カテゴリー: ハースF1チーム

  • オリバー・ベアマン F1ベルギーGP決勝「途中からPUに問題を抱えていた」

    オリバー・ベアマン F1ベルギーGP決勝「途中からPUに問題を抱えていた」

    オリバー・ベアマンは2025年F1ベルギーGP決勝で11位に入り、惜しくもポイントを逃した。

    中盤にエンジンの不具合が発生し、3つのポジションを失ったことが結果的に響いたが、レース序盤にはピエール・ガスリーを上回る位置につけるなど、力強い走りを見せていた。

    レース中はパワーユニットに複数の問題を抱えながらも、マシン自体のフィーリングには満足していたベアマン。「とにかく抜けなかった」と悔しさをにじませた一方で、週末を通じての好調さには手応えを感じており、ハンガリーでは得点圏内での戦いを確信している。

    Q:アリ、今日のレースはあと一歩でポイントというところでしたね。終盤には角田選手との激しいバトルもありました。振り返ってみてどうでしたか?

    オリバー・ベアマン: そうだね、最初のピットストップでミディアムに替えるタイミングがちょっと遅れてしまって、P11でポイント圏から外れてしまった。

    それに加えて、途中でエンジンの問題が出て3つ順位を落としたんだ。本当はその前にガスリーの前にいたし、ニコが後でピットに入ったから、実質的にはP10を取れていたはずだった。でも実際にはずっとパワーユニットのトラブルを抱えてて、オーバーテイクできる状態じゃなかった。クルマの調子は本当に良かっただけに、悔しいよ。

    オリバー・ベアマン(ハースF1チーム) ベルギーGP F1 ベルギーグランプリPUトラブルを抱えながらも角田裕毅と接戦を繰り広げた

    Q:その悔しさの一方で、週末を通じてはポジティブな面も多かったのでは?

    オリバー・ベアマン: そうだね、週末を通して速さはあったし、クルマの仕上がりも良かったと思う。

    昨日と今日で違うダウンフォース仕様を使ってたんだけど、どちらでもQ3を狙えるペースはあった。つまり、クルマのポテンシャルは明らかに高いってこと。あとはチーム全体としてミスを少なくしていく必要があるけど、やるべきことは見えてるし、確実に前に進んでる。ハンガリーは僕らに合ってると思うから、しっかり巻き返したいね。

  • ハースF1チーム 今季初2台揃ってSQ3進出「マシンが変身した」 ベルギーGP

    ハースF1チーム 今季初2台揃ってSQ3進出「マシンが変身した」 ベルギーGP

    ハースF1チームは、2025年F1第13戦ベルギーGPスプリント予選で今季最良のパフォーマンスを発揮し、両ドライバーがそろってSQ3に進出。これは今季初めてのことであり、アップグレードの効果をようやく結果に結びつけた形となった。

    シルバーストンでは苦しんだものの、スパではマシンが見違えるように変化。予選ではトウ(スリップストリーム)を活用しながら連携プレーを見せ、エステバン・オコンが“ベスト・オブ・ザ・レスト”の5番手、オリバー・ベアマンが7番手と絶好のグリッドを獲得した。

    「素晴らしかったよ。すごくハッピーだ」とエステバン・オコンはコメント。

    「チーム全員におめでとうを言いたい。シルバーストンでは何が悪かったのかを探るのに2週間かけてきたけど、アップグレード自体は正しい方向だったのに、マシンがすごく難しかった。でも今日、僕らはクルマを変身させることができたし、フィーリングはとても良かったよ」

    「そして、今季初めて2台そろってSQ3に進めたのも最高の気分だ。もちろんこれはスプリント予選だから、気を引き締めて明日も同じことをやらなきゃいけないけどね」

    チーム代表の小松礼雄も、オコンのパフォーマンスとチーム全体の立て直しを高く評価した。

    「シルバーストンの日曜日を経て、我々としては何らかの反応が必要でしたし、クルマに力があるのは分かっていたので、今日はとても良い1日になりました」

    「しっかりと集中して、チーム全体で協力して取り組むことが大事でしたし、それをしっかり実行できたと思っています。フリー走行1回目の準備も非常にうまくいきましたし、スプリント予選に向けて必要な調整もきっちりできました」

    「全員の努力の賜物であり、クリーンな金曜日になったと思います。スプリント週末はどこも難しいですが、特にスパはなおさらです。その中で今日のような結果を出せたことを本当に誇りに思いますし、あとはP5とP7をしっかりポイントに変えていくことが重要ですね」

    ハースF1チーム ベルギーグランプリ

    オリバー・ベアマンもまた、予選での連携と自身の成長に手応えを感じていた。

    「プラクティスではミディアムとソフトか、ハードとソフトのどちらを使うか選択肢があったけど、僕はミディアムを選んだ。その方が予選の準備として自分にとって扱いやすいと感じたからね」とベアマンはコメント。

    「ソフトでちゃんとしたラップをまとめることはできなかったけど、クルマには確実に速さがあると感じていたんだ。今日はその感触どおりだったし、本当に嬉しいよ」

    「チーム全体が素晴らしい仕事をしてくれたおかげで、2台そろってSQ3に進めたんだ。エステバンも素晴らしい走りだったし、最高の気分だよ」

    「シルバーストンで新しいアップグレードを持ち込んでQ3に進出できたし、今回もまたペースが良いと感じている。この流れをしっかり維持していきたいね」

    小松代表もベアマンの成長と安定感に好印象を持っている様子で、ハースにとって今季のターニングポイントとなる週末になりそうだ。

  • ハースF1 スパでのスプリント週末に挑む:アップグレードで安定狙う

    ハースF1 スパでのスプリント週末に挑む:アップグレードで安定狙う

    ハースF1チームは、2025年FIA F1世界選手権第13戦となるベルギーGPに挑む。舞台は伝統のスパ・フランコルシャン。F1屈指の高速サーキットで、今季3回目のスプリント週末が開催される。

    スパ・フランコルシャンは1920年代初頭に初めてレースに使用され、1950年のF1世界選手権初年度にも開催地として名を連ねた。

    危険性から1960年代末に一時カレンダーから外れたが、1980年代に現在の7kmのレイアウトで復活して以降、F1の中でも最も愛されるサーキットのひとつとなっている。第1・第3セクターには全開区間が多く、オー・ルージュ/ラディオンやブランシモンといった伝説的なコーナーが名を連ねる。一方で第2セクターは中高速のコーナーが連続し、車のバランスとドライバーの精密さが問われる。

    スパはエステバン・オコンにとってF1デビューの地でもある。2016年に初レースを戦い、それ以降8戦中7戦で入賞。2020年には5位を記録している。チームメイトのオリバー・ベアマンにとっては初のF1ベルギーGPとなるが、FIA F3で優勝経験があり、FIA F2でもポールポジションを獲得しているなど、下位カテゴリーでの実績は十分だ。

    今大会は2025年シーズン6回のスプリント週末のうち3回目にあたる。スパでのスプリント開催は2023年以来2度目となる。

    小松礼雄(チーム代表)
    「スパはとてもチャレンジングなサーキットですが、みんなが楽しみにしている場所でもあります。歴史的背景や天候、標準的なサーキットとは異なるダウンフォースレベルなど、ユニークな要素が多いんです。シルバーストンで見せたとおり、現在のベースカーのパフォーマンスは良好だと思っています。スパ特有の要件にしっかりと適応させる必要はありますが、シルバーストンの日曜はパフォーマンスを出し切れなかったので、それを今回挽回したいですね。夏休み前に2戦あるのは良い流れですし、今週末はスプリントなので、予選までに準備できる時間が限られる分、より一層の集中が求められます」

    オリバー・ベアマン
    「スパに行くのが本当に楽しみだ。歴史ある素晴らしいサーキットだし、久々のスプリント開催というのもワクワクする。アクションが増えるフォーマットだからね。シルバーストンのように今回のアップグレードがしっかり機能して、安定した週末を迎えられることを期待している」

    エステバン・オコン
    「スパに行くのは毎回楽しみだ。雨が降る可能性も常にあって、チャンスが生まれやすい。スプリント週末はとても難しいし、特にここはラップが長いから走行機会が限られる。だからFP1がすごく重要になる。最初の予選と2回目の予選に向けて、すべての細かい部分を完璧に仕上げる必要がある。トラブルに巻き込まれず、両レースでポイントを狙っていくよ」

  • エステバン・オコン「人生ずっと戦いだった」 F1までの過酷な道のりと夢の続き

    エステバン・オコン「人生ずっと戦いだった」 F1までの過酷な道のりと夢の続き

    エステバン・オコンのF1までの道のりは、困難と犠牲に満ちた物語だ。

    裕福な家庭に育ったわけでも、潤沢な資金援助を受けたわけでもなかった。代わりに彼を支えたのは、努力と才能、そして家族による並外れた献身だった。オコンの家族は自宅と仕事を手放して彼のカートキャリアを支え、ヨーロッパ各地をキャラバンで転戦しながら生活を続けた。

    その才能はやがて注目を集め、ロータスのジュニアチームに引き抜かれた後、メルセデスと契約。ヨーロッパF3とGP3シリーズでのタイトル獲得が、F1への扉を開いた。

    先日のイギリスGPでCrash.netの単独インタビューに応じたオコンは、自身の育ちやF1までの険しい道のりが、今の自分を形作ったと語った。

    「簡単な道のりではなかったのは確かだ」と、2021年のハンガリーGPウィナーは振り返る。「俺の人生はずっと厳しかった。犠牲、我慢、快適さなんてなかった。贅沢もない。ただひたすら厳しい道だった」

    「でも、少しでも“甘さ”を感じられたとき、それがどれだけ特別なことか実感できる。その感覚をずっと大事にしてる。地に足をつけることが一番大切だ。自分がどこから来たのかを忘れないこと」

    「目標はタイトルを争って、レースに勝つこと。すでに1勝してF1にたどり着いた。夢の2つは叶えた。残る最大の夢はチャンピオンになること。それが今後のゴールで、成し遂げるべきことだ」

    エステバン・オコン F1オコンは2021年ハンガリーGPでのサプライズ勝利を挙げた

    家族への恩返し
    今やオコンは、かつて夢見た場所に到達した。その事実は、彼自身だけでなく、すべてを捧げた家族にとっても大きな意味を持つ。

    ブダペストで初優勝を飾ったときに乗っていたA521アルピーヌは、現在、ノルマンディーの父親のガレージに誇らしげに飾られている。

    「長い間、ストレスはかなりのものだった」と28歳のオコンは明かす。「しかも、それはスポーツのことじゃなくて、他の理由でだ」

    「でも今は誇りに思ってる。両親には家があって、父にはかつてのようなガレージがある。もう車を修理して生活する必要はない。今は俺のマシンを扱ってくれてる──それが本来あるべき姿だ。ずっと夢見てきたことだよ」

    「だから、今はもう俺次第なんだ。あのプレッシャーはなくなった。状況は整った。あとはレースに集中して、夢の実現に向けて突き進むだけ。今年は勝てないだろうけど、すべてを正しくこなせば、きっといつかチャンスは巡ってくると信じてる」

    「俺たちはずっとそうやってレースしてきた」
    コース上では、オコンはタフで妥協のないスタイルを貫いてきた。肘を張るようなアグレッシブな走りは、チームメイトとの接触や他ドライバーとの摩擦も生んできたが、それこそが彼の中に根付いている闘争心の表れだ。

    「人生で何ひとつ簡単に手に入ったものなんてなかった。全部、戦って勝ち取ってきた」と彼は語る。「だからレースでも、同じ土俵に立ってる以上は全力で戦う。でも、俺よりハードに戦う奴もいるってことも分かってる」

    「俺はマックス(フェルスタッペン)やシャルル(ルクレール)と一緒に育ってきたけど、当時のルールは“アウト側に出たら砂利行き”だった。だから抵抗すれば押し出されて『さようなら』ってわけさ」

    「俺たちの世代はずっとそんなレースをしてきた。だからそれが自然なんだ。この世代は違った見方をするのかもしれないけど、俺たちはマックスとも、ずっとそうやって走ってきた」

    「ホイール・トゥ・ホイールでぶつかり合う──それが楽しい。だからレースが好きなんだよ」

    エステバン・オコン ハースF1チームオコンには、タフなライバルとしての評判がある

    成功しても「変わらない」ことの大切さ
    華やかなF1の世界に足を踏み入れた今も、オコンの人柄は変わらない。傲慢さや自己顕示欲とは無縁の、謙虚で丁寧な話しぶりが印象的だ。

    「ちょっと成功しただけで態度が変わる人って、本当に嫌なんだ」と彼は語る。「そういうのは最悪だと思ってる」

    「だから友達にはずっと言ってるんだ。もし俺が変なこと言ったり、変わっちまったと思ったら、遠慮なく平手打ちしてくれって」

    そう言って笑いながら、「まだ頬っぺたは大丈夫だからね」と冗談めかして付け加えた。

  • 角田裕毅 ホンダは2026年のキャデラックやハースF1移籍を容認

    角田裕毅 ホンダは2026年のキャデラックやハースF1移籍を容認

    ホンダの支援を受けてF1キャリアを築いてきた角田裕毅は、2025年シーズン終了をもってレッドブル・レーシングを離れる見通しだ。ホンダは今季限りでレッドブルとの技術提携とエンジン供給を終了し、2026年からはアストンマーティンとワークス契約を結ぶことがすでに発表されている。

    角田裕毅の今後について、レッドブルとの関係やホンダの見解が注目を集めている。

    autosport webが伝えた内容を要約すると、ホンダ・レーシング(HRC)の渡辺康治社長は、角田裕毅がシーズン途中で交代されるという一部報道を否定し、今季末までレッドブルで起用される見通しであると語ったという。また、マシン側の改善やチャンスを掴めれば、後半戦での巻き返しも可能だという期待をにじませている。

    今季ここまで、角田裕毅はマックス・フェルスタッペンと比べて苦戦が続いており、十分な結果を残せていないが、ホンダ側は短期的な成績だけでなく中長期的な視点で今後を見守る構えを見せている。

    2026年以降の進路として最も自然な選択肢は、ホンダがパワーユニットを供給するアストンマーティンと見られている。ただし、同チームのレースシートはフェルナンド・アロンソとランス・ストロールによってすでに埋まっており、角田裕毅が加わる場合はリザーブドライバーとしての関与に限られる可能性が高い。

    一方で、キャデラック(2026年よりF1参戦予定)やトヨタとの関係を強めるハースへの移籍も可能性のひとつとして報じられている。渡辺社長は、フェラーリ製パワーユニットを搭載するキャデラックや、トヨタの名前が関与するチームへの移籍についても問題視しておらず、たとえハースに加入したとしても「チーム・トヨタというわけではない」との認識を示しているという(※いずれもautosport web報道を要約)。

    角田裕毅 F1ホンダ・レーシング(HRC)の渡辺康治社長

    ただし現時点では、ハースが角田裕毅に関心を示している明確な動きは見られておらず、チームはすでに2026年に向けてエステバン・オコンとオリバー・ベアマンをレースドライバーとして確保したと報じられている。

    2025年後半戦は、角田裕毅にとってF1キャリアの岐路となる。ホンダの支援が一区切りを迎えた後もトップフォーミュラの世界に生き残るためには、残りのシーズンで存在感を示す必要がある。

  • ハースF1チームに次のレベルへの進化をもたらすトヨタの支援

    ハースF1チームに次のレベルへの進化をもたらすトヨタの支援

    2024年アメリカGP直前、ハースF1は日本の自動車メーカー・トヨタとの画期的な技術提携を発表した。

    この提携は、F1グリッドの中でも長らく資金面で不利な立場にあったハースにとって極めて重要なものであり、特にチーム初となる「旧型車テスト(TPC=Testing of Previous Cars)」を実現するという点で、トヨタがハースを新たな競争段階へ引き上げる契機となっている。

    2025年のF1グリッドにおいて、ハースは最小規模のチームのひとつだ。

    例えばメルセデスのようなトップチームが1,000人以上のスタッフを擁するのに対し、ハースはわずか250人前後で運営されているとされる。

    この違いはチームの目的の差にも表れている。創設者ジーン・ハースは、F1を自社製品「ハース・オートメーション」のマーケティング手段として活用しており、革新的技術の追求よりも、実戦競争への参加そのものに重点を置いている。

    しかし、グラウンドエフェクト新時代を迎えたF1においては、限られた資源で戦うことは年々困難になっている。

    そこで登場するのがトヨタだ。

    トヨタは世界最大の自動車メーカーであり、そのモータースポーツ部門「トヨタ・ガズー・レーシング(TGR)」はWECやWRCなどでも最高峰の技術を展開している。

    2024年10月、TGRはアメリカのハースF1と技術提携を結んだ。発表当時、ハースのチーム代表・小松礼雄は次のように語っていた。

    「我々は『あるもの』が足りない。理解のための装置や設備がないのです。彼ら(トヨタ)はF1に関する最新の知識と技術を求めており、我々にはそれがある。一方で我々には彼らのような施設や人材、資源がない。だからこそお互いの専門性を活かし合うのです」

    ハースF1チーム トヨタ

    TPCテスト実現、VF-23が富士で走る
    その提携の成果が、いよいよ目に見える形で現れる。ハースは今夏、富士スピードウェイでのTPCテスト実施を発表した。

    TPCとは、F1チームが旧型マシンを用いて独自のテストやドライバー育成、開発を行うための制度だが、莫大な資金とリソースが必要となるため、これまでハースは一度も実施してこなかった。

    しかしトヨタの支援により、2023年型マシン「VF-23」でのプライベートテストが可能に。テストドライバーとしては、トヨタと縁の深い日本人ドライバー2人──F1リザーブドライバーの平川亮と、スーパーフォーミュラおよびスーパーGT王者の坪井翔──が起用される。

    トヨタがドライバー選定にも関与していることからも、この取り組みが単なる技術供与に留まらない包括的な成長戦略であることがわかる。

    加地雅也(TGRグローバルモータースポーツ部門ディレクター)は、このテストの目的を次のように語った。

    「このTPCテストは“人”の育成という目的の一環でもあります。坪井翔選手は自身のスキルアップに加え、他のTGRドライバーへの良い刺激になると信じています。

    また、トヨタのメカニックやエンジニアも現地に同行します。F1という世界最高峰カテゴリーの技術とスキルを肌で感じるこの機会は、彼らにとっても非常に貴重な成長の場となるでしょう」

    シミュレーター開発も進行中、F1活動に新たな武器
    テクニカルディレクターのアンドレア・デ・ゾルドも、オーストリアGPの週末にこの連携の進展について次のように述べている(Autoracer報道による)。

    「トヨタとの関係は、現時点では主にTPCテストと自前シミュレーターの開発に焦点を当てています。現在、我々は専用のシミュレーターを持っておらず、それはレース準備において極めて重要です。

    シミュレーターでしっかり準備を整えることができれば、レースウィークのスタートから上手く流れを作れるようになり、ドライバーのパフォーマンスも引き出せるでしょう」

    シミュレーターとTPC──これらはF1における開発活動の中核を担う要素であり、従来はレッドブル、フェラーリ、メルセデスといったビッグチームだけが活用してきたリソースだ。

    その扉がハースにも開かれた今、アメリカ唯一のF1チームは、新たな競争段階へと踏み出そうとしている。

  • エステバン・オコン ハースF1での適応と女性エンジニアとの絆を語る

    エステバン・オコン ハースF1での適応と女性エンジニアとの絆を語る

    エステバン・オコンが、新しいレースエンジニアとの絆、ハースF1チームでの生活への適応について語った。

    F1ドライバーの週末において最も重要な影響を与える要素のひとつが、レースエンジニアの役割だ。アルピーヌでの4年間を終えたオコンは、2025年からハースF1チームに加入し、新しいレースエンジニアとの関係を構築している。

    オコンは現在、ローラ・ミューラーと組んでおり、彼女は今季開幕時点でF1初の女性レースエンジニアとなった。彼女の昇進は、F1がよりインクルーシブな方向へと着実に進んでいることを象徴している。

    シーズンの折り返しを迎え、オコンはこの歴史的なパートナーシップを楽しんでいる。

    「僕たちは完全に噛み合ってるよ」とオコンはシルバーストンで語った。「ローラは本当に一生懸命働いてる。僕も彼女と一緒に、週末を最適化できるようにすごく頑張ってるんだ」

    「彼女と働くのは本当に素晴らしいし、僕のガレージ側ではローラが多くの人を率いている。F2から来た若いパフォーマンスエンジニアのサシャ(フーケ)や、長年この場にいる経験豊富なマイク(ドーキンス)もいる。彼はマッピングなどを担当していて、全体の補完という意味でも素晴らしい存在なんだ」

    「もちろん、常に改善の余地はある。でも、これまでマシンにチャンスがある時にその機会をちゃんとものにしてきた。僕たちがいかにうまくやれているかを見てもらえれば、それは明らかだと思うよ」

    ミューラーの芯の強さと勤勉さは、オコンにとって理想的なパートナーとなっている。

    「彼女は時間を気にせず働いているんだ」とオコンは説明した。「彼女はすごく細かい部分にまで目を向けるし、それは僕も同じ。僕は些細なことに対しても厳しくなることがあるし、何度も確認するタイプなんだ」

    「誰かを信頼してないわけじゃない。単に、自分自身でなぜその判断をしたのかを理解したいだけなんだ。お互いに隠し事はない。無理だと思えば、そうだと言い合う」

    「ローラが僕に『ここを改善できる』と言ってくれれば、僕も彼女に『ここを変えた方がいい』と伝える。それでいいんだよ。そこにジャッジなんてない。僕たちは同じボートに乗ってるし、前に進む必要がある」

    「すごく強くて良い関係だよ。ただ、シーズンは長いから、1年を通してお互いをケアしないといけない。健康を保って、高いエネルギーを維持することがとても大事なんだ」

    「たとえばオーストリアでは僕があまり体調が良くなかったし、今はローラが少し調子を崩してるみたいなんだ。だから、ちゃんとビタミンを摂って、週末を乗り切れるようにしたよ」

    「こういうダブルヘッダーでは、多くの人と接するから、こういうことも起こり得る。1度だけ良いパフォーマンスを出すのは簡単だけど、それを24回続けるのは本当に大変なんだ。それこそが重要なことだよ」

    エステバン・オコン ハースF1チーム

    新天地での生活、マシン、エンジンへの適応
    ハースのテクニカルチームと新しい関係を築くとともに、オコンは新しい環境にも順応している。アメリカのチームに加入して半年あまりだが、すでに居心地の良さを感じているという。

    「調子はいいよ」とオコンは語った。「僕たちにとって重要なことにまだ取り組んでいるけど、毎週末マシンのことを学んでいるし、走るたびに細かい部分を改善していて、チームとの連携もすごくうまくいってる」

    「僕はチーム全体の考え方やモチベーションにすごく共感してる。レースに関してとてもストレートなんだ。考えることは一つだけ。マシンからもっとパフォーマンスを引き出すこと、問題を解決すること、そして状況に対応することだよ」

    「これはすべてのチームにあるものじゃない。言えるけどね。ここでは、政治的なことよりも実際のレースが重視されている。それが最優先であるべきだし、それが実現してるのが嬉しいよ」

    オコンはまた、ハースのVF-25にも順応する必要があった。最近のアップデートによって、シーズン序盤の苦労はある程度解消されている。

    「どこに問題があるかを見極めてきたし、今回の新しいアップデートが、シーズン序盤に僕が見つけた開発の方向性に沿っていることを願ってる」

    「今まで取り組んできたことが、これから僕たちの助けになるはずだと思ってる。今回のアップデートが効果を発揮するかどうかを見るのが楽しみだよ」

    今季はオコンを含めて、冬の移籍によってチームを変えたドライバーが何人かいる。

    表面的には順調に見えるオコンだが、決して簡単ではなかったと語る。彼は現在ドライバーズランキング10位で、ハースの29ポイント中23ポイントを稼いでいる。

    「簡単だったわけじゃないよ。このチームに来てから、新しく学ばなければならないことがたくさんあった」と彼は言う。「でも、僕たちは本当に良い仕事をしてきた。早い段階で全てのシナリオや大きな問題を洗い出して、それから細かいことに取り組んできた」

    「今もまだ難しいと感じているのは、このマシンが僕の開発によるものではないこと。だから、いくつかの部分では今も満足できないところがあるんだ」

    「だけど今は、それを改善する方向へと進んでくれそうなパッケージがある。チームはそれにしっかり反応してくれてるよ」

    さらに、オコンはフェラーリのパワーユニットへの適応も求められた。彼はこれまでメルセデスとルノーのエンジンを使用してきた。

    「全体的には、みんな同じツールを持ってるけど、それをどう整理するかが違うだけなんだ」と、パワーユニットへの対応について尋ねられたオコンは答えた。

    「いくつかはすごくいい部分もあるし、すごく違う部分もある。でも、僕にとっては大きな前進だった。僕はこのパワーユニットで走るのがすごく楽しい。これは大きなステップアップだし、もっと柔軟性がある」

    「他のものを批判するつもりはないよ。それは僕のやり方じゃない。でも、チームに加わってすぐに、とても満足できる部分が見つかったし、扱いやすいものだと感じたんだ」

  • ハースF1チームがトヨタの拠点である富士スピードウェイでテストを行う理由

    ハースF1チームがトヨタの拠点である富士スピードウェイでテストを行う理由

    ハースF1チームは8月6~7日、富士スピードウェイでTPC(旧型車テスト)を実施し、リザーブドライバーの平川亮とスーパーフォーミュラ王者の坪井翔がVF-23をドライブする。

    この2日間のテストは、トヨタとの技術提携の一環として行われ、一般観覧も可能となる。F1マシンでの走行は30歳の坪井翔にとって今回が初めてで、国内サーキットでのF1テストとしても異例の機会となる。

    ハースはこれまでに、1月にスペイン・ヘレスでTPCを初開催。シーズン中にはスペインGPやバーレーンGPで平川亮がフリー走行(FP1)を担当し、スペインでは宮田莉朋もF1テストデビューを果たした。また、トヨタ所属の小林可夢偉もポール・リカールでVF-23を走らせている。

    今回の富士テストは、2008年以来F1が開催されていないこのコースでのF1マシン走行となる。トヨタとハースの提携発表も同地で行われており、両者にとっては特別な意味を持つ。

    トヨタ・ガズーレーシングのグローバルモータースポーツ統括責任者・梶雅文は、「このTPCは人材育成という『人』の要素に焦点を当てた取り組みの一部」と語り、坪井翔のF1挑戦が他のトヨタドライバーにも刺激を与えるとした。

    「トヨタのメカニックやエンジニアも現地に参加し、F1という最高峰の技術とスキルに間近で触れることで、大きな成長につながると信じている」と梶は強調した。

    チーム代表の小松礼雄も、「トヨタのホームサーキットでテストを実施する意義は非常に大きい」と語り、さらに「スーパーフォーミュラのチャンピオンである坪井翔にF1初走行の機会を提供できるのはとても嬉しいこと」だと述べた。

    「平川亮の才能にはすでに大きな信頼を寄せており、彼のフィードバックにも引き続き期待している。ファン公開型でVF-23を走らせられるのも素晴らしいことで、日本のF1ファンの情熱を間近で感じられる貴重な機会になるだろう」と締めくくった。

    ハース F1 富士スピードウェイ

  • 坪井翔 ハースF1でテストデビュー決定 「完璧な日にして夢を叶えたい」

    坪井翔 ハースF1でテストデビュー決定 「完璧な日にして夢を叶えたい」

    坪井翔が、ハースのF1マシンでの初走行に挑むことが決まった。ハースF1チームとトヨタとの連携の一環として行われるこのテストで、スーパーフォーミュラ王者の坪井翔は「完璧な日にして夢を叶えたい」と意気込みを語っている。

    ハースは2023年型F1マシン「VF-23」を使用したTPC(過去車両テスト)を8月6~7日に富士スピードウェイで実施することを発表し、昨年のスーパーフォーミュラ王者・坪井翔がF1マシン初走行に臨むことが明らかになった。

    今回のテストにはハースのリザーブドライバーである平川亮も参加。F1日本GPが最後に開催された2008年以来の富士でのF1マシン走行となる。

    30歳の坪井翔にとってこれはF1マシン初搭乗となり、トヨタのワークスチームTOM’Sでスーパーフォーミュラタイトルを獲得した翌年に訪れた大きなチャンスとなる。自身のSNSでは以下のように意気込みを語っている。

    「このような素晴らしい機会を与えてくださったハースチームとTGR(トヨタ・ガズー・レーシング)に感謝します。もちろんF1マシンをドライブするのが本当に楽しみです。この一度きりのチャンスを完璧な日にして、夢を叶えたいです!」

    坪井翔 ハース F1 テストデビュー

    このテストは、昨年発表されたハースとトヨタの協力関係の一環として行われるもので、ハースにとって日本でのTPCは初の試みとなる。

    平川亮はこれまでにも複数回にわたってハースでの走行経験があり、2025年シーズンのF1バーレーンGPとスペインGPの金曜フリー走行にも出場している。また、坪井翔の前任のスーパーフォーミュラ王者・宮田莉朋も今年1月にヘレスでVF-23をドライブしている。

    坪井翔は昨年、FIA F2に転向した宮田の後任としてTOM’Sからスーパーフォーミュラに参戦し、富士での3勝を含む活躍でシリーズチャンピオンを獲得。今年はランキング3位につけており、今週末には富士で第6戦・第7戦が行われる。

    また、スーパーGTでもTOM’Sから参戦中の坪井翔は、過去3度のシリーズタイトルを獲得しており、今季もランキング首位を走って4度目の王座に挑んでいる。

  • 坪井翔 ハースF1チームでF1マシン初走行 富士スピードウェイでTPC実施

    坪井翔 ハースF1チームでF1マシン初走行 富士スピードウェイでTPC実施

    ハースF1チームは、2023年型マシン「VF-23」を使用したTPC(Testing of Previous Cars)プログラムの一環として、来月日本の富士スピードウェイでテスト走行を実施することを発表した。このテストにはTOYOTA GAZOO Racing所属の坪井翔が参加し、F1マシンでの初走行を果たすことが決定した。

    この特別なセッションでは、同じくTOYOTA GAZOO RacingのWECドライバーであり、ハースのテスト機会を過去にも経験している平川亮も参加。両名はVF-23をドライブし、日本国内でハースF1が過去車両を走らせる初の機会となる。

    TPCプログラムは若手や他カテゴリーの有望ドライバーにF1マシンの経験を積ませる目的で各チームが行っているもので、今回はハースF1にとって日本での初開催となる。

    坪井にとっては長年のトップフォーミュラ活動を経て、念願のF1マシン走行がついに実現することとなった。トヨタ陣営を代表しての参加となるだけに、その走りに注目が集まる。

    テストは8月6日(水)、7日(木)の2日間にわたって行われる予定。

    ハースF1チーム 坪井翔

    以前、スーパーフォーミュラの現チャンピオンである坪井翔は、トヨタとハースF1チームの提携によって、グランプリマシンのテストという長年の夢を実現できる可能性が出てきたと語った。

    トヨタとハースの提携は昨年スタートしており、すでに平川亮がアメリカのチームであるハースの公式リザーブドライバーに就任。F1グランプリ週末のフリープラクティス(FP)セッションに2回出走しており、今後さらに2回の出走が予定されている。

    30歳の誕生日を迎えたばかりの坪井翔は、今後の目標について語る中で、自身のスーパーフォーミュラ制覇が初めてF1マシンをテストする可能性を現実的なものにしたと語った。

    「スーパーフォーミュラのタイトルを獲るまでは、それ以上のことはあまり考えていませんでした。勝てなければ他の選択肢はないと思っていたからです」と坪井翔はオートスポーツ誌に語った。

    「でも、ダブルタイトルを獲ったことで、日本国内でできることはすべてやったと思えるようになり、いろいろな可能性を考えられるようになりました」

    「最近では、トヨタがF1のハースと提携し始めていて、F1マシンをドライブしてテストに参加できる環境が整いつつあるように思えます」

    「F1ドライバーになるのは子供の頃からの夢だったので、F1マシンを一度でいいからドライブしたいと思っています」

    坪井翔の前任者であり、現在FIA F2に参戦している宮田莉朋も、今年1月にヘレスでハースのF1マシンを初めてテストしている。また最近では、トヨタのWECドライバー兼チーム代表である小林可夢偉が、トヨタの若手育成の一環として現代のF1マシンを理解する目的で、ポール・リカールで2日間にわたりVF-23をドライブしている。

    ハースF1チーム トヨタ今月、小林可夢偉はポール・リカールでハースF1チームの2023年型VF-23で11年ぶりのF1マシンでの走行を行った。

    「もちろん、F1ドライバーとして成功することがずっと夢でした」と坪井翔は続けた。

    「ダブルタイトルを獲得できた昨年は、その夢に向かって一歩踏み出した年でした」

    「それまでは本当に夢物語というか、自分には手が届かないもので、目の前のことに集中するしかないと思っていました。だから、スーパーフォーミュラチャンピオンになることだけが目標だったんです」

    「でもチャンピオンになったことで、その先の新たな目標が生まれ、トヨタの一員としてF1に関わるチャンスを得られるかもしれないという想いが、大きなモチベーションになっています。それを目指していきたいと思っています」