カテゴリー: メルセデスF1

  • メルセデスF1 フェルスタッペンに巧妙なピット戦術? クルサードが指摘

    メルセデスF1 フェルスタッペンに巧妙なピット戦術? クルサードが指摘

    オーストリアGP決勝でマックス・フェルスタッペンとジョージ・ラッセルが優勝を争うなか、メルセデスがピットレーンで巧妙な駆け引きを仕掛けていた可能性が浮上した。

    F1TVの解説を務めた元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、実況席から見えたメルセデスの動きについて「意図的だった」との見方を示し、フェルスタッペンのピットストップにわずかな影響を与えたと指摘している。

    クルサードが目撃したメルセデスの駆け引き
    レッドブルは50周目にフェルスタッペンを2回目のピットストップへ投入し、新しいタイヤでジョージ・ラッセルを追いかける戦略を選択した。

    その直前、3番手を走るアンドレア・キミ・アントネッリも同時にピットへ向かうように見えたため、メルセデスのクルーは作業位置に並んでいた。しかし実際にはアントネッリはステイアウトし、フェルスタッペンだけがピットへ入った。

    クルサードは、この際にメルセデスのクルーがフェルスタッペンの進入ラインを狭くする位置に残っていたと説明した。

    「ピットレーンで興味深いことを見た。通常、隣のガレージがピットインしない場合は、礼儀としてエアライン(ホース類)を引き下げ、クルーもスペースを空けるものだ」

    「だがメルセデスはクルーをピットボックスへ送り出した。アントネッリは結局ピットインしなかったが、フェルスタッペンはメルセデスのクルーを避けるように回り込んで自分たちのボックスへ入らなければならなかった」

    「完全にルールの範囲内だ。ただ、ほんのわずかだが遅くなった」

    パーマーも「タイムロスはあった」と分析
    同じくF1TVで解説を務めたジョリオン・パーマーも、フェルスタッペンが通常より大きく旋回する必要があったと分析した。

    「メルセデスのクルーを避けるために余計なコーナリングを強いられ、わずかなタイムロスが生じた。もちろん彼らにはそこに立つ権利がある」

    さらにパーマーは、もしレッドブルがフェルスタッペンをピットへ入れなければ、メルセデスはアントネッリをピットへ呼び込んでいた可能性が高いとの見解も示している。

    勝敗を左右したのは予選と戦略
    フェルスタッペンはラッセルより遅らせて2回目のピットストップを行い、タイヤの優位性を築いて終盤に猛追した。しかしチェッカー時点で差は1.6秒までしか縮められず、逆転には届かなかった。

    今回のオーストリアGPでは、レッドブルが投入した軽量化を中心とするアップグレードの効果が確認され、決勝ペースではフェルスタッペンが優勝に最も近い速さを見せていたとの評価もある。

    一方で、予選でのクラッシュによる不利なスタート位置や物議を醸したラッセルのポールポジション、そして決勝での戦略やピットレーンでの細かな駆け引きが重なり、今季初の2位に終わった形となった。

  • メルセデスF1代表 フェラーリの開発攻勢に疑問「予算制限は大丈夫なのか」

    メルセデスF1代表 フェラーリの開発攻勢に疑問「予算制限は大丈夫なのか」

    メルセデスのチーム代表トト・ヴォルフは、2026年シーズンを通じて積極的なアップグレードを続けるフェラーリについて、F1のコストキャップ(予算上限)との兼ね合いに疑問を呈した。

    フェラーリはマイアミGP以降、SF-26に継続的な改良を投入。オーストリアGPでは、2026年の新PUレギュレーションに導入されたADUOの影響を反映した初のエンジンアップデートを含む新パッケージを投入していた。

    ヴォルフ「フェラーリは資金が尽きるはず」
    フェラーリは積極的な開発によってメルセデスとの差を縮め、前戦バルセロナ・カタルーニャGPではルイス・ハミルトンがメルセデスに今季初黒星を喫させた。

    一方、オーストリアGPではジョージ・ラッセルが優勝してメルセデスが勝利を取り戻したものの、ヴォルフはフェラーリの開発ペースに改めて言及した。

    「フェラーリがこれほど大規模なアップデートを次々と投入できることには、少し驚いている」

    ヴォルフはレッドブルリンクで日曜日のレース後、Crash.netなどのメディアに対してそう語った。

    「私の考えでは、コストキャップの予算は、そろそろ尽き始めるはずだ。なぜなら、我々にはあれだけ多くのパーツを投入できるだけの予算的な余裕がないからだ」

    「だからシーズン終盤には、彼らも新しいパーツを投入できなくなることを期待している。少なくとも理屈の上ではそうなるはずだし、その頃には我々の方がアップデートを投入していくことになるだろう」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    「他チームはペースを落としている」
    メルセデスはカナダGPで今季初の大規模アップグレードを投入し、オーストリアGPではフロントサスペンションの改良に加え、近戦で課題となっていたバッテリー信頼性を改善するアップデートを導入した。

    コストキャップの制約下で開発を続ける難しさについて問われたヴォルフは、フェラーリだけが例外的な開発ペースを維持していると指摘した。

    「開発ペースを落としていないのはフェラーリだけだ」

    「我々はモントリオールで大きなアップデートを1回投入した。その間にも小さな改良は続けている」

    「レッドブルもマクラーレンも同じような状況だと思う。しかしフェラーリだけは、まるで制限がないかのように見える」

    さらに、オーストリアGPで投入されたADUO関連のエンジンアップデートにも言及した。

    「しかも彼らはADUOへの対応を見越して、新しいエンジンまで投入してきた。ということは、その開発は少なくとも6か月前には始めていたはずだ」

    フェラーリはオーストリアGPでは苦戦し、ハミルトンが5位、シャルル・ルクレールが8位に終わった。それでもヴォルフは、ライバルの積極的な開発姿勢が今後のタイトル争いに影響を与える可能性があるとの見方を示している。

  • メルセデスF1代表 アントネッリのミスを分析「勝利を焦りすぎた」

    メルセデスF1代表 アントネッリのミスを分析「勝利を焦りすぎた」

    2026年F1第8戦オーストリアGPで2位表彰台を獲得したアンドレア・キミ・アントネッリについて、メルセデスF1代表のトト・ヴォルフは、序盤の焦りが優勝を逃す大きな要因になったとの見方を示した。

    ポールポジションから優勝したチームメイトのジョージ・ラッセルに対し、アントネッリは4番グリッドから追い上げる展開となったが、レース序盤に複数回コースオフを喫し、その間に貴重なタイムを失った。

    ヴォルフ「勝負を急ぎすぎた」
    アントネッリは予選Q3で黄旗区間をダブルイエローと誤認して大きく減速したことで、本来ならフロントロウを争えるペースがありながら4番手スタートとなった。

    決勝ではフェラーリ勢を攻略しながら前方を追う展開となったが、オープニング2周だけで3度コースアウトするミスを犯した。

    ヴォルフは、この積極性自体は評価しつつも、勝負を急ぎすぎたことが結果に響いたと語った。

    「序盤の数周で勝負を決めようと少し焦りすぎていたと思う。その代償は非常に大きかった」

    「でも、その熱意は私は好きだ。ターン3の上りでは、おそらく30メートルほどブレーキングが遅すぎたし、ターン1でも同じだった。それでいいんだ」

    さらにヴォルフは、若いドライバーの成長には積極性が不可欠だと持論を展開した。

    「以前にも言ったが、我々は常に全力で攻めるドライバーを求めている。ロバを速く走らせることはできないが、競走馬を落ち着かせることはできる」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    アントネッリも反省「最初のスティントで数秒失った」
    アントネッリ自身も、レース後には序盤の走りを反省した。

    「最初の数周は少し興奮しすぎていた。間違いなく良い走りではなかった」

    「ミスが多すぎたし、ミディアムタイヤで走った最初のスティントでは、そのミスだけで3〜4秒は失ってしまった。ブレーキにも苦しんでいた」

    一方で、ハードタイヤへ交換した後は流れを立て直し、終盤にはトップ2へ迫る力強いペースを披露した。

    「タイヤ交換後は気持ちをリセットできて、最後は本当に良いペースだった。ただ、追い上げを始めるのが少し遅すぎた」

    「自分自身、まだ改善すべきことはたくさんある。とにかくミスを減らしていきたい」

    アントネッリは最終的にラッセルから1.9秒差の2位でフィニッシュ。ドライバーズランキング首位は維持したものの、ラッセルとの差は40ポイントに縮まった。序盤の数回のミスがなければ、優勝争いの行方は違ったものになっていた可能性もある。

  • メルセデスF1 ラッセルとアントネッリが給水装置故障「過酷な暑さとの戦いだった」

    メルセデスF1 ラッセルとアントネッリが給水装置故障「過酷な暑さとの戦いだった」

    ジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリは、2026年F1第8戦オーストリアGP決勝で、ともにドリンクシステム(給水装置)が故障するトラブルに見舞われながらレースを走り切っていたことを明かした。

    オーストリアGPは、ヨーロッパを襲った熱波の影響で厳しい暑さの中で開催され、FIAは週末前から「Heat Hazard(高温危険)」レースに指定。決勝時の気温は35度に達し、31度を超えた場合に適用される高温時の安全規則の対象となった。

    猛暑の中で給水装置が作動せず
    この規則では、ドライバーは体温上昇を抑えるための冷却キットを使用できるが、水分補給も過酷なレースを乗り切るうえで重要な要素となる。

    しかし、優勝したラッセルはレース後のチーム無線で、給水装置が故障していたことを報告した。

    「ドリンクシステムが壊れた。このレースで壊れるなんてね……。ちょっと喉が渇いたよ!」

    さらに、決勝を3位で終えたチームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリも、レース後のクールダウンルームで、自身のW17でも同じトラブルが発生していたことを明かした。

    2台そろって給水できないまま、71周に及ぶ猛暑のレースを戦い抜いていたことになる。

    なお、2位のマックス・フェルスタッペンも「飲み物というより温かいお茶みたいだった」と冗談交じりに語っており、高温によってドリンク自体も熱くなっていたことを示唆した。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    ラッセル「自分にはまだできると証明できた」
    厳しいコンディションを乗り越え、今季2勝目、自身通算7勝目を挙げたラッセルは、レース後に勝利の喜びを語った。

    「再びトップに立てて本当に素晴らしい。少し間が空いていたので、今夜はこの勝利をしっかり味わいたい」

    「チームのみんなが僕たちを再び競争力のある位置に戻すために本当に努力してくれた。一時期は難しい時期もあった」

    「今週末のマックスとレッドブルは本当に速かった。彼らには敬意を表したい。毎周プッシュし続けなければならなかったし、後ろの速さも分かっていた」

    「キミも今シーズンは驚くほど速かったから、毎周タイミングモニターを見ていた。最後のピットストップは早めだったので長いスティントになると分かっていたけれど、チームが完璧なタイミングで判断してくれた」

    ラッセルはさらに、ここ数戦の苦戦を乗り越えたことで精神的にも大きな自信を得たと語った。

    「苦しいレースは精神的にも試される。この2週間は、自分にはまだやれるということを思い出させてくれる、本当に重要な時間だった」

    「今週末は予選でもレースでもとても強かった。僕のスタイルに必ずしも合うサーキットではなかったけれどね。シルバーストンへ向かうのが今から楽しみだ」

    今回のオーストリアGPでは、メルセデス勢が2台そろって給水装置のトラブルを抱えながらも、ラッセルが優勝、アントネッリが3位を獲得。猛暑という過酷な条件の中で、両ドライバーは高いパフォーマンスを維持し、チームにダブル表彰台をもたらした。

  • ジョージ・ラッセル「能力ではなくプロセスを疑っていた」 苦境を乗り越えた優勝

    ジョージ・ラッセル「能力ではなくプロセスを疑っていた」 苦境を乗り越えた優勝

    ジョージ・ラッセル(メルセデス)は2026年F1第8戦オーストリアGPで今季2勝目を挙げた。しかし、レース後の会見でラッセルが最も多くの時間を割いたのは勝利の喜びではなく、「苦しかった数か月」をどう乗り越えたかという過程だった。

    2戦連続ポールポジションからスタートしたラッセルは、レースを通してマックス・フェルスタッペン(レッドブル)の猛追を退け、開幕戦オーストラリアGP以来となる優勝を飾った。

    ドライバーズランキングでも2位に返り咲いた一方、自身は「自分にはまだできるということを思い出せた週末だった」と語り、精神的な意味でも大きな勝利だったことを明かしている。

    「すべてが自分に逆らっているようだった」
    開幕戦以来となる勝利について問われると、ラッセルはこの数か月が決して順調ではなかったと振り返った。

    「正直、かなり昔のことのように感じる。この数か月は本当に厳しかった。何もかもが自分に逆らっているように感じたレースもあったし、自分自身のパフォーマンスにも苦しんだレースがあった」

    さらに、チームメイトであるアンドレア・キミ・アントネッリの存在も大きな刺激になっていたという。

    「隣には毎週のように素晴らしい走りを見せる、本当に素晴らしいチームメイトがいる。だからカナダやバルセロナへ向かう頃は、自分自身が立ち直るために大きな精神力が必要だった」

    そのうえで、2戦連続ポールポジションと今回の優勝は、自身にとって大きな意味を持つ結果だったと語った。

    「厳しいレースは精神的にも試される。でも、この2週間は『自分にはまだできる』ということを思い出させてくれた。本当に重要な2週間だった」

    「予選でも決勝でも非常にいいペースを発揮できたし、自分向きではないと思っているサーキットで勝てたことを本当に誇りに思う」

    「今年はタイヤを学び直している」
    ラッセルは、不振の原因がドライビング技術そのものではなかったことも強調した。

    モナコGPやモントリオールでは苦戦したものの、データを分析すると原因は明確だったという。

    「モナコもモントリオールも本当に苦しい週末だった。でもデータを見ても『何が悪かったのか分からない』という状況ではなかった。問題は明確だったし、どう改善できるかも見えていた」

    メルセデスは過去のデータも洗い直し、新世代マシンで顕著になった傾向を分析。その結果を受け、ラッセル自身もドライビングを見直した。

    「今回のレースでは、これまでとはまったく違う走り方をした。正直、自分らしくないくらい違う走らせ方だった。でもタイヤをうまくマネジメントでき、それがうまく機能した」

    2025年まで使用していたタイヤでは、暑い路面でも寒い路面でも、あるいは路面の粗さに応じた扱い方を熟知していたという。しかし2026年仕様では、その経験を一から積み上げ直している最中だと明かした。

    「去年までは何年も同じタイヤを使っていたから、自分の引き出しの中に答えがあった。でも今年は正直まだそこまで理解できていない。今はそれを一から築き直しているところなんだ」

    ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    「能力ではなくプロセスを疑っていた」
    オーストリアGPではフェルスタッペンが終盤までプレッシャーをかけ続けたが、ラッセルは冷静にレースをコントロールした。

    もっとも、その裏では一瞬たりとも気を抜くことはできなかったという。

    「毎周限界までプッシュしていた。限界を攻めれば、小さなミスのひとつやふたつは必ず起きるものだ」

    レース終盤、ターン3ではコースアウトしかける場面もあったが、それも限界で走り続けた結果だった。

    「後ろの2台がどれだけ速いか分かっていた。特にキミは今シーズンずっと驚異的な速さを見せているので、毎周タイミングモニターを見ていた。僕たちは比較的早いタイミングでピットインしたから、最後は長いスティントになることも分かっていた。でもチームは完璧なタイミングで判断してくれた」

    そしてドライバーズランキング2位に返り咲いたラッセルは、タイトル争いへの自信について率直に語った。

    「自分の能力を疑ったことは一度もない。でも今年はプロセスを疑っていた」

    さらに、ルイス・ハミルトンやシャルル・ルクレールの名前も挙げながら、新世代マシンへの適応に苦しんでいるのは自分だけではないと説明した。

    「今年復調したルイスや、予選で最高クラスのドライバーであるシャルルも苦戦している。僕たちが突然運転できなくなったわけじゃない。重要なのはパッケージを理解し、それを最大限に引き出すことなんだ」

    最後は、ようやく肩の荷が下りたような笑顔も見せた。

    「本当に暑いレースだった。今はとにかく一杯飲みに行くのを楽しみにしているよ」

    苦しかった数か月を乗り越えてつかんだ今季2勝目。ラッセルは結果だけでなく、自らの走りへの確信も取り戻したオーストリアGPを終え、ホームレースとなる次戦イギリスGPへ向かう。

  • キミ・アントネッリ「パーティーに加わるのが遅すぎた」 敗因を自己分析

    キミ・アントネッリ「パーティーに加わるのが遅すぎた」 敗因を自己分析

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)は2026年F1第8戦オーストリアGPで3位表彰台を獲得した。序盤のミスを挽回し、レース終盤には2位マックス・フェルスタッペン(レッドブル)の背後まで迫る力強い走りを見せたものの、あと一歩届かなかった。

    レース後の会見でアントネッリは、「興奮しすぎた」と自らのレースを振り返り、勝利を逃した要因を細かく分析。週末を通しての精神状態やレース中のミス、そして今後への課題について率直に語った。

    「週末前半が良すぎて気持ちが緩んだ」
    アントネッリは、決勝だけでなく週末全体を振り返り、自らのメンタル面に課題があったと明かした。

    「今週末はすごくいいスタートを切ることができた。でも、そのせいで自分の集中力というか、強度を少し落としすぎてしまったと思う」

    フリー走行では常に上位タイムを記録し、高い競争力を見せていたが、それが予選での微妙な変化につながったという。

    「予選になると少し力が入ってしまった。速さはあったけれど、自分らしく自由にドライブできている感覚ではなかった」

    Q3最後のアタックはマックス・フェルスタッペンのクラッシュによるイエローフラッグの影響を受けたが、それでもラッセルから約0.1秒差につけていた。

    「最後はああいう形になってしまったけれど、普通に走れていれば2番手だった可能性は高かったと思う」

    「興奮しすぎて最初のスティントを台無しにした」
    4番グリッドからスタートした決勝では、オープニングラップからミスが続いた。

    「最初の数周は少し興奮しすぎていた。あまりいいドライビングができず、ミスが多すぎた」

    さらに、序盤はブレーキにも苦しめられた。

    「ブレーキにも苦しんでいて、そのせいで最初のスティントではかなりタイムを失ってしまった」

    レース中には、レースエンジニアのピート・”ボノ”・ボニントンから左右のブレーキ温度に偏りが生じる「ブレーキスプリット」の状態になっていることを無線で伝えられていた。周回を重ねるにつれて症状は改善したものの、序盤の走りには少なからず影響を与えていた。

    具体的にはターン3とターン4で大きなミスがあり、それがレース全体の流れを変えてしまったという。

    「ターン4ではコースアウトしそうになったし、その次の周にはターン3でもコースを外れた。そうしたミスで1周あたり1~1.5秒は失っていたと思う」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    「パーティーに加わるのが遅すぎた」
    タイヤ交換を終えると、アントネッリはようやく本来の速さを取り戻した。

    「タイヤ交換を終えてから気持ちをリセットできた。そこからは再びいいペースで走ることができたし、最後のスティントは本当に速かった。パーティーに加わるのが少し遅すぎたのは残念だった」

    実際、終盤はフェルスタッペンとの差を急速に縮め、チェッカー時には優勝したチームメイトのジョージ・ラッセルにも2秒以内まで迫った。

    「あと2~4周あれば、とても面白い戦いになっていたと思う」

    レース終盤のペースを考えれば、序盤のミスがなければ結果は違っていた可能性もあった。

    「最初のスティントでのミスがなければ、2位だけでなく優勝争いもできていたかもしれない」

    もっとも、本人は結果論で終わらせるつもりはない。

    「もちろん今だから言えることだ。ミスは実際に起きたことだし、大切なのは同じことを繰り返さないことだ」

    それでも3位フィニッシュはランキング争いでは大きな意味を持った。アントネッリはドライバーズランキング首位を守り、優勝したラッセルとの差も40ポイントを維持している。

    「ジョージとマックスにはおめでとうと言いたい。本当に素晴らしい週末だった。僕自身はまだ改善すべきことがたくさんあるけれど、それでもミスを最小限に抑えることはできたと思う」

    序盤の焦りによって勝負の輪に加わるのが遅れた一方、終盤にはトップ2に匹敵するレースペースを披露したアントネッリ。「パーティーに加わるのが遅すぎた」という一言には、3位という結果に満足することなく、勝利だけを見据える19歳の悔しさと、次戦への強い決意が凝縮されていた。

  • メルセデスF1代表 ジョージ・ラッセル残留明言「現体制を変えるつもりはない」

    メルセデスF1代表 ジョージ・ラッセル残留明言「現体制を変えるつもりはない」

    メルセデスF1代表のトト・ヴォルフは、ジョージ・ラッセルが2027年シーズンもチームに残留することを明言し、マックス・フェルスタッペン獲得の可能性を事実上否定した。

    近年はフェルスタッペンとメルセデスを巡る憶測が絶えず、ラッセルの去就にも注目が集まっていた。しかし、ヴォルフはオーストリアGPのフリー走行後、現在のドライバーラインアップを変更する考えはないと強調し、ラッセルとキミ・アントネッリのコンビに強い信頼を示した。

    ヴォルフ「ラインアップを変えるつもりはない」
    2026年シーズンのメルセデスはコンストラクターズ選手権をリードしており、ここまでわずか1戦しか勝利を逃していない。そのため、トップドライバーにとって魅力的な移籍先とみられており、フェルスタッペンとの関係もたびたび取り沙汰されてきた。

    アントネッリは現在の契約が2026年末までとなっている一方、ラッセルは2027年末まで契約を結んでいる。それでも、フェルスタッペン加入が実現した場合にはラッセルがシートを失うのではないかとの見方があった。

    しかし、ラッセルが「来年も間違いなくメルセデスにいる」と発言したことについて質問されたヴォルフは、『Sky Sports F1』で次のように語った。

    「そうだ。我々はラインアップを変えたいとは思っていないし、そのことはジョージにも伝えている」

    「このラインアップは我々にとって非常に良いものだと思っている。2人とも本当に満足している」

    一方で、フェルスタッペンが2027年に向けてマクラーレンと水面下で接触したとの報道も浮上している。ただし、現時点では市場の状況を探っている段階とみられている。

    ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    ラッセルへの揺るがぬ信頼
    ラッセルは開幕戦オーストラリアGPで圧倒的なパフォーマンスを見せたものの、その後は優勝から遠ざかっている。

    しかし、その要因はセーフティカーのタイミングや信頼性トラブルによる不運が大きく、自身のパフォーマンスが問題だったケースは少ない。こうした状況でも、ヴォルフはラッセルへの評価はまったく変わっていないと説明した。

    「彼はうまく対処している」

    「ここ1日半は難しい状況だったが、最終的にはFP3で最速だった」

    「本当に僅かな差の世界だ。大切なのは自信を持ち続け、自分のドライビングを信じ、セットアップについてメカニックと下した判断を信頼することだ」

    「そして多くの場合、それだけで十分なんだ。ただ走ればいい」

    「彼は誰かに自分の速さを証明する必要はない。我々は彼にスピードと能力があることを知っている」

    今回のヴォルフの発言により、少なくともメルセデスは2027年に向けて現在のラッセルとアントネッリの体制を維持する方針を明確にした。フェルスタッペンを巡る移籍の噂は続いているものの、メルセデスが獲得に動く可能性は現時点では大きく後退した形となった。

  • ジョージ・ラッセル F1オーストリアGPポール正当性を主張「すべて正しく対処した」

    ジョージ・ラッセル F1オーストリアGPポール正当性を主張「すべて正しく対処した」

    ジョージ・ラッセル(メルセデス)は、2026年F1第8戦オーストリアGP予選で獲得したポールポジションについて、終盤の黄旗区間を通過したラップが議論を呼ぶ中、「すべて正しく対処した」と胸を張った。

    Q3終盤、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がターン9でクラッシュしたことで黄旗が提示されたが、FIAはシングルイエローだったと判断。ラッセルのラップタイムは有効と認められ、今季4回目のポールポジションが確定した。

    シングルイエローは適切だったと主張
    ラッセルは1分06秒133を記録し、シャルル・ルクレール(フェラーリ)を0.2秒差で抑えてポールポジションを獲得した。しかし、そのラップ中に黄旗区間を通過していたことから、タイム抹消の可能性も取り沙汰された。

    チームメイトのキミ・アントネッリはダブルイエローだと判断してアタックを中止した一方、ラッセルはシングルイエローに対応しながらラップを続行した。

    ラッセルは当時の状況について次のように説明した。

    「正直、マシン自体は見えなかった。ランオフエリアがすごく広いからね」

    そして、シングルイエローの運用は妥当だったとの考えを示した。

    「このケースではシングルイエローが正しかったと思う。ダブルイエローというのは目の前に危険がある状況を意味するものだ」

    「シングルイエローならコーナーの100メートル手前でリフトする程度で十分だし、それでマシンのコントロールを失うことはない」

    「フェルスタッペンがあれだけ奥のバリアまで到達したのは、限界まで攻めていてマシンを失ったからだ。だからシングルイエローで正しかったと思うし、自分も完全にコントロールした状態で走っていた。ダブルイエローとはまったく別の話だ」

    FIAの判定でポールが正式確定
    予選中、タイミングモニターには一時的にダブルイエローが表示されたことで混乱も生じた。

    ただし、そのダブルイエロー表示は17時00分45秒から53秒までの短時間のみ。ラッセルが問題の区間を通過したのは17時00分35秒であり、ダブルイエローが提示される約10秒前だった。

    そのため、ラッセルに求められたのはシングルイエロー下で減速したことを示すことであり、FIAはオンボードデータなどを確認した結果、規則を満たしていたと判断。ポールポジションは正式に認められた。

    一方、アントネッリは自己ベストを更新するペースで走行していたものの、黄旗を受けてラップを中止しており、最終的に4番手となった。

    ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    突然訪れた驚異のペース
    ラッセル自身も、最後のアタックで突然速さを発揮できた理由については説明できないと認めている。

    「答えが分かるなら毎週ポールを獲れるよ」

    「木曜日にも話したけど、マシンとタイヤが完璧に噛み合ってスイートスポットに入ると、一気に大きなタイムが出ることがあるんだ」

    「今日は本当に苦しい予選だった。Q2では敗退しかけたしね。でもQ3最初のラップは良かった」

    「最後のアタックではターン1でコンマ15秒、ターン3でもコンマ15秒、ターン4でもさらにコンマ15秒縮めていた。本当に信じられないラップだった」

    さらに終盤の黄旗についても振り返った。

    「最後のセクターではシングルイエローが出ていたから100メートルほどリフトして、大きくタイムを失った。それでもあのタイムが出た。正直、自分でも理由は分からない」

    「チームと一緒にどこであれだけ速さが出たのか分析することになるだろう。でもマシンの感触は本当に素晴らしかった」

    今回の予選では黄旗対応を巡って議論が起きたものの、FIAはラッセルがシングルイエローの規定を適切に守っていたと判断した。ラッセル自身も「すべて正しく対処した」と繰り返し、自身のポールラップに一切の問題はなかったとの認識を示している。

  • メルセデスF1新無線公開 アントネッリ「ダブルイエローだった」と主張

    メルセデスF1新無線公開 アントネッリ「ダブルイエローだった」と主張

    2026年F1第8戦オーストリアGP予選で、ジョージ・ラッセルが黄旗区間を通過しながらポールポジションを獲得した場面について、新たなメルセデスのチーム無線が公開された。

    Q3終盤、マックス・フェルスタッペンがターン9でクラッシュした直後、キミ・アントネッリはアタックを中止した一方で、ラッセルはタイムを更新して逆転ポールを獲得。この判断を巡り、アントネッリはレースエンジニアのピーター・“ボノ”・ボニントンに無線で疑問を投げかけていた。

    アントネッリ「ダブルイエローだったはず」
    予選Q3ではフェラーリ勢やフェルスタッペン、メルセデス勢が入り乱れる激しいポール争いが展開されていた。

    ルイス・ハミルトンが暫定ポールを記録した直後、シャルル・ルクレールがさらに上回り、その後フェルスタッペン、アントネッリ、ラッセルが最終アタックへ入った。

    しかしフェルスタッペンはターン9でRB22のリヤを失いクラッシュ。これにより黄旗が提示され、アントネッリはアタックを中止して4番手にとどまった。一方、ラッセルは1分06秒113を記録し、ルクレールを約0.2秒上回ってポールポジションを獲得した。

    セッション後、アントネッリは無線で状況を確認した。

    「ジョージはどうしてタイムを更新できたんだ?」

    これに対し、ボニントンは次のように説明した。

    「黄旗区間ではリフトしたようだ」

    しかしアントネッリは納得せず、

    「でもダブルイエローだったよ」

    と返答。ボニントンも、

    「そこは確認する必要がある」

    と答えており、メルセデス陣営内でも状況を把握しきれていなかったことが明らかになった。

    さらにフェルスタッペンのクラッシュ直後には、ボニントンから

    「イエロー、イエロー」

    との無線が飛び、アントネッリは悔しさをあらわにした。

    「くそっ! あのラップだったんだ! あのラップだったんだよ!」

    ラッセル「大きくアクセルを戻した」
    一方、ラッセルもチェッカー後の無線で、自身が黄旗区間で減速していたことを強調した。

    「そのコーナー進入ではアクセルを戻した。かなりタイムを失ったけど、ちゃんとリフトした」

    「進入で大きくアクセルを戻したから、コンマ1秒以上は失った」

    予選後、このラップはFIAスチュワードによる審議対象となったが、映像やマーシャリングシステムの確認の結果、ラッセルが通過した時点ではシングルイエローが提示されていたと判断。減速義務を満たしていたことからポールポジションは正式に認められた。

    一方のアントネッリは、自身にはダブルイエローが表示されていたとの認識を示し、フェルスタッペンの事故では全車がアタックを中止すべき状況だったとの考えを示している。

    今回公開された追加のチーム無線によって、ラッセルが黄旗下で減速したと認識していた一方、アントネッリはダブルイエローが提示されたと受け止めていたことが明らかになり、予選終盤の混乱ぶりが改めて浮き彫りとなった。FIAは最終的にシングルイエロー区間で適切に減速したと判断し、ラッセルのポールポジションを正式に確定させている。

    【関連】
    ・F1オーストリアGP予選:ラッセル逆転ポール フェルスタッペンのクラッシュで波乱

  • ジョージ・ラッセルのポール確定 黄旗審議でFIAはシングルイエローと判断

    ジョージ・ラッセルのポール確定 黄旗審議でFIAはシングルイエローと判断

    ジョージ・ラッセルが2026年F1オーストリアGP予選で獲得したポールポジションは、セッション終了後に黄旗違反の審議対象となったものの、FIAが問題なしと判断したことで正式に確定した。

    最終アタックでは、マックス・フェルスタッペンが最終セクターでマシンのリアを失ってクラッシュ。グラベルを横切ってバリアに接触したことで、後続車は黄旗区間を通過することになった。

    アントネッリはアタック中止 ラッセルは走行継続
    フェルスタッペンの直後を走っていたキミ・アントネッリは、事故現場でダブルイエローが提示されたと判断し、最終アタックを中止した。そのため、Q3序盤に記録したタイムで4番手となった。

    一方、そのさらに後方を走っていたラッセルもイエローフラッグを確認して大きくアクセルを戻したが、十分なタイムマージンを生かしてラップを続行。1分06秒113を記録し、シャルル・ルクレールを約0.2秒上回ってトップに立った。

    しかし、黄旗区間を通過したことから「Yellow Flag Infringement(黄旗違反)」としてレースコントロールが事象を記録し、セッション後に審議対象となった。

    FIA「シングルイエローだった」と結論
    ラッセルはセッション後、「イエローは見えた。大きくリフトした。その時点では0.5秒リードしていて、事故現場を通過した後は0.25秒リードになっていたので問題ないと思った。本当に特別なラップだった」と振り返った。

    メルセデス代表のトト・ヴォルフも、「ジョージは約100メートルにわたってリフトし、約0.15秒タイムを失った。それでもポールラップだった」と十分に減速していたことを強調した。

    その一方でヴォルフは、アントネッリについて「彼はダブルイエローだと思った」と明かし、2人の認識が異なっていたことも説明した。

    FIAは走行データや映像を確認した結果、ラッセルが事故現場を通過した時点ではダブルイエローではなくシングルイエローが提示されていたと判断。「No Further Investigation(これ以上の調査は行わない)」と裁定し、ラッセルのタイムを正式に有効とした。

    これにより、ラッセルは黄旗違反の審議をクリアしてポールポジションを獲得。フェルスタッペンのクラッシュによって混乱したQ3は、黄旗運用の判断も含めて大きな注目を集める結末となった。