カテゴリー: ハースF1チーム

  • 角田裕毅vsエステバン・オコン ハースF1移籍の可能性に見る期待と現実の差

    角田裕毅vsエステバン・オコン ハースF1移籍の可能性に見る期待と現実の差

    角田裕毅に対しては、ハースF1チームへの移籍を期待する声がある。2026年にフルタイムシートを失った中で、現実的な復帰先として名前が挙がっているためだ。

    ただ、その期待と実際の成績の間には、無視できない差もある。エステバン・オコンとの比較からは、その現実がよりはっきりと浮かび上がってくる。

    消えたハースF1ルート 角田裕毅に何が起きたのか
    報じられている通り、ハースF1チームは角田裕毅の獲得に強い関心を示していた。

    しかしこの動きは、レッドブル首脳の判断によって実現しなかった。ドライバー起用の柔軟性を維持するという理由から移籍は認められず、結果として角田裕毅は2026年のシートを失う形となった。

    つまり今回のシート喪失は、パフォーマンスだけでなく「所属構造」によって左右された側面が大きい。

    数字が示す現実 オコンが持つ安定した価値
    一方のエステバン・オコンは、キャリアを通じて安定した結果を残してきたドライバーだ。

    ■ 通算ポイント:角田123/オコン484
    ■ 勝利:角田0/オコン1
    ■ 表彰台:角田0/オコン4
    ■ 最高順位:角田4位/オコン優勝

    同時参戦期間の比較でも、ポイント、平均成績ともにオコンが上回っており、中団で確実に結果を持ち帰る能力が数字として裏付けられている。

    この「確実性」は、チームにとって重要な評価軸のひとつとなる。

    ハースF1チーム エステバン・オコン

    F1に残るドライバーの条件
    今回の対比から見えてくるのは、F1における明確な基準だ。

    ひとつは「安定してポイントを獲得できるか」。もうひとつは「チーム構造に依存しない立場で評価されているか」である。

    角田裕毅はレッドブルの育成体制の中にあったことで、移籍の自由度が制限された。一方でオコンは複数チームを渡り歩きながら、自らの実績によってシートを確保してきた。

    この違いは、キャリアの分岐点として大きく作用している。

    2027年ハースF1の可能性と現実的なハードル
    角田裕毅には2027年にハースF1チームが移籍先となる可能性も指摘されている。

    ただし、その実現に向けたハードルは決して低くない。

    ハースF1チームは近年、即戦力として安定したポイント獲得が見込めるドライバーを重視する傾向にある。その基準に照らせば、すでに勝利経験と複数回の表彰台を持つエステバン・オコンは、明確な実績を備えた存在だ。

    一方で角田裕毅は、F1での最高位が4位にとどまり、トップ争いでの結果はまだ残していない。さらに2026年にレースから離れることで、実戦での評価を積み上げる機会が一時的に途切れる点も影響する。

    ドライバー市場は流動的であり、状況次第で構図は変わり得る。

    ただ、現時点の実績と立場を踏まえると、既存の評価軸を上回る明確な強みを示すことが求められる局面にある。

    期待と現実の差が示すもの
    角田裕毅に対する期待は依然として存在する。

    しかしF1においては、その期待がそのままシートに結びつくわけではない。求められるのは、数字として示される結果と、チームにとっての明確な価値だ。

    今回の比較は、その「期待と現実の差」を映し出すひとつの材料となっている。

  • 角田裕毅 ハースF1移籍をマルコが拒否 消えた2026年シートの裏側

    角田裕毅 ハースF1移籍をマルコが拒否 消えた2026年シートの裏側

    角田裕毅の2026年F1シーズン参戦が実現しなかった背景に、レッドブル首脳の判断があったと報じられた。ハースF1が獲得に強い関心を示していたにもかかわらず、その動きは途中で遮断されたという。

    結果として角田裕毅はフルタイムシートを失い、2026年はリザーブドライバーとして関与を続ける立場となった。だが、その裏では“移籍の可能性そのものが閉ざされていた構図”が浮かび上がっている。

    ハース移籍は目前だった
    英メディアの報道によれば、ハースF1は約1年前の時点で角田裕毅の起用に強い関心を示していた。チーム代表の小松礼雄もその獲得に前向きだったとされている。

    しかし、この動きは最終的に実現しなかった。レッドブルのヘルムート・マルコが、ドライバー起用の柔軟性を維持するために移籍を認めなかったためだと伝えられている。

    The Race F1ポッドキャストでスコット・ミッチェル=マルムは次のように語った。

    「僕はあえて言うが、角田裕毅だと思う」

    「ハースが彼のF1復帰ルートになる可能性がある。小松礼雄は12か月前、角田裕毅に非常に関心を持っていた」

    「しかしそれは続かなかった。マルコがレッドブルのドライバー起用に最大限の柔軟性を持たせるため、その扉を閉ざしたからだ」

    契約がすべての選択肢を封じた
    一方で、角田裕毅自身も、当時の状況について重要な証言を残している。外部からの関心は存在していたものの、契約によって交渉そのものが不可能だったという。

    「契約があったので、僕にはできることがあまりなかったです。外部からいくつか興味はあったんですけど、その契約が理由で彼らと話すこともできなかったんです」

    「だからこそ、完全にレッドブルのシートに集中していました。ここ数年ずっと僕の優先順位はレッドブルのシートでしたし、レッドブル・ファミリーは僕が育ってきた場所でもあります」

    この発言が示すのは、仮にハースF1を含む他チームからの具体的な関心が存在していたとしても、実際に動く自由がなかったという現実だ。

    “完全ロック”状態で迎えたシート喪失
    2026年に向けてはアイザック・ハジャーの昇格やアービッド・リンドブラッドの抜擢が決まり、角田裕毅はレッドブルおよびレーシングブルズのラインアップから外れる形となった。

    本来であれば他チームへの移籍という選択肢が残される局面だったが、契約上の制約とレッドブル側の判断が重なったことで、その道は閉ざされていた可能性が高い。

    結果として角田裕毅は、移籍もできず、シートも失うという“完全に行き場を失った状態”で2026年を迎えることになった。

    2027年に再浮上する可能性
    一方で、角田裕毅のF1復帰の可能性が完全に消えたわけではない。今回の報道では、ハースF1が2027年に再び候補となる可能性が指摘されている。

    角田裕毅はホンダとの結びつきが強い一方、ハースF1はトヨタとの関係を持つが、両者の競争関係は障害とは見られていない。

    2026年に一度シートを失ったことで、むしろ自由な立場となる側面もある。レッドブルの管理下から離れる選択をすれば、他チームへの道が開ける可能性もある。

    今回明らかになった契約と判断の構図が、逆に2027年以降の再起にどう影響するのかが注目される。

  • 小松礼雄 ハースF1のベアマンに驚嘆「限界が見えない」

    小松礼雄 ハースF1のベアマンに驚嘆「限界が見えない」

    ハースF1チームの小松礼雄は、オリバー・ベアマンの成長ぶりに強い驚きを示し、そのポテンシャルの大きさに賛辞を送った。2026年シーズン序盤のベアマンは、チームの得点の大半を稼ぎ出す活躍を見せており、コンストラクターズランキングでもハースF1チームを上位争いに押し上げている。

    小松礼雄が高く評価しているのは、単なる速さではない。新レギュレーション下での適応力、シミュレーターでの取り組み、エンジニアとの仕事の進め方まで含め、ベアマンが総合力を備えたドライバーへと進化している点にある。

    チーム側が高い基準を設定しても、それをさらに上回ってくることが、期待を一段と大きくしている。

    ハースF1チームを引っ張るベアマンの序盤戦
    20歳のオリバー・ベアマンは、2025年のF1デビューシーズンでメキシコGP4位という印象的な結果を残したが、2026年はさらに存在感を強めている。

    開幕からの3戦で、ベアマンはオーストラリアGPと中国GPでチームメイトのエステバン・オコンを予選で上回り、決勝でもメルボルンで7位、中国で5位を記録した。鈴鹿ではフランコ・コラピントとの高速域での接触未遂のような場面もあったが、それまでの内容は極めて安定していた。

    その結果、ハースF1チームが獲得した18ポイントのうち、17ポイントをベアマンが記録している。序盤戦のチーム浮上を支えている中心人物が、ベアマンであることは明らかだ。

    小松礼雄が語る「毎回伸びていく」才能
    日本GPを前にベアマンの成長について問われた小松礼雄は、その進化の速さに驚かされ続けていると明かした。

    「本当に印象的です。でも、公平に言えば、我々はオリーに対してかなり高い基準を設定しています。なぜなら、彼は毎回成長していくからです」と小松礼雄は語った。

    この言葉が示すのは、ベアマンが期待を満たしているだけではなく、その期待値そのものを押し上げているということだ。チームが設定するハードルを越えるたびに、次はさらに高い水準が求められる。それでもなお応え続けていることが、小松礼雄の評価につながっている。

    速さだけではない“完成度”への評価
    小松礼雄が特に強調したのは、ベアマンが速さだけの若手ではないという点だった。シミュレーター作業から現場での取り組み、新しい2026年F1レギュレーションへの対応まで、その働きぶりはすでに若手の域を超えつつあるという見方だ。

    「彼があれほど速く学び、改善していけることが、彼の素晴らしさの一部です」と小松礼雄は説明した。

    「彼には最初から素晴らしいスピードがありました。それは初日から疑いようがありませんでした。でも、私がとても興奮している理由は、彼の限界が見えないことなんです」

    ベアマンの速さは以前から知られていたが、小松礼雄が本当に価値を感じているのは、その才能が一面的なものではないことだ。学習力、適応力、そして週末を通してパフォーマンスをまとめ上げる能力が、ひとつのパッケージとして整ってきている。

    ハースF1チーム オリバー・ベアマン

    メキシコから続く流れが2026年に直結
    小松礼雄は、2025年メキシコGPでの走りにも触れながら、ベアマンの成長が一時的なものではないことを示した。

    「昨年のメキシコは信じられない内容でした。そして、新しいレギュレーションのもとでのプレシーズンテストを通じた彼の振る舞い、チームとの仕事、シミュレーター、サーキットを離れたところでの取り組みも本当に良かったです」と小松礼雄は述べた。

    さらに開幕2戦についても、ほぼ完璧だったと評価している。

    「メルボルンと上海の2つのレース週末を見れば、ミスがなかったと言っていいと思います。見事でした。そして姿勢、エンジニアとの仕事の仕方、実行力も含めて、本当に、本当に満足しています」

    この評価から見えてくるのは、ベアマンが単発の速さだけでなく、週末全体を通じて高い完成度を発揮できる段階に入りつつあるということだ。

    ハースF1チームの期待を押し広げる存在
    ハースF1チームは2026年序盤戦で予想以上の位置につけているが、その背景にはベアマンの安定した結果がある。しかも小松礼雄の見立てでは、そのパフォーマンスはまだ完成形ではない。

    限界が見えないという表現は、将来への期待を誇張したものではなく、現場で日々進歩を見ているチーム代表の実感だ。ハースF1チームにとってベアマンの台頭は嬉しい驚きではなく、より大きな上昇の始まりを予感させる材料になっている。

  • オリバー・ベアマン フェラーリF1昇格目標「ハミルトンに脅威と思われてない」

    オリバー・ベアマン フェラーリF1昇格目標「ハミルトンに脅威と思われてない」

    ハースF1チームのオリバー・ベアマンが、将来的なフェラーリ昇格に向けた自信を明確に示した。鈴鹿でのクラッシュこそあったものの、2026年シーズン序盤のパフォーマンスは高く評価されており、自身でもトップ争いに加わる準備は整っていると語っている。

    現時点でフェラーリにはシャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンという強力なラインアップが揃うが、ベアマンはその先の将来を担う存在と位置付けられている。

    一方で、現役最多タイトルを誇るハミルトンについては「脅威とは見られていない」としつつも、敬意を示す姿勢を崩していない。

    ベアマンが示した“準備完了”の自己評価
    オリバー・ベアマン(ハースF1チーム)は、フェラーリ昇格の可能性について問われ、自身の準備が整っていると強調した。

    「もちろん準備はできていると感じている。もしトップ争いをする準備ができていないと思うなら、そもそも僕はグリッドに立つべきではない」

    「表彰台や勝利を争う準備は完全にできていると思う」

    さらに、これまでのキャリアがフェラーリの支援によって築かれてきたことにも言及し、将来的な目標を明確にした。

    「僕がここにいるのはフェラーリのおかげだ。最初から信頼してくれて、支えてくれた」

    「長期的な最大の夢は、赤いスーツを着てフェラーリでレースをすることだ。そうでないと言ったら嘘になる」

    ハミルトンへの評価と現状の立ち位置
    その一方で、ベアマンは現フェラーリドライバーであるルイス・ハミルトンとの関係について、冷静な見方を示している。

    「彼が僕を脅威として見ているとは思わない。彼はこのスポーツで最も成功しているドライバーであり、僕たち全員にとっての模範だ」

    また、自身の現状の焦点があくまでハースでの戦いにあることも強調した。

    「今は完全にハースに集中している。今年は新しいレギュレーションのもとで、本当に重要なことを成し遂げるチャンスがあると思っている」

    フェラーリの“未来”としての位置付け
    2026年シーズン序盤、ベアマンは着実な結果を残している。中国GPではトップ5入りを果たし、メルセデスやフェラーリに次ぐ“ベスト・オブ・ザ・レスト”として存在感を示した。

    鈴鹿でのアクシデントはあったものの、ここまでのパフォーマンスはフェラーリが将来を託すに値する内容と言える。現ラインアップが盤石である一方で、その後継候補としての評価は着実に高まりつつある。

    ベアマン自身もその立場を自覚しつつ、段階を踏んでステップアップしていく姿勢を崩していない。フェラーリ昇格という目標に向けた視線は、すでに明確に定まっている。

  • 小松礼雄 マックス・フェルスタッペン引退論に見解「F1に残ると確信」

    小松礼雄 マックス・フェルスタッペン引退論に見解「F1に残ると確信」

    マックス・フェルスタッペンの将来を巡る議論が再び加熱している。2026年レギュレーションへの不満とマシン性能の低迷が重なり、現役引退の可能性まで取り沙汰される状況となっている。

    日本GPの週末、フェルスタッペンは予選でQ3進出を逃し11番手に沈むと、決勝も8位に終わった。レッドブルの競争力低下が鮮明となる中で、「このまま続ける価値があるのか考えなければならない」と語り、将来に対する迷いをにじませた。

    ただし、この問題は単なる去就の話ではない。2026年のパワーユニット規則やエネルギー運用を巡る構造的な課題が背景にあり、F1全体の方向性とも密接に結びついている。

    小松礼雄「フェルスタッペンは残ると確信している」
    ハースF1チーム代表の小松礼雄は、Sky Sportsのインタビューに応じて次のように語った。

    「いや、彼にF1を去ってほしいとは思わない。マックスは素晴らしいドライバーであり、このスポーツにとって非常に優れたアンバサダーでもある」

    「だから彼は残ると思うし、そうなってほしいと願っている」

    フェルスタッペンの去就について、小松礼雄は明確な断定は避けつつも、F1にとって不可欠な存在であるとの認識を示した形だ。

    契約条項とパフォーマンスが左右する現実
    フェルスタッペンの契約は2028年までとされているが、パフォーマンスに連動した離脱条項が存在している。

    報道によれば、2026年シーズンの夏休み時点でドライバーズランキング2位以内に入っていない場合、契約解除条項を行使できるとされる。現在のレッドブルの競争力を踏まえれば、この条件が現実的なものとして浮上している。

    一方で、レッドブル側はフェルスタッペンの残留を前提にチーム体制を維持しており、現時点で離脱を織り込んだ動きは見られていない。

    F1の構造問題とフェルスタッペンの立ち位置
    今回の議論の本質は、トップドライバーの去就ではなく、F1という競技の在り方にある。

    現在のF1では、バッテリー管理やエネルギー回生がレースの主導権を握る場面が増えており、純粋なドライビングの比重が低下しているとの指摘が相次いでいる。フェルスタッペンもこの点に強い違和感を示してきた。

    一方で、パドック内では「最終的には競争力次第」との見方も広がっている。マシンが勝てる状態に戻り、レギュレーション面でも一定の改善が見られれば、状況は大きく変わる可能性がある。

    フェルスタッペンの決断は、個人の問題にとどまらず、F1全体の方向性を映し出す指標となりつつある。

  • ハースF1 小松礼雄「守る必要はない」ランキング4位でも強調した課題

    ハースF1 小松礼雄「守る必要はない」ランキング4位でも強調した課題

    ハースF1チームは、2026年F1シーズン開幕3戦を終えてコンストラクターズランキング4位という好位置につけている。メルセデス、フェラーリ、マクラーレンに次ぐ順位であり、近年の低迷を考えれば異例とも言えるスタートだ。

    だが、この結果に対してチーム代表の小松礼雄は冷静だった。評価すべき成果である一方で、現時点の順位に固執すること自体が、チームの成長を妨げる可能性があると見ている。

    今回の焦点は3つある。ひとつは「想定外の4位」という現在地、ふたつ目は「順位維持ではない」という方針、そして3つ目は、その背景にある開発競争の現実だ。

    「4位は想定外」現実主義が示す現在地
    小松礼雄(ハースF1チーム)は、開幕3戦での結果について率直に驚きを認めている。

    「もし開幕3戦後にコンストラクターズ4位だと言われていたら、笑っていたと思います」と小松礼雄は語った。

    18ポイントという結果は理想的なスタートだが、それがシーズンを通じて維持できるかについては別の問題だ。予算制限のもとでも、トップチームの開発力は依然として圧倒的であり、その差は簡単には埋まらない。

    「守る必要はない」ハースが選んだ優先順位
    小松礼雄が強調したのは、現在の順位を“守る”という発想そのものへの否定だった。

    「我々は良い位置にいますが、その順位を守ることが目的ではありません」と小松礼雄は述べた。

    「重要なのは、自分たちの能力を最大限に引き出すことです。プロセスや予測を見直し、マシン、チーム、ドライバーから最大のパフォーマンスを引き出すことに集中していきます」

    このスタンスは、短期的な順位よりも、再現性のあるパフォーマンス構築を重視していることを示している。

    ベアマンが牽引する“結果”とそのリスク
    今季のハースの好調を支えているのが、オリバー・ベアマンの存在だ。

    20歳のルーキーは開幕から際立ったパフォーマンスを見せ、チームの18ポイント中17ポイントを獲得。オーストラリアでの7位、中国での5番手スタートなど、上位争いに食い込む力を示している。

    一方で、日本GPでは高速クラッシュを喫する場面もあった。

    「彼は大丈夫です。膝の打撲だけで骨折はありません。深刻な状態にならず本当に良かったです。マイアミには万全で戻れると思います」と小松礼雄は説明した。

    結果を牽引する存在が明確である一方で、その依存度の高さはリスクでもある。

    ハースF1チーム

    開発競争がすべてを決めるシーズン構造
    2026年F1は、新レギュレーション初年度ということもあり、開発競争の比重が極めて大きいシーズンとなっている。

    「今年は非常に厳しい開発競争になりますし、小さなチームにとっては大きな挑戦になります」と小松礼雄は語る。

    つまり、現在の4位という結果は固定されたものではなく、今後のアップデート次第で大きく変動する“暫定的なポジション”にすぎない。

    ハースが見据えるのは順位ではなく構造
    小松礼雄の発言から見えてくるのは、順位ではなくチームの構造そのものを強化しようとする意思だ。

    現状の4位は成果であると同時に、チームのポテンシャルを測るための指標に過ぎない。守るべきものではなく、次の成長に向けた出発点として捉えられている。

    マイアミGP以降、開発競争が本格化する中で、この“最大化志向”がどこまで機能するかが、ハースの真価を左右することになる。

  • オリバー・ベアマンは打撲のみ 小松礼雄「F1マイアミGPには万全で戻れる」

    オリバー・ベアマンは打撲のみ 小松礼雄「F1マイアミGPには万全で戻れる」

    2026年F1日本GPでの大クラッシュを受け、ハースF1チームの小松礼雄はオリバー・ベアマンの状態について前向きな見通しを示した。時速300キロを超える高速クラッシュだったが、負傷は膝の打撲にとどまり、骨折などの深刻な損傷は確認されていない。

    この事故は単なるクラッシュにとどまらず、2026年F1レギュレーションにおける安全性の問題を改めて浮き彫りにした事例でもある。

    ストレート終端でのエネルギー回生によって生じる速度差は、レースの在り方そのものにも影響を与え始めている。

    ベアマンは軽傷 小松礼雄が明かした現状
    オリバー・ベアマンは鈴鹿で、アルピーヌのフランコ・コラピントを避けようとした際に芝生に乗り、高速スピンの末にバリアへ激突した。両車の間には約50km/hの速度差があり、回避の猶予はほとんどなかった。

    事故後、小松礼雄はベアマンの状態について次のように説明した。

    「彼は大丈夫です。ありがたいことに、膝に打撲があるだけで、骨折はありません」

    「本当に深刻な状態にならずに済んだことをありがたく思っています。マイアミには万全の状態で戻ってこられるはずです」

    大きな衝撃を伴うクラッシュだっただけに、この診断はチームにとっても安心材料となった。シーズン序盤に好調を維持しているハースF1チームにとって、ベアマンの早期回復は重要な要素となる。

    オリバー・ベアマン(ハースF1チーム) 日本GP

    拙速なルール変更に警鐘「正しい判断が必要」
    今回の事故は、2026年F1マシンの特性に起因する危険性について議論を呼んでいる。ストレート終盤でエネルギー回生を行う車両と、エネルギーを展開している車両の間に大きな速度差が生まれることで、接触リスクが高まっている。

    FIAはマイアミGPまでの期間中に会議を開き、レギュレーションの見直しを検討する方針を示しているが、小松礼雄は拙速な対応を避けるべきだと強調した。

    「我々はあらゆる側面からこれを見ています。変更を加えるなら、正しい変更をしなければなりません」

    「その場しのぎの反応で変更して、数レース後に『あれは間違った選択だった』と言うようなことがあってはなりません」

    事故の重大性を踏まえつつも、短期的な判断ではなく、長期的な視点での対応が求められている。

    F1全体で進む協議 小松礼雄が評価
    今回の問題について、小松礼雄はF1全体が協力して解決に取り組んでいる点を前向きに評価している。

    「良いことは、F1コミュニティ、全チーム、FIA、そしてF1が、本当にオープンで透明性のある形で一緒に取り組んでいることです。ここまでのレベルでそれを見たことは、これまでなかったと思います」

    「我々はF1というコミュニティとして、改善が必要なことに対して正しい解決策を見つけられるとかなり確信しています」

    2026年の新レギュレーションは大きな変革をもたらした一方で、新たな課題も浮き彫りにしている。その調整プロセスは、F1というカテゴリー全体の成熟度を試すものでもある。

    ハースF1チーム躍進の裏で続く開発競争
    ハースF1チームは開幕3戦でコンストラクターズランキング4位につけるなど、予想を上回るスタートを切っている。ベアマンはオーストラリアで7位、中国で5位を記録し、日本GPではエステバン・オコンが10位でポイントを獲得した。

    この結果について、小松礼雄は率直な驚きを語っている。

    「もし誰かに、3レースを終えた時点で我々がコンストラクターズ4位にいると言われていたら、笑っていたと思います」

    「我々は非常にいい位置にいますが、その位置を守ることが目的ではありません。本当にその位置を維持することが目的でもなく、我々の持っている力を最大限に引き出すことが重要なんです」

    さらに今後の見通しについても現実的な認識を示した。

    「今年は非常に厳しい開発競争になりますし、小規模チームである我々にとってはとても大きな挑戦になります」

    「それでも、我々は今年非常に良いスタートを切りました。こういう結果は毎年得られるものではありません」

    ベアマンの無事という明るい材料とともに、ハースF1チームは今後の開発競争という次のフェーズへと向かっている。今回のクラッシュが示した課題とどう向き合うかも含め、シーズンの行方を左右する重要な局面に入っている。

  • ハースF1チーム 予選で苦戦する理由 エネルギー展開の問題が足かせ

    ハースF1チーム 予選で苦戦する理由 エネルギー展開の問題が足かせ

    ハースF1チームにとって、2026年F1シーズン序盤の予選は大きな課題となっている。エステバン・オコンとオリー・ベアマンの両ドライバーは、マシンの一発の速さそのものだけでなく、エネルギー展開に関わる要素が予選結果を左右していると受け止めている。

    今季のF1では、使用できる電気エネルギーが限られていることが週末全体に大きな影響を及ぼしている。

    決勝ではオーバーテイクが容易になりすぎ、「抜いては抜き返される」ような展開が議論を呼んでいる一方で、予選ではわずかなミスが以前よりもはるかに大きな代償につながっている。

    そうした状況のなかで、ハースF1チームもまた予選での最適化に苦しんでいる。オコンは日本GPで自身のガレージ側としては昨年アブダビ以来初めて予選を最大限にまとめられたと振り返ったが、それでもなお改善の余地があったと認めた。ベアマンもまた、原因をすぐには説明できないストレートでのタイムロスに見舞われ、予選の難しさを口にしている。

    オコンが指摘した“まとめきれなかった”部分
    エステバン・オコンは、エネルギーマネジメントが依然として最大のパフォーマンス要因かと問われ、予選でのロスを認めた。

    「残念ながら、はい。あの部分では少しパフォーマンス不足が見えていた」とオコンは語った。

    「ストレートでのデプロイメントを含めてすべてをまとめ切ることができていれば、差はコンマ05秒ほどだったと思う。だから、あの面で僕たちにできたことはそこまで多くなかった。でも、それを判断するのは僕の役目ではない。チームが、何を違う形でできたのかをもっと深く見ていくことになる」

    オコンの言葉が示しているのは、純粋なドライビングだけでは埋めきれない領域が予選結果に直結しているという現状だ。ラップ全体のなかでどこで電力を使い、どこで回収するのかという制御が、わずかな差を生み、それがそのまま順位差になって表れている。

    小さな挙動変化が大きなタイムロスに変わる現行F1
    今季のオーバーホールされたパワーユニットは、複数のドライバーに予選で問題をもたらしてきた。シャルル・ルクレールがオーストラリアと中国で、そしてオコンが中国で経験したように、オーバーステアが突然出てスロットルを戻して姿勢を立て直すと、ブーストシステムがリセットされ、結果として大きなラップタイム損失につながるケースが起きている。

    従来であれば修正で済んだ場面が、2026年F1ではそのままエネルギー展開の崩れを招く。つまり、単純なドライビングミスではなく、マシン側のエネルギー制御まで連鎖的に狂わせてしまう点が、現在の予選をよりシビアなものにしている。

    ハースF1チームにとっても、この問題は単なるセットアップ不足ではなく、今のレギュレーション下でどれだけ正確にエネルギーを使えるかという構造的な難しさと結びついている。

    ベアマンを悩ませた“説明のつかない遅さ”
    一方、オリー・ベアマンは日本GP予選でQ1敗退を喫した。決勝では大きなクラッシュもあったが、その前段階となる予選でも、不可解な問題に直面していたという。

    「最初のランでは、はっきりした説明もないまま単純に遅かった。それからチームに、何か問題があったと伝えられた」とベアマンは説明した。

    「正確には何だったのか分からないけど、基本的にはストレートでタイムを失っていた。僕たちはクルマを再プログラムすることができた。最終ランでは大丈夫だったと思うけど、まだ確認できていない」

    「でも最初のランでは、正直あまり多くを学べなかった。かなり遅い状態で走っていたと思う。結局、最後のラップでもそこまで大きく改善できなかったので、なぜそうなったのかを正確に理解する必要がある」

    ベアマンのケースでは、オコンが触れたような挙動変化によるロスとは少し異なり、よりシステム的な問題が疑われている。ただ、結果として起きているのは同じで、ストレートでの電力の使われ方が想定通りでなければ、ラップ全体が成立しなくなる。

    “クルマに学習させる周回”が必要な難しさ
    ベアマンは、現在のF1マシンが抱える別の難しさについても言及している。単に1周を走れば終わりではなく、どこでエネルギーを展開するかをクルマ側が把握するための周回が必要だという点だ。

    「こういうことでは、クルマがどこでデプロイするべきかを理解するためにラップが必要になる。そして当然ながら、ラップタイムは他のセッションよりかなり速かった」とベアマンは語った。

    「こうした問題のどれでもそうだけど、失うものは積み重なっていく。1周逃して、次に戻れば大丈夫という話ではない」

    この発言は、今の予選が単なるアタック一発ではなく、システムとドライバーの両方がかみ合って初めて成立することを物語っている。わずかな不具合や想定外の挙動が、そのまま次のラップ、次の判断、次のエネルギー配分にまで影響を及ぼしていく。

    ハースF1チームの予選での苦戦は、単に速さが足りないという話ではない。オコンが語ったようなデプロイメントの最適化不足と、ベアマンが経験したような説明し切れないストレートでのロスが重なり、1周のなかで本来あるべきパフォーマンスを引き出し切れていない。2026年F1の新しいレギュレーションがもたらした複雑さは、ハースF1チームのような中団チームにとって、予選でのわずかな差をより厳しいものにしている。

  • ハースF1チーム 富士スピードウェイでTPC再び実施 7月28日・29日

    ハースF1チーム 富士スピードウェイでTPC再び実施 7月28日・29日

    ハースF1チームは、富士スピードウェイでの旧型車テスト(Testing of Previous Cars/TPC)を7月28日・29日に開催することを発表した。

    チームはSNSで「Japan, we’re coming back! We’re headed to Fuji Speedway on July 28th and 29th」と投稿し、日本でのTPC再開催を正式に告知した。

    公開されたティザー画像には「SAVE THE DATE」とともに「FUJI」の文字が描かれ、富士山をモチーフとしたビジュアルの中にF1マシンが配置されている。また「FUJI SPEEDWAY」「TESTING OF PREVIOUS CAR」との表記もあり、イベント内容を示唆していた。

    ハースF1チームは2025年にも同地でTPCを実施し、2日間で延べ6200人を動員。平川亮と坪井翔がVF-23をドライブし、走行に加えてサイン会やトークショーなどファン向けイベントも行われた。

    富士スピードウェイはトヨタグループの傘下にあり、モータースポーツの拠点としてTOYOTA GAZOO Racingの活動基盤となっている。

    ハースF1チームは昨年からトヨタと提携関係を築いており、2026年はタイトルスポンサー契約へと発展。チームは「TGRハースF1チーム」として参戦している。

    こうした背景から、今回の富士でのTPCは単なるテストにとどまらず、トヨタとの関係性を象徴するイベントとしての意味合いも強い。詳細の発表とともに、再び多くのファンを集める機会となりそうだ。

    ハースF1チーム 富士スピードウェイ

  • ジャック・ドゥーハン ELMS参戦決定 ハースF1リザーブと並行して復帰戦へ

    ジャック・ドゥーハン ELMS参戦決定 ハースF1リザーブと並行して復帰戦へ

    ジャック・ドゥーハンは、2026年にヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)へ参戦することが決定した。ニールセン・レーシングが、ドゥーハンをLMP2クラスの24号車オレカ07・ギブソンのドライバーとして起用することを発表した。

    アルピーヌからわずか6戦でシートを失って以降、ドゥーハンにとってはこれが競技復帰の場となる。今季はハースF1でリザーブドライバーを務めながら、耐久レースという新たな舞台で実戦経験を積むことになった。

    ドゥーハンは24号車で、元F2ドライバーのロイ・ニッサニー、エドワード・ピアソンとチームを組む。ニールセン・レーシングにとっても新たなラインアップとなり、ELMS開幕戦は4月12日のバルセロナ4時間レースとなる。

    ドゥーハン「2026年に再びレースができることに興奮している」
    ジャック・ドゥーハンは、2026年の実戦復帰とニールセン・レーシング加入について次のように語った。

    「2026年に再びレースができることに本当に興奮しているし、ニールセン・レーシングでLMP2での最初のシーズンを迎えられるのはうれしい」

    「学ぶことの多い新しい挑戦だけど、これだけ強いチームに囲まれていれば、すぐにペースをつかめると確信している」

    「ロイ・ニッサニーとエドワード・ピアソンとともに、経験とハングリーさがうまく混ざった素晴らしい組み合わせになる。強い関係を築いて結果を目指すのが楽しみだ」

    「オレカ07は素晴らしいクルマで、これまでとはまったく異なる挑戦でもある。ヨーロピアン・ル・マン・シリーズが始まるのが待ちきれない」

    「再びレースに戻れることにとても興奮している。前回のレースからほぼ12か月になるところだった」

    「ニールセン・レーシングでそれを実現できて、スポーツカーへの移行ができるのは素晴らしい」

    「学ぶべきことはたくさんあるし、シートタイムを得ることは本当に重要だ。でも、それを支えてくれる素晴らしいチームがいるから、すぐに順応できると思うし、始めるのが待ちきれない」

    「まず最初に感じたのは、自分の頭の上に屋根があることと、視界の中にいろいろな障害物があることだった。でも、それも含めてドライビングスタイルの面ではいい変化だし、複数スティントを走ることや、複数ドライバーで戦うこと、大きな全体像を見ながら戦うこともある」

    「すべてを含めて、ここから先の自分のキャリアがどこへ向かうにせよ、大きな経験になると思う」

    スーパーフォーミュラ参戦は実現せず
    ドゥーハンは当初、日本のスーパーフォーミュラ参戦も候補に挙がっていた。実際に今季序盤にはポール・リカールでテストを行っており、耐久レース転向の可能性もささやかれていたが、日本行きの話は最終的に実現しなかった。

    プレシーズンテストではデグナーで3度のクラッシュを喫したことで参戦見送りとの見方も出ていたが、KONDO RACING代表でありトヨタのグローバル・モータースポーツ・ディレクターを務める加地雅哉は、その事故が決定打ではなかったと説明している。

    「彼の目標は常にF1でした」と加地雅哉は語った。

    「トヨタのワークスドライバーになることは我々にとってひとつの選択肢だったかもしれませんが、私の感覚では、スーパーフォーミュラは彼にとって最優先事項ではありませんでした」

    「もちろんテストではクラッシュもありましたが、KONDO RACINGとしてはそのことで不満を持っていたわけではありませんし、彼を支える準備もしていました」

    「彼はどの道を選ぶのが最善なのか、いろいろと迷いがあったのだと思います」

    「予算ももちろん要素でしたし、ほかにも多くのことがありました。ただ、彼がスーパーフォーミュラだけをやるつもりだったとは思いませんし、何を優先するかを整理する必要があったのだと思います」

    「デグナーでのクラッシュが彼の決断の理由だったとは思いません。あれだけで決めるようなものではないと思います」

    「将来的に一緒に仕事をする可能性はまだありますし、現在の関係が悪いということでもありません。ネガティブな状況ではありません」

    ハースF1リザーブと並行して実戦機会を確保
    ドゥーハンは今季、ハースF1でリザーブドライバーの役割を担っており、F1グリッド復帰への道を模索している。その一方で、今回のELMS参戦によって実戦から遠ざかる状況を避けることにも成功した。

    オープンホイールでキャリアを築いてきたドゥーハンにとって、LMP2への転向は大きな変化となるが、ニールセン・レーシングの経験豊富な体制のもとで順応を急ぐ構えだ。残るLMP2シートが限られるなかでの今回の決定は、今後のキャリアに向けた重要な一歩となる。