カテゴリー: マクラーレンF1チーム

  • オスカー・ピアストリ F1エミリア・ロマーニャGP「早く出たことが逆に良かった」

    オスカー・ピアストリ F1エミリア・ロマーニャGP「早く出たことが逆に良かった」

    オスカー・ピアストリは、波乱の展開となった予選セッションでポールポジションを獲得し、マクラーレンチームの「完璧な作業」を称賛した。特に、自身がトラフィックを避けられるような戦略を立ててくれた点が大きかったという。

    Q1では角田裕毅とフランコ・コラピントのクラッシュによって2度の赤旗が出され、さらにQ2開始前にはオリバー・ベアマンが赤旗前にラインを通過していたかどうかの調査によりセッション開始が遅延するなど、土曜のイモラは序盤から波乱含みの展開だった。

    トップ10によるQ3のシュートアウトが始まると、まずマックス・フェルスタッペンが最初のアタックで暫定ポールを獲得し、ピアストリは2番手に。しかし最終アタックでは、ピアストリが早めにコースインし、前を走る数台のマシンによる影響がありながらも、1分14秒670というタイムで最速を記録。フェルスタッペンをコンマ03秒上回り、見事ポールポジションを勝ち取った。

    イモラで今季3度目のポールを決めたピアストリは、マシンを降りた後のインタビューで、予選全体が決して簡単な展開ではなかったと振り返った。

    「素晴らしいセッションだった。けどとてもタフだった。赤旗や中断もあったし、タイヤもすごく難しかった」と24歳のピアストリは語った。

    「昨日の段階ではC6(ソフトタイヤ)は悪くないって感じだったけど、今日になって急に不安定な動きを見せるようになった」

    「それでもチームがすごく良い仕事をしてくれて、クルマをちゃんと“良い状態”に仕上げてくれた。週末を通じていろんなことを試していたけど、予選にはいい形で持ち込めたと思う」

    「最後のコーナーでは前に4台いたから決して完璧なラップじゃなかったけど、それでも十分なタイムが出た。チームの働きに感謝しているし、明日が楽しみだ」

    オスカー・ピアストリ F1 エミリア・ロマーニャGPピアストリ、イモラで自身3度目のF1ポールポジションを獲得

    最後のアタックで早めにコースインしたことについて、ポールが狙えると確信していたかと聞かれると、ピアストリは次のように答えた。

    「正直、最初に出るのはあまり嬉しくなかったけど、前のランでけっこうギャップが取れていたから、実際にはあまり変わらなかった」

    「もちろん、先に出るとスリップストリームが使えない。でも代わりに乱気流に巻き込まれることもない。それは確実に助けになったと思う」

    「僕たちはそういう作戦を選んだ。それが通用するだけの速さがあると思っていたし、自分たちのやり方を貫いた。チームはその実行を完璧にこなしてくれた」

  • F1エミリア・ロマーニャGP ピアストリが劇的ポール 伝説セナの記録に並ぶか

    F1エミリア・ロマーニャGP ピアストリが劇的ポール 伝説セナの記録に並ぶか

    オスカー・ピアストリがF1エミリア・ロマーニャGPの予選でポールポジションを獲得。最終アタックで1分14秒670を記録し、レッドブルF1のマックス・フェルスタッペンに0.034秒差をつけた。

    マクラーレンのチームメイトであるランド・ノリスは4番手にとどまっており、フロントロー独占とはならなかったが、ピアストリは最終セクターで「トラフィックがあった」と無線で訴えつつも、それをものともせずトップに立った。

    ピアストリは直近3戦を連勝しており、ドライバーズ選手権ではノリスに対して16ポイントのリードを築いている。もし日曜の決勝でも勝利を収めれば、マクラーレンで4連勝を達成したアイルトン・セナの記録に並ぶことになる。

    イモラのアウトドローモ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリでの圧巻のアタックラップは、動画プレーヤーから視聴可能だ。

    動画の公開は終了しました
  • オスカー・ピアストリ F1エミリア・ロマーニャGP「イモラは予選がすべて」

    オスカー・ピアストリ F1エミリア・ロマーニャGP「イモラは予選がすべて」

    現在ドライバーズ選手権をリードするオスカー・ピアストリは、F1エミリア・ロマーニャGP初日の両セッションで最速タイムを記録したものの、予選ではさらに接戦となると予想している。

    ピアストリはFP1とFP2の両方で僅差ながらチームメイトのランド・ノリスを上回り、2回のセッションを連続トップで終えた。特にFP2は土曜の予選に最も近いコンディションで行われ、マクラーレン勢は3番手のピエール・ガスリー(アルピーヌ)以下を0.2秒以上引き離していた。

    それでもピアストリは慎重な姿勢を崩していない。

    「これまでの金曜日でも速さを見せたことはあるけど、土曜日になると他のみんなが一段ギアを上げてきたからね」とピアストリは語った。

    「まだ改善の余地はあるけど、全体的にスムーズに進んでいるし、クルマの感触も悪くない。微調整すべき点はあるけど、概ね良好だよ」

    「今年はどこでも土曜日がとても重要になっている。イモラも例外じゃないし、予選の位置取りは本当に大事になる。だから、今のところマクラーレンの2台だけじゃなく、何台か他のチームも加わってくると思う」

    「僕たちは冷静にやるべきことをこなして、もう少し詰めていきたい」

    エミリア・ロマーニャGP F1 オスカー・ピアストリ マクラーレン

  • ランド・ノリス F1エミリア・ロマーニャGP「予選では他チームも迫ってくる」

    ランド・ノリス F1エミリア・ロマーニャGP「予選では他チームも迫ってくる」

    マクラーレンF1のランド・ノリスは、F1エミリア・ロマーニャGPの金曜フリー走行でチームが圧倒的な速さを見せたものの、予選では他チームが差を詰めてくると予想しており、楽観視はできないと語った。

    ノリスはFP1とFP2のいずれでもオスカー・ピアストリに次ぐ2番手タイムを記録。チームメイトとの差はそれぞれ0.05秒未満だった。

    それでもノリスは、予選ではマクラーレンのアドバンテージが縮まる可能性があると指摘する。

    「僕らは毎回、金曜日は他より良く見えるけど、予選になるとみんな追いついてくる」とノリスは述べた。

    「だから現時点では楽な立場にはいないと思う。まだやるべきことは残っている。アルピーヌは速かったし、ここではいつも速い。そしてレッドブルもエンジンを本気で回せば追いついてくるだろうし、メルセデスも調子を上げてくるはずだ」

    マクラーレンは今季6戦中5勝を挙げており、前戦マイアミではピアストリがノリスを従えて1-2フィニッシュを達成しているが、ノリスは依然として警戒を怠らない構えだ。

    エミリア・ロマーニャGP F1 ランド・ノリス マクラーレン

  • ピアストリ ロレンツォ・バンディーニ・トロフィー受賞 F1王者の系譜に名を刻む

    ピアストリ ロレンツォ・バンディーニ・トロフィー受賞 F1王者の系譜に名を刻む

    マクラーレンのオスカー・ピアストリが、F1界の名だたるスターたちが受賞してきた「ロレンツォ・バンディーニ・トロフィー」の新たな受賞者となった。

    今週イタリアで行われた授賞式で、ピアストリはこの栄誉ある賞を受け、マーク・ウェバー(2006年)、ダニエル・リカルド(2014年)に続いて、同賞を受賞した3人目のオーストラリア人となった。

    式典は、F1エミリア・ロマーニャGP(5月16日~18日)の開催を控えるイモラの南、ブリジゲッラで行われた。

    ロレンツォ・バンディーニ・トロフィーは、故ロレンツォ・バンディーニを称えて1992年に創設されたもので、単なる成績だけではなく、「いかにして成功を収めたか」という姿勢や背景も評価対象となる点が特徴だ。

    式典ではオーストラリア国歌が演奏され、ピアストリは次のように語った。

    「今週、もう一度オーストラリア国歌が流れるといいですね。今日は本当にありがとうございました」

    「このような賞をいただけるのは本当に光栄です。私にとって非常に大きな出来事です」

    「ピアストリ家のルーツである地域の方々とお会いできたことも、今日の特別な経験のひとつでした。この週末のレースがとても楽しみです」

    オスカー・ピアストリ F1 マクラーレン

    過去の受賞者には、マックス・フェルスタッペン(2016年)、ニコ・ロズベルグ(2011年)、ルイス・ハミルトン(2010年)、セバスチャン・ベッテル(2009年)、フェルナンド・アロンソ(2005年)、キミ・ライコネン(2004年)、ミハエル・シューマッハ(2003年)、ジェンソン・バトン(2001年)、ジャック・ヴィルヌーヴ(1996年)といった歴代F1ワールドチャンピオンたちが名を連ねている。

    なお、ピアストリがイモラでF1を走るのは今回が2度目となる。2023年大会は大雨の影響で中止となったため、同地でのレースは今回が実質的な初走行となる。

  • マクラーレンF1 タイヤ冷却疑惑でFIAが「規則違反なし」と正式判断

    マクラーレンF1 タイヤ冷却疑惑でFIAが「規則違反なし」と正式判断

    マクラーレンは、F1マイアミGPでのタイヤ冷却に関する疑惑についてFIAの調査を受けたが、技術規則に準拠していたことが確認された。ドライバーのオスカー・ピアストリも、こうした噂を一蹴し、「まったく気にしていなかった」と語っている。

    この一件は、ピアストリがマイアミ・オートドローム・インターナショナル・サーキットで優勝を果たした直後に浮上した。

    レース週末中、マクラーレンのチーム代表ザク・ブラウンが「Tire Water(タイヤ水)」と書かれたボトルから飲む様子が中継に映し出され、これに対してレッドブルF1のクリスチャン・ホーナーがレッドブルのドリンクを差し出すなど、軽妙なやり取りも話題となった。

    FIAが正式に問題なしと報告
    FIAはエミリア・ロマーニャGPを前に、技術代表による報告書を公開。その中で、マイアミGP後に上位10台の中からランダムに選ばれたピアストリのマシン(カーナンバー81号車)について、物理的な検査を実施したことを明かしている。

    報告書には次のように記されている。

    「マイアミのレース後、上位10台の中からランダムに選ばれた81号車に対し、詳細な物理的検査を実施した。調査対象となったのは4輪すべてのホイールおよびボディワーク構成であり、技術規則第3.13条および第11.5条への準拠を確認した」

    「検査されたすべての構成部品は、2025年F1技術規則に準拠していると確認された」

    ピアストリ「全く心配していなかった」
    エミリア・ロマーニャGPを控えたFIA主催のドライバー記者会見で、選手権リーダーであるオスカー・ピアストリは、この疑惑について質問を受けた。

    「正直に言うと、何も読んでいない。なぜなら、まったく気にしていなかったからだ」とピアストリは淡々と語った。

    さらに、疑惑に対してユーモアを交えてこう付け加えた。

    「次は小さなフィギュアでもウォータースライダーに乗せてみるかもね」

    「まあ、何か面白いことを考えてみる」

    「いずれにしても、検査はすべてクリアしていたし、心配はしていなかった。レースに集中するだけだ」

  • ランド・ノリス マクラーレンF1の進化型MCL39に困惑「予想以上に扱いづらい」

    ランド・ノリス マクラーレンF1の進化型MCL39に困惑「予想以上に扱いづらい」

    ランド・ノリスは、マクラーレンの今季型F1マシンMCL39が昨年のMCL38よりも「扱いづらい」と感じていることについて、十分な準備ができていなかったと認めた。

    2024年シーズン、マクラーレンはMCL38を駆ってコンストラクターズチャンピオンを獲得。チームとして大きな成功を収めたことで、2025年シーズンにはさらなる期待が寄せられていた。

    実際、マクラーレンF1(通称「パパイヤ軍団」)はその期待に応える形でシーズン序盤から快走。MCL39は選手権争いをリードしており、オスカー・ピアストリとランド・ノリスの両ドライバーがランキング上位を占めている。

    しかしグランプリ5勝を誇るノリスにとって、今季は順調とは言い難い。開幕戦メルボルンではピアストリを上回ったものの、それ以降はオーストラリア人チームメイトに後れを取っており、現在ピアストリに16ポイント差をつけられている。

    ノリスはその理由として、新車MCL39に対する“フィーリング”の難しさを挙げた。自身、このような苦戦を強いられるとは思っていなかったという。

    「新車の方が扱いにくいなんて、全く思っていなかった」と、25歳のノリスはRacingNews365を含むメディアに語った。

    「もちろんシミュレーターなどはあったし、いくつかの情報もあった。でも、そこまで気になるような兆候は見られなかった。だから答えとしては『ノー』だね」

    ランド・ノリス マクラーレン F1

    「十分な兆候はなかった」
    ノリスは、MCL39は性能面で確実に進化していると認めつつも、マシンの真の挙動は実際にサーキットで走ってみなければ分からないと強調した。そのため今季に向けた準備が不十分になり、多忙なF1カレンダーのなかで試行錯誤が続いている。

    「僕たちは確かにステップアップになるとは思っていたし、速くなることも分かっていた。でも実際にサーキットに持ち込んで、いろいろなコースで走ってみないと、本当のところは分からない」

    「コースによってはフィーリングが良く感じられる場所もあったし、マシンに好印象を持てた部分もある。でも、それだけでは十分に備えるには足りなかった。今思えば、もっと準備すべきだったのかもしれない」

  • F1は「静けさの中で勝て」 ピアストリの台頭とノリスの脆さにプロストが言及

    F1は「静けさの中で勝て」 ピアストリの台頭とノリスの脆さにプロストが言及

    2025年のF1選手権でオスカー・ピアストリが首位に立ち、注目が集まるのはサーキット上だけではない。舞台裏でもプレッシャーは高まっている。

    その緊張感を誰よりも理解しているのが、4度のワールドチャンピオン、アラン・プロストだ。冷静沈着なアプローチで「教授(The Professor)」の異名をとったこのF1界のレジェンドが、ピアストリとマクラーレンのチームメイト、ランド・ノリスに対し鋭いアドバイスを送った。

    シーズン6戦を終えた段階で、ピアストリは4勝を挙げ、ノリスに16ポイント差をつけてランキング首位に浮上。序盤のタイトル本命と目されたノリスの構図は、完全に覆された。

    ピアストリの“静かな強さ”
    プロストは、ピアストリの控えめな性格に自らを重ね、その冷静で無駄のないレース運びを高く評価している。

    「新たな選手権リーダーとなったオスカー・ピアストリは、多くを語らない」とプロストはフランス『L’Équipe』紙に語った。「彼の私生活についてはほとんど知られていない」

    「彼は生来控えめで、レースとレースの間では姿を消すことでプレッシャーから解放されている」

    ピアストリは、言葉よりも走りで自身を語るタイプだ。プロストはその姿勢を「評価すべき」とし、さらに「そのまま貫け」と助言している。

    「彼にひとつアドバイスを送るとすれば、『静かにしていろ』だ。モータースポーツはもちろんサーキット上で行われるものだが、同時に“心”の中でも行われている。心理戦は非常に重要な要素なんだ」

    「私の時代でもそうだったが、いまではSNSの影響でその重要性はさらに高まっている。今の時代は、すべてが見られ、すべてが体験され、すべてが知られる。多くのドライバーが、何でも共有しようとする傾向に流されてしまっている」

    「だが、そうすることでかえって自らにプレッシャーをかけてしまう。私はむしろ、控えめな姿勢を選ぶ方が賢明だと考えている」

    オスカー・ピアストリ と ランド・ノリス マクラーレン F1

    ノリスには「さらけ出しすぎ」のリスク
    一方でプロストは、ランド・ノリスの“見せすぎる”スタイルに警鐘を鳴らした。

    「ノリスは常にSNSに登場している。クラブにいる姿まで見せている」とプロストは厳しく指摘。「さらに、彼は自分の弱さをレース中に認めてしまう」

    「自分を見せれば見せるほど、脆さが露呈してしまうものだ」

    ここ数週間、ノリスはピアストリにパフォーマンスで遅れを取りつつあることで、精神的に不安定になっているとの指摘が強まっている。元F1王者アラン・ジョーンズも、「あれは弱さの表れだ」と発言しており、プロストの見解もこれに近い。

    「私はランドを非常に高く評価しているが、彼にひとつアドバイスをするとすれば、『黙っていた方がいい。自らを弱く見せるべきではない』ということだ」

    「その影響は非常に大きい。ドライバー仲間に限らず、チーム全体――特にメカニックやエンジニアたちに与える印象にも影響する。それは思っている以上に重要なことだ」

    アラン・プロスト F1

    “教授”が授ける成功の処方箋
    2025年のF1タイトルを争うピアストリとノリス。その戦いの行方は、純粋な速さだけでなく、メンタルの戦いにも左右される。

    控えめなピアストリの姿勢は、プロストが重視する“静かなる強さ”の体現者だ。一方で、才能とカリスマ性に溢れるノリスには、ありのままの自分をどこまで見せるかという難題が突きつけられている。

    F1という世界で、心理戦が勝敗を分けることも少なくない。プロストのアドバイス――「黙っていろ、強くあれ」――は、マクラーレンの2人にとって、己を乗り越え、タイトルを手にするための鍵となるかもしれない。

  • ランド・ノリスはF1王者になれない?シューマッハ「オーバーテイクすら甘い」

    ランド・ノリスはF1王者になれない?シューマッハ「オーバーテイクすら甘い」

    ランド・ノリスは、レースクラフトを早急に改善しなければ2025年のF1ワールドチャンピオンを逃すことになるかもしれないと、元F1ドライバーのラルフ・シューマッハが警鐘を鳴らしている。

    マイアミGPでは、ポールポジションからスタートしたマックス・フェルスタッペンに対して、ランド・ノリスが果敢にオーバーテイクを仕掛けたが、接触寸前の攻防の末にコース外へ押し出され、順位を6位まで落とした。

    ノリスはこの一件について「押し出された」と主張し、「マックスとレースするのは『ぶつかるか、抜かないか』のどちらかだ」と不満を述べた。しかし、同じくマクラーレンのチームメイトであり、このレースの勝者となったオスカー・ピアストリは、同じ相手に対してクリーンなオーバーテイクを成功させている。

    当時、ラルフ・シューマッハはSky Deutschlandに「ノリスは何かがおかしい」と語っていた。

    そして今、シューマッハはその主張をさらに強め、ノリスはピアストリやフェルスタッペンといったタイトルコンテンダーたちに明確に「実力で劣っている」とまで言い切っている。

    「もしノリスにその能力があるなら、もうとっくにやっているはずだ」と語るシューマッハ。「言い訳なんて通用しない。ある種のドライバーたちは、完璧な感覚を持っている。フェルスタッペンはもちろん、ピアストリもそうだし、(オリバー)ベアマンも同様だ。ノリスにはそれがない。そして、それは今後も変わらない。彼にはオーバーテイクの基本が欠けているんだ」

    さらにこうも続けた。「本来それはカート時代に身につけるものだ。ノリスにもできるはずなんだよ。だが彼は、いつも前に出るのに時間がかかりすぎる。それが彼の問題だ。こんなやり方では、世界チャンピオンにはなれない」

    ランド・ノリス マクラーレン F1

    また、ノリスにはフェルスタッペンのような攻撃的な気質や、ピアストリのような冷静さといった「メンタル面での強さ」も欠けているという批判が、以前からしばしば聞かれていた。

    シューマッハは「マイアミの週末を経て、チーム内の力関係に決定的な変化があった」と感じている。

    「ピアストリは、今や自分の方が明らかに優位だと感じているだろう」とし、直近5レースのうち4勝を挙げているピアストリの勢いを強調。「スプリントではセーフティカーに運悪く足を引っ張られただけで、それがなければノリスの勝利すらなかっただろう」

    「ノリスにとっては厳しい状況だ。しかも彼は、フェルスタッペンへの批判によって、味方すら減らしている。チーム代表のアンドレア・ステラでさえ、あの件はノリスのミスだったと明言していた」

    そして今後について、シューマッハはこう予測する。「ノリスは今、自分が結果を出さなければならないと痛感している。だからこそ、リスクをより多く取ろうとするはずだ。常に“弱い方”と見なされることに、もう我慢ができなくなっているんだろう」

    「彼は“もっと強く”見せようとするだろう。でも、ピアストリのような絶妙な感覚は持っていない。ピアストリはタイトなラインで走っても、しっかり守り切れる。その差がある。私は、ノリスが接近戦で判断を誤り、チームメイトとの接触に至る場面も想像できるよ」

  • マクラーレン “PCM冷却”説に技術者証言 F1ブレーキ冷却の新理論浮上

    マクラーレン “PCM冷却”説に技術者証言 F1ブレーキ冷却の新理論浮上

    マクラーレンのタイヤ寿命におけるアドバンテージに頭を悩ませるライバルチームがいる中で、ある著名なモータースポーツ技術者が興味深い理論を打ち出した。

    現行マシン「MCL39」は、レースディスタンスで特に優れたパフォーマンスを発揮している。単純な1周の速さではレッドブルのRB21と拮抗しているが、マックス・フェルスタッペンが予選で何度も示しているように、その差はレースになると顕著だ。

    例えば高温・高摩耗な特性を持つマイアミのようなサーキットでは、オスカー・ピアストリとランド・ノリスの両ドライバーが他の追随を許さず、2人揃って30秒以上の差をつけてチェッカーを受けた。

    明らかになってきたのは、マクラーレンが他チームよりもタイヤ温度を低く保ち、それによって寿命を延ばすことに成功しているという事実だ。

    気温と共に他車が苦戦を強いられる一方で、マクラーレンは安定したペースを維持できており、このアドバンテージは時間と共に拡大していく傾向にある。

    冷却とブレーキの“謎”
    マクラーレンがどうやってこの冷却効果を実現しているかはまだ明確になっていないが、レッドブルをはじめとする複数チームが、赤外線カメラを用いてマクラーレンのブレーキドラムが一貫して低温であることを突き止め、FIAにも情報提供していると報じられている。

    マイアミGP後、FIAはマクラーレンのリヤブレーキ設計に関心を持ち、レース後の通常の車検の一環として、1台を選出し詳細な技術検証を行った。

    現時点でその設計はレギュレーション上合法と見られている。FIAは週内に正式な調査結果を公表する予定だが、合法と認定された場合、詳細は非公開とされる見通しだ。

    しかし、マクラーレンのリヤブレーキには非常に巧妙な工学的工夫が施されていることは間違いなく、特にブレーキドラムとその冷却方式が注目されている。ブレーキから発生する熱はタイヤに伝導されるため、ブレーキをより冷却できれば、タイヤの温度上昇を抑えることができる。

    マクラーレン F1 ブレーキ PCM

    規制の“隙間”とPCM(相変化材料)
    ブレーキドラムの寸法や設計そのものには技術規定があるが、冷却方式、すなわち内部のエアフロー構造や冷却に使用する素材に関しては、比較的規制が緩い。

    ここで登場するのが、マクラーレン・アドバンスト・テクノロジーズと協力していた技術者マーティン・ブキャナンの理論だ。彼はアウディやフォース・インディア(後のレーシング・ポイント)でのキャリアを経て、自身のコンサルタント会社を設立。マクラーレンとの協業中に、電動フォーミュラカーの高電圧バッテリー冷却に関する研究を進め、博士論文のテーマとして「相変化材料(PCM)」を扱っていた。

    このPCMの概念は、ブレーキ内部のライニングと構造体の間に保護されたチャンネルを設け、ある一定の温度に達すると固体から液体へと相変化することで温度上昇を抑制するというものだ。つまり、ある温度に達するとそれ以上は上昇せず、温度が安定する。

    ブレーキが冷えれば液体は再び固体に戻り、パルクフェルメに戻る頃には再固化しているというわけだ。

    実現性と他チームの反応
    この理論は他チームからも一定の信憑性を持って受け止められている。パドックの情報筋によれば、「マクラーレンはこの領域で他より明確に優れている」と評価されているという。

    近年のF1では、厳格なレギュレーションのもとで単独チームが大きな技術的飛躍を遂げる例は減っていた。最後の例として挙げられるのは、メルセデスが導入したDAS(デュアル・アクス・ステアリング)システムだろう。

    PCMが真に鍵を握っているとすれば、昨シーズン終盤に浮上した「マクラーレンがタイヤ内に水を入れている」という噂も、これに起因する可能性がある。

    昨年のハンガリーGP前、マクラーレンはリアブレーキドラムの温度センサー用の開口部を練習走行後にも塞がずに使用していたことで、FIAから非公式に注意を受けていたが、当時は運用上のミスとされていた。しかし、今回の理論が正しければ、その行動も開発初期段階での試験の一環だった可能性がある。

    仮にこの技術が合法かつ効果的であると判明すれば、他チームが追随するのは時間の問題だ。

    なお、レッドブルでも類似の試みが行われているのではないかとの見方もある。フェルスタッペンが最近、マイアミを含む複数のレースで異常なブレーキ挙動に悩まされており、明確な原因は公表されていないからだ。