カテゴリー: マクラーレンF1チーム

  • マクラーレンF1 ヒュルケンベルグを名指し批判「アマチュアのような走り」

    マクラーレンF1 ヒュルケンベルグを名指し批判「アマチュアのような走り」

    マクラーレンは、F1アメリカGPスプリントのオープニングラップで両ドライバーがリタイアに追い込まれた件について、激しい怒りを表明した。チームCEOのザック・ブラウンは、ターン1での混乱を「アマチュアのようなドライビング」と痛烈に非難している。

    レース序盤、ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)を発端とする連鎖的な接触により、ランド・ノリスとオスカー・ピアストリの両マクラーレンが巻き込まれた。2台とも深刻なサスペンション破損を負い、1周も走り切れぬままスプリントを終える結果となった。

    「ひどかった。うちのドライバーたちは誰も悪くない。あれは完全にアマチュアのようなドライビングだ」とブラウンはSky Sports F1に語った。

    「明らかにニコがオスカーに突っ込み、彼がいるべき場所じゃなかった。左リアにぶつかったんだ」

    アンドレア・ステラ代表「経験豊富なドライバーこそ慎重さが必要」

    チーム代表のアンドレア・ステラもまた怒りを隠さず、ヒュルケンベルグを名指しで批判した。

    「今日はレースをするチャンスさえなかった。多くの経験を持つドライバーが、もう少し慎重さを持って走るべきだったと思う」とステラはコメントした。

    「悪意のある行為とは言わないが、少しの慎重さがあれば皆が得をしたはずだ。特にあのポジションにいたドライバーにとってはね」

    マクラーレン F1 アメリカGP スプリント

    ノリスとピアストリも困惑「ただぶつけられただけ」

    フロントロウからスタートしたランド・ノリスは、接触の瞬間について「全く分からない。ただぶつけられた。僕にできることは何もなかった」と語った。

    一方のオスカー・ピアストリも、好スタートを切りながらサスペンション破損でリタイア。「テレビ映像ではまだ見ていないけれど、ターン1でかなり深く入ってカットバックしようとした瞬間に後ろから当てられた」と失望を口にした。

    スプリントでのダブルリタイアにより、マクラーレン勢はドライバーズ選手権で大きな痛手を負った。優勝したマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)は、首位ピアストリとの差を55ポイント、ノリスとの差を33ポイントに縮めている。

  • ランド・ノリス F1アメリカGPスプリント予選「レッドブルとの差は驚きではない」

    ランド・ノリス F1アメリカGPスプリント予選「レッドブルとの差は驚きではない」

    マクラーレンのランド・ノリスは、F1アメリカGPスプリント予選でマックス・フェルスタッペンにポールポジションを奪われたことについて「驚きではない」と語った。

    ノリスはSQ1とSQ2をトップで通過したが、最終ラップでレッドブルのフェルスタッペンに0.071秒差で逆転され、2番手となった。それでもチームメイトでありタイトル争いのライバルであるオスカー・ピアストリを上回り、スプリント決勝をフロントローからスタートする。

    「もちろんポールを取りたかったけど、最近はレッドブルのほうが少し速いから驚きではない。それでもかなり満足している」とノリスは語った。

    「どれくらい差があったのか正確にはわからないけど、細かい部分で改善できるところはいくつかあったと思う。少しバンプに引っかかってミスしたところもあったし、このサーキットはそういう難しさがある。それ以外はすべて順調だった」

    スプリント決勝に向けた手応え

    ノリスは、マクラーレンの強みは依然としてレースペースにあると強調した。

    「通常、僕たちはレースペースのほうがいい。予選ではずっと苦しんできたし、特にこうして接戦のときは難しい。だから驚きではないけど、スプリントではまた前に出られると期待している」

    ピアストリは「スクラッフィーなラップ」

    ピアストリは3番手を獲得したものの、フェルスタッペンからは約0.4秒、ノリスからも0.3秒離された。

    「正直、かなりスクラッフィー(荒れた)なラップだった」とピアストリは認めた。「すべてをまとめきれなかったから、3番手でいられたのは運が良かったと思う」

    「でもマシンのペースは良いし、大きな問題はない。今日は少し雑なラップになっただけで、明日はうまくまとめたい。スタートで良い発進ができれば、1コーナーで正しいポジションに入れるようにしたい」

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン) F1 アメリカGP

    チーム代表ステラ「レッドブルはすべてのサーキットで勝てる」

    マクラーレンF1チーム代表のアンドレア・ステラは、フェルスタッペンの速さについて「レッドブルが再びどんなサーキットでも勝負できるようになったことを証明した」と語った。

    「彼らがマシンを確実に改善したことを示している。いまやあらゆるタイプのサーキットで勝利とポールを狙える状態だ」とステラはSky Sports F1に語った。

    「もちろん我々はポールを狙っていたから満足ではないが、明日のスプリントに向けて良い基盤ができた。微調整でさらにパフォーマンスを引き出せると思う。通常、我々のマシンはタイヤデグラデーションがある状況で強いので、その点でも明日のスプリントが楽しみだ」

    分析:マクラーレンは“予選での詰め”が課題

    フェルスタッペンに対して0.071秒差のノリス、そして0.4秒差のピアストリという結果は、マクラーレンのスプリント1周ペースの限界を示すものだった。両者ともFP1では好調だったが、最終セクターのグリップ確保とブレーキ安定性に苦戦。レッドブルRB21の改良による高速コーナーでの一貫性が、わずかに差を生んだ形だ。

    ただし、ノリスが述べたようにマクラーレンはロングランで優位に立つ傾向があり、タイヤ摩耗が鍵となるスプリント決勝では巻き返しの可能性がある。特に序盤のターン1攻防で、フロントローからスタートするノリスがどこまでフェルスタッペンに食い下がれるかが注目だ。

  • マクラーレンF1 同士討ちを内部調査でノリスに責任「処分はシーズン末まで」

    マクラーレンF1 同士討ちを内部調査でノリスに責任「処分はシーズン末まで」

    マクラーレンのランド・ノリスは、シンガポールGPでチームメイトのオスカー・ピアストリと接触した件について、チーム内での“処分(repercussions)”がシーズン終盤まで続くことを明かした。

    ノリスはシンガポールGPのオープニングラップで、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)のリアに軽く接触した直後、ターン3でピアストリのマシンにサイドから当たりながらオーバーテイクを敢行。

    結果的に前に出たが、この一件をピアストリは「フェアじゃない」と不満を示した。マクラーレンはレース中にチーム内での処分を下さなかったが、後の内部調査でノリスが責任を負う形となった。

    マクラーレンはこのレースでコンストラクターズタイトルを決めたものの、チーム内の緊張が漂う形で週末を終えた。

    内部調査でノリスに責任、チームは「再発防止」へ
    「事後にすべてが精査された結果、僕には今シーズンの終わりまで影響する“処分”がある」とノリスはスカイスポーツF1に語った。

    「何もなかったわけじゃないけど、あの接触は小さなもので、避ける余地もあったと思う。レース後にも言ったけど、あんな形で接触してしまうと、自分のチャンピオンシップを危険にさらすことになる。誰と戦っていても、それは同じなんだ」

    「もちろん自分に対しての影響はあるけど、レースでの姿勢や戦い方の部分は今までと変わらない」

    ピアストリ「チームの対応には満足。もう過去のこと」
    一方、ピアストリはノリスに科された“処分”の内容を明かさなかったが、チームが適切に対応したと評価している。

    「その処分が何なのかは言えない。それはチームの中だけのことだ」とピアストリは説明した。

    「結論としては、シンガポールで起きたことは、チームとして望むレースのやり方ではなかったということ。ランドもその責任を受け入れた。だからもう過去のことだ。チーム内のルールを変える必要はないし、ちゃんと処理された」

    「マクラーレン内にえこひいきはない」
    また、一部で指摘されたノリス優遇の噂についてもピアストリは否定した。

    「チーム内にひいきはない。誰もがチャンピオンを狙う公平なチャンスを持っていると思うし、それはすごくフェアだ」と語った。

    分析:タイトル争いに潜む“静かな火種”
    ノリスとピアストリの接触は小規模なものだったが、マクラーレンがタイトルを懸けて戦うこの時期に起きたことで、その波紋は大きかった。内部的な「処分」とは懲罰的なものというより、ドライバー間の協定やチーム内ルールに関する制約を指すと考えられる。

    マクラーレンはシーズン終盤にかけてドライバー同士のバトルをどう管理するかが焦点となる。22ポイント差に迫ったノリスが再び攻めの姿勢を強める一方、チームとしては安定したダブルフィニッシュを最優先する展開も想定される。和解を強調する両者だが、シーズン終盤のタイトル争いで再び火花が散る可能性も残されている。

    Source: Crash.net

  • ロン・デニスの“ジーンズ禁止”伝説 マクラーレンF1が築いた新しい働き方

    ロン・デニスの“ジーンズ禁止”伝説 マクラーレンF1が築いた新しい働き方

    マクラーレンF1チームが2025年シーズンで圧倒的な強さを誇る裏には、ザク・ブラウンCEOが築いた「健全で柔軟な職場文化」があるとSky F1が報じた。かつてロン・デニス時代には「ジーンズ禁止令」まで存在したとされる厳格な環境から一転、現在のマクラーレンは「チーム全体が楽しんで働ける職場」へと変貌を遂げている。

    2025年シーズン、マクラーレンは開幕から12勝を挙げ、7度の1-2フィニッシュでシンガポールGP時点でコンストラクターズタイトルを獲得。オスカー・ピアストリとランド・ノリスがドライバーズ選手権1位・2位を独占し、まさに無敵の強さを見せている。

    しかし、成功が新たな課題を生む。ブラウンはSky F1のサイモン・レイズンビーに「最大の挑戦は“バンドを壊さないこと”」と語り、スタッフの流出を防ぐことの重要性を強調した。過去にはメルセデスがレッドブル・パワートレインズに、レッドブルがロブ・マーシャルやエイドリアン・ニューウェイを他チームに失った例もあり、勝利の代償は決して小さくない。

    「文化こそ最大の武器」ジェイミー・チャドウィックが指摘
    Sky F1ポッドキャストに出演した3度のWシリーズ王者ジェイミー・チャドウィックは、マクラーレンの成功要因として「職場文化とチームの調和」を挙げた。

    「勝っていても、職場の雰囲気が悪ければ人は辞めてしまう。モータースポーツはただの仕事じゃなく、ライフスタイル。だからこそ、毎日チームに行きたいと思える文化が必要なの」と語り、ドライバーやスタッフの人間関係も含めた“チーム内のハーモニー”を維持することが今後の鍵になると指摘した。

    ロン・デニス時代との違い──“ジーンズ事件”が象徴
    Sky F1のテッド・クラヴィッツは、ロン・デニスがCEOを務めていた時代のマクラーレン・テクノロジー・センターでは、訪問者がジーンズを履いていたために退場させられた“ジーンズ事件”を振り返った。

    「当時はジーンズを履くなんてあり得なかった。だけど今はザクのもとで許されている」と語り、「ブラウンはシリアスなときは真剣に、でも普段はリラックスしていて、チームにもその雰囲気が伝わっている」と続けた。

    レイズンビーも「トップが柔軟であることがチーム全体の空気を変える」と同調し、ブラウンのリーダーシップがチームの結束と幸福度を支えていると評価した。

    ザク・ブラウン体制が示す“新時代の勝ち方”
    マクラーレンの現在の強さは、単なるマシン性能の優位に留まらない。ブラウンとアンドレア・ステラ代表が築いた「心理的安全性のある組織」が、技術革新を継続的に生み出す土壌になっている。

    過去のF1では、成功が往々にして“緊張と支配”を伴ってきたが、マクラーレンは“自由と信頼”によって同等以上の成果を上げている。その象徴が、「ジーンズもOK」な職場だ。小さなルールの緩和が、創造性や忠誠心を高め、チーム全体の士気を押し上げている。

    この「柔軟で勝てる文化」は、2026年の大規模レギュレーション変更を乗り越える上でも、マクラーレンにとって最大の強みとなりそうだ。

    Source: Sky Sports F1 Podcast

  • ピアストリのフェラーリF1移籍説は「レッドブルの策略の可能性」とモントーヤ

    ピアストリのフェラーリF1移籍説は「レッドブルの策略の可能性」とモントーヤ

    元マクラーレンF1ドライバーのファン・パブロ・モントーヤは、オスカー・ピアストリのフェラーリ移籍の噂について「マクラーレンを動揺させるためのレッドブルの仕掛け」かもしれないと語った。

    最近、マクラーレンがピアストリよりもチームメイトのランド・ノリスに有利な判断を下しているという見方が広がり、現チャンピオンシップ首位のピアストリがフェラーリへ移籍する可能性があるという憶測が浮上した。

    モントーヤは、こうした噂の背後には意図的な“かく乱工作”があるかもしれないと指摘する。

    「これは誰かがマクラーレンをかき乱すために話を作り上げている可能性もある。結局のところ、注目を集めてマクラーレンに問題を引き起こすのにうってつけの方法だ」とモントーヤは語った。

    「それはちょうどトト(ヴォルフ)がマックス(フェルスタッペン)に対してやったことのようなものだ。実際にマックスを獲得できるチャンスがあったかどうかは分からないが、ヘッドラインを飾ることにはなった。ピアストリとフェラーリの話も、例えばレッドブルから出たものかもしれない。『マクラーレンを不安にさせよう』と考えた誰かが、こうしたリークを仕掛けてもおかしくない」とモントーヤは続けた。

    さらに彼は、この“噂作戦”はピアストリ自身にも有利に働く可能性があると述べている。

    「もしオスカーが本当に優れたドライバーだと思うなら、他チームが彼を欲しがっていることを示すいい機会になる。つまり、オスカーの立場からすれば『自分を本当に必要とするならリスペクトしてほしい』というメッセージをマクラーレンに伝える手段にもなる」とモントーヤは締めくくった。

    GPBlog

  • マクラーレン F1アメリカGPでGoogle Geminiとコラボした特別カラー

    マクラーレン F1アメリカGPでGoogle Geminiとコラボした特別カラー

    マクラーレン・レーシングは、Google Geminiとのコラボレーションによって制作された虹色に輝く特別カラーのリバリーを発表した。この特別仕様は、2025年のF1アメリカGPとメキシコシティGPでチームのマシン「MCL39」に施される。

    このユニークなGoogle Geminiインスパイアのリバリーは、アメリカおよびメキシコシティGPの週末にMCL39に加え、両ドライバーのレーシングスーツとブーツにも反映される。

    リバリーは水曜日にマクラーレンおよびGoogle Geminiの各チャンネルでデジタル発表され、初の一般公開はファン向けイベント「McLaren Racing Live: Zone Studio」で行われる。

    この無料でチケット不要の没入型ファンイベントは、Google GeminiおよびDell Technologiesとの協力のもと、木曜日から土曜日にかけてオースティン中心部で開催される。イベントでは、Mastercard、eBay、Oktaによるアクティベーションも行われる。

    虹色のリバリーは、Geminiのカラーパレットのきらめきからインスピレーションを受けており、「創造性を解き放ち、日常生活においてインスピレーションと導きを与える個人的で積極的かつ強力なアシスタント」としてのGeminiの役割を表現している。このリバリーとファン体験は、マクラーレンのキャンペーン「Never Stop Racing(止まらないレース)」の一環であり、“In the Zone(ゾーンに入る)”という感覚を伝えることを目的としている。

    マクラーレンは過去にも、Google Chromeとのコラボによる特別リバリーを2023年と2025年のF1イギリスGP、そして2024年のアメリカGPで採用している。

    マクラーレン F1 アメリカGP,アメリカグランプリランド・ノリスとオスカー・ピアストリのレーシングスーツ

  • フェルナンド・アロンソ、マクラーレンF1時代の“1000ユーロ事件”の真相

    フェルナンド・アロンソ、マクラーレンF1時代の“1000ユーロ事件”の真相

    フェルナンド・アロンソ(当時マクラーレンF1)は、2007年のヨーロッパGP(ニュルブルクリンク)で、自身のクルー全員に感謝の気持ちとして1人あたり1000ユーロ(約15万円)を現金で贈っていたことが、当時のレースエンジニアであるマーク・スレイドの証言によって明らかになった。

    しかしこの“善意の行為”はチーム上層部の怒りを買い、スタッフが解雇されかねない事態に発展していたという。

    突然のリスト作成依頼から始まった出来事
    スレイドはスペイン紙『Marca』に対し、アロンソから「自分のクルー全員のリストを作ってほしい」と頼まれたのが始まりだったと語る。

    「ニュルブルクリンクの初日にフェルナンドがやって来て、『僕のクルー全員の名前をまとめてくれないか』と言った。最初はなぜそんなことを聞くのか分からなかったが、燃料担当、タイヤ担当、部品係など、関係するスタッフをリストアップした」とスレイドは回想する。

    「翌朝、フェルナンドが戻ってきて『このリストの人たちを裏に集めてくれ』と言った。週末の前に“自分の仲間たち”に話をしたいのかと思ったが、彼はこう言ったんだ――『僕はこれまでマクラーレンではやってこなかったけど、自分のクルーに感謝を伝えるのが好きなんだ』と。そして全員に封筒を配った。中には1000ユーロが入っていた」

    マクラーレン上層部が激怒、返金を命令
    ところがその後、チームマネージャーのデイブ・ライアンが険しい表情でモーターホームに現れ、スレイドに問い詰めたという。

    「彼は『ガレージで何が起きた?』と聞き、『フェルナンドがクルーにお金を渡した』と答えると、『そんなことは許されない。全額返却しろ。返さなければ解雇だ』とまで言った」とスレイドは語る。

    「一部ではフェルナンドがメカニックの忠誠心を“買おうとした”と受け取られたが、僕にはそうは見えなかった。むしろチームとの相性の悪さを象徴する出来事だったと思う。彼は謙虚で、僕は彼と働くのが好きだった」

    フェルナンド・アロンソ マクラーレン F1

    確執の果てに別れ、そして再会へ
    2007年シーズン、アロンソはルイス・ハミルトンと激しいタイトル争いを繰り広げる一方で、マクラーレン内部との対立が深まり、シーズン終了後にチームを離脱。翌年にはルノーへ復帰した。

    その後2015年から2018年にかけてマクラーレンに再加入したものの、再び厳しい戦いを強いられた。

    分析:アロンソの情熱とマクラーレン文化の衝突
    この“1000ユーロ事件”は、アロンソの人間味あふれる感謝の表現と、マクラーレンの厳格な企業文化の衝突を象徴している。個人の感謝を直接伝えるアロンソらしい行為が、チーム内の規律重視の体制にとっては“秩序の乱れ”と映った。

    結果的にこの誤解が両者の信頼関係を崩し、2007年の確執をさらに深める一因となった。今振り返れば、それはアロンソの情熱と、組織文化のすれ違いが生んだ“F1の裏舞台のドラマ”だったといえる。

    Source: Crash.net

  • 平川亮、F1アブダビGP FP1出走に5億円超支払い マクラーレン訴訟で判明

    平川亮、F1アブダビGP FP1出走に5億円超支払い マクラーレン訴訟で判明

    マクラーレンとインディカー王者アレックス・パロウの訴訟の中で、トヨタのWECワークスドライバーである平川亮が、2024年F1アブダビGPのフリー走行1回目(FP1)に出走するため、マクラーレンに総額350万ドル(約5億3,000万円)を支払っていたことが明らかになった。

    裁判資料によって浮かび上がったこの事実は、F1チームが若手や外部ドライバーに対して走行枠を高額で販売する“新たな収益構造”を示すものであり、F1界における実力主義と資金力の関係をめぐる議論を呼んでいる。

    FP1+旧型車テストを含む「350万ドルパッケージ」
    訴訟記録によると、この金額には2回の「旧型車テスト(Testing of Previous Cars=TPC)」と、アブダビGPのFP1出走権が含まれていた。

    平川亮はルマン24時間優勝者かつWEC王者として、2024年のアブダビで1時間のセッションを走行。フェラーリのシャルル・ルクレールから1.5秒差、チームメイトのランド・ノリスから1.3秒差の14番手で終えた。

    マクラーレンは、パロウに対して約2,070万ドル(約30億円)の損害賠償を求めている。その中には、パロウのために行ったとされる「TPCテスト費用70万3,000ドル」が含まれているが、パロウ側は「平川亮の支払いが代替収益になっている」として金額の相殺を主張している。

    FP1走行枠が“チームの新たな収益源”に
    現在、F1チームは各マシンにつき年間2回、レギュラードライバー以外のドライバーにFP1出走を義務づけられている。

    この規定が、チームにとって“収益化可能な枠”となっており、有望なドライバーやメーカーが高額を支払って実走経験を得るケースが増加している。

    訴訟文書には、平川亮とトヨタが1回のTPCイベントに80万5,000ポンド(約1億5,000万円)を支払ったことも記されている。これはマクラーレンがパロウのために実施した2回分のテスト費用よりも高額だった。

    平川亮 マクラーレン F1 アブダビGP

    「ノリスも支払っていた」マクラーレン代表が証言
    ザック・ブラウン代表は法廷で、「ランド・ノリスでさえ2019年のフルタイム昇格前はF1チームに費用を支払っていた」と証言した。

    つまり、マクラーレンではジュニアやテストドライバーの段階で資金を提供する形が慣例化していたことを示唆している。

    パロウ側は「マクラーレンとの契約は虚偽や誤解に基づいたもので、結果的に自分が“嘘の約束”に投資させられた」と主張。一方でマクラーレン側はこれを全面否定し、証拠隠滅(WhatsAppメッセージ削除)を指摘されるも「事実無根」と反論している。

    F1の“実力主義”を揺るがす新しい構造
    この裁判で浮かび上がったのは、F1の「才能主義」と「資金主義」の境界がさらに曖昧になっている現実だ。

    FP1走行権がチームにとっての販売可能な“資産”になりつつあり、資金力が豊富なドライバーほど実戦経験を得やすい構図が生まれている。

    とくに若手や他カテゴリからの挑戦者にとっては、資金調達がF1登竜門への必須条件となりかねない。
    マクラーレンのように、テストやFP1の機会を収益化するチームが増えれば、「買えるチャンス」と「純粋な評価の場」が混在する新たな問題を招く可能性がある。

    一方で、チーム側にはコスト回収・財源確保の利点がある。F1マシンの運用コストは1日で数千万単位に達するため、メーカー支援を受けたドライバーを起用することは経営上の合理的判断ともいえる。

    とはいえ、今回の訴訟が示すように、金銭と契約、出走機会をめぐるトラブルはF1の倫理面でも危ういバランスを露呈した。

    今後この構造が常態化すれば、“最速を競う舞台”であるF1の根幹が、静かに変質していく可能性もある。

    Source: Motorsport Magazine

  • アレックス・パロウ、ピアストリ加入に怒り「F1昇格の希望を奪われた」

    アレックス・パロウ、ピアストリ加入に怒り「F1昇格の希望を奪われた」

    マクラーレンの新人オスカー・ピアストリの加入が、アレックス・パロウとチームとの関係崩壊の決定的要因になった──そう証言された内容を『Sky Deutschland』が報じている。

    ロンドンの高等法院では現在、インディカー王者パロウがマクラーレンとの契約を破棄してチップ・ガナッシ・レーシング残留を決めたことに関する、2,070万ドル(約31億円)規模の損害賠償訴訟が進行中だ。マクラーレン・レーシングCEOのザク・ブラウンも証言台に立った。

    パロウは宣誓供述書の中でこう述べた。

    「唯一魅力的な選択肢はF1への道だった。僕の野望は世界最高峰のシングルシーターシリーズに参戦することだった」

    そして2022年後半、マクラーレンがピアストリのF1昇格を発表した瞬間の心境を明かした。

    「その知らせを聞いたとき、僕はひどく動揺し、心配で、怒りを感じた。マクラーレンが別の新人を契約したからだ」

    報道によると、パロウはその後、ブラウンから「F1への希望はまだある」と説得されたという。さらにブラウンは「ピアストリの成績は君のものと比較される」と語り、ピアストリ起用は「アンドレアス・ザイドルの決定で、自分の判断ではない」とも述べたとされる。

    「その時点で、すべてが変わったと悟った」とパロウは語り、マクラーレンとの関係を断ちガナッシ残留を選んだ理由を説明した。

    さらに法廷では、マクラーレンのスタッフが「訴訟を避けるため内部メッセージを削除した」とされるWhatsAppのスクリーンショットも提示されたが、ブラウンはその指摘を「完全に否定」したという。

    高等法院での審理は引き続き行われている。

    マクラーレンの内部事情と影響分析
    今回の証言で注目されるのは、パロウがF1昇格を目指してマクラーレンとの契約に踏み切ったにもかかわらず、同チームがピアストリを起用したことで心理的な決定打となった点だ。ブラウンが「比較対象になる」と述べたことで、パロウは自身がF1計画から外れたと感じたとみられる。

    また、ザイドル(当時チーム代表)の決定とされた人事判断は、マクラーレン内での権限構造の一端を示唆しており、後にザイドルがザウバーCEOへ移籍した経緯とも関連があるとみられる。

    マクラーレンは2025年シーズンに向けて再びF1での栄光を取り戻しているが、その陰には複雑な契約関係と内部調整が続いていたことを、今回の訴訟は浮き彫りにしている。

  • オスカー・ピアストリ、マクラーレン本社でセナの伝説マシンMP4/6をドライブ

    オスカー・ピアストリ、マクラーレン本社でセナの伝説マシンMP4/6をドライブ

    マクラーレンF1は10月12日、ウォーキングのマクラーレン・テクノロジー・センター(MTC)で行われた特別イベントにおいて、伝説のマシン「MP4/6」を走らせ、アイルトン・セナの功績を称えた。

    ステアリングを握ったのはオスカー・ピアストリとランド・ノリス。湖畔を駆ける赤と白のマクラーレン・ホンダの姿がSNSで話題を呼び、投稿動画は数時間で40万回以上再生され、2万件を超える“いいね”を集めた。

    マクラーレンは現在、1980年代後半以来の黄金期を迎えており、このタイミングでの“セナ追悼走行”は象徴的なものとなった。10月5日のF1シンガポールGPで2年連続となるコンストラクターズタイトルを確定させた直後で、チームにとって通算10回目の栄冠。短いオフ期間を利用し、本社で祝賀イベントを開催した。

    MP4/6は1991年にセナを3度目の王者へと導いた名車で、ホンダ製V12エンジンを搭載。ピアストリがこのマシンをドライブする姿に、ファンからは「時代がつながった」と感動の声が寄せられた。

    現在ピアストリはドライバーズランキング首位(336ポイント)で、今季7勝・14表彰台。僚友ノリスが2位(314ポイント)につけ、今季はすでに7度の1-2フィニッシュを達成している。1989年にアラン・プロストとセナが記録した年間10回の1-2まで、あと3回に迫っている。

    エクレストンも絶賛「マックス・フェルスタッペンの次に最高のドライバー」
    元F1最高責任者バーニー・エクレストンも、ピアストリの冷静な走りを高く評価している。

    「彼は仕事をきっちりこなす。ミスをすればそれを認め、他人のせいにはしない。そして二度と同じミスをしないようにする。彼はマックス・フェルスタッペンの次に最高のドライバーだ」とSport.deに語った。

    今季マクラーレンMCL60は、残り6戦を残してタイトルを決めるという前例のない速さを見せ、2023年のレッドブルを上回る最速記録でコンストラクターズチャンピオンを確定。
    一方、レッドブルは夏以降マックス・フェルスタッペンが復調し、モンツァとバクーで連勝、シンガポールで2位を獲得するなど4戦連続表彰台を記録している。夏休み明け以降の獲得ポイントは84点で、ジョージ・ラッセル(65点)、ピアストリ(52点)、ノリス(39点)を上回っている。

    マクラーレン黄金期の再現へ
    セナとプロストが築いた“マクラーレン黄金期”の記憶が、再び蘇ろうとしている。ピアストリとノリスのコンビが残り6戦で1-2フィニッシュ記録を更新すれば、チーム史に新たなページを刻むことになる。

    ピアストリがセナのマシンを操る光景は、伝統と未来が交わる象徴的な瞬間となった。