投稿者: dbcheck

  • ホンダF1 PUハードウェア改良 アストンマーティン振動問題に根本対処へ

    ホンダF1 PUハードウェア改良 アストンマーティン振動問題に根本対処へ

    アストンマーティンとホンダは、2026年F1シーズン開幕から深刻な苦戦を強いられてきたが、マイアミGPに向けて重要な転機を迎えている。ホンダはパワーユニットにハードウェア変更を投入し、車体側でも改良が進められた。

    開幕3戦では振動問題とバッテリーの信頼性が大きな課題となり、グリッド最後尾に沈む場面もあった。こうした状況を受け、両者は短期的な対策だけでなく、根本的な改善に踏み込んでいる。

    ホンダPUに初のハードウェア変更 信頼性改善へ
    ホンダはこれまでメカニカルな対策を積み重ねてきたが、マイアミGPではついにハードウェア変更に踏み込んだ。

    F1トラックサイドエンジニアの折原伸太郎は、詳細こそ明かさなかったものの「信頼性のための変更」であることを認めている。今季はこれまで正式なスペック変更は行われておらず、今回が実質的な初のアップデートとみられる可能性もある。

    今回の変更の主目的は、ドライバーに不快感を与えていた深刻な振動の抑制と、バッテリーを含む信頼性の改善だ。性能向上ではなく、あくまでレギュレーション上許可されている信頼性改善の範囲に収まる。

    振動問題は“原因対処”へ シルバーストンでは不可能だった開発
    これまでの対策は、いわば症状を抑える応急処置に近いものだった。

    鈴鹿ではステアリングコラム周辺の試験パーツが振動低減に効果を示したが、これはレースには使用されず、マイアミにも持ち込まれていない。今回の変更は、振動の発生源そのものに対処することを狙ったものだ。

    マイク・クラックは次のように説明している。

    「振動を減らすための大規模なパッケージに取り組んできた。発生源だけでなく、ドライバーを含むすべてのシステムに対して対策を行っています」

    さくらの施設での“実車連動テスト”が転機に
    今回の改善の鍵となったのが、日本のさくらの施設で行われた開発だ。

    アストンマーティンは鈴鹿戦後にマシンを日本へ残し、ホンダは車体と接続した状態でエンジンをテストすることが可能になった。これまでできなかった「シャシー連動でのベンチテスト」が実現したことで、振動の原因解析が大きく進んだ。

    折原伸太郎は次のように語っている。

    「振動については良い進展がありました。そしてその対策を今回のイベントに導入しています」

    「バッテリー側でも良い進展があり、ドライバーの振動についても改善が見られています」

    さらに、折原自身が実際にマシンに乗り込んで振動を体感するテストも行われており、現場レベルでの検証が強化された。

    4週間での開発は限界も “大規模改良は進行中”
    もっとも、今回のアップデートが完全な解決策ではない可能性もある。

    折原は「大規模なハードウェア変更を実装するには4週間は短いです」と認めており、今回の改善はあくまで途中段階だ。それでも「さくらで非常に懸命な作業が行われました」と強調している。

    つまり、マイアミ仕様は“応急処置+本格改善の入口”という位置づけだ。

    パフォーマンス解放はFIA判断待ち ADUOも焦点
    現時点でホンダは、性能向上のためのアップグレードを投入できない。

    これはFIAが各メーカーのアップグレード枠(ADUO含む)をまだ確定していないためであり、シーズン中の開発制限の扱いも議論中だ。

    折原は将来の改善について問われると、

    「いくつかアイデアはありますが、説明はできません」

    と述べるにとどめている。

    つまり、現段階では「問題の特定と信頼性回復」が優先されており、本格的な性能改善は制度確定後に本格化する見通しだ。

  • マイアミGPで2万円超のホットドッグ登場 F1の“セレブ飯”に騒然

    マイアミGPで2万円超のホットドッグ登場 F1の“セレブ飯”に騒然

    マイアミGPの週末は、もはやレースだけではない。観戦チケットや移動費に加え、スタンドで口にする食べ物までもが“話題性”を競う時代になっている。2026年のイベントでは、なんと150ドル(約2万円超)のホットドッグが登場し、ファンの間で驚きと笑いを誘っている。

    「さすがマイアミ」と言うべきか、それとも「やりすぎ」と言うべきか。F1の中でも屈指のラグジュアリー路線を走るこのグランプリらしい一品が、週末のもうひとつの主役になりつつある。

    金箔&キャビア…もはや別物のホットドッグ
    その名も「フードゴッド」。シェーブル・マイアミとフードゴッド、ゴールデンゴートキャビアのコラボによる“超高級ホットドッグ”で、1日わずか10本限定というレアアイテムだ。

    中身は完全に別次元。オーストラリア産和牛ソーセージに、クレームフレッシュ、アルマスキャビア、さらに食用金箔までトッピングされている。もはや「ホットドッグ」というより、F1仕様のラグジュアリーフードといったほうがしっくりくる。

    その価格は150ドル。SNSでは「ピットストップより高い」「これで1周分の燃料いける?」といった冗談も飛び交い、レースウィークの話題をさらっている。

    マイアミグランプリ F1

    まだある“セレブ飯”の数々
    もちろん驚きはこれだけでは終わらない。マイアミGPの会場では、100ドルの「ゴールデン・グリジー」や、125ドルのサンドイッチ「ゴールド・ディガー」など、名前からしてクセの強い高級メニューが並ぶ。

    ここまでくると、もはやフードメニューもエンタメの一部だ。どれだけ“映えるか”、どれだけ“語れるか”が価値になっている。

    “F1らしさ”の進化か、それとも…
    マイアミGPは、セレブ、ヨット、VIPホスピタリティといった華やかな演出で、他のグランプリとは一線を画してきた。その流れの中で、この150ドルホットドッグもまた“らしさ”の延長線上にある。

    一方で、「普通に観戦するだけでも高いのに」という声が出るのも自然な流れだ。

    とはいえ、この話題がここまで広がっている時点で、イベントとしては“成功”とも言える。レースの外でも話題を作り続ける——それこそが今のF1、そしてマイアミGPの戦い方なのかもしれない。

  • 2031年F1エンジンでV8復活案が有力 FIAが方向転換 電動比率も縮小か

    2031年F1エンジンでV8復活案が有力 FIAが方向転換 電動比率も縮小か

    2026年F1レギュレーションで導入された現行パワーユニットは、電動比率の高さやエネルギーマネジメント偏重のレース展開など、開幕直後から課題が噴出している。こうした状況を受け、FIAはすでに次世代エンジン(2031年導入予定)に向けた議論を本格化させている。

    関係者の間では、現行規則が「妥協の産物」となった反省から、コスト削減と簡素化を最優先とした“方向転換”が必要との認識が共有されており、その中核にV8エンジン復活の可能性が浮上している。

    V8ターボ+標準MGU-Kが有力案
    初期段階の議論では、V8ターボエンジンに標準化されたMGU-Kを組み合わせる構成が有力視されている。現行と同様に持続可能燃料を使用する一方で、電動システムの比率は大幅に引き下げられる見通しだ。

    これにより、現在のような電動エネルギー管理に依存したレースからの脱却と、エンジン構造のシンプル化が期待されている。

    FIAのシングルシーター部門テクニカルディレクターであるヤン・モンショーは次のように語る。

    「今後2〜3か月で方向性を固める必要がある。これ以上長引くことは望んでいない。遅くとも年末までには具体的な規則を文書化しなければならない」

    「現行フォーミュラの弱点は明らかだ。我々はそれを修正する必要があるが、最優先はコスト削減だ」

    現行PUは“失敗”との認識が共有
    2026年のエンジン規則は、新規参入メーカーと既存メーカーの利害調整の結果として成立した。しかしその過程で多くの妥協が積み重なり、結果的に複雑でコストの高いパワーユニットとなった。

    FIAのニコラス・トンバジスも当時の状況について次のように振り返っている。

    「現行のエンジン規則を議論していた際、一部の自動車メーカーは今後は内燃機関を開発しないと主張し、いつ完全に電動化するかまで明言していた。しかし、それは現実にはならなかった」

    「次のエンジンでは、我々は世界的な経済環境に振り回されるべきではない。メーカーに依存しすぎることは避けなければならない」

    関係者の間では、この現行フォーミュラが期待された成果を十分に上げていないとの見方が広がっている。マイアミGPで導入される小規模な修正も、問題の本質的な解決には至らないとみられている。

    実際、2029年や2030年への前倒し導入案も議論されたが、アウディやホンダの反対により見送られた。両メーカーは現在のパワーユニット開発に多額の投資を行っており、短期間での再設計には消極的だった。

    フォーミュラ1エンジン 国際自動車連盟

    FIA主導で“メーカー依存”から脱却へ
    今回の議論では、FIAがより主導権を握る姿勢も明確になっている。これまでのようにメーカーの要求を広く取り入れるのではなく、シリーズ全体の持続性を優先する方針だ。

    エンジン開発には長い準備期間が必要であるため、早期の方向性決定は不可欠とされる。FIAは今夏までの合意を目指しており、遅くとも年末までには最終的なレギュレーションを確定させる必要がある。

    すべてのメーカーの要望を満たすことは難しいが、共通の基盤を見出しながら、現行規則の問題点を是正する“現実的な解”が模索されている。

    2031年の次世代エンジンは、単なる技術変更にとどまらず、F1の競技性やコスト構造を左右する重要な転換点となる。V8復活という象徴的な変化が実現するかどうかも含め、今後数か月の議論の行方が注目される。

    Source: Auto Motor und Sport / F1inGenerale

  • F1マイアミGP 雷規制で中断・中止リスク 米特有ルールが直撃か

    F1マイアミGP 雷規制で中断・中止リスク 米特有ルールが直撃か

    2026年F1シーズン第4戦マイアミGPは、雷雨の予報により開催そのものに影響が及ぶ可能性が浮上している。決勝が行われる日曜は降雨確率88%、雷雨の確率も50%を超えるとされ、レース進行に大きな不確定要素が加わった。

    問題は単なる雨ではない。アメリカ特有の「雷リスク時のイベント停止ルール」が適用される可能性があり、F1側の判断を超えてレースが中断、あるいは延期されるシナリオが現実味を帯びている。

    雷が引き起こす“強制ストップ”の仕組み
    アメリカでは屋外の大規模イベントにおいて、落雷の危険がある場合は安全確保のため活動を停止する義務がある。これは労働安全衛生局(OSHA)の規定にも関係しており、現場スタッフの安全確保が最優先される。

    そのため、仮にレース主催者やFIAが続行可能と判断しても、雷のリスクが確認されれば強制的に中断措置が取られる。F1はこのルールを覆す権限を持たない。

    さらにフロリダ州は全米でも有数の落雷発生地域であり、こうした規制は実際の運用でも厳格に適用される傾向にある。

    レース進行への具体的影響
    雷雨が発生した場合、観客は避難を求められ、医療用ヘリコプターの飛行も停止される。これは重大事故発生時の対応能力にも直結するため、レース継続の可否を左右する重要な要素となる。

    すでにレースがスタートしている場合は赤旗中断となり、ドライバーはピットレーンへ戻る必要がある。この間、通常とは異なり各チームはマシンをガレージに戻して作業することが許可される。

    マイアミグランプリ 国際自動車連盟

    決勝時間帯と天候が重なるリスク
    現時点の予報では、雷雨のピークは決勝スタート予定の現地日曜午後と重なる見込みだ。これは最も影響が大きいタイミングであり、スタート遅延やスケジュール変更の可能性も否定できない。

    一方で金曜から土曜にかけてはドライコンディションが予想されており、プラクティスや予選は通常通り進行する可能性が高い。

    FIAは対応策を準備済み
    FIA(国際自動車連盟)はすでに状況を注視しており、必要に応じて対応できるコンティンジェンシープランを用意していると説明している。

    「週末の天候を注意深く監視している。昨年のマイアミでも同様の状況を経験しており、影響を最小限に抑えるための計画を準備している」

    このように、運営側は万全の準備を整えているものの、最終的な判断は天候と安全規制に委ねられる。

    ドライバーも警戒「中止の可能性も」
    エステバン・オコンはマイアミ特有の路面状況と天候について警戒感を示している。

    「かなり難しいレースになるはずだ。去年も非常に滑りやすくて、オイルも多くて視界がぼやけるような状況だった。かなり特殊だった」

    「ポイント獲得のチャンスになると思うけど、来てくれた人たちのためにもレースが中止にならないことを願っている」

    「ここには雷に関する特別なルールがあると聞いている。もしそれが来たら、ブラジルのようにかなり早い段階で動きがあるかもしれない」

    天候と規制という二重の不確定要素を抱えるマイアミGPは、今季でも最も予測が難しい一戦となる可能性が高い。決勝当日の空模様が、そのままレースの運命を左右することになりそうだ。

  • メルセデスF1 マイアミGPで史上初の3種類パープルスーツを着用

    メルセデスF1 マイアミGPで史上初の3種類パープルスーツを着用

    メルセデスAMGペトロナスF1チームは、2026年F1マイアミGPでジョージ・ラッセルとキミ・アントネッリが3日間それぞれ異なるレーシングスーツを着用すると発表した。チーム史上初の試みで、すべてのスーツはデジタル金融サービス企業Nuのブランドカラーであるパープルを基調としている。

    この企画は、2026年1月に発表されたNuとメルセデスのパートナーシップを本格的にサーキット上で展開するものだ。

    マイアミGPでは、特別仕様のレーシングスーツ、ブランドフィルム、さらにマイアミのウィンウッド地区で開催される体験型イベント「House of Nu」を通じて、Nuの米国進出を印象づける狙いがある。

    3日間で3種類のスーツを着用
    メルセデスAMGペトロナスF1チームが、1つのグランプリ週末で3種類のレーシングスーツを使い分けるのは今回が初めてとなる。各デザインにはNuの歩みを示す座標が組み込まれており、金曜、土曜、日曜でそれぞれ異なる意味を持つ。

    金曜日のスーツには、Nuが2013年に創業したブラジル・サンパウロの最初のオフィス「Casinha」の座標が入る。

    土曜日のスーツには、メキシコとコロンビアのオフィスを示す座標が入り、ラテンアメリカでの事業拡大を表現する。

    日曜日のスーツには、インテル・マイアミCFの新本拠地となるNu Stadiumの座標が加えられ、Nuの米国進出を象徴するデザインとなる。

    ラッセルとアントネッリが出演する特別映像も公開
    Nuとメルセデスは、今回の発表に合わせて「A Nu Direction」と題したブランドフィルムも公開する。映像にはジョージ・ラッセルとキミ・アントネッリが登場し、コンテンツクリエイターでエンターテイナーのヴィクター・クンダが、マイアミGP用の特別なレーシングスーツを手がけるデザイナー役を務める。

    物語は、2人のドライバーがいくつものコンセプトを検討しながら、グランプリにふさわしい特別な案を探していく内容だ。最終的にたどり着く答えが、Nuを象徴するパープルという色になる。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ F1 マイアミグランプリ

    マイアミで展開される「House of Nu」
    レース週末に合わせて、Nuはマイアミのウィンウッド地区に「House of Nu」を開設する。会場は116 NW 25th Streetで、3日間にわたって実施される。

    来場者は、レーシングスーツの展示、メルセデスAMGペトロナスF1チームの記念品、AR体験、パートナーシップを象徴するアイテムなどを楽しむことができる。入場は無料だが、NuのInsider Access programmeを通じた登録が必要で、枠は先着順で割り当てられる。

    Nu幹部「マイアミ以上の舞台はない」
    Nuの共同創業者で、最高成長責任者および新興アメリカ事業のCEOを務めるクリスティーナ・ジュンケイラは、今回の発表について次のようにコメントした。

    「このパートナーシップを、コース上でもコース外でも実現できることに、これ以上ないほど興奮している」

    「NuとメルセデスAMGペトロナスを定義しているのは、決して満足せず、異なるやり方をし、可能性を押し広げようとする姿勢だ。スーツ、映像、ウィンウッドのハウス・オブ・Nu、そのすべてが共有するDNAを反映している。そして、それをファンや顧客に届ける舞台として、マイアミ以上の場所はない」

    Nuの米国進出を印象づけるマイアミGP
    Nuにとって、2026年F1マイアミGPは米国市場への展開を前にした重要なブランド構築の場となる。同社はメルセデスAMGペトロナスF1チームとの提携に加え、インテル・マイアミCFおよびNu Stadiumの命名権パートナーシップも展開している。

    Nuは2026年1月、米通貨監督庁から新設国法銀行の設立について条件付き承認を受けた。正式承認を得れば、Nuは米国で預金口座、クレジットカード、融資などの商品を連邦規制の枠組みの下で提供できるようになる。

    Nuはブラジル、メキシコ、コロンビアで1億3000万人以上の顧客を抱える世界有数のデジタル金融サービスプラットフォームだ。マイアミGPでのメルセデスとの大規模な展開は、単なるスポンサー露出ではなく、同社が米国市場で認知と信頼を築くための象徴的な一歩となる。

  • ホンダF1救済のADUO規則修正案 投票が直前で停止 暗雲漂う

    ホンダF1救済のADUO規則修正案 投票が直前で停止 暗雲漂う

    2026年F1シーズンにおけるパワーユニット規則の焦点となっているホンダ救済策が、予想外の形で足踏みを強いられている。アストンマーティンとの新体制で苦戦が続く中、追加開発機会を与えるための規則修正案が検討されていたが、その採決が直前で停止されたことが明らかになった。

    この問題は単なる技術論争ではなく、各メーカーの利害が絡む政治的な駆け引きの様相も呈している。

    ホンダの苦戦は広く認識されている一方で、ライバルに有利となるルール変更への慎重姿勢が、今回の決定に影響を与えた可能性が高い。

    ホンダ救済の柱 ADUO規則緩和案の中身
    議論の中心となっているのは、ADUO(追加開発・アップグレード機会)制度の見直しだ。

    現行レギュレーションでは、ADUOによるアップグレードはシーズン内で累積できず、FIAが適格と判断した最初の1回に限って付与される仕組みとなっている。

    「ADUOのホモロゲーションアップグレードはシーズン内で累積されず、本条項の基準に従ってFIAが適格と判断した最初の機会にのみ付与される」と規則には明記されている。

    今回の提案は、この制限を緩和することで、ホンダに複数回の開発機会を与えるというものだった。これにより段階的な改善が可能となり、シーズン中の巻き返しを現実的なものにする狙いがあった。

    特に重要視されていたのがコストキャップ面での緩和であり、追加リソース投入によって開発の自由度を高める効果が期待されていた。

    PUAC投票は異例の「集計後停止」
    この規則修正案は、F1のパワーユニット諮問委員会(PUAC)で投票にかけられていた。

    PUACはFIAとFOMが合わせて1票を持ち、これに各エンジンメーカー(キャデラックを含む)が加わる構成となっている。

    規則変更には“スーパー・マジョリティ”が必要であり、FIA/FOMの賛成に加え、メーカー側では1社を除くすべての支持が求められる。

    当初、この投票結果はマイアミGP週末に公表される見込みだった。

    その中で、ホンダのトラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアである折原慎太郎は、状況について次のように語っている。

    「我々はFIAの決定を待っている。最終的な判断には従うことになる」

    しかし、その後に明らかになったのは、メーカー側にも予期されていなかった展開だった。投票はすでに集計された後で停止され、公表自体が見送られたという。

    支持不足か 再調整の可能性
    この異例の判断について公式な説明は出されていないが、関係者の間ではいくつかの見方が浮上している。

    ひとつは、提案が必要な支持を得られなかった可能性だ。

    一部メーカーが現行案に難色を示し、修正なしでは賛成に回れない状況だったとみられている。

    これは、ホンダ救済の必要性が理解されつつも、競争バランスを崩すリスクへの警戒が依然として強いことを示している。

    ADUO適用タイミングも揺らぐ
    今回の問題は、ADUO制度全体の運用にも影響を及ぼしている。

    そもそも、どのメーカーにADUOが適用されるかを判断する最初の基準時期についても確定していない。

    カナダGP後まで延期される可能性と、当初の「第6戦終了後(現在はモナコGP)」を維持する案が並存している状況だ。

    この不確定要素は、開発スケジュールを左右する重大な問題であり、ホンダにとっては巻き返しのタイミングそのものが揺らいでいることを意味する。

    規則変更が実現するかどうか、そしてその内容がどこまで踏み込んだものになるのか。今回の投票停止によって、ホンダ救済を巡る議論は新たな局面に入った。

    Source: The Race

  • ピエール・ガスリー「レッドブルF1はもはやトップ4ではなくなった」

    ピエール・ガスリー「レッドブルF1はもはやトップ4ではなくなった」

    ピエール・ガスリーが2026年F1マイアミGPのパドックでレッドブルの現状について語った。ローラン・メキース率いるチームは開幕当初こそ強さを見せていたが、その後はパフォーマンスが不安定となり、かつてのようなトップチームとしての立場を失いつつある。

    ガスリーは、バーレーンやオーストラリアでの印象と、その後の鈴鹿での状況に大きな差があったと指摘した。さらに、マイアミから導入されたレギュレーション変更についても、ドライバーの意見が安全面で重要な役割を果たしたと強調している。

    開幕直後は「最速候補」に見えたレッドブル
    ピエール・ガスリーは、マイアミで取材に応じ、レッドブルの急激な失速に驚きを示した。

    「バーレーンの後は、彼らがトップ4チームの中にいると確信していた。おそらく最速でもあった。オーストラリアではとても強そうに見えたし、本当にいいスタートを切っていた。何らかの理由で、そのレースの後からすべてがかなり難しくなった。ああ、かなり驚きだった」

    鈴鹿では、ガスリーがマックス・フェルスタッペンの前を走る場面があった。フェルスタッペンは数周にわたって後方につけたものの、実際に脅威を与えるところまでは至らなかった。

    近年のF1では、レッドブル、メルセデス、フェラーリ、マクラーレンを中心とした「トップチーム」の構図が語られてきた。しかし、2026年の序盤戦を見る限り、レッドブルはその基準から一時的に外れ、ライバル勢に対して明確に後れを取っている。

    新レギュレーションが勢力図を変えた
    ガスリーは、マイアミから導入されたルール変更についても言及した。新世代F1ではエネルギーマネジメントや接近速度の問題が浮上しており、ドライバーからのフィードバックが重要な判断材料になっている。

    「ステアリングを握っているのは僕たちだし、あらゆる状況で何が起きているのかを感じているのも僕たちだ。僕たちのフィードバックは、組織内の誰よりもはるかに正確だ」

    「大きな組織やメーカーがあり、それぞれが必要なものを求めて働きかけている。全員を満足させなければならない。でも最終的には、安全が何よりも優先されなければならない」

    ガスリーの発言は、レッドブルの不振が単なる一戦限りの失敗ではなく、2026年F1の新しい技術規則と勢力図の変化を象徴するものでもある。開幕時点では最速候補に見えたチームが、数戦でトップグループから外れたように見える状況は、今季の不確実性を物語っている。

  • マックス・フェルスタッペン F1レギュレーション変更は「くすぐり程度」

    マックス・フェルスタッペン F1レギュレーション変更は「くすぐり程度」

    マックス・フェルスタッペンは、2026年F1レギュレーションをめぐって導入された一連の変更について、自身や他のドライバーが抱える懸念に対する対応としては「くすぐり程度」にすぎないと語った。

    FIAとF1は、予選をより全開走行に近づけること、そして決勝中の速度差を抑えることを目的に複数の技術的調整を行った。しかし、フェルスタッペンは現在の変更だけでは不十分だとし、来年に向けてより大きな見直しが必要だと訴えている。

    フェルスタッペン「本当に必要なものではない」
    レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、新しいF1マシンについて以前から強い懸念を示してきた。2026年型F1をレーシングゲームの「マリオカート」に例えたこともあり、「ステロイドを打ったフォーミュラE」と表現したこともある。

    今回のルール変更について、フェルスタッペンは次のように語った。

    「くすぐり程度だ。本当にフラットアウトにするために必要なものではまだない。前にも言ったように、すべてを合意させるのは複雑だ。来年に向けて、本当に大きな、大きな変更ができることを願っている」

    フェルスタッペンは、新しいマシンが自身のF1での将来を考えさせるものになっているとも語ってきたが、現時点で決断は下していない。

    「まだ時間はあるし、自分の時間をかけている」

    ノリスは一定評価「ドライバーとして満足すべき」
    一方で、マクラーレンのランド・ノリスは、今回の変更に一定の評価を与えた。

    「これ以上大きく進めるのは難しい。ルールの範囲内でできることには限りがある。僕たちは皆、今回進んだ方向にもっと進んでほしかった」

    「レースは実際にはそこまで大きく変わらない。だから、変わらない部分もある。ただ、予選はもう少しフラットアウトの予選らしいラップになるはずで、それはいいことだ。ドライバーとして望んでいることだから、彼らが行った変更量には満足しなければならないと思う」

    ノリスは、今回の修正は改善の一歩だとしながらも、今後さらに大きな変更が必要になるとの見方を示した。

    「物事を改善しようとして、僕たちはいい仕事をした。将来もっと望んでいる大きなことについては、もっと時間をかけて取り組むことになる」

    焦点はエネルギーマネジメントと速度差
    2026年F1の新型パワーユニットは、内燃エンジンと電動パワーの比率がほぼ50対50に近づき、エネルギーマネジメントの重要性が大きく高まっている。

    今回の変更は、予選でバッテリーを充電するためにコーナー手前でリフト・アンド・コーストを行うような「直感に反する」ドライビングを減らすことを狙ったものだ。

    もうひとつの焦点は、片方のマシンが350kW、約470馬力の電動パワーをすべて展開している一方で、別のマシンがバッテリー充電のために展開していない場合に生じる速度差を減らすことにある。

    ただし、マクラーレン代表のアンドレア・ステラとレッドブル代表のローラン・メキースはいずれも、エネルギーマネジメントの必要性をさらに減らすには、エンジン側のハードウェア変更が必要だと見ている。

    具体的には、内燃エンジンと電動パワーの比率を変えるため、燃料流量の引き上げなどによってエンジン出力を増やすことが想定されている。ただし、これは現行エンジンの信頼性に影響するため今年中には実施できず、5社のパワーユニットメーカーのうち4社に加え、FIAとF1の合意も必要になる。

    ストロール「根本的に欠陥がある」
    アストンマーティンのランス・ストロールは、新レギュレーションについてさらに踏み込んだ表現で批判した。

    「このルールは根本的にかなり欠陥がある。僕たちはまだ本来のF1マシンから遠く離れているし、バッテリーのことを考えずにフラットアウトで攻めるところからも遠い」

    F1では将来的な理想のレギュレーションをめぐる議論も広がっている。FIA会長のモハメド・ビン・スライエムは2年前、自然吸気のV8またはV10エンジン復活を推していたが、当時はエンジンメーカー側がその構想を退けた。

    メルセデスのジョージ・ラッセルは、V8復活論には魅力があるとしながらも、問題は単純ではないと説明した。

    「V8に戻るという話はたくさんある。それは明らかにかなりクールだろうし、サステナブル燃料というテーマは素晴らしいものだ。F1にとっても素晴らしいと思う」

    「マシンをさらに小さくする方法を見つける必要がある。マシン重量の削減は、レースやドライバビリティ、互いに接近して戦えることに対してポジティブな影響を与えている」

    「20年前のF1の“栄光の時代”を見ると、誰もがあれが史上最高のマシンだったと言う。僕も2000年代初期のマシンは、おそらくF1で見た中で最もクールなマシンだったと思う。でも、オーバーテイクはまったくなかった。だから、次を考えるうえで、それは覚えておく必要がある」

    雨のマイアミGPに残る安全面の懸念
    マイアミGP決勝日には雨や雷雨の予報があり、ドライバーたちはウェットコンディションでの安全性にも懸念を示している。

    F1とFIAは天候を注視しているが、現時点でスケジュール変更に関する本格的な議論は行われていない。ただし、可能性としては常に残されている。

    今回のルール変更には、ウェット時の速度差への懸念に対応するため、電動パワーの最大展開量を抑える措置も含まれている。それでも、雨による視界不良のなかで速度差が生じることへの不安は消えていない。

    フェラーリのシャルル・ルクレールは、ウェット時の新型F1マシンについて次のように語った。

    「このマシンのウェットで奇妙なのは、ウェットコンディションのストレート終端で、ドライコンディションよりもずっと速くなる可能性があることだ。エネルギーをあまり使わないから、エンジンカットが入らない」

    「特にドライバーごとにパワーユニットの戦略が違う場合、難しい状況に陥る可能性がある。視界はほとんどない。そこがこのルールの難しさで、そこから抜け出す方法を理解する必要がある。ウェットでは、僕たちは本当に乗客のようなものだ」

    「雨では、勇敢かどうかの問題ではない。フラットアウトのまま走り、前にいるマシンが自分より遅くないことを願うだけだ。そして、相手も自分と同じスピードだと仮定する」

    「これまでは、そう仮定するのはある意味簡単だった。今はもうそうではない。だから僕たちはフラットアウトで行って、どうなるかを見ることになる。あまりいい感覚ではない。これは、まだ回避策を見つける必要があるものだ」

    フェルスタッペンが「くすぐり程度」と表現した今回の変更は、予選の全開走行化と速度差の抑制に向けた応急処置に近い。ドライバー側が求める本質的な改善は、電動パワーと内燃エンジンの比率そのものを見直す領域に踏み込む必要があり、F1は早くも2026年F1レギュレーションの根幹を再検討する段階に入りつつある。

  • アストンマーティン・ホンダF1 マイアミGPで車体軽量化とPU改良も効果限定

    アストンマーティン・ホンダF1 マイアミGPで車体軽量化とPU改良も効果限定

    アストンマーティンはマイアミGPを前に、AMR26に複数の改良を投入した。ホンダ製パワーユニットのハードウェアアップデートに加え、車体の軽量化やドライバビリティ改善など、幅広い対策が施されている。

    ただし、その内容はあくまで最低限の競争力確保を目的としたものであり、ポイント争いに直結するような大幅な戦力向上には至っていない。現場責任者の発言からも、依然として根本的な課題が残されていることが明らかになった。

    振動対策へPUハードウェア改良 さくらの施設で継続開発
    アストンマーティンのトラックサイド責任者マイク・クラックは、今回のアップデートの背景について次のように説明した。

    「我々はレース後にマシンをさくらの施設へ残し、抱えている問題に取り組み続けた。そして今回、信頼性を改善するためのパッケージを持ち込んだ」

    ホンダのトラックサイド責任者である折原慎太郎も、振動対策の進展について言及している。

    「振動を測定するための静的テストを実施し、多くのデータを収集することができました」

    「パワーユニットのハードウェア面でも改善を行っています」

    今回の改良の中心は、これまで問題となってきた振動の低減にある。パワーユニット単体だけでなく、車両全体での対策が進められている。

    軽量化とドライバビリティ改善も同時進行
    アップデートはパワーユニットにとどまらず、シャシー側にも及んでいる。クラックは車両全体の改善についても言及した。

    「我々は信頼性だけでなく、車重やドライバビリティの改善にも取り組んだ。それは大きな課題だった」

    「クルマには変更がある。振動を根本から低減するための取り組みに加え、すべてのシステムでその影響を軽減するための広範なパッケージを導入した」

    ステアリングを含む複数の領域に手が入れられており、ドライバーの扱いやすさ向上も狙いとなっている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    それでも遠いポイント圏 首脳陣は現実認める
    今回の改良によってグリッド降格ペナルティが発生することはないが、戦力面での大幅な前進にはつながっていない。

    ホンダ側はFIAのADUO適用の可能性について問われても、「いくつかアイデアはあります」と述べるにとどめ、具体的な方向性は明かさなかった。

    一方でクラックは現状を冷静に受け止めている。

    「シーズン中に大きく差を縮めるのは非常に難しい。これは開発競争だ。我々は競争力を持つチームであり、グリッド後方にいるべきではない」

    「改善は必要だが、同時に現実的でなければならない。経験豊富な2人のドライバーが後方にいる状況にはフラストレーションがあるし、それをマネジメントしなければならない」

    改良は確かに進んでいる。しかし、それは巻き返しというよりも“最低ラインへの復帰”に近い。AMR26の根本的な課題は、依然としてチームの前に立ちはだかっている。

    Source: AS

  • 2027年F1開幕戦はバーレーンGP復帰へ オーストラリアGPは第3戦に後退か

    2027年F1開幕戦はバーレーンGP復帰へ オーストラリアGPは第3戦に後退か

    2027年F1カレンダーをめぐり、近年開幕戦を務めてきたオーストラリアGPがその座を失う可能性が高まっている。複数の報道によれば、開幕戦は再びバーレーンで開催される見通しで、サウジアラビアが第2戦、メルボルンは第3戦へと後退する構図が有力だ。

    現時点でF1は正式な2027年カレンダーを発表していないが、契約条件や宗教行事、物流面の要素が重なり、近年とは異なる開幕構成が検討されている。

    「簡単には譲らない」も流れは変化
    オーストラリアGPの責任者トラビス・オールドは、開幕戦の座を維持するため「簡単には譲らない」との姿勢を示していた。しかし、オーストラリア国内の複数メディアは、2027年にはバーレーンが開幕戦に復帰するとの見方を伝えている。

    この変更が実現すれば、長年にわたり続いてきたメルボルンの“シーズン幕開け”という伝統は再び途切れることになる。

    ラマダンと物流が再編の決め手
    今回の再編の背景には、ラマダンの時期と物流上の合理性がある。2027年はラマダンが3月7日に終了予定とされ、その翌週の3月14日にバーレーンで開幕戦を開催する条件が整う見込みだ。

    バーレーンはプレシーズンテストの開催地でもあり、そのまま開幕戦へ移行できる点で効率的だ。こうした流れは2021年から2024年にかけても採用されていた。

    メルボルンは第3戦へ 契約上の優位は維持
    メルボルンが序盤から外れるわけではなく、2027年は4月4日の第3戦として開催される可能性が高い。これは「シーズン最初の3戦のいずれかを開催する」という契約条件を満たす形となる。

    また、現行契約では2025年から2035年の間に少なくとも5回の開幕戦開催が保証されており、すでに2回を消化。残りの機会は今後に持ち越される。

    トルコ復帰で全24戦が確定へ
    2027年はトルコGPの復帰が決定しており、5年契約によって全24戦の枠が埋まる見通しとなっている。これによりカレンダー構成はより固定化され、各イベントの配置が重要な意味を持つ。

    ポルトガルはスペインGPの不在を埋める形で欧州序盤に組み込まれる可能性があり、トルコは欧州終盤からアジアへの移動をつなぐ位置に配置されるとみられている。

    2027年F1カレンダー予測(暫定)
    ■ 第1戦 バーレーン(3月14日)
    ■ 第2戦 サウジアラビア(3月21日)
    ■ 第3戦 オーストラリア(4月4日)
    ■ 第4戦 中国(4月11日)
    ■ 第5戦 日本(4月25日)
    ■ 第6戦 マイアミ(5月9日)
    ■ 第7戦 カナダ(5月23日)
    ■ 第8戦 モナコ(6月6日)
    ■ 第9戦 ポルトガル(6月13日)
    ■ 第10戦 オーストリア(6月27日)
    ■ 第11戦 イギリス(7月4日)
    ■ 第12戦 ベルギー(7月18日)
    ■ 第13戦 ハンガリー(7月25日)
    ■ 第14戦 スペイン(8月29日)
    ■ 第15戦 イタリア(9月5日)
    ■ 第16戦 トルコ(9月19日)
    ■ 第17戦 アゼルバイジャン(9月26日)
    ■ 第18戦 シンガポール(10月10日)
    ■ 第19戦 アメリカ(10月24日)
    ■ 第20戦 メキシコシティ(10月31日)
    ■ 第21戦 サンパウロ(11月7日)
    ■ 第22戦 ラスベガス(11月20日)
    ■ 第23戦 カタール(11月28日)
    ■ 第24戦 アブダビ(12月5日)

    開幕戦を巡る構図は流動的
    F1カレンダーは契約条項、宗教行事、気候条件、物流効率など複数の要素によって決定される。2027年はそのバランスが再び見直される年となりそうだ。

    正式なカレンダーはまだ発表されておらず、例年通りであれば初夏に確定する見込みだが、開幕戦を巡る構図はすでに大きく動き始めている。