投稿者: dbcheck

  • FIA黄旗ルールに波紋 アントネッリのペナルティでF1ドライバーも意見割れる

    FIA黄旗ルールに波紋 アントネッリのペナルティでF1ドライバーも意見割れる

    F1ハンガリーGP予選でアンドレア・キミ・アントネッリに科されたグリッド降格ペナルティをきっかけに、黄旗区間で「どこまで減速すれば十分なのか」というFIAの運用基準を巡る議論が再び活発化している。

    元F1ドライバーのアンソニー・デビッドソンは、現在のルールについて「ドライバーの間でも意見が一致していない」と明かし、今後も論争が続く可能性を示唆した。

    アントネッリの減速は「十分ではなかった」
    アントネッリはハンガリーGP予選Q3終盤、マックス・フェルスタッペンがスピンして黄旗が提示された区間を通過した際、十分に減速しなかったとして3グリッド降格処分を受けた。

    この裁定により、4番手タイムを記録していたアントネッリは降格となった。

    このケースは、数週間前のオーストリアGP予選でチームメイトのジョージ・ラッセルが似た状況で処分を免れた事例とも比較されている。

    オーストリアではフェルスタッペンがターン9でスピンした際、ラッセルは黄旗区間でアクセルを緩め、スチュワードは十分に減速したと判断してポールポジションを認めた。一方、アントネッリはその周回自体を中止していた。

    PlanetF1.comのデータ分析によれば、ラッセルは自己ベストと比較して約0.08秒タイムを失ったのに対し、アントネッリは約0.6秒遅くなっていたという。

    それでも今回のハンガリーでは、アントネッリの減速は十分ではないと判断された。

    「15メートル早くアクセルを戻した」
    メルセデスのポッドキャスト『Silver Arrows Radio Show』で、元F1ドライバーのアンソニー・デビッドソンは当時の状況を振り返った。

    「映像を見返したとき、どちらの判断になるか本当に分からなかった。非常に際どいケースだった」

    「キミは黄旗を確認すると通常より早くアクセルを戻し、コーナー進入も早い段階で減速に移っていた」

    これに対し、副チーム代表のブラッドリー・ロードは次のように説明した。

    「通常より約15メートル手前でアクセルを戻し、そのまま惰性でコーナーへ進入していた。しかしスチュワードは、その減速では規則を満たしていないと判断した」

    「オーストリアでは周回を完全に諦めていたが、今回は減速量が十分ではないと結論づけられた」

    比較対象となった基準ラップにも問題
    メルセデスの副テクニカルディレクターを務めるシモーネ・レスタは、今回の判定には別の要因もあったと説明する。

    「比較対象となった基準ラップ自体が理想的なラップではなかった。その区間ではキミ本来の速さを示すラップではなく、それが状況を複雑にした」

    「減速していても、比較対象が本来より遅いセクターだったため、十分なタイムロスとして認識されなかった」

    さらにアントネッリ自身も、FP3の燃料を多く積んだ状態のラップと比較しても、減速しながらなお速いタイムだったと指摘していたという。

    「さまざまな条件が重なった結果だった。キミは確かに反応したが、比較基準との関係で必要な減速量には達していないと判断された」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    明文化されない「十分な減速」が議論に
    現在のFIA規則では、黄旗区間で具体的に何km/h減速すればよいかは明文化されていない。

    スチュワードが各ケースごとに「十分に減速したかどうか」を判断する仕組みとなっており、この裁量の大きさが議論を呼んでいる。

    そのため、一部では黄旗ではなく常にダブルイエローを提示すべきだとの意見も出ているが、この案についても意見は割れている。

    デビッドソンは、GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)の理事を務めるラッセルとの会話を紹介しながら次のように語った。

    「オーストリアの後にジョージとも話したが、予選中の黄旗運用についてパドック内でもまだ意見はまとまっていない」

    「マシンがコース上で停止したら常にダブルイエローにすべきだというドライバーもいる。それなら全員が何をすべきか明確になる」

    「一方で、自分とは関係ない場所で起きたインシデントのせいでラップを犠牲にするのは不公平だと考えるドライバーもいる」

    「ドライバー同士でも正しい運用について共通認識はできていない」

    メルセデス「一貫性を保つのは簡単ではない」
    2人のドライバーで異なる裁定を経験したロードは、レースコントロールとスチュワードの難しい立場にも理解を示した。

    「レースコントロールやスチュワードの立場は非常に難しい。すべてのインシデントは状況が異なり、コーナー速度やランオフエリア、発生した文脈も毎回違う」

    「我々も時には判断に不満を感じ、時には納得することもある。一貫性を維持するのは簡単ではない。まったく同じケースは存在しないからだ」

    アントネッリは決勝で3位表彰台を獲得し、ランキング首位を維持したものの、今回の一件はFIAの黄旗運用と裁定基準を巡る議論を再び浮き彫りにする結果となった。

  • 元マクラーレンF1代表エリック・ブーリエ WRCプロモーターCEOに就任

    元マクラーレンF1代表エリック・ブーリエ WRCプロモーターCEOに就任

    FIA(国際自動車連盟)は、世界ラリー選手権(WRC)の商業権をフランスの自動車企業コスモビリス(Cosmobilis)と投資会社パーク・スクエア・キャピタル(Park Square Capital)が取得したと発表した。これに伴い、元ロータスF1およびマクラーレンF1のチーム代表エリック・ブーリエがWRCプロモーターの最高経営責任者(CEO)に就任することも明らかになった。

    FIAのモハメド・ビン・スライエム会長は、この契約を「ラリー界にとって世紀の契約」と表現。

    WRCとヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)の歴史上、最大規模の商業契約だと位置づけている。

    WRCの商業権が新体制へ
    発表はラリー・フィンランド初日に行われた。FIAは今回の契約について、「WRCとERCにとって極めて重要な転換点」であり、「両選手権史上最大の契約」と説明した。

    新たな権利保有者であるコスモビリスとパーク・スクエア・キャピタルは、ファンを中心に据えた新たな成長戦略を掲げている。

    具体的には、ストーリーテリングの強化や映像配信の拡充、複数のプラットフォームを活用したコンテンツ展開を進めることで、世界中のファンがこれまで以上に競技へアクセスしやすい環境を目指すとしている。

    エリック・ブーリエがCEOに就任
    今回の体制変更に伴い、WRCの商業運営を担うWRCプロモーターのCEOにはエリック・ブーリエが就任した。

    ブーリエは2010年から2013年までロータスF1のチーム代表を務め、その後はマクラーレンでレーシングディレクターとして約4年半にわたりチームを率いた。

    2018年にマクラーレンを離れた後は、2022年まで開催されたフランスGPの運営にも携わっていた。

    ブーリエは新たな役職について次のように意気込みを語った。

    「私は大きな熱意と決意、そして謙虚さと強い責任感を持ってこの挑戦に臨む。この素晴らしい選手権をさらに魅力的なものにしたい」

    「FIAやパートナーとともに、すべてのイベントを世界中のファンが楽しめる特別な大会へ発展させたい」

    「目標は明確だ。WRCとERCを世界的ブランドへ成長させ、現代の技術や環境課題にも対応した持続可能な発展を実現することだ」

    FIA「ラリー界にとって世紀の契約」
    ビン・スライエム会長は、今回の契約が競技の将来に大きな意味を持つと強調した。

    「これはまさにラリー界にとって『世紀の契約』だ。かつてない規模の投資が実現したことを誇りに思う」

    「この投資はファンや競技者、加盟クラブに利益をもたらすだけでなく、ラリー競技の将来への強い信頼を示すものでもある」

    「私たちは現在だけでなく将来を見据え、長期的なビジョンを共有できる最適なパートナーを選んだ」

    「ラリーは私自身の人生を形作ってきた競技であり、その未来に深くコミットしている。新たな時代の始まりとなる重要な瞬間だ」

  • フェルナンド・アロンソ アストンマーティンF1との契約詳細 2027年去就は本人次第

    フェルナンド・アロンソ アストンマーティンF1との契約詳細 2027年去就は本人次第

    フェルナンド・アロンソとアストンマーティンF1の契約に隠されていた詳細が明らかになった。Sky SportsのF1コメンテーターであるデビッド・クロフトによると、アロンソは5年契約を結んでおり、そのうち2年間がレースドライバー、残る3年間がブランドアンバサダーとしての契約になっているという。

    これにより、2027年に現役を続行するか、アンバサダーへ移行するかの選択権はアロンソ本人が握っていることが判明した。

    契約は5年 アロンソに2027年の決定権
    2024年にフェルナンド・アロンソがアストンマーティンと契約を更新した際、公表されたのは2025年と2026年の2シーズンを現役ドライバーとして戦う契約だった。

    一方で、実際にはそれより長期の契約が結ばれており、2027年以降はチームの幹部やアドバイザー、あるいはブランドアンバサダーとして組織に残ることが想定されていた。

    しかし、アロンソは現在も高いパフォーマンスを維持しており、さらにハンガリーGPで投入されたBスペック仕様「AMR26B」によってチームの競争力も向上。マックス・フェルスタッペン獲得を軸としていた将来構想にも変化が生じている。

    そのため、2027年もレギュラードライバーとして現役を続ける可能性が現実味を帯びている。

    ハンガリーGPのFIA公式記者会見でアロンソは「2027年もアストンマーティンとの契約がある」と発言していたが、その意味についてデビッド・クロフトが詳細を明かした。

    「フェルナンド・アロンソは『契約がある』と言っていた。その通りで、私の理解では5年契約だ。そのうち2年間はドライバーとして、残る3年間はアストンマーティンのアンバサダーを務める契約になっている」

    さらにクロフトは、現役続行か役割変更かを決める権利はアロンソ自身にあると説明した。

    「アンバサダーになるのか、それともレースを続けるのか。その選択権はフェルナンドにある。決定権は彼自身が握っている」

    この内容は、アロンソが他チームへ移籍するという最近の憶測を否定する材料にもなっている。

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    後任候補にはサインツやベアマンの名前
    アロンソが2026年限りで引退する可能性は低いとみられている。

    本人は競争力のあるマシンでF1キャリアを締めくくることを望んでおり、AMR26Bの進歩によってその希望は現実味を増しているためだ。

    それでもアストンマーティンは将来を見据え、複数の候補をリストアップしているという。

    クロフトは次のように語った。

    「カルロス・サインツJr.は、アストンマーティンが獲得を望むドライバーのリストに入っているはずだ。シャルル・ルクレールも以前は候補だったが、現在はフェラーリと契約している」

    さらに、オスカー・ピアストリについても高く評価している。

    「ピアストリは間違いなく彼らが非常に高く評価するドライバーだ。もしマックス・フェルスタッペンがマクラーレンへ移籍し、ピアストリがシートを失えば、おそらくレッドブルへ向かうだろう。アストンマーティンは彼にとって第二候補になると思う」

    また、オリバー・ベアマンについても名前を挙げた。

    「オリー・ベアマンはマーケットに出る可能性があると思う。ハースに残れないかもしれないからだ。もしハースが十分な資金を確保できず、彼やエステバン・オコンに一貫性のある競争力の高いマシンを与えられなければ、ドライバーにとっても良い状況ではない」

    最後にクロフトは有力候補をまとめている。

    「ピアストリ、ベアマン、フェルナンド本人、そしてカルロス・サインツJr.。この4人の中から誰かが候補になると思う。ベアマンについては周囲から情報を得ているわけではないがね。アレックス・アルボンもウィリアムズを離れたいと思えば候補になるかもしれないが、彼は残留すると考えている」

    2027年もアロンソ残留が最有力
    現時点で最も現実的なシナリオは、フェルナンド・アロンソが2027年もアストンマーティンで現役を続けることだ。

    契約上はアンバサダーへ移行する道も用意されているが、その判断はアロンソ本人に委ねられている。チームの競争力が向上し続ければ、2027年もグリーンのマシンを駆る姿を見る可能性は十分に高そうだ。

  • F1アメリカGPでMotoGPデモ走行実現へ リバティ・メディアが共演を計画

    F1アメリカGPでMotoGPデモ走行実現へ リバティ・メディアが共演を計画

    F1とMotoGPが、2026年のF1アメリカGPで同じ舞台に立つ可能性が高まっている。報道によると、リバティ・メディアはサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)でMotoGPのデモ走行を実施する計画を進めているという。

    MotoGPは世界最高峰の二輪ロードレース選手権であり、F1は四輪モータースポーツの頂点に位置づけられるシリーズだ。

    2017年からF1の商業権を保有するリバティ・メディアは、Netflixのドキュメンタリー『Drive to Survive』をはじめ、Apple TVやIMAX、LEGOとの提携などを通じてF1の人気拡大を牽引してきた。

    2025年にはMotoGPの商業権も取得したが、その際にはMotoGP関係者から「F1と同じ手法をそのまま持ち込むべきではない」との声も上がっていた。

    COTAでMotoGPマシンのデモ走行を計画
    Motorsport.comによると、10月に開催されるF1アメリカGPの週末に、MotoGPマシンによるデモンストレーション走行を実施する案について具体的な協議が進められている。

    会場となるCOTAでは、MotoGPマシンが数周にわたってデモ走行を行い、F1ファンが世界最高峰の二輪レースを間近で体感できる機会を提供することが狙いだ。

    ただし、この週末はMotoGPがオーストラリアGPを開催しているため、現役MotoGPライダーの参加は予定されていない。また、走行に使用されるのも実戦用マシンではなく、ショーバイクになる見込みだ。

    将来的な併催レースの予定はなし
    リバティ・メディアはF1とMotoGP双方のプロモーション強化を模索しているが、現時点では両シリーズによる合同グランプリを開催する計画はないという。

    それでも、世界最高峰の四輪と二輪が同じF1開催週末に姿を見せる今回の取り組みは、両カテゴリーのファン層を広げる新たな試みとして注目を集めそうだ。

  • ルイス・ハミルトン 子犬「ヘイロー」を家族に迎える キム・カーダシアンが写真公開

    ルイス・ハミルトン 子犬「ヘイロー」を家族に迎える キム・カーダシアンが写真公開

    フェラーリF1のルイス・ハミルトンが、新たな家族となる子犬を迎えたことが明らかになった。愛犬家として知られるハミルトンは、昨年9月に長年の相棒だったブルドッグのロスコーを肺炎で亡くしており、その後新たな一歩を踏み出した形だ。

    今回迎え入れたのは、ゴールデン・レトリバーのメス「Halo(ヘイロー)」。今週ロサンゼルスに到着し、ロスコーや愛犬ココを担当していたドッグトレーナーのカースティン・マクミラン氏が引き続きトレーニングを担当する予定となっている。

    キム・カーダシアンがヘイローとの写真を公開
    話題をさらに集めたのは、米実業家でタレントのキム・カーダシアンが自身のInstagramでヘイローとの写真を公開したことだ。

    ハミルトンとカーダシアンは交際を正式には認めていないものの、近年はたびたび一緒にいる姿が目撃されており、海外メディアでは交際説が繰り返し報じられている。今回の投稿も、その関係を裏付ける新たな動きとして注目を集めている。

    ルイス・ハミルトンの愛犬ヘイローを公開したキム・カーダシアン

    ハンガリーGPでは戦略に不満
    夏休み前最後のハンガリーGPでハミルトンは5位でフィニッシュしたが、フェラーリの戦略には不満を示した。

    「シーズンを通して確実に進歩はあった。でも今週末はシャルル(ルクレール)も僕も、トップ3を争えるマシンがあったと分かっていた。それなのに4位と5位で終わってしまった。完璧なレース運びではなかった」

    さらにSky Sportsの取材では、「結果という意味では完全にチームのチャンスを逃した。今週末は勝てるレースだった」と振り返っている。

    終盤のピットストップについても疑問を呈し、次のように語った。

    「ピットインの指示はピットレーン入口の直前だったので、議論する時間はなかった。ポジションを失うと分かっていたら、僕なら絶対に入らなかった」

    ハミルトンは「マックス(フェルスタッペン)には新しいタイヤがあったので最終スティントで抜かれていたかもしれない。それでも2位、少なくとも3位は守れた可能性があった。結果的には多くのポイントを失ってしまった」と悔しさをにじませた。

    今回のヘイローとの新生活は、昨年ロスコーを失った悲しみを乗り越える大きな出来事となりそうだ。ハミルトンは夏休み期間を新たな家族とともに過ごし、オランダGPから始まるシーズン後半戦へ向けて英気を養うことになる。

  • ホンダF1 新型PUは順調 折原慎太郎「遅れを取り戻す」

    ホンダF1 新型PUは順調 折原慎太郎「遅れを取り戻す」

    ホンダの2026年仕様アップグレード版パワーユニット(PU)が、ハンガロリンクで実施されたアストンマーティンF1のフィルミングデーで初走行を完了した。大きなトラブルは確認されず、夏休み明けのF1オランダGPで予定される実戦投入へ向けて期待が高まっている。

    ハンガリーGPで投入された大規模なBスペック仕様のシャシーが好感触を示したことに続き、新型PUも順調なデビューを果たしたことで、アストンマーティンF1はシーズン後半の巻き返しへ大きな追い風を得ることになりそうだ。

    新型ホンダPUが初走行 振動問題も解消か
    ハンガロリンクで行われたFIA規定の200kmフィルミングデーでは、アストンマーティンF1のサードドライバーを務めるジャック・クロフォードがAMR26をドライブ。ハンガリーGPで投入されたBスペック仕様のマシンに、新型ホンダPUを組み合わせた初めての走行が実施された。

    新仕様は従来型から約40馬力向上したとの見方もあるほか、シーズン序盤にアストンマーティンを悩ませた深刻な振動問題も確認されなかったと報じられている。

    一方で、「なぜハンガリーGPでシャシーと同時投入しなかったのか」と疑問視する声もあった。新型PUはすでにサーキットへ搬入されていたためだ。

    しかし、ホンダ・レーシング(HRC)の折原慎太郎チーフエンジニアは、そのタイミングは開発の進捗によるものだったと説明した。

    「アストンマーティンのアップグレードと意図的に時期をずらしたり、合わせたりすることはありません」

    「一方が準備できているのに、もう一方を待つ理由はありません。基本的には準備が整い次第、投入します」

    さらに折原は、開発を急ぐ必要性も強調した。

    「我々は大きく遅れていますから、待っている余裕はありません」

    「オランダGPまで待ったのは、大規模なアップグレードが必要で、その開発に時間を要したからです」

    ホンダF1 ホンダ・レーシング

    デ・ラ・ロサ「決勝の方がさらに好感触だった」
    アストンマーティンF1のアンバサダーを務めるペドロ・デ・ラ・ロサは、ハンガリーGPで投入された新型空力パッケージについて、予選以上に決勝で進歩を感じたと振り返った。

    「予選では大きく前進した」

    「だが、私は決勝の方がさらに良かったと思う。予選以上にレースペースが改善していた」

    アストンマーティンは13位と14位でフィニッシュ。デ・ラ・ロサは、その結果はマシンの実力を反映したものだったと評価する。

    「最終的に13位と14位でフィニッシュしたが、それは実力どおりだった。我々より速いマシンで完走できなかったのはオスカー・ピアストリだけだった。これは期待できる内容だ」

    未知数だったロングランでも好結果
    デ・ラ・ロサによると、新しい空力パッケージは実戦前に十分なロングランテストを行えておらず、多くの未知数を抱えたままレースウイークを迎えていたという。

    「タイヤのデグラデーションも良く、レースペースも良かった。期待できる内容だった」

    「この新しい空力パッケージではロングランを行っていなかった。完全に新しい仕様なので、エンジンやブレーキの冷却特性も変わっていた」

    「『トラフィックの中でも適切に冷却できるのか』など、多くの疑問があった。だが、信頼性も良好だった」

    さらに、ダウンフォース増加によるタイヤ性能の改善も確認できたという。

    「ダウンフォースが増えればタイヤにも恩恵がある。以前はタイヤのデグラデーションが大きかったが、この点も改善されたようだ」

    シミュレーションとの相関改善が最大の収穫
    デ・ラ・ロサが最も高く評価したのは、サーキットで得られたデータとファクトリーのシミュレーション結果が高い精度で一致したことだった。

    「相関は良好だった。それは単なる感覚ではなく、将来に向けて大きな自信を与えてくれる」

    「以前は必ずしもそうではなかった。シーズン序盤を考えれば、ここまでアップグレードを完成させられたことは非常に前向きだし、これからにも期待できる」

    ハンガリーGPでシャシーの大幅アップグレードが一定の成果を示し、今回のフィルミングデーでは新型ホンダPUも順調な初走行を終えた。オランダGPでは空力とパワーユニットの両面が強化されたAMR26が投入される見通しで、アストンマーティンF1が中団争いでさらに存在感を高められるか注目される。n

  • トヨタがタイトルスポンサーでも資金不足 ハースF1が抱える“予算上限”の現実

    トヨタがタイトルスポンサーでも資金不足 ハースF1が抱える“予算上限”の現実

    2026年からTOYOTA GAZOO Racing(TGR)をタイトルスポンサーに迎えたハースF1。しかし、チーム代表の小松礼雄は「予算上限まで使える状況にはない」と明かし、依然として資金面がチーム最大の課題であることを認めた。

    世界最大級の自動車メーカーであるトヨタとの提携によって、ハースF1は大きな後ろ盾を得たように映る。しかし、その実態は一般的なタイトルスポンサー契約とは異なり、技術・人材育成を重視したパートナーシップが中心となっている。

    そのことは、先日富士スピードウェイで実施されたTPC(Testing of Previous Cars)にも表れていた。

    小松礼雄代表「予算上限まで使えない」
    ベルギーGPのメディアデーで、小松礼雄代表はチームの現状について率直に語った。

    「このチームが予算上限まで運営できるだけの資金を確保することが、私の仕事の最優先事項のひとつです」

    2026年のF1では、ドライバー給与などを除いた年間予算上限は2億1500万ドル(約344億円)に設定されている。

    しかしハースF1は、その水準まで予算を投入できていないという。

    さらにチームの規模も約400人とされ、多くのライバルチームが1000人以上のスタッフを擁する中で戦っている。

    「スタッフは両手を縛られた状態で戦っているようなものです」

    小松のこの言葉は、資金だけでなく人員面でも厳しい状況に置かれている現実を物語っている。

    トヨタとの提携は「技術協力」が軸
    では、なぜタイトルスポンサーとなったトヨタの存在が、資金不足の解消にはつながっていないのだろうか。

    その理由は、トヨタとハースの提携内容にある。

    2024年に締結された提携は、設計・製造・シミュレーター・人材育成などを柱とする技術協力が中心だった。トヨタとハースは「People(人材)」「Product(技術)」「Pipeline(育成)」をキーワードに掲げ、ドライバーだけでなくエンジニアやメカニックも含めた協力体制を構築してきた。

    2026年からはTOYOTA GAZOO Racingがタイトルスポンサーへ昇格したものの、その基本方針は変わっていない。

    つまり、トヨタは巨額のスポンサー料を提供する存在というよりも、技術や人材、設備などを通じてチームを支えるパートナーという色合いが強い。

    富士TPCが示した提携の方向性
    その象徴とも言えるのが、7月末に富士スピードウェイで行われたTPCだった。

    坪井翔と福住仁嶺が2025年型VF-25をドライブしたこのテストは、日本では「国内トップドライバーがF1マシンを走らせる姿を見ることができた」と歓迎された一方で、「若手育成の機会に使うべきではないか」という議論も巻き起こった。

    しかしハースは、このTPCについて「ドライバー育成だけでなく、エンジニアやメカニックを含めたチーム全体の育成プログラム」であることを強調している。

    実際、TPCでは走行データの取得だけでなく、ピットオペレーションやチーム運営の確認も重要な目的となる。

    つまり、このプログラム自体が「人材育成」を重視するトヨタ・ハース提携の考え方を象徴する取り組みだったと言える。

    トヨタ ハースF1チーム

    MoneyGram時代より資金は減ったのか
    一方で、多くのファンが気になるのはスポンサー収入だろう。

    ハースは2023年からMoneyGramをタイトルスポンサーとして迎えていた。

    海外メディアでは、この契約規模は年間2500万~3500万ドル(約40億~56億円)と報じられている。

    対して、トヨタとのタイトルスポンサー契約の金額は公表されていない。

    そのため、小松礼雄代表が今回「予算上限まで使えない」と明言したことで、「トヨタからの現金スポンサー料はMoneyGram時代より少ないのではないか」と推測する声も出始めている。

    ただし、そのような見方を裏付ける公式情報や報道は現時点では存在しない。

    むしろ、これまでの発表内容を見る限りでは、トヨタとの提携は現金よりも技術や人材への支援に重点が置かれている可能性が高い。

    技術支援と資金力は別の課題
    小松礼雄代表は、ハースが開発競争で苦戦している原因について「スタッフの能力ではない」と繰り返し強調している。

    「スタッフには十分な能力があります。ただ、彼らが実力を発揮できるだけの武器を、私がまだ与えられていません」

    開幕直後にはコンストラクターズランキング4位につけるなど健闘したハースだったが、ライバル勢が大型アップデートを続ける中で徐々に後退した。

    トヨタとの提携によって技術や人材育成の環境は着実に強化されている。その一方で、小松礼雄代表が語ったように、F1の予算上限まで運営できるだけの資金を確保するという課題は依然として残されている。

    富士TPCが示した「技術・人材育成」という提携の姿と、小松代表が明かした「資金不足」という現実。その両方を合わせて見ることで、トヨタとハースのパートナーシップは、単なるタイトルスポンサー契約ではなく、長期的なチーム強化を目指す取り組みであることが見えてくる。

    【関連】
    ・ハースF1富士TPCで見えた坪井翔と福住仁嶺起用の賛否 議論を分けたTPCの役割

  • アウディF1 2026年PU開発を事実上終了 2027年へ開発資源を集中

    アウディF1 2026年PU開発を事実上終了 2027年へ開発資源を集中

    アウディF1は、2026年シーズン中にパワーユニット(PU)の大規模アップデートを実施しない方針を明らかにした。限られた開発予算とリソースを2027年に向けた開発へ集中させる戦略で、今季の性能向上は最小限にとどめる。

    一方で、同じくFIAの追加開発制度「ADUO」の対象となっているホンダは、アストンマーティンF1向けにオランダGPで新仕様PUを投入予定であり、両社の戦略の違いが鮮明になっている。

    アウディF1は2027年に開発資源を集中
    アウディF1のレーシングディレクターを務めるアラン・マクニッシュは、ハンガリーGP週末に今後のPU開発方針について説明した。

    2026年シーズン開幕時点で、アウディ製PUはトップエンジンと比較して4%以上の性能差があると評価されていた。この差により、FIAの「ADUO(Additional Development Opportunity Units)」制度に基づく追加開発枠を獲得している。

    アウディはその制度を活用し、スペインGPでPUのドライバビリティを改善するアップデートを投入した。しかし、それ以降は大規模な性能向上を見送る決断を下した。

    「バルセロナではADUOを使って小規模な改善を行い、正しい方向性を示すことができた」とマクニッシュは語った。

    「ただ、本格的なアップグレードは2027年向けだ。それまではパワーユニットに大きな変更は予定していない」

    限られた予算で将来を優先
    マクニッシュは、この判断の背景には財政面の現実があると説明する。

    「シャシーとパワーユニットの両方について、いつアップデートを投入するか、そして予算をどこへ配分するかのバランスを取らなければならない」

    「すべてを一度に使い切ることはできない。将来の戦いに向けてリソースを残しておく必要がある。重要なのは1シーズンではなく、数年先まで見据えてマネジメントすることだ」

    アウディは今季後半にR26のシャシーアップデートを投入する予定だが、PUについては現行仕様を基本としながら2027年型の開発へ軸足を移す考えだ。

    アウディ F1

    ホンダとは対照的な開発方針
    アウディの判断は、同じくADUO制度の対象となっているホンダとは対照的だ。

    ホンダはアストンマーティンF1向けに新仕様PUをハンガロリンクで実走させ、オランダGPでレースデビューさせる予定となっている。トップ勢との差を縮めるため、2026年シーズン中も積極的な開発を継続している。

    一方のアウディは、短期的な性能向上よりも2027年シーズンでの競争力確保を優先する戦略を選択した。ADUOによる追加開発枠を活用しながらも、大規模な投資は翌年へ持ち越すことで、長期的な戦力強化を図る構えだ。

  • マックス・フェルスタッペン トト・ヴォルフ夫妻との休暇が話題

    マックス・フェルスタッペン トト・ヴォルフ夫妻との休暇が話題

    マックス・フェルスタッペンを巡る移籍憶測が再び過熱している。メルセデスF1代表トト・ヴォルフ夫妻との休暇中の様子が撮影されたことに加え、フェルスタッペンのプライベートジェットがレッドブルの本拠地ザルツブルクを訪れていたことも判明し、様々な憶測を呼んでいる。

    ただし、現時点ではメルセデス移籍やレッドブル離脱を裏付ける具体的な証拠はなく、いずれも昨年と同様の「夏休み中の出来事」とみられている。

    サルデーニャ島でヴォルフ夫妻と休暇
    SNSでは今週、フェルスタッペンがパートナーのケリー・ピケとともにイタリア・サルデーニャ島で休暇を楽しむ様子が公開された。

    写真にはメルセデスF1代表のトト・ヴォルフと妻スージー・ヴォルフの姿も写っており、ヴォルフ夫妻がジェットスキーを楽しむ一方で、フェルスタッペンとピケは海で過ごしていた。

    この写真は瞬く間に「メルセデス移籍交渉ではないか」と話題になったが、GPblogによると、今回も昨年と同様に友好的な交流だった可能性が高いという。

    実際、フェルスタッペンのスーパーヨット「Unleash the Lion」とヴォルフのヨットはいずれもサルデーニャ島沖に停泊していたことが確認されている。同地は両者が毎年休暇を過ごすお気に入りの場所として知られている。

    昨年も同じ憶測を否定
    実は両者が夏休みに同じ場所で過ごしたことで移籍説が浮上したのは今回が初めてではない。

    2025年の夏休みにも同様の報道が流れたが、その際も契約や移籍について話し合った事実はないと報じられていた。

    フェルスタッペン自身も昨夏の騒動について、レッドブル残留を明言していたにもかかわらず憶測が広がったことを振り返っている。

    「僕は残留すると明確に言っていた。それでもトトと休暇中に隣同士だったことが、もちろん騒ぎを大きくしてしまった」

    そして、実際の交流について次のように説明している。

    「僕はサルデーニャ島が好きだし、彼も好きなんだ。手を振って、一緒にランチをして、子どもたちも一緒に遊んだ。あそこではF1以外の話ばかりしているよ。トトやスージーとは、いろいろ楽しい会話ができるんだ」

    一方のヴォルフも当時、「休暇先が同じだからといって、一緒にF1で働くことを意味するわけではない。我々は以前から良い関係を築いているだけで、たまたま同じような場所で休暇を過ごしている」と説明し、移籍説を否定していた。

    マックス・フェルスタッペン

    フェルスタッペン機はザルツブルクにも飛行
    一方で、新たな注目を集めたのがフェルスタッペンのプライベートジェットの飛行ルートだ。

    飛行記録によると、火曜日に航空機はニースからサルデーニャ島へ向かい、その後レッドブルの本拠地があるオーストリア・ザルツブルクへ飛行。数時間後には再びニースへ戻っている。

    GPblogは、この際にフェルスタッペンが家族とともにサルデーニャ島で降機し、その後マネージャーのレイモンド・フェルミューレンだけがザルツブルクへ向かった可能性があると伝えている。

    もっとも、この行程について公式な確認はなく、実際に誰が搭乗していたのかも明らかになっていない。

    なお、フェルスタッペン機がザルツブルクを訪れたのは今回が初めてではない。今年6月にも同地へ飛行しており、その際にはフェルミューレンとレッドブル首脳陣を交えた会談が行われたとされる。ただし、その会談の内容については現在まで明らかにされていない。

    移籍説を裏付ける材料は依然としてなし
    今回の一連の出来事は、メルセデスF1移籍説とレッドブルとの将来を巡る憶測を再燃させるには十分だった。

    しかし、現時点で確認されている事実は、フェルスタッペンがサルデーニャ島で休暇を過ごし、ヴォルフ夫妻と交流したこと、そしてプライベートジェットがザルツブルクへ飛行したことのみである。

    GPblogも、現段階では契約交渉や移籍協議が行われたことを示す情報はないとしており、今回も夏休み中の偶然の重なりが憶測を呼んだ可能性が高いと伝えている。

  • アストンマーティンF1 カルロス・サインツJr.の“中団最速シャシー”評価を否定

    アストンマーティンF1 カルロス・サインツJr.の“中団最速シャシー”評価を否定

    アストンマーティンF1のマイク・クラック(トラックサイド責任者)が、カルロス・サインツJr.による「アストンマーティンは中団で最高のシャシーを手にした」との評価を否定した。

    一方で、フェルナンド・アロンソのコメントからは、アップグレード後のAMR26が中団トップレベルのコーナリング性能に到達した可能性もうかがえ、チーム内部でも前向きな手応えが広がっている。

    サインツJr.の高評価をクラックは一蹴
    アストンマーティンはハンガリーGPで16項目に及ぶ大規模アップグレードを投入。改良版「AMR26」は、キャデラックやウィリアムズを上回り、ハースやアルピーヌと互角に戦える競争力を見せた。

    その走りを見たウィリアムズのカルロス・サインツJr.は、アストンマーティンの躍進を高く評価していた。

    「アストンマーティンは、以前は僕たちよりダウンフォースもシャシーも劣っていた。でも今は中団で最高のダウンフォースを持つマシンになった」

    しかし、この発言について問われたクラックは短く否定した。

    「そうは思わない」

    サインツJr.の見解を、あっさりと退ける形となった。

    アロンソのデータ分析はサインツJr.の見方を裏付け
    もっとも、フェルナンド・アロンソがハンガリーGP金曜日の走行後に語った内容は、サインツJr.の評価を裏付けるものだった。

    アロンソは改良型AMR26を初めてドライブした後、次のように語っている。

    「データをもっと詳しく分析して、他車との比較も確認する必要がある。でも、大きな驚きはなかったし、中団トップ勢と比べてコーナーで大きく劣っている部分もないと思う」

    「僕たちはコーナーではそのレベルのペースを発揮できている。だから、あとはこの方向性で開発を続けていくだけだ」

    アストンマーティンは依然として絶対的な序列を断言できる状況ではないものの、コーナリング性能については中団トップグループに肩を並べつつあるとの認識を示した。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    「レースができる位置に戻る」という目標は達成
    クラックは、今回のアップグレードで掲げていた最大の目標は達成できたと評価した。

    「今回ここに来た目的は、再びレースができる位置に戻ることだった。そして、その目標は達成できたと思う」

    「アップグレードパッケージは機能している。ここからさらに次のステップを投入していく必要がある」

    現時点で新パッケージの性能をどこまで引き出せているかについては慎重な姿勢を崩さなかった。

    「それを判断するのは難しい。今後のレースでさらにパフォーマンスを引き出せるかどうかが分かるだろう」

    「ランス(ストロール)はFP1でトラブルが発生し、FP2を走れなかった。そのため最適化する時間を少し失ってしまった」

    「まずはデータをしっかり分析し、ザントフォールトでこのパッケージからさらに何を引き出せるか確認していく」

    ホンダ新PUとの組み合わせでさらなる飛躍へ
    クラックは、改良型AMR26について「軽量化され、ダウンフォースも増えた」と説明。ラップタイム短縮につながる理想的な改善が実現したと明かした。

    さらに、エイドリアン・ニューウェイはオランダGPでも追加アップデートを投入する方針を示している。ザントフォールトではホンダの改良型パワーユニットも実戦投入される予定で、ハンガロリンクで実施されたフィルミングデーでは、改良版AMR26と新型ホンダPUの初めての組み合わせも確認された。

    アストンマーティンは今回の空力アップデートで復調の兆しを見せており、ホンダの新型PUが加わるオランダGPでは、さらなるパフォーマンス向上が期待される。