カテゴリー: ハースF1チーム

  • ハースF1両ドライバー トヨタGTレーシングコンセプトを絶賛「驚きの連続」

    ハースF1両ドライバー トヨタGTレーシングコンセプトを絶賛「驚きの連続」

    ハースF1の新人ドライバー、オリバー・ベアマンは、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでトヨタの新型GT3マシン「GTレーシングコンセプト」を走らせた際、「グッドウッドの丘が生きているようだった」と語った。

    このイベントでは、トヨタの次世代GT3マシンがカモフラージュ仕様で初の一般公開。ベアマンに加え、チームメイトのエステバン・オコンも有名なヒルクライムコースでこのマシンをドライブする機会を得た。

    市販予定のトヨタGTコンセプトの標準仕様も同様に走行しており、これは将来的にトヨタのフラッグシップモデルとして展開される見通しだ。

    ベアマンは昨年仕様のハースVF-24もグッドウッドでドライブしているが、今回は短くテクニカルなレイアウトにGT3マシンがより適しているとし、その性能の一端を披露することができたと述べた。

    「正直、すごく楽しかった。昨日は市販モデルをドライブしたけど、GTの方が確実に速いね。でも両方とも、それぞれの良さがあるんだ」

    「このコースにはGTの方が合っている。F1カーではパワーがありすぎるし、リアタイヤのグリップも足りなくて本気では攻められない」

    「でもGTカーならコースがまるで生きているように感じられて、本当に楽しかった。グッドウッドでここまで攻めたのは初めてだったけど、心から楽しめたよ」

    ハース F1 トヨタ

    同じくトヨタGTコンセプトのロードカーおよびレース仕様をドライブしたオコンも、今回の体験を高く評価した。これはハースとトヨタの新たな技術提携の一環として実現したものだ。

    GTレーシングコンセプトは、2017年からレースで使用されてきたレクサスRC F GT3の後継モデルとして開発されている。

    「本当に楽しかったよ。素晴らしいクルマだった」とオコン。

    「昨日はレースカーを、今日はオリバーと交代して市販車を運転したんだ。今朝は昨日よりちょっと快適だったね」

    「とにかく速くて、信じられないくらい性能が高い。こんなモンスターを僕たちに任せてくれたトヨタには本当に感謝してるよ。毎回トヨタの人たちに会うたびに驚かされる。そして今日はまだ続きがあるんだ」

  • ハースF1チームに売却の意向なし 小松礼雄「ジーンは心から楽しんでいる」

    ハースF1チームに売却の意向なし 小松礼雄「ジーンは心から楽しんでいる」

    ハースF1のオーナーであるジーン・ハースが、チーム売却に全く関心を示していないことを、チーム代表の小松礼雄が明らかにした。

    F1イギリスGPが開催されたシルバーストンでは、いくつかのチーム売却に関する噂が渦巻いていた。特に注目されたのはアルピーヌ(旧ルノー)で、ルカ・デ・メオCEOがフラビオ・ブリアトーレを改革の切り札として招いたのは、売却を見据えた動きではないかとの見方も出ている。

    また、同チームの元代表であるオトマー・サフナウアーがアメリカの投資家とともに買収に動いているとの噂も浮上した。

    しかし、そうした動きとは一線を画すのがハースだ。現在トヨタとの関係強化も進めている同チームについて、小松礼雄はドイツメディア「Sport1」に次のように語った。

    「正直、ジーン・ハースはこれまで本当にいろいろな変化を見てきました。でも今はすごく熱心で、細かいところまで理解されていますし、とても情熱を持っておられます。

    どう言えばいいでしょう……ジーン・ハースはいつもレースと結果に対して強い思いを持っていて、我々にもっとよくなってほしいと思ってくれているんです。そういう姿勢こそ、今のチームに必要なオーナー像そのものだと思いますし、常に私たちの背中を押してくれています」

    ハースは2023年末にコンストラクターズランキング最下位に沈み、長年チームを率いてきたギュンター・シュタイナーを解任。そのタイミングでチーム売却の噂も浮上した。

    ハースF1チーム 小松礼雄

    当時はシニアエンジニアだった小松礼雄は、過去の経緯をこう振り返った。

    「すべてを把握しているわけではありませんが、ここ18か月の間に、チームを買いたいという話は何件もあったんです。でもジーン・ハースは全く興味を示されませんでした。本当にF1チームのオーナーであることを楽しんでおられるんです。

    今は世界に10チームしかなくて、来年には11チームになる。その中の1つを所有するというのは、とても特別で恵まれた立場ですし、ジーン・ハース自身、それを実感されていると思います」

    それでも、買収の打診は現在も続いているという。

    「最近も本気で買いたいと考えている人たちからの打診がありました。でもジーン・ハースはやはり興味を示されなかったですし、あまりに頻繁にそういう話が来るので、正直ちょっと迷惑そうにされていました」

  • 小松礼雄 ハースF1チーム10周年の節目にグッドウッドでF1マシン走行実現

    小松礼雄 ハースF1チーム10周年の節目にグッドウッドでF1マシン走行実現

    ハースF1チームのチーム代表である小松礼雄が、創設10周年という節目に合わせ、チームオーナーのジーン・ハースによるVF-23での走行を実現させた。

    舞台は英国のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード。普段はパドックに姿を見せない72歳の実業家が、自らのF1マシンを運転するという異例の試みに挑んだ。

    この計画を動かしたのは小松礼雄だった。5月のマイアミGPでジーン・ハースに直談判し、「これはあなたのチームの祝典なんです。ぜひ運転を」と声をかけたところ、ハースは少し戸惑いながらも「やってみよう」と快諾。そこから準備が本格的に始まった。

    「グッドウッドという場は、チームの成長を象徴する機会にもなる。だからこそ、ジーン自身にそれを実感してもらいたかった」と小松礼雄は語る。

    6月20日、オーストリアGPの直前にはシルバーストンのストウ・サーキットでシェイクダウンを実施。天候にも恵まれ、ジーン・ハースは数本のアウトラップを通じて徐々にペースを上げていった。

    「最初は緊張していたけど、走るたびに笑顔が大きくなっていった。最後はアクセルも踏めるようになって、クルマを降りた時には本当に楽しそうだった」と小松礼雄は振り返る。

    「チーム内にもジーンと直接接する機会が少ないスタッフは多い。今回、彼が全員に握手して感謝を伝える姿を見て、皆が『本当に情熱を持っているオーナーなんだ』と実感できたと思う」

    ハースF1チーム 小松礼雄桜がデザインされたスペシャルヘルメットでF1マシンに乗り込む小松礼雄

    今回のグッドウッドでの参加は、VF-23をジーン・ハースが、VF-24を小松礼雄がそれぞれ走らせる形となった。さらに、元F1ドライバーの中嶋一貴もVF-23で走行し、週末には現役F1ドライバーのオリバー・ベアマンとエステバン・オコンも登場。チームにとって初の公式イベント参加となった。

    小松礼雄は、近年ジーン・ハースのF1への情熱が再び高まっていることを実感しているという。

    「彼はここ18カ月で何度も買収オファーを受けているけど、まったく関心を示さなかった。それどころか、技術面にも積極的に関わってきていて、僕にも細かい質問をしてくる。彼の中で何かが再点火しているのを感じる」

    そして今回のヒルクライム走行は、その情熱を具現化するひとつの瞬間だったと小松礼雄は語る。

    「自分のチーム、自分のマシン、自分の10年。その成果を体験してもらいたかった。彼にとっても、チームにとっても、本当に特別な瞬間だったと思う」

    F1チームを陰で支えてきた小松礼雄。その静かな手腕が、ジーン・ハースとハースF1チームに新たなエネルギーを注ぎ込んでいる。

    小松礼雄と中嶋一貴 ハースF1チーム グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード

  • ハースF1代表小松礼雄 ベアマンとオコンが同士討ちも「責任は問わない」

    ハースF1代表小松礼雄 ベアマンとオコンが同士討ちも「責任は問わない」

    ハースのF1チーム代表である小松礼雄は、F1イギリスGP終盤に発生したオリバー・ベアマンとエステバン・オコンの接触について、どちらのドライバーにも非はないとの見解を示した。

    カンナポリスを拠点とするハースは、シルバーストンでの週末を苦しい展開で終え、コンストラクターズランキングでも9位へと後退。新型アップグレードを投入したものの、VF-25のポテンシャルを引き出すことはできなかった。

    予選ではベアマンがQ3進出を果たしたが、FP3での赤旗無視による10グリッド降格ペナルティにより18番グリッドからスタート。オコンは15番グリッドからの出走となった。

    迎えた決勝はウェットからドライへと変化する難しいコンディション。44周目のブルックランズで両者は接触し、シンクロしたようなスピンを披露。そのままポイント圏外でレースを終えることとなった。

    レース後、小松はメディアに対し「我々のドライバー同士が接触するのは、最も起こしてはならないことだ」と語りつつも、「両者のオンボード映像を確認し、話も聞いたが、私の見解ではレーシングインシデントだ」として、責任は問わなかった。

    さらに小松は、今回の接触が発生した根本的な原因は「チームとしての週末運営の失敗」にあるとし、自身とチームに責任があると認めた。

    「今日は本当にひどいレースだった。我々はもっと良い仕事をしないといけない」

    「予選14位と18位という位置から無理に結果を狙いに行った時点で、すでに問題だった。クルマの実力に見合った結果を出すためには、週末を通してクリーンな運営を徹底しなければならない」

    「今回、オコンを先にピットに入れたのは正しい判断だった。だがオリバーはその直前に高速コーナーでコースオフし、その結果としてピットアウト後の隊列が逆転した」

    「オリバーのタイヤは温まっていて、オコンの方は冷えていたから、当然ながらオーバーテイクを狙ったが、そもそも我々はそんな状況に置かれてはならなかった。起きるべきことではなかった」

    エステバン・オコン ハースF1チーム オリバー・ベアマン

    オコンとベアマンも週末の“混乱”を回顧
    レース後、オコンは新型VF-25に対して違和感を抱えたままの週末だったと語り、チームとして多くの課題があると指摘した。

    「本当にフラストレーションの溜まるレースだった。見直すべき点があまりにも多すぎる。マシンは終始ドライブが難しかったし、全力でコースにとどまることだけに集中していた。楽しめるようなレースではなかった」

    一方、母国レースでペースを感じていたというベアマンは、オコンとの接触を含めて「混乱の多い週末だった」と振り返る。

    「正直、あの場面は非常に接近していた。チームと一緒に見直す必要があると思う」

    「とにかく混乱していた。僕のタイヤは非常に温まっていて、他のドライバーたちはまだかなり冷えていた。だからあの時点では大きなグリップ差があったけど……やっぱり全体としてめちゃくちゃな状況だった」

  • オリバー・ベアマン F1イギリスGP予選で自己最高位「馬鹿げたミス」を猛省

    オリバー・ベアマン F1イギリスGP予選で自己最高位「馬鹿げたミス」を猛省

    オリバー・ベアマンは、F1イギリスGPの予選でキャリアベストとなる8番手を記録したものの、最終プラクティス中のミスによって10グリッド降格処分を受けることとなり、「愚かで馬鹿げたミス」と自らの過ちを悔いた。

    20歳のハースF1ドライバーであるベアマンにとって、今週末はF1初の母国GP。土曜の予選ではアップグレードを投入したマシンで高いパフォーマンスを発揮し、これまでのF1キャリアにおける予選での自己最高リザルトをマークした。

    しかし、その数時間前、FP3の赤旗中にピットレーン入口でコントロールを失い、フロントウイングを破損するクラッシュを喫した。このアクシデントは、同じく赤旗の原因となったガブリエル・ボルトレトのスピン直後に発生したもので、FIAは「ゆっくり走行しなかった」と判断。タイヤやブレーキの冷えを考慮せず、10グリッド降格とペナルティポイント4点の処分を科した。

    Sky Sports F1のインタビューでベアマンは、「最悪だ。本当に最悪。でも自分の責任だ。完全に僕のミスで、本当に愚かで馬鹿げたエラーだった」と率直に語った。

    一方で予選については手応えを語り、「予選でいいパフォーマンスが出せて本当にうれしい。まずはチームの努力が報われたと思う。今週末はアップグレードを持ち込んで、それが機能してQ3進出を果たせた」と喜びを示した。

    「ここ数戦、予選は僕たちの弱点だった。でも今回のような高速コーナーの多いサーキットで結果が出せたのは、本当に気分がいい。明日は最後方からのスタートになるけど、できる限りのことをするよ」

    オリバー・ベアマン ハースF1チーム イギリスGP イギリスグランプリベアマン、赤旗中にピットレーン進入でクラッシュ

    なお、ベアマンにとって今季2度目の10グリッド降格であり、1度目はモナコGPのプラクティス中にカルロス・サインツJr.の前を赤旗中に追い越したことによるものだった。

    最終プラクティスのミスを振り返り、ベアマンは「赤旗中の周回はすごく遅かったけど、ピット入口ではタイヤもブレーキも完全に冷え切っていて、その影響をあまり考えていなかった」と説明した。

    「ブレーキを踏んだときにはもう何の反応もなくて、タイヤも石のように冷えてた。だからスピンした。本当に愚かで、自分でも腹が立つ。過去に戻ってやり直したいけど、それはできないから、学んで次に活かすしかない。明日のレースで巻き返したい」と語った。

  • オリバー・ベアマン 赤旗中のクラッシュで10グリッド降格ペナルティ

    オリバー・ベアマン 赤旗中のクラッシュで10グリッド降格ペナルティ

    オリバー・ベアマン(ハース)が2025年F1イギリスGPの決勝レースで10グリッド降格ペナルティを受けることが決まった。土曜のフリー走行3回目(FP3)中に赤旗提示下でクラッシュを起こしたことが処分の対象となった。

    ベアマンはこのセッション中、車体の一部を落下させて赤旗の原因を作った直後、再び赤旗が提示されたタイミングでピットレーン進入中に自らもスピン。バリアに接触してフロントウイングを失った。

    赤旗提示中の出来事だったため、スチュワードが調査を行い、10グリッド降格という厳しい裁定が下された。

    スチュワードが発表した文書によると、以下のように詳細が説明されている。

    「87号車は赤旗を受けて減速していたが、ターン15に差しかかるとレースペースで加速し、時速260kmでピットレーン進入路に入った。結果として制御を失い、バリアにクラッシュした。

    F1競技規則第37.6項(a)および国際競技規則附則H第2.5.4.1項(b)には、赤旗時には『すべての車両は直ちに速度を落とし、ゆっくりとピットレーンに戻らなければならない』と明記されている。

    オリバー・ベアマン F1 イギリスGP イギリスグランプリベアマン、赤旗中にピットレーン進入でクラッシュ

    ベアマンがこの規定に従わず、むしろ通常のインラップよりも速い速度で走行していたことは疑いようがない。さらに悪いことに、彼は高速度のまま車の制御を失い、バリアに衝突した。

    ドライバーは、赤旗中の低速走行によってブレーキが温まっていなかったことがクラッシュの一因だったと説明したが、我々はこれを情状酌量の理由とは見なさなかった」

    さらに、ベアマンには4ポイントのペナルティポイントも科され、累積ポイントは8に達した。

    今年F1フル参戦1年目のベアマンにとって、母国イギリスGPは初めてのホームレースとなるが、苦い展開となってしまった。なお、昨年のイギリスGP週末中に、彼が2025年にハースからF1参戦することが正式に発表されていた。

  • エステバン・オコン F1オーストリアGP挽回10位「意味のある1ポイント」

    エステバン・オコン F1オーストリアGP挽回10位「意味のある1ポイント」

    エステバン・オコンは、F1オーストリアGPで17番手スタートから見事にポジションを挽回し、10位でフィニッシュ。今季中団争いが激化する中、ハースに貴重な1ポイントをもたらした。

    週末の予選では苦戦を強いられたが、レースでは鋭いスタートを決め、戦略とペースを武器に徐々に順位を回復。ミディアム→ハードという2ストップ戦略のもと、終盤にはザウバーやレーシングブルズ勢と接戦を繰り広げながら、安定した走りでトップ10圏内に食い込んだ。

    「予選の位置から見れば、今日は素晴らしいリカバリーだったと思う。1ポイントだけど、こういう中団の争いでは本当に意味のある結果になる」とオコンは語る。「今日のマシンはとても安定していて、信頼性も高かった。チームの皆に感謝したい。終盤はかなりハードな戦いになったけど、僕はこういうレースが好きだ。ちょっと厳しすぎた場面もあったかもしれないけど、ポイントを獲れたことは評価すべきだと思う」

    エステバン・オコン ハースF1チーム オーストリアグランプリ

    チーム代表の小松礼雄は「エステバンの最初と2スティント目の走りは本当に良かったです。ピットストップのタイミングがもう少し遅ければ、ワンストップという選択肢もあったと思いますし、それは少し悔しいところです」と述べ、「競争相手の何チームかが今回自分たちより多くポイントを獲得しているので、シルバーストンでは少しでも取り返せるよう準備を進めていきたいです」と語った。

    予選Q1敗退からの1ポイント獲得は、ハースにとって価値ある結果だ。次戦はF1イギリスGP。アップデートが予定されているなか、中団チーム同士の争いにおいて、オコンの経験と堅実さはチームの武器となりそうだ。

  • ハースF1チーム 小松礼雄や中嶋一貴らがグッドウッドでF1マシンをドライブ

    ハースF1チーム 小松礼雄や中嶋一貴らがグッドウッドでF1マシンをドライブ

    ハースF1チームは、2025年7月11日(金)に開催されるグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにて、創設者でオーナーのジーン・ハースがF1マシン「VF-23」をドライブすると発表した。ジーン・ハースがF1マシンのステアリングを握るのは極めて異例のことであり、大きな注目を集めている。

    この登場は、ハースF1チームがF1参戦10周年を迎え、今月のカナダGPで通算200戦目を祝ったことを記念する一連のイベントの一環として行われるもの。

    ハースF1チームはチーム代表の小松礼雄とともにイベントに参加し、小松礼雄は現行マシン「VF-24」でのヒルクライムに挑む。

    両者は数週間前、英シルバーストン・サーキットで行われたプライベート・シェイクダウンで初めてF1マシンをテスト済み。ハースはストウ・サーキットの短縮コースで数周を走行し、本番に向けて準備を進めていた。

    フェスティバルの初日(7月10日)には、TOYOTA GAZOO Racing Europe副会長の中嶋一貴がVF-23をドライブしてイベントの幕を開ける。その後はハースF1のレギュラードライバーであるオリバー・ベアマンとエステバン・オコンが週末の走行を担当する。

    ハースF1チームはまた、イベント期間中「ボールルーム・パドック」エリアにて初代マシン「VF-16」と、英国GP直後の最新型「VF-25」も展示。F1世界選手権75周年を祝う2025年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードの中でも、同チームの存在感が際立つ構成となっている。

    ハースF1チームハースF1チーム 小松礼雄

    ハースF1チーム グッドウッド・フェスティバル2025 出走スケジュール:
    7月10日(木):中嶋一貴(VF-23)、小松礼雄(VF-24)
    7月11日(金):ジーン・ハース(VF-23)、小松礼雄(VF-24)
    7月12日(土):オリバー・ベアマン(VF-23)、エステバン・オコン(VF-24)
    7月13日(日):オリバー・ベアマン(VF-24)、エステバン・オコン(VF-23)

  • 坪井翔 F1テストへの夢を語る「トヨタとハースF1の提携で現実味を帯びた」

    坪井翔 F1テストへの夢を語る「トヨタとハースF1の提携で現実味を帯びた」

    スーパーフォーミュラの現チャンピオンである坪井翔は、トヨタとハースF1チームの提携によって、グランプリマシンのテストという長年の夢を実現できる可能性が出てきたと語った。

    昨年、スーパーフォーミュラで初のタイトルを獲得した坪井翔は、旧型F1マシンを使用するハースのTPC(Testing of Previous Cars)プログラムで走行機会を得る有力候補として名前が挙がっている。

    このタイトルは、トヨタのフラッグシップチームであるTOM’Sからのスーパーフォーミュラ初参戦で獲得したもので、さらに同年にはSUPER GTで3度目のタイトルも獲得。日本国内におけるトヨタのトップドライバーとしての評価を確固たるものにした。

    トヨタとハースの提携は昨年スタートしており、すでに平川亮がアメリカのチームであるハースの公式リザーブドライバーに就任。F1グランプリ週末のフリープラクティス(FP)セッションに2回出走しており、今後さらに2回の出走が予定されている。

    30歳の誕生日を迎えたばかりの坪井翔は、今後の目標について語る中で、自身のスーパーフォーミュラ制覇が初めてF1マシンをテストする可能性を現実的なものにしたと語った。

    「スーパーフォーミュラのタイトルを獲るまでは、それ以上のことはあまり考えていませんでした。勝てなければ他の選択肢はないと思っていたからです」と坪井翔はオートスポーツ誌に語った。

    「でも、ダブルタイトルを獲ったことで、日本国内でできることはすべてやったと思えるようになり、いろいろな可能性を考えられるようになりました」

    「最近では、トヨタがF1のハースと提携し始めていて、F1マシンをドライブしてテストに参加できる環境が整いつつあるように思えます」

    「F1ドライバーになるのは子供の頃からの夢だったので、F1マシンを一度でいいからドライブしたいと思っています」

    坪井翔の前任者であり、現在FIA F2に参戦している宮田莉朋も、今年1月にヘレスでハースのF1マシンを初めてテストしている。

    また最近では、トヨタのWECドライバー兼チーム代表である小林可夢偉が、トヨタの若手育成の一環として現代のF1マシンを理解する目的で、ポール・リカールで2日間にわたりVF-23をドライブしている。

    ハースF1チーム トヨタ今月、小林可夢偉はポール・リカールでハースF1チームの2023年型VF-23で11年ぶりのF1マシンでの走行を行った。

    「もちろん、F1ドライバーとして成功することがずっと夢でした」と坪井翔は続けた。

    「ダブルタイトルを獲得できた昨年は、その夢に向かって一歩踏み出した年でした」

    「それまでは本当に夢物語というか、自分には手が届かないもので、目の前のことに集中するしかないと思っていました。だから、スーパーフォーミュラチャンピオンになることだけが目標だったんです」

    「でもチャンピオンになったことで、その先の新たな目標が生まれ、トヨタの一員としてF1に関わるチャンスを得られるかもしれないという想いが、大きなモチベーションになっています。それを目指していきたいと思っています」

  • F1参戦200戦を迎えたハースF1チーム 小松礼雄体制で復活を遂げるまで

    F1参戦200戦を迎えたハースF1チーム 小松礼雄体制で復活を遂げるまで

    F1史上最も小さなチームのひとつであるハースF1チームが、2025年カナダGPで通算200戦目を迎えた。2016年のF1参入当初のカラーリングを再現した特別リバリーで節目を祝ったこの記念レースは、パンデミックによる存続危機を乗り越え、チームが過去最も健全な状態に達したことを象徴するものとなった。

    2021年にはウラルカリカラーで最後尾を走り、ニキータ・マゼピンとミック・シューマッハのラインアップで苦戦を強いられていたが、2023年にはコンストラクターズ最下位に沈むなど、ハースF1チームは幾度となく崖っぷちに立たされてきた。

    だが2024年には中団に食い込み、2025年は新たにエステバン・オコンとオリバー・ベアマンを起用した布陣で、カナダGP終了時点でコンストラクターズランキング6位につける健闘を見せている。

    ハースF1のチーム代表である小松礼雄は次のように語っている。

    「10年前のことを昨日のことのように覚えてます。マシンを作って、プレシーズンテストを終えて、メルボルンに行ったこととか。いろんな浮き沈みがありましたけど、今こうして200戦目を迎えて、チームが進化して中団で戦えるようになっているのは本当に誇らしいです。チーム全員が誇りに思っていいと思います」

    「最初のハイライトはやっぱり2016年のメルボルンですね。マシンを完成させた時点でもう1シーズン戦い終えたような気分だったんですけど、実際はそこからが本番でした。テストの記憶は正直あまりないんです。ほとんど寝てなかったので。それでもメルボルンでロマン(・グロージャン)が6位に入って、その次のバーレーンでは積極的な戦略で5位。あの2戦は本当に印象に残ってます」

    「一番苦しかったのは2019年ですね。開発の方向性を誤って、それを修正できなかったんです。予選は悪くなかったんですけど決勝になると戦えない。シーズン通してずっとその状態でした。そこにコロナが来て、何もできない期間が続いて。だけど今はまた良くなってきてます」

    それでも課題は残る。ハースF1チームのマシンは依然としてコーナリングバランスに難があり、史上最も拮抗したミッドフィールドにおいては、わずかな不安定さが大きな順位変動に直結する。2025年はバーレーンと中国で大きなポイントを獲得した一方で、イモラとスペインでは苦戦を強いられた。

    ハースF1チーム

    とはいえ、オコンとルーキーのベアマンはチャンスを逃さず、7戦でポイントを獲得。アルピーヌでの苦難を経たオコンは新天地で再び輝きを放っている。

    オコンはこう語った。

    「なぜ週末ごとのパフォーマンスに差があるのか、自分でも正直よくわからないです。それが分かっていれば、今こんな状況にはなっていないと思います。バルセロナでは0.1秒の差で4〜5グリッドも順位が変わるくらいに接戦ですし、サーキットによってはマシンの弱点がより露呈してしまうこともあります。チーム全体でそこをどう克服するかを今取り組んでいるところです」

    「僕のマシンでは、アンダーステアが一番大きな課題ですね。そこが今一番苦しんでいるところです」

    チーム復活の立役者である小松礼雄は、2024年の初めにギュンター・シュタイナーの後任として代表に就任。率直で曖昧さのない「ノーBS文化」をチーム内に浸透させた。

    「チームにいる人たちの能力は十分あると思ってます。でも、人を留めておくこと、それに新たにいい人材を採るのは簡単なことじゃないんです」

    「たとえば新しいモーターホームもそうです。一見すると関係なさそうに思えるかもしれないですけど、全部つながってるんですよ。会社のクルマ、年金制度、ファクトリーの環境、サーキットでの仕事環境、飛行機の便――どれもがその人にとって大事な要素になります。F1はそれくらい競争が激しい世界なので、細かいところまで全部が勝負なんです」

    アストンマーティンやキャデラックといった他チームも、最新鋭の施設を揃えて開発環境の向上を進めており、ハースF1チームも英国バンブリーの拠点改修を検討中だ。だが、小松礼雄は「施設だけでは十分ではない」と強調する。

    「ハードウェアだけでは勝てません。ファクトリーはあくまで“箱”です。確かに立派な“箱”の方がいいに決まってますけど、中で働く人たちがうまく連携していなかったら意味がないんです」

    「良い職場環境をつくって、チームとして一体感を持って働けるか。そこが重要です。実際に、以前チームを離れた人が『やっぱりハースF1チームで働きたい』って戻ってきてくれたこともあります。それって、うちのチームの空気感や文化を気に入ってくれてたからだと思うんです」

    「いいことも悪いことも、チーム全体でちゃんと理解して、改善していけるようにする。それが、魅力ある職場づくりにつながっていくんだと思います」

    そして今、すべてのミッドフィールドチームが直面しているのが「2025年シーズンと2026年新レギュレーションのバランス」だ。オコンは「今シーズンを早々に諦めるべきではない」と訴える。

    「確かに難しい判断になりますけど、今年は本当に差が小さいので、僕たちにもチャンスはあります。だからこそ、今のマシンで少しでもパフォーマンスを引き出せるように全力で開発しているところです」

    「チャンスが来たときにしっかり活かせたのは良かったです。大きなポイントも取れました。でも、それを続けていかなきゃいけません。レーシングブルズも速いですし、ザウバーも上がってきてます。今はもう、どのチームもポイント圏内に入れるだけの力を持ってる。だからこそ、自分たちのやるべきことに集中して、進化し続けなきゃダメです。さもないとすぐに順位を落としてしまいますから」

    4年前には夢物語にすら思えた「コンスタントなポイント獲得」。いまやそれは、ハースF1チームにとって現実の目標になっている。そしてその中心には、小松礼雄の築いた新たな文化とリーダーシップがある。