カテゴリー: ジョージ・ラッセル

  • F1スペインGP フェルスタッペンとラッセルの接触劇に両チーム代表が見解

    F1スペインGP フェルスタッペンとラッセルの接触劇に両チーム代表が見解

    F1スペインGP終盤に発生したマックス・フェルスタッペンとジョージ・ラッセルの接触について、レッドブルF1代表のクリスチャン・ホーナーとメルセデスF1代表のトト・ヴォルフが、それぞれの見解を明かした。

    キミ・アントネッリのストップによってセーフティカーが導入された後、フェルスタッペンはピットインの際にハードタイヤしか選択できなかったため、ソフトタイヤを履いたライバルたちから激しい攻撃を受けることになった。

    リスタート時、フェルスタッペンは最終コーナーでスライドし、スタート/フィニッシュストレート上でフェラーリのシャルル・ルクレールにホイール同士の接触を交えながら抜かれた。その直後、ラッセルもオーバーテイクを狙った。

    ターン1ではエスケープロードを使ってポジションを守ったフェルスタッペンだったが、その後無線でレースエンジニアから「ラッセルに順位を譲るように」との指示が出され、ターン5で不満を漏らしながらも一時的にその指示に従ったように見えた。

    しかし、その後フェルスタッペンは再び通常のペースに戻り、レースの残り2周でラッセルと接触。ラッセルはレース後のメディア対応で「ぶつけられた」と述べている。

    ホーナーはこう振り返る。

    「リスタートでマックスはスナップ(挙動の乱れ)を起こして、そこにシャルルが並びかけてきた。彼(ルクレール)が左に寄せたように見えた。

    「そこにジョージがターン1でチャンスを狙ってきた。非常にギリギリの状況だった。こういうのは主観的なもので、最近のケースを見ても判断は難しい。FIA、いわば“レフェリー”にガイダンスを求めても、何の返答もなかった」

    「報告はされて審議対象にはなっていたし、明らかにペナルティが科される流れのように見えた。だからこそ、マックスにポジションを戻すよう指示を出した。マックスとしては当然納得がいっていなかった。彼は『スペースがなかった』『ジョージは完全にクルマをコントロールしていなかった』と感じていたからだ」

    「その後エンジニアとのやり取りを経て、ターン5でポジションを譲るという判断に至り、そこでも接触が起きた」

    「マックスとはまだ話せていないが、スチュワードは『接触の原因は彼にある』と判断し、10秒ペナルティとペナルティポイントを科した」

    「非常に悔しい結果だ。あのレースは本来なら楽に表彰台を獲れていたはずだったのに、最終的に獲得できたのは1ポイント(10位)だけだ」

    スペイングランプリ F1 マックス・フェルスタッペン VS ジョージ・ラッセル

    一方、ラッセルが4位でフィニッシュしたメルセデスF1代表のトト・ヴォルフは、レース後の囲み取材で次のように述べた。

    「今初めて聞いたんだけど、マックスには『ラッセルに譲れ』という指示が出ていたらしいね。知らなかった。我々としては、マックスのクルマに問題があったのかと思っていた。ターン4の後、加速が明らかに鈍かったからね」

    「もしあれが“ロードレイジ”(怒りのドライビング)だったとすれば、信じがたい。とはいえ、あれだけ目立つ行動を故意にするとは思えないけど。彼は何を狙っていたのか? ラッセルに譲ってすぐに抜き返す“DRSゲーム”のような意図があったのか? よくわからない」

    「正直、理解できない。でもまだマックスの主張を聞いていないから、断定は避けたい。『あれは怒りからの行動だ』とはまだ言うつもりはない。理由がわかるまではね。とはいえ、あの接触は気分のいいものではなかった」

    さらにフェルスタッペンのレーススタイルについて尋ねられると、ヴォルフはこう続けた。

    「モータースポーツに限らず、あらゆるスポーツで“偉大な者”には共通点がある。“世界が自分に敵対している”と思い込みながらも、極限のパフォーマンスを出せる者たちだ」

    「ただし、時には『敵対しているのは世界じゃない、自分自身が間違えたのだ』と認めることも必要だ。そうした“気づき”があるべきなんだ」

    「マックスにはここ数年、そうした瞬間はなかった。2021年の出来事は別として、今回のような行動がどこから来たのか、正直わからない」

  • F1スペインGP終盤の接触劇 フェルスタッペンとラッセルの主張対立

    F1スペインGP終盤の接触劇 フェルスタッペンとラッセルの主張対立

    ジョージ・ラッセルとマックス・フェルスタッペンが、F1スペインGP終盤に起きた劇的な接触についてそれぞれの見解を語った。この接触によりレッドブルのフェルスタッペンにはペナルティが科され、レース終盤の順位が大きく変動する結果となった。

    レース終盤、キミ・アントネッリのメルセデスがマシントラブルによりコース脇にストップし、セーフティカーが導入されたことで展開が大きく揺れ動いた。

    このタイミングで多くの上位勢が再度ピットインしたが、フェルスタッペンにはハードタイヤしか残されておらず、その結果、後方からの攻撃に対して脆弱な状況となった。

    リスタート後、フェルスタッペンは最終コーナーで大きなスナップを喫し、シャルル・ルクレールと接触してポジションを落とした。その混乱の中でラッセルがオーバーテイクを狙ってきたが、フェルスタッペンはランオフエリアを使ってコース外からラッセルの前に出た。コース外走行によって得た優位性が問題となるのを避けるため、レッドブルのレースエンジニアであるジャンピエロ・ランビアーゼは、フェルスタッペンに対しラッセルにポジションを返すよう無線で指示した。

    無線では激しく反発していたフェルスタッペンだが、ターン5では一時的に減速し、ラッセルに外側のラインを与えるような動きを見せた。しかし直後に再加速し、結果的にラッセルと接触するかたちとなった。この接触によりフェルスタッペンには10秒のタイムペナルティが科され、5位から10位に順位を落とすこととなった。

    スペイングランプリ F1

    ラッセル「クラッシュされた、それだけ」
    レース後、ラッセルは次のようにコメントした。「僕の視点から言えば、ただクラッシュされたという感じだ。なぜそうなったのか、どういう考えがあったのか正直よく分からない」

    「幸いにも大きなダメージなく走り切れたし、最終的には彼よりも自分の方が結果は良かった。あれがマックスのレーススタイルなんだろう。彼がP4、僕がP5だったけど、最終的に僕がP4、彼がP10。だから自分としては無事に完走できて良かった」

    「彼が自分とチームに多くのポイントを失わせただけだと思う。特に話すべきこともないね」

    この結果、ラッセルはマイアミGP以来となる自己最高位の4位でフィニッシュした。

    フェルスタッペン「何も言う必要はない」
    一方のフェルスタッペンは、より短く事態を振り返った。「特に何も言う必要はない。どうでもいいからね」

    「最後のコーナーで大きなスナップがあって、ハードタイヤのグリップが本当に低くて痛かった。とにかくタイヤが限界だった。振り返ってみれば、あのままステイアウトした方が良かったのかもしれない。でも、そういうのは後から言えることだ」

    「戦略自体は良かったと思うし、自分たちにとってベストだった。攻めの姿勢も気に入っていた。ただ、最後にその恩恵が得られなかっただけだ」

  • ジョージ・ラッセル F1スペインGP予選「4番手には満足も課題はレースペース」

    ジョージ・ラッセル F1スペインGP予選「4番手には満足も課題はレースペース」

    ジョージ・ラッセルは、F1スペインGP予選でトップ5に返り咲いたものの、メルセデスの近況に対する不満を隠さなかった。

    ラッセルはこれまで、全戦で5位以内に入るという安定した成績を続けていたが、イモラでは7位に後退し、モナコではマシントラブルによりQ2敗退。決勝でもポイント圏外に沈むなど、流れは悪かった。

    今季ここまでメルセデスはコンスタントに上位勢と戦い、コンストラクターズランキング2位につけているが、今回の3連戦のうちスペインGPまでの2戦ではわずか6ポイントの獲得にとどまり、特にソフトタイヤでのパフォーマンスに苦しんでいた。

    だが、スペインでは一転、ラッセルが4番手、キミ・アントネッリが6番手に入り、復調の兆しを見せた。ラッセルは、今回のハード寄りのタイヤ選択が重要なカギになっていると述べている。

    ラッセルは次のように語った。

    「マックスやランドとの差は僅かだったけど、ポール争いには届かなかった。モナコを除けば、毎戦予選ではトップ5に入っているし、それが今のマシンの土台だと思っている。今の目標はレースペースの改善だ」

    「今週末は思い切ったセットアップ変更をしていて、予選ペースには悪影響が出ていないのはポジティブだ。これがレースペースにも良い効果をもたらすかは、まだわからない」

    「去年もここは4番手スタートだったから、悪くないポジションだよ。最近はレースで苦戦しているけど、バーレーンでは今回と似たような状況で(C1~C3の)2ストップ戦略が機能して2位に入れた。逆にC4~C6の2ストップでは苦戦してきた。今回のコンパウンド構成だけが、今のところの救いだね」

    スペインGP F1 メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツスペインGPで今季自己最高の予選結果となる6番手を記録したキミ・アントネッリ

    一方のアントネッリも、イタリアGPでのリタイア、モナコ予選クラッシュと続いた苦戦から一転、スペインでは予選6番手を獲得。セッション序盤にはラッセルからトウの提案があり、その後はラッセルが自身にトウを求めるというチーム内協力もあった。

    アントネッリはこう振り返る。

    「予選の序盤はリズムをつかむのに苦労した。その影響でQ3には新品タイヤが1セットしか残らず、あまり理想的ではなかった。中古と新品では結構な差があったからね」

    「全体としては、まずまず満足できるパフォーマンスだった。まだタイムを削れそうな部分はあったけど、明日はレースペースが重要になる」

    「レースは最も暑い時間帯に行われるから、デグラデーション(タイヤの熱劣化)は大きな課題になると思う。簡単な展開にはならないだろうけど、長いスティントのデータはしっかり取れているし、準備はできている。他チームもかなり速いから、どうなるか見てみよう。ベストを尽くすつもりだ」

  • ジョージ・ラッセル F1スペインGP初日「ロングランが課題」

    ジョージ・ラッセル F1スペインGP初日「ロングランが課題」

    ジョージ・ラッセルはF1スペインGP金曜プラクティスを2番手で終え、メルセデスにとってまずまずの一日となったことに安堵を示しながらも、決勝に向けたロングランペースについては依然として課題があると認めた。

    前戦モナコGPで苦戦を強いられたメルセデス勢は、バルセロナ=カタルーニャ・サーキットでのFP1ではソフトタイヤを使用せず、ラッセルは11番手、チームメイトのキミ・アントネッリは18番手と控えめなポジションにとどまった。

    しかし、FP2では状況が一変。ラッセルは一時トップタイムを記録し、最終的にはマクラーレンのオスカー・ピアストリに抜かれたものの、2番手をキープ。アントネッリも6番手に順位を上げた。

    ラッセルは一日の走行を振り返り、「予選シミュレーションではまずまずだったので、ここ最近の難しいレースを経てクルマの本来の位置に戻ってこれた気がする。ただし、ロングランペースはあまり良くなくて、それが最近の課題でもある。改善しようと取り組んでいるが、まだ十分ではない」とコメント。

    「データを見直して、ライバルと比較しながら分析する必要がある。正直、ロングランペースには少し不安がある」と認めた。

    土曜の予選に向けてロングランの改善が重要か問われると、27歳のラッセルは前向きな姿勢を見せた。

    「いい感触を持っているし、このサーキットを走るのが楽しい。今日は走っていて気持ちよかった。暑かったけどね。明日以降どうなるか、楽しみにしているよ」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ F1 スペイングランプリ

    一方、アントネッリにとっては完全に順調な日とはならなかった。イタリア人ルーキーはW16の跳ね(バウンシング)に悩まされ、ターン9のバンプで一瞬ヒヤリとする場面もあった。

    「フロアの状態をチェックする必要があるけど、特に高速域でかなりバウンシングがあった。いつもより強く感じたので、何かがフロアに影響を及ぼしていないか確認しないといけない」と語った。

    「シングルラップの段階から高速コーナーでのバウンシングに苦しんでいた。でもFP2ではマシンのフィーリングがかなり良くなって、自信を持って走れるようになった。特にシングルラップではリズムが掴めたと思う」

    「ロングランでは、ジョージとは少し違うアプローチをとっていて、序盤は自分の方がかなり速かったけど終盤には逆に遅れてしまった。そのバランスを今夜しっかり確認して、日曜日に向けた最適なセッティングを見つけたい」

    ラッセルとの差を詰め、マクラーレンに挑むことができるかと問われたアントネッリは自信をにじませた。

    「それが目標だ。チームと一緒に正しい方向に進んでいるし、自分自身がどこを改善すべきかも見えてきた。明日がまた新しい1日だから、ベストを尽くして臨みたい」

  • F1モナコGP後にロブスター奢ったアルボン ラッセルは「まだ足りない」

    F1モナコGP後にロブスター奢ったアルボン ラッセルは「まだ足りない」

    ジョージ・ラッセルは、モナコGPの週末にアレックス・アルボンと一緒に夕食を取った際、メニューで最も高価な料理を注文したかもしれないが、メルセデスのドライバーは「レース中におばあちゃんみたいなチンタラ運転をしていた」と冗談めかして語り、それでもその料理では腹いせにならなかったと語った。

    予選で電気系のトラブルに見舞われ14番手に終わったラッセルは、レース前から「週末はもう台無しになった」と述べていたが、実際にその通りの展開となった。

    決勝ではチームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリとともに、ウィリアムズのアルボンとカルロス・サインツの後ろで動けずにいた。

    今回モナコで初めて導入された「2回の義務ピットストップ」ルールにより、サインツとアルボンは互いに後続とのギャップを作るために意図的にペースを落とし、ピットイン後にラッセルとアントネッリの前でコースに戻れるようにしていた。

    この戦略に業を煮やしたラッセルは、ヌーヴェルシケインでわざと直進してアルボンを追い越すという手段に出た。その結果、彼にはドライブスルーペナルティが科された。

    2人は私生活では友人同士であり、レース後のモナコでの夕食ではアルボンが勘定を持つ形で和解した。その席では、ラッセルがその申し出を最大限に活用したことが明かされている。

    アルボンは夕食について問われ、次のように答えた。

    「最高だったよ。彼はメニューの中で一番高いものを頼んでた。本当に。ロブスターパスタだった。デザートはスキップしてたから、ある意味では釣り合いが取れてたけどね。楽しい夜だったよ」

    「もちろん僕が払った。払うつもりだったし、それが当然だと思った。だってレースは本当に最悪だったから。レースの話はほとんどしなかったね」

    ジョージ・ラッセル アレクサンダー・アルボン

    一方でラッセルは、日曜の夕食代ではまだアルボンの“借り”は返しきれていないと冗談交じりに語り、シケインをカットしてペナルティを受けた背景についても説明した。

    「高価とはいえなかったね。あれじゃ全然チャラにはならないよ」

    「正直なところ、50周もウィリアムズのリアウイングを見続けるのにうんざりしてたんだ。皮肉なのは、あの動きをしたおかげで最終的に順位が上がったこと。あれをせずにただアルボンの後ろにい続けていたら、あそこまで順位は上がらなかった。3周でピットストップ1回分の差を稼げて、自分のレースができるようになった」

    「でも僕たちにとっては、週末は早い段階で終わってた。何も争っていなかったし、11位でも20位でもポイントは同じゼロだ。それならせめてモナコを楽しみたかった。土曜日にはそれができなかったからね」

    「せめて最後の25周は楽しめた。これは“反逆者ジョージ・ラッセル”の一環じゃないし、コースカットを正当化したいわけでもない。ただ単に、アレックスがおばあちゃんみたいなチンタラ運転をしてるのを見続けるのに飽きただけなんだ」

  • ラッセルとの契約停滞の背景に?メルセデスF1に“フェルスタッペン待ち”説

    ラッセルとの契約停滞の背景に?メルセデスF1に“フェルスタッペン待ち”説

    2025年シーズン、メルセデスF1で安定した結果を出し続けているジョージ・ラッセル。ランキングではマックス・フェルスタッペンとマクラーレン勢に次ぐ4位につけ、チーム内で最も高いパフォーマンスを発揮しているにもかかわらず、いまだ契約延長には至っていない。

    こうした交渉停滞を巡り、関係者の間では“フェルスタッペン待ち”ではないかという憶測が広がっている。

    チーム代表のトト・ヴォルフは、モナコGPの週末にその見方を否定。「そんなに長くはならない」と断言した。

    「ジョージと私は、これがどう進むかについて完全に理解し合っているし、100%同じ方向を向いている。この件を引き延ばすなんてことは絶対にしない。我々のやり方ではないからね」

    だが一方で、ヴォルフが過去にも似た対応をとったことを思い出す者も少なくない。昨年、ルイス・ハミルトンの後任としてキミ・アントネッリと契約したのは9月のモンツァ。今回も“保留”の理由が別のトップドライバーの動向にあるのではと見る声があるのだ。

    オランダのレーシングパーソナリティ、トム・コロネルは、ラッセルの新契約は近くまとまると予想する。ただしそのタイミングは、フェルスタッペンが契約に含まれる特定の解除条項を行使できる時期と一致すると指摘。

    「関係者は皆、状況を見守っている」とコロネルはViaplayで語る。

    「マックスはすでにトト・ヴォルフと話をしている。我々もそれは知っている。選択肢を広げておいて、最終的にマックスが選ぶ時が来る。その時期はモナコGPの後になるだろう」

    今のところすべては推測の域を出ない。しかし、ラッセルの契約が進まないこと、そしてヴォルフの慎重な姿勢が、フェルスタッペンの将来と無関係とは言い切れない。

  • ジョージ・ラッセル F1モナコGPで故意のコーナーカット「やらなくても詰んでた」

    ジョージ・ラッセル F1モナコGPで故意のコーナーカット「やらなくても詰んでた」

    ジョージ・ラッセルは、F1モナコGPでアレクサンダー・アルボンを追い越すために意図的にコーナーをカットしたことについて、後悔はしていない。

    ラッセルは数周にわたりアルボンの後方に詰まり続けていた。アルボンはウィリアムズのチームメイトであるカルロス・サインツを助けるためにペースを落としていた。

    モナコ市街地でのオーバーテイクがほぼ不可能な状況で、ラッセルは自らの手で打開策を講じた。

    彼はヌーヴェルシケインを意図的にショートカットし、アルボンを追い越した。

    この動きによってラッセルはクリーンエアを得て、アルボンに対してピットストップ1回分のギャップを築くことができた。

    しかし、ラッセルには通常の10秒ペナルティより重いドライブスルーペナルティが科された。

    レース後、Sky Sportsのインタビューでラッセルは、アルボンの後ろに詰まっていた時に「どうでもいいや」と思った理由を語った。

    「これがモナコだよ。そういうゲームなんだ」とラッセルは語った。

    「朝の時点でキミ(アントネッリ)と僕の間で戦略を立てていたけど、ウィリアムズやVisa Cash Appが同じことをやってくるとは思ってなかった。結局、モナコでまともなポイントを取るには、そうするしかなかったんだ。

    やってもやらなくても詰んでた。ある時点で『もうどうでもいい』って気持ちになった。ポイント圏外だったし、どのみち何にもならなかったから、ただモナコを走るのを楽しみたかった。昨日のトラブルで全てを失って、予選を戦う機会すらなかったんだから。

    モナコで全開で25周も走れたし、皮肉なことにドライブスルーを受けたとしても、そのまま走っていた場合よりも良い順位で終わったと思う。あのままだったらアルボンの後ろで詰まって、角田(裕毅)やヒュルケンベルグの後ろでピットしてたはずだから。正直、このシステムにはちょっと問題があるよね」

    ジョージ・ラッセル モナコGP F1 メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    FIAの見解
    FIAは、このペナルティが通常より厳しいものになった理由として、ラッセルのオーバーテイクが「故意」であったことを挙げている。

    ラッセルはレースを11位でフィニッシュし、あと一歩でポイント圏に届かなかった。

    スチュワードの裁定にはこう記されている。

    「63号車はターン10でコースを外れ、23号車を追い越した。その後も順位を戻さずに走行を続けた」

    「無線のやり取りからも分かる通り、彼は『ペナルティを受ける』と言っており、自らが23号車の“異常な走行”に妨害されていると感じ、意図的に追い越しを行ったことは明白だった」

    「このような事態を想定し、スチュワードの要請でレースディレクターは全チームに対して、今回のモナコGPではターン10での故意のコース逸脱による追い越しに関して厳しく判断すること、また、通常の10秒ペナルティでは不十分と見なす可能性があることを事前に通知していた」

    「そのため、63号車の故意による違反はドライブスルーペナルティに値すると判断し、その処分を科した」

  • ラッセル F1モナコGPで“壁”になったアルボンに「夕食の会計は彼持ち」

    ラッセル F1モナコGPで“壁”になったアルボンに「夕食の会計は彼持ち」

    ジョージ・ラッセルは、モナコでのフラストレーションの多い週末を経て、「もっとできたはずだった」と複雑な思いを抱えた。予選では早々に敗退し、決勝ではウィリアムズ勢のカルロス・サインツとアレクサンダー・アルボンの後ろで身動きが取れないままレースを過ごすこととなった。

    予選Q2ではマシンが電力を失ってストップし、ラッセルはここで敗退。同僚のアンドレア・キミ・アントネッリもQ1でクラッシュしており、メルセデスにとって厳しい展開だった。

    14番手と15番手からスタートしたラッセルとアントネッリは、今大会から導入された「義務的2回ピットストップルール」を活かし、入賞圏内を狙っていたが、サインツとアルボンの“壁”によってその戦略は阻まれた。

    序盤はサインツの後ろに、後半はアルボンの背後に張り付くかたちとなり、ラッセルは次第にフラストレーションを募らせる。ついにはヌーヴェルシケインでショートカットしてアルボンを追い越し、そのポジションを戻すことを拒否した。

    スチュワードは、コース外走行によって得たアドバンテージを返さなかったとして、ラッセルにドライブスルーペナルティを科した。ラッセルは無線で「ペナルティを受けた方がマシだ」と語っていたが、最終的に彼は11位でフィニッシュし、ポイントには届かなかった。

    ラッセルは「今までで一番フラストレーションの溜まった周回だったか」と問われると、こう答えた。

    「そうだね。でもそうなるってことは最初から分かっていたよ。僕たちもキミと一緒にそれを計画していたんだ。僕がピットに入って、キミが後続を抑え、その後ポジションを交代して僕が同じことをやるってね」

    「でもそれをやったのはレーシングブルズとウィリアムズだった。1周目にピットに入ってもポイント圏外、引っ張ってもポイント圏外。ある時点で『もうどうでもいいや』って思ったんだ。モナコを楽しみたかったし、予選ではそのチャンスがなかったからね」

    「だから25周にわたって、まるで予選のようなアタックラップを連続で走れたのは少なくとも楽しかったよ。皮肉だけど、あのドライブスルーペナルティを受けたことで、受けなかった場合よりも順位が上がったんだ。システムに欠陥があるってことだよね」

    ジョージ・ラッセル モナコGP F1 メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    ペナルティを受けるのが最初からチームの計画だったのか問われると、こう続けた。

    「それが計画だったわけじゃないよ。計画はあくまでオーバーテイクを狙うことだった。チームは木曜日にこう言ってたんだ。前のクルマとの差が3秒未満なら、追い抜きの可能性は0%、4.5秒あれば50%って。

    「カルロスとアレックスは頭がいいから、守りやすいポジションにクルマを置いていた。特にアレックスは、ブレーキングの仕方がちょっと危険だった時もあった。あのシケインをカットするつもりはなかったし、そんな計画でもなかったけど、77周もずっと誰かのリアウイングの後ろで走るのは嫌だったし、自分自身を危険にさらすことにもなる。直線でブレーキ踏まれたり、チームプレイの犠牲になるのも避けたかった」

    モナコに住むF1ドライバーも多い中、ラッセルは最後に笑顔を見せてこう締めくくった。

    「今夜はアレックスと夕食を一緒にする予定なんだ。だから彼にお会計をお願いするつもりだよ」

  • ジョージ・ラッセル F1モナコGPの『意図的なショートカット』に厳罰の理由

    ジョージ・ラッセル F1モナコGPの『意図的なショートカット』に厳罰の理由

    FIA(国際自動車連盟)は、F1モナコGPでメルセデスのジョージ・ラッセルがアレクサンダー・アルボンをコース外から追い越した件について、なぜ通常よりも厳しいドライブスルーペナルティを科したのか、その理由を説明した。

    入賞圏内で争っていたラッセルは、前を走るウィリアムズのアルボンのペースの遅さにフラストレーションを募らせていた。アルボンは、前方にいるチームメイトのカルロス・サインツがピットに入るためのギャップを作る目的で、意図的にスローペースで走行していた。

    そして50周目、ラッセルはヌーヴェルシケインでコースをショートカットし、アルボンを追い越した。ラジオでは「アルボンの走りが不安定だったため、接触を避けるためだった」と主張したが、ラッセルはその後もポジションを返さず、「10秒ペナルティを受けた方がマシ」と判断し、自らの判断で前に出たまま走行を続けた。

    しかしスチュワードは、ラッセルのラジオでの発言が「意図的なショートカットである」ことの証拠になると判断し、より重いドライブスルーペナルティを科すことを決定した。

    スチュワードの裁定には以下のように記されている。

    「カーナンバー63(ラッセル)はターン10でコース外に出て、カーナンバー23(アルボン)を追い越した。ポジションを返さず、そのまま走行を続けた。彼が『ペナルティを受ける』と言ったラジオメッセージから、このオーバーテイクが故意であったことは明白であり、23号車の不安定な走行に足止めされていたと感じていたことが分かる」

    「今回のモナコGPでは、こうした事例が発生する可能性を想定し、レースディレクター(スチュワードの要請による)は事前にすべてのチームに対し、ターン10でのコース外追い越しが故意と判断された場合、ガイドラインとなる10秒ペナルティでは不十分と見なされ、より重いペナルティを科す可能性があると通達していた」

    「これらの事情を踏まえ、63号車の故意による違反にはドライブスルーペナルティが妥当であると判断し、これを科した」

    モナコGP F1 ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    なお、ラッセルのチームメイトであるアンドレア・キミ・アントネッリも、52周目に同様の手法でアルボンをコース外から追い越したが、その直前にラッセルにドライブスルーペナルティが科されたことを受け、レースエンジニアの指示によりポジションを返す対応をとった。

    最終的にラッセルは11位でフィニッシュし、アントネッリは終盤の2回目のピットストップにより18位となった。

    2人の週末は、予選でトップ10入りを逃した時点で苦しい展開となっていた。アントネッリはQ1でのクラッシュにより15番手、ラッセルはQ2での電気系トラブルにより14番手だった。

    なお、トラックリミット違反によるアドバンテージ獲得へのペナルティは、昨年のマイアミGPを受けて5秒から10秒に引き上げられていた。マイアミではハースのケビン・マグヌッセンが3度の10秒ペナルティを受けながらもメルセデスのルイス・ハミルトンを抑え込み、チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグの入賞に貢献したという経緯がある。

  • ジョージ・ラッセル F1モナコGP予選「バンプに乗ってすべての電源が落ちた」

    ジョージ・ラッセル F1モナコGP予選「バンプに乗ってすべての電源が落ちた」

    ジョージ・ラッセルは、F1モナコGP予選のQ2で突然パワーを失ってマシンが停止した瞬間について、「あの時点で終わりだった」と振り返った。これは、チームメイトのキミ・アントネッリがQ1終盤にクラッシュして赤旗を出した直後の出来事だった。

    F1モナコGPの週末、メルセデスの2台は3回のプラクティスセッションを通じてライバルに対して苦戦し、トップ10の下位に留まることが多く、マクラーレン、レッドブルF1、スクーデリア・フェラーリが上位を争っていた。

    しかしラッセルによれば、予選に入ってからマシンは明らかに改善されていたという。F1モナコGPの予選は、コース幅が極端に狭く、交通量も多いため、シーズンで最もチャレンジングでありながらスリリングなセッションの一つとされている。

    ラッセルはQ3進出を狙えるペースを見せていたが、突如としてトンネル内でマシンがストップ。再始動も試みたものの失敗に終わり、マーシャルに押し出される形でセッションを終え、決勝は14番手スタートとなった。

    「調子が戻ってきたと感じていた」とラッセルは語った。「Q1ではすべてがうまくいった。マシンの感触も最高で、今週末で初めてマシンが生きていると感じた」

    「Q2の序盤、まだ1コーナーしか走っていないのに、マシンは本当にいい感じで、今季ここまでのようにトップ4争いができると思った。だけど坂を上っているときにマシンがバンプに乗って、すべての電源が落ちた。それで終わりだった」

    「明日に向けていい材料とは言えない。今はポジティブに考えるのが難しい。モナコの予選は一年で最も興奮するセッションなのに、それに挑戦するチャンスすら得られなかったことが残念だ」

    「プラクティスから今日にかけて、チームは本当にたくさんの作業をこなしてくれて、それが実を結んでいた。Q1の1周目から、“これはいける”と感じていたのに、すべてが無駄になってしまった」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ F1 モナコGP

    一方、チームメイトのキミ・アントネッリもF1モナコGP予選で悔しさを味わった。Q2進出は決まっていたが、Q1終盤にバリアへ接触して赤旗の原因となり、それ以降のセッションに出走できなかった。

    ヌーベルシケインへの進入でバリアに接触したことでマシンが損傷し、曲がりきれずにそのまま正面の壁へ衝突。クラッシュにより予選を終えることとなった。

    「本当に余計で代償の大きいミスだったし、こんな形で終えてしまったのは明らかに残念だ。チームに対しても本当に申し訳なく思っているし、今日は完全に自分の責任だ」とアントネッリはコメントした。

    「マシンに慣れていこうとしていて、セッションの中で少しずつ前進していこうとしていた。今週末は他の週末よりも少し苦しんでいたけれど、それでもミスは自分のせいであって、マシンの問題ではない」