投稿者: dbcheck

  • メルセデスF1 PU最強説をヴォルフ否定「フェラーリは文句を言い続けている」

    メルセデスF1 PU最強説をヴォルフ否定「フェラーリは文句を言い続けている」

    メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、2026年F1のパワーユニット(PU)勢力図について、メルセデスが他メーカーを圧倒しているとの見方を否定した。FIAの評価では内燃エンジン(ICE)単体でレッドブル・フォードが最強だと指摘し、総合的にはメルセデスがわずかに優位な可能性を認めながらも「ほぼ横並び」との見解を示した。

    メルセデスは2026年シーズン前半の11戦で8勝を挙げ、ドライバーズ、コンストラクターズの両選手権をリードしている。

    しかし直近5戦ではフェラーリが2勝、マクラーレンが1勝を挙げるなど、その差は縮まりつつある。ヴォルフは、2014年の新PU時代にメルセデスが築いたような長期的な独走状態が再現される可能性は低いと考えている。

    「2014年のような支配はもう起こらない」
    2014年にV6ターボ・ハイブリッド規則が導入された際、メルセデスはPU性能でライバルを大きくリードし、その後長期間にわたってF1を支配した。

    だがヴォルフは、2026年の状況は当時とは明確に異なると説明する。

    「2014年のハイブリッド時代の初期に我々があれほど支配的だった理由は、長い間、我々のパワーユニットが圧倒的に優れていたからだ」

    「今はフェラーリが我々に非常に近いことが分かる」

    「セットアップでミスをしたり、我々にアップグレードがなくて相手にアップグレードが入ったりすれば、すぐに後手に回ることになる」

    「だから、F1であのような支配の時代が再び訪れるとは思っていない」

    実際、メルセデスはシーズン序盤に大きな結果を残した一方、夏休み前にはフェラーリやマクラーレンが勝利を重ねている。ヴォルフの発言は、現在の競争力がPUだけで決まるものではなく、シャシーや空力、セットアップ、開発競争を含めた総合力によって簡単に勢力図が変化し得ることを示している。

    FIA評価ではICE最強はレッドブル・フォード
    2026年からFIAは、基準となる性能から遅れているPUメーカーに追加の開発機会を与える「ADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities)」制度を導入している。

    ただし、ADUOの評価対象となるのはPU全体ではなく内燃エンジン部分だ。最初の評価では、レッドブル・フォードのICEがベンチマークとなり、最も高い性能を示した。

    ヴォルフもこの点を強調し、「メルセデスが圧倒的に最強」という見方に反論した。

    「FIAによれば、内燃エンジンではレッドブルがトップだ。彼らはそういう測定結果を出している」

    そのうえで、電動系やエネルギーマネジメントなどを含めたPU全体ではメルセデスが最も完成度の高いパッケージである可能性を認めた。

    「全体的なパッケージとして見れば、我々かもしれない」

    ただし、それは2014年当時のような決定的な性能差ではないというのがヴォルフの主張だ。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    フェラーリに皮肉「最強エンジンではないと文句を言い続けている」
    ヴォルフはさらに、メルセデスPUとの性能差をめぐるフェラーリ側の主張にも踏み込んだ。

    「フェラーリは、自分たちには最強のエンジンがないと文句を言い続けている」

    「でも、彼らには間違いなく競争力のあるパワーユニットがあると思う。しかも、エキゾーストの半分を覆うようなウイングレットを備えた、ハイダウンフォース仕様として設計されたマシンに搭載されている」

    「だから、我々はほぼ横並びだと思っている」

    フェラーリのマシン側の空力コンセプトにも言及したヴォルフは、ストレート性能などから単純にPU出力の優劣を判断することはできないとの考えを示した形だ。

    2026年F1は「PU単独」では測れない競争へ
    2026年のPU規則では電動側の比重が大幅に高まり、ICE性能だけでなく、バッテリー、MGU-K、エネルギー回生とデプロイメントの効率がラップタイムを左右する。

    そのため、FIAのADUO評価でレッドブル・フォードがICEのベンチマークになっていることと、メルセデスがPU全体で高く評価されていることは矛盾しない。

    また、メルセデスが11戦8勝という数字を残している一方、直近ではフェラーリとマクラーレンが勝利を挙げていることも、2014年当時とは異なる構図を裏付けている。

    ヴォルフ自身もメルセデスの総合パッケージが最強である可能性までは否定していない。しかし、そのアドバンテージはセットアップやアップグレードひとつで逆転し得る程度のものだと強調する。

    2026年F1のPU競争は「メルセデス一強」という単純な構図ではなく、ICEではレッドブル・フォード、総合パッケージではメルセデスがわずかに優位に立ち、フェラーリもほぼ同等の競争力を持つ――それがヴォルフの描く現在の勢力図である。

  • オスカー・ピアストリ F1シミュレーター巡るハミルトンとの「世代の違い」指摘

    オスカー・ピアストリ F1シミュレーター巡るハミルトンとの「世代の違い」指摘

    オスカー・ピアストリは、F1のシミュレーターについて、グランプリ週末に向けた準備に「役立つツール」だとの考えを示した。一方で、シミュレーターに否定的なルイス・ハミルトンとは育ってきた時代が異なるとして、「世代の違い」にも言及している。

    F1各チームはファクトリーにシミュレーターを備え、レース前のセットアップ検討やデータ収集に活用している。

    ただし、その有効性に対するドライバーの評価は一様ではない。ハミルトンは今年、シミュレーターに「惑わされた」と感じた経験から、今後は使用しない意向を示していた。

    ピアストリ「僕は役に立つと感じている」
    ピアストリは、RacingNews365を含むメディアに対し、自身にとってシミュレーターは有効な準備手段だと説明した。

    「僕は役に立つと感じている。僕はルイスが育った時代とは違う世代で育ってきたということもある」

    「もちろん、シミュレーター自体はもう長い間存在している。でも、すべての人に合うものではないというのも理解できる」

    ピアストリは、現在のF1マシンの複雑さも、シミュレーターを活用する理由のひとつに挙げている。

    「今のマシンはとても複雑だから、シミュレーターで走っておくことはかなり役に立つと感じている。僕自身にとっても、チームにとってもそうだ」

    ハミルトンは「惑わされた」と使用に否定的
    一方、7度のF1ワールドチャンピオンであるハミルトンは、シミュレーターに対して異なる見方を示している。今年、シミュレーターから得た感覚や情報が実車での走行につながらず、むしろ自身を「惑わせた」として、使用しない意向を明らかにしていた。

    F1ではシミュレーターの精度が向上し、セットアップの事前検討や新しいパーツの評価など幅広い用途で活用されている。しかし、実車との感覚の違いをどこまで許容できるかは、ドライバーによって異なる。

    25歳のピアストリと41歳のハミルトンでは、ドライバーとして成長した環境にも大きな違いがある。ピアストリにとってシミュレーターはキャリア形成期から身近な存在だったのに対し、ハミルトンがシングルシーターでキャリアを築き始めた時代には、現在ほどシミュレーターがドライバー育成やレース準備に深く組み込まれてはいなかった。

    「実車と同じにはならない」限界も認識
    もっとも、ピアストリもシミュレーターを絶対的なものとは考えていない。実際のF1マシンを走らせる経験を完全に再現することはできないと強調した。

    「でも、人それぞれだ。シミュレーターが完璧になることはない」

    「絶対に間違いのないツールになることもないし、実際のマシンをドライブするのと同じくらい優れたものになることもない」

    そのうえで、最終的にはドライバー自身が、自分に合った方法を選択することが重要だと語った。

    「自分たちが持っているツールを使って取り組む。それが自分にとって良くないと思うなら、使わない。それだけのことだ」

    シミュレーターを積極的に活用するピアストリと、実車との相違から距離を置くハミルトン。両者の考え方の違いは単なる好みだけでなく、F1ドライバーとして育ってきた時代や環境の変化も映し出している。

  • ナイジェル・マンセル73歳 マシンを押して倒れた伝説のF1ダラスGP

    ナイジェル・マンセル73歳 マシンを押して倒れた伝説のF1ダラスGP

    1992年F1ワールドチャンピオンのナイジェル・マンセルが8月8日に73歳の誕生日を迎えた。その長いモータースポーツ人生を振り返るうえで、マンセルの闘争心を象徴する場面のひとつが、1984年F1ダラスGPで見せた壮絶なフィニッシュである。

    決して諦めないドライバーとして知られたマンセルは、灼熱の市街地コースでマシンが力尽きたあと、自らコクピットを降りてロータスを押し、チェッカーフラッグを目指した。

    その直後、体力を使い果たしてコース上に倒れ込んだ姿は、今なおF1史に残る象徴的なシーンとなっている。

    ダラスでF1初ポールポジション
    1984年当時、ナイジェル・マンセルはロータスに所属していた。

    同年のダラスGPでマンセルは予選を制し、自身にとってF1初となるポールポジションを獲得。将来のワールドチャンピオンがその速さを強烈に印象づけた週末だった。

    しかし、決勝は極めて過酷なレースとなった。

    真夏のテキサス州ダラスは猛烈な暑さに見舞われ、ドライバーにもマシンにも大きな負担がかかった。さらに、市街地に設けられたコースの路面は高温によって崩壊し始め、レースが進むにつれてコンディションは悪化していった。

    残り2周でギアボックスにトラブル
    数多くのマシンが脱落するサバイバルレースとなるなか、マンセルは終盤まで走り続けた。

    残り2周の段階では5番手を走行していたが、ウォールへの軽い接触によってギアボックスがダメージを受けた。

    通常であれば、そこでレースは終わっていてもおかしくなかった。

    しかし、マンセルはチェッカーフラッグを見ることを諦めなかった。

    マシンが止まると自らコクピットを降り、ロータスを後方から押し始めた。すでに灼熱のコンディションのなかで長時間レースを戦ったあとだったが、それでもフィニッシュラインを目指してマシンを押し続けた。

    フィニッシュラインを越えた直後に倒れる
    マンセルはついにマシンをフィニッシュラインまで押し切った。

    だが、すべての体力を使い果たしたマンセルは、その直後にコース上へ倒れ込んだ。

    この壮絶な努力によって得たのは、わずか1ポイントだった。

    数字だけを見れば小さな成果かもしれない。しかし、この日の姿はマンセルというドライバーのキャラクターを強烈に示すものとなった。

    速さだけでなく、どんな状況でも最後まで戦い抜こうとする姿勢。それは後にウィリアムズで1992年F1ワールドチャンピオンに輝くマンセルのキャリアを象徴する要素でもあった。

    73歳を迎えた現在も、1984年ダラスGPでロータスを押し続けたマンセルの姿は、F1史に刻まれた「決して諦めないドライバー」の象徴として語り継がれている。

  • MotoGPイギリスGP:ホルヘ・マルティンがスプリント制覇 小椋藍2位

    MotoGPイギリスGP:ホルヘ・マルティンがスプリント制覇 小椋藍2位

    ホルヘ・マルティン(アプリリア)が、2026年MotoGP第12戦イギリスGPのスプリントでポール・トゥ・ウインを飾った。10周のレースを一度も首位から譲らず、今季3勝目となるスプリント勝利を挙げた。

    2位には小椋藍(トラックハウス・アプリリア)が入り、マルコ・ベッツェッキ(アプリリア)が3位。アプリリア勢が表彰台を独占する一方、ドゥカティ勢は苦戦し、アレックス・マルケス(グレシーニ)の4位が最上位となった。

    マルティンがポールから全周回をリード
    今季2度目のポールポジションを獲得したマルティンは、スタートでホールショットを奪うと、そのままレースを支配した。

    序盤は小椋藍が背後につけ、さらにVR46のファビオ・ディ・ジャンアントニオも上位争いに加わった。2周目にはディ・ジャンアントニオがファームで小椋藍のインを狙ったものの、ラインを外してしまい、小椋藍が2番手を守った。

    この攻防によってマルティンは0.5秒以上のリードを築くことに成功。その後も徐々に差を広げ、終盤まで一度もプレッシャーを受けることなくチェッカーを受けた。

    最終的に小椋藍との差は1.5秒。新しいエアロパッケージを投入したアプリリアで、2024年MotoGP王者のマルティンが今季3度目、通算19度目となるスプリント勝利を手にした。

    小椋藍が2位 アプリリア勢が表彰台独占
    小椋藍はスタート直後から2番手をキープ。ディ・ジャンアントニオから一度は仕掛けられたものの、落ち着いてポジションを守り、最後までマルティンに次ぐ2位を走り切った。

    3位には、負傷からの回復途上にあるベッツェッキが入った。ベッツェッキは6周目、マゴッツへの進入でマルク・マルケスのインに大胆に飛び込み4番手へ浮上。その後、コプスでディ・ジャンアントニオも攻略し、表彰台圏内へと進出した。

    これにより、マルティン、小椋藍、ベッツェッキというアプリリア勢がトップ3を独占。ファクトリーとトラックハウスを合わせたアプリリア陣営にとって、圧倒的なスプリントとなった。

    ドゥカティ勢が苦戦 マルク・マルケスは9位
    対照的に苦しいレースとなったのがドゥカティ勢だった。

    ブランド最上位はアレックス・マルケスの4位だったが、3位ベッツェッキからは約3秒遅れ。終盤にディ・ジャンアントニオを抜いて順位を上げたものの、表彰台争いに加わることはできなかった。

    さらに厳しかったのがマルク・マルケスだ。レース後半にリアグリップが大幅に低下し、次々とポジションを失った。

    ベッツェッキに抜かれた後、ペドロ・アコスタ(KTM)、ジョアン・ミル(ホンダ)、フランコ・モルビデリ(VR46)にも先行を許し、最終的にはポイント獲得圏ぎりぎりの9位。10位との差はわずか0.027秒だった。

    ディ・ジャンアントニオも序盤には表彰台を争っていたものの、終盤に後退した。

    マルティンがランキング首位を拡大 小椋藍と17ポイント差
    今回のスプリント勝利によって、マルティンはMotoGPライダーズランキングでのリードを拡大した。

    ランキング2位の小椋藍との差は17ポイント。3位ベッツェッキは首位から27ポイント差、4位マルク・マルケスは29ポイント差、5位ディ・ジャンアントニオは31ポイント差となった。

    小椋藍にとっても、タイトル争いでマルティンとの差が広がったとはいえ、2位表彰台で重要なポイントを獲得。シーズン後半戦に向けてランキング2位を維持している。

    転倒者も相次ぐシルバーストンのスプリント
    10周で争われたスプリントでは転倒も相次いだ。

    小椋藍のチームメイトであるラウル・フェルナンデスはフロントロウからスタートしたものの、オープニングラップで6番手まで後退し、レース中盤を前にクラッシュした。

    グレシーニで代役参戦しているイケル・レクオナは1周目の終盤にトップ10圏内から転倒。このインシデントはFIMスチュワードによる審議対象となったが、追加措置なしと判断された。

    地元イギリスのカル・クラッチローも序盤に転倒。一度はレースに復帰したものの、その後ピットに戻ってリタイアとなった。

    予選でレコードタイムを記録してポールポジションを獲得したマルティンは、その速さをスプリントでも結果につなげた。小椋藍とベッツェッキも表彰台に入り、シルバーストンではアプリリアの高い競争力が鮮明になった。

    MotoGP イギリスGP スプリント

    2026年MotoGPイギリスGP スプリント結果
    1位 ホルヘ・マルティン(アプリリア) 19分49秒066
    2位 小椋藍(トラックハウス・アプリリア) +1.530秒
    3位 マルコ・ベッツェッキ(アプリリア) +3.974秒
    4位 アレックス・マルケス(グレシーニ・ドゥカティ) +6.956秒
    5位 ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(VR46ドゥカティ) +8.651秒
    6位 ペドロ・アコスタ(レッドブルKTM) +10.745秒
    7位 ジョアン・ミル(ホンダHRC) +10.826秒
    8位 フランコ・モルビデリ(VR46ドゥカティ) +12.539秒
    9位 マルク・マルケス(ドゥカティ) +13.965秒
    10位 ディオゴ・モレイラ(LCRホンダ) +13.992秒
    11位 ブラッド・ビンダー(レッドブルKTM) +14.142秒
    12位 ルカ・マリーニ(ホンダHRC) +14.344秒
    13位 ジャック・ミラー(プラマック・ヤマハ) +14.540秒
    14位 ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ) +15.213秒
    15位 エネア・バスティアニーニ(レッドブルKTMテック3) +16.892秒
    16位 アレックス・リンス(ヤマハ) +20.194秒
    17位 フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ) +23.722秒
    18位 ポル・エスパルガロ(レッドブルKTMテック3) +24.380秒
    19位 アウグスト・フェルナンデス(ヤマハ) +27.593秒
    20位 トプラク・ラズガットリオグル(プラマック・ヤマハ) +34.332秒
    DNF ラウル・フェルナンデス(トラックハウス・アプリリア)
    DNF カル・クラッチロー(LCRホンダ)
    DNF イケル・レクオナ(グレシーニ・ドゥカティ)

    マルティンはポールから完璧なレースを展開し、小椋藍を抑えて今季3度目のスプリント勝利。アプリリア勢が歴史的な表彰台独占を達成する一方、ドゥカティ勢はマルク・マルケスが9位、バニャイアが17位に終わるなど明暗が大きく分かれた。

  • MotoGPイギリスGP:ホルヘ・マルティンがレコードでPP 小椋藍3番手

    MotoGPイギリスGP:ホルヘ・マルティンがレコードでPP 小椋藍3番手

    2026年MotoGP第12戦イギリスGPの公式予選が8月8日(土)、シルバーストン・サーキットで行われ、ポイントリーダーのホルヘ・マルティン(アプリリア)がコースレコードを更新してポールポジションを獲得した。

    マルティンは1分56秒160を記録。ラウル・フェルナンデス(トラックハウス・アプリリア)がわずか0.021秒差の2番手に続き、小椋藍(トラックハウス・アプリリア)が3番手に入り、アプリリア勢がフロントロウを独占した。

    マルティンが最終アタックで逆転 コースレコード更新
    金曜日にはファクトリー・アプリリアのマルコ・ベッツェッキがコースレコードを更新し、シルバーストンでのアプリリア勢の速さを印象づけていた。

    しかし、その記録は土曜日の予選Q2でさらに塗り替えられた。

    15分間のQ2はアレックス・マルケス(グレシーニ・ドゥカティ)が1分56秒868で最初の基準タイムを記録。その後、マルク・マルケス(ドゥカティ)がターン2で危うい場面を切り抜けながら1分56秒527をマークし、トップに浮上した。

    残り3分になるとベッツェッキが1分56秒456までタイムを縮めたが、ラウル・フェルナンデスが1分56秒181を叩き出してコースレコードを更新。初のポールポジション獲得に大きく近づいた。

    その直後には小椋藍も好タイムを記録して上位につけたが、最後にマルティンがすべてを上回った。最終アタックで1分56秒160を記録し、フェルナンデスを0.021秒差で逆転。今季2度目、MotoGP通算22回目のポールポジションを獲得した。

    小椋藍が3番手 アプリリアがフロントロウ独占
    小椋藍もトラックハウス・アプリリアのRS-GPで速さを発揮し、トップから0.189秒差の3番手を獲得。マルティン、フェルナンデス、小椋藍というアプリリア勢によるトップ3独占が実現した。

    シルバーストンでは金曜日からアプリリア勢が高い競争力を示しており、予選でもその勢力図は変わらなかった。ファクトリーとサテライトを合わせた3台がフロントロウを占め、イギリスGPでのアプリリアの強さを改めて証明する結果となった。

    マルティンは直近の数戦で苦戦していたものの、シーズン序盤に使用していたセットアップへ戻したことでRS-GPへの自信を取り戻しており、その手応えをポールポジションという結果につなげた。

    ポイントランキングではマルティンが小椋藍を14ポイントリードしており、タイトル争いの上でも重要なポールポジションとなった。

    ドゥカティ最上位はディ・ジャンアントニオ マルケス6番手
    ドゥカティ勢の最上位はファビオ・ディ・ジャンアントニオ(VR46)の4番手で、トップとの差は0.255秒。負傷を抱えながら走行しているベッツェッキが5番手に入り、マルク・マルケスは6番手にとどまった。

    マルク・マルケスはQ2序盤、ファーム・カーブで大きく足を出す危うい場面がありながらも、その後は弟アレックス・マルケスを上回って暫定トップに立った。しかし、終盤のアタックではマルティンやフェルナンデスのタイムを脅かすペースを最後までまとめ切れず、2列目最後尾からスタートすることになった。

    事前に有力候補のひとりと見られていたアレックス・マルケスは7番手。Q1から勝ち上がったフランコ・モルビデリ(VR46)が8番手に続いた。

    KTM勢ではペドロ・アコスタが最上位の9番手。グレシーニで代役参戦しているイケル・レクオナはQ1を突破して10番手に入り、存在感を示した。

    ジャック・ミラー(プラマック・ヤマハ)が11番手、ジョアン・ミル(ホンダ)が12番手でQ2を終えた。

    バニャイアは今季ワースト16番手
    Q1ではモルビデリとレクオナがQ2進出枠を獲得した一方、ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)はわずか0.050秒届かず13番手となった。

    ディオゴ・モレイラ(LCRホンダ)が14番手、ルカ・マリーニ(ホンダ)が15番手。フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ)は1分57秒891にとどまり、今季ワーストとなる16番手に沈んだ。

    バニャイアはドゥカティ勢で唯一Q2進出を逃しており、苦戦が続くシルバーストンでスプリントと決勝に向けて大きな課題を残した。

    17番手はアレックス・リンス(ヤマハ)、18番手はブラッド・ビンダー(KTM)、19番手はエネア・バスティアニーニ(KTMテック3)。カル・クラッチロー(LCRホンダ)が20番手、ポル・エスパルガロ(KTMテック3)が21番手となった。

    22番手はトプラク・ラズガットリオグル(プラマック・ヤマハ)、23番手はアウグスト・フェルナンデス(ヤマハ・ファクトリー・レーシング)となった。

    MotoGP イギリスGP 予選 小椋藍

    2026年MotoGP第12戦イギリスGP 予選結果
    1番手 ホルヘ・マルティン(アプリリア) 1分56秒160
    2番手 ラウル・フェルナンデス(トラックハウス・アプリリア) +0.021秒
    3番手 小椋藍(トラックハウス・アプリリア) +0.189秒
    4番手 ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(VR46ドゥカティ) +0.255秒
    5番手 マルコ・ベッツェッキ(アプリリア) +0.296秒
    6番手 マルク・マルケス(ドゥカティ) +0.367秒
    7番手 アレックス・マルケス(グレシーニ・ドゥカティ) +0.379秒
    8番手 フランコ・モルビデリ(VR46ドゥカティ) +0.729秒
    9番手 ペドロ・アコスタ(KTM) +0.772秒
    10番手 イケル・レクオナ(グレシーニ・ドゥカティ) +1.162秒
    11番手 ジャック・ミラー(プラマック・ヤマハ) +1.334秒
    12番手 ジョアン・ミル(ホンダ) +1.883秒
    13番手 ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ) 1分57秒433
    14番手 ディオゴ・モレイラ(LCRホンダ) 1分57秒596
    15番手 ルカ・マリーニ(ホンダ) 1分57秒877
    16番手 フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ) 1分57秒891
    17番手 アレックス・リンス(ヤマハ) 1分57秒940
    18番手 ブラッド・ビンダー(KTM) 1分58秒081
    19番手 エネア・バスティアニーニ(KTMテック3) 1分58秒120
    20番手 カル・クラッチロー(LCRホンダ) 1分58秒140
    21番手 ポル・エスパルガロ(KTMテック3) 1分58秒414
    22番手 トプラク・ラズガットリオグル(プラマック・ヤマハ) 1分58秒590
    23番手 アウグスト・フェルナンデス(ヤマハ・ファクトリー・レーシング) 1分58秒842

    ポイントリーダーのマルティンがレコード更新のポールポジションを獲得し、フェルナンデスと小椋藍が続いてアプリリア勢がトップ3を独占したイギリスGP予選。一方、王者マルク・マルケスは6番手、バニャイアは16番手に沈み、シルバーストンで明暗が大きく分かれる結果となった。

  • マックス・フェルスタッペン レッドブルF1離脱へ「第2の解除条項」が判明か

    マックス・フェルスタッペン レッドブルF1離脱へ「第2の解除条項」が判明か

    マックス・フェルスタッペンとレッドブル・レーシングの契約を巡り、新たな解除条項の存在が報じられた。2026年シーズン終了時のコンストラクターズランキングが一定条件を満たさなかった場合、フェルスタッペン側に契約を解除する権利が発生するという。

    フェルスタッペンはレッドブルと2028年末まで契約を結んでいるが、成績に連動した解除条項が盛り込まれていることは以前から伝えられてきた。

    今回の報道が事実であれば、2027年に向けた去就を判断できる機会は従来知られていたものだけではなく、2026年シーズン終了後にも残されていることになる。

    シーズン終了時にレッドブルがトップ2圏外なら離脱可能か
    イタリアのAutomoto.itによると、フェルスタッペンの契約には、2026年シーズン終了時点におけるレッドブルのコンストラクターズランキングに連動した解除条項が存在するという。

    その条件はレッドブルがコンストラクターズランキングでトップ2に入ることとされ、トップ2圏外でシーズンを終えた場合、フェルスタッペンには2028年末までの契約を途中で解除できる選択肢が生じると報じられている。

    現在、レッドブルは全23戦中11戦を終えた段階でコンストラクターズランキング4位。2位フェラーリとは130ポイント差があり、3位マクラーレンにも43ポイント差をつけられている。

    RB22はシーズン序盤からマシンバランスに問題を抱え、その後も空力面でのパフォーマンス低下などに苦しんできた。フェルスタッペン自身もマシンを「ドライブできない」と表現するなど、厳しい評価を繰り返している。

    10月まで行使可能とされる別の解除条項
    フェルスタッペンには、すでに別の解除条項が存在すると報じられている。

    こちらはドライバーズランキング上の順位に連動するもので、フェルスタッペンが一定の順位を確保できなかった場合に発動可能になるとされる。現在ランキング6位のフェルスタッペンはその条件に該当しており、2026年シンガポールGPまで、つまり10月まで契約解除を選択できると伝えられている。

    一方、今回新たに報じられたのはチーム側の成績、すなわちコンストラクターズランキングに連動した条項だ。

    このため報道通りであれば、フェルスタッペンは10月までに最初の解除権を行使しなかったとしても、レッドブルがシーズン終了時にコンストラクターズランキングのトップ2圏外だった場合、年末に再び契約を解除する機会を得ることになる。

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)

    レッドブルは解除権の買い取りも試みたと報道
    フェルスタッペンの契約解除条項を巡っては、レッドブル側もその存在を強く意識しているとされる。

    これまでの報道では、レッドブルはドライバーズランキングに連動した解除権を放棄させるため、フェルスタッペンに対して1000万ユーロ台前半規模の金銭を提示したとされている。しかし、フェルスタッペン側はこれを受け入れず、契約を解除できる権利を維持したという。

    フェルスタッペンはここ数カ月、レッドブルGmbHのオリバー・ミンツラフやマーク・マテシッツらと複数回にわたって話し合いを行ったとされるが、2027年もレッドブルに残留すると公に明言することは避けている。

    現状では2027年にフェルスタッペンを受け入れられるトップチームのシートは限られている。移籍先候補として名前が挙がってきたメルセデスはジョージ・ラッセル、マクラーレンはオスカー・ピアストリを継続起用する可能性が高いとみられている。

    ただし、フェルスタッペンにはF1そのものから一時的、あるいは完全に離れるという選択肢もある。2026年の新レギュレーションへの不満を隠しておらず、これまでにも自身のF1での将来について含みを持たせてきた。

    解除条項はレッドブルへの「圧力」にも
    フェルスタッペンが解除条項を実際に行使するかどうかとは別に、その権利を保持していること自体がレッドブルとの交渉で大きな意味を持つ。

    フェルスタッペン側は2027年にタイトルを争える競争力、少なくとも再び優勝争いができるマシンを用意することについて、レッドブルから明確な保証を求めていると報じられている。

    一方、レッドブルはフェルスタッペンとの契約をさらに長期化し、最大で2032年まで拘束する新契約も検討したとされるが、フェルスタッペン側が求めた報酬条件には難色を示したという。

    現在の契約は2028年末まで残っている。それでも複数の成績連動型解除条項が存在するとの報道が事実ならば、契約期間だけを見てフェルスタッペンの残留が保証されているとは言えない。

    特にレッドブルが現在コンストラクターズランキング4位にとどまっている状況を考えれば、今回報じられた「シーズン終了時トップ2」という条件は現実的な意味を持つ。2026年後半戦でレッドブルがどこまで順位を取り戻せるかは、チームの成績だけでなく、フェルスタッペンの2027年以降の去就にも直結する可能性がある。

  • スーパーフォーミュラ第8戦SUGO 野尻智紀が2戦連続PP 岩佐歩夢は9番手

    スーパーフォーミュラ第8戦SUGO 野尻智紀が2戦連続PP 岩佐歩夢は9番手

    2026年スーパーフォーミュラ選手権第8戦の公式予選が8月8日(土)に宮城県のスポーツランドSUGOで行われ、野尻智紀(TEAM MUGEN AUTOBACS)がポールポジションを獲得した。

    野尻智紀は午前中のフリープラクティスに続いて速さを発揮し、最終予選Q3で1分04秒864を記録。前戦富士に続く2戦連続、今季2度目、通算25回目のポールポジションを獲得した。

    ランキング首位の太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がわずか0.032秒差の2番手、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)が3番手に入った。

    気温低下でタイムアップ Q1から僅差の争い
    今大会は第3戦オートポリス以来となる1大会1レースのフォーマットで開催。公式予選はQ1、Q2、Q3の3段階で争われ、最終Q3は「SUPER POLE QUALIFYING Supported by YOKOHAMA TIRE」として実施された。

    午前中のフリープラクティスでは気温が30度を大きく超え、路面温度も50度以上まで上昇したが、14時20分の予選開始時には気温29度、路面温度43度まで低下。西から雨雲が近づき、上空が徐々に暗くなるなかでセッションが始まった。

    Q1は2組に分かれて実施された。A組では牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が1分05秒625でトップ通過。大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)が続いた。

    トップから8番手までが0.3秒以内に収まる接戦となり、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)はわずか0.03秒差で7番手。開幕から続いていたQ2進出が7戦で途切れた。

    B組ではポイントリーダーの太田格之進が1分05秒354でトップ。午前中のフリープラクティスで最速だった野尻智紀が0.058秒差の2番手につけ、阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)、フラガ、ザック・オサリバン(TEAM IMPUL)がQ2へ進んだ。

    太田格之進がQ2唯一の1分04秒台 岩佐歩夢は9番手
    12台からQ3進出の5台を決めるQ2では、太田格之進が一段上の速さを披露した。

    太田は1分04秒994を叩き出し、このセッションで唯一となる1分04秒台に突入。トップでQ3進出を決めた。フラガが2番手、野尻智紀が3番手で続き、坪井翔と牧野任祐がトップ5に滑り込んだ。

    一方、岩佐歩夢はタイムを伸ばすことができず、トップから0.354秒差の1分05秒348で9番手。第3戦オートポリスではQ3を制してポールポジションを獲得していたが、SUGOではQ2敗退となり、決勝を中団からスタートすることになった。

    Q3進出を巡っては極めて僅差の争いとなった。牧野の1分05秒305に対し、小林利徠斗(KDDI TGMGP TGR-DC)は1分05秒308と、その差はわずか0.003秒。福住仁嶺(NTT docomo business ROOKIE)も1分05秒315を記録したが、トップ5には届かなかった。

    野尻智紀が太田格之進を0.032秒差で逆転
    7分間で争われたQ3では、Q2最速の太田格之進と野尻智紀によるポールポジション争いとなった。

    太田はQ2からさらにタイムを縮め、1分04秒896をマーク。しかし、その直後にアタックした野尻がセクター3、セクター4で全体ベストを刻み、1分04秒864を叩き出した。

    太田をわずか0.032秒上回り、野尻智紀がポールポジションを獲得。前戦富士に続く2戦連続、今季2度目のポールとなり、自身が持つ歴代最多記録を更新する通算25回目のポールポジションとなった。

    3番手にはフラガが入り、今季自己最高グリッドを獲得。4番手は牧野、5番手は坪井となった。

    これでTEAM MUGEN AUTOBACSは、今季2度実施された横浜ゴム協賛の「SUPER POLE QUALIFYING」でいずれもポールポジションを獲得。野尻智紀にはポールポジション賞金100万円が贈られる。

    予選終盤には雨を予感させるほど上空が暗くなったものの、最後までドライコンディションが維持された。第8戦SUGOの決勝は8月9日(日)14時20分にスタート予定。51周のレースで、ポールシッターの野尻智紀が今季初勝利を狙う。

    2026年スーパーフォーミュラ第8戦SUGO 予選結果
    1番手 #16 野尻智紀(TEAM MUGEN AUTOBACS)/Q3/1分04秒864
    2番手 #6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)/Q3/1分04秒896
    3番手 #65 イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)/Q3/1分05秒137
    4番手 #5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)/Q3/1分05秒150
    5番手 #36 坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)/Q3/1分05秒250
    6番手 #28 小林利徠斗(KDDI TGMGP TGR-DC)/Q2/1分05秒308
    7番手 #14 福住仁嶺(NTT docomo Business ROOKIE)/Q2/1分05秒315
    8番手 #50 野村勇斗(San-Ei Gen with B-Max)/Q2/1分05秒332
    9番手 #1 岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)/Q2/1分05秒348
    10番手 #38 阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)/Q2/1分05秒389
    11番手 #39 大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)/Q2/1分05秒402
    12番手 #19 ザック・オサリバン(TEAM IMPUL)/Q2/1分05秒651
    13番手 #53 チャーリー・ブルツ(TEAM GOH)/Q1B/1分05秒996
    14番手 #64 佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)/Q1A/1分05秒866
    15番手 #97 ロマン・スタネック(ナビクル Buzz MK RACING)/Q1B/1分06秒000
    16番手 #37 サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)/Q1A/1分05秒924
    17番手 #9 ジュリアーノ・アレジ(KCMG)/Q1B/1分06秒286
    18番手 #8 山下健太(KCMG)/Q1A/1分06秒035
    19番手 #12 小出峻(ThreeBond Racing)/Q1B/1分06秒363
    20番手 #22 松下信治(DELiGHTWORKS RACING)/Q1A/1分06秒195
    21番手 #3 ルーク・ブラウニング(REALIZE KONDO RACING)/Q1B/1分06秒417
    22番手 #4 笹原右京(REALIZE KONDO RACING)/Q1A/1分06秒691
    23番手 #10 Juju(HAZAMA ANDO Triple Tree Racing)/Q1A/1分07秒359
    24番手 #7 小林可夢偉(KDDI TGMGP TGR-DC)/Q1B/1分14秒223

  • ルイス・ハミルトンの派手な服装 元F1チーム代表が酷評「写真を撮らせるため」

    ルイス・ハミルトンの派手な服装 元F1チーム代表が酷評「写真を撮らせるため」

    ルイス・ハミルトンがF1パドックで披露する派手なファッションが、元F1チーム代表から思わぬ酷評を浴びた。元アルピーヌF1チーム代表のオトマー・サフナウアーは、ハミルトンの服装を「ばかげている」と一蹴し、フォトグラファーが集まる時間を狙ってサーキット入りしているとまで皮肉った。

    7度のF1ワールドチャンピオンであるハミルトンは、コース上での実績だけでなく、パドックで披露する大胆なファッションでも知られる存在だ。

    しかし、そんな“F1ファッションキング”のスタイルは、すべての関係者から好意的に受け止められているわけではないようだ。

    「フォトグラファーがいる時間にやって来る」
    ハミルトンのファッションに容赦なく切り込んだのが、アルピーヌやアストンマーティンでチーム代表を務めたオトマー・サフナウアーだ。

    『High Performance Podcast』に出演したサフナウアーは、ドライバーがサーキットに到着する時間について語るなかでハミルトンを引き合いに出し、次のように語った。

    「ルイスはフォトグラファーが全員いる時間にやって来る。そうすれば、ばかげた服を着て写真を撮ってもらえるからね」

    ハミルトンはグランプリ週末になると、チームウェアではなく個性的な私服でパドックに登場することが多く、その姿はF1公式やメディア、SNSなどを通じて世界中に発信される。

    サフナウアーは、そうしたハミルトンの登場そのものが計算されたものだと言わんばかりの見方を示した。

    共演していたジェイク・ハンフリーが、ハミルトンの服装は単に「奇抜(out there)」なのではないかとフォローすると、サフナウアーはさらに畳みかけた。

    「奇抜? それをばかげているとは言わないのか?」

    ルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリ)

    「ファッションは見る人次第」もキム・カーダシアンまで持ち出す
    もっとも、サフナウアーもハミルトンがそうした衣装を着こなせること自体は認めている。

    「ファッションは見る人次第だ。彼なら着こなせる。それに、あのファッションはキム・カーダシアンとの件でも役に立ったと思うよ」

    最後の一言は、ハミルトンとモデルで実業家のキム・カーダシアンが最近のF1モナコGPで一緒にいる姿を目撃されたことを指したものだ。

    ハミルトンはF1界でも突出したファッション好きとして知られ、モータースポーツの枠を超えてファッション業界でも存在感を示している。2025年には世界有数のファッションイベントであるメットガラ(Met Gala)の共同議長も務めた。

    F1の常識を変えてきたハミルトンのファッション
    現在ではドライバーが私服でパドックに登場すること自体は珍しくないが、ハミルトンはその文化をF1に定着させた中心人物のひとりでもある。

    本人も以前、F1で自由な服装を認めてもらうまでには時間がかかり、従来の慣例を破る必要があったと明かしている。グランプリをファッションを発信する舞台として利用するスタイルは、現在のF1ではハミルトンを象徴するものとなった。

    41歳となった2026年もフェラーリでトップ争いを続け、バルセロナ・カタルーニャGPでは自身通算106勝目を達成。夏休みを迎えた時点では、ドライバーズランキング首位のアンドレア・キミ・アントネッリを50ポイント差で追っている。

    華やかな衣装でカメラの前に姿を見せ続けるハミルトンに対し、「ばかげた服」とまで言い放ったサフナウアー。F1のファッション文化を大きく変えてきた7度の王者だけに、その服装をめぐっても強烈な賛否を呼ぶ存在であることに変わりはない。

  • F1:ディズニー特別ヘルメットが史上最高額で落札 20人のサイン入り

    F1:ディズニー特別ヘルメットが史上最高額で落札 20人のサイン入り

    ディズニーとF1が共同制作した特別仕様のレプリカヘルメットがチャリティーオークションに出品され、15万1000ポンド(約3200万円)で落札された。公式レースウイークで使用されていないF1ヘルメットとして、公のオークションにおける史上最高額を記録した。

    「Disney x Formula 1 Fuel the Magic Helmet」と名付けられたこのヘルメットには、マックス・フェルスタッペンやランド・ノリス、シャルル・ルクレールら現役F1ドライバー20人の直筆サインが入っている。

    収益はすべて、重い病気と闘う子どもたちの願いをかなえる活動を行うMake-A-Wish Internationalに寄付される。

    ミッキーマウスを描いた世界にひとつのF1ヘルメット
    今回のヘルメットは、ディズニー、F1、F1 Authenticsを運営するMemento Exclusivesが、Make-A-Wish Internationalの資金調達キャンペーンのために制作したものだ。

    Bell Racing製のヘルメットをベースに、ディズニーを象徴するミッキーマウスを大胆にデザイン。生命を脅かす重い病気と闘う子どもたちの願いをかなえることを目的とした、初の試みとして企画された。

    デザインを手がけたのは、ミッキーマウスの公式声優として知られるブレット・アイワン。クリエイティブディレクションは、Disney Consumer Productsのグローバル・クリエイティブディレクターを務めるボビー・キムが担当した。

    マットブラックを基調に光沢のあるグラフィックを組み合わせ、鮮やかな赤と黄色、ミッキーマウスのアートワーク、F1のブランディングを配置。ミッキーの靴のすぐ後ろにはMake-A-Wishを象徴する星がさりげなく描かれ、走り抜けるミッキーから輝きが尾を引いているように見えるデザインとなっている。

    フェルスタッペンやノリスらF1ドライバー20人がサイン
    ヘルメットには、2026年のF1に参戦する現役ドライバー20人の直筆サインが入れられた。

    4度のF1ワールドチャンピオンであるマックス・フェルスタッペンをはじめ、現F1王者ランド・ノリス、シャルル・ルクレール、キミ・アントネッリ、さらにMake-A-Wish Franceのアンバサダーを務めるピエール・ガスリーらが名を連ねている。

    サインはシルバーストンで開催されたF1イギリスGPの週末に集められた。

    こうして完成した「Fuel the Magic Helmet」は、単なるF1のコレクターズアイテムではなく、ディズニーとF1、そして現役ドライバーたちがひとつの目的のために参加した特別な一品となった。

    約3200万円で落札 未使用F1ヘルメットの史上最高額
    オークションでは個人コレクターが15万1000ポンドで落札。約20万1000ドル、17万5000ユーロ以上に相当し、日本円では約3200万円となる。

    主催者によれば、これは公式レースウイークで着用または使用されていないF1ヘルメットとして、公に記録されたオークション落札額の史上最高記録となった。

    さらに、F1 Authenticsがこれまで記録していた2つのチャリティーオークション記録も更新した。

    同プラットフォームにおけるチャリティーアイテムの従来の最高額は、マックス・フェルスタッペンが2023年F1カナダGPで着用したレーシングスーツで、11万2000ポンドだった。

    また、F1 Authenticsを通じてチャリティーオークションに出品されたF1ヘルメットでは、アレクサンダー・アルボンが2022年F1シンガポールGPで実際に使用したヘルメットの8万4000ポンドが最高記録だった。

    今回のディズニー仕様ヘルメットは、実戦で使用されたものではないにもかかわらず、その両方を大幅に上回る15万1000ポンドに達したことになる。

    落札金は全額Make-A-Wish Internationalへ
    落札者にはヘルメットだけでなく、展示用に製作された専用プレゼンテーションボックスも提供される。プレキシガラス製のディスプレイケースに加え、ブレット・アイワンとボビー・キムの両名が署名した真正証明書も付属する。

    また、同じデザインを採用した2つ目のヘルメットは、2026年8月14日から16日まで米カリフォルニア州アナハイムで開催される「D23: The Ultimate Disney Fan Event」で展示される予定だ。

    今回のオークションによる収益は全額Make-A-Wish Internationalに寄付され、重い病気と闘う子どもたちの願いをかなえる活動に充てられる。

    F1ドライバー20人のサインとディズニーを代表するミッキーマウスを組み合わせた特別なヘルメットは、未使用F1ヘルメットとしてのオークション記録を塗り替えると同時に、モータースポーツの価値をチャリティーへとつなげる象徴的な一品となった。

  • フラビオ・ブリアトーレ アルピーヌF1再建「シューマッハ級ドライバーは今は不要」

    フラビオ・ブリアトーレ アルピーヌF1再建「シューマッハ級ドライバーは今は不要」

    アルピーヌF1の実質的なチーム代表を務めるフラビオ・ブリアトーレは、チーム再建に向けて現時点で最優先すべき課題はスター選手の獲得ではなく、組織そのものの立て直しだと強調した。

    かつてミハエル・シューマッハやフェルナンド・アロンソとともにF1世界王者を育て上げたブリアトーレだが、現在のアルピーヌF1には「シューマッハ級」のドライバーよりも、強いチームを築くことが必要だと語っている。

    「今はドライバーよりチーム作りが優先」
    フラビオ・ブリアトーレは1990年代にベネトンでミハエル・シューマッハと2度のF1世界タイトルを獲得。その後、ルノーではフェルナンド・アロンソを2005年、2006年のワールドチャンピオンへ導いた。

    その実績から、アロンソの2027年アルピーヌ復帰説も浮上しているが、The Raceのインタビューで「ミハエル・シューマッハやアロンソのようなドライバーが必要ではないか」と問われると、ブリアトーレはその考えを否定した。

    「そうなればいいとは思う。でも現時点では、ドライバーは本当に優先事項ではない」

    「ドライバーはチームが支えなければならない。チームがドライバーを信頼すれば、彼らはコンマ2~3秒を引き出してくれる。その差は非常に大きい」

    「今の我々に必要なのはチームを作ることだ。エンジニア同士の信頼関係、チーム全体の結束を築かなければならない」

    さらに、自身が復帰した当初と比べて組織が大きく変化したことにも触れた。

    「私がこのチームに来た時は1300人いたが、今は900人になっている」

    「私の最優先事項はレーシングチームを作ることだ。その後にドライバーのことを考えればいい」

    ガスリーは「トップ6に入るドライバー」
    一方でブリアトーレは、現在のエースであるピエール・ガスリーには絶大な信頼を寄せている。

    「トップ6のドライバーを挙げるなら、ピエールはその中に入ると思っている」

    「彼に必要なのは、より優れたマシンと、ファクトリーの人間への信頼だ。我々が今やるべきことはそこだ」

    「なぜピエールでは駄目なんだ? なぜ今いるドライバーではいけないんだ?」

    ブリアトーレは、ガスリーの実力に不足があるとは考えておらず、チーム側が競争力のあるマシンと環境を提供できれば十分に結果を残せるとの見方を示した。

    アロンソ復帰説が浮上する一方でコラピントの去就にも注目
    スペインGP以降、アストンマーティンF1の苦戦を背景にフェルナンド・アロンソのアルピーヌ復帰説が報じられている。ブリアトーレとの長年の関係もあり、2027年の移籍候補として名前が取り沙汰されている。

    一方で、フランコ・コラピントにはチーム側から別のシートを探すよう伝えられたとの報道もあり、ウィリアムズF1への移籍の可能性も噂されている。

    それでもブリアトーレは、現在のアルピーヌF1に必要なのはスター選手を獲得することではなく、まず組織全体の競争力を高めることだと強調した。チームとしての土台を築いた先にこそ、タイトル争いへの道が開けるというのが、現在の再建ビジョンである。