カテゴリー: マクラーレンF1チーム

  • F1タイトル争いに“寵児”ピアストリの影?ヴィルヌーヴが判定の甘さ指摘

    F1タイトル争いに“寵児”ピアストリの影?ヴィルヌーヴが判定の甘さ指摘

    マックス・フェルスタッペンは、今季のF1タイトル争いが激しさを増す中で、オスカー・ピアストリに有利なスチュワード判断の「偏り」が存在することについて警告を受けている。

    1997年のF1ワールドチャンピオンであるジャック・ヴィルヌーヴは、フェルスタッペンがFIAからペナルティを受けるような場面でも、マクラーレンのピアストリなら処罰を免れる可能性があると指摘。これが、F1通算6勝を挙げているピアストリにとって「チャンピオン争いにおいて大きな助けになる」と述べた。

    ヴィルヌーヴは、ピアストリがチャンピオン争いの重圧にどう対応しているかについても注目し、同じオーストラリア出身の元F1ドライバーであるマーク・ウェバーの存在が精神的な支えとなっていると強調した。

    「オスカー・ピアストリはプレッシャーに動じていないように見えるし、マーク・ウェバーという良きメンターがいる」とヴィルヌーヴはVision4Sportに語った。

    「ウェバーはピアストリが頼れる存在だ。父親的存在とまでは言わないが、2人の間にはエネルギーのバランスがある。それがとても助けになっている」

    「ピアストリは今、皆に愛されている。まさに“ゴールデンチャイルド”だ。何かが起きても、マックス・フェルスタッペンのようには簡単にペナルティを受けない。これもタイトル争いをする上で大きな助けになる」

    オスカー・ピアストリ マクラーレン F1

    24歳のピアストリは、シーズン序盤からフェルスタッペンに対して冷静かつ的確な対応を見せており、サウジアラビアとマイアミではレッドブルのエースを下して勝利を挙げた。この活躍により、現在ドライバーズランキングではチームメイトのランド・ノリスに16ポイント差をつけてリードしている。

    さらにヴィルヌーヴは、ピアストリにとって最大の脅威の一人がチームメイトのノリスであることを認めつつも、過去の例としてルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグによるメルセデス内のタイトル争いを引き合いに出し、同様の“内紛”がフェルスタッペンの障害になり得ると語った。

    「ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグがタイトル争いをしていたときを思い出す」と54歳のヴィルヌーヴは続けた。

    「まったく同じ動きをしても、ニコはペナルティを受けた。一方で次のレースでルイスが同じ動きをしても、ペナルティは出なかった」

    「そこには微妙な偏りが存在していたし、それは人間的なもので避けられない。そして今のピアストリは、その偏りの“正しい側”にいる」

  • マクラーレンF1 ホイールが“汗をかく”理由? PCM素材使用説が浮上

    マクラーレンF1 ホイールが“汗をかく”理由? PCM素材使用説が浮上

    マクラーレンF1が2025年シーズンで見せているタイヤ性能の優位性に、新たな理論が浮上した。

    「最悪な日でも彼らが一番速い」。そう語るのはメルセデスのジョージ・ラッセルだ。マクラーレンのマシンは「タイヤのウォームアップが早く、ロングスティントでも摩耗が少ない」と評価され、「9チーム全員が間違っているようにすら見える」と皮肉交じりに称賛された。

    しかし、このマクラーレンの“タイヤ支配”に最も強く疑念を抱いているのがレッドブルF1だ。舞台裏では「マクラーレンがピレリタイヤに水を注入しているのではないか」との噂まで飛び交っているという。

    この陰謀論に対し、マクラーレンのCEOザク・ブラウンは、F1マイアミGPで「Tyre Water(タイヤ水)」と書かれた水筒を持ち歩いてジョークで応戦。一方でFIA会長モハメド・ビン・スライエムも「根拠のない抗議はコストキャップから差し引くべきだ」と警告を発した。

    「ザクの意見に賛成だ。もし抗議するなら、その費用は予算制限内から支出すべきだし、正当性が証明されない限り返金されるべきではない」と語った。

    ピレリのF1責任者マリオ・イゾラも「タイヤに水を通すなどという行為は、現在のFIA監視体制ではほぼ不可能だ」と一蹴する。

    「我々はセンサーを通じて常にタイヤの圧力と温度を監視している。バルブやその他の部分に水を通すような行為は、即座にデータに現れるはずだ」

    マクラーレン F1 フェーズチェンジ素材(PCM素材)

    新たに浮上した“フェーズチェンジ素材”説
    そんな中、独『Auto Motor und Sport』のジャーナリスト、ミハエル・シュミットが注目すべき新説を報じた。

    彼によると、2024年にはレッドブルが「マクラーレンがフリープラクティス以外でもブレーキに温度センサーを使っている」と苦情を申し立てたことがあったという。

    「FP3でマクラーレンは極端に長いロングランを行う傾向がある。競合チームを大きく引き離してね。これは極端な条件下で何かを検証しようとしているのかもしれない」

    その“何か”について、シュミットは「マクラーレンがブレーキ周辺のコンポーネントに“フェーズチェンジ素材”(PCM)を使用している可能性がある」との情報を入手したという。

    フェーズチェンジ素材(PCM)は、固体から液体へと相転移する際に熱エネルギーを吸収・放出する特性を持つ。これにより、マクラーレンのホイールリム内側から時折“水分”がにじみ出ているように見える理由が説明できるという。

    「もしかすると、それは相転移によって“汗のように”滲み出ていた液体なのかもしれない」

    「確かにこの話は少しSFめいているが、現実味もある。なぜなら、レッドブルがわざわざ“水の噂”を流した背景が説明できるからだ」

    さらにシュミットは「たとえ他チームがマクラーレンの手法を突き止めたとしても、それをコピーするのは簡単ではない」と指摘する。

    そして最後にこう締めくくった。「レッドブルもすでに同様の素材を試しているのではないか。それがマックス・フェルスタッペンの最近のブレーキ性能に関する苦情の背景かもしれない」

    なお、レッドブルF1のチーム代表クリスチャン・ホーナーはこの件について問われた際、「そっけない一言で答えた」という。

    PCM素材による熱管理という説は、マクラーレンの卓越したタイヤ性能に対する説得力ある“裏付け”となるのか。今後の技術論争の行方に注目が集まっている。

  • マクラーレンのブレーキ冷却がF1ライバルたちを驚かせる理由

    マクラーレンのブレーキ冷却がF1ライバルたちを驚かせる理由

    F1ライバルたちが現在最も注目している問いは、「なぜマクラーレンのMCL39はこれほどまでにリアタイヤの温度管理に優れているのか?」という点だ。

    決定的な答えが出ているわけではないが、単一の“銀の弾丸”によるものではなく、空力プラットフォーム、サスペンションの運動学、エネルギー回収戦略といった複数の要素が絡み合っていると考えられている。

    レッドブルのチーフエンジニア、ポール・モナハンは、マクラーレンに追いつく難しさについてこう語っている。

    「これは一歩一歩の積み重ねだ。魔法の杖で一瞬で解決するような“ハリー・ポッターの時間”じゃない。綿密で優れたエンジニアリングの賜物なんだ。我々はそれを地道に進めている」

    マクラーレン F1 リアブレーキ

    ブレーキに関する注目
    最近話題となっている要素の一つが、マクラーレンのブレーキシステムだ。これがリアタイヤの温度管理に大きく貢献しているという。

    特に注目が集まったのは、日本GP中のピットストップで撮影されたとされるリアブレーキドラムの熱画像をレッドブルが外部から入手したという噂だ。

    これらの画像には、マクラーレンのブレーキドラムが他チームよりもはるかに低温である様子が映っていたとされ、様々な憶測が飛び交った。

    一部では、冷却用の空気をホイールリムに逃がす特殊なカーボンファイバーの織り方や、内部の空気流を変化させる相変化材料の使用、あるいはブレーキ内での気化冷却が囁かれたが、いずれもF1レギュレーションで禁じられている手法だ。

    F1 ブレーキ各F1チームのリアブレーキ構造比較(マクラーレン、レッドブル、メルセデス、フェラーリ)

    一部パドックでは、FIAがマクラーレンのパーツを押収したという誤った噂も流れたが、これはFIAによって明確に否定されている。

    むしろ、FIAはマイアミGP期間中にマクラーレンのブレーキを複数回調査した上で、すべて合法であると正式に認定している。

    FIAからのメッセージは明確だ。「マクラーレンの設計は、単に非常に巧妙なものなのだ」

    ディテールへの徹底的なこだわり
    マイアミでの圧倒的勝利(ピアストリが非マクラーレン勢に35秒差)により、マクラーレンの初期のパフォーマンスが偶然でなかったことが証明された。

    レース後、アンドレア・ステラ代表は、MCL39においてタイヤマネジメントを改善することに特化した技術開発がなされたことを認めた。

    「そこには非常に高度なエンジニアリングがある。我々はクルマ全体を包括的に見て、タイヤの挙動に影響を与えるあらゆる要素を分析した」

    F1 ブレーキダクトブレーキダクトによる4方向の冷却ルートを示す概念図

    ステラが語る「非常にターゲットを絞ったエンジニアリングの成果」の一例が、リアブレーキのコンセプト変更だった。

    他チームがブレーキディスクやキャリパーの露出を保っているのに対し、マクラーレンはこれらを徹底的にカーボンファイバー(おそらくはセラミックライナー付き)で覆い、冷却空気を制御された経路で導いている。

    イラストによると、次のようなエアフローが想定される:
    ・黄色:内側のブレーキディスクへの冷却空気
    ・水色:低い位置にあるキャリパーへの冷却空気
    ・青色:外側のブレーキディスクへの冷却空気
    ・緑色:ホイールリム内部の温度低減用空気

    マクラーレン 新旧グレーキマクラーレンの2024年仕様(左)と2025年仕様(右)のリアブレーキ比較。吸気口の拡大と内部構造の進化が見て取れる。

    排気ダクトの工夫と「空気の出口設計」
    マクラーレンは吸気だけでなく、冷却空気をうまく引き抜くための排気構造にも注力している。

    F1 排気ルート各チームのリアタイヤ周辺から見た排気ルート(マクラーレン、レッドブル、メルセデス、フェラーリ)

    冷却とは単に多くの空気を送り込むことではない。「適切な低圧ゾーンを作って冷却空気を引き抜く」ことこそが重要なのだ。

    内部センサーの存在
    マクラーレンのもう一つの注目点が、リアブレーキ上部に取り付けられたセンサーと、それに繋がるシリコン製の空気パイプだ。

    マクラーレン F1 ブレーキ センサー上部に取り付けられたセンサーの拡大図。公式セッションでは塞がれることが義務付けられている。

    これは練習走行で使用されるセンサーで、予選および決勝では規則により外部ドラムに開いた穴を塞がなければならない。

    このセンサーはおそらく、内部の空気圧または流速を測定しており、冷却空気が正しく排出されているかを確認するものと推測される。

    マクラーレンは2022年のバーレーンGPでブレーキ冷却に苦しみ、ブレーキダクト内の圧力バランス問題を修正した経緯がある。それ以来、この領域の知見は大きく向上しているはずだ。

    ゲイリー・アンダーソンの見解
    F1解説者ゲイリー・アンダーソンは次のように分析する。

    「これは良質なエンジニアリングの成果だ。ブレーキは高温が必要だが、過剰冷却は避けたい。さらにその熱を周囲に伝えず逃がす必要がある」

    マクラーレンは単に“冷やす”のではなく、“熱を伝えない構造”を作り、必要最小限の空気で効率よく冷却している。

    加えて、そもそもリアタイヤに熱を伝えすぎないための車体設計――例えば回生ブレーキ比率の最適化やアンチダイブ/リフト機構、高剛性サスペンションなど――が背景にある。

    こうした機械的設計により、ブレーキで発生する熱がリムやタイヤに伝わりにくくなっており、すべてが“冷える方向”へと連鎖している。

    このマクラーレンMCL39のリアブレーキ冷却は、まさに総合力によって生まれた技術芸術である。

  • フェルスタッペンは1%の油断も逃さない マクラーレンF1にシュタイナーが警告

    フェルスタッペンは1%の油断も逃さない マクラーレンF1にシュタイナーが警告

    元ハースF1チーム代表のギュンター・シュタイナーは、マクラーレンF1のランド・ノリスとオスカー・ピアストリに対し、「1%の油断」でもあればマックス・フェルスタッペンに予選で先行されると警鐘を鳴らした。

    今季のマクラーレンは、現在のグリッドで最も完成度の高いマシンを擁しており、これまでに行われた6戦中5勝を挙げている。そのうち4勝はチャンピオンシップリーダーであるピアストリ、残る1勝はノリスが記録した。一方、フェルスタッペンも日本GPでマクラーレン勢を下し、今季唯一の勝利を挙げている。

    この日本GPでは、フェルスタッペンがポールポジションからスタートして優勝。今季3度目のポール獲得となった。

    マクラーレンの決勝でのレースペースは他を寄せ付けないが、予選における1周の速さでは、フェルスタッペンが依然として強力な存在であり続けている。

    シュタイナーは、マクラーレンの両ドライバーが予選で常に全力を出しているとは限らず、フェルスタッペンはそのわずかな“綻び”を見逃さないと指摘する。

    「彼らが対峙しているのは、今のF1で最も完成された存在、マックス・フェルスタッペンだ」と、シュタイナーはF1ポッドキャスト『Red Flags』で語った。

    「マックスには、予選で非凡な一発の速さを発揮する力がある。ノリスもピアストリも優れたドライバーだが、あえて無理をしないという判断を下す局面もある。チームの競争力を信じているからこそ、100%ではなく99%でまとめる場面もあるだろう。」

    「だが、1%でも力を緩めれば、その隙をマックスは見逃さない。彼は確実に前に出てくる。」

    フェルスタッペンがフロントロウに並ぶこと自体が、マクラーレンにとっては重大なリスクとなる。

    「隣にマックスがいる状況で、1コーナーを先頭で抜けられると安易に考えるべきではない。彼は一切の妥協を排し、獰猛なまでの闘志で勝機を掴みにくる。まさに“アニマル”と呼ぶにふさわしい存在だ」と、シュタイナーはその危険性を強調した。

  • F1王座争い優勢のマクラーレンに「フェルスタッペンの脅威は残る」と元代表

    F1王座争い優勢のマクラーレンに「フェルスタッペンの脅威は残る」と元代表

    マクラーレンは今季、F1王座争いで優位に立ち、コンストラクターズランキングの首位を快走している。だが、前ハースF1代表のギュンター・シュタイナーは「真に支配的な存在になるには、すべてを完璧にこなす必要がある」と警鐘を鳴らした。最大の懸念材料として挙げたのは、予選でいまだに強さを見せるマックス・フェルスタッペンの存在だ。

    F1マイアミGPでは、マクラーレンがワン・ツー・フィニッシュを達成。3位のジョージ・ラッセル(メルセデス)に対して、37.6秒もの大差をつける完勝だった。

    これまでの決勝レースでも、マクラーレンは日本GPでフェルスタッペンに敗れた1戦を除き、すべてで勝利を収めており、特にタイヤマネジメントにおいては他を圧倒している。

    一方で、予選ではフェルスタッペンが全体の半分でポールポジションを獲得しており、マクラーレンの“一発の速さ”には依然として課題が残る。

    Red Flagsポッドキャストでシュタイナーは、次のように語った。

    「今のところ、マクラーレンが最も優れたマシンを持っているのは誰もが認めるところだ。スプリントレースでも勝ったが、それほど支配的だったとは思わない」

    「決勝では距離を走る中でタイヤマネジメントが優れている。ただ、予選ではポールを取れていない。つまり、まだやるべきことがあるということ。かつての支配的なチームほどの完成度には達していない。すべてを完璧に揃えない限り、本当の意味で“支配的”とは言えない」

    さらにシュタイナーは、フェルスタッペンの予選での強さについてこう述べた。

    「まず言っておくと、“スーパー・マックス”は予選1周の速さで別格なんだ。彼はその1周でやってのける。クルマがその1周だけは力を発揮できるからね。ただ問題はタイヤ。彼らのタイヤは他よりも劣化が早い。でも、その1周だけならこなせるんだよ」

  • レッドブルF1代表 マクラーレンの“タイヤ用の水”ボトルラベル挑発に反応

    レッドブルF1代表 マクラーレンの“タイヤ用の水”ボトルラベル挑発に反応

    レッドブルF1のチーム代表クリスチャン・ホーナーは、F1マイアミGPの週末にマクラーレンのCEOザク・ブラウンが仕掛けた“おちゃめな挑発”について言及した。

    ザク・ブラウンは「タイヤ用の水」とラベルが貼られたボトルをピットウォールに持ち込み、レッドブルが注目しているマクラーレンの優れたタイヤマネジメントを皮肉った。

    このジョークは、マクラーレンがタイヤを従来とは異なる方法で冷却しているのではないかというパドック内の憶測を踏まえたものだ。特にレッドブルは、マクラーレンのロングランでの高いパフォーマンスの秘密を探ろうとしているとされる。

    実際、マイアミではマクラーレンの速さが際立っていた。オスカー・ピアストリとランド・ノリスは、気温の高いコンディションの中でもハイペースを維持しながら、タイヤの摩耗を最小限に抑えて走り切っていた。

    ホーナーはこの皮肉に笑顔を見せることはなかったが、先頭を走るチームが常に注目と疑念の目にさらされるのはF1ではよくあることだと認めている。

    「F1では常に何かしらの疑念が持ち上がる」とホーナーは語った。「昨年も我々のフロントサスペンションに関して、さまざまな憶測が飛び交った」

    「ここ数年、我々が先頭に立ってきたことで、常により厳しい注目と精査を受けてきた。それもF1の一部であり、避けられないことだ」

    さらにホーナーは次のように続けた。

    「FIAにとってもそうだが、実際にはほとんどの調査や分析は各チームが行っている。なにしろ彼らのリソースは非常に豊富だし、どのチームも常にライバルの動向を分析しているのだから」

    レッドブル・レーシング F1 マクラーレン

    “マクラーレンの謎”とその強さ
    そしてホーナーは、マクラーレンが現在、特にタイヤの摩耗管理においては明らかに“基準”となっていると認めた。

    「今のF1で最も際立ったクルマはマクラーレンだ」とホーナーは述べた。「彼らは数年前の我々のように大きな優位性を持っており、温度管理が非常にうまくいっている。特にミディアムタイヤのスティント終盤では、その強さが最もはっきりと表れていた」

    レッドブルはマイアミでブレーキトラブルに見舞われたが、ホーナーはそれとは別に、マクラーレンの効率性そのものを評価すべきだと強調する。

    「我々が注目すべきはまさにそこだ」と彼は語った。「たしかにブレーキの問題がレースをさらに難しくしたが、それも含めて原因をきちんと分析しなければならない」

    2026年にはF1の大規模なレギュレーション変更が控えている中、レッドブルはマクラーレンの現状の強さを解析し、再びタイトル争いの主導権を握ろうとしている。

  • メルセデスF1代表 マクラーレンの冷却疑惑に反応「不正ではないと確信」

    メルセデスF1代表 マクラーレンの冷却疑惑に反応「不正ではないと確信」

    F1マイアミGPで圧倒的なパフォーマンスを披露したマクラーレンに対し、レッドブルが“タイヤ冷却トリック”を疑う中、メルセデスF1代表トト・ヴォルフが擁護の姿勢を示した。

    2025年シーズン、マクラーレンはコンディションを問わず安定した強さを発揮しており、マイアミでは「別次元の速さ」(ヴォルフ)と形容されるほどの支配的な走りを見せた。しかしその裏で、一部のライバルチームは「タイヤ内部に水を注入して冷却効果を得ているのではないか」と疑念を抱いている。

    こうした疑惑に対し、マクラーレンCEOザク・ブラウンは「明らかに行き過ぎた指摘だ」と一蹴。マイアミのピットウォールでは“TYRE WATER”と書かれた水筒を手に、疑惑を逆手に取るような姿を見せ、レッドブルの抗議に対して挑発的な態度を示した。

    「我々を不安定にしようとするチームが、こうした主張を繰り返している」とブラウンは語る。

    一方でヴォルフは、マクラーレンと政治的に近い関係にあるとされるものの、今回のタイヤマネジメントの秘訣については「まったく分からない」と認めている。

    「我々はただ傍観しているわけではない。実験や開発を通じて、その鍵を見つけようと懸命に取り組んでいる」

    「マクラーレンが何をしているのか、可能な限り早く突き止めなければならない。なぜなら、その技術は来年も通用する可能性があるからだ」

    なお、レッドブルは熱画像カメラを用いてマクラーレンのタイヤ温度分布を調査。その結果、他チームと比べて異常に冷却されている様子が確認されたという。

    それでもヴォルフは、マクラーレンに不正の疑いをかけることには強く反対している。

    「彼らはルールの範囲内でやっている。違法なことなどしていない。何かを発見したのだろうが、それを否定する理由はない」

    2026年のレギュレーション変更を控えるF1において、タイヤマネジメント技術は今後さらに注目を集める分野となりそうだ。

  • マクラーレンF1の冷却技術は違反か? FIAがリアブレーキを詳細検査

    マクラーレンF1の冷却技術は違反か? FIAがリアブレーキを詳細検査

    マクラーレンのMCL39が、F1マイアミGP後にFIAの詳細検査対象として選ばれ、リアブレーキシステムが精密に調査されていたことが明らかになった。

    この調査は、通常のレース後車検とは異なり、上位10台のうちから1台を選んで実施される「詳細技術検査」の一環で、FIAの技術代表ジョー・バウアーによって行われる。

    たとえば、今年のサウジアラビアGPではマックス・フェルスタッペンのレッドブルが選ばれ、エンジンのエアインテークやオイル・冷却システム、過給空気冷却装置に加え、標準ECUへのセンサーや配線の接続状況などが検査された。

    マイアミGPではマクラーレンのMCL39が検査対象に選ばれ、通常よりも踏み込んだ調査が実施された。ランド・ノリスとオスカー・ピアストリのどちらのマシンが対象だったかは明らかにされていない。

    FIAはこのとき、MCL39のリアブレーキシステムに特に注目し、徹底的なチェックを行ったとされる。この領域は他チームにとっても大きな関心事となっており、マクラーレンがタイヤ温度をうまくコントロールできている要因として注目を集めている。

    マクラーレンの冷却構造に他チームが疑念
    FIAがこうした精密調査を行う基準は明確ではないが、過去の例を見る限り、目覚ましいパフォーマンス向上や、他チームから寄せられる情報に基づいて調査対象が選ばれている。今回のケースもその一環と見られる。

    検査結果はまだ公表されておらず、来週のエミリア・ロマーニャGPの水曜日に発表される予定だ。ただし、現時点でFIA技術代表からスチュワードへの報告がなされていないことを踏まえると、重大な技術規則違反は確認されていない可能性が高い。

    なお、今回検査されたパーツや技術の詳細が明かされることはない。すべての項目が技術規定を満たしていた場合、合法性の確認という形式的な発表のみにとどまり、さらなる技術的な情報の公開は行われない。

    複数の報道によると、マクラーレンのリアブレーキドラムの冷却構造に関して、明確なアドバンテージが存在するのではないかと懸念する声が他チームから上がっていたという。

    ドイツの『Auto Motor und Sport』は、レッドブルがFIAに対して、マクラーレンのブレーキの冷却が他車より優れていることを示す温度分布スキャン画像を提出したと報じている。

    マイアミGPでは、マクラーレンが1-2フィニッシュを達成し、2位以下に30秒以上の差をつけて勝利した。この結果を受け、チーム代表アンドレア・ステラは、冷却性能を含めた同チームのエンジニアリングの卓越性を強調した。

    「タイヤにとって厳しい条件、特にオーバーヒートのリスクが高い状況では、我々のマシンはタイヤを最適な温度レンジに保つことができている。非常に優れたエンジニアリングの成果だ」とステラは語る。

    「我々は、タイヤ挙動に影響を与えるあらゆる要素を包括的に分析し、それらを効果的に設計に落とし込んできた。タイヤの扱いという、F1において今なお“ブラックアート”とされる分野で、チーム全体が力を発揮した結果だ」

    「ドライバーたちもこのプロセスに貢献しており、チームとして非常に誇りに思っている」

    また、冷却システムに関しては次のように語っている。

    「特に高温のコンディションでは、我々のマシンにおけるもう一つの特徴――冷却システム――が非常によく機能している。マクラーレンのボディワークは比較的閉じた構造だが、その中で効率的な冷却レイアウトがなされている」

    「こうした要素が組み合わさることで、マクラーレンのエンジニアリングは競争優位を築けるレベルにまで達している」

  • ケビン・マグヌッセン F1デビュー年に課された“ハミルトン基準”を吐露

    ケビン・マグヌッセン F1デビュー年に課された“ハミルトン基準”を吐露

    ケビン・マグヌッセンは、F1のルーキーシーズンにマクラーレンから受けた過剰な期待について振り返った。

    マグヌッセンは2014年にジェンソン・バトンのチームメイトとしてマクラーレンでF1デビューを果たしたが、翌2015年シーズンにはフェルナンド・アロンソが起用され、自身はレースシートを失うこととなった。

    当初マクラーレンは、表彰台を一度獲得した実績を持つマグヌッセンをアロンソのパートナーとして翌年も起用するつもりだったが、若い彼に非常に大きなプレッシャーを課していた。

    端的に言えば、チームはマグヌッセンに対し、2010年から2012年の3年間にわたってルイス・ハミルトンが予選でバトンに対して示していたアドバンテージ――平均0.15秒――を再現するよう求めていた。

    現在32歳となったマグヌッセンは、当時のその要求が「不公平」であったと認めており、2009年のF1ワールドチャンピオンであるバトンに対しても侮辱的だったと振り返っている。

    「ジョナサン(・ニール/マネージングディレクター)とエリック(・ブーリエ/レーシングディレクター)に言われたのを覚えているんだ。『ルイスはジェンソンと3年間組んだ中で、平均して予選で0.15秒速かった。だから君が来年もレースシートを維持したいなら、同じだけジェンソンを上回るべきだ』ってね」とマグヌッセンは『Motor Sport Magazine』に語った。

    「当時はその言葉を受け入れていたけど、今になって考えると不公平だったと思う。

    「ルイスもジェンソンもF1ワールドチャンピオンで、僕よりずっと経験が豊富だったのに、ジョナサンとエリックは、僕がF1ルーキーイヤーで、ルイスの3年目、4年目、5年目と同じレベルでなければアウトだって言っていたんだ」

    「それって狂ってるし、ジェンソンに対しても失礼だよ」

    マグヌッセンが「本当に必要としていたもの」の逆だった
    今となっては、「もしやり直せるなら、もっと違う対応をしていただろう」とマグヌッセンは話すが、当時の立場の不安定さを理解している。

    「今思えば、あの時もっと自分の立場を主張すべきだった」と、かつてルノーやハースに所属していたマグヌッセンは語る。「僕はナイーブだった。でも、自分を弁護するなら、僕はF1の新人だったんだ」

    そして、あのプレッシャーが自身にどう影響したかも認識している。結果として、彼はミスを犯しやすい悪循環に陥ったという。

    「避けようのないことだったけど、あの不公平な期待は僕に余計なプレッシャーを与え、それによって僕はミスをし始めたんだ」と振り返る。

    「21歳のルーキーにあんな馬鹿げた期待を押し付けるなんて間違ってた。才能もスピードもあったけど、僕に必要だったのはメンタル面と感情面でのサポートだった。それなのに、マクラーレンのレーシング部門の上層部が与えたのは、まったく逆のものだったんだ」

  • マクラーレンF1 ザク・ブラウン、ランド・ノリスに助言「完璧を求めすぎるな」

    マクラーレンF1 ザク・ブラウン、ランド・ノリスに助言「完璧を求めすぎるな」

    マクラーレンF1のCEOザク・ブラウンは、ランド・ノリスが今季F1チャンピオンになるためには「完璧を追求するのをやめ、もっとリラックスしてドライブすべき」とアドバイスを送った。

    ノリスは今季開幕戦オーストラリアGP(メルボルン・アルバートパーク)でポールポジションから優勝を飾り、完璧に近いスタートを切った。しかし、その後は小さなミスをいくつか重ねており、タイトル争いにおいて大きな代償を払うことになっている。

    全24戦のうち、すでに4分の1を消化した現在、ノリスはチャンピオンシップ首位を走るチームメイトのオスカー・ピアストリに対し16ポイントの遅れをとっている。ピアストリは母国オーストラリアGPを除く直近5戦で4勝を挙げ、絶好調だ。

    ノリスは自分のパフォーマンスを評価する際、しばしば感情をあらわにし、自己批判を繰り返すなど自分に厳しい姿勢を見せている。ブラウンは、こうした姿勢に改善の余地があると考えている。

    「ランドは完璧を追い求めるのをやめる必要がある」とブラウンはメディアに語った。「どのドライバーに聞いても『完璧なラップを走ったことがない』と言うだろう。大切なのは、自分ができる最善の走りに集中することだ」

    マクラーレンとしてノリスをどのように完璧主義から解放するか問われたブラウンは、次のように答えた。

    「完璧さにはさまざまな度合いがある。私にとっての完璧とは、自分ができる限りベストを尽くすことであって、エイペックスを数インチ外したとか、ブレーキングが1メートル遅れたとか、そんなことは必ず起こるものだ。常に『ベストを尽くそう』というアプローチが最も適切だろう」

    「ピットストップで1.8秒を記録したとしても、1.78秒が可能だったかもしれない。だが、ピットストップのたびに『1.78秒を目指そう』と考えるのではなく、『できるベストをやろう』と考えるべきだ。そのほうが良い結果につながる」