カテゴリー: F1モナコGP

  • フェルスタッペン F1モナコGPで恐怖の失速「みんなが右に行くよう祈っていた」

    フェルスタッペン F1モナコGPで恐怖の失速「みんなが右に行くよう祈っていた」

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)は、F1モナコGPのスタート直後に発生したトラブルについて、後続車に追突されないよう「祈っていた」と振り返った。

    予選2番手からスタートしたフェルスタッペンだったが、発進直後にエンジンが失速。加速できないまま後続車が一斉に通過するなか、左側へマシンを寄せ、1周目の終わりにリタイアした。

    フォーメーションラップから違和感
    フェルスタッペンは、トラブルの兆候がフォーメーションラップの時点ですでにあったと説明した。

    「フォーメーションラップの時点で少しおかしい感じがあった。でもスタート前は完全に普通で、目標回転数も見つけられていた。ただ、まったく進まなかった」とフェルスタッペンは語った。

    「回転数が上下しているだけだった。そしてクラッチを離した瞬間、それで終わりだった。エンジンが完全に落ち込んでしまった。そのあとエンジンから聞こえた音もそうだった。ターン1を出たところで少しパワーは戻ったけど、僕はもうアクセルを抜いて、マシンを戻した」

    「みんなが右に行くよう祈っていた」
    スタート直後のフェルスタッペンは、加速できない状態でコース上に残され、後続車が左右から迫る危険な状況に置かれた。

    「パワーがなかった。だからタイヤの摩擦だけで左にステアリングを切っていた。そして、みんなが右に行ってくれるよう祈っていた」

    「でも幸い、みんな反応してくれた」

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング) F1 モナコGP

    王座争いの中心ではないが痛いリタイア
    フェルスタッペンは、現在の状況を踏まえればダメージは限定的だとしながらも、チームにとって失望の大きいリタイアだったと認めた。

    「もし僕がチャンピオンシップをリードしていたなら、もちろん非常に痛いものになっていた。でも今の状況では、痛みは少し小さい。ただ、それでも本当に腹立たしいし、みんなにとって失望だ」

    「誰だってすべてのレースを完走したい。だから、何が原因だったのかを早く理解して、修正できることを願っている」

  • メルセデスF1 ラッセルの5秒ペナルティ未消化の失態「戦略面で混乱があった」

    メルセデスF1 ラッセルの5秒ペナルティ未消化の失態「戦略面で混乱があった」

    メルセデスのチーム代表トト・ヴォルフは、2026年F1モナコGPでジョージ・ラッセルが表彰台争いから脱落した原因について、チーム内部の戦略面での「混乱」があったと認めた。

    ラッセルは78周のレース中に5秒ペナルティを受け、その後セーフティカー下でピットインした。しかし、メルセデスのピットクルーはペナルティ消化のために5秒待機せず、すぐにタイヤ交換作業を開始。

    その結果、ラッセルにはドライブスルーペナルティが科され、最終的に13位でレースを終えた。

    5秒を待てなかったメルセデスの判断ミス
    ヴォルフはレース後、スカイスポーツF1に対し、チーム側の準備不足を認めた。

    「我々は進み続ける必要がある。これは長いチャンピオンシップだ。昨年は誰もがピアストリのものだと言っていたが、その後流れは変わった」とヴォルフはコメント。

    「モントリオールはドラマだった。我々が彼を失望させたし、あれは25ポイントを獲れる可能性があった。でもチャンピオンシップは長い」

    今回のペナルティ処理について、ヴォルフは次のように説明した。

    「彼を入れる準備が完全にはできていなかった。戦略面で我々自身に少し混乱があり、彼が入ってきたが、我々は5秒間ホールドしなかった」

    「P3かP4を逃した。残念だ」

    ラッセルはレース中盤まで上位争いを展開しており、ペナルティ処理が適切に行われていれば表彰台、あるいは少なくとも4位争いに加わっていた可能性が高かった。今回の失策はドライバーではなく、チーム側のオペレーションミスによるものだったことをヴォルフ自身が認めた形だ。

    アントネッリ5連勝で明暗分かれるメルセデス
    一方でメルセデスには明るい話題もあった。19歳のアンドレア・キミ・アントネッリがモナコGPを制し、今季5連勝を達成。ドライバーズランキング首位の座をさらに固めた。

    しかしヴォルフは、勝利の喜びよりもラッセルへの思いが強かったと明かした。

    「私の一部はキミのことを本当にうれしく思っているし、チームのみんなが私を表彰台に行かせた。彼らは『ここはあなたのホームだから、行くべきだ』と言った」

    「でもジョージを見た。彼にとっては良くない週末だった」

    「そして私は感情的にバランスを保ちたい。今はバルセロナに向かうなかで、チームを立て直し、彼を立て直すことが重要だ」

    メルセデスはアントネッリの圧倒的な勢いによってコンストラクターズタイトル争いをリードしているが、モナコではチームの判断ミスによって大きなポイントを取り逃した。ヴォルフは責任を認めつつも、長いシーズンの中で立て直しを図る考えを強調した。

  • シャルル・ルクレール F1モナコGPで怒り「まるで僕がバカみたいに見える」

    シャルル・ルクレール F1モナコGPで怒り「まるで僕がバカみたいに見える」

    シャルル・ルクレール(フェラーリ)は2026年F1モナコGPで母国表彰台を狙っていたが、終盤のクラッシュによって無念のリタイアを喫した。

    65周目、ターン19でクラッシュしたルクレールの事故はセーフティカー導入の原因となり、その後コースのアスファルト損傷が確認されたことで赤旗中断へと発展した。しかしルクレール本人は、原因は路面ではなくマシンのブレーキトラブルだったと強く主張している。

    「僕がバカみたいに見える」 ルクレールがブレーキ問題を主張
    レース後、ルクレールはクラッシュの責任を自分に負わせるつもりはないと語った。

    「路面が剥がれていたことが助けにならなかったのは事実だが、データがすべてを物語っている」

    「本当にフラストレーションが溜まる。僕はいつも正直でいたいと思っているし、自分がミスをした時に言い訳をするような人間にはなりたくない」

    「だからいつもカメラの前では率直に話している。でも今日は責任を引き受けるつもりはない」

    「タイヤ温度が低く、不安定で、限界域ではタイヤが非常にセンシティブだった。それは本当に悪夢だった」

    「僕はまるでバカみたいに見える。自分のミスでそう見えるなら構わない。でも今回は危険なレベルだ」


    4輪中3輪のブレーキが機能せず
    ルクレールによると、問題は最初のセーフティカー導入中に発生したという。

    「4つのブレーキのうち3つが機能していなかった。F1マシンでは決して良い状態ではない」

    「左フロントだけは正常に作動していた。右フロントは半分程度。そしてリアの2輪はまったく作動していなかった」

    「まったくと言うのは、データ上で減速がゼロということだ。まるでキャリパーが付いていないような状態だった」

    さらにルクレールは、レース中に問題を解決する手段がなかったと説明した。

    「セーフティカーに入った直後から4輪中3輪のブレーキが機能しなくなった」

    「二度と元に戻すことができなかった。車内でできる限りの操作を試したが何も変わらなかった」

    「唯一の解決策は最終コーナーでブレーキを踏まないことだった。でもそうすればターン1でクラッシュしていたはずだ。解決策は存在しなかった」

    「摩耗だったのかは分からない。ここではよく起きる問題だが、原因は分からない。ただ明らかなトラブルがあった」

    シャルル・ルクレール(スクーデリア・フェラーリ) F1 モナコGP

    ハミルトン仕様への変更を決断
    ルクレールはフェラーリ内部ですでに対策が見つかっていると明かし、次戦からはルイス・ハミルトンと同じブレーキ構成を使用すると説明した。

    「チーム内には解決策がある」

    「次戦からはルイスの仕様に変更する予定だ。それが前進につながることを願っている。本当に悪夢だった」

    また、チーム代表のフレデリック・バスールと副代表ジェローム・ダンブロシオもデータを確認し、自身の見解に同意していると明かした。

    「フレデリック・バスールとジェローム・ダンブロシオもデータを見た。そして誰の目にも明らかだったと思う。疑う余地はない」

    そしてレースから得られた唯一の収穫について問われると、ルクレールは皮肉交じりにこう答えた。

    「来週末にはブレーキの解決策があるということだ」

    【関連】
    ・ルクレールの“原因はブレーキ”発言にブレンボが反論 フェラーリF1に新たな火種

  • ランス・ストロール F1モナコGP「エンジンブレーキの問題で壁に押し出された」

    ランス・ストロール F1モナコGP「エンジンブレーキの問題で壁に押し出された」

    ランス・ストロール(アストンマーティン)は2026年F1モナコGPでリタイアに終わり、今季初ポイント獲得はならなかった。

    予選21番手からスタートしたストロールは、チームメイトのフェルナンド・アロンソと同様に序盤でピットストップを済ませる戦略を採用。しかし終盤、19コーナーでバリアに接触してレースを終えることになった。

    ストロールはレース後、クラッシュの背景に今季を通じて続いているドライバビリティの問題があると明かした。

    「今季ずっと同じ問題を抱えている」
    ストロールは、加速と減速の挙動が安定しない状態が続いていると説明した。

    「僕たちは今季ずっとこうしたドライバビリティの問題を抱えているし、今週末も同じだった」とストロールはコメント。

    「加速と減速の挙動に一貫性がなく、コーナーごとに変わってしまう」

    「ほとんどのサーキットにはランオフエリアがあるから何とか対処できる。でもモナコでは壁がすぐ近くにあるので、こうした問題があると簡単にバリアへ突っ込んでしまう」

    「トラックリミット違反を取られていた大きな理由もそこにあった」

    「レース後に詳しく調べることになるだろうし、チームも来週のバルセロナへ向けて改善を続けていく」

    「コーナーごとにエンジンブレーキが変わる」
    レース後のインタビューでは、クラッシュ直前の状況についてさらに詳しく語った。

    「エンジンブレーキに問題を抱えている」

    「毎周回、そしてコーナーごとにエンジンブレーキの効き方が変わるんだ」

    「ある周回ではマシンを前に押し出し、別の周回では減速方向に働く」

    「クラッシュしたコーナーでは、アクセルを半分ほど開けた状態でマシンが前に押し出され、そのまま壁に向かっていった」


    モナコでは問題がより深刻に
    ストロールは、この問題自体は今季を通じて発生しているものの、モナコのような市街地コースでは特に大きな影響が出ると語った。

    「難しかった」

    「この問題は今季ずっと続いている」

    「他のサーキットならランオフエリアがあるので、問題が出てもコースオフで済むことが多い」

    「でもモナコではアクセルが半分開いた状態になったり、エンジンブレーキがマシンを前に押し出したり、周回ごと、コーナーごとに挙動が変わる」

    「だから本当にチャレンジングだった」

  • F1モナコGP 決勝 ハイライト動画 7台リタイアとペナルティで荒れた78周

    F1モナコGP 決勝 ハイライト動画 7台リタイアとペナルティで荒れた78周

    2026年F1世界選手権 第6戦モナコGP決勝のハイライト動画。伝統のモンテカルロ市街地コースで行われた78周のレースは、セーフティカーや赤旗、ペナルティ、そして7台のリタイアが発生する波乱の展開となった。

    ポールポジションからスタートしたアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)は、スタートで首位を守ると終始レースをコントロール。終盤にセーフティカーと赤旗でリードを削られながらも冷静な走りを見せ、今季5勝目を飾った。

    一方、2番グリッドのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)はスタート直後にマシントラブルで失速し、そのままリタイア。さらに地元モナコで表彰台を狙ったシャルル・ルクレール(フェラーリ)も終盤にクラッシュを喫し、ホームレースを完走できなかった。

    ルイス・ハミルトン(フェラーリ)はピットレーン速度違反によるペナルティを受けながらも2位を獲得。アイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング)はマシントラブルを抱えながら走り切り、レッドブル・レーシング移籍後初の表彰台となる3位に入った。

    また、リアム・ローソンとアービッド・リンドブラッドのレーシングブルズ勢がダブル入賞を果たしたほか、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は今季初ポイントを獲得。レース後にはセルジオ・ペレス(キャデラックF1)のペナルティによる順位変動も発生した。

    スタート直後のドラマから終盤のクラッシュ、赤旗再開後の激しい攻防まで、2026年F1モナコGP決勝の見どころをハイライト動画で振り返る。

  • カルロス・サインツJr. 接触のヒュルケンベルグに苦言「受け入れ難いレベル」

    カルロス・サインツJr. 接触のヒュルケンベルグに苦言「受け入れ難いレベル」

    カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)は2026年F1モナコGPでポイント圏内を走行していたが、赤旗後のリスタート直後にニコ・ヒュルケンベルグとフランコ・コラピントとの接触に巻き込まれ、マシンに致命的なダメージを負ってリタイアを喫した。

    レース後、サインツはライバルたちの動きを「受け入れ難いレベルだった」と厳しく批判。終盤のポイント争いで過度なリスクを取ったドライバーたちの行動が、自身のレースを終わらせたと不満をあらわにした。

    サインツ「受け入れ難いミスだった」
    赤旗中断後のリスタートでポイント圏内を走行していたサインツだったが、フェアモント・ヘアピンでヒュルケンベルグに接触され、その後ポルティエでコラピントとも接触した。

    「残念ながらリスタートで、何人かは1〜2ポイントを取るためにすべてを賭けるような走りを選んだ」とサインツはコメント。

    「僕は、あまりにも楽観的すぎる判断とミスの犠牲になった。正直言って、あれは受け入れ難いレベルだった」

    サインツは、モナコでは毎年同様の渋滞が発生するにもかかわらず、経験豊富なドライバーによるミスだったことに疑問を呈した。

    「毎年モナコでは6コーナー(フェアモント・ヘアピン)に来ると隊列が詰まる。アクセルを緩める必要があるし、前のマシンに接触する可能性もある。誰もがあのコーナーを通り抜けようとしているからだ」

    「だから、これだけ経験を積んだドライバーがいながら、いまだにこういうミスを犯して僕のレースを終わらせてしまうことが信じられない。彼らが何を争っていたのかは分からないが、その代償を僕が払うことになった」

    ヒュルケンベルグには10秒加算ペナルティ
    スチュワードは最初の接触についてヒュルケンベルグに10秒加算ペナルティを科した。

    裁定では、ヒュルケンベルグがサインツに接触した原因について「55号車(サインツ)へ向かってターンインし、接触を引き起こした」と認定された。

    一方、その直後に発生したコラピントとの接触については、お咎めなしとなった。

    スチュワードは、ヒュルケンベルグとの接触でダメージを負ったサインツが他車を先行させるためレーシングラインから退避しようとした結果、コラピントとの接触が発生したと判断した。

    裁定書には次のように記されている。

    「55号車との接触は、55号車の予期しない進路変更によって発生したと結論付けた」

    「55号車は27号車(ヒュルケンベルグ)との接触でダメージを受けた後、他車を先行させるため進路を譲っていた。その後、レーシングラインの右側へ退避しようとした際に43号車(コラピント)が接触した」

    ヒュルケンベルグ「これ以上は避けられなかった」
    一方のニコ・ヒュルケンベルグは、自身としては衝突を避ける余地がなかったと説明した。

    「残り7周でリスタートになれば、当然みんな熱くなる」

    「僕はエステバン・オコンを避けなければならなかった。追突しないためにイン側へ飛び込んだんだ」

    「その結果、ヘアピンの最も内側にいて、ステアリングも最大まで切っていた。これ以上は曲がれなかったし、消えることもできない。そこへカルロスが回り込んできて接触した」

    「残念な出来事だったが、正直これ以上何と言えばいいのか分からない」

    ヒュルケンベルグにはペナルティが科されたものの、当人は不可避の接触だったと主張。一方でサインツは「受け入れ難いミスだった」と断じており、終盤の接触事故を巡って両者の見解は大きく食い違っている。

  • ジョージ・ラッセル F1モナコGP速度違反多発に疑問「ソフトウェアの問題」

    ジョージ・ラッセル F1モナコGP速度違反多発に疑問「ソフトウェアの問題」

    ジョージ・ラッセルは、2026年F1モナコGPで5人のドライバーがピットレーン速度制限をわずか0.1km/h超過した件について、ソフトウェア上の問題が原因だったとの見方を示した。

    モナコGPではピットレーン速度違反に対して、5人のドライバーに計6件のペナルティが科された。ラッセルのほか、ルイス・ハミルトン、フランコ・コラピント、オスカー・ピアストリがいずれも0.1km/h超過。ピエール・ガスリーは1回目に0.1km/h、2回目に0.4km/h超過した。

    0.1km/h超過が相次いだ異例のペナルティ
    ラッセルは、自身がピット入口のライン手前でピットリミッターを作動させていたと説明し、処分の理由に疑問を呈した。

    「なぜペナルティを受けたのか、あまりよく分からない。ラインの手前でピットリミッターを入れていた。ラインを越えてから解除したが、明らかにソフトウェアに問題があり、多くのドライバーがペナルティを受けた」

    ラッセルはこの5秒ペナルティをセーフティカー中のピットストップで消化できず、その後ドライブスルーペナルティへと処分が重くなった。

    「5秒は理想的ではないが、世界の終わりというわけではない。ただ、ピットストップでは大きな混乱があったし、それでドライブスルーになるのは、罪に対して罰が見合っていない」

    ガスリーは2度の速度違反で順位を落とす
    今回の違反で最も目立ったのはガスリーだった。ガスリーは2度のピットレーン速度違反により合計10秒のタイムペナルティを受け、表彰台圏内から順位を落とした。

    一方で、0.1km/hという極めて小さな超過が複数のドライバーに集中したことは、単なる個別ミスではなく、計測やリミッター作動、ソフトウェア制御の領域に疑問を残すものとなった。

    ラッセルはすでに週末序盤のFP1でも0.3km/hのピットレーン速度違反を犯しており、チームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリもFP2で0.1km/h超過していた。

    他にもプラクティスでは、フェルナンド・アロンソがFP2で0.5km/h、アレックス・アルボンがFP3で0.2km/h、コラピントがFP3で8.9km/hの速度超過を記録していた。

    モナコで浮き彫りになったピットリミッター運用の課題
    モナコのピットレーンは狭く、速度管理の精度が重要になる。だが、今回のように0.1km/h単位の違反が複数発生したことで、ドライバー側の操作だけでなく、リミッターの作動タイミングや車両側ソフトウェアの制御精度にも注目が集まる形となった。

    ラッセルにとっては、最初の5秒ペナルティよりも、それを消化できなかったことによるドライブスルーへの発展が大きな痛手となった。モナコGPはレース展開そのものに加え、ピットレーン速度違反とその運用判断が結果を左右する一戦となった。

  • ホンダF1 モナコGPで今季初ポイント獲得「チームと共に努力を続けた結果」

    ホンダF1 モナコGPで今季初ポイント獲得「チームと共に努力を続けた結果」

    アストンマーティン・ホンダF1は、2026年F1モナコGPでフェルナンド・アロンソが10位に入り、今季初ポイントを獲得した。

    モンテカルロ市街地コースで開催された第6戦モナコGPは、セーフティカーや赤旗が絡む波乱の展開となった。そのなかでアロンソは粘り強いレースを展開し、最終的に10位でフィニッシュ。一方、ランス・ストロールはレース終盤のアクシデントにより完走を果たせなかった。

    ホンダ「結果は努力の積み重ね」
    ホンダF1トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアの折原伸太郎は、レース後に週末を振り返った。

    「昨日の予選を終えてから、レース中のあらゆるシナリオに備えてAston Martin Aramco Formula One Teamとディスカッションを重ねました。実際に、今日のレースでは様々な状況への対応が求められ、チームと密に連携しながら、各場面に応じた適切なPUモードのオプションをドライバーに示せるよう努めました」

    モナコではレース中に複数回のセーフティカーや赤旗が発生し、戦略面でも難しい判断が求められた。ホンダはアストンマーティンと連携しながら状況ごとに最適なパワーユニット運用をサポートしたという。

    「PU性能を反映した結果ではない」
    アロンソの10位は今季最高順位となったが、折原伸太郎は今回の結果を冷静に分析している。

    「アロンソ選手の10位という結果は今シーズン最上位ですが、これはモナコ特有の状況によるものであり、必ずしもPUのパフォーマンスを反映した結果ではありません。しかし、この順位は、チームおよびドライバーと共に努力を続けた結果だと捉えています」

    開幕から苦戦が続くアストンマーティン・ホンダF1だが、今回の1ポイントはチームにとって大きな意味を持つ結果となった。

    ホンダF1 本田技研工業

    ストロール車の課題分析を継続
    一方で、ストロールは厳しい週末を過ごした。

    「残念ながらストロール選手はアクシデントに見舞われました。週末を通してドライバビリティの課題に直面しており、コーナー進入時の減速フェーズにおいて顕著に表れていました。引き続きHRCさくらの施設のサポートのもと、チームと共に原因の特定と改善に向けた分析を継続していきます」

    アストンマーティン・ホンダF1は依然として厳しい状況に置かれているものの、モナコで獲得した今季初ポイントを足掛かりに、巻き返しを目指すことになる。

  • アルピーヌF1 モナコGP表彰台喪失に異議申し立て ガスリー「胸が張り裂けそう」

    アルピーヌF1 モナコGP表彰台喪失に異議申し立て ガスリー「胸が張り裂けそう」

    ピエール・ガスリー(アルピーヌ)は2026年F1モナコGPで3位表彰台を獲得したかに見えたが、レース後に科された2件のピットレーン速度違反によるペナルティによって7位へ降格した。これを受けてアルピーヌはFIAに対し「再審査請求(Right of Review)」を提出した。

    セーフティカーや赤旗が絡む波乱のレースで、9番グリッドからスタートしたガスリーは着実に順位を上げた。

    終盤にはジョージ・ラッセル(メルセデス)がドライブスルーペナルティを消化したことで実質3位に浮上し、チェッカーフラッグも3位で受けた。

    しかしレース後、ガスリーはピットレーン速度違反を2度犯したと裁定され、合計10秒のタイムペナルティを科された。その結果、モナコでの表彰台は消滅し、最終順位は7位となった。

    アルピーヌがFIAに再審査請求
    アルピーヌはレース後、簡潔な声明を発表した。

    「本日のモナコGPの結果を受け、BWTアルピーヌF1チームはピットレーン速度違反に対して科されたペナルティについて、FIAに再審査請求を提出したことを確認する」

    Right of Reviewは、新たな重要証拠が存在する場合に限り、スチュワードの裁定を再検討できる制度だ。まずFIAが請求を受理するかどうかを判断し、その後に審理が行われる。

    ピエール・ガスリー(アルピーヌF1チーム) F1 モナコGP

    ガスリー「表彰台を奪われた」
    レース後のガスリーは落胆を隠さなかった。

    「今は胸が張り裂けそうだ。何と言っていいか分からない。正直、今は話したくない」

    「僕たちはこういう瞬間のために懸命に努力している。そして、それが僕たち自身でも見直さなければならないような出来事によって奪われてしまった」

    「チームは正しいスピードリミッターを設定していたし、僕は2回ともラインのかなり手前でリミッターを作動させていた」

    「僕はモナコで、ここにいるファンや多くの人々の前で3位でフィニッシュラインを通過した。それなのにペナルティを受けて、大きく順位を落とすことになった。何と言えばいいのか分からない」

    キャリア6度目の表彰台は幻に
    ガスリーは今週末の好パフォーマンスを前向きに捉える余裕もなかった。

    「もう10年間この世界で戦ってきた。僕のキャリアで表彰台は5回しかない」

    「だから表彰台でフィニッシュラインを越えた後に、それがなくなってしまうのは本当に辛い」

    「アルピーヌが戦ってくれることを願っているし、異議申し立てが成功することを願っている。僕たちはやるべきことをすべてやったと感じているからだ」

    表彰台争いは今後も流動的
    今回の裁定により最終結果ではアイザック・ハジャーが3位に繰り上がったが、アルピーヌの再審査請求が受理されて判断が覆れば、モナコGPの最終順位が再び変更される可能性がある。

  • キミ・アントネッリが波乱のF1モナコGP制覇 7台リタイアの荒戦で今季5勝目

    キミ・アントネッリが波乱のF1モナコGP制覇 7台リタイアの荒戦で今季5勝目

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が、波乱に満ちた2026年F1モナコGPを制し、今季5勝目を挙げた。チームメイトのジョージ・ラッセルが無得点に終わる一方で、アントネッリはドライバーズランキング首位の座をさらに固めた。

    モナコ市街地コースで行われた決勝は、7台がリタイアする荒れた展開となった。アントネッリはスタートから首位を守り、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)とアイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング)を抑えて優勝を飾った。

    フェルスタッペンがスタート直後に失速
    レース開始直後、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)が深刻なトラブルに見舞われた。マシンはアンチストールに入ったような挙動を見せ、フェルスタッペンは順位を大きく落とした後、ピットへ戻ってリタイア。これがこの日の最初の波乱となった。

    その後もバルテリ・ボッタス、ランド・ノリス、オリバー・ベアマンらが相次いで戦列を離れ、ノリスは今季初めてポイントを逃した。マクラーレンはパワー系の問題に苦しみ、フェラーリ勢ではシャルル・ルクレールも終盤にクラッシュしてリタイアした。

    終盤のセーフティカーと赤旗で展開が一変
    アントネッリは序盤からハミルトンとルクレールに対してリードを築いていたが、残り約20周でランス・ストロールが最終コーナーでクラッシュ。セーフティカーが導入され、多くのドライバーが2回目のピットストップを行った。

    このタイミングは、ピットレーン速度違反によるタイムペナルティを受けていたドライバーにとって、レース中にペナルティを消化する好機にもなった。

    しかし再スタート後、地元出身のルクレールがストロールと同じ場所でクラッシュ。ターン19付近の路面損傷を確認するため、レースは赤旗中断となった。

    ハジャーがレッドブル移籍後初表彰台
    ルクレールのリタイアにより、ハジャーは表彰台圏内へ浮上した。ピエール・ガスリー(アルピーヌ)は路上ではハジャーの前でフィニッシュしたものの、ピットレーン速度違反による5秒ペナルティを2回受け、順位を落とした。

    その結果、ハジャーがレッドブル・レーシングでの初表彰台を獲得。オスカー・ピアストリが4位、リアム・ローソンが5位に入り、レーシングブルズのアービッド・リンドブラッドも6位で好結果を残した。

    ペレスの降格でアロンソが今季初ポイント
    セルジオ・ペレス(キャデラックF1)は当初10位でフィニッシュし、キャデラックF1にとって初ポイント獲得かと思われた。しかし赤旗後の再スタートでグリッド位置違反があったとして、レース後に10秒ペナルティを科され、15位へ降格した。

    これにより、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)が10位に繰り上がり、アストンマーティンは今季初のトップ10フィニッシュを達成した。

    2026年F1モナコGP 結果

    1.アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)
    2.ルイス・ハミルトン(フェラーリ)
    3.アイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング)
    4.オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
    5.リアム・ローソン(レーシングブルズ)
    6.アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)
    7.ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
    8.アレックス・アルボン(ウィリアムズ)
    9.エステバン・オコン(ハースF1チーム)
    10.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
    11.ガブリエル・ボルトレト(アウディ)
    12.ジョージ・ラッセル(メルセデス)
    13.ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)
    14.フランコ・コラピント(アルピーヌ)
    15.セルジオ・ペレス(キャデラックF1)
    DNF.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)
    DNF.シャルル・ルクレール(フェラーリ)
    DNF.ランス・ストロール(アストンマーティン)
    DNF.ランド・ノリス(マクラーレン)
    DNF.オリバー・ベアマン(ハースF1チーム)
    DNF.バルテリ・ボッタス(キャデラックF1)
    DNF.マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)

    2026年のF1世界選手権 モナコGP 決勝

    レース展開
    ポールポジションからスタートしたアンドレア・キミ・アントネッリは、スタートで完璧な蹴り出しを決めて首位をキープした。

    対照的に、2番グリッドのマックス・フェルスタッペンはマシンがアンチストールに入ったような挙動を見せて発進に失敗。目の前を全車が通過していくのを見送るしかなく、大きく順位を落とした後にピットへ戻り、そのままリタイアとなった。

    これによりルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールのフェラーリ勢が2番手と3番手へ浮上。アイザック・ハジャー、ジョージ・ラッセル、オスカー・ピアストリらが続いた。

    序盤のアントネッリは圧巻だった。フェラーリ勢を寄せ付けず、8周目にはハミルトンに4.5秒差を築く。モナコ特有のトラフィックが発生し始めると各車はバックマーカー処理に神経を使うことになったが、アントネッリは安定したペースを維持し続けた。

    その一方で、ハミルトンは無線で「リアタイヤがかなり厳しい」と訴え、タイヤマネジメントに苦しみ始める。

    4番手争いではラッセルがハジャーの背後に張り付き続けた。ハジャーはフロント左タイヤのグレイニングに加え、エンジントラブルにも見舞われていた。

    「1速が使えない」

    「何かが爆発しそうだ」

    と無線で繰り返し訴え、パワーロスにも苦しんだ。それでもモナコの狭いコースではラッセルも抜くことができず、ヌーベルシケインまでほぼ接触寸前の距離で追走する展開が続いた。

    レースが動き始めたのはピットウインドウに入った中盤だった。

    29周目にハミルトンがハードタイヤへ交換。フェラーリは2.1秒の素早い作業で送り出したが、その後ハミルトンにはピットレーン速度違反による5秒ペナルティが科される。

    さらにラッセル、フランコ・コラピント、ピエール・ガスリーにも同様の違反が発覚し、レースは徐々にペナルティ合戦の様相を呈していった。

    この頃にはオリバー・ベアマンがリタイア。さらにバルテリ・ボッタスも週末を通して悩まされていたブレーキトラブルにより戦列を離れた。

    32周目にはラッセルが先にピットインし、ハジャーのアンダーカットを狙う。戦略は成功し、一時的に順位を逆転したが、その後もペナルティ問題に苦しむことになる。

    後方ではランド・ノリスにも異変が発生していた。

    マクラーレンは徐々にパワーを失い始め、ノリスは無線で出力不足を訴える。ラッセルに抜かれた直後、チームはマシンをガレージへ戻す決断を下した。

    今季初のノーポイントとなったノリスのリタイアは、選手権争いにおいても大きな痛手となった。

    その後もアントネッリは首位を快走し、一時は約30秒のリードを築く。

    しかし60周目、レースは大きく動く。

    アントニー・ノゲスでランス・ストロールがウォールへクラッシュ。セーフティカーが導入されると、多くのドライバーが一斉にピットへ飛び込んだ。

    ハミルトンとピアストリはここでタイムペナルティを消化。フェラーリはハミルトンとルクレールをダブルスタックで処理したが、ルクレールはその影響で待たされる形となった。

    メルセデスもアントネッリの左リアタイヤ交換に手間取り、それまで圧倒的だったリードは一気に縮小した。

    そして再スタート直後、さらに大きな波乱が発生する。

    地元モナコで表彰台を狙っていたルクレールが、ストロールと全く同じ最終コーナーでクラッシュ。マシンはバリアへ突っ込み、その場でレース終了となった。

    ターン19付近の路面損傷確認のため赤旗が提示され、レースは中断された。

    ルクレールは無線で怒りをあらわにし、自身の責任ではないと主張。母国表彰台の夢は突然終わりを迎えた。

    赤旗中断中にも裁定は続いた。

    ガスリーには2回目のピットレーン速度違反による追加5秒ペナルティが科され、ラッセルには未消化だったペナルティによりドライブスルーペナルティが命じられた。

    再開はスタンディングスタートとなった。

    アントネッリはここでも完璧な発進を決めて首位を維持したが、その後方では再び混乱が発生する。

    ラッセルが集団を抑えたことでヘアピン出口が大渋滞となり、ニコ・ヒュルケンベルグがカルロス・サインツJr.へ接触。サインツJr.はウォールへ弾き飛ばされた。

    さらにトンネル進入前ではフランコ・コラピントとも接触し、サインツJr.はスピン。ウィリアムズのレースはここで終わった。

    ラッセルも直後にドライブスルーペナルティを消化し、14番手まで転落。2戦連続ノーポイントが確定した。

    一方で、トラブルを抱えながら走り続けたハジャーは最後まで粘りを見せた。

    フィニッシュ直後には赤旗手順違反の疑いで審議対象となり、表彰台獲得は保留状態となったが、スチュワードは最終的にお咎めなしと裁定。レッドブル・レーシング移籍後初表彰台が正式に確定した。

    アントネッリは最後までレースを支配し、ハミルトンに4.4秒差をつけてチェッカー。ファステストラップも記録する完璧な内容で今季5勝目を手にした。

    また、10位でチェッカーを受けたセルジオ・ペレスはレース後に10秒ペナルティを受けて15位へ降格。これによりフェルナンド・アロンソが10位へ繰り上がり、アストンマーティンは今季初ポイントを獲得した。