カテゴリー: ホンダF1

  • トロロッソ・ホンダ:2018年 F1スペインGP プレビュー

    トロロッソ・ホンダ:2018年 F1スペインGP プレビュー

    トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレー、そして、ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治が、2018年のF1世界選手権 第5戦 スペインGPにむけての意気込みを語った。

    ウインターテストの開催地でもあり、F1関係者にとっては馴染み深いカタロニア・サーキットで、ヨーロッパラウンドの幕が開く。テストで走り込んだ場所とはいえ、レースでは何が起こるか分からない。コンディションの変化も相まって、サプライズが起きる可能性もあるレースとなる。

    ピエール・ガスリー
    「バルセロナはF1に昇格する前からテストで頻繁に利用してきたので、今までに地球数周分は走っています。また、ユーロカップフォーミュラでチャンピオンを獲得し、2015年のテストで初めてF1マシンに乗ったサーキットでもあるので、いい思い出がある場所です。そして、ウインターテストでいい走りができていたので、今週末の決勝ではポイント獲得も可能だと思います。カタルニアでいい走りができればどのサーキットでもできると言われますが、カタルニア固有の特徴も多くあります。決勝でのオーバーテイクは難しいと思うので、予選が重要です。F1の予選は、1回のセッションでわずか2周ほどしかアタックすることができず、簡単ではありません。しかも、トラフィックなどで前を阻まれるとアタックのチャンスは1周のみになることもあり、そこで決めるしかありません。ただ、それが面白いところでもあると思っています。フランスから家族や友達が応援に来てくれる予定です。それによるプレッシャーは特に感じませんし走行後にはリラックスした時間を過ごせるでしょう。このような形で仲間からのサポートを得られるのが、ヨーロッパラウンドのいいところです」

    ブレンドン・ハートレー
    「バルセロナは全てのF1ドライバーにとって最も馴染みがあるサーキットなので、ライバルを出し抜くのは簡単ではありません。ただ、それもここでのチャレンジのひとつです。このサーキットは、テストはもちろん、多くのチームのシミュレーターでも使われているのですが、それはここが全ての要素を備えているからだと思います。走っていて楽しいですが、特に長い右コーナーは首に負担がかかり、身体的にもタフなサーキットです。オーバーテイクは簡単ではないので、予選がとても重要です。タイヤの性能を引き出せていなかった去年と比べると、今年の予選でのパフォーマンスには満足しています。マシンとタイヤに対する理解が日に日に増しているので、自信を持って予選に臨めます。燃料が減りタイヤが温まってマシンの性能を出し切ることができる予選は、週末の中でも楽しい時間です。F1マシンが真価を発揮する瞬間と言えるでしょう。トラクションが必要な最終セクターのためにリアタイヤを温存する必要があり、タイヤマネジメントがとても重要です。高速コーナーが続くコース序盤でリアタイヤを消耗しやすく、それが予選でのポイントになるでしょう」

    田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)
    「第5戦が行われるカタルニアサーキットは、2月にオフシーズンテストを行ったトラックで、その際は低温や雨、想定外の雪に見舞われました。一方で、今週末は比較的温かく、当時とは大きくコンディションが異なりますが、ウインターテストのデータとここ4戦で得たデータを活かし、セットアップを進めます。トラックレイアウトは高速コーナー、低速コーナー、それに比較的長いストレートの組み合わせで、バラエティーに富んでいます。先日のバクーではストレートでのスピード不足に苦戦しましたが、その後の分析によりエネルギーマネジメントの運用が大きく影響したことが分かっており、その経験をここスペインで活かすことができると考えています。オーバーテイクが難しいサーキットですので、予選でのパフォーマンスが重要となります。ベストな結果を得られるよう、チームと準備を進めます」

    関連:2018年 F1スペインGP テレビ放送時間&タイムスケジュール

  • ホンダF1 「スピード不足はエネルギーマネジメントの運用が影響していた」

    ホンダF1 「スピード不足はエネルギーマネジメントの運用が影響していた」

    ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治が、2018年のF1世界選手権 第5戦 スペインGPにむけての対策を語った。

    前戦アゼルバイジャンGPではブレンドン・ハートレーが10位入賞を果たしたものの、ストレートでのスピード不足に苦戦を強いられたトロロソ・ホンダ。ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治は、レース後の分析でエネルギーマネジメントの運用に原因があったことがわかったと語る。

    「第5戦が行われるカタルニアサーキットは、2月にオフシーズンテストを行ったトラックで、その際は低温や雨、想定外の雪に見舞われました。一方で、今週末は比較的温かく、当時とは大きくコンディションが異なりますが、ウインターテストのデータとここ4戦で得たデータを活かし、セットアップを進めます」と田辺豊治はコメント。

    「トラックレイアウトは高速コーナー、低速コーナー、それに比較的長いストレートの組み合わせで、バラエティーに富んでいます。先日のバクーではストレートでのスピード不足に苦戦しましたが、その後の分析によりエネルギーマネジメントの運用が大きく影響したことが分かっており、その経験をここスペインで活かすことができると考えています」

    「オーバーテイクが難しいサーキットですので、予選でのパフォーマンスが重要となります。ベストな結果を得られるよう、チームと準備を進めます」

    関連:2018年 F1スペインGP テレビ放送時間&タイムスケジュール

  • ホンダF1、レッドブルと組んでマクラーレンの二の舞を踏まないのか?

    ホンダF1、レッドブルと組んでマクラーレンの二の舞を踏まないのか?

    ホンダF1が、2019年からレッドブル・レーシングにF1パワーユニットを供給する可能性が高まっている。そこで最も心配なのはマクラーレン・ホンダ時代のような二の舞を踏まないかどうかだ。

    F1アゼルバイジャンGPの週末、ホンダF1が、2019年以降のF1パワーユニット供給についてレッドブル・レーシングとの交渉を正式に開始したことが明らかになった。その交渉は次戦F1スペインGPでもさらに続けられると報じられている。

    ホンダのF1パワーユニットはマクラーレンと組んだ3年間で信頼性とパフォーマンス不足が露呈し、昨シーズン限りでマクラーレンから三行半を突きつけられるかたちで契約を解消した。特にパートナーシップ後半はマクラーレンからの批判は辛辣さを増し、ホンダの評判は著しく低下した。ホンダは、マクラーレンへの“信用”を失うかたちとなった。

    レッドブル・レーシングも過去にダブルタイトルを獲得した強豪チーム。エンジンパートナーへの批判はマクラーレンに負けないものがある。

    しかし、2014年にV6ターボパワーユニットが導入されて以降、ルノーのエンジンのパフォーマンスと信頼性の低さは顕著となり、一旦レッドブル・レーシングとトロロッソは2015年シーズン限りで契約を打ち切ることを決定している。しかし、レッドブル・レーシングにエンジンを供給するメーカーは現れず、ルノーのエンジンに“タグホイヤー”のバッチをつけて搭載することで決着。一方、トロロッソは1年間、フェラーリの1年落ちのパワーユニットを搭載することを強いられている。さらに2016年にルノーがワークス復帰して以降、レッドブル・レーシングはカスタマー待遇となったことでその関係はさらに冷え切っている。

    今年、ホンダはトロロッソとのパートナーシップを開始し、良好な関係を築いている。中堅チームのトロロッソは、ホンダとのワークス関係を“これまでで最高の状況”だと喜んでおり、カスタマーではできなかった完全な設計プロセスにおいてホンダと協力体制を築けていることで、2019年F1マシンの開発においてモチベーションを高めている。

    だが、トロロッソはレッドブルの姉妹チーム。当然、ワークス契約を締結してはいるものの、ヒエラルキーでは2番手となるだろう。チーム代表のフランツ・トストも「それはレッドブル次第だ。我々は彼らの決定には関係していない」と覚悟はできているようだ。

    レッドブル・ホンダの提携は、マクラーレン・ホンダのようにホンダが資金を投入することはないと考えられているが、エンジンパートナー以上のより強力な提携になる可能性があると考えている。当然、レッドブル・レーシングは“勝てるパワーユニット”を求めてくるはずだ。しかも、F1復帰となったマクラーレン時代とは異なり、ホンダはすでに復帰後4シーズン目に突入しており、即戦力となるパワーユニットが求められる。

    トロロッソ・ホンダとしての初のプレシーズンテストではホンダのF1パワーユニットは見違えるほどの信頼性を発揮し、今シーズンへの期待をもたせたが、開幕戦ではMGU-Hの故障が発生。第2戦バーレーンGPこそピエール・ガスリーが4位入賞を果たしたものの、続く2戦では中団ではなく、下位グループに属していた。

    F1の競技規則では、F1のパワーユニット製造者は来シーズンにどのチームにパワーユニットを供給するかについて5月15日以前までにFIA(国際自動車連盟)に通知する必要があると記されているが、全パワーユニット製造者とFIAの間で書面で合意されれば、その最終期限を延長することができる。しかし、ルノーは、レッドブル・レーシングに2019年のF1エンジン契約に関してF1の競技規則で定められた5月15日という最終期限を延長する意向はないと明言。

    ホンダとルノーの両社は、6月のF1カナダGPでアップグレードの投入を予定しており、両方のエンジンが2019年にどれくらい競争力を発揮できるかが明確になるとみられているが、レッドブル・レーシングは、それらのデータを分析して決断を下す余裕はなくなった。

    レッドブル・レーシングが、ホンダを選んだ場合、それは今後のホンダのパワーユニット計画に対する“信用”で選ぶことになる。ホンダはマクラーレン時代の失敗を繰り返さずにそれに答えることができるのだろうか? 今週末のスペインGPでの交渉に注目が集まる。

  • トロロッソ・ホンダ、スペインGP後のテストにガスリー&ゲラエルを起用

    トロロッソ・ホンダ、スペインGP後のテストにガスリー&ゲラエルを起用

    トロロッソ・ホンダは、F1スペインGP後にカタロニア・サーキットで行われるインシーズンテストにピエール・ガスリーとショーン・ゲラエルを起用することを発表した。

    2018年のF1スペインGPでは2日間のインシーズンテストが2回予定されており、1回目のテストはF1スペインGP後の5月15日(火)・16日(水)にカタロニア・サーキットで行われる。

    インシーズンテストは計4日間のうちの2日間をレギュラードライバー以外の若手ドライバーの担当が義務付けられている。

    トロロッソ・ホンダは、F1スペインGP後のテストでピエール・ガスリーとともにF2ドライバーのジョーン・ゲラエルを起用することを発表。15日(火)にショーン・ゲラエル、16日(水)にピエール・ガスリーがテストを担当する。

    インドネシア出身のジョーン・ゲラエル(21歳)は、2017年からトロ・ロッソからテストに参加し、4回の金曜フリー走行に出走。2015年、シーズン中盤からGP2に参戦するゲラエルは、今年はプレマからF2に参戦。3年目のフル参戦を迎えている。

    ホンダには福住仁嶺、牧野任祐、松下信治という育成ドライバーがあり、トロロッソとコネクションがある。だが、二人ともF1参戦に必要なスーパーライセンスポイントを満たしておらず、松下信治以外はフリー走行に出走する条件も満たしていない。

    2018年からはフリー走行限定のスーパーライセンスの基準が厳格化されている。ドライバーはF2選手権で6戦以上レースをするか、過去3戦間で25点のスーパーライセンスポイントを獲得しなければならなくなる。

    また、これまでの2日間で300kmのF1マシンでの走行、ルールの知識、そして、FIA国際スポーティングコードの付録L第5条“シングルシーター・フォーミュラカーで優れた能力を実証しなければならない”というFIAの判断に関する要件も引き続き必要となる。

    ショーン・ゲラエルは、25点のスーパーライセンスポイントは獲得できていないが、F2でフルシーズンを戦っているため発給資格は満たしている。

    福住仁嶺は21点、牧野任祐は11点とスーパーライセンスポイントが足りず、F1マシンでの走行経験もない。そのため、F2選手権に6戦以上参戦し、F1マシンで300kmのテスト走行を行う必要がある。松下信治は、昨年F2にフル参戦し、ハンガリーテストでザウバーのF1マシンで300km以上を走り込んでいる。

  • ホンダ:ガスリーとハートレーに新型シビック タイプRを納車

    ホンダ:ガスリーとハートレーに新型シビック タイプRを納車

    トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーとブレドン・ハートレーは、普段使いの自動車としてホンダから新型シビック タイプRを納車された。

    ホンダオブザユー・ケー・マニュファクチュアリング・リミテッド(Honda of the U.K. Manufacturing Ltd.)で生産されるシビック タイプRは、運動性能がさらに向上しており、ドイツのニュルブルクリンク北コースで、FFモデルで最速となる7分43秒80のラップタイムを記録している。

    ピエール・ガスリーは「普段使いのクルマとしてタイプRを所有できるなんてとても幸運だ。フランス南部の象徴的なルート・ナポレオンで試乗するのを楽しみにしている。レーストラックでも限界をプッシュできるかもしれないね」とコメント。

    「インテリアは広々としているし、特にトランクはいろいろ必要な荷物を空港まで持ち運ぶのに重要だ」

    ブレンドン・ハートレーは「僕の初めての自動車は1996年型のホンダ シビックなんだ。だから、タイプRにアップグレードできて嬉しいよ。唯一の欠点は21戦によってF1スケジュールがとても忙しいので好きなだけ運転できない部分かな」と語った。

    ピエール・ガスリー

  • ピエール・ガスリー 「トロッソ・ホンダが急失速した原因が理解できない」

    ピエール・ガスリー 「トロッソ・ホンダが急失速した原因が理解できない」

    ピエール・ガスリーは、トロロッソ・ホンダがこの2戦でバーレーンで見せたパフォーマンスを再現できなかった原因の理解に苦しんでいると認める。

    好調なプレシーズンテストを終えたトロロッソ・ホンダは、開幕戦オーストラリアGPでは期待外れな結果に終わったが、第2戦バーレーンGPではピエール・ガスリーが4位入賞という印象的なパフォーマンスを見せ、残りのシーズンに期待を抱かせた。

    だが、その後の中国とアゼルバイジャンではトロロッソ・ホンダは競争力に欠けており、波乱のレースでブレンドン・ハートレーがなんとか1ポイントを拾うにとどまった。

    ピエール・ガスリーは、トロロッソ・ホンダのマシンがそこまで大きな矛盾を抱えている原因について明確な答えを掴めていないと語る。

    「バランスが良ければクルマには非常に競走力があるし、ポテンシャルという点でも優れているのに、別のトラックに行ったらどうして性能面ですぐにあのような大きな変貌を遂げてしまうのか理解できていない」とピエール・ガスリーはコメント。

    「もちろん、僕たちのクルマは風の強いコンディションにあまり適していない。でも、バーレーンとは異なる方向に進んでしまった理由を理解し、パフォーマンスの違いがどこからきているのかを見極める必要がある。現時点で僕たちは原因を理解できていない」

    トロロッソ・ホンダは、F1アゼルバイジャンGPの予選でチームメイト同士のニアミスがあって2台揃ってQ1敗退を喫した。ピエール・ガスリーは一発の速さではより多くのポテンシャルがあったと感じているが、カレンダーで最長のフルスロットルセクションを有するバクー市街地コースのトラック特性は、トップスピード不足という問題が露呈されたと考えている。

    「DRSを使っていないときはさらに苦しんでいたように思う。現時点でエナジーマネジメントは非常に困難だ。バクーはエネルギーが本当に重要だったし、レースではウィリアムズ勢のあたりにいたのに、(セルジオ)ペレスにオーバーテイクされた。レース開始時は彼の前にいたと思う。ターン20の後、彼はすでに僕の隣にいたし、ストレートエンドで抜いていった」

    「エナジーマネジメントは、もっと改善できるように見直していく必要がある。シーズン序盤はそれほど苦労はしていなかったけど、アゼルバジャンではいつもよりも性能差がはるかに大きかったからね」

  • ホンダF1、レッドブルとのエンジン契約にむけてスペインGPで更なる交渉

    ホンダF1、レッドブルとのエンジン契約にむけてスペインGPで更なる交渉

    ホンダF1とレッドブル・レーシングは、2019年以降のF1エンジン契約についてF1スペインGPが開催されるバルセロナでさらなる交渉を予定している。

    先週末、F1アゼルバイジャンGPが開催されたバクーで、本田技研工業のモータースポーツ部長を務める山本雅史とレッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコが2019年以降のエンジン契約について正式に交渉を開始した。

    そして、バルセロナで開催される次戦F1スペインGPにも山本雅史が訪問し、2回目の交渉が行われることが明らかになった。

    両者はレッドブル・ホンダの契約を成立させるために懸命にプッシュしているが、情報源によるとホンダF1と現在のレッドブルのサプライヤーであるルノーの両方がアップグレードを導入する6月のF1カナダGPが最終決定の鍵を握る可能性があるという。

    レッドブル・レーシングは、交渉の進捗について口を閉ざしているが、ホンダの完全なポテンシャルを判断するために最新のアップグレードのパフォーマンスを待っていることを示唆している。

    「我々は(ホンダの)トロロッソとのパートナーシップの進み具合に非常に満足している」とヘルムート・マルコは Autosport にコメント。

    「信頼性はすでに大幅に改善している。パフォーマンスに関しては、次のアップグレードを待つつもりだ」

    レッドブル・レーシングは、6月のカナダGPまで決定を待つことを望んでるが、F1の競技規則ではパワーユニット製造者は来シーズンにどのチームにパワーユニットを供給するかについて5月15日以前までにFIA(国際自動車連盟)に通知する必要があると記されている。

    そのため、現在のサプライヤーであるルノーが、その日までにレッドブル・レーシングからコミットメントがなかった場合にどのような対応をとるかは不明な状況となっている。

    レッドブル・ホンダの提携は、マクラーレン・ホンダのようにホンダが資金を投入することはないと考えられているが、エンジンパートナー以上のより強力な提携になる可能性があると考えている。

    ホンダは、日本人の育成ドライバーをF1で走らせたいと考えており、トロロッソがその受け皿になる可能性が高い。

    現在、最もF1に近いドライバーは、F1とスーパーフォーミュラに参戦している福住仁嶺がいる。今年、福住仁嶺がF1参戦に必要なスーパーライセンスポイントを獲得できれば、2019年のF1デビューは確実とみられている。

    福住仁嶺がトロロッソに加入する場合、現在のドライバーを務めるピエール・ガスリーもしくはブレンドン・ハートレーがシートを失うことになるが、おそらくブレンドン・ハートレーがシートを失う可能性が高い。

    ブレンドン・ハートレーは、開幕4戦でパフォーマンスをできておらず、F1中国GPではチームの指示にきとんと対応できずにピエール・ガスリーとの同士討ちを起こしており、先週末のF1アゼルバイジャンGPでも予選Q1でピエール・ガスリーのアタックを妨害している。

  • ホンダF1 特集:高速クラッシュがF1パワーユニットに与える影響

    ホンダF1 特集:高速クラッシュがF1パワーユニットに与える影響

    ホンダF1で副テクニカルディレクターを務める本橋正充が、マシンがウォールに激突したとき、F1パワーユニットに何が起こるかを解説した。

    ストリートサーキットには、普段のサーキットとは異なる特徴がある。比較的最近建設されたサーキットは、滑らかな路面と広いランオフエリアを持つ一方で、市街地コースの場合は公道を限界ギリギリまで壁に近づいて駆け抜けるため、マシンの性能以上にドライバーの腕が求められることになる。

    全てがうまく行くときは、ドライバーは狭いコースで完璧なコントロールを披露し、この上ない喜びを感じられるだろう。しかし、ひとたびミスを犯せば、その代償は高くつく。

    市街地サーキットでのクラッシュは、劇的な見え方になりがちだ。ただ、一旦ドライバーの無事が確認できれば、ガレージではマシンを修復すべく、非常に忙しい時間を過ごさなくてはならなくなる。コース上にカーボンファイバーの破片やマシンのパーツが散らばる様を見れば、そのダメージが深刻であるのは一目瞭然だが、ボディワークの下では、パワーユニットも大きなダメージを負っていることがある。

    クラッシュ後にチームが行う作業はどんなものなのか、ホンダF1で副テクニカルディレクターを務める本橋正充が解説した。

    「重要なのはデータの解析です。マシンが止まったときには、特に細かくデータチェックを行います。エンジン内部の温度や、大きな負荷がかかっていないかなど、マシン内部のセンサーで検知される項目を確認します」

    「マシンがクラッシュした際には、一度エンジンを切らなければなりませんが、そうすると電気系統を落とすことになるので、そのあとのデータは得られなくなります。ガレージに戻したら、全体を細かく検査し、サブユニットの電源を入れ、可能であれば、シャシーの電源も入れます。その上でセンサーからの情報を吟味し、修復可能かそうでないかを判別します」

    クラッシュが起こると、例えほかの部分が衝撃のほとんどを受け止めていたとしても、パワーユニットのコンポーネントを交換しなくてはならないことがある。クラッシュの瞬間にはマシン全体をとてつもない量のエネルギーが駆け巡るため、パワーユニットとシャシーの結合部など、荷重のかかる部位に影響を与えることがあるからだ。

    「最も壊れやすいのは、シャシーとエンジンの結合部分です。これは、クラッシュの衝撃が、シャシーからパワーユニットに伝わってしまうためです。ここにはシリンダーヘッドやシリンダーブロックなど、パワーユニットにとって非常に重要な部品も含まれています」

    「さらに、マウント部以外の結合部分もあります。例えば、インタークーラーとラジエーターの間を通るパイプですが、クラッシュの際には、ここを経由してシリンダーヘッドやオイルポンプ、吸気チャンバーにダメージが伝わってしまうこともあるんです。ダメージの有無を調べるため、目視のほか、超音波を使った検査をすることもあります」

    「ですから、まず明らかにしなくてはいけないのは、シャシーからの衝撃がどのように広がったかです。ガレージに戻ったら、まずは、パワーユニットを含めマシン全体を検査して衝撃の強さと流れを確認し、その後クラッシュによる負荷の大きさがどの程度だったのかなどのデータを、シャシーチームと一緒に解析します」

    「そのあとで、日本にいるHRD Sakuraの開発チームと状況を共有します。基本的には、その後日本のファクトリーにパワーユニットを戻し、さらなる検査やメンテナンスを行っていきます」

    「レギュレーションにより、一度使用したパワーユニットをダイナモでテストすることはできません。ただし、液漏れのチェックや負荷チェックなどは、手動ポンプなどの方法で確認することができます。そこで、何らかの漏れや、ねじれがないかを把握しなければなりません。さらには、油圧システムのアクチュエーターもチェックします。こうすることで、すべてのコンポーネントが正常に作動しているかを確かめることができます」

    当然のことながら、パワーユニットはクラッシュを想定して設計されているわけではありません。さらに、ストリートサーキットに点在する縁石やバンプは、普段のレースとは異なる負荷を与える場合があり、さまざまなコンポーネントに影響が出ることもある。

    「基本的に、パワーユニットの構造は、パフォーマンスに特化して設計しています。シーズン前にはシャシーチームととともに、ねじれや振動のチェックなどを行い、マシン全体をテストしますが、その主な目的はシャシーの性能を把握することです。エンジンは非常に大きく、重量もあるので、アクシデントの対策も盛り込んでしまうとさらに重くなってしまうんです。だから、パフォーマンスを発揮するためだけのことを考えて設計されています」

    「しかし、エネルギー回生(ERS)システムは、非常にデリケートな構造になっている上、フロアのすぐ近くに配置され衝撃の影響を受けやすい部分です。マシンが縁石に乗り上げて衝撃を受けることもあるので、詳細な検査が必要になります。車載のセンサーがあるので、ドライバーの走行が終わると、そこからデータを回収してシステムが正常に作動しているかを確認します」

    「例えば、縁石でフロアを打ち付けてしまうと、パワーユニットはその衝撃と振動を受けます。パワーユニットとシャシー双方に加速度計が設置されているので、それを見比べることで、振動がパワーユニットに負荷を与えていないかを確認できるのです」

    パワーユニットの交換には数時間を要するので、チームにとっては、クラッシュによって交換が必要となるレベルのダメージがあるのか否かを一刻も早く見極めることが必要不可欠となる。

    「素早い判断が必要とされる場合には、まずテレメトリーデータを見てパワーユニットの状態をチェックします。チェックの結果がOKであれば、マシンをガレージに戻したあとで実際にコンポーネントをチェックし、パワーユニットを交換するかを決めます。もちろん、念の為にバックアップ用のスペアPUはいつも用意してあります」

    「パワーユニットを交換せずに済めば、その次のセッションでは走行前の確認を行います。これは、レースウイークで最初の走行の前に必ず起こっているインスタレーションラップとほぼ同じ内容のものです」

    「クラッシュ後のチェックを経て戻ってきたPUは、大丈夫なように見えたらインスタレーションラップで動作を確認します。さらにマシンがピットに帰ってきてから、カバーを外してさらに細かい検査を終えて、初めてパワーユニットを実戦で使用します」

    アクシデントが起きると、ギアボックスを交換することがあり、それによるグリッド降格を目にすることも多くありますが、このギアボックスも、パワーユニットに大きな影響を与えてしまうコンポーネントの一つだ。

    「ギアボックスはパワーユニットとつながっているため、ここが損傷するとクランクシャフトを圧迫して、スラストベアリング(軸受)を傷つけてしまうことがあります。なので、そのエリアを目視で確認するための窓が取り付けられています。これは大変な作業です。こうした問題は発見するのが非常に難しいのですが、安全性の観点からも必ず確認しなければなりません」

    F1での経験が長い本橋正充は、これまで数多くのエンジンを扱ってきた。現在、採用されているV6エンジンは、非常に精密で、また高度なテクノロジーを使用している。しかもレギュレーションにより、シーズン中に使えるコンポーネントの数は厳しく制限されているため、耐久性も必要だ。

    「V8エンジンとV6エンジンにおける設計の違いは、パワーユニットの使用制限と大きく関係しています。過去には交換の制限が現在のように厳しくありませんでしたから、第三期の終盤には一つのエンジンを2大会、およそ1600kmの走行距離で使用していました」

    「使用距離がかなり短かったので、パフォーマンスを向上させるために軽量化することができました。しかし、軽ければ、それだけクラッシュの際にダメージを受けやすくなります」

    本橋正充がこれまでに目撃した中で最も激しく損傷したパワーユニットは、2016年の開幕戦オーストラリアGPで、フェルナンド・アロンソ選手がクラッシュを起こしたあとのものでした。高速走行中にハースのエステバン・グティエレス選手が駆るマシンのリアに乗り上げ、大クラッシュとなった。

    「これまで、あんなに損傷してしまったパワーユニットは見たことがありません。さくらで実物を見ましたが、いくつかのシリンダーヘッドは抜け落ちてしまっていたんです」

    「現在のレギュレーションでは、シリンダーヘッドはFIAによる封印の対象であるため単体での交換や修理はできず、我々はパワーユニットの交換を行うしかありませんでした。ある場面では、いくつかのパーツを交換していいか、FIAと交渉することもありますが、このときはパワーユニットの交換以外、選択肢がないという状況でした」

    「でも、そんな大きなアクシデントであっても、またレース戻らなければならないんです」

    ストリートサーキットでは、ウォールに激突すればタイムをロスするだけでは済まない。でもだからこそ、ドライバーがそこでミスのない走りを見せたとき、それは特別な瞬間だと言えるのだ。

  • ブレンドン・ハートレー 初入賞も「トロロッソ・ホンダはまだペース不足」

    ブレンドン・ハートレー 初入賞も「トロロッソ・ホンダはまだペース不足」

    トロロッソ・ホンダのブレンドン・ハートレーは、F1アゼルバイジャンGPでF1初ポイントを獲得したこと自体は嬉しいことだが、レースではミッドフィールドと戦うペースはなかったと現実的に分析する。

    ブレンドン・ハートレーは、F1アゼルバイジャンGPで10位入賞を果たし、8戦目にしてようやくポイントを獲得した。だが、レースはレッドブル勢の同士討ちによるリタイアを始め、上位勢のインシデントが助けになったのも事実。

    ブレンドン・ハートレーは、レースの大部分を最下位付近で走行しており、一時は周回遅れにされていた。

    「F1で初ポイントを獲得できたことはとても嬉しい。特にバーレーンでは確実にそのチャンスはあったからね。ようやく初ポイントを獲得できたのは嬉しいことだ」

    「今日はレース全体で守勢に立たされていたような気がする。僕たちにはあまりペースがなかった。僕たちの周りでいろいろなドラマがあった。僕は何事もなく、ミスもせずに1ポイントを獲得できたので、それについては満足している」

    「でも、同時に僕たちにはさらに前へ進めるペースはなかった。他の人々のミスの恩恵を受けたのは明らかだし、良い戦略を実行することはできた。やれることはやったと思うし、全力を尽くした。でも、今日は十分に速くなかった。わずか2戦前のバーレーンと比較すれば特にね」

    「まだ全員がやるべき仕事があると思う。でも、F1初ポイント獲得を手伝ってくれたみんなの仕事に満足している」

    今シーズンここまでのトロロッソ・ホンダのパフォーマンスは波が激しい。第2戦バーレーンGPではピエール・ガスリーが4位入賞する好パフォーマンスを発揮したものの、続く中国とバクーでは最下位グループに逆戻りしている。

    バクーでペースが足りなかった原因について質問されたブレンドン・ハートレーは「わからない。わかっていればよかったけどね」とコメント。

    「僕たちがどうしてバーレーンであそこまで速かったのかも明らかに疑問だ。ピエール(ガスリー)は結果を出して、もちろん僕は結果を出せなかったけどね」

    「今のところ答えは出せていないし、チームはそれを理解するために頑張っていると思う。ほんの数週間前のことだからね」

  • ホンダF1、レッドブルとF1エンジン契約について正式に交渉を開始

    ホンダF1、レッドブルとF1エンジン契約について正式に交渉を開始

    ホンダF1は、2019年のF1エンジン供給契約についてレッドブル・レーシングと正式に交渉を開始した。

    2015年にマクラーレンのパートナーとしてF1に復帰したホンダだが、それ以降の3シーズンは信頼性とパフォーマンス不足が露呈し、昨シーズン限りでマクラーレンから契約を打ち切られることになった。

    今年からホンダは、レッドブルの姉妹チームであるトロロッソと新たなパートナーシップを開始。

    トロロッソ・ホンダはF1バーレーンGPでは4位入賞を果たすなど、信頼性・パフォーマンスともに“戦える”エンジンであることを証明しつつある。

    一方、レッドブル・レーシングはルノーとの現行のエンジン契約が今シーズン末で期限を迎える。過去にF1でダブルタイトルを4連覇したレッドブルとルノーだが、2014年にV6ターボ“パワーユニット”が導入されて以降、ルノーのエンジンは競争力を発揮できておらず、両者の関係は冷え切ったものとなっている。

    レッドブル・レーシングは、2019年にホンダのF1パワーユニットが選択肢であることを公にしており、姉妹チームであるトロロッソのパフォーマンスを詳細に分析している。

    そして、F1アゼルバイジャンGPが開催された週末の28日(土)、バクーのパドックでレッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコと本田技研工業のモータースポーツ部長を務める山本雅史が2019年以降のエンジン契約について正式に交渉を開始。ホンダ側が表だってエンジン交渉の事実を認めたのは今回が初めてとなる。

    山本雅史は「全く初めての会談でしたので、お互いがどのようなことを期待しているのか、両社の条件などについて話し合いました。話し合ったのは今回が初めてです」とF1公式サイトにコメント。

    「そうですね、ポジティブな話し合いができました。どちらも満足できたと思います。我々の間には良い関係があります。ですが、正式に話し合いの場をもったのは本当に初めてでした。将来の可能性についての出発点です」

    F1の競技規則では、F1のパワーユニット製造者は来シーズンにどのチームにパワーユニットを供給するかについて5月15日以前までにFIA(国際自動車連盟)に通知する必要があると記されている。

    “公認されたパワーユニットの各パワーユニット製造者はそのパワーユニットを供給する前のシーズンの5月15日以前に(または、すべてのパワーユニット製造者とFIAの間で書面で合意された他の日)、所与の選手権シーズンに向けて供給契約が締結されているチームのリスト(ある場合は指定の「ワークス/ファクトリー」チームを明確に特定する)を添えてFIAに提供しなければならない”

    山本雅史も「我々には5月15日にFIAに文書を提出する義務があります」と語る。

    「今、我々が議論を開始しているのはそれがありますし、ホンダとレッドブルとの間でスムーズに進めていかなければなりません」

    「レッドブルにフィードバックして次の段階に進む前に残された時間を田技研工業の取締役と議論するために使いたいと思っています」

    「我々がF1に復帰することを決定した際、1つのチームにだけ固辞するのではなく、複数のチームと一緒に仕事をするという計画を立てていました。取締役会のメンバーは議論を認識していますし、レッドブルの組織との関係には大きな敬意を表しています」

    現在、F1とFIAは2021年からエンジン形式の変更することについて議論しており、山本雅史はレッドブル・レーシングと契約を結ぶ場合は2019年と2020年の2年契約になるだろうと付け加えた。ホンダとトロロッソとの契約も2020年までとなっている。

    競技規則で定められた文書提出期限である5月15日(火)は、次戦F1スペインGPの2日後にあたる。そのため、F1スペインGPの週末にホンダとレッドブル側から何らかの発表がなされる可能性がある。