カテゴリー: マクラーレンF1チーム

  • マクラーレンF1代表 スペインGP1-2の快挙を称賛「2ストップはリスクもあった」

    マクラーレンF1代表 スペインGP1-2の快挙を称賛「2ストップはリスクもあった」

    マクラーレンのチーム代表アンドレア・ステラは、スペインGPで1-2フィニッシュを飾ったオスカー・ピアストリとランド・ノリスの走りを称賛するとともに、2ストップ戦略を選んだことに「一定のリスクはあった」と認めた。

    ポールポジションのピアストリはスタートで首位を堅守。一方のノリスは一時的にマックス・フェルスタッペンに2番手を奪われたものの、まもなくポジションを奪い返した。

    フェルスタッペンは3ストップ戦略を採用しており、終盤に新しいタイヤで攻めてくる可能性があったため、マクラーレン陣営には警戒感も漂っていた。

    しかし、レース終盤にセーフティカーが出動したことで状況は一変。大半のドライバーがピットインする中、フェルスタッペンのレッドブルはハードタイヤを装着し、周囲がソフトタイヤを選んだことで展開が苦しくなった。ピアストリは最終的にノリスに2.471秒差をつけ、今季5勝目を挙げた。

    ステラはレース後、見た目以上に困難な局面があったことを明かしている。

    「第2スティントでは我々がプッシュしつつペースをコントロールしていたが、彼(フェルスタッペン)の追い上げは我々の想定以上に速かった」

    「そのため途中でドライバーたちに『もっとプッシュすべきか?』と尋ねたところ、2人とも『これ以上のペースはないと思う』と返してきた。あの段階では、第1スティントの時よりも状況が開いてしまう可能性があると不安になっていた」

    「さらに当時はオスカーとランドの差が2.5秒ほどだったから、仮にフェルスタッペンに対するカバーが必要になった場合、2人の扱いが難しくなっただろう。ただ幸いにも、フェルスタッペンのペースはその後少し落ちていった」

    「そして、オスカーが第2スティントの終盤に素晴らしいペースを見せてくれたことで、ピットストップのタイミングも計画通りに進めることができた。ドライバーの判断も素晴らしかったし、タイヤエンジニアの働きも含めて、今日は全体として非常に良いレース運びだったと思う」

    マクラーレン F1ポールポジションから好スタートを切ったピアストリ。スペインGP序盤、ノリスは一時フェルスタッペンに2番手を譲った

    3ストップを採ったフェルスタッペンの速さを目の当たりにしたうえで、依然として2ストップが有利だったと考えるか問われたステラは、こう答えている。

    「私は2ストップの方が速いと思う」

    「ただし、非常に速い3ストッパーがいる場合、こちらは長いスティントでプッシュしなければならず、リスクは高くなる。タイヤの状態が予測しづらくなることもある」

    「スティントの序盤では無理にプッシュせず、タイヤを温存することに慎重だった。序盤にプッシュしすぎると終盤にデグラデーション(劣化)が激しくなるからだ」

    「実際にフェルスタッペンも、おそらく第3スティントでかなりプッシュしていたが、最終的にはペースが落ちた。結局のところ、(タイヤの)予算には限りがある。どこでそれを使うか決めなければならない。2ストップはリスクが高くて、タイヤが限界を迎えたときはとても厳しくなる。でも、それでも2ストップの方が速いと思う」

    また、レース序盤にノリスがフェルスタッペンの背後にいたことがタイヤの消耗に影響したかという問いに対して、ステラは昨年の同GPで苦しんだピアストリの進化にも言及した。

    「前を走るクルマを追いかけていると、空力効果が落ちる。だからその差をタイヤで補わなければならない。これがだいたいコンマ5秒分ぐらいに相当し、それだけタイヤに負荷がかかる。だから第1スティントではランドの方がタイヤを多く消耗していたと思う」

    「ただ全体的に見れば、今日の2人は驚くほど似たようなペースで並走していた。昨年このサーキットで非常に苦戦したオスカーが、ここまで成長してくれたことは本当に素晴らしい」

  • オスカー・ピアストリ F1スペインGP決勝「モナコからのいい立て直しになった」

    オスカー・ピアストリ F1スペインGP決勝「モナコからのいい立て直しになった」

    オスカー・ピアストリはF1スペインGPでの勝利について「誇りに思う」と語り、レース各所の局面――特に終盤のセーフティカー後の劇的なリスタートを含む展開を冷静に制し、今季5勝目を挙げた。

    ポールポジションから力強いスタートを切って序盤にリードを築いたピアストリだったが、最初のピットストップを経て一時マックス・フェルスタッペンに首位を譲る場面もあった。しかし、レッドブルが3ストップ戦略を採り、フェルスタッペンが早めに2回目のピットインを行ったことで、再びトップに立った。

    後半にはさらなる試練も待っていた。メルセデスのキミ・アントネッリがメカニカルトラブルでストップしたことでセーフティカーが導入され、残り6周でのスプリント勝負となったが、ピアストリはこのリスタートも見事に乗り切り、ランド・ノリスに2.471秒差をつけてトップチェッカー。2戦ぶりに表彰台の頂点に返り咲いた。

    「ほぼ完璧なレース運びだったと思う」とピアストリは振り返る。「スタートは素晴らしく、最初のスティントもうまくいったので、その後の展開を楽に進められた」

    「トラフィックの中で走るのはかなり難しかった。3秒、4秒後方でもう“ダーティエア”の影響が出始めるし、抜け出すのが難しい場面もあった。でも、必要なときにはペースをしっかり発揮できたし、セーフティカー後の展開もうまく対応できたと思う。自分としてはいい週末だった」

    バルセロナで再び勝利を挙げたことについては、「マックスが3ストップを試してきたのは少し意外だったし、彼にとってはかなりいい線までいっていたけど、僕たちとしては全体的に素晴らしい週末だった」と語った。

    「ペースも良かったし、必要なときにはしっかり引き出せた。週末を通してチームが取り組んできた仕事を本当に誇りに思う。FP1はあまり良くなかったけど、そこからすべてを立て直した。モナコでの結果から切り替えるには最高の形だった」

    オスカー・ピアストリ スペイングランプリ F1 マクラーレン

    セーフティカー後のリスタートについて問われ、後方で起きたフェルスタッペンとジョージ・ラッセルの衝突について見たかどうかを聞かれると、ピアストリはこう答えた。

    「ヒュルケンベルグが5位でフィニッシュしたっていうのは見たよ。それはかなりすごいね。彼には『よくやった』と言いたい」

    「リスタートはタイミング的には悪くなかったと思うけど、リアタイヤの調子はあまり良くなかったかも。6速でホイールスピンしていた気がするから、あまりクリーンな立ち上がりではなかった。でも、結果的には十分だった」

    「燃料が軽くなった状態でのグリップ感に慣れる必要があって、それはまるで予選に戻ったような感覚だった。ちょっとした調整は必要だったけど、うまく対処できたと思う」

    次戦カナダGP(6月13~15日開催)に向けての意気込みを聞かれると、ピアストリは前向きな姿勢を崩さなかった。

    「文句のつけようがないよ。本当に素晴らしいシーズンになっているし、今週末はまさに自分が求めていた形だった」

    「必要なときにすべてをしっかり実行できたし、それ以上に望むことはない。今回もチームが素晴らしいマシンを与えてくれた。レースで勝つのが本当に楽しいし、チームも同じ気持ちでいてくれたらうれしい。バルセロナのファンのみんなにも感謝してる。本当に最高の週末だった」

  • ランド・ノリス F1スペインGPの接触劇を見て「マリオカートでやったことある」

    ランド・ノリス F1スペインGPの接触劇を見て「マリオカートでやったことある」

    ランド・ノリスは、F1スペインGPの終盤に起きたマックス・フェルスタッペンとジョージ・ラッセルの接触について、「まるでマリオカートみたいだ」と冗談を飛ばした。

    マクラーレンの2人はバルセロナで1-2フィニッシュを達成し、オスカー・ピアストリがチームメイトのノリスを抑えてトップチェッカーを受けた。

    この2人は、シャルル・ルクレールやジョージ・ラッセルとの接触により苦戦したフェルスタッペンから抜け出すことに成功していた。

    フェルスタッペンは、ラッセルに押し出されたと感じて不満を募らせたが、チームからはポジションを譲るように指示が出された。

    ターン5では、いったんポジションを譲るような素振りを見せたフェルスタッペンだったが、その直後にラッセルと接触。緊張感のあるホイール・トゥ・ホイールの場面となった。

    レース後、表彰台前のクールダウンルームでは、トップ3のドライバーたちがこのインシデントのリプレイを確認していた。

    その際、ノリスは他のドライバーたちに向かって「これやったことある…マリオカートでね」と茶化したコメントを口にした。

    レース後のドライバー記者会見でも、マクラーレンの2人はフェルスタッペンとラッセルの一件について、控えめなコメントにとどめたが、ノリスは冗談めかしてピアストリに話を振った。

    「オスカーが面白い意見を持ってるって聞いたから、彼に全部任せるよ」とノリスはメディアに語った。

    スペイングランプリ

    ピアストリは、まだ状況を完全には把握していないと認めた。

    「チームメイトと一緒にいるのは楽しいよ。でも正直言って、あの場面の前後関係はまだちゃんとわかってないんだ」とピアストリは答えた。

    「ちょっと変な感じだったね。マックスがポジションを譲ってるのかと思った」

    続けてピアストリは、依然としてその場面の理解に苦しんでいることを明かした。

    「何が起きたのか、本当によくわからない。誤解があったのか、それともブレーキを踏まなかったのか…」

    「よくわからないけど、あれは小さな接触ではなかったよね。あまり詳しくは言えないけど、見た感じではあまり良いものではなかった」

    するとノリスは、さらに茶目っ気を出してチームメイトを軽くイジった。

    「彼がさっき言ってたこととはちょっと違うけどね」とノリスは付け加えた。

    「まあ、何があったのか自分にはまだよくわからない。マックスが何を言ったのかも、ジョージがどう言ってるのかも聞いてないから、いまの段階でコメントすることではないと思う」

  • オスカー・ピアストリ F1スペインGP予選「12か月前とは真逆の結果に満足」

    オスカー・ピアストリ F1スペインGP予選「12か月前とは真逆の結果に満足」

    マクラーレンのオスカー・ピアストリが2025年F1スペインGP予選で圧巻のパフォーマンスを披露し、チームメイトのランド・ノリスを0.209秒引き離してポールポジションを獲得。今季4度目となるポールは、今シーズンの予選における最大タイム差での首位通過となった。

    1年前の同地では苦戦を強いられたピアストリだが、今回は週末を通じて着実に仕上がりを高め、最終Q3のラストアタックで逆転に成功。マクラーレンとしても1-2体制での決勝スタートとなり、戦略面で大きな優位を築いた。

    予選直後のインタビューで、ピアストリは次のように振り返った。

    「とても満足している。週末のスタートはあまり良くなかったけど、昨晩から速さを見つけることができた。今日はマシンの仕上がりも抜群で、自分自身もいいラップが出せたと思う。チームの努力に感謝したい。ちょうど1年前のこの場面はかなり悲惨だったけど、それを最高の形で覆せたのは素晴らしい結果だ」

    Q3最後のアタックで逆転したことについては、「ターン1でかなりタイムを稼げたのが大きかった。今日一日苦戦していたいくつかの箇所も改善できたし、全体的に最初の半分でタイムを稼げた。後半は何とか持ちこたえた感じだ。完璧なラップとは言えないけど、このコースではタイヤの劣化が激しいから完璧を目指すのは難しい。全体としてとても満足している」と語った。

    日曜の決勝を見据えては、「明日は戦略的な展開になると思う。ポールからスタートできるのはありがたいし、ターン1までが長いから、いいスタートを切ることが大事になる。今日の成果に誇りを持っているし、チームに心から感謝したい」と述べた。

    オスカー・ピアストリ スペインGP F1 マクラーレン

    記者会見でも、好調な予選を振り返りながら、「セクター1とセクター2の途中まではすごく良かったけど、後半は少しタイムを失った。それでも全体としては十分なタイムだったし、昨日までと比べてラップごとの安定感もあった。今日のマシンは本当に良かった」とコメント。

    タイヤマネジメントの難しさについては、「特に第3セクターのコーナーは遅くて長いから、前半でタイヤを使いすぎると後半がかなり厳しくなる。今回も多少は代償を払ったと思うけど、やり直せるなら少し調整したい気もする。でも結果としてポールを取れたので、今は気にしていない」とした。

    今週末から施行されたテクニカル・ディレクティブの影響について聞かれると、「何も影響はなかった。いつものようにいくつか微調整が必要だっただけで、特別な問題はなかった」と一蹴した。

    最後に、日曜の勝利に必要な鍵を問われると、「フィニッシュラインを最初に通過すること、だね」と冗談交じりに答えつつも、「いいスタートを切って主導権を握るのが理想。でも昨日のロングランは誰にとっても厳しかったし、今年の他のレースとは違う展開になるはず。タイヤマネジメントやピット戦略が重要で、簡単なレースにはならないと思う」と締めくくった。

  • ランド・ノリス F1スペインGP予選「自分のミスでポールを逃した」

    ランド・ノリス F1スペインGP予選「自分のミスでポールを逃した」

    ランド・ノリスは、F1スペインGPの予選で僅差の戦いとなったチームメイトのオスカー・ピアストリに敗れた原因は、自身の「少し雑なラップ」にあったと語った。

    予選最初のアタックではノリスがピアストリに対して0.017秒の僅差でリードしていたが、最終アタックで形勢は逆転。チャンピオンシップリーダーのピアストリは最終ラップでさらに0.3秒タイムを伸ばした一方で、ノリスは思うように更新できず、最終的に0.2秒遅れの2番手に終わった。

    予選後、ノリスは「ポールを狙えるだけの速さはあった」と強調しつつ、「ラップの序盤に犯したいくつかの小さなミス」が全体のパフォーマンスを損ねたと振り返った。

    「ほんの小さな、小さなミスだった」とノリスは述べた。

    「ターン1、あそこは絶対にミスしたくないコーナーなんだけど、ちょっとミスしてしまってね。タイヤの状態にも影響するから、その後のラップ全体が難しくなる」

    「それからターン4の立ち上がりも。全体として完璧なラップではなかったし、クリーンなラップでもなかった。でも、それでもタイムは伸びたから驚いたよ」

    「つまり、速さは間違いなくあったけど、ミスが少し多すぎた」

    ランド・ノリス マクラーレン F1 スペインGP

    ノリス、予選での失速を自己分析「攻めすぎた」
    ノリスは、そうしたミスの原因について「少しやりすぎた」とも認めたが、2番手グリッドは「最悪の結果ではない」と前向きに捉えている。

    「今日はクルマのスピードが間違いなくあった。でも、時にはそれを活かしきれないこともある」と語る。

    「今日はうまく流れに乗れたと思う。予選の序盤はピットレーンで少し遅れたけど、そこからうまく取り戻せた」

    「最終ラップでどこでタイムを失ったかは分かっている。少しやりすぎたんだ。ラップ全体が少し雑になってしまった」

    「特にバルセロナのようなサーキットでは、ターン1やターン2で一度でもオーバーステアが出ると、残りのラップは難しくなる」

    「でも全体的には良かったし、自分の走りにも満足している。2番手で終われて嬉しいよ。特にここバルセロナではね。最悪というわけじゃない。ポジティブな週末になっている」

    今週末のバルセロナは気温も路面温度も高く、理論上はマクラーレンにとって有利な条件とされている。ただし、その一方でタイヤの摩耗も激しく、戦略的な課題も浮上している。

    「これまでどんなコンディションでも好調だった」とノリスは言う。

    「確かに今日はかなり暑くて、誰にとっても厳しかったと思う」

    「予選でさえ1周だけタイヤをうまくマネージメントするのが大変だったから、レースではもっと難しくなるはず」

    「でも、クルマは週末を通してずっと良い状態だった。それは今日のパフォーマンスが示している。日曜に向けて安心できる材料だ」

  • F1スペインGP:フロントウイング規制もマクラーレンの速さ揺るがず

    F1スペインGP:フロントウイング規制もマクラーレンの速さ揺るがず

    FIA(国際自動車連盟)によるフロントウイングの柔軟性に関する新たな厳格テストが、圧倒的な強さを見せるマクラーレンに即時の打撃を与えると期待していた向きは、バルセロナでの金曜走行で肩透かしを食らうことになった。

    「マクラーレンのスピードが明らかに落ちていたね」と語ったのはメルセデスのジョージ・ラッセル。皮肉たっぷりの口調だった。

    「だから、まあ…いいニュースだね」

    今週末のスペインGPを前に、「エアロエラスティシティ(空力的な弾性)」の問題はF1界隈で最大の話題となっており、金曜朝のメディアセンターからピットレーンを見渡すと、各TVメディアの解説者たちが前ウイングを指し示しながら熱心に説明する姿があちこちに見られた。

    ここ数か月間、前後ウイングのしなりによって空力的な利益を得ていることが大きな議論の的となってきた。FIAはこの問題に対応するため、車速の出ている状態でウイングの挙動を監視する高解像度カメラを導入し、許容範囲をさらに厳しく制限するなど、段階的に規制を強化してきた。

    その一連の対応が「段階的すぎる」と不満を抱く上位チームもあり、なかでもレッドブルはマクラーレンが素材特性を利用して空力性能を高めているとして最も声高に批判していた。スペインGPでの新テスト導入は「遅すぎる」とする意見もあったが、一方で「開幕直後に既存設計を無駄にすることは経済的に現実的ではなかった」とする説明には一定の理解もあった。

    とはいえ、新テストによって勢力図が即座に塗り替えられることを期待していた人々にとっては、金曜の結果は明らかに落胆を誘うものだった。マクラーレンは2回のプラクティスで両方ともトップを獲得。パドック全体には「何も変わっていない」もしくは「さらなるデータが必要」といった反応が広がった。

    フェルナンド・アロンソは「クルマの感触は同じだと思う」と語った。

    「競争力もここ最近のレースと同じような感じで、特に大きな変化はないと思う」

    エステバン・オコンも「その点では非常に似たようなものだった。大きな変化はなかったと思う。いつも通りという感じだ」と述べた。

    マックス・フェルスタッペンも、新指令の影響について尋ねられた際に「順位表を見ても、それほど大きな変化はないと思う」とコメント。

    「でも、それも正直なところ想定内だった」

    マクラーレン フロントウイング スペイングランプリ

    この先、どうなるのか?
    フェルスタッペンは今シーズン初めから、マクラーレンとレッドブルの差は、マクラーレンのウイングの柔軟性ではなく、RB21の扱いづらさにあると明言してきた。マクラーレンが「魔法の解決策」を見つけたというストーリーを繰り返してきたのは、むしろレッドブルの首脳陣側だ。

    実際には、各チームが仮に「エアロエラスティシティ」を活用していたとしても、その効果は極めて微細なものにとどまる。テレビで見るとウイングがしなっているように見える映像も確かに派手だが、複合素材でできたパーツが完全に硬くならないのは当然で、多少のたわみは避けられない。問題はそのたわみの「程度」と、それをどれほどパフォーマンスに結びつけているかという点だ。

    ほんのわずかな変位が問題なのだ。

    例えばフロントウイングで直線スピードが向上するように平面がしなる場合でも、それは副次的な効果であり、各チームが主に狙っているのは「マシンバランスの改善」だ。現代のグラウンドエフェクトカーは、特定のコーナーでアンダーステアから急にオーバーステアに転じる傾向があり、ウイングのたわみによる空力バランスの調整は、その挙動を和らげる手段のひとつとされている。

    今回の剛性規制が即座に明確な変化をもたらさないのは当然で、しかも今季マシンはこのバルセロナ・サーキットでまだ一度も走っていないため、チーム側も以前のデータと比較する術を持たない。さらに、今季の傾向として、サーキットの特性によって優位性を持つチームが入れ替わることが多く、バルセロナはマクラーレンではなく、むしろレッドブル向きの「洋ナシ型(pears)」サーキットだと、アンドレア・ステラ代表が表現することもある。

    よって、金曜の1日だけをもってして新たなフロントウイング規制の効果を断言することは不可能だ。特に今回、複数のチームが規制への対応だけでなく純粋な性能向上を狙って新型ウイングを導入しており、その影響も混在している。

    「現時点では効果について判断するのは時期尚早だ」と語るのはフェラーリのチーム代表フレデリック・バスール。

    「でも最終的には、チーム間のラップタイムに大きな差が出るようなものではない」

  • ランド・ノリス F1スペインGP初日「ベースラインは良好 小さな進化を目指す」

    ランド・ノリス F1スペインGP初日「ベースラインは良好 小さな進化を目指す」

    マクラーレンのランド・ノリスは、F1スペインGP初日の金曜2回目のプラクティスで4番手タイムを記録。マックス・フェルスタッペン(レッドブルF1)と同タイムながら、計測タイミングの差で順位は4番手となった。

    初回のプラクティス(FP1)ではトップタイムをマークしていたノリス。モナコGPでの勝利に続き、バルセロナでもマクラーレンの好調を印象づけたが、午後のFP2ではチームメイトのオスカー・ピアストリに及ばず、さらなる改善を目指す姿勢を見せている。

    「金曜日としては悪くない1日だった」とノリスはコメント。

    「FP1のほうが感触は良かったけど、FP2ではいくつかのセットアップを試していたし、明日に向けてまだ改善できるところはある」

    ランド・ノリス マクラーレン F1 スペイングランプリフェルスタッペンと同タイムで4番手 「まだ改善の余地あり」とノリス

    また、今季のマクラーレンについて、「いつもベースラインがすでにいい状態で始まる」と語り、そこからの微調整が課題だと明かした。

    「僕らは初期状態でいいクルマを持ってこれるけど、そこからさらに伸ばすのが難しい。でもそれは悪いことじゃない。いろんな方向を試せる余裕があるということだから」

    ノリスはピアストリにやや後れを取ったものの、週末全体に向けては自信をのぞかせている。土曜の予選では、両ドライバーが再び上位を争う展開が期待される。

  • オスカー・ピアストリ F1スペインGP初日トップも「予選は接戦になる」

    オスカー・ピアストリ F1スペインGP初日トップも「予選は接戦になる」

    オスカー・ピアストリは、2025年F1スペインGPの金曜プラクティス2回目で全体トップタイムを記録した。マクラーレンのチームメイトであるランド・ノリスがFP1で首位に立ったのに続き、マクラーレン勢が初日を制した形だ。

    FP2でのピアストリのベストタイムは1分12秒760。2番手につけたジョージ・ラッセル(メルセデス)に対してコンマ286秒差をつけたほか、3番手のマックス・フェルスタッペン(レッドブルF1)と4番手のノリスはいずれも同タイムで、ピアストリとの差はコンマ310秒だった。

    フェラーリ勢ではシャルル・ルクレールが最上位の5番手となり、ピアストリから0.5秒差だった。

    ピアストリはセッション後、「今日は少しアップダウンがあったけど、最終的に良い形で終えられてよかった」と振り返った。

    「ライバルたちも速さを見せている。マックスは一日を通して好調だったし、フェラーリもそこにいた。メルセデスも最後に現れたし、明日の予選は本当に接戦になると思う」

    オスカー・ピアストリ マクラーレン F1 スペイングランプリマクラーレンが好調を維持 ピアストリは金曜2回目のプラクティス最速

    ピアストリは予選と決勝に向けた改善の余地を残しつつも、金曜日の内容に一定の手応えを感じているようだ。

    「クルマに関しては、まだ改善の余地がある。今日はいろいろ試したし、良いことも悪いこともあったけど、学びのある一日だった」とピアストリは語った。

  • マクラーレンF1 新技術指令に対応する改良型フロントウイングを導入

    マクラーレンF1 新技術指令に対応する改良型フロントウイングを導入

    マクラーレンF1は、スペインGPから施行される新たな「フレキシブルウイング規制」が自身に不利になるとの見方を一蹴している。すでにチームはエミリア・ロマーニャGP(イモラ)で、より剛性の高い改良型フロントウイングを実戦投入し、良好な結果を得ていたことが明らかになった。

    FIA(国際自動車連盟)は、今季開幕前からリアウイングの柔軟性に関する制限を強化し、中国GPと日本GPでもさらに厳格化してきた。スペインGPからはフロントウイングにも新たな負荷試験が導入される。

    FIAの技術規定では、車体両側に対して100kgの荷重をかけた際、フロントウイングの垂直方向のたわみは最大15mmまでとされていた。今回の新指令ではこれが10mmに縮小され、片側のみへの荷重時は20mmから15mmに変更された。さらに、フラップ部分のたわみ許容値も、6kgの荷重に対して5mmから3mmに厳しくなった。

    これにより、低速コーナーでフロントのグリップを高め、高速域では空力的に抵抗を抑える効果が得られていたとされる「フレキシブルウイング」の恩恵が制限される。特にマクラーレンがこの領域で最も進んでいたという見方が強く、ライバルチームや関係者からは、今回の技術指令によって同チームの勢いが削がれるとの予測も出ていた。

    だがマクラーレンは、これらの憶測に対し一貫して懐疑的な姿勢をとっている。ランド・ノリスはすでにイモラのFP1でこの“バルセロナ仕様”のフロントウイングを試しており、得られたデータは、新指令によるパフォーマンス低下の懸念を否定する内容だったという。

    チーム代表のアンドレア・ステラはスペインGPを前に次のように語っている。

    「バルセロナでは、我々の競争力がイモラや鈴鹿のようにやや拮抗したものになると予想している。モナコでも少し触れたように、このサーキット特性は他チームに向いており、接戦になるかもしれない」

    「ただし、今週末から導入されるフロントウイングの新技術指令が、戦力図を変えるという考え方は誤解だ。実際には、イモラでランドがこの新ウイングを装着して走行しており、その際のパフォーマンスへの影響は極めて小さく、我々のシミュレーション結果とも一致していた」

    「したがって、今週末の勢力図が接近する理由を“新技術指令でMCL39のパフォーマンスが落ちた”とするのは、あまりに単純化された分析だ」

    マクラーレン F1 スペイングランプリ

    なお、今回の変更はカーボンコンポジットの補強といった構造的な強化であり、エアロダイナミクス形状に変更がないため、FIAに提出されるアップグレード申告書には含まれていない。

    マクラーレンがバルセロナでのパフォーマンスにやや慎重な理由は、同サーキットの高ダウンフォース要求が、イモラやジェッダでフェルスタッペンのレッドブルが強さを見せた条件に近いためだ。

    ステラは以前から、「イモラやモナコのような低速寄りのサーキットと、バーレーンやマイアミのような全く異なる特性のコースを単純比較するのは間違いだ」と警鐘を鳴らしており、今回のバルセロナGPでも一筋縄ではいかないと見ている。

    とはいえ、マクラーレンの躍進は「一発のマジックバレット(切り札)」ではなく、いくつものエンジニアリング的改善とタイヤマネジメントの積み重ねによるものであり、2025年の勢力図が突如として大きく崩れると期待するのは非現実的かもしれない。

  • ランド・ノリス 「マックス・フェルスタッペンをF1王座争いから外すのは愚か」

    ランド・ノリス 「マックス・フェルスタッペンをF1王座争いから外すのは愚か」

    ランド・ノリスは、2025年シーズンでマクラーレンが現在のような圧倒的な強さを見せているにもかかわらず、「マックス・フェルスタッペンをタイトル争いから外すのは“愚か”だ」と語った。

    ドライバーズ選手権ではオスカー・ピアストリがチームメイトのノリスに3ポイント差で首位に立ち、コンストラクターズではマクラーレンが2位チームの2倍以上のポイントを獲得している。

    しかし、2025年のドライバーズタイトル争いはマクラーレン勢の一騎打ちではないとノリスは考えている。

    「数学的に言えば、現時点ではグリッド全体にタイトルを獲れる可能性があると思う」とノリスは今週末のF1スペインGPを前に語った。

    「だから、僕とオスカーだけの争いだと思ってるなら、それはちょっと愚かだと思う。まだチャンスはたくさんあるよ」

    「マックス(・フェルスタッペン)にもチャンスはある。フェラーリだって、シーズンが進むにつれて良くなってくると思う」

    ノリスはこれまでに2勝、ピアストリは4勝を挙げている。フェルスタッペンも2勝しており、現在は選手権首位のピアストリから25ポイント差の3位につけている。

    ただ、レッドブルF1は2025年のマシン「RB21」の扱いに苦戦しており、フェルスタッペン自身もチームの苦境を隠していない。日本とイモラで勝利を収めた一方で、バーレーンとモナコでは厳しい結果に終わり、マシンの不安定さが露呈している。

    ランド・ノリス F1 マックス・フェルスタッペン

    しかし、そうしたレッドブルF1の「揺らぎ」も、ノリスにとってフェルスタッペンをタイトル争いから除外する理由にはならない。

    「毎週マックスと戦ってるんだ」とノリスは続けた。

    「彼は何度も表彰台に上がってるし、レースでも勝ってる。例えばイモラでは僕たちより速くて、完全に実力で勝った。だから、なぜ僕とオスカーだけの争いだと思うのか、正直わからない」

    ピアストリとの戦いと同時にフェルスタッペンの脅威も意識しているノリスだが、選手権争いがレース週末ごとのアプローチに影響を与えることはないと話す。

    現在ランキング上位にいることよりも、あくまで目の前の勝利に集中しているという。

    「選手権のトップに立って、他の全員より多くポイントを持っているのは素晴らしい気分だよ。でも、それで僕がやることが変わるわけじゃない。日々の取り組みが変わることもないし、何を目指しているかも変わらない」

    「スペインでも勝つつもりだし、モントリオールでも勝つつもりだし、オーストリアでも勝つつもり。それは僕が今どの順位にいるかとは関係ないんだ」