除けば表彰台圏内を維持していた。だが、イタリアGPでの3位以降、ピアストリは表彰台から遠ざかっている。

    アゼルバイジャンではジャンプスタートと1周目のリタイアで週末を棒に振ったが、シンガポールでは復調の兆しを見せ、ランド・ノリスを予選で上回り、決勝でも1ポジション差でフィニッシュした。しかし、続くアメリカとメキシコの2戦では、両者の差が一気に広がった。

    マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、この“落差”の原因について明確な見解を示している。

    「予選後、我々はデータ、コメント、映像を含めてすべてを徹底的に分析した。そして、低グリップ条件ではクルマが滑ってもタイムを出せる走り方をする必要があるという点で重要な知見を得た。これは、オスカーが自然と速さを出す方法とは異なるものだ」

    メキシコの予選前には、ピアストリ陣営も「オースティンの差は一時的ではない」と感じていたという。昨年の同地ではノリスとの差は6秒だったが、今年は22秒。マシンの進化に伴い、ドライビングの繊細さがより問われる状況になっている。

    ステラは、ピアストリが依然としてF1キャリア3年目の発展途上にあることを強調し、彼がその状況を的確に処理していると評価する。

    「クルマ側でも、ドライビング面でもいくつか改善策を見出した。彼はレースで明らかに予選よりも速さを取り戻しており、トラフィックさえなければそのペースを発揮できたはずだ。こうした経験を通じて新しい“ツール”を増やすことこそ、ドライバーとして完成形に近づく過程なんだ」

    マクラーレン F1 オスカー・ピアストリ

    さらにステラは、ノリスの圧倒的なパフォーマンスがピアストリの課題を際立たせたとも指摘する。

    「ランドは全セッションで非常に説得力のある走りを見せた。低グリップ条件は、彼の走り方にぴったり合っていた。一方、オスカーはその逆方向に特性がある。しかし、この経験は両者にとってプラスになる。チームとしても、今後どんな条件でもパフォーマンスを安定的に引き出す理解が深まった」

    ピアストリ自身も「過去19戦のやり方はうまくいっていたが、直近2戦ではスタイルを変えなければならなかった」と認めている。オースティンとメキシコは連戦だったため、調整の余地はほとんどなかった。だが、次のブラジルGPまでの2週間でデータ分析とリセットの時間を取れる。

    昨年のブラジルではノリスと拮抗した速さを見せ、チームのために堅実な走りを貫いたピアストリ。今回も彼らしい“修正力”で巻き返すことができるかが焦点となる。オースティンとメキシコの連続不振は偶然で済むが、もしインテルラゴスでも苦戦すれば、それは単なる一時的な問題ではなく、明確なトレンドに変わるかもしれない。

    分析:ピアストリの課題は「低グリップ下の柔軟性」
    マクラーレンMCL39の特性上、メキシコやCOTAのような薄い空気と低グリップの路面では、スライドを許容しながらラップタイムを維持する走りが求められる。ノリスはこの条件下でタイヤの熱入れとスリップコントロールに優れ、攻撃的にラップをまとめることができた。一方で、ピアストリは「車体を安定させて速く走る」スタイルが染みついており、リアの“動き”を活かしきれなかった。

    今後のカギは、ブラジル以降に待つ多様なコンディションへの適応力だ。MCL39の進化に合わせて、ドライビングの可変性を広げられるかどうか。ピアストリにとってそれは、単なる一時的な不調ではなく、タイトル争いを続ける上で避けて通れない「成熟の壁」になりつつある。

  • マクラーレンF1代表ステラ ピアストリのメキシコGPは「自分を誇りに思うべき」

    マクラーレンF1代表ステラ ピアストリのメキシコGPは「自分を誇りに思うべき」

    マクラーレンF1チーム代表のアンドレア・ステラは、メキシコGP決勝で5位に終わったオスカー・ピアストリについて「自分を誇りに思うべきだ」と評価した。

    ピアストリは週末を通して苦戦し、決勝でも単独の5位に終わり、4戦連続で表彰台を逃した。一方、チームメイトのランド・ノリスはポールポジションから30秒差で圧勝。4月以来となるドライバーズ選手権首位を1ポイント差で取り戻した。

    難しい週末の中で得た学び
    ステラは、ピアストリが最近の数戦で「マシンのドライブ方法を変える必要がある」と感じていたことを明かし、チームもその原因をデータや映像から徹底的に分析したと説明した。

    「オスカーとはデータ、コメント、映像の観点から徹底的に見直した。その結果、メキシコのような低グリップ環境で、マシンをどう走らせるべきかという重要な情報を得られた。こうした状況では、マシンがスライドしてもその中でタイムを出せるような運転が必要だが、それはオスカーの自然なスタイルとは少し違う」とステラは語った。

    「彼はクルマ側でできることと、自分のドライビングでできることを特定し、昨日から今日にかけて非常にうまく対応してくれた。レースでは明らかに昨日より競争力が上がっていた」

    オスカー・ピアストリ マクラーレン

    トラフィックが実力を隠した
    ステラはさらに、ピアストリの実際のペースはもっと速かったと強調した。

    「残念なのは、彼がそのペースを十分に発揮できる状況にいなかったことだ。終始トラフィックに引っかかっていて、前のマシンのギアボックスを見続けるレースになってしまった」

    それでも、この経験が今後に向けて大きな糧になるとステラは語る。

    「こうした経験を通して新しいツールをツールボックスに加えていくことが重要だ。それがF1ドライバーとしてより完成された存在になるための道だ。残り4戦でもさまざまな条件に直面することになるが、今回の学びは確実に役立つだろう」

    「だからオスカーは、このレースを誇りに思っていいし、自分自身の成長を実感していいと思う」

  • ピアストリ 復活にはマクラーレンF1にリカルド式“シャシー交換要求”が必要?

    ピアストリ 復活にはマクラーレンF1にリカルド式“シャシー交換要求”が必要?

    ランド・ノリスに5戦連続で後れを取ったオスカー・ピアストリ。メキシコGPでの5位フィニッシュにより、ついにドライバーズ選手権首位の座を明け渡した。わずか1ポイント差でノリスを追う形となったが、その流れを変える“リセット”が求められている。

    英メディアは、同郷のダニエル・リカルドが2024年に苦境を脱した“シャシー交換要求”こそがヒントになると指摘。マクラーレンが両ドライバーを完全に平等な立場で扱う中で、ピアストリがリカルド流の大胆な一手に踏み切れるかが、タイトル争いの行方を左右しそうだ。

    5戦連続でノリスに後れ、ピアストリが初の首位陥落
    メキシコGPまでの5戦で、ノリスとマックス・フェルスタッペンがピアストリを上回る結果を残した。8月のオランダGP終了時点では、ピアストリはノリスに34ポイント、フェルスタッペンに104ポイントの差をつけていたが、その後は失点が続いた。

    バクーでは予選クラッシュとスタート違反が重なりリタイア。シンガポールではノリスとの接触を巡ってチーム内に火種を抱え、COTAスプリントでも両者が再び接触した。マクラーレンは一時的にノリスにペナルティ的な措置を科したものの、翌戦で撤回している。

    「シャシー変更」で再起したリカルドに学ぶべき
    記事は「ピアストリはリカルドを見習うべきだ」と指摘する。2024年にレーシングブルズへ移籍したリカルドは、開幕3戦ノーポイントに苦しんだ後、中国GPから新シャシーに変更。するとマイアミGPのスプリントで4位入賞を果たすなど、流れを変えるきっかけとなった。

    レーシングブルズは「旧シャシーに致命的な問題はなかった」としていたが、リカルドは“自分の感覚”を信じて要求を貫いた。その姿勢が、いまピアストリに必要だと論じられている。

    「もしノリスがいなければ、マクラーレンは変えていた」ゲイリー・アンダーソン
    元ジョーダンのテクニカルディレクター、ゲイリー・アンダーソンは『テレグラフ』紙に対し、「ピアストリのシャシーには問題があるとは限らないが、メンタル面でのリセット効果は大きい」と語った。

    「ピアストリはバクーで2度もクラッシュしている。マクラーレンは現在のシャシーに問題がないと考えているだろうが、理論的にはスイッチしても失うものはない。だが、この時期にそれを行えば“ピアストリを優遇している”と見られる可能性がある。もしノリスがいなければ、マクラーレンはすでに変更していただろう」

    オスカー・ピアストリ マクラーレン

    チーム内バランスとタイトル争いの狭間で
    シンガポールでの接触や、イタリアGPでピアストリに「ノリスを先に行かせろ」と命じたチームオーダーも、マクラーレンへの“ノリスびいき”疑惑を呼んだ。チームは両者を「完全に平等な立場に戻す」と明言しているが、現実にはノリスの好調が続く。

    残り4戦、ピアストリがこの不利な流れを断ち切るには、メカニカルなリセットが必要だ。リカルドのように「シャシーを換えてくれ」と言えるか──それが、タイトル争いの命運を握る一手になるかもしれない。

  • マクラーレンF1内に「ノリス優遇」陰謀論再燃 ピアストリ不振で火種広がる

    マクラーレンF1内に「ノリス優遇」陰謀論再燃 ピアストリ不振で火種広がる

    2025年F1メキシコシティGPを終えて、ランド・ノリスとオスカー・ピアストリのポイント差がわずか1点となる中、マクラーレンがノリスを優遇しているという“陰謀論”がSNS上で再び拡散している。きっかけとなったのは、オランダのF1解説者オラフ・モルが語ったチーム代表アンドレア・ステラの発言への反応だった。

    モルはオランダ『Ziggo Sport』で「ステラは『ピアストリはまだ経験が浅いから』と説明したが、あれはあまり感じの良い言い方ではなかった」と指摘。

    「ネット上では『マクラーレンがピアストリを不利にしている』『ザク・ブラウンはノリスが勝った時しか笑わない』などの陰謀論があふれている。もちろん事実ではないと思うが、そうした話題が増えているのは確かだ」と述べた。

    これに対して、ピアストリの元パフォーマンスコーチであるキム・キードルは豪SENラジオで「陰謀論なんて信じない」と一蹴した。「F1では浮き沈みがある。2人とも強力なドライバーだし、ノリスが巻き返しているのも想定内。オスカーにとって得意ではないサーキットが続いただけだ」と語り、「マクラーレンは内部的には非常にうまく対応している。外から見て疑わしく見えても、実際には公正にやっている」とチームを擁護した。

    さらにキードルは「オスカーは冷静な性格ゆえに外部からのプレッシャーが大きく見えるかもしれないが、精神的にはうまく対処している。F1で一番難しいのはクルマの外でのマネジメントだ」とも語っている。

    一方で、元F1ドライバーのラルフ・シューマッハも独『Sky Deutschland』で「チームが一方のドライバーを優遇する理由なんてない。片方に悪いクルマを与えるなんてあり得ない」と断言。「『クルマが違う』などと口にすれば、それが言い訳と受け取られ、(マネージャーの)マーク・ウェバーが常に電話している姿と重なって悪い印象を与える。これは致命的だ」と警鐘を鳴らした。

    また、ピアストリの移籍の噂については「今年初めに契約延長している。来季もマクラーレンに残るだろう。ただし、その後にアストンマーティンへの移籍は面白いかもしれない」と見解を示した。

    ノリスとピアストリ、チーム内バランスの実態
    マクラーレンがノリスを「優遇」しているという主張は、過去にもたびたび浮上してきたが、現実的にはその根拠は乏しい。ステラ代表の「経験差」発言はピアストリの近況を説明したに過ぎず、戦略的な差別化の意図は見られない。

    今季ピアストリは一部の低グリップ環境で苦戦しており、メキシコのような路面特性がそれを顕著にした。一方ノリスはタイヤマネジメントとスタートで優位に立ち、レース展開の差が大きく結果を左右した。

    SNS上の陰謀論は、ノリスが笑顔で祝福される映像やステラのコメントの切り取りがきっかけで拡散しているが、内部関係者の証言を総合すると、マクラーレン内部では両者に同等のサポート体制が敷かれていると見られる。

    ラルフ・シューマッハが指摘したように、この種の噂はピアストリ側に心理的ダメージを与える可能性がある。ピアストリは依然として冷静さを保ち、タイトル争いを続けているが、メンタル面のマネジメントが今後のカギを握るだろう。

  • オスカー・ピアストリ マクラーレンF1に困惑 「まったく違う運転の仕方が必要」

    オスカー・ピアストリ マクラーレンF1に困惑 「まったく違う運転の仕方が必要」

    マクラーレンのオスカー・ピアストリは、F1メキシコGP決勝を5位で終えたが、チームメイトのランド・ノリスとの差に困惑を隠さなかった。2戦連続で明確なペース不足に直面しており、チャンピオンシップ首位の座もノリスに譲る形となった。

    ピアストリは決勝でノリスより1回多いピットストップを行い、最終的にトップから42秒遅れのフィニッシュ。予選でも約0.6秒の差をつけられ、これは昨年の同GP以来最大のギャップだった。

    「この2戦のペースは本当に驚きだった」とピアストリはF1公式チャンネルに語った。

    「どこに原因があるのか、そしてどうすべきかという手がかりはあると思うけど、ここ2週末はこれまでとまったく違う運転の仕方をしなければならなかった。これまで18戦ずっと上手く機能していたスタイルを急に変えるのは、正直かなり難しい」

    「今日は何点か試したことがあるけど、それが求めていたものだったのかどうか、これから確認するよ」と付け加えた。

    オスカー・ピアストリ マクラーレン F1

    ノリス「スイートスポットを見つければ速さはある」
    一方、優勝したランド・ノリスは、マシンのパフォーマンスを高く評価しながらも「扱いづらさ」も認めた。

    「このマシンはシーズンを通してずっと速い。でも時々かなり扱いづらい部分もあるんだ」とノリスは語った。

    「ただ、一度スイートスポットを見つけると、本当に速くて、すべてが楽になる。今日はそれを完璧に掴むことができた」

    アンドレア・ステラ代表「低グリップがピアストリに不利に働いた」
    マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、ピアストリが苦戦した背景について、メキシコ特有の路面コンディションに言及した。

    「このサーキットの低グリップ特性が、ピアストリには難しかった」とステラは土曜の時点で語っていた。
    「彼は依然として素晴らしいポテンシャルを持っているが、グリップが低い状況ではクルマの挙動を掴みづらく、セットアップの限界を感じていた」

    ピアストリが抱える“順応力の壁”
    メキシコGPでは、標高2200m超の薄い空気による低グリップと冷却制約が、マシン挙動に大きな影響を及ぼした。マクラーレンはこの特性を上手く活かし、ノリスは完璧に対応。一方でピアストリはタイヤ温度とバランスの維持に苦戦し、ステアリング入力やブレーキングスタイルを変えざるを得なかった。

    今季18戦で見せてきた安定したドライビングスタイルを崩す必要に迫られたことが、彼のリズムを乱した要因といえる。
    チャンピオン争いのプレッシャーが増す中、ブラジルGPでは再び「自然な走り」を取り戻せるかが焦点となる。

  • レッドブルF1 マルコ「ピアストリはプレッシャーに耐えきれていない」

    レッドブルF1 マルコ「ピアストリはプレッシャーに耐えきれていない」

    メキシコGPで苦戦するレッドブルにとって、週末の焦点はタイトル争いの行方にも及んだ。ヘルムート・マルコは、オスカー・ピアストリがついに重圧の中で崩れ始めていると見ている。

    マックス・フェルスタッペンはRB21のアップデートにもかかわらず予選5番手に終わり、ピアストリもふるわず8番手。カルロス・サインツのペナルティで7番手に繰り上がったとはいえ、チャンピオンシップ首位の座を守るには厳しい結果となった。

    マルコは『Kleine Zeitung』に対し、「もちろん我々はまだマクラーレンの助けが必要だ」と述べたうえでこう語った。

    「ピアストリはどうやらプレッシャーにうまく対処できていないように見える。確信はないが、最近の様子を見ているとそう思う。」

    レッドブルの目標は控えめだという。

    「すべてが完璧に進めば、表彰台もあり得るだろう。ピアストリとの差を縮めたいが、ノリスには逆にポイントを失うかもしれない。これでさらに接戦になる。緊張感は続くだろう。」

    フェルスタッペン自身も冷静さを保ちつつ、予選後のインタビューでマシンの不調を隠さなかった。

    「この週末は全体的に悪かった。特にセクター2は最悪だ。オンボードを見れば分かると思うけど、バランスもグリップもまったくない。レースではさらに悪化すると思う」とViaplayに語った。

    マルコもノリスの強さを認める。

    「ロングランのペースを見る限り、ノリスは引き離していくだろう。彼はこのサーキットでは無敵だと思う。ただし、それ以外は何が起きてもおかしくない。」

    オスカー・ピアストリ マクラーレン

    一方、ピアストリの失速はマクラーレン内部でも議論を呼んでいる。シーズン中盤には104点あったフェルスタッペンへのポイント差は、今や40点にまで縮まった。

    ピアストリは『Sky Italia』に対し、状況をこう説明した。

    「ここ2戦はこれまでと違う。ペースがない。仕事の方向性は間違っていないと思うけど、なぜかタイムが出ない。この状況は気に入っていない。リズムを取り戻すことが課題で、今はチャンピオンシップのことは考えていない。」

    ただし、プレッシャーを感じているわけではないと否定する。

    「特に何かが変わったとは感じていない。うまくいっていたときと同じように運転している。数字が合わないんだ。そこを理解しようとしている。」

    チーム代表のアンドレア・ステラは、原因はメンタルではなくマシン側にあると強調した。

    「チャンピオンシップを争うすべてのドライバーはプレッシャーを感じているはずだ。だがオスカーはとても落ち着いた性格で、無理をしているようには見えない。問題はマシンがスライドしたときにどれだけ性能を引き出せるかということだ。彼のラップにミスはない。あとは各コーナーで最後の数ミリ秒をどう削るかだけだ。」

    ピアストリの「リズム喪失」が鍵、ノリスとの明暗が鮮明に
    タイトル争いが佳境を迎える中で、ピアストリの失速はマクラーレンの内部バランスにも影響を及ぼしている。

    ハイダウンフォース寄りのマシン特性が路面温度の高いメキシコで機能せず、リヤグリップの不足が走り全体のリズムを乱している可能性が高い。ステラ代表が指摘した「スライド時の扱いにくさ」は、ピアストリ特有の繊細なステアリング操作に合わない兆候だ。

    対照的に、ノリスは予選で圧倒的なスピードを見せ、マシンの変化を即座に吸収する柔軟性を発揮した。これによりフェルスタッペンとの差が急速に縮まり、レッドブルにとっても「ノリス対ピアストリ」の構図が新たな希望になっている。

    フェルスタッペンが「バランスもグリップもない」と語ったように、RB21のアップデートは理想的な結果を生まなかったが、マルコの言葉通り“まだゲームは終わっていない”。
    次戦以降、ピアストリがリズムを取り戻せるかが、今シーズンのチャンピオンシップの趨勢を左右することになるだろう。

  • オスカー・ピアストリ F1メキシコGP予選「期待したラップタイムじゃなかった」

    オスカー・ピアストリ F1メキシコGP予選「期待したラップタイムじゃなかった」

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン)は、F1メキシコGPの予選で8番手に終わり、「フラストレーションの溜まるセッションだった」と振り返った。決勝では、カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)のグリッド降格により、7番グリッドからスタートする。

    金曜のプラクティス2・3回目では、チームメイトのランド・ノリスに遅れを取ったピアストリ。FP1ではパト・オワードが走行したため自身は欠場していたが、以降のセッションでもペースが上がらず、予選でもノリスとの差は約0.8秒と大きかった。

    「悪くないラップに感じたけど、タイムが出なかった」
    「タフな予選だった。重要な場面でのラップは悪くなかったと思うけど、やっぱり期待していたタイムじゃなかった。理解すべきことがいくつかあるけど、フラストレーションの溜まるセッションだった」とピアストリは説明した。

    Q2の最中には、パワーユニットに関する懸念を口にする場面もあった。ターン5で「何か変なことが起きた」と無線で伝えていたが、セッション後にその件について問われると次のように答えている。

    「PUは大丈夫だった。1つのコーナーで少しだけパワーの出方が足りなかったけど、大きな問題ではなかった。続くこともなかったよ」

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン) F1 メキシコグランプリ

    「問題はラップタイム。マシンの感触は普通」
    「足りなかったのはラップタイムだ。すべては普通に感じていたし、この高地ではクルマが最高のフィーリングになることなんてないけど、特に変なところはなかった。とにかくタイムが出ていなかった」と続けた。

    「ターン1でチャンスを掴む」
    タイトル争いでノリスに14ポイント差をつけるピアストリは、日曜の決勝に向けて「スタートをしっかり決めて、そこからできることをやっていく。ターン1までは長いからチャンスはある。そこをうまく活かしたい」と意気込んだ。

    単発ペースの伸び悩みと高地特有の影響
    ピアストリのマクラーレンMCL39は、ここメキシコの高地環境でダウンフォース効率が低下しやすく、ノリスのマシンに比べてトラクションとターンインの安定性が不足している様子が見られた。PU出力のわずかな揺らぎもあり、特にQ3ではターン中盤での立ち上がり加速が伸び悩んだ。

    一方でロングランペースのデータは安定しており、決勝ではタイヤマネジメントとスタート直後の位置取りが鍵となる。長いストレートを活かし、序盤で上位勢の一角に食い込めるかが勝負のポイントだ。