カテゴリー: F1ハンガリーGP

  • F1ハンガリーGP予選Q2:フェルナンド・アロンソ16番手敗退 トップ差2.352秒

    F1ハンガリーGP予選Q2:フェルナンド・アロンソ16番手敗退 トップ差2.352秒

    2026年F1第11戦ハンガリーGPの予選Q2がハンガロリンクで行われ、アストンマーティンのフェルナンド・アロンソは16番手で敗退し、今季初のQ3進出はならなかった。

    Q1を16番手で突破したアロンソは、Q2ではユーズドのソフトタイヤで最初のアタックに臨み、最後のアタックで1分19秒808までタイムを縮めたが16番手で敗退。今季初のQ3進出はならなかった。トップ通過のランド・ノリスからは2.352秒差、タイム比では103.037%だった。

    Q2序盤はフェルナンド・アロンソがいち早くコースインし、ユーズドのソフトタイヤで最初のアタックを開始。一方で、フェラーリはQ1をミディアムタイヤで突破したことで、ソフトタイヤを温存したままQ2へ臨んだ。

    セッション開始直後にはマックス・フェルスタッペンが1分18秒249を記録してトップに立ったが、その背後ではアイザック・ハジャーがターン12でグラベルに飛び出してスピン。マシンをバリアに当てることなく復帰したものの、黄旗が提示された影響でガブリエル・ボルトレトはアタックを中止せざるを得なかった。

    最初のアタック終了後はルイス・ハミルトンがトップタイムを記録し、「まだクルマにはもっとタイムがある」と無線で自信を見せる。終盤のアタックではハジャーが一時トップに浮上したが、最後はランド・ノリスが1分17秒456をマークしてトップ通過を決めた。シャルル・ルクレール、ハミルトン、ハジャー、オスカー・ピアストリ、フェルスタッペンらもQ3進出を果たした。

    一方、リアム・ローソンは終盤までQ3進出圏内につけていたものの、各車の最後のアタックで11番手に後退。アロンソ、エステバン・オコン、ガブリエル・ボルトレト、フランコ・コラピント、ピエール・ガスリーとともにQ2敗退となった。

    F1ハンガリーGP 予選Q2敗退
    11.リアム・ローソン(レーシングブルズ) 1分18秒765
    12.ピエール・ガスリー(アルピーヌ) 1分18秒844
    13.フランコ・コラピント(アルピーヌ) 1分19秒027
    14.ガブリエル・ボルトレト(アウディ) 1分19秒105
    15.エステバン・オコン(ハース) 1分19秒734
    16.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン) 1分19秒808

  • F1ハンガリーGP予選Q1:フェルナンド・アロンソが16番手で今季初のQ2進出

    F1ハンガリーGP予選Q1:フェルナンド・アロンソが16番手で今季初のQ2進出

    2026年F1第11戦ハンガリーGPの予選Q1がハンガロリンクで行われ、アストンマーティンのフェルナンド・アロンソが16番手で今季初のQ2進出を果たした。16点に及ぶ大型アップデートを投入したAMR26Bは予選で早くも一定の成果を示し、中団勢力図に変化の兆しを感じさせる結果となった。

    一方、チームメイトのランス・ストロールは20番手で敗退。ウィリアムズはカルロス・サインツJr.とアレクサンダー・アルボンが揃ってQ1敗退となり、キャデラックも2台ともQ2進出を逃した。

    フェラーリはミディアムタイヤで余裕のスタート
    予選開始直後はボッタスが先頭でコースインし、ウィリアムズ、アストンマーティン勢が続いた。ほとんどのチームがソフトタイヤを選択する中、フェラーリはシャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンの2台にミディアムタイヤを装着。Q3以降を見据えたタイヤ温存策を採った。

    ハミルトンは最初のアタックから1分18秒730を記録しトップに立つ好走。ルクレールも一度は2番手相当のタイムを記録したものの、トラックリミット違反でラップタイムを抹消された。

    その後、マックス・フェルスタッペンがトップタイムを更新し、ランド・ノリスはさらに0.379秒上回るトップタイムをマーク。キミ・アントネッリも2番手まで浮上し、ポールポジション争いはマクラーレン、フェラーリ、メルセデス、レッドブル・レーシングの四つ巴の様相となった。

    大型アップデートが奏功 アロンソが今季初のQ2進出
    序盤、アロンソは1分20秒665を記録してストロールを0.2秒上回るタイムをマーク。セッション中盤には12番手まで順位を上げ、安全圏に浮上した。

    16点に及ぶ大型アップデートを投入したAMR26Bは、ここまでの週末で着実な前進を示しており、アロンソは終盤のラストアタックで16番手を確保。今季初となるQ2進出を決め、大規模改修の成果を予選で示した。

    一方、ストロールは20番手に終わり敗退。FP2を欠場する原因となったリアサスペンションのトラブルを乗り越えて予選に臨んだが、Q1突破には届かなかった。それでもアストンマーティンは、大型アップデートによって中団勢力図に変化をもたらす可能性を感じさせる内容となった。

    アルピーヌ逆転突破 ウィリアムズとキャデラックは敗退
    終盤は下位争いが激化した。

    ガブリエル・ボルトレトは一度トラックリミット違反でタイムを失い最下位まで後退したものの、最後のアタックで9番手まで浮上。エステバン・オコンも13番手につけ、一時はオリバー・ベアマンが突破圏内に入った。

    最後にアルピーヌ勢が勝負をかけ、ピエール・ガスリーが13番手、フランコ・コラピントが14番手へ浮上。これによりベアマンは17番手へ押し出されて敗退となった。

    さらに最後のアタックに間に合わなかったサインツJr.とアルボンもQ1で姿を消した。FP3でブレーキトラブルに見舞われ、十分な走行ができなかったセルジオ・ペレスも22番手に終わり、キャデラックは2台揃ってQ1敗退となった。

    F1ハンガリーGP 予選Q1敗退
    17番手:オリバー・ベアマン(ハース)
    18番手:カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)
    19番手:アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)
    20番手:ランス・ストロール(アストンマーティン)
    21番手:バルテリ・ボッタス(キャデラック)
    22番手:セルジオ・ペレス(キャデラック)

  • アストンマーティンF1 AMR26B徹底解説 ニューウェイ流アップグレードの全貌

    アストンマーティンF1 AMR26B徹底解説 ニューウェイ流アップグレードの全貌

    アストンマーティンはF1ハンガリーGPで、16項目に及ぶ大規模アップグレードを投入した。チーム内では正式に「Bスペック」とは呼ばれていないものの、ノーズからリアサスペンションまで全面的に見直された内容から、事実上の「AMR26B」と呼べる進化版となっている。

    このパッケージは、エイドリアン・ニューウェイが本格的に開発へ関与した最初の大型アップデートとなる。

    夏休み明けに予定されるホンダ製パワーユニットの性能向上と合わせ、2026年シーズン後半戦の巻き返しを狙う重要な一歩でもある。

    元F1テクニカルディレクターのゲイリー・アンダーソンと、F1公式テクニカルアナリストのマーク・ヒューズはいずれも、このアップデートは単なる空力改善ではなく、マシン全体の空力思想を再構築するためのパッケージだと分析している。

    ニューウェイが目指したのは「ディフューザーを生かす」マシン
    今回のアップデートを理解するうえで最も重要なのは、「何が変わったか」ではなく「なぜ変えたのか」だ。

    マーク・ヒューズによれば、AMR26B最大の狙いは、ディフューザーへ送り込む空気の流量を増やし、高いリアライドハイトでも安定してダウンフォースを発生できるようにすることにある。

    これはニューウェイがレッドブル時代から追求してきた「ハイレーキ」思想につながる。リア車高を高くすることでフロア下面の空気を加速させ、大きなダウンフォースを生み出すという考え方だ。

    2026年レギュレーションではこのコンセプトをそのまま適用することは難しくなったが、アストンマーティンはフロントからリアまで空気の流れを見直し、ディフューザーへより大量の空気を送り込めるマシンへ進化させようとしている。

    アンダーソンも、新パッケージ全体から「ダブルフロア」思想をさらに推し進めたことが読み取れると分析しており、フロントウイングからリアサスペンションまで、すべての変更がディフューザー性能向上という一つの目的へ集約されているとみている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム AMR26B

    細くなったノーズと新フロントウイングが空気の流れを作り直す
    最も大きく姿を変えたのがノーズとフロントウイングだ。

    ノーズは従来より大幅に細くなり、下面形状も完全に再設計された。細いノーズを採用する最大の理由は、フロントタイヤ外側へ逃がす空気よりも、タイヤ内側と車体中央へ流れる空気量を増やすためである。

    この変更に合わせ、フロントウイングも全面的に設計が見直された。

    アンダーソンは、第1エレメントのコード長を短縮し、第2エレメントを拡大したことに加え、タイヤ内側付近のV字形状を廃止してクラウン形状へ変更した点を重要な進化として挙げる。

    ヒューズも、ノーズ下面を流れる空気だけでなく、フロントタイヤ内側へ送り込まれる気流そのものを増やすことが狙いだと説明する。

    エンドプレートも新設計され、内側へ巻き込むフェンス形状を採用。上部の水平フラップは従来より前方へ移動し、角度もより下向きとなった。

    これにより回転するフロントタイヤ周囲の圧力分布が変わり、タイヤ外側では圧力を高め、内側では圧力を下げることで、より多くの空気を車体中央へ導くことができる。

    さらにメインプレーン外側下面の立ち上がりも大きくなり、タイヤ内側へ流れる空気量を一段と増やしている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム AMR26 フロントウイング

    フロア露出面積を拡大 ディフューザーへ大量の空気を送り込む
    今回のアップデートの中心となるのがフロアだ。

    ヒューズは、車体側面に露出するフロア面積が前後方向にわたって大きく拡大されたことを最大の変更点として挙げている。

    この部分を流れる空気量が増えることで、リアタイヤ内側とディフューザー側壁との隙間へ送り込まれる気流が強くなり、ディフューザーはより大量の空気を引き抜けるようになる。

    結果としてフロア全体のダウンフォースが増加し、高いリアライドハイトでも性能を維持しやすくなる。

    アンダーソンも、写真比較からボディサイドとフロアとの隙間がさらに拡大し、「ダブルフロア」コンセプトがより強化されたと分析している。

    その狙いはディフューザーだけではない。ビームウイングやリアウイングを含めたリア全体へ強力な気流を送り込み、マシン後半部全体の空力性能を底上げすることにある。

    ウェイクボード刷新でフロアへ流れる気流を最適化
    フロントタイヤ後方のウェイクボード(フロアボード)も大きく変更された。

    ボード全体は従来より低くなり、その後方に並んでいたガイドベーンは姿を消した。

    水平フラップも後方へ移設されている。

    ヒューズは、タイヤ内側を流れる空気自体が以前より力強くなったため、これまで必要だった整流デバイスの役割が小さくなった結果だと説明する。

    アンダーソンも同様に、バージボード周辺の高さが低くなり、フラップ形状も穏やかになったことで、タイヤ乱流による悪影響を減らしながらフロア前方へより安定した気流を送り込めるようになったと分析している。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム AMR26B サイドポッド

    サイドポッドも再設計 アンダーカット容量をさらに拡大
    サイドポッドも見た目以上に大きく変更された。

    ラジエーター吸入口上部の張り出しは幅が広がり、角度もより穏やかになった。

    一方でサイドポッド本体は薄型化され、断面も浅くなっている。

    しかし上面は幅広い形状を維持しているため、その下に形成されるアンダーカットの容量はさらに拡大した。

    このアンダーカットは低圧領域を形成し、フロアエッジに沿って流れる空気を高速化する役割を担う。

    ヒューズによれば、細いノーズ、新しいフロントウイング、拡大されたアンダーカットは一体のシステムとして設計されている。

    ノーズ下を通った空気はフロアへ直接流れ込み、フロントタイヤ内側を回った気流はサイドポッド下面の低圧領域によって再び外側へ引き出される。

    その空気はフロアエッジに沿ってリアタイヤ前方まで流れ、最後はディフューザーへ吸い込まれていく。

    つまり今回のアップデートは、空気の流れ全体を一本のルートとして再設計したものと言える。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム AMR26B リア

    リアウイングとリアサスペンションも全面的に見直し
    リアウイングもフロント同様、翼断面を変更した。

    第1エレメントはコード長を短縮し、第2エレメントは外側で拡大、第3エレメントもわずかに大型化されている。

    これにより翼全体の荷重分布を最適化し、ディフューザーとの連携性能を向上させるとともに、コーナリング時のダウンフォース回復性能改善も狙っている。

    リアタイヤ前方の整流フィンも穏やかな形状へ変更され、一部エレメントは廃止された。

    タイヤ乱流を抑えながら床下気流を乱さない方向へ進化している。

    リアサスペンションではアッパーアーム内側の取付位置を変更し、アンチリフト特性やリアロールセンター、キャンバー変化を最適化するとみられる。

    その結果として荷重が集中するリアウイング支柱間には、新たな補強ストラットも追加された。

    軽量化とホンダPUが揃って初めて真価を発揮する
    アンダーソンは、今回のアップデート最大の成果は軽量化だと評価している。

    アストンマーティン自身もAMR26が最低重量を上回っていたことを認めており、余分な重量はブレーキングやコーナリング、加速性能、タイヤ摩耗などあらゆる面で不利となる。

    重量を削減できれば、それだけでラップタイム短縮につながる。

    もちろん空力面でも着実な改善は見られるが、現行レギュレーションでは劇的な空力進化だけで数秒ものタイム短縮を得ることは難しい。勝負を分けるのはコンマ数秒、あるいはコンマ01秒単位の積み重ねだ。

    今回のAMR26Bは、単なるアップグレードではなく、ニューウェイが思い描く空力コンセプトへマシン全体を近づけるための基盤作りと位置付けられる。

    そして夏休み明けにはホンダ製パワーユニットのアップグレードも控えている。シャシーとパワーユニットの進化が揃ったとき、アストンマーティンF1はようやく2026年型マシンの本来のポテンシャルを発揮できることになるかもしれない。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

  • F1ハンガリーGP FP3展開:ランド・ノリス最速 ハミルトンとアントネッリが僅差

    F1ハンガリーGP FP3展開:ランド・ノリス最速 ハミルトンとアントネッリが僅差

    マクラーレンのランド・ノリスが、2026年F1第11戦ハンガリーGPのフリー走行3回目でトップタイムを記録した。ノリスは終盤の予選シミュレーションで1分17秒939をマークし、フェラーリのルイス・ハミルトンを0.117秒差で抑えた。

    メルセデスのキミ・アントネッリも首位から0.129秒差の3番手につけ、シャルル・ルクレール、オスカー・ピアストリ、ジョージ・ラッセルが続いた。

    一方、金曜日に上位争いへ加わっていたレッドブル・レーシングは7、8番手に後退。上位3チームにレッドブルを加えた4チームによる予選争いは、依然として僅差になる可能性を残している。

    路面温度52度の厳しいコンディション
    現地時間12時30分に始まったFP3は、金曜日よりもさらに暑いコンディションとなった。路面温度は52度に達し、FP1の44度、FP2の34度を大きく上回った。

    金曜日は突風と低いグリップにより、ロックアップやコースオフが相次いだ。FP3でも風は残っていたものの、前日ほど不安定ではなく、各ドライバーは徐々に路面状況への理解を深めていった。

    最初にコースへ出たのはアルピーヌのフランコ・コラピントだった。コラピントは金曜日のFP2で最終コーナーからコースを外れ、リアからバリアに衝突していたため、失った走行時間を取り戻す必要があった。

    FP1で左リアサスペンションに問題が発生し、FP2を欠場したランス・ストロールも早い段階でコースイン。大幅なアップグレードが施されたアストンマーティンの挙動を確認しながら周回を重ねた。

    一方、レーシングブルズのアービッド・リンドブラッドは、パワーユニット関連の作業によりガレージ待機を余儀なくされた。チームは前夜、リアム・ローソン車に発生した同様の問題を修復するため夜間作業禁止時間を破っており、リンドブラッド車にも予防的なエンジン交換を実施した。

    序盤はノリスとマクラーレンがリード
    序盤はニコ・ヒュルケンベルグが1分20秒643でトップに立ったが、ソフトタイヤを履いたオスカー・ピアストリが1分19秒918へ更新した。

    その後、ランド・ノリス、シャルル・ルクレール、ルイス・ハミルトン、アイザック・ハジャーら上位勢がコースイン。ノリスは最初のアタックで1分19秒062を記録し、チームメイトのピアストリに約0.9秒差をつけて首位に立った。

    マクラーレンは金曜日、アップグレードパーツをノリス車だけに装着していたが、ピアストリ車にも土曜日から最新仕様を投入。両車が同一パッケージで走行するなか、それでも序盤はノリスが明確に先行した。

    フェラーリ勢はまだ本来の速さを完全には見せていなかったものの、ルクレールが上位に入り、ハミルトンも徐々にペースを上げた。金曜日にFP1とFP2を制したフェラーリと、改良型MCL40を投入したマクラーレンが中心となってセッションが進んだ。

    セルジオ・ペレスのトラブルで赤旗
    セッション開始から約20分後、キャデラックのセルジオ・ペレスが初めてピットを離れた直後にトラブルに見舞われた。

    ペレスはピット出口からターン2へ向かう途中でマシン後部を大きく振られ、そのまま減速してコース脇に停止。リア周辺から煙が上がり、赤旗が提示された。

    「エンジンを失った。それに強烈なブレーキがかかった。リアのブレーキが燃えているように見える」

    ペレスは無線でそう報告した。F1 TVの解説を務める元F1ドライバーのジョリオン・パーマーは、リアブレーキが固着し、リアアクスルがロックした可能性を指摘した。

    「リアアクスルのブレーキから煙が出ている。ピットを出てすぐに止まった。リアブレーキが固着したように見える。回転数が落ち、リアアクスルがロックしたため、クラッチを切ったのだと思う」

    ペレスのマシンが回収された後、セッションは残り約34分で再開された。ペレスはタイムを記録できず、そのままFP3を終えた。

    ベルギーGP セルジオ・ペレス

    アストンマーティン同士があわや接触
    赤旗中には、アストンマーティンの2台が接触寸前となった場面もリプレイで映し出された。

    前を走っていたストロールが、イン側にいたフェルナンド・アロンソに気づかないままコーナーへ進入。アロンソは激しくブレーキをロックさせて接触を回避したが、その際にマシンからボディワークの一部が飛散した。

    AMR26Bとも呼べる大幅改良型マシンでデータ収集を進めたいアストンマーティンにとって、同士討ち寸前の場面は避けたい出来事だった。

    ただし、金曜日に比べればマシンの挙動には改善が見られ、アロンソは一時11番手まで順位を上げた。最終的には他車のタイム更新によって17番手まで後退したが、改良型マシンがキャデラックやウィリアムズより一歩前に出た可能性を示した。


    メルセデスが復調 アントネッリが首位争いへ
    赤旗解除後、金曜日に苦戦していたメルセデス勢がようやく本格的な走行を開始した。

    ジョージ・ラッセルは最初の計測ラップでノリスに次ぐ2番手へ浮上。キミ・アントネッリはアウトラップで交通に引っかかり、タイヤを適正な作動温度に入れるため追加のウォームアップラップを選択した。

    アントネッリはその後、いったん6番手相当のタイムを記録したが、トラックリミット違反により抹消された。それでも再びアタックすると、ルクレールに次ぐ2番手へ上昇。ターン4の縁石にマシン底部を強く当てたため、チームにフロアの確認を求めた。

    終盤に入るとアントネッリは1分18秒254を記録して首位へ。金曜日はFP1をフレデリック・ベスティに譲った影響もあり、マシンへの適応に時間を要していたが、FP3終盤には一気に上位争いへ加わった。

    ただし、ラッセルはターン1で大きなロックアップを喫するなど、アントネッリほどスムーズにはまとめられなかった。最終的にラッセルは首位から0.602秒差の6番手となり、チームメイトには約0.47秒遅れた。

    フェラーリとノリスが終盤にタイムを更新
    残り15分を切ると、各車が2セット目のソフトタイヤを装着し、燃料を減らした本格的な予選シミュレーションに入った。

    アントネッリが1分18秒254で首位に立った直後、ノリスが1分18秒206をマークして0.048秒差でトップを奪回した。

    マックス・フェルスタッペンはノリスから0.450秒差の4番手にとどまり、ラッセルは6番手。レッドブルとメルセデスの一部には、まだ上位2チームとの差が残っていた。

    フェラーリ勢も新品ソフトタイヤでアタックを開始。ルクレールは首位に届かなかったものの、ハミルトンはセクター1でチームメイトを上回り、最終セクターもきれいにまとめて1分18秒056を記録した。

    ハミルトンはノリスを0.150秒上回ってトップに立ち、フェラーリによる全フリー走行制覇が現実味を帯びた。ハンガロリンクで通算9回のポールポジションを獲得しているハミルトンは、10回目のポールに向けて高い競争力を示した。

    しかし、ノリスは2周目のアタックでさらにタイムを短縮。最終コーナーでのスライドも抑え、1分17秒939を叩き出した。ハミルトンを0.117秒上回り、FP3のトップタイムを確定させた。

    フェラーリは低速区間で依然として強力
    ノリスは最終的に最速となったものの、セクターごとの比較ではフェラーリの強さも明確だった。

    F1 TVの実況を担当するアレックス・ジャックは、低速コーナーが連続する最終セクターについて「フェラーリはマシンのバランスとグリップを生かし、最終セクターで非常に大きな差を縮められる」と分析した。

    実際、ノリスのMCL40は最終セクターだけでハミルトンに約0.3秒を失っていた。それでも前半から中盤の高速区間で十分なアドバンテージを築き、総合タイムでは首位を守った。

    マクラーレンは過去2年間のハンガリーGPで勝利しており、ノリスは2025年大会の優勝者でもある。低速主体のハンガロリンクでもMCL40の総合力は高く、ノリス自身も自信を持ってマシンを走らせている様子だった。

    ピアストリとルクレールは4、5番手
    ルクレールは最初のソフトタイヤで一時トップに立ったものの、最終的にはノリスから0.352秒差の4番手となった。

    ピアストリは新品ソフトタイヤでタイムを縮めたが、ノリスには0.499秒届かず5番手。金曜日より差を縮めたものの、予選に向けてチームメイトのデータを確認する必要がありそうだ。

    ルクレールとピアストリ、ラッセルはそれぞれ上位3台のチームメイトに遅れ、4番手から6番手を占めた。特にラッセルはアントネッリから約0.5秒遅れており、ポール争いへ加わるにはセットアップやドライビングの改善が求められる。

    レッドブルは7、8番手に後退
    金曜日に比較的安定した走りを見せていたレッドブル・レーシングは、FP3では上位3チームから遅れを取った。

    フェルスタッペンは首位から0.717秒差の7番手。アタックラップで交通の影響も受け、完全にクリーンなラップをまとめることができなかった。

    ハジャーは1.004秒差の8番手。2セット目のソフトタイヤによるアタックではターン12でミスを犯し、最終セクターをまとめられずにラップを中断した。

    セッション終盤にはマシンについて「運転できない」と無線で訴える場面もあった。レッドブルは金曜日の時点ではフェラーリとマクラーレンに続く位置にいたが、FP3ではメルセデスにも先行を許した。

    ただし、両ドライバーとも完全なラップを記録できたわけではない。予選までに数十分のセットアップ調整を施し、数十分の1秒から数十分の数秒を取り戻せれば、ポール争いへ復帰する余地は残されている。

    ローソンが中団トップ アウディ勢もQ3候補
    中団グループでは、レーシングブルズのリアム・ローソンが首位から1.149秒差の9番手に入り、トップ4チームに続くベスト・オブ・ザ・レストを獲得した。

    レーシングブルズがハンガリーへ持ち込んだアップグレードは、金曜日に続いて機能している様子だった。ローソンはミディアムタイヤでの走行でも中団上位を維持し、ソフトタイヤでもQ3進出候補としての速さを示した。

    アウディのニコ・ヒュルケンベルグが1.221秒差の10番手、ガブリエル・ボルトレトが11番手。アウディはFP1で2台がトップ10入りし、FP2でもヒュルケンベルグが10番手に入っており、レーシングブルズとともに中団のQ3枠を争う構図が鮮明になった。

    リンドブラッドは残り約5分でようやくコースイン。限られた時間で2周のフライングラップを走り、13番手まで順位を上げた。ローソンからは約0.8秒遅れたが、パワーユニット交換の影響で大半を欠場したことを考えれば、貴重なタイムを記録した。

    アルピーヌは改善もQ3には不足
    アルピーヌはピエール・ガスリーが12番手、コラピントが14番手となった。

    ガスリーは赤旗直前にコースへ出たばかりで、再開後に本格的な走行を開始。最終的には首位から1.784秒差まで縮めた。

    コラピントはFP2でクラッシュし、さらにFP1もポール・アロンにマシンを譲っていたため、週末を通じて走行時間が不足している。その状況を考えれば14番手は一定の前進だったものの、Q3進出を争うレーシングブルズやアウディとはまだ大きな差がある。

    ベルギーGP アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    アストンマーティンはキャデラックとウィリアムズを上回る
    ハース勢はエステバン・オコンが15番手、オリバー・ベアマンが16番手。続いてアロンソが17番手、ストロールが18番手となった。

    アロンソはノリスから2.454秒差、ストロールは2.994秒差だった。順位だけを見れば上位争いには届いていないものの、大幅アップグレードを投入したアストンマーティンは、少なくともキャデラックとウィリアムズより前に位置した。

    ストロールはFP2を完全に欠場しており、改良型マシンでの走行経験が不足している。予選までにデータを精査し、アロンソのセットアップを参考にすることになりそうだ。

    バルテリ・ボッタスは19番手。ウィリアムズはカルロス・サインツJr.が20番手、アレクサンダー・アルボンが21番手となり、タイムを記録したドライバーのなかでは最後尾に沈んだ。

    4チームによるポール争いの可能性
    FP3の結果では、ノリス、ハミルトン、アントネッリの上位3台が0.129秒以内に収まった。ルクレールも0.352秒差につけており、フェラーリ、マクラーレン、メルセデスの3チームは明確にポール争いの射程圏内にいる。

    レッドブルは7、8番手に終わったものの、フェルスタッペンとハジャーはいずれも完全なラップをまとめられていない。予選でコンディションやトラックエボリューションが変化すれば、4チームが最前列を争う展開も十分に考えられる。

    ハンガロリンクは「壁のないモナコ」と表現されるほど予選順位が重要なサーキットであり、追い抜きも容易ではない。トップ3台の差がわずか0.129秒だったFP3を踏まえれば、ポールポジション争いは週末最大の見どころとなる。

    2026年F1ハンガリーGP フリー走行3回目結果
    1番手 ランド・ノリス(マクラーレン)1分17秒939
    2番手 ルイス・ハミルトン(フェラーリ)+0.117秒
    3番手 キミ・アントネッリ(メルセデス)+0.129秒
    4番手 シャルル・ルクレール(フェラーリ)+0.352秒
    5番手 オスカー・ピアストリ(マクラーレン)+0.499秒
    6番手 ジョージ・ラッセル(メルセデス)+0.602秒
    7番手 マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)+0.717秒
    8番手 アイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング)+1.004秒
    9番手 リアム・ローソン(レーシングブルズ)+1.149秒
    10番手 ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)+1.221秒
    11番手 ガブリエル・ボルトレト(アウディ)+1.399秒
    12番手 ピエール・ガスリー(アルピーヌ)+1.784秒
    13番手 アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)+1.956秒
    14番手 フランコ・コラピント(アルピーヌ)+2.116秒
    15番手 エステバン・オコン(ハース)+2.356秒
    16番手 オリバー・ベアマン(ハース)+2.373秒
    17番手 フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)+2.454秒
    18番手 ランス・ストロール(アストンマーティン)+2.994秒
    19番手 バルテリ・ボッタス(キャデラック)+3.360秒
    20番手 カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)+3.467秒
    21番手 アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)+3.574秒
    22番手 セルジオ・ペレス(キャデラック)タイムなし

    ノリスがフェラーリのフリー走行全セッション制覇を阻止した一方、ハミルトンとアントネッリも0.1秒台の差に迫った。予選ではノリス、ハミルトン、アントネッリ、ルクレールを中心に、復調を狙うレッドブル勢も加えた僅差のポール争いが予想される。

  • F1ハンガリーGP フリー走行3回目 結果・タイムシート:アロンソは2.4秒差で17番手

    F1ハンガリーGP フリー走行3回目 結果・タイムシート:アロンソは2.4秒差で17番手

    2026年F1ハンガリーGP フリー走行3回目の結果・タイムシート。7月25日(土)にハンガロリンクで2026年のF1世界選手権 第11戦 ハンガリーグランプリのフリープラクティスが行われた。

    トップタイムを記録したのはランド・ノリス(マクラーレン)。2番手にルイス・ハミルトン(フェラーリ)、3番手にアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)が続いた。アストンマーティン・ホンダは、フェルナンド・アロンソが17番手、ランス・ストロールが18番手だった。

    ■ ノリスがFP3最速 ハミルトンに0.117秒差
    ランド・ノリスが1分17秒939を記録し、F1ハンガリーGPのフリー走行3回目でトップに立った。2番手ルイス・ハミルトンとの差は0.117秒、3番手アンドレア・キミ・アントネッリとの差は0.129秒という僅差だった。マクラーレンは過去2年にわたってハンガリーGPを制しており、2025年の勝者ノリスは今週末も自信に満ちた走りを見せている。

    ■ ハミルトン2番手 フェラーリは最終セクターで速さ
    金曜FP2最速のハミルトンは、終盤の予選シミュレーションで一時トップに浮上したものの、最後はノリスに逆転されて2番手となった。フェラーリは特に最終セクターでバランスとグリップの良さを発揮しており、ハミルトンは自身10回目となるハンガロリンクでのポールポジションを狙える位置につけた。シャルル・ルクレールは0.352秒差の4番手だった。

    ■ アントネッリが3番手 メルセデスも上位争いに浮上
    アントネッリはセッション前半にトラフィックやトラックリミット違反で苦戦したが、終盤に1分18秒068を記録して3番手に浮上した。ノリスとの差はわずか0.129秒で、金曜日に精彩を欠いたメルセデスが予選を前に上位争いへ加わった。ジョージ・ラッセルは0.602秒差の6番手だった。

    ■ ピアストリ5番手 マクラーレン勢の差を縮小
    オスカー・ピアストリは2セット目のソフトタイヤで予選シミュレーションを行い、0.499秒差の5番手となった。FP1を欠場した影響もあり金曜日はノリスに後れを取っていたが、FP3では差を縮めた。マクラーレンは高温の路面でも速さを示し、予選に向けて有力候補の一角となった。

    ■ レッドブルはフェルスタッペン7番手 ハジャー8番手
    マックス・フェルスタッペンは0.717秒差の7番手、アイザック・ハジャーは1.004秒差の8番手だった。金曜日よりマシンの挙動は安定し、スライドやロックアップも減ったものの、フェラーリ、マクラーレン、メルセデスの上位勢には届かなかった。予選までにさらなる改善が必要な状況となっている。

    ■ ペレスのリアブレーキに異常 赤旗中断
    セルジオ・ペレスはセッション開始から約20分後に初めてコースへ出た直後、ターン2でマシンを止めた。リアから煙が上がり、本人は無線でエンジンを失ったことと、リアブレーキが燃えているようだと報告した。元F1ドライバーのジョリオン・パーマーは、リアブレーキが固着して後輪がロックした可能性を指摘しており、セッションは赤旗中断となった。ペレスはタイムを記録できず、1周のみで終えた。

    ■ アストンマーティン同士が接触寸前
    赤旗中断前には、ランス・ストロールとフェルナンド・アロンソが接触寸前となる場面もあった。前を走っていたストロールがアロンソの存在に気づかないままターンインし、アロンソは急ブレーキをかけて回避した。この際にアロンソのマシンからボディワークの一部が飛散した。アロンソは17番手、ストロールは18番手でセッションを終えた。

    ■ リンドブラッドはPU作業で走行わずか5周
    アービッド・リンドブラッドのマシンには、前夜にリアム・ローソン車で発生したものと似たパワーユニットの問題が見つかった。レーシングブルズは修復作業を続け、残り5分でようやくリンドブラッドをコースへ送り出した。走行はわずか5周にとどまったが、1分19秒895で13番手に入り、予選前に最低限のソフトタイヤ走行を確保した。

    ■ 路面温度52度 高温下で予選序列を確認
    FP3は晴天のもと、路面温度52度という金曜日を大きく上回る高温条件で行われた。序盤は燃料搭載量が異なっていたためタイム差を読みづらかったが、終盤に各車が2セット目のソフトタイヤを装着し、予選シミュレーションを実施した。上位3台は0.129秒以内、5番手までが0.499秒以内に収まり、予選はマクラーレン、フェラーリ、メルセデスによる接戦が予想される。

    F1 ハンガリーGP 2026年のF1世界選手権

    F1ハンガリーGP フリー走行3回目 結果・タイムシート

    順位 No ドライバー チーム タイム GAP LAP
    1 1 ランド・ノリス マクラーレン 1分17秒939   19
    2 44 ルイス・ハミルトン フェラーリ 1分18秒056 0.117 21
    3 12 アンドレア・キミ・アントネッリ メルセデス 1分18秒068 0.129 15
    4 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1分18秒291 0.352 23
    5 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン 1分18秒438 0.499 21
    6 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1分18秒541 0.602 17
    7 3 マックス・フェルスタッペン レッドブル 1分18秒656 0.717 13
    8 6 アイザック・ハジャー レッドブル 1分18秒943 1.004 16
    9 30 リアム・ローソン レーシングブルズ 1分19秒088 1.149 22
    10 27 ニコ・ヒュルケンベルグ アウディ 1分19秒160 1.221 23
    11 98 ガブリエル・ボルトレト アウディ 1分19秒338 1.399 21
    12 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ 1分19秒723 1.784 19
    13 41 アービッド・リンドブラッド レーシングブルズ 1分19秒895 1.956 5
    14 43 フランコ・コラピント アルピーヌ 1分20秒055 2.116 29
    15 31 エステバン・オコン ハース 1分20秒295 2.356 17
    16 87 オリバー・ベアマン ハース 1分20秒312 2.373 13
    17 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーティン 1分20秒393 2.454 17
    18 18 ランス・ストロール アストンマーティン 1分20秒933 2.994 20
    19 77 バルテリ・ボッタス キャデラック 1分21秒299 3.360 15
    20 55 カルロス・サインツJr. ウィリアムズ 1分21秒406 3.467 16
    21 23 アレクサンダー・アルボン ウィリアムズ 1分21秒513 3.574 12
    22 11 セルジオ・ペレス キャデラック ノータイム   1
  • セルジオ・ペレス キャデラックF1に謎のトラブル FP3序盤に赤旗の原因

    セルジオ・ペレス キャデラックF1に謎のトラブル FP3序盤に赤旗の原因

    F1ハンガリーGPのフリー走行3回目(FP3)で、キャデラックF1のセルジオ・ペレスが走行開始直後にマシントラブルに見舞われ、セッションは赤旗中断となった。

    ガレージで20分以上の作業を終えてコースインしたペレスだったが、わずか1コーナーを走っただけでマシン後部に異常が発生。辛うじてクラッシュを回避してマシンを停止させたが、原因は現時点で明らかになっていない。

    ガレージ作業直後に突然のトラブル
    セッション開始後、キャデラックF1はペレス車のリア周りの作業に追われ、約20分間ガレージから送り出せない状況が続いた。

    ようやくコースへ向かったペレスだったが、ハミルトン・コーナー(ターン2)へ向かう途中で突然マシン後部に重大な異常が発生。コントロールを失いかけながらも壁への接触は避け、そのままコース脇にマシンを止めた。

    この車両回収のため、セッションには赤旗が提示された。

    「エンジンを失った」 無線で異常を報告
    ペレスは無線で、突然の異変を次のように報告した。

    「エンジンを失った。ものすごいブレーキがかかった」

    続けて、「リアブレーキが燃えているように見える」と伝え、車両後部で深刻なトラブルが発生していることを示唆した。

    現時点で故障の原因は判明していないが、2026年シーズンのキャデラックF1はブレーキ温度の管理に苦しんでおり、今回のトラブルもその課題との関連が注目される。

    今回のアクシデントは予選を目前に控えたタイミングで発生しており、チームが短時間で原因を特定し、マシンを修復できるかが焦点となる。

  • F1ハンガリーGP初日分析:フェラーリ優勢 アストンマーティンも前進

    F1ハンガリーGP初日分析:フェラーリ優勢 アストンマーティンも前進

    F1ハンガリーGP初日のフリー走行では、フェラーリがライバルを圧倒する速さを披露した。ルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールがFP1とFP2を分け合ってトップタイムを記録し、予選シミュレーションでもロングランでも最速をマーク。ハンガロリンクとの高い相性を印象づけた。

    しかし、メルセデス、マクラーレン、レッドブル・レーシングはいずれも課題を抱えながらも改善の余地を残しており、土曜日に勢力図が変わる可能性は十分ある。

    一方、16項目ものアップグレードを投入したアストンマーティンも、期待どおりの前進を示し、今後へ向けて明るい材料を得た。

    フェラーリは予想以上の速さを披露
    フェラーリはハンガロリンクで速さを発揮すると予想されていたものの、初日終了時点でライバルに約0.5秒差をつけるほどの優位性を示すとは誰も予想していなかった。

    チーム代表フレデリック・バスールは、セッション後も冷静な姿勢を崩さなかった。

    「ここまでは順調だ。でも、ポールポジションを決めるのは金曜日ではないし、ましてやレースに勝つのも金曜日ではない」

    「週末をこういう形でスタートできたのは良いことだが、本当の勝負は明日だ。まったく違う展開になるだろう」

    ルクレールも手応えを認めつつ、まだ楽観視はしていない。

    「かなり良い一日だった。最初からクルマのフィーリングが良くて、すぐにパフォーマンスも出ていた。それはポジティブなことだ」

    「でも週末はまだ長い。金曜日から土曜日にかけて、ライバルは必ずパフォーマンスを上げてくる」

    「今季の僕たちは金曜日に出遅れることが多かった。それを考えれば良いスタートだったが、さらに改善するために努力を続けなければならない」

    データでもフェラーリの優位性は明確だった。低速コーナーではメルセデスに0.6秒以上、マクラーレンにも約0.25秒のアドバンテージを築き、中速コーナーではレッドブル・レーシングにわずかに譲るものの、予選シミュレーション、ロングランともに最速だった。

    ハンガリーGPで8勝を誇るハミルトンもFP2最速を記録し、理想ラップではさらに0.25秒以上タイムを短縮できる余地を残していた。

    ハンガリーGP 予選シミュレーション

    メルセデスとマクラーレンは巻き返しを狙う
    タイムシート上では苦戦したように見えるメルセデスだが、実際には判断材料が限られている。

    アンドレア・キミ・アントネッリはFP1をフレデリック・ベスティに譲ったため走行時間が少なく、FP2でも最初のソフトタイヤアタックは赤旗で中断。その後のアタックもブレーキングでタイヤをロックさせてしまい、本来の一発の速さを示せなかった。

    副チーム代表ブラッドリー・ロードはロングランには自信を見せた。

    「ロングランの内容はかなり励みになるものだった」

    「燃料を多く積んだ状態でソフトタイヤのペースは非常に良かった。一方で予選シミュレーションではタイヤを適正な作動領域に入れられなかったことが問題だったと考えている」

    ロングランデータではフェラーリとほぼ互角であり、低燃料時のセットアップを改善できれば予選でも十分に争える可能性がある。

    マクラーレンは予定どおり新アップグレードの半分を投入した。

    ランド・ノリスが新仕様、オスカー・ピアストリが旧仕様フロアで比較テストを実施し、レーシングディレクターのランディ・シンは期待どおりの効果を確認したという。

    「最近は予選でも決勝でもトップとの差が広がっていた。一度のアップグレードですべて埋められるとは思っていないが、その第一歩にはなったはずだ」

    実験用リアウイングもリザーブドライバーのレオ・フォルナローリがFP1で評価し、好感触を得た。週末は通常仕様に戻すものの、夏休み明け以降に再投入される予定だ。

    ハンガリーGP カーパフォーマンスハンガリーGP 理想ラップ

    レッドブルは課題 アストンマーティンは前進
    レッドブル・レーシングはFP1ではフェラーリに最も近い位置につけたが、FP2では苦戦した。

    マックス・フェルスタッペンとアイザック・ハジャーの両者がバランス不足を訴え、フェルスタッペンはシートの問題やダウンシフトの不具合にも悩まされた。

    テクニカルディレクターのピエール・ワシェは「シートの問題はまだ解決していない。ダウンシフトの問題についても対処しなければならない」と説明している。

    それでも中速コーナーでは依然として最速クラスの速さを持ち、予選シミュレーションでは2番手、ロングランでも3番手と優勝争いから脱落したわけではない。

    一方、大規模アップグレードを投入したアストンマーティンF1には明るい兆しが見えた。

    16項目もの改良によってAMR26はノーズからリヤまで大きく姿を変えた。ランス・ストロールはサスペンションのトラブルでFP2を欠場したものの、フェルナンド・アロンソはトラックリミットで抹消された自己ベストを含めれば、トップから約2.5秒差まで接近していた。

    エイドリアン・ニューウェイ率いる開発チームは今後もシャシー改良を続け、夏休み明けのオランダGPではホンダの新スペックPU投入も予定されている。

    アロンソはアップグレードの効果を高く評価した。

    「格段に良くなった。本当に格段に良くなった」

    「クルマが路面に吸い付くようになり、コーナーでグリップを把握しやすくなった。予測しやすく運転もしやすい。でも、まだ改善すべきことはたくさんある」

    「これはまだ第一歩に過ぎない。シャシーもエンジンもさらに性能を向上させる必要がある。ザントフォールトでは新しいエンジンが大きなテストになるだろう」

    「一歩ずつだが、確実に正しい方向へ進んでいる」

    フェラーリが主導権を握った初日だったが、メルセデスのロングラン、マクラーレンのアップグレード、レッドブル・レーシングの改善余地を考えれば、予選では勢力図が大きく変わる可能性も残されている。一方で、アストンマーティンF1は今季初めて本格アップグレードの効果を実感できる週末となり、後半戦へ向けて確かな希望を見いだした。

  • F1ハンガリーGP ハンガロリンクの路面剥離が問題化 FIAが夜間補修を実施

    F1ハンガリーGP ハンガロリンクの路面剥離が問題化 FIAが夜間補修を実施

    F1ハンガリーGP初日のフリー走行で、ハンガロリンクの路面コンディションが大きな話題となった。再舗装された区間でアスファルトの表面が傷み、各所でグリップ不足や路面の剥離が発生。ドライバーから不満の声が相次ぎ、FIA(国際自動車連盟)は金曜日夜に緊急補修を実施した。

    6月のF1モナコGPでは、最終コーナーで路面が剥離したことを受けて終盤に赤旗中断となった経緯があり、FIAは同様の事態を避けるため迅速に対応。

    ハンガリーGP残りのセッションでは、安全かつ安定した路面コンディションの維持が焦点となる。

    ラッセル「再舗装した区間の出来が良くない」
    金曜日のフリー走行では、多くのドライバーがブレーキングでロックアップやコースオフ、スライドを喫した。特にターン1、ターン12、ターン13では再舗装区間の影響が顕著だった。

    メルセデスのジョージ・ラッセルは、路面状態を厳しく評価した。

    「少し残念だ。ブダペストはドライブしていて一番楽しいサーキットのひとつだけど、コースの3分の1を再舗装した結果、残念ながら出来があまり良くない」

    「すごくバンピーだし、ターン1で多くのドライバーがロックアップしていた。最終コーナーでは路面が傷んでいる」

    「みんなコーナー中央を通るように走っていて、本来のクリッピングポイントを使えていない。それは少し奇妙な状況だ」

    ピアストリもグリップ不足を指摘
    マクラーレンのオスカー・ピアストリも、新たに舗装された区間のグリップ不足を問題視した。

    「新しく舗装された区間はグリップがあまり高くない。完全に崩れているわけではないけど、表面がかなり摩耗している」

    「今は本当に難しいサーキットになっている。僕自身はFP1を走れなかったこともあって、なおさら厳しい一日だった」

    FP2ではアルピーヌのフランコ・コラピントがターン12でコントロールを失いクラッシュ。再舗装区間で発生したアクシデントとして注目を集めた。

    F1 ハンガリーGP ハンガロリンク

    FIAが夜間に緊急補修 モナコの再発回避へ
    この問題は金曜日夜のドライバーズブリーフィングでも議題となった。

    その後、F1レースディレクターのルイ・マルケスをはじめとするFIA関係者がコースを詳細に点検し、ターン1を含む複数箇所で夜間補修を実施した。

    FIAは声明で次のように説明している。

    「コースを点検し、夜間に補修作業を実施した」

    「対応した箇所は2か所で、ひとつは通常の走行ライン上、もうひとつはオーバーテイク時に使用されるラインの右側だ」

    6月のモナコGPでは、最終コーナーで路面が剥離し、2件のクラッシュが発生したことで決勝終盤が赤旗中断となった。FIAは今回の補修によって同様の混乱を未然に防ぎ、ハンガリーGPを問題なく開催できることを期待している。

  • メルセデスF1 ハンガリーGP初日苦戦の原因を模索「一発の速さが足りない」

    メルセデスF1 ハンガリーGP初日苦戦の原因を模索「一発の速さが足りない」

    メルセデスF1は2026年F1ハンガリーGP初日のフリー走行で、フェラーリに対して明確な後れを取る結果となった。ジョージ・ラッセルはFP2を5番手で終えたものの、トップのルイス・ハミルトンから約1秒差。ランキング首位のアンドレア・キミ・アントネッリも予選シミュレーションをまとめ切れず13番手に沈んだ。

    今季ここまで全戦でポールポジションを獲得してきたメルセデスF1だが、ハンガロリンクでは一発の速さに苦戦。一方でロングランには手応えを得ており、チームは一晩でのセットアップ改善に期待を寄せている。

    フェラーリ優勢を認めたラッセル「かなり強い」
    ジョージ・ラッセルは、再舗装された路面や強い風の影響で、多くのドライバーが苦戦した一日だったと振り返った。

    「今日はみんなにとって少し奇妙な一日だったと思う」

    「ブダペストは運転していて素晴らしいサーキットだけど、コースの半分が再舗装された。かなりバンピーだし、最終コーナー付近では路面が崩れ始めている場所もあって、かなり独特なフィーリングになっている」

    ラッセルは、予選ペースには満足していない一方で、決勝を見据えたロングランには希望を見いだしている。

    「一発のペースは良くなかった。でもロングランはもっと競争力があった」

    「フェラーリが強そうだという事前の予想は、その通りになった。彼らは本当に、本当に強かった」

    さらに、今週末のハンガロリンクは例年以上にタイヤマネジメントが重要になると説明した。

    「今週末はまったく違う戦いになる。パワーユニットはこの短いコースでも非常に力強く、すべてのコーナー立ち上がりで350kWを使うからリアタイヤへの負荷が非常に大きい」

    「チームとしてやるべきことは多い。現時点ではフェラーリが全員より一歩リードしている」

    「キミも僕もクルマにはまったく満足していなかったし、改善できる余地はある。今日は風も非常に強く、その向きも変わっていくはずだから、それによって状況も大きく変わると思う」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    メルセデスF1の課題は予選一発の速さ
    副代表のブラッドリー・ロードは、最大の課題は低燃料時のパフォーマンスだと分析した。

    「問題はグリップ不足と、一発のバランス不足だ」

    「両ドライバーともフロントの反応を少し抑えて、このコースで理想となる穏やかなアンダーステアのバランスを探る必要があった」

    「ただ、その挙動はかなり不安定で扱いづらかった。新しい舗装も難しく、おそらく新品タイヤを最適な作動温度に入れられていなかったことが原因だろう」

    一方で、決勝シミュレーションは悲観する内容ではなかったという。

    「ロングランではかなり安定していたし、フェラーリやフェルスタッペン、マクラーレン勢とも十分戦えるペースだった」

    「つまりクルマ自体は悪くない領域にある。ただ、一発の速さを引き出すことができていない」

    全戦ポール継続へ「徹底的に原因を探る」
    メルセデスF1は今季ここまで全グランプリでポールポジションを獲得している。しかしロードは、その記録がハンガリーで途切れる可能性を認めながらも、最後まで改善を目指す姿勢を強調した。

    「ここまでどのサーキットでも競争力のあるクルマを用意できていた。そして全戦でポールポジションを獲得できた」

    「もちろん、こうした連続記録はいずれ終わるものかもしれない。しかし、それがハンガリーにならないよう全力を尽くす」

    「今夜はやるべきことが山積みだ。頭を悩ませることになるが、FP3までに大きな改善を見つけたい」

    また、シルバーストンやスパでラッセルを悩ませたストレートスピード不足については、すでに解決できたとの見解も示した。

    「今日は両マシンを同条件で比較できなかったので最終的な結論ではない」

    「それでも、問題は解消できたと確信している。もはやジョージのパフォーマンスを妨げる要因ではない」

    予選で本来の速さを取り戻せるかどうかが、メルセデスF1の連続ポール記録継続を左右することになりそうだ。

  • F1ハンガリーGP初日 ピレリ総括「2ストップ優勢の可能性」

    F1ハンガリーGP初日 ピレリ総括「2ストップ優勢の可能性」

    フェラーリがF1ハンガリーGP初日のフリー走行を支配した。フリー走行1回目(FP1)はシャルル・ルクレール、フリー走行2回目(FP2)はルイス・ハミルトンがトップタイムを記録し、ソフトタイヤ(C5)だけでなくミディアムタイヤ(C4)でも最速をマーク。

    タイヤサプライヤーのピレリは、現時点では決勝戦略について「依然として不確定要素が多い」としながらも、2ストップ戦略が優位となる可能性を示した。

    初日の走行では、路面グリップの低さやフロント左タイヤのグレイニングが確認された一方で、ソフトタイヤは優れたメカニカルグリップを発揮。予選ではタイヤのウォームアップとアタックラップのタイミングが重要な鍵になるとみられている。

    フェラーリがソフトとミディアムの両方で最速
    FP1では大半のドライバーがミディアムタイヤ(C4)で走行を開始し、キャデラック勢とアストンマーティン勢のみがハードタイヤ(C3)を装着した。

    セッション終盤、シャルル・ルクレールがソフトタイヤで1分19秒075を記録してトップタイムをマーク。さらにミディアムでも1分20秒287を記録し、両コンパウンドで最速となった。

    FP2ではチームメイトのルイス・ハミルトンがソフトタイヤで1分18秒729を記録して首位に立ち、ルクレール、ランド・ノリスが続いた。ハミルトンはミディアムタイヤでも1分19秒585を記録し、このセッションでも両コンパウンド最速となった。

    ロングランではアレクサンダー・アルボンがハードタイヤで26周を走破。ジョージ・ラッセルとバルテリ・ボッタスはミディアムで23周ずつ走行した。ソフトタイヤではルクレールが18周を走り、最も多くの周回を重ねた。

    初日の気温は約25℃、路面温度は最高46℃まで上昇し、予選もほぼ同様のコンディションが予想されている。

    F1 ハンガリーGP タイヤ

    ピレリ「現時点では2ストップが有利に見える」
    ピレリのチーフエンジニアを務めるシモーネ・ベラは、初日のデータから決勝戦略はまだ定まっていないと説明した。

    「各チームが今日のデータを解析した後で、より明確な状況が見えてくるだろう。しかし、最初の2時間のフリー走行を見る限り、日曜日のレースで何回ピットストップを行うかについては、まだ確信を持てる状況ではない」

    「6チームはハードタイヤを2セット残している一方で、それ以外のチームはすでに少なくとも1セットを使用している。これはハンガリーGPをどう戦うべきかについて、まだ各チームの見解が一致していないことを示している」

    ベラは、FP2で見られたタイヤの摩耗状況から、現時点では2ストップ戦略が有利と分析した。

    「ドライバーがよりプッシュしたFP2ではデグラデーションが大きく見られた。そのため現時点では、1ストップよりも2ストップ戦略のほうが有利になる可能性がある」

    「ただし、ハンガロリンクではオーバーテイクが難しいため、トラックポジションが依然として決定的な要素になることも考慮しなければならない」

    グレイニングとタイヤマネジメントが週末の鍵
    初日は路面グリップが全体的に低く、コンパウンドごとの特性にも違いが見られた。

    「路面グリップは一日を通して比較的低かった。ソフトタイヤは走り始めから優れたメカニカルグリップを発揮し、マシンの性能を最も引き出していた。一方でミディアムタイヤではフロント左タイヤにグレイニングが見られた」

    さらにベラは、ハンガロリンク特有のタイヤマネジメントについても言及した。

    「このサーキットではリアタイヤを保護することが非常に重要だ。同時にフロントタイヤの摩耗は避けられないが、週末を通して路面が改善されれば、その影響は徐々に小さくなっていくはずだ」

    「ソフトとミディアムの性能差は約0.8秒で、事前シミュレーションどおりだった。明日の予選ではコースが短いため、ウォームアップラップとアタックラップの最適なタイミングを見極めることが簡単ではないだろう」

    ハンガリーGP F1 セーフティカー

    新FIAセーフティカーもデビュー
    この日はFIAガレージで、新しい公式FIA F1セーフティカーとなるメルセデスAMG GT 63 PRO 4MATIC+も初披露された。

    この車両には専用開発されたピレリP Zero Rタイヤが装着されており、完全可変四輪駆動システムに最適化された専用コンパウンドとトレッドパターンを採用。ドライ性能だけでなくウェット路面での安定性も重視して開発された。

    開発ではバーチャル設計技術を活用し、メルセデスAMGと共同で最適化を実施。ニュルブルクリンクやナルドでベルント・マイランダーらセーフティカードライバーによるテストも行われ、一貫したグリップ性能と扱いやすさが高く評価された。

    初日を終えた時点ではフェラーリが一発の速さとロングランの両面で好印象を残した一方、タイヤのデグラデーションやトラックポジションを巡る戦略は依然として流動的だ。予選でのタイヤマネジメントと決勝の戦略判断が、ハンガリーGPの勝敗を大きく左右することになりそうだ。