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  • F1ハンガリーGP 記者会見 パート2:ルクレール、ローソン、ストロール

    F1ハンガリーGP 記者会見 パート2:ルクレール、ローソン、ストロール

    2025年F1第14戦ハンガリーGP木曜会見「パート2」には、リアム・ローソン(レーシングブルズ)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、ランス・ストロール(アストンマーティン)が出席。ルクレールはバスールとの長期契約を歓迎し、各ドライバーはシーズン前半戦を振り返るとともに、後半に向けた展望と開発への関与について語った。

    また、視界不良時のレース判断、カルチャー改革、フェラーリの内部体制、2026年新規則への取り組みなど、多岐にわたる話題が交わされた。

    終盤にはフェルナンド・アロンソの発言を受けて、チャンピオン争い外のドライバーのモチベーションについても意見が問われた。

    Q:ルクレール選手、今朝大きなニュースがありました。フレデリック・バスール代表がフェラーリと長期契約を結びました。この件についてどう思いますか?

    シャルル・ルクレール:本当にうれしいよ。サプライズというほどじゃないけど、やっぱりうれしい。ここ1か月くらい、いろいろ噂が飛び交っていたからね。公式に発表されたことが何より大事だし、とても良いニュースだと思ってる。

    Q:あなたはフレッド以前からチームにいますが、彼がこの30か月でフェラーリにもたらしたものは?

    ルクレール:他の時代と比較するつもりはないけど、フレッドは本当に素晴らしいビジョンを持っている。フェラーリで働く上で特に難しいのは、感情が日々の仕事にすごく関わってくること。イタリア人は本当に情熱的で、そこがフェラーリの特別なところでもあるけど、フレッドはその感情をうまく切り離して、どんなに外野が騒がしくても冷静にチームの現状を見極められる。それは本当に大事なことなんだ。あとは、ファクトリーの一人一人から最大限の力を引き出すのが本当にうまい。全部が組み合わさると、大きな差になる。

    Q:スパでは表彰台も獲得しました。今のマシンで安定して表彰台争いができると感じていますか?

    ルクレール:結果だけ見ればそう言えるね。この6戦で4回表彰台に上がってる。でも今の段階で「グリッド上で2番目に強いチームだ」とまでは言えないと思ってる。とはいえ、その方向に向かって前進はできているし、最近のアップグレードも前のチームとの差を詰める助けになってる。ただ、今週末に関しては正直分からない。僕にとってはこのブダペストが今季で一番苦手なサーキットだからね。今回はそのジンクスを打ち破りたい。

    Q:なぜハンガロリンクが苦手なのでしょうか?

    ルクレール:分からないんだよ。分かってたら対処できるんだけど。これまでここではあまり成功したことがない。たぶん僕のドライビングスタイルと合ってないんだと思う。ほかのサーキットよりも努力が必要な場所だけど、それはそれでいいと思ってる。

    Q:モナコではあれだけ強いのに、「壁のないモナコ」とも言われるこのコースが苦手というのは不思議ですね?

    ルクレール:もしかしたら「壁」がないのが原因かもね(笑)。でも正直、理由は分からない。それでも良い週末にできる自信はあるよ。どうなるか見てみよう。

    Q:ランス選手、ここでシーズン前半戦を振り返っていただけますか?13戦を終えて、3度のポイント獲得がありましたが、全体としてどんな印象でしょうか?

    ランス・ストロール:僕たちは自分たちが望むほど競争力がある状態じゃない、それは間違いないよ。チームとしてはもっと前のポジションで戦いたいし、毎週末もっと多くのポイントを取りたい。スパは僕たちにとって厳しい週末だった。単純に速さが足りなかった。今もシルバーストーンのファクトリーでは、マシンを速くするための開発が続けられてる。楽しいレースもあったし、ウェットのレースでチャンスを活かしてポイントを取れたのは良かったけど、もっと速くなりたい。

    Q:やはり、シルバーストンのような例外的なレースやウェットレースが、今のチームにとってのチャンスになると思いますか?

    ストロール:現時点では、そう感じるね。ドライの通常の週末でも、コースがマシンにすごく合っていて、すべてを最大限に引き出せれば1〜2ポイント取れるかもしれない。でも大抵の場合、今の僕らが何かを掴むには、そういう波乱含みの週末が必要になる。

    Q:マシンのパフォーマンスについて教えてください。スパでは新しいフロントウイングを投入しました。他にもアップデートがありましたが、ハンガロリンクはスパよりもパッケージに合うと思いますか?

    ストロール:分からないけど、そうであってほしいね。様子を見てみよう。

    Q:リアム選手、RBのアラン・パーメイン代表は、スパでのあなたのレースを「ほぼ完璧だった」と評しました。マシンの中ではどう感じていましたか?

    リアム・ローソン:正直に言えば、完璧だとは感じてなかった。ああいうコンディションではすごく難しいんだ。路面が変化してる中で、他のドライバーがスリックタイヤに履き替え始めたとき、僕の感覚ではまだ結構濡れてると感じてた。実際、僕たちはかなり早い段階でスリックに替えたんだけど、もしそのタイミングで僕に意見を聞かれてたら、「まだ早い」って言ってたと思う。それでもああいう展開の中ではうまくチャンスを活かせたし、最近はクルマの調子もすごくいい。どのサーキットでもフリー走行から感触が良くて、大きな問題もなかった。でも今は本当に僅差なんだ。スパの予選でも、2分近いラップタイムの中で、1〜2チームが0.1秒差で並んでるのを見ると、すごく拮抗してると感じるよ。

    Q:日曜のレースは、今年の中でも最も完成度の高い週末だったと思いますか?

    ローソン:どちらかというと、オーストリアの方が完璧だったと思う。予選も最大限に引き出せたし、決勝もそうだった。スパはクルマが速かったけど、予選は完璧じゃなかったし、決勝で取り返せた感じ。でも最近は全体的に安定してきていると思う。ただ、それでも2戦うまくいったくらいじゃ足りない。目標があるなら、毎週末こういう結果を出さなきゃいけない。

    Q:サマーブレイクのこのタイミングで、ここまでの2025年シーズンを振り返ると?

    ローソン:本当に忙しかった。とにかく慌ただしくて、特にシーズン序盤は思ってもみなかった展開の連続だった。最初はかなり不安定だったけど、今はだいぶ落ち着いてきたと思う。シーズンを通してスピードはあったし、ようやくそれが結果として現れるようになってきたのはうれしい。でも全体としては、もっとこういうレースを増やしていかないといけない。前半戦で2〜3戦良かっただけじゃ足りない。これからの後半戦では、週末ごとに細かい部分での積み重ねが結果に大きく影響する。だから毎週末、すべてを引き出すことに集中したい。

    記者からの質問

    Q:シャルル選手とリアム選手に質問です。ローラン・メキースについてですが、お二人は異なる立場で彼と働いた経験があります。人を動かし、関係性を築く力に長けた人物だと言われていますが、どんなふうに仕事をしていた印象ですか?

    ルクレール:僕が一緒に働いていたとき、ローランはまだチーム代表ではなかったけど、それでもチーム内でとても重要な立場にいた。彼は人の気持ちを理解する力がすごくて、僕が言葉にしなくてもどう感じているかを察してくれるんだ。そういう人はなかなかいないよ。彼がチーム代表になるのは当然だと思ってたし、実際にアルファタウリに行った時もうれしかった。今ではレッドブル・レーシングにいるけど、本当にふさわしいと思う。

    ローソン:シャルルが言った通りだね。ローランはまさに“人間味のある人”って感じで、チームに来た瞬間からすぐにリーダーシップを発揮していた。個人的にもよく話しかけてくれるし、僕にとってはすごく話しやすい存在だった。ドライバーに対しても、チーム全体に対してもすごくオープン。正直、僕がパドックで一番好きな人かもしれない。人間としても素晴らしいし、家族も素敵だし、本当に早朝から働くような人。努力家だし、彼が成功しているのは当然だと思うよ。

    Q:リアム選手、今週末はルーキードライバー特集をしています。前半戦を振り返るのではなく、後半戦に向けてどのエリアを重点的に改善・強化したいと考えていますか?

    ローソン:ひとつ挙げるなら、やっぱり予選かな。今は本当にグリッド全体が接近していて、たとえオーバーテイクが可能なコースでも、1周あたり0.1秒や0.2秒の差じゃ抜くのは難しい。だから、予選の順位がそのまま週末全体を左右するんだ。僕自身、調子が良かった週末は予選も良かった。逆に、週末が崩れた時は予選が平均的だった。クルマの状態を予選に向けて万全に仕上げて、そこから僕がすべてを引き出す。それが一番大事なポイントだと思ってる。

    Q:シャルル選手、昨冬はしばらく表舞台から離れていましたが、今季ここまでルイス・ハミルトンの前で走っていることに驚いていますか? それとも想定通り?

    ルクレール:正直に言うと、あまり期待はしてなかった。というのも、他のドライバーのデータを見ていても、「このコーナーで遅れてるのはドライバーのせいなのか、それともクルマの特性なのか」が常に不確かだから。だからこそ、実際に一緒のチームになって比べてみるのがすごく楽しみだった。今のところ、自分のパフォーマンスには満足してるし、このまま続けたい。もちろん、ルイスにとっては新しいチームだから、まだすべてを理解しきれていない部分もあると思う。だから判断するにはまだ早いけど、僕自身はいい感触を持っている。

    Q:ランス選手に質問です。2026年には新しい風洞、新PU、新レギュレーションが導入されますが、すでに来年以降のことを強く意識し始めていますか?

    ストロール:チームとしては、今はどこも2026年に向けた開発に注力してると思う。新しいレギュレーションはすべてのチームにとって大きなチャンスだからね。僕たちにとってもすごくエキサイティングな時期だよ。新しい風洞やシミュレーターが使えるようになったし、多くの人材も加わった。エイドリアン(・ニューウェイ)も加入する。メルボルンの初戦で自分たちの立ち位置がどうなるかは誰にも分からないけど、今はそこに向けて全力で取り組んでいるところだよ。

    Q:シャルル選手、チームのトップマネジメントにおける安定性は、あなたにとってどのくらい重要ですか?

    ルクレール:僕が決定権を持ってるわけじゃないけど、安定性はすごく大事だと思ってる。フレッドは僕たちが頼りにしているリーダーだし、彼が今後もチームにいてくれるのはとても良いことだよ。F1というのは、特に強いチームを築くには時間がかかる世界だから、彼と長く一緒にいられるのはチームにとっても僕にとってもポジティブな要素だと思ってる。

    Q:ルクレール選手、ルイスは先週「フェラーリの改善のためにマラネロのエンジニアに文書を作成して送っている」と言っていましたが、あなた自身は開発にどう関与していますか?もし関わっていないとしたら、取り残される不安はありませんか?

    ルクレール:大丈夫、ちゃんと関わってるよ。僕は自分で文書を作ったりはしていないけど、マラネロに戻ったときには必ずチームとミーティングをして、次に何に取り組むべきかを一緒に話し合ってる。ドライバーごとにチームへのフィードバックの仕方は違うし、僕は僕なりのやり方をしてる。それがルイスとは違っていても、それで取り残されているという感覚はまったくない。しっかり関与してるよ。

    Q:シャルル選手、今のマシンが自分の能力に見合っていないという現状の中で、フレッドの存在は「いずれ戦えるクルマを得られる」と信じさせる材料になっていますか?

    ルクレール:もちろん、フレッドの存在も大きいけど、それ以上に「チームの働き方」を見て、正しい方向に進んでいると感じてるんだ。来年は新しいレギュレーションの導入で、チームにとっても大きな転機になる。こういうルール変更のタイミングで上手くスタートできないと、あとから追いつくのは本当に大変なんだ。だから来年はしっかりと“正しい一歩”を踏み出さないといけない。僕は今も全力でフェラーリを勝てるチームに戻すために集中しているし、それが実現できると信じている。

    Q:ルクレール選手、フレッドがフェラーリに来てからの3年間で、チームの文化に変化があったと思いますか?

    ルクレール:確実に変わった部分がある。フレッドの持つ“ビジョン”が一番の変化だと思う。それをチームに浸透させたことが大きい。フェラーリの美しさって、感情がとても強く表に出るところなんだけど、逆にそれが苦しい時にはマイナスにもなる。そんな中で、フレッドは常に冷静で、どんな状況でもチームが感情に流されすぎないように保ってくれる。英語で言うと“ルーシッド”——冷静沈着ってやつ。それをもたらしてくれたのが、フレッドだと思う。

    Q:ルクレール選手、今季のフェラーリには高い期待が集まりましたが、それがシーズン序盤の失望につながり、フレッドに対する噂も過熱したように思います。この点についてどう感じていますか?

    ルクレール:その通りだと思う。シーズン開幕時の期待がとても大きかったからこそ、現実とのギャップがあったときに、それが一層悪く見えてしまった。みんな「フェラーリがチャンピオンを獲る」と思っていたのに、そうならなかった。そうなると、あらゆる憶測が出てきて、それがどんどん膨らんでしまう。でも、そういったことは僕たちにはコントロールできない。フェラーリではいつも起きることだし、これからもそうだと思う。僕たちがやるべきことは、そういうノイズからできるだけ離れて、自分たちの仕事に集中すること。それが一番大切なんだ。

    Q:シャルル選手、今年のクルマは扱いが難しいにもかかわらず、すでに5回表彰台に上がっています。今のあなた自身のパフォーマンスはキャリアの中でもトップレベルだと感じていますか?

    ルクレール:自分自身のパフォーマンスには満足してるよ。でも「キャリア最高の瞬間か」と言われたら、それは違う。だって僕は勝ちたいからね。もちろん、常に改善したいとは思ってるし、たとえばシルバーストンの週末は自分としてもかなり悪かった。そういう週末は少なくしたい。それ以外ではかなり満足してるし、良い傾向だと思う。クルマのアップグレードによって、ドライバーである僕やルイスにとっての“扱いやすさ”も改善されてきた。それによって限界を引き出しやすくなったし、序盤のように極端なセッティングに頼る必要も減った。それがミスの減少にもつながってると思うし、結果にも表れてきている。

    Q:シャルル選手、フレッド・バスール代表はユーモアのある人物という印象があります。彼の人柄はフェラーリの雰囲気づくりにどんな影響を与えていますか?何か裏話があれば教えてください。

    ルクレール:確かにフレッドはすごく面白い人だよ。そのユーモアセンスがチームの雰囲気にも良い影響を与えていると思う。もちろん僕たちはプロフェッショナルとして仕事をしているけど、チームディナーのときなんかは本当に和やかで、まるで家族のような雰囲気になる。僕自身、フェラーリと一緒に育ってきたような感覚があるし、今もそこに居続けられることがうれしい。フレッドもその一員として完全に溶け込んでいるし、難しい状況でも彼のジョークが場を和らげてくれる。今回の契約延長は、本当に良いニュースだったよ。

    Q:シャルル選手、現在コンストラクターズ選手権でメルセデスと接戦ですが、2位で終えることにどれほどの意味があると考えていますか? 来季の風洞使用時間が減ることを考慮しても、やはり2位を狙うべきでしょうか?

    ルクレール:間違いなく、3位よりは2位の方がいいと思ってる。もちろん、2位になると風洞時間が少なくなるという側面はあるけど、レースをしてる以上は、トラック上で1つでも上を目指したい。それが自然な姿勢だよ。最終的に来年どれだけの開発時間が使えるかは、その結果次第だけど、それは後で対応すればいい。僕たちの目標は明確で、まずはレースで勝てるチームに戻ること。そのためにも、今は1戦1戦を大事にして、少しでも高い順位を目指す。それが何より大事だと思う。

    Q:シャルル選手、現時点でのクルマやアップグレードの理解を踏まえて、今後のカレンダーの中で「ここは自信がある」と思えるサーキットはありますか?

    ルクレール:正直、今の時点では「ここならマクラーレンより速い」と思えるサーキットはないかな。マクラーレンはどの週末でも安定して強い。レッドブルは週によって上下があるし、僕たちフェラーリやメルセデスも同じような状況だけど、マクラーレンだけは常に一定のパフォーマンスを出してる。だから今は、「ここなら勝てる」と思えるサーキットはないけど、逆にそう思ってなかった場所で驚けることを期待してるよ。

    Q:3人全員に質問です。フェルナンド・アロンソ選手が最近「今後シーズン後半は、チャンピオン争いをしているマクラーレンの2人以外にとっては退屈な時間になる」と発言していました。この見方に同意しますか?

    ストロール:確かに、マクラーレンの2人にとっては僕たちよりエキサイティングな展開になると思う。でも、どのレースでも何が起きるか分からないし、僕たちにもそれぞれの戦いがある。例えば僕たちにとっては、1ポイントでも獲得できたらそれは大きな成果だし、マクラーレンは毎週末勝利を目指して戦っている。それぞれ違う戦いがあるってことだよ。僕は毎週末を楽しみにしてるし、何が起きるか分からないから面白い。来年のことを考えると、すべてのチームにチャンスがある。そこが楽しみなところでもあるね。

    ルクレール:僕も同意するよ。でも「マクラーレンの2人以外は楽しめない」ってのはちょっと極端かな。僕たちにも戦いはある。もちろん、ワールドチャンピオン争いをしているとは言えないけど、僕たちはレースで再び勝つために努力している。そのために走るのはすごくモチベーションがあるし、早くそうなれることを願ってる。レースがある限り、やる気もあるし楽しみもあるよ。

    ローソン:2人が言ったことに同感だね。今の中団はすごく接戦だから、僕たちから見ても毎週末の展開がすごくエキサイティングなんだ。順位も、週末の流れ次第で大きく変わる。それぞれの立場で違った戦いがあるし、僕たちはその戦いに集中してる。だから、退屈という感じではないよ。

    Q:ランス選手に最後の質問です。あなたはF1の異なる世代のマシンでウェットレースを経験していますが、なぜ現在のマシンはここまで視界が悪いのでしょうか?2008年のような“名レース”はもう期待できないのでしょうか?

    ストロール:条件の話だよね?僕の印象では、マシンが大きくなって、タイヤも太くなってきたことで、スプレーが年々ひどくなってる。今は視界が一番の問題。特にクルマとタイヤが大きいせいで、巻き上げる水しぶきも大きくなってる。たとえばスパで、オー・ルージュを時速300キロで駆け上がるときに、何も見えない状態なんて、レースできる状況じゃない。昔より悪化しているかは分からないけど、スプレーと視界が最大の課題なのは確か。本当の意味でウェットレースを成立させるには、視界改善にもっと取り組む必要があると思う。

  • F1ハンガリーGP 記者会見 パート1:ピアストリ、オコン、ガスリー

    F1ハンガリーGP 記者会見 パート1:ピアストリ、オコン、ガスリー

    2025年F1第14戦ハンガリーGP木曜会見「パート1」には、選手権リーダーのオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、ハースのエステバン・オコン、アルピーヌのピエール・ガスリーが出席。前戦スパでの振り返りとともに、今季後半戦に向けた展望が語られた。

    視界不良によるレースコントロールの判断をめぐる議論にも及び、3人はそれぞれの立場から冷静に見解を共有。タイトル争い、チーム内の信頼関係、雨天時のリスク判断など、多岐にわたる話題が飛び出した。

    Q:スパでの走りは素晴らしかったですね、オスカー。オーバーテイク、タイヤマネジメント、プレッシャーへの対処——その中で最も満足したのは?

    オスカー・ピアストリ:いろんな要素が組み合わさってたと思う。特に1周目のオーバーテイクは勝利のカギになったと思ってるし、ローリングスタートだったことを考えると、スタートもかなり良かった。それが好位置につけられた理由だと思う。あとミディアムタイヤのマネジメントも重要だったね。週末全体を通してペースが良かったし、日曜以前の段階から手応えがあった週末だったよ。

    Q:そしてタイトル争いですが、現在3位のフェルスタッペンに81ポイント差。これはランド・ノリスとの一騎打ちと見ていいですか?

    ピアストリ:そうだと思うよ。ここ数週末は、常に僕とランドの争いになってるしね。今後の特定のサーキットでも、彼とはしっかり競り合うことになるだろう。もちろん、フェルスタッペンやフェラーリ、メルセデスが食い込んでくる可能性もあるけど、それは予測できない部分だ。僕自身はとにかく1戦1戦勝ちにいくだけ。ランドとは同じマシンに乗っているから当然彼が一番のライバルになるよ。

    Q:この週末のハンガリーは、ちょうど1年前にあなたが初優勝した地ですね。今回も二人の争いになりそうですか?

    ピアストリ:どうだろうね。チームとしてはこのサーキットは過去にも好成績を収めているし、僕が加入してからの2年間はいつも調子がいい。今回も強さを発揮できると思うよ。でも今年は、期待したほど優位に立てなかったサーキットもあるし、逆に意外と差を広げられた場所もある。何が起こるかは分からないけど、前方で戦えると思ってる。

    Q:エステバン、まずはスパを振り返りましょう。スプリントは良い結果でしたが、決勝は残念でした。日曜の戦略やタイヤ選択については何を学びましたか?

    エステバン・オコン:まず全体としてはポジティブな週末だったと思ってる。強いクルマがあって、ポイント圏内で戦える力があったし、それを金曜と土曜のスプリントでは最大限に活かせた。僕が5位、オリバーも7位で大量得点だった。ただ土曜の予選はうまくいかなかったし、決勝はさらに悪かった。我々には速いクルマがあるけど、それをきちんと活かせるように全部を揃える必要がある。今週末はそこを目指すよ。

    Q:アップデート以降、特に高速コーナーで好調なクルマですが、今週末はどうなりそうですか?

    オコン:問題なく競争力を発揮できると思う。僕自身も好きなサーキットだし、いい思い出もある。アップデート以降、明らかに一歩前進できているし、あとは正しいゾーンに入れるかどうかだ。予選が非常に重要になるから、そこで最大限を引き出す必要がある。あと、また雨が降るかもしれない。ここ2戦は戦略で最大限の結果が出せなかったから、今回こそはうまくやりたいね。

    Q:そしてこのハンガリーGPでシーズン前半が終わります。この新チームでの前半戦を自己評価すると?

    オコン:全体的に見れば、いい方向に進んでると思う。もちろんスムーズじゃない週末もあったけど、「これは完璧だった」と言える週末も何度かあった。学びも多かったし、開幕戦オーストラリアでは最後尾だったけど、そこからは本当に見事な巻き返しができたと思う。チームは難しい状況でも諦めずに反応してくれたし、そういう姿を見ると僕も誇らしい。今は中団が団子状態だから、1戦ごとの結果が年末に大きな差になる。常に全力で戦うよ。

    Q:ピエール、ここ2戦は好成績ですね。シルバーストンで6位、スパで10位。最近のクルマの進化についてはどう感じていますか?

    ピエール・ガスリー:確かに、ここ2戦は良い結果だった。天候が順位を少しシャッフルしたけど、僕らは正しい判断ができたし、持っているパッケージを最大限に活かすことができた。シルバーストンもスパも戦略が完璧だったし、チームとしての運用がうまくいってる。もちろん、もう少しパフォーマンスが欲しいけど、今は与えられたマシンでベストを尽くすだけだね。

    Q:あなた自身のパフォーマンスにも触れたいのですが、ここ2戦は特に素晴らしかったです。ご自身ではどう評価していますか?

    ガスリー:すごく満足してるよ。でもそれはチームが僕に自信を与えてくれるクルマを用意してくれているおかげだ。今季は厳しいシーズンだけど、みんなが一丸となって毎週末にベストを尽くそうとしている。結果が14位や12位でも満足できないけど、それでも毎回ベストを尽くす姿勢は変わらない。その積み重ねがシルバーストンの6位やスパの10位に繋がったんだと思う。後半戦も同じ気持ちで臨むよ。

    記者からの質問

    Q:ピエール、今あなたは選手権で最下位に位置しています。エンストンのチームがここまで下位に沈んだのはトールマン時代の1985年以来です。9月にスティーブ・ニールセンが新たなマネージングディレクター/チーム代表に就任しますが、最下位脱出のために彼がすべきことは何でしょうか?

    ガスリー:現実として、バルセロナ以降クルマの仕様は変わっておらず、今後もシーズン末まで同じ状態が続く。だから達成可能な目標については現実的になる必要があると思う。スティーブが9月に来てくれることは心強いけど、彼の影響が現れるのは2026年以降になるはずだ。今は2026年に向けてチーム全体が取り組んでいて、その方向性には手応えを感じている。来季以降、競争力あるマシンを用意してくれると信じている。今季の成績が悪いからといって、トラック上やファクトリーで悪い仕事をしているわけじゃない。中団が極端に拮抗している中で、我々は2026年に向けた決断をしており、それが今季の成績に影響しているだけだ。正直言えば、コンストラクターズで9位だろうが10位だろうが、実質的には何も変わらない。でもその分、来年表彰台や勝利、トップ5争いができるクルマを得られるなら、僕はそっちを選ぶ。

    Q:オスカー、昨年スプリントでの初優勝のあと「本物の勝利とは言えない」と話していました。でも現在の選手権ではスプリントがタイトル争いを左右する状況です。スプリントに対する姿勢は変わりましたか?

    ピアストリ:いまだにスプリント勝利は“本物”の勝利とは思ってないけど、重要ではある。今のチームの立ち位置だと、スプリントで得られるのは1ポイントや2ポイントで、それ以上のリスクを取る意味がない場面も多い。すごくうまくやっても大きな見返りはないけど、何か失敗すれば大きな代償を払うことになる。それでも、取れるポイントはすべて取っていくべきだし、普通のレースと同じようにベストを尽くしていくだけだよ。

    Q:スパの予選後、あなたは自分が最速でベストなドライバーだと今も思っているかと聞かれました。改めて、今季タイトルを獲れる自信はありますか?

    ピアストリ:自信はある。もちろん毎週末が完璧というわけじゃないけど、僕のキャリアでも完璧な週末なんてそう多くはない。大事なのは年間を通して安定した強さを保つことだと思ってる。ここ数戦、特にスパでのパフォーマンスにはかなり満足しているし、自分の力を発揮できていると感じてる。この調子を維持できれば、タイトル獲得も可能だと思ってるよ。でも簡単なことじゃないのは確かだね。

    Q:皆さんに質問です。スパ後、「なぜレースをしないのか?」という声がありました。セナやシューマッハが同じ状況ならどうしたかと語る人もいました。ドライバーとして、視界ゼロで走る危険と、観客が求める“ヒーロー的な走り”の境界線はどこにあると思いますか?

    ガスリー:正直に言えば、保守的過ぎた理由を説明するほうが、無理にレースさせて大事故が起きた後の説明よりはるかに楽だと思う。シルバーストンでも視界が悪くて他車に衝突する場面があったけど、あれはレースじゃない。我々はウェット路面でのドライビングを見せたいし、オーバーテイクもしたい。でもそれにはまず、前方が見えなければ話にならない。スパでは事前に「保守的になる」と明言されていたし、実際そうだった。過剰に保守的だったかもしれないけど、それを批判すべきだとは思わない。むしろ、どうやって適切な判断ラインを見つけるかを話し合っていくべき。FIAも改善しようとしているし、僕らドライバーもウェットで走るのは嫌いじゃない。でも視界が全くないままストレートで走るのは、事故を呼び込むだけ。今回の判断は説明できるものだったし、僕は間違っていたとは思わない。

    オコン:僕が初めてスパに行ったのは2012年で、グリッドのかなり後ろだった。あのときもウェットだったけど、まったく前が見えなかった。ちょうど今回のアイザックとキミの接触に似ていたね。僕は安全のために右に避けて視界を確保しようとしたんだけど、そのとき隣の車が初めて視界に入った。もし左に動いてたら、完全にぶつかってたと思うし、大怪我してたかもしれない。そんな状況は何度も経験してきたけど、まったく楽しくないよ。今回FIAが慎重な判断をしたのは正しかった。視界が2メートル先までしかない状態で走るなんて、事故のもとだよ。僕らはもうそんな犠牲を見たくない。

    ピアストリ:ピエールがよくまとめてくれたと思う。ここ数年、FIAには「どこまでが許容範囲か」というフィードバックを継続的に伝えてきた。テレビで見るより、車内からの視界はずっと悪いんだ。FIAは僕らの意見にしっかり耳を傾けてくれていて、それはありがたいことだと思ってる。むしろ「安全側に振ってくれ」と伝えてきたし、今回はその通りになった。もしスパで大事故が起きてたら、今ここにいる誰もが違う空気になってただろう。今後もFIAと調整を続けて、より良い判断にしていければいいね。

    Q:オスカー、タイトル争いにおいて、最も速いドライバーであることと、ミスを最小限に抑えることでは、どちらがより重要だと思いますか?

    ピアストリ:理想的には、どちらも必要だよ。どちらの主張にも一理ある。たとえば、すごく安定していても、毎回2位じゃあまり意味がない。やっぱり両方を備えていることが必要なんだ。今のグリッドのレベル、特に僕のチームメイトのレベルを考えたら、自分のベストを出し続ける必要がある。もちろん、それだけリスクもあるから、多少のミスは避けられない。でも、安全に行こうとしてペースを落としたら、それはそれで勝てない。だから、どちらも必要なんだ。

    Q:オスカー、あなたとランドのパフォーマンスの差は週末ごとに大きく変動しています。特にスパでは予選と決勝でその差が顕著でした。今後、シーズン後半のプレッシャーが高まる中で、二人の間でタイトルを分ける決定的な要素は何だと思いますか?

    ピアストリ:正直言って、答えはさっきと似てるよ。シーズン終盤でも、勝つために必要なのはシーズン序盤と同じ。つまり、周りの誰よりも速くて、ミスを最小限に抑えること。それが変わることはない。毎回安定していても、ランドに毎回負けてたらチャンピオンにはなれない。速さと安定性のバランスを取らなきゃいけない。でも、僕らはロボットじゃないから、100%ノーミスで行くのは無理だ。だからこそ、ミスを減らすことに加えて、速さも絶対に必要になる。保守的すぎると結局やられるよ。

    Q:オスカー、マクラーレンにはかつて1988〜89年にセナとプロストの有名なチーム内タイトル争いがありました。チーム内でその歴史を参考にしたような話題はありましたか?たとえば、「ああならないようにしよう」など。

    ピアストリ:特別にその話題が出たわけじゃないよ。でも誰もがセナとプロストの歴史は知ってるし、ああいうライバル関係がどうなったかも分かってる。だからこそ、今のチーム文化を維持することの大切さは、改めて話さなくても自然と共有できてると思う。僕たちはこの強いパッケージを何年も維持したいと考えているし、そのためにチームにポジティブな雰囲気と自信を与えることが、速く走ること以外にできる貢献だと思ってる。だから、今は良い関係を維持することが大事なんだ。みんな、悪い方向に進む例は見てきてるからね。

    Q:では、マクラーレンのコンストラクターズタイトルが決まったあとに初めて自由に戦えるようになる、という意味ですか?

    ピアストリ:その質問の意図が完全には分からないけど、今シーズン最初から僕たちは自由に戦えてるよ。

    Q:皆さんに質問です。雨天時の視界の悪さについてですが、これは車両固有の問題だと思いますか?それとも他の方法で軽減できる余地があると思いますか?

    ガスリー:つまり「それは車両の問題か?」ってことだよね?今のクルマは、確かにスプレー(巻き上がり)がひどい。タイヤからのスプレーを減らすためにホイールカバーのような装備でテストが行われているけど、現時点でどう進んでいるかは分からない。でも、将来的にはスプレーを減らす工夫をしなきゃいけないのは確かだよね。スプレーが少なくなればウェットレースも成立するし。今のところ、視界が確保できればウェットタイヤの出番はなくなるし、それじゃ本末転倒。だからやっぱりこの問題に取り組む必要があるよ。

    Q:皆さんに質問です。ハンガロリンクには新しい施設が完成しました。新スタンドやピットビル、広いガレージなどがあります。印象は?

    ピアストリ:今のところ、座ってるこの場所以外あまり見てないけど、外から見た限りすごくきれいに見える。ファンがより良い体験をできるなら、それは素晴らしいことだよ。たった1年でここまで作ったのはすごいね。本当に大きな作業だったと思う。

    オコン:主催者がここまで短期間でやり遂げたのは本当にすごいと思う。あのグランドスタンドが決勝のときに満員になってるのを見るのが楽しみだよ。いつもこの場所はたくさんのファンがいるけど、それがさらに広がったのはいいことだし、ピット出口も広くなって出やすくなると思う。ホームストレートの再舗装部分はまだ見てないけど、パドックが去年とまったく違ってて、正直びっくりしたよ。

    ガスリー:とにかく美しいね。僕も同じ感想だよ。

    Q:エステバン、天候が4年前と似てくるかもしれませんが、あの日のようなパフォーマンスを今のマシンで再現できると思いますか?

    オコン:現実的に言えば、無理だね。それが正直な答え。もちろん、こういう天候ではチャンスが広がるけど、ここ2戦はそのチャンスをうまく活かせていない。今回はうまくいくかもしれないけど、バラエティ豊かな展開になりそうなのは間違いないね。ハンガリーでは毎年、何かしらドラマがあるからね。

    Q:オスカー、昨年はランドにアンダーカットされて、チームラジオでもいろいろやり取りがありました。でも彼がポジションを譲ってくれて勝利を手にしました。あの出来事は、チームメイトとしての自分にどんな影響を与えましたか?

    ピアストリ:チームの健全な関係性が現れた出来事だったと思うよ。ちょっと気まずい状況だったけど、どんな状況でもチームが正しい判断をしてくれるし、僕たちドライバー同士もその判断を尊重する信頼関係があるってことが示された。あれでチーム内の信頼がより強まったと思う。

    Q:最後にもう一つ。オスカー、去年のこの場所ではまだグランプリ未勝利でしたが、12か月後の今はチャンピオンシップリーダーです。あなたの中で、何が一番変わりましたか?

    ピアストリ:いろんな分野で少しずつ成長できたと思う。去年も、うまくいった週末ではレースに勝てるだけの力があると感じてたけど、平均的な日や悪い日が多かった。でも今年は、そういった“良い日”がすごく増えた。それが一番の違いだと思う。特定のひとつの分野というより、複数の点を見直して改善した。その結果、自分が発揮できるベストにより近づけている。そこが一番の変化かな。

  • フェルナンド・アロンソ 背中の筋肉負傷でF1ハンガリーGPのFP1を欠場

    フェルナンド・アロンソ 背中の筋肉負傷でF1ハンガリーGPのFP1を欠場

    アストンマーティンF1チームは、フェルナンド・アロンソが背中の筋肉の負傷により、今週末のF1ハンガリーGP金曜フリー走行1回目(FP1)を欠場すると発表した。

    アロンソは木曜日のメディア対応とレース前の準備のため、22年前に自身がF1初優勝を飾ったブダペストの会場ハンガロリンクに姿を見せていた。

    しかし、金曜の走行開始を前にチームから発表された声明によれば、スペイン人ドライバーは「継続している負傷」のためFP1には参加しないという。

    代わってアストンマーティンのリザーブ兼テストドライバーでF2王者経験者のフェリペ・ドルゴヴィッチがアロンソの代役としてFP1に出走し、ランス・ストロールとともに走行を担当する予定だ。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチームアストンマーティンのリザーブドライバー、フェリペ・ドルゴヴィッチがアロンソの代役としてFP1に出走

    アストンマーティンの声明は以下のように述べている。

    「ベルギーGP後、フェルナンド・アロンソは背中の筋肉に負った負傷への対処を続けてきた。今朝も治療を継続しているため、彼はFP1を欠場することを選択した。FP1ではフェリペ・ドルゴヴィッチがランス・ストロールとともに出走する」

    「FP2以降の出場可否については、今後の状況を見て判断する予定だ」

    F1ハンガリーGPのFP1は、現地時間13時30分(日本時間20時30分)に開始される予定となっている。

  • 角田裕毅 レッドブルF1残留の保証なしも前進に手応え「しっかり走るだけ」

    角田裕毅 レッドブルF1残留の保証なしも前進に手応え「しっかり走るだけ」

    レッドブルF1チームに加入して以降、角田裕毅の将来は不確かなままだ。しかし先週のベルギーGP(スパ)では、前向きな兆しがいくつか見られた。

    「正直なところ、自分が何を間違っているのか分からないんです。もっと深く見ていく必要があって。本当に、どうしてこんなに遅いのか理由を見つけるのが難しくて…」

    これは今月初めのオーストリアGPで最下位に終わった後、角田裕毅が語った言葉だ。それまで日本人ドライバーは、マイアミのスプリントで6位に入るなど速さの片鱗を見せていたが、昨年スズカでリアム・ローソンの代役としてレッドブル入りして以降、グランプリでの最高位は9位にとどまっていた。

    同期間にチームメイトで現チャンピオンのマックス・フェルスタッペンは、2勝と2位2回を記録していた。

    これは角田裕毅本人にとっても、そしてレッドブルにとっても厳しい現実だった。シーズン序盤にレーシングブルズで好調を示していたこともあり、データ上でも25歳の角田裕毅が速さを持っていることは明白だった。にもかかわらず、結果には結びついていなかった。

    当然、レッドブルのセカンドシートが“回転ドア”のようになっている現状では、角田裕毅の将来に疑問符がつくのも無理はない。

    しかし、ファンにとって救いなのは、角田裕毅が気持ちを切らさずに前を向いていることだ。これは部分的には、チーム上層部からシーズン終了までの起用が保証されていることも影響している。

    スパでのレッドブルのエンジニアリング・ハット裏のテラスで、角田裕毅は落ち着いた様子でこう語った。

    「毎レースごとに進歩してるって自信を持って言えます。ただ、まだ自分が求めている結果には届いていないですし、そこは悔しいですね」

    「もちろん改善できる部分はあるんですけど、間違ったことをしているとは思ってないです。ちょっとしたところをもっと良くできればと思いますけど、それも学びの一つですよね。今やっていることをしっかり継続していくのが大事だと思っています」

    「毎レースで新しいことを学べていて、特にマックスからはすごく多くのことを吸収できてます。毎回のレースで、今の自分にあるパフォーマンスに少しずつ積み上げていく形で良くなってきてますし、調子は悪くないです」

    「あとはそれらをもっと正確にまとめていくことと、自信をしっかり持って取り組んでいくことが必要ですね。自信も少しずつついてきてますけど、F1はやっぱり簡単じゃないので」

    角田裕毅 レッドブル F1 レッドブル・レーシング

    メキース新代表との再会も追い風に
    角田裕毅にとってもう一つの追い風となっているのが、新たにレッドブルのチーム代表に就任したローラン・メキースの存在だ。

    メキースは、角田裕毅が昨年から今年前半まで所属していたレーシングブルズ時代のボスでもあり、両者の関係はサーキット内外で非常に良好だった。

    「本当に大きな出来事でした。まさか来るとは思ってなかったので驚きましたね。今年の最初の数戦と、去年1年を通して一緒に仕事してましたけど、本当にナイスガイです」

    「彼はいつも僕のところに来てくれて、フィードバックを聞いてくれたり、どうやったらクルマを良くできるかを一緒に考えてくれていました。本当に楽しい時間だったんですよ」

    「そういう関わり方ができたからこそ、チームとしても良くなっていったと思ってます。もう一度一緒に仕事できるのが楽しみですし、彼ならきっといい方向に導いてくれると思います」

    「このチームにはしっかりとしたDNAがあると思ってます。過去にこのチームが強かったのも、それがあったからだと思いますし、そこを変える必要はないです。彼の新しい視点でさらに良くなっていけると思ってます」

    初の“フェルスタッペン仕様”で予選7番手
    もう一つの好材料は、スパでスプリントと予選の間に新しいフロアを投入したことだ。

    フェルスタッペンと同仕様のこの新型フロアは、練習走行なしでセットアップも大きく変わった状態で導入されたが、角田裕毅はそれを乗りこなし、予選7番手という自身のレッドブル加入後ベストリザルトを記録した。

    決勝ではピットインのタイミングに関するチームのミス(チーム側も非を認めている)によってポイント圏内から脱落してしまったが、角田裕毅自身は「フィーリングが良くなった」と語っている。

    「今の目標は明確で、Q3進出とポイント獲得ですね。毎回ポイント圏内に入ることが、今のはっきりした目標になってます」

    来季以降もレッドブルに残るためには、最低限それを続けていく必要がある。2026年にはレッドブルが初の自社製パワーユニットを搭載するだけに、チームとしても着実なラインアップを求めるはずだ。

    角田裕毅は、自身の将来についての話はまだ聞いていないという。

    「まだそういう話は来てないんです。どうなるかは分からないですけど、今は目の前のレースに集中して、できる限りのパフォーマンスを出していくだけですね」

    「いい流れがつかめれば、自然と結果もついてくると思ってますし、僕にできることはしっかり走ることだけなので」

  • マックス・フェルスタッペン F1木曜会見「ソープオペラは終わりにしてほしい」

    マックス・フェルスタッペン F1木曜会見「ソープオペラは終わりにしてほしい」

    マックス・フェルスタッペンがF1夏休みを前に2026年もレッドブルに残留する意向を明確にした。これまで本人の口からの明言は避けられてきたが、度重なる憶測を一蹴するかたちで、ようやく沈黙を破った。

    一部ではメルセデス移籍の可能性も取り沙汰されていたが、フェルスタッペンは「自分の中では最初から明確だった」と語り、噂を“ソープオペラ”と皮肉ったうえで、「ドラマには関わりたくない」と語った。2026年もレッドブルにとどまる意志をはっきりと示した形だ。

    「僕の契約はレッドブルと長期だから、特に発表する必要はないんだけど……みんな休暇に入る前に“トト(・ヴォルフ)の船とどっちが遠くにあるか”なんて確認しなくていいでしょ? そういうのは本来どうでもいいはずなんだけど、毎年シーズンを通してあまりに多くの人があれこれ言い続けるからね」とフェルスタッペンは語った。

    「本当に話すべき人間っていうのは僕だけなんだけど、僕はあえてそれをしない。だって、意味がないから。何かを投げ合うようなことをしてもしょうがないし、それは本来みんな同じであるべきなんだよ」

    「鍋をずっと見ていたい人もいるし、ドラマを作るのが好きな人もいる。でも僕にとっては、誰かと“仕事上の関係”がないなら、それはもう明確なことなんだ」

    「だから、この数週間の“ソープオペラ”をそろそろ終わりにしてもらっていい? 僕はオペラなんてやってないし、そもそもオペラは好きじゃない。ただ休暇に行って、いい時間を過ごしたいだけ。F1に来て、ベストを尽くして、レースして、家に帰る。それだけさ」

    「僕の中ではずっと明確だったし、来年についても自分がどこにいるかは完全に明確だ」

    マックス・フェルスタッペン レッドブル・レーシング F1

  • シャルル・ルクレール バスールのフェラーリF1代表続投は「僕にとっても朗報」

    シャルル・ルクレール バスールのフェラーリF1代表続投は「僕にとっても朗報」

    シャルル・ルクレールは、2025年F1第14戦ハンガリーGPの木曜記者会見で、スクーデリア・フェラーリとフレデリック・バスール代表の契約延長について問われ、「本当に、本当に嬉しい」と笑顔を見せた。

    「驚きというより、やっと公式に発表されたことが嬉しい。ここ1カ月くらいチームをめぐっていろんな噂が飛び交っていたから、ようやく公式のニュースが出たことは重要だし、本当に嬉しい」とルクレールは語った。

    ルクレールがフェラーリに加入したのは2019年。以来、何人ものチーム代表の下でレースをしてきたが、バスール体制となってからは今季で2年目を迎える。そうした経験を踏まえ、ルクレールはバスールのリーダーシップに特有の強みがあると語る。

    「フェラーリというチームは、日常業務の中に“感情”が強く入り込むんだ。イタリア人はとても情熱的だからね。それがフェラーリを特別にしている要素の一つでもある。でも、フレッドは常に冷静で、周囲の雑音に左右されず、今のチームの立ち位置を正確に見極める視野を持っている。これは本当に重要なことだと思う」

    さらに、「彼の素晴らしい点は、ファクトリーの全員から最大限の力を引き出せること。すべてが揃うと、それが大きな違いを生む」と続けた。

    ルクレールは「安定性の重要性」にも言及する。

    「F1では、何かを築くには時間がかかる。とくに成功するチームをつくるにはね。そういう意味でも、フレッドが今後もチームを率いていくことはとても大きな意味がある。僕にとっても朗報だよ」

    フェラーリが文化的に変化したかどうかという問いに対しても、「彼は明確なビジョンを持っていて、それをチームに浸透させた。困難なときほど“冷静さ”が必要だけど、フレッドは常に冷静で、チーム全体が少しずつそれを身につけてきた」と内面的な変化を強調した。

    記者からは、ルイス・ハミルトンが「マラネロの開発チームに自身で資料を作って送っている」と語ったことについて、「自分は同じような資料は作っていないけど、マラネロに戻れば必ずミーティングをして、チームと一緒に次に取り組むべきことを確認している。それぞれのドライバーに合ったフィードバックのやり方があるんだ」と説明した。

    また、自身のパフォーマンスについて問われると、こう振り返った。

    「自分のパフォーマンスにはとても満足している。でも、ベストの瞬間かと言われたら、違う。僕は勝ちたいからね。ただ、アップグレードが進んで、マシンのセットアップも極端な方向に振らずに済むようになった。シーズン序盤はかなり極端なセットアップにしていたけど、今はもっと扱いやすくなって、ドライバーとして最大限を引き出せるようになってきたと思う」

    最後に、後半戦でフェラーリが得意とするサーキットがあるかと問われると、慎重な姿勢を崩さなかった。

    「今の時点で“ここがマクラーレンより速い”と言えるサーキットは正直ない。でも、驚かされる展開を期待してるよ」

    記者会見では他にも多くの質問がルクレールに集中した。コンストラクターズランキングでメルセデスとの接戦を演じる中、「2位で終えるのはもちろん重要。でも、我々が本当に狙っているのはレースで再び勝つこと。そのために前進し続ける」と力強く締めくくった。

    F1では現在、FIAがホイールカバーなどスプレー低減デバイスのテストを継続しているが、実戦投入にはまだ至っていない。ドライバーたちの声は共通しており、視界の確保がなければ、今後も“走れないレース”が続くという危機感が漂っている。

    今週末のハンガリーGPでは、天候が崩れる可能性もある。果たしてFIAとドライバーの間で得られたフィードバックが、次なる判断にどう生かされるか注目される。

  • 2025年F1 ハンガリーGP展望:ピアストリが首位固め狙う夏休み前決戦

    2025年F1 ハンガリーGP展望:ピアストリが首位固め狙う夏休み前決戦

    F1は今週末、ハンガリーGPで前半戦の締めくくりを迎える。2連戦の最後であり、8月のサマーブレイク前のラストレースとなるブダペスト決戦には、選手権争いの行方を左右する重要な意味がある。

    特に注目は、前戦スパで今季6勝目を挙げたオスカー・ピアストリと、16ポイント差で追うランド・ノリスのマクラーレン勢による直接対決。勢いを保って休みに入るか、それとも巻き返しの流れを掴むか──両者にとって大きな分岐点となる週末が待っている。

    勢いを持って休みに入れるか?
    オスカー・ピアストリは、F1初勝利を挙げたハンガロリンクに16ポイントのリードを持って戻ってくる。前戦スパでは見事な勝利を飾り、マクラーレンのチームメイト、ランド・ノリスとのタイトル争いにおいて優位に立った。

    この勝利は4戦ぶりで、オーストリアとイギリスで連勝したノリスに一時は1桁差まで詰め寄られていたが、再び差を広げる形となった。

    今回のレース結果は8月いっぱい引きずることになるため、例年以上に大きな意味を持つ。ピアストリが再び勝てば、ノリスに対するリードは最大で23ポイントにまで広がり、実質1勝分の差を持って夏休みに入ることになる。

    一方でノリスが勝てば差は最大で9ポイントまで縮まり、逆襲の流れを作ることができる。今季のタイトル争いは今後も拮抗が続くと見られるが、今回の結果はしばらくの間その印象を決定づける。

    ハンガリーGP マクラーレン F1マクラーレンの2人は、夏休みに気持ちよく入るためにも勝利を狙っている

    ハミルトンとフェラーリはベルギーからの巻き返しを目指す

    ルイス・ハミルトンにとって、ベルギーGPの週末は厳しいものとなった。アップグレードされたフェラーリにまだ慣れておらず、予選ではスプリント・本戦ともにQ1敗退を喫した。

    スプリント予選でのスピンは新コンポーネントの設定ミスが一因とされ、土曜のQ1ではトラックリミット違反でベストタイムが抹消された。

    それでも決勝では素晴らしい巻き返しを見せ、ピットレーンスタートから7位まで浮上。新しいリアサスペンションなどアップグレードの理解が進んだことで、週末を通じてマシンとの一体感が増していったと語っている。

    同僚シャルル・ルクレールもスパで表彰台を獲得しており、チーム代表のフレデリック・バスールとともに「新しいセットアップの理解が進んでいる」と自信を示している。ハンガリーではその成果が問われる。

    ハンガリーグランプリ F1 ルイス・ハミルトンハミルトンはベルギーでの苦戦を乗り越え、ハンガリーでの上位進出を狙う

    アントネッリは自信回復を目指す

    ハミルトンが巻き返した一方で、彼の代役としてメルセデスに乗るキミ・アントネッリは厳しい週末となった。予選は2回ともQ1敗退、決勝も16位に終わったが、ファステストラップは記録した。

    本人も「最近は自信を失っている」と認めており、特にベルギーの土曜日はそれが顕著だったという。ただし決勝では、より高ダウンフォース仕様のウイングを装着したことでフィーリングが改善され、一定の手応えを得ている。

    ハンガリーでは3回のフリー走行がある通常フォーマットの週末となるため、リズムを掴んで予選でのパフォーマンス改善を目指す。

    ハンガリーGP F1 アンドレア・キミ・アントネッリ連戦で苦戦が続くアントネッリ、自信回復なるか

    アルピーヌのコラピントは初ポイント獲得を目指す

    ピエール・ガスリーのチームメイトとしてアルピーヌに加入したフランコ・コラピントは、まだポイントを獲得できていない。前任のジャック・ドゥーハンと同様、ベストリザルトは13位止まりで、20ポイントすべてを稼いでいるのはガスリーだ。

    フラビオ・ブリアトーレ代表は、成績次第でドライバー交代も辞さない姿勢を見せており、コラピントにもプレッシャーがかかっている。

    アルピーヌの戦闘力が限られているとはいえ、片方のドライバーしかポイントを取れていない状況は危険信号。コラピントには週末を通して安定したパフォーマンスが求められる。

    彼にとってハンガリーは好相性のサーキットで、ジュニア時代には2度の表彰台を獲得している。今季初ポイントを手にできれば、夏休みを穏やかに迎えられるはずだ。

    ハンガリーグランプリ F1 フランコ・コラピント笑顔のコラピントだが、初ポイント獲得への重圧は増すばかり

    ハンガロリンクに新設備が完成

    昨年のハンガリーGPを観た人は、今年のレースで大きな変化に気づくだろう。ただしレイアウト自体は従来通りで、ドライバーにとってのコース攻略は変わらない。

    大きく変わったのは、メインストレート沿いの景観だ。サーキットは冬の間に旧ピットビルとグランドスタンドを取り壊し、最新の施設へと刷新した。

    完成した新しいピットビルとガレージは、チームや主催者にとって作業スペースが大幅に改善されたほか、新設の大スタンドはピットストレートの迫力ある眺望を提供する。

  • 角田裕毅 F1木曜会見「ポイントを取れた時だけ飲める特別なドリンクがある」

    角田裕毅 F1木曜会見「ポイントを取れた時だけ飲める特別なドリンクがある」

    角田裕毅は、前戦ベルギーGPの予選で新フロアの効果を最大限に活かし、自身初となる1セットのタイヤのみでのQ3進出を果たした。決勝ではピットタイミングの判断ミスによりポイントを逃す悔しい展開となったが、パフォーマンス面では前進を実感できる週末だったという。

    夏休み前ラストとなるハンガリーGPに向けては、確かな手応えとともにリベンジへの強い意欲を燃やす。

    「ポイントを取れたときだけ飲める特別なドリンクがある」と語る角田裕毅は、渇望する1杯のためにも、気持ちを新たに週末へ挑む。

    前回の予選は有望な内容でした。決勝ではうまくいかなかったものの、そこから得た手応えや自信は今週末に持ち越せそうですか?

    角田裕毅: はい、予選は本当に良いステップでした。新しいフロアのおかげで自分でも大きく前進できたと感じました。実際、1セットのタイヤだけでQ3に進出できたのは初めてで、それだけ進歩があったということだと思います。

    残念ながら決勝ではピットのタイミングを逃してしまって、ポイントを失いました。本当に悔しかったです。ただ、ポジティブな面としては、言ってくれた通りペースはしっかりありましたし、予選の内容も良かったので、今週末も同じように、あるいはそれ以上のパフォーマンスを出してポイントを取りたいです。

    最近ポイントを取れていないので、すごく飢えている感じです。特に夏休み前なのでなおさらです。実はポイントを取れたときだけ飲める特別なドリンクがあるんですけど、取れないと飲めないんです。もうそのドリンクが恋しいので、絶対に取りにいきます。

    角田裕毅 F1

    オンボード映像で、無線で「ボックス、ボックス」と言ったタイミングを見返しました。ちょうどピット入り口を過ぎた後でしたよね。あの瞬間が、ポイントを取れるかどうかの分かれ目だったように思えました。チームとはその後、あの件について話し合いましたか?

    角田裕毅:はい、本当に悔しかったです。ちょうどこの取材の直前にもエンジニアと一緒に振り返りをして、今後はどういうプロトコルでいくかという話をしました。特に今週のように変わりやすいコンディションでは、ああいうことを繰り返すわけにはいきません。

    通常、ドライラインはみんなが走る場所にできますが、オーバーテイクを狙うイン側はまだ濡れていることが多くて、簡単には抜けません。だからこそ、ピットのタイミングが非常に重要になるんです。もっとやれたことはあったと思いますし、実際、ピットインのコールは僕がピットエントリーを過ぎてから来たので、あの瞬間にすごくフラストレーションを感じました。

    数日はその思いを引きずりましたけど、今はだいぶ落ち着いています。でも、ああいうことは二度と起こさないようにしたいです。

  • メルセデスF1 両ドライバーが旧型サスペンションに回帰「自信を取り戻す」

    メルセデスF1 両ドライバーが旧型サスペンションに回帰「自信を取り戻す」

    メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリは、2025年F1ハンガリーGPで今季序盤に使用していた旧型サスペンションへ戻すことを明かした。これは、成績不振が続く中で自信を取り戻す試みとして行われる。

    シーズン序盤、アントネッリは6戦中5戦でポイントを獲得し、マイアミのスプリント予選ではポールポジションを獲得するなど順調な滑り出しを見せた。しかし、イモラで投入された新型サスペンション以降は不調が続き、直近7戦でわずか1度しか入賞していない。

    「カナダを除いて、あのサスペンションに変えてからずっと苦しんでた」とアントネッリは語る。「うまく適応できなかったし、自分のスタイルを貫こうとしていたけど、それが裏目に出たと思う」

    カナダGPではF1初表彰台を獲得したが、本人はそれも「サーキット特性が欧州の他のレースと異なっていたことによる例外」だと振り返る。

    ジョージ・ラッセルも同様に旧型サスペンションに戻す予定で、ハンガリーでのレースでは、マクラーレン勢に迫っていた開幕当初の感触を再現できるかが注目される。

    「僕のようなアグレッシブなドライビングスタイルには合わなかった。押せば押すほど、車がより予測不能になっていった」

    「限界付近で踏み込むには“信頼感”が必要。でも、そのサスペンションでは自信を持てなかった」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツアンドレア・キミ・アントネッリは、イモラ以降の不振からの脱却を目指し旧仕様サスペンションを再導入

    また、スパでの不振(スプリント・グランプリともにQ1敗退)を経て、大きな見直しが必要だと痛感したという。

    「特にスパの予選後、自分自身にハッキリ言い聞かせた。今のままでは本来の力を出せていないし、受け入れがたいことだけど、それを認めるのも重要なんだ」

    「悔しかった。でも、それが逆に自分を見つめ直し、さらに努力するきっかけになった」

    現在アントネッリはドライバーズ選手権で7位につけ、チームメイトのラッセルは4位。マクラーレンのランド・ノリスとオスカー・ピアストリがタイトル争いを繰り広げる中、アントネッリは再起を期してハンガリーの週末に挑む。

  • マックス・フェルスタッペン 2026年もレッドブルF1残留を明言「噂はもう終わり」

    マックス・フェルスタッペン 2026年もレッドブルF1残留を明言「噂はもう終わり」

    マックス・フェルスタッペンは、2026年のF1シーズンに向けてレッドブルへの全面的なコミットメントを正式に表明し、去就を巡る憶測に終止符を打った。

    フェルスタッペンには2028年末までの契約があるが、夏休み前の時点でランキングトップ3に入っていない場合に契約を解除できる条項があるとされており、近年メルセデスが獲得を画策しているとの噂も絶えなかった。しかし、ベルギーGPで4位に入ったことで、少なくとも今季中の離脱条件は無効となった。

    ハンガリーGPの週末を前にメディアの前に姿を見せたフェルスタッペンは、自らの進退に明確な答えを出した。

    「これまでこの件について特に何も言ってこなかったのは、チームと今後に向けたパフォーマンスの改善や来年に向けたアイデアについて話していたからだよ。だから付け加えることがなかった」とフェルスタッペンは語った。

    「でも、今こそ噂を完全に終わらせる時だと思う。僕としては最初から残留するのは明らかだったしね。

    チーム内でもそういう認識だったと思うよ。僕たちはずっとクルマに関するディスカッションをしていたし、もし残るつもりがなかったら、そういう話はしないはず。僕は一度もそういう態度を取ったことはないからね」

    なお、契約の解除条項は2026年シーズン前にも再び有効になると考えられているが、来年も同様の憶測が続くかどうかを問われると、フェルスタッペンはこう返した。

    「来年同じ質問をされたら、たぶんまたそうなるだろうね。でも僕は契約の中身についてはあまり話したくない。興味があるのはパフォーマンスの向上なんだ」

    マックス・フェルスタッペン レッドブル・レーシング契約解除条項の発動条件消滅、去就に関する憶測に終止符「最初から残るつもりだった」

    「2025年を完全に諦めるつもりはない」
    マクラーレンの支配的な強さにより、2025年のタイトル争いは厳しいという見方をフェルスタッペンは以前から示してきた。現在、ポイントリーダーのオスカー・ピアストリとは81ポイント差となっている。

    しかし、それでも2025年シーズンを完全に諦める考えはないという。

    「来年自分たちがどこにいるかなんて、誰にもわからない」と彼は語る。

    「現実的に見て、今年はマクラーレンと戦うのはかなり難しい。フェラーリやメルセデスと戦うだけでも大変なんだからね。

    それでも、クルマや挙動についてもっと学べることはたくさんある。今年のクルマと来年のクルマは違うけれど、エンジニアリングの観点で今年の学びを来年に活かせる部分はある。

    だから『今年はチャンピオン争いができないから、全部投げ出そう』なんて言うわけにはいかないよ」

    フェルスタッペンの残留表明により、今後はメルセデスがジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリとの契約更新交渉を本格化させることになる。両者の契約交渉は、フェルスタッペンの動向が固まるのを待って一時保留となっていた。