カテゴリー: F1日本GP

  • シャルル・ルクレール 東京でF1ファン魅了 シーバスリーガルイベントに登場

    シャルル・ルクレール 東京でF1ファン魅了 シーバスリーガルイベントに登場

    シャルル・ルクレール(フェラーリ)は3月24日、東京で開催されたシーバスリーガルのプロモーションイベントに登場し、F1日本GPを前に多くのファンやメディアを沸かせた。

    イベントでは、F1らしい華やかさと日本文化の要素が組み合わされ、桜をモチーフにしたカクテルや赤いだるまなども登場した。ルクレールはそうした演出を楽しみながら、会場で自然体の魅力を振りまいた。

    東京イベントで見せた親しみやすさ
    ルクレールは黒を基調とした仕立ての良いスタイルで会場に姿を見せ、重ね付けしたチェーンも含めて洗練された装いで視線を集めた。ファンやフォトグラファーの注目を浴びるなかでも、終始リラックスした雰囲気を見せていた。

    イベント中には、受け取った心のこもった贈り物への感謝も口にし、桜の季節への期待も語った。軽やかで親しみやすいやり取りが続き、会場の空気を和ませた。

    SNSでも反響広がる
    イベント後、ファンはSNSで動画や写真を次々と共有し、ルクレールの姿に大きな反響を寄せた。「一番美しい」といった声も上がり、会場で飛び出した「妻と一緒に」という冗談めいたひと言にも笑いや興奮が広がった。

    こうした反応は、ルクレールがサーキットの外でも親しみやすい存在として受け止められていることを示している。フェラーリのスターとしての存在感だけでなく、人柄の面でも多くの支持を集めていることがうかがえる。

    日本GPへ向けて高まる期待
    今回の東京での登場は、鈴鹿で行われるF1日本GPに向けた前哨戦としても注目を集めた。ルクレールはルイス・ハミルトンとともにフェラーリで戦い、メルセデスやレッドブルなどのライバル勢と対峙することになる。

    こうしたイベントはレースへの期待を高めるだけでなく、ルクレールがドライバーとしてだけでなく、世界的なスポーツパーソナリティとしての存在感を強めていることも印象づけた。東京で見せた華やかさと親近感を、鈴鹿での走りにつなげられるかにも注目が集まる。

  • アメックス F1日本GPで限定体験 鈴鹿サーキットで会員向け特典を展開

    アメックス F1日本GPで限定体験 鈴鹿サーキットで会員向け特典を展開

    アメリカン・エキスプレスは、フォーミュラ1のグローバル・オフィシャル・パートナーとして、2026年F1日本GPにあわせたカード会員向け特典を展開する。舞台となるのは、3月27日から29日にかけて三重県の鈴鹿サーキットで開催される2026年シーズン第3戦だ。

    鈴鹿は高速のS字区間や立体交差を備えたテクニカルなサーキットとして知られ、世界中のファンを魅了してきた。

    その舞台でアメックスは、観戦そのものをより快適かつ特別なものにする会場限定エキスペリエンスを用意。カード会員向けのラウンジや優先レーン、オリジナルレースラジオ、F1 Storeでのキャッシュバックなど、幅広い特典を展開する。

    プラチナ会員向けの特別エリアも用意
    プラチナ・カードおよびビジネス・プラチナ・カード会員には、GP SQUARE FANZONE内ステージでパフォーマンスやトークショーを間近で楽しめる「ビューイング エリア」が用意される。対象はカード会員本人と同伴者1名までで、先着順での案内となる。

    さらに、昨年も好評だった「トラックサイド ラウンジ」についても、今年はプラチナ会員向けスペースを設置。ホームストレートの緊張感を間近で味わえる観戦エリアとして展開され、利用は当日先着順となる。

    一般カード会員も使える体験型サービス
    一般のアメリカン・エキスプレスカード会員向けにも、レースウィークエンドを支える各種サービスがそろう。

    「リカバリー ルーム」は、レース前後や観戦の合間に心身をリフレッシュできるラウンジ空間として新設される。カード会員本人と同伴者1名まで利用可能だが、入室可能人数には上限がある。

    「アメックス オリジナル レースラジオ」は、リアルタイムでレース展開を追えるアイテムとして提供される。受け取りは1人1日1台までで、在庫がなくなり次第終了となる。

    また、「ピットストップ」ではカード会員限定のオリジナルグッズを用意。観戦を盛り上げるアイテムを通じて、レースウィークエンドをより快適に楽しめる内容になっている。

    アメックス F1 日本グランプリ

    誰でも参加できる体験空間も展開
    「アメックス レーシング クラブ」は、F1の世界観に浸れる体験型コンテンツとして展開される。カード会員はもちろん、一般来場者も会場内サイネージの二次元コードから登録を完了することで参加可能だ。

    F1初観戦の来場者からコアファンまで楽しめる空間として設計されており、レースウィークエンドの高揚感をさらに高める役割を担う。なお、提供特典は在庫がなくなり次第終了となる。

    F1 Storeでは10%キャッシュバックも
    鈴鹿サーキット内の対象となる公式F1 Storeでは、アメックス・オファーとして10%キャッシュバックを実施する。還元上限は3,000円で、利用には事前登録が必要となる。

    対象となるのは、「アメックスのカードでお支払いいただくと、10%キャッシュバック」と記載された看板のある店舗のみ。観戦の記念となる公式グッズ購入でも、会員向けのメリットが用意されている形だ。

    優先レーンで待ち時間も短縮
    F1 FAN ZONE内のF1 Store、FERRIS WHEEL FANZONE内のF1 Store、さらに同エリア内のF1アクティビティでは、カード会員と同伴者1名向けに優先レーンも設置される。

    混雑しやすい日本GPの会場において、こうした優先導線は体験価値を大きく高める要素となる。ラウンジ、観戦エリア、ショッピング、アクティビティまでを横断して特典が用意されている点は、今回のアメックス施策の大きな特徴と言えそうだ。

    2026年F1日本GPでは、レースそのものの興奮に加えて、こうした会場内サービスも週末の満足度を左右する要素になる。アメックスは鈴鹿で、カード会員向けに“観る”だけではないF1体験を打ち出している。

  • メルセデスF1 日本GPで“狼柄”特別リバリーを投入「野獣を解き放つ」

    メルセデスF1 日本GPで“狼柄”特別リバリーを投入「野獣を解き放つ」

    メルセデスF1は2026年F1日本GPに向け、特別リバリーを公開した。レーシングブルズ、TGRハースF1チームに続く鈴鹿仕様となり、W17には大胆な“狼”のパターンがあしらわれている。

    メルセデスは火曜日にソーシャルメディアを通じてレンダリング画像を公開し、「野獣を解き放つ」をテーマにした新デザインをお披露目した。このリバリーは、ジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリのマシンに装着され、鈴鹿での金曜プラクティスから使用される。

    鈴鹿で3連勝を狙うメルセデスF1
    2026年シーズンのメルセデスはここまで開幕2戦で好調を維持しており、日本GPでは開幕からの3連勝を狙う週末となる。

    そうしたなかで投入される今回の特別リバリーは、シルバーアローのイメージに“狼”のモチーフを重ねたものとなった。鈴鹿ではすでに複数チームが特別カラーリングを発表しており、メルセデスもその流れに加わった形だ。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ日本グランプリ

    “野獣を解き放つ”新デザインを披露
    公開されたW17の特別リバリーは、マシン全体に大胆な狼柄を取り入れたデザインが特徴となっている。

    メルセデスはこの日本GP仕様について、「野獣を解き放つ」というキャッチコピーとともに発信。鈴鹿の週末で、ジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリの2台がこの特別カラーで走行する。

  • ハースF1チーム 日本GPで“ゴジラ”特別リバリー「ファンに楽しんでほしい」

    ハースF1チーム 日本GPで“ゴジラ”特別リバリー「ファンに楽しんでほしい」

    TGRハースF1チームは2026年FIA F1世界選手権第3戦日本グランプリに臨む。舞台は三重県の鈴鹿サーキットであり、チームにとってタイトルパートナーであるトヨタ・ガズー・レーシングのホームレースとなる。

    その開幕を前に、TGRハースF1チームは東宝とのシーズンを通じた新たなコラボレーションを発表した。ゴジラで知られる同社との提携は、チーム史上初となるエンターテインメントIPとの協業となる。

    ゴジラがVF-26に出現 日本GP仕様リバリー披露
    東京ミッドタウン日比谷で行われたイベントでは、エステバン・オコンとオリバー・ベアマン、そしてチーム代表の小松礼雄が登壇し、日本グランプリ仕様の特別リバリーを公開した。

    VF-26には「怪獣王」ゴジラが大胆に描かれ、視覚的にも強いインパクトを放つデザインとなっている。今回のコラボレーションは2026年シーズンを通じて展開される予定だ。

    小松礼雄『チームのアイデンティティを象徴するコラボ』
    小松礼雄は日本グランプリとゴジラコラボについて次のように語った。

    「日本グランプリは、今季もタイトルパートナーであるトヨタ・ガズー・レーシングとともに迎える我々のホームレースのひとつであり、非常に大きな一戦だ。我々は開幕2戦で得た勢いを維持したいと考えており、チームは本当にうまく機能している。鈴鹿は上海とはまったく異なるチャレンジになるが、これまでの2つの異なるサーキットでも我々はうまく適応し、マシンとドライバーの力を最大限に引き出すことができた。鈴鹿でも基本に集中し、2台ともポイント圏内でフィニッシュすることが目標だ」

    「東京で特別なゴジラ・リバリーを披露するにあたり、日本のファンに会えることも非常に楽しみにしている。このコラボレーションは初の試みであり、本当にワクワクするものだ。チームとしての我々の姿やアイデンティティの一部を示すものでもあり、ファンにもこの楽しいリバリーを楽しんでもらえればと思う」

    ハースF1チーム 日本グランプリ

    ベアマン『ハースらしい唯一無二の挑戦』
    オリバー・ベアマンは日本GPとゴジラコラボについて語った。

    「日本がTGRハースF1チームにとってもうひとつの“ホーム”レースであることが大好きだ。本当に素晴らしい場所で、ファンの情熱もすごいし、2年連続で特別なリバリーを披露できるのも嬉しい。ゴジラとのパートナーシップはハースにしかできないことだと思うし、僕たちは自分たちのやり方で物事を進めている。それが本当に特別なことだ」

    「サーキットについて言えば、世界でも最高のコースのひとつだ。高速で流れるようなレイアウトで、正確さが求められる。VF-26はここまでの2戦で安定したパフォーマンスを見せているし、シーズンのスタートも素晴らしいものになっている。この勢いを維持して4月に入っていきたいし、今チームは素晴らしい仕事をしているので、その成果をコース上で示す必要がある」

    オコン『ゴジラとともに大量ポイントを狙う』
    エステバン・オコンは日本GPとゴジラリバリーへの期待を語った。

    「再び美しい日本に戻り、今週末に鈴鹿でレースができるのがとても楽しみだ。日本のファンはいつも素晴らしいし、僕にとって鈴鹿はカレンダーの中で最高のサーキットだ。非常に高速で流れるような第1セクターは、どのサーキットの中でも最高のコーナーの組み合わせのひとつだ。昔ながらのコースで、これまでにも良い結果を残してきたので、再び走るのが待ちきれない」

    「TGRハースF1チームを応援してくれるファンも多いと思う。今週はクールなゴジラとのパートナーシップとリバリーもあるので、週末を通じてパフォーマンスを高め、日曜の夜にはチームにとってしっかりとしたポイントを持ち帰りたい」

  • ホンダF1 2026年日本GPプレビュー「振動問題は改善も課題残る」

    ホンダF1 2026年日本GPプレビュー「振動問題は改善も課題残る」

    2026年F1シーズン第3戦となる日本グランプリが、三重県・鈴鹿サーキットで3月27日に開幕する。大会初日はフリー走行1・2が行われ、28日にフリー走行3と公式予選、29日に決勝レースが実施される。

    シーズン序盤2戦を終え、各チームが新レギュレーションへの適応を進める中、ホンダは母国レースでの巻き返しを狙う。

    折原伸太郎「ファンの前で結果を示したい」
    ホンダF1トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアの折原伸太郎は、鈴鹿で戦う意味について次のように語った。

    「ホンダのF1プロジェクトに携わる前から、私はホンダとモータースポーツの大ファンでした。何十年も鈴鹿に足を運び、セッションを見てホンダを応援してきたので、ファンの皆さんの熱量はよく知っています。今、そのファンの皆さんの前で仕事ができることを誇りに思っており、皆さんの応援を力に変えて、より良い結果をお見せできるよう全力でプッシュし続けます。」

    中国GPでは、システムに影響を与えていた振動の軽減により、バッテリーの信頼性に一定の進展が見られた。一方で、ドライバーに影響する振動の原因特定は依然として課題として残っている。

    「中国GPでは、システムに影響を与えていた振動を軽減したことで、バッテリーの信頼性についてある程度の進展がありました。一方で、ドライバーに影響する振動の原因を特定するためには、さらなる解決策を見つける必要があります。」

    本田技研工業 日本グランプリ

    また、パフォーマンス面ではエネルギーマネジメントが理想には達しておらず、鈴鹿という特性上、より厳しい戦いが予想される。

    「信頼性向上については中国GP後も注力してきた一方で、パフォーマンス観点ではエネルギーマネジメントがまだ目指すレベルには届いていません。鈴鹿はエネルギーマネジメントにおいて非常にタフなコースですので、オーストラリアや中国での学びを活かし、より良い準備を進めていきます。」

    母国グランプリに向け、ホンダは改善の手応えを示しつつも、さらなる進化を求めて週末に臨む構えだ。

    「まだ我々が目標としているところには至っていませんが、今週末を迎えるにあたり、最大限のパフォーマンスを引き出せるよう、引き続き全力で取り組んでいきます。母国の観客、そしてホンダファンの皆さんにお会いできることを楽しみにしています。バーレーン以降、私たちが着実に前進していることをお見せできればと思っています。」

  • ハースF1チーム 日本GPでゴジラが暴れる 特別リバリー公開

    ハースF1チーム 日本GPでゴジラが暴れる 特別リバリー公開

    TGRハースF1チームは、東宝とのコラボレーションによる特別リバリーを公開した。日本発の世界的キャラクターであるゴジラがF1マシンに登場する初の試みとなる。

    このリバリーは2026年F1日本GPに向けた特別仕様で、東京ミッドタウン日比谷でお披露目された。モータースポーツとポップカルチャーを融合させた大胆なプロジェクトとして、注目を集めている。

    ノーズとエンジンカバーには迫力あるゴジラが描かれ、エンジンカバーには「ゴジラ、世界最速の舞台へ」の文字が刻まれている。


    今回の提携は、TGRハースF1チームにとってエンターテインメントIPとの初の本格的なコラボレーションとなる。2026年FIA F1世界選手権を通じて、統合型ブランディングやデジタルコンテンツ、限定グッズ、各レースでのファン向け施策が展開される予定だ。

    特に日本GPでは、ゴジラをまとった特別リバリーが世界で初めて実戦投入される見込みであり、日本のファンに向けた象徴的な演出となる。

    さらに、このコラボレーションはアメリカGPでも大きく展開される予定で、グローバル市場に向けた発信も強化される。映画『ゴジラ-1.0』の米国公開を控えるタイミングとも重なり、相乗効果が期待されている。

    小松礼雄は今回の取り組みについて、次のように語った。

    「これは我々のブランドを新たな観客層に示す、本当に特別な機会ですし、TGRハースF1チームと東宝の両者にとって初めての取り組みでもあります」

    「ゴジラのような世界的アイコンをこのスポーツに迎え入れ、フランチャイズにとって重要な一年にわたって展開できることを光栄に思います」

    「我々は両方のファンベースがひとつになって一緒に楽しんでくれることを望んでいますし、今シーズンは多くの形で関わってもらえるはずです」

    また、東宝の太田圭二は次のように述べた。

    「F1という世界的舞台で限界に挑み続けるTGRハースF1チームと、日本から誕生し、初登場以来70年以上にわたって進化を続けてきた文化的アイコンであるゴジラとのパートナーシップを発表できることを光栄に思います」

    「ゴジラは、不屈の力とレジリエンスを象徴する存在となっており、その精神は常に壁を打ち破ろうとするTGRハースF1チームの決意と深く共鳴します」

    「このコラボレーションを通じて、世界最速の舞台でゴジラが暴れる準備をしてほしいです。ゴジラとTGRハースF1チームの両方のファンを世界中で興奮させる、前例のない体験を届けることを約束します」

    今回の特別リバリーは、日本GPを皮切りにシーズンを通して展開される予定で、F1とエンターテインメントの融合を象徴する新たな取り組みとして注目される。

  • アストンマーティンF1とホンダを縛る「GP2エンジン」日本GPの消えない記憶

    アストンマーティンF1とホンダを縛る「GP2エンジン」日本GPの消えない記憶

    アストンマーティンF1とホンダの関係は、現在において決して悪いものではない。しかしその裏側には、過去の出来事が今なお影を落としている。

    それは2015年9月27日、日本グランプリで起きた出来事だ。この一日は、ホンダにとって忘れることのできない記憶として残り続けている。

    「GP2エンジン」が突き刺した一言
    当時、ホンダはマクラーレンとパートナーシップを結び、パワーユニットの供給に加え、多額のスポンサー資金を投入していた。さらにエースドライバーの給与の大部分も負担しており、そのプロジェクトは技術面だけでなく財政面でも全面的な支援体制のもとで進められていた。

    ホンダのロゴを額に掲げた世界チャンピオンの存在は、その巨大な財政的・技術的投資を行うための条件のひとつでもあった。その持参金には、そうした条件が付随していた。

    しかし、その関係は日本グランプリの一件で大きく揺らぐことになる。

    フェルナンド・アロンソはレース中、エンジンの性能不足に苛立ち、トロロッソに容易に抜かれた瞬間、無線でこう叫んだ。

    「GP2エンジンだ、GP2エンジンだ」

    この一言は、単なる苛立ちの表現では終わらなかった。

    本田技研工業 日本グランプリ

    沈黙と怒り ピットで起きた光景
    その瞬間、ガレージでは静かな異変が起きていた。

    チームのパフォーマンスエンジニアは、3台分のガレージ中央に設置されたテクニカルアイランドの前に立っていた。彼は頭を下げたまま、ゆっくりと首を回し、ガレージ奥の様子を見た。

    そこには、VIPゲスト用のヘッドセット接続が並ぶ光沢のあるカウンターの向こう側に、ホンダの幹部たちが立っていた。

    無線メッセージを聞いたその60代の幹部たちは、金属フレームの眼鏡をかけたままヘッドセットを外し始める。中にはそれを床に落とす者もいた。

    誰ひとり言葉を発することなく、その場を去る。

    しかしその沈黙とは裏腹に、彼らの怒りは明らかだった。口からではなく、耳から泡を吹くかのような激しい感情が、その場に漂っていた。

    その日、そしてその後の日々にわたり、この件についての会議が何度も行われたが、どれも穏やかなものではなかった。

    約束された関係の崩壊
    2015年は、すべてを約束された関係が崩壊へと向かった年だった。

    マクラーレンとホンダは、技術的にも財政的にも大きな期待を背負っていたが、その関係は混乱と対立の中で悪化していく。

    そして2017年、両者は最終的に決別する。

    それは歴史的な2つの存在が、共にあることで価値を高めるどころか、むしろ失ってしまった結末だった。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    消えない記憶と現在の関係
    現在、ホンダはアストンマーティンと新たなパートナーシップを築いている。

    しかし、ホンダにとってその記憶はいまなお消えることはない。

    誰もあの出来事を繰り返したいとは思っていない。外からどう見られているかを常に意識し、名誉を重んじる彼らにとって、それは今も許し難い出来事であり続けている。

    だからこそ現在の関係は、単なる技術提携ではなく、過去の経験を踏まえた上での慎重な関係でもある。

    プランBは存在しない現実
    そしてもうひとつの現実がある。

    アストンマーティンはホンダを必要としており、ホンダもまた現実的なパートナーとしてアストンマーティン以外の選択肢を持っていない。

    両者にはプランBが存在しない。

    そのため、問題があっても関係を維持し、解決に向けて進むしかない。

    あの「GP2エンジン」という一言は、単なる過去の出来事ではない。現在の関係のあり方そのものにも影響を与え続けている。

  • 鈴鹿で野宿した少年がF1へ メルセデス日本人エンジニア桑原克英の軌跡

    鈴鹿で野宿した少年がF1へ メルセデス日本人エンジニア桑原克英の軌跡

    ジョージ・ラッセルのパフォーマンスエンジニアを務める桑原克英は、2026年F1日本GPを迎える鈴鹿で、かつて16歳の少年としてグランドスタンドの下に段ボールを敷いて一夜を明かした思い出を振り返った。

    いまではメルセデスの一員としてF1パドックに立つ桑原克英だが、その道のりは日本の学生フォーミュラ、スーパーGT、トヨタの耐久レース活動、そして欧州転身を経て築かれたものだった。鈴鹿は、そんなキャリアの原点と現在をつなぐ特別な場所となっている。

    16歳の鈴鹿で過ごした忘れられない一夜
    2005年の日本GP。予選を終えたファンが日曜の決勝を楽しみにサーキットを後にするなか、16歳だった桑原克英には帰るつもりがなかった。

    「ホテルのような宿泊先を取るお金があまりなかったんです」と桑原克英は振り返った。

    「だから土曜の朝に現地へ行って、第1コーナーのグランドスタンドの下で段ボールの上に寝て、そのまま一晩過ごしたんです」

    「16歳で体力が無限にあるような時期なら気にならないんです。そうしていたのは僕だけじゃなかったので、別に平気でした」

    その翌日、桑原克英は当時を代表する名勝負のひとつをはっきりと見届けた。キミ・ライコネンが17番グリッドから追い上げ、最終ラップで首位を奪って優勝した2005年日本GPだった。

    2026年はメルセデスの一員として鈴鹿へ
    2026年、桑原克英は再び日本に戻ってくる。ただし、グランプリを見るために鈴鹿で夜を明かす必要は、もうない。

    「2024年の日本GPは、ジョージと本格的に仕事をするようになった初期のレースのひとつでした。2023年にも何戦か一緒に仕事をしていました。2024年のイモラから、彼のガレージ側でフルタイムで働くようになりました」

    日本GPは1980年代からF1カレンダーの常連だが、日本人が継続的にパドックで存在感を示してきたわけではない。桑原克英は、その状況を少しずつ変えつつある存在だ。

    「世界のこちら側で生まれると簡単じゃないんです。チャンスはかなり限られています」と桑原克英は語った。

    「僕は26歳になるまで海外に出たことすらなかったので、乗り越えなければならない壁がたくさんありました」

    横浜の大学で始まったモータースポーツ人生
    さらに時間をさかのぼると、桑原克英のモータースポーツへの道は横浜の大学時代に本格化した。

    「出発点はフォーミュラ・スチューデントでした。あれによって、レーシングカーを作って走らせるには何が必要なのかを知ることができました。いろいろな意味で、あれが自分のプロとしてのキャリアの始まりだったと思っています」

    当時の桑原克英にとってF1はまだ遠い存在だったが、日本国内には進むべき選択肢がいくつもあった。

    「幸運にも、トヨタのスーパーGTプログラムの一員として仕事を得ることができました。本当にうれしかったです」

    現場を拠点とした桑原克英の仕事は信頼性に重点を置くもので、フォーミュラ・スチューデント時代に学んだことを実践しながら、業界のなかで成長を続けていった。

    そして日本各地を回り、F1日本GP開催経験のある3つのサーキットも訪れた。富士、TI英田(現・岡山)、そしてもちろん鈴鹿だった。

    欧州行きで開けた新たな道
    やがて、欧州から声がかかった。

    「2015年に向けて、当時のトヨタの耐久レースプログラムに関わるため、マネージャーが僕をヨーロッパへ行かせることに決めてくれました」と桑原克英は語る。

    「それはF1以外のキャリアのなかで、自分にとって最大のステップでした。ヨーロッパで現場の人たちがどう働いているのかを見ることができました」

    「当時、そのシリーズはかつてないほど強力で、LMP1にはポルシェ、トヨタ、アウディ、日産といった大きな名前が参戦していました」

    まだF1ではなかったが、グリッドにはF1との強い結びつきがあった。パフォーマンスエンジニアとなっていた桑原克英は、その中心にいた。

    「セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、そしてフェルナンド・アロンソもそのプログラムに関わっていました。僕は彼らとも仕事をすることができました」

    レーシングポイントを経てメルセデスへ
    こうしてF1とのつながりは確かなものとなり、次の一歩を踏み出す時が来た。

    ドイツからイギリスへ。そしてトヨタからレーシングポイントへ。最初にF1を夢見てから20年、桑原克英はついにその舞台へたどり着いた。

    「2020年にはシミュレーターテストエンジニアでした。そこに3年間いて、そのあとメルセデスで働くために応募しました。アンドリュー・ショブリンとリキ・ムスコーニからオファーをもらえたのは本当に幸運でした」

    こうして桑原克英はF1パドックにしっかりと根を下ろした。そこにはハースF1チームの小松礼雄、そしてレッドブル・レーシングの角田裕毅といった日本人の姿もある。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ 桑原克英

    次の世代へのメッセージ
    では、モータースポーツの仕事を目指す次世代の日本のファンに、どんな助言を送るのか。

    「自分には絶対に無理だとずっと思っていました。でも、このスポーツを心から愛していて、その方向をしっかり見ていれば、チャンスはあります」と桑原克英は語った。

    「最初の仕事からF1に飛び込む必要はありません。そこに至るまでの道を積み上げていけばいいんです。特に日本には素晴らしいレースカテゴリーがたくさんありますから」

    「目標に集中し続ければ、実現する可能性はあります」

    鈴鹿は原点であり、特別な場所
    桑原克英の物語は、多くのF1関係者と同じように、ひとつの円を描くように原点へ戻ってきた。2013年に初めて鈴鹿を訪れた彼は、2026年にはジョージ・ラッセルのパフォーマンスエンジニアとしてその場所に立つ。

    鈴鹿は、さまざまな意味で特別なサーキットだ。

    「もちろん僕はひいき目があります。でもF1に入るまでは、チームやドライバーが外向きに鈴鹿について語ることが、本当にその通りの気持ちだとは分かっていませんでした」と桑原克英は語った。

    「誰もが、最高のサーキットで最高のファンがいると言いますし、周りの人たちと話してみても、本当にその通りのようです」

    「高速で流れるようなコーナーが続くレイアウトは、ドライブするうえでも本当に魅力的です」

    「それに歴史を見ても、あそこで多くの記憶に残るタイトル決定の瞬間が生まれてきました」

    「いまは桜の季節に開催が移って、見た目には本当に素晴らしいです。ただ、個人的には少し寂しいところもあります。僕の誕生日は10月13日で、以前はちょうどその頃にレースが行われていたので」

  • ペプシコF1日本GP初出展 限定コンボ&体験ブース展開

    ペプシコF1日本GP初出展 限定コンボ&体験ブース展開

    ペプシコ・ジャパンは、2026年3月27日から29日に開催されるF1日本グランプリ(鈴鹿サーキット)において、初となる公式ブース「Pepsi F1 Japan Booth」を出展する。

    会場はGP SQUARE FANZONE内で、F1観戦チケットを持つ来場者が参加可能。F1の高揚感とブランド体験を融合した「Fueling the Fan Experience」をテーマに、限定商品や体験型コンテンツを提供する。

    今回の出展は、2025年にF1のオフィシャルパートナーとなったペプシコにとって、日本市場での初の本格展開となる。世界的に評価の高い日本グランプリを舞台に、ブランドの世界観を体感できる場を創出する狙いだ。

    限定商品とフォト体験で“観る・味わう・楽しむ”
    ブースでは、特別デザインバッグ付きの数量限定「Pepsi F1 コンボ」を販売。F1日本GPをテーマにした限定商品として来場者の注目を集める。

    また、オリジナルデザインのフォトブースやフォトプロップスを設置し、来場者が自由に写真撮影を楽しめる空間を用意。さらに会場内の自動販売機では、PepsiやMountain Dewなどの飲料も購入可能となっている。

    視覚的にもダイナミックな演出が施されたブースは、F1のスピード感とペプシのブランドイメージを融合させた空間として設計されており、「見る・味わう・体験する」を一体化したファン体験を提供する。

    日本グランプリ 鈴鹿サーキット日本グランプリ ペプシコ

    「鈴鹿で始まるパートナーシップ」寺西正和がコメント
    ペプシコ・ジャパンのゼネラルマネージャー、寺西正和は今回の出展について次のようにコメントしている。

    「F1との5年間のパートナーシップがいよいよ本格的に始動し、その初年度をF1にとっても特別な開催地である鈴鹿で迎えられることを大変光栄に思います。F1が生み出す革新性と熱狂の中で、ペプシブランドならではの爽快な価値を、多くのF1ファンの皆さまに存分にお楽しみいただければ幸いです」

    F1とブランド体験の融合が加速
    近年のF1は、スポーツとしての競技性に加え、エンターテインメントやライフスタイル領域との融合を加速させている。

    ペプシコの今回の取り組みは、その流れを象徴するもののひとつであり、飲料・スナックブランドがファン体験の中心に入り込む新たな形を提示する。

    鈴鹿サーキットという特別な舞台で展開されるこのブースは、日本のF1ファンにとっても新たな観戦体験となりそうだ。

  • フェラーリF1 中国GPで試した回転式リアウイングを日本GPでも継続テストへ

    フェラーリF1 中国GPで試した回転式リアウイングを日本GPでも継続テストへ

    フレデリック・バスールは、フェラーリが中国GPのフリー走行1回目で投入した回転式リアウイングについて、日本GPでも再び走行テストを行う見通しであることを明かした。

    フェラーリはプレシーズンテストでこの革新的な回転式リアウイングを初投入し、中国GPでは初めてレースウイークで実戦使用した。しかし、上海では十分な走行距離を確保できず、週末の残りでは従来型のDRSスタイルのリアウイングへ戻していた。

    中国GPではFP1のみで確認
    フェラーリは中国GPのFP1で、シャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンの両者にこのデバイスを試させた。

    ただ、ハミルトンはターン6のヘアピン進入時のブレーキングで大きくスピン。フェラーリはその後、週末の残りでより一般的なDRS型リアウイングに戻す判断を下した。

    ハミルトンも、この回転式リアウイングを上海で使ったことについて「少し早すぎたかもしれない」と認めていた。もともとは2026年F1シーズンの「第4戦か第5戦」でデビューする想定だったという。

    バスールは鈴鹿で再テストを示唆
    なぜ中国GPで回転式リアウイングを取り下げたのかと問われたバスールは、上海で次のように説明した。

    「リアウイングで十分な走行距離を積めなかった」

    「そして今のシステムでは、レースとレースの間にテストができない。つまり、パーツに走行距離を積みたければ、FP1でやる必要がある」

    「おそらく来週またやることになる」

    「そしてある段階で、信頼性が問題なく、走行距離も十分になれば、週末を通して導入することになる」

    また、回転式リアウイングの開閉時に気流の再付着について懸念はないのかと聞かれると、バスールは「いや、ない」と否定した。

    スクーデリア・フェラーリ

    他チームは“潜在的な欠点”を警戒
    この回転式リアウイングをめぐっては、いくつかのチームがすでに同様の方式を見送っているとされる。

    理由として挙げられているのは、開閉の過程で一時的に“帆”のような効果が生じる可能性があることだ。DRS型リアウイングよりも開閉に時間がかかるため、その過渡状態がマシン挙動に影響を及ぼす懸念がある。

    中国GPのFP1で見られたハミルトンのスピン映像では、コントロールを失った瞬間もリアウイングがまだ閉じる途中にあったように見え、この挙動がスピンの一因だった可能性が示唆されている。

    開閉タイミングのズレが不安定さを招く可能性
    ライバルチームの関係者は、ストレートモードの作動と解除について、前後ウイングでタイミングをずらすのは珍しいことではないと示唆した。

    ただし通常は、ボトミングやスキッド摩耗のリスクを減らすため、フロントウイングのほうをリアウイングより遅れて閉じる形を取るという。

    この関係者は、こうした前後バランスの制約が、ブレーキングを伴う局面では不安定さのリスクを確実に高めるとも指摘している。

    フェラーリとしては、中国GPで得られなかった走行距離を鈴鹿のFP1で補い、信頼性と作動特性の確認を進めることになる。実戦投入を急ぐのではなく、まずは回転式リアウイングの挙動を十分に把握したうえで、フルウイークエンドでの導入可否を見極める構えだ。