投稿者: dbcheck

  • レッドブルF1 フェルスタッペン離脱時の“プランB”はピアストリ?

    レッドブルF1 フェルスタッペン離脱時の“プランB”はピアストリ?

    レッドブル・レーシングが、“ポスト・フェルスタッペン時代”を見据え始めているのかもしれない。

    F1ジャーナリストのロベルト・チンチェロは英オートスポーツ誌で、レッドブルがマックス・フェルスタッペン離脱時の“プランB”として、マクラーレンのオスカー・ピアストリを高く評価していると報じた。

    フェルスタッペンは2027年末までレッドブルとの契約を結んでいる。しかし、2026年F1レギュレーションへの不満や将来的な去就を巡る憶測は依然として消えておらず、チーム側も“万が一”への備えを進めている可能性がある。

    レッドブルがピアストリを“プランB”に設定か
    報道によると、レッドブル内部では、フェルスタッペンが他チーム移籍、休養、あるいはF1離脱を選択した場合に備え、ピアストリを最有力候補として注視しているという。

    現在のレッドブルにとって、フェルスタッペンは単なるエースドライバーではない。技術開発、組織運営、商業面を含め、チーム全体の中心に位置する存在だ。

    そのため、後任問題は単なるシート選びではなく、“チームの次代を誰に託すか”というテーマに直結している。

    ローラン・メキースとオリバー・ミンツラフは、フェルスタッペン残留を前提としながらも、不測の事態に備えたシナリオを検討しているとされる。

    “育成型レッドブル”の変化
    これまでのレッドブルは、ジュニア育成システムを武器に成功を収めてきた。

    セバスチャン・ベッテル、ダニエル・リカルド、そしてマックス・フェルスタッペンへと続く流れは、ヘルムート・マルコ主導の育成哲学そのものだった。

    しかし近年は、その構造にも変化が見え始めている。

    セルジオ・ペレス起用はもちろん、リアム・ローソン、角田裕毅、アイザック・ハジャーらを巡る動きからも、“絶対的エース+育成枠”という従来モデルだけでは戦い切れない現実が透けて見える。

    特にマルコ退任後は、外部市場を柔軟に活用する方向へシフトしているとの見方もあり、その文脈の中でピアストリの名前が浮上している。

    若さ、安定感、レース運び、そして将来的な伸びしろを兼ね備えるピアストリは、レッドブルが求める条件に極めて近い存在なのかもしれない。

    マックス・フェルスタッペン レッドブル・レーシング

    マーク・ウェバーの動きにも注目
    記事では、ピアストリのマネージャーを務めるマーク・ウェバーの存在にも触れられている。

    今季のピアストリは、プレマ時代に関係を築いた元F2エンジニアのペドロ・マトスとともに動いており、ウェバーは以前ほど頻繁にパドックへ姿を見せていない。

    これによってマクラーレン内のコミュニケーションはよりシンプルになり、ピアストリ自身もコース内外で安定感を増したと報じられている。

    一方で、ウェバーが将来的な選択肢を探っている可能性も指摘されており、かつて所属したレッドブルとの関係再接近も不思議ではないとみられている。

    フェルスタッペン問題の本質
    もっとも、現時点でフェルスタッペン離脱が現実味を帯びているわけではない。

    ただ、その不満の矛先が単純なマシン性能ではなく、2026年F1レギュレーションそのものへ向けられている点は重要だ。

    仮に他チームへ移籍したとしても、新世代パワーユニット時代への疑念が解消される保証はない。そのためレッドブル内部でも、“完全残留”だけを前提にしないシナリオ管理が始まっている可能性がある。

    ピアストリは2027年までマクラーレンとの契約下にあるが、近年のF1では長期契約が絶対的障壁にならないケースも増えている。

    一部ではフェルスタッペンとピアストリによる“交換移籍”シナリオも取り沙汰されているが、現時点でマクラーレンがフェルスタッペン獲得へ動いている証拠はない。

    それでも今回の報道は、レッドブルが“フェルスタッペン依存”から先を見据え始めていることを示すものとして、今後のドライバー市場に大きな波紋を広げそうだ。

  • ランド・ノリス F1規則変更に苦言「まだF1のあるべきレベルではない」

    ランド・ノリス F1規則変更に苦言「まだF1のあるべきレベルではない」

    ランド・ノリスが、2026年F1マイアミGPで導入されたレギュレーション修正について「正しい方向への小さな一歩」だと認めつつも、F1が求めるべき水準にはまだ達していないと語った。

    マイアミGPでは、開幕3戦で問題視された2026年F1レギュレーションの一部が修正された。予選でのエネルギー回生量の見直しや、フルスロットル時の回生率変更などが行われたが、ノリスは依然として“全開で攻める”ことが報われない状況が残っていると指摘した。

    ノリス「全開で攻めると、まだ罰を受ける」
    「正しい方向への小さな一歩ではあるけど、まだF1があるべきレベルには達していない」とノリスは語った。

    「昨日の予選でも言ったと思うけど、すべての場所で全開で走って、以前の年のようにプッシュしようとすると、まだそれに対して罰を受ける」

    「まだすべての場所で全開にはできない。どこでも早くスロットルを開けることが重要というわけではない。そういうことで罰を受けるべきではないし、今でもそうなっている」

    「だから正直に言うと、それを本当に直せるとは思わない。バッテリーをなくすしかない。だから数年後にはそうなっていることを願っている」

    ピアストリ「レースは基本的にまったく同じ」
    一方、オスカー・ピアストリも、マイアミでの変更によってレース中の危険な接近速度が大きく改善されたとは感じていない。特に、電気エネルギーを使っているマシンと使っていないマシンの速度差は依然として大きく、オーバーテイクの多くがバッテリー由来のものだったと説明した。

    「レースは基本的にまったく同じだ。今日は人を抜いて、そのあと守らなければならないということを本格的に経験した最初の日だったと思うけど、正直かなりクレイジーだった」

    「ある時点でジョージ(ラッセル)は僕の1秒後ろにいたのに、そのストレートの終わりまでに僕を抜くことができた。少しランダムだ。接近速度はものすごく大きくて、防御する側としてそれを予測しようとするのは信じられないほど難しい」

    「もちろん、抜く側としては、ジョージの動きのひとつにはあまり満足していなかった。でも、その5周後くらいに、僕自身もほとんど同じような動きをしていることに気づいた。接近速度がものすごいからだ」

    「だから、その面ではあまり変わっていない。FIAとF1の協力は今回も良かったと思うけど、今あるハードウェアで変えられることには限界がある。だから将来的には、まだ何らかの変更が必要なのは間違いない。どれだけ早くそれを実現できるかが大きな問題だ」

    小幅修正では消えない2026年F1の根本課題
    今回のマイアミGPに向けた修正は、2026年F1レギュレーションが生んだ極端な予選走行術や、レース中の急激な速度差を抑えることを狙ったものだった。しかし、ノリスとピアストリの発言が示すのは、問題が単なる数値調整だけでは解決しにくい段階にあるという現実だ。

    予選では、ドライバーが最速ラップを組み立てる際に、従来のように単純に全開で攻めることができない。レースでは、バッテリーの有無によってストレートで極端な速度差が生まれ、防御側が動きを読むことも難しくなっている。F1が目指すべき“純粋な速さ”と“自然なバトル”の両方に、まだ大きな違和感が残っている。

    ノリスはマイアミGPを4番手からスタートし、決勝では2位でフィニッシュした。それでも、チャンピオン経験者としての評価は厳しい。小さな改善はあったが、2026年F1レギュレーションが抱える本質的な課題は、まだコース上に残されたままだ。

  • トト・ヴォルフ F1批判派に反論「マイアミGPに文句を言うなら隠れるべき」

    トト・ヴォルフ F1批判派に反論「マイアミGPに文句を言うなら隠れるべき」

    2026年F1マイアミGPでメルセデスのキミ・アントネッリが優勝を飾るなか、メルセデスF1のチーム代表トト・ヴォルフが、新世代F1マシンへの批判に対して強い反論を展開した。

    2026年F1レギュレーションでは電動パワー比率の増加によって“ヨーヨーレース”とも呼ばれる新たなレース展開が生まれており、マックス・フェルスタッペンら一部ドライバーは「マリオカートのようだ」と不満を表明していた。

    “文句を言うなら隠れるべき”とヴォルフ
    トト・ヴォルフはレース後、2026年型F1への批判論に真正面から反論した。

    「もし今日のレースに文句を言う人が1人でもいるなら、正直言って隠れるべきだと思う」

    「もちろん、このコースはエネルギー依存が比較的少なくて走りやすい側面はある。良いゲームもあれば悪いゲームもある。でも今日は素晴らしかった。F1にとって最高の広告だったと思う」

    2026年型F1マシンは、電動エネルギーの使用比率拡大によって従来とは異なるバトル展開を生んでいる。

    一方で、急激な速度差や“スーパークリッピング”と呼ばれるエネルギー切れ現象への批判も強く、FIAとF1はマイアミGP前に小規模なレギュレーション修正を実施していた。

    2027年に向けたさらなる変更も議論
    現在、パドック内部では2027年F1レギュレーションに向けて、現行の“50対50”に近いハイブリッド比率を見直す議論も進んでいる。

    内燃エンジン寄りの「60対40」あるいは「70対30」への変更案が有力視されており、ヴォルフも中長期的な修正には前向きな姿勢を示した。

    「短期間でエンジン規則を変えろと言う人は、F1の評価の仕方を考え直した方がいい」

    「今日はスペクタクルなレースだった。首位争いも、中団争いもあった。本当に素晴らしかった」

    「中期的に調整して最適化できるか? もちろん可能だ。我々はショーをさらに良くすることに反対ではない」

    “SMモード強化”にも言及
    ヴォルフは特にストレート性能向上の必要性を強調し、“SMモード”と呼ばれるストレート専用エネルギーモードの強化にも触れた。

    「SMモードでは、もっと大きなストレートスピードが必要だと思う。我々はもっと大胆になる必要がある」

    「中期的な変更には反対していない。ICE(内燃エンジン)からもう少しパフォーマンスを引き出せるなら、それも素晴らしい」

    「ただし、それをやるなら十分な準備期間を与えてほしい。実際に開発できる時間が必要だからだ」

    マイアミGPではアントネッリが今季3連勝を達成し、メルセデスはコンストラクターズランキング首位を維持。2026年F1マシンへの評価を巡る議論は続いているが、少なくともマイアミでの激しいレース展開は、F1側にとって大きな追い風となった。

  • F1ドライバーを悩ませる“電欠リスク” 予選アタックはいまもPU次第

    F1ドライバーを悩ませる“電欠リスク” 予選アタックはいまもPU次第

    2026年F1マイアミGPの週末で、FIAが導入した新たなエネルギーマネジメント調整の効果が見え始めた一方、ドライバーたちは依然として「全開アタックを自由にできない」という問題に直面している。

    特に議論の中心となっているのが、いわゆる“スーパークリッピング”だ。これはストレート終盤で電力エネルギーが尽き、急激に加速を失う現象で、2026年F1マシンの特徴的な弱点として開幕当初から指摘されてきた。

    マイアミではエネルギー回生量(ハーベスト)制限が引き下げられたことで一定の改善が見られたものの、ドライバーたちは「問題の本質は変わっていない」と語っている。

    “速く走るほど損をする”奇妙な予選アタック
    マクラーレンのオスカー・ピアストリは、F1がスーパークリッピング緩和に向けて前進したことは認めつつも、新世代PU特有の問題は残ったままだと説明した。

    「ハーベスト制限を下げたことで、スーパークリッピングが少し減ったのは良かった」

    「でも他の問題はほとんど同じままだ」

    ピアストリが特に問題視したのは、“速く走ろうとしすぎると逆にエネルギーを使いすぎてしまう”という現象だった。

    「エネルギーを大量に使いすぎないように、かなり慎重に速く走らないといけない」

    「改善された部分もあるけど、まったく変わっていない部分もある」

    本来、予選アタックは限界まで攻め込むものだ。しかし2026年F1では、アクセル操作やエネルギー消費を細かく管理しなければならず、“全開で攻めるほど最後に失速する”という逆転現象が起きている。

    ピアストリを襲った“予想外の電欠”
    ピアストリは土曜予選Q3最後のアタックで、予期していなかった大規模なスーパークリッピングに見舞われたことを明かした。

    「本当にかなり奇妙だった」

    「Q1ではいくつか想定通りに機能していない部分があった。Q2はかなり良かった」

    「でもQ3では最初のラップが良くなくて、2回目のラップではいくつか悪かった区間があり、その一方で予想していなかった場所で大きなスーパークリッピングが起きた」

    これは2026年F1マシンの難しさを象徴している。ドライバー自身が「どこで電力が尽きるか」を完全には把握し切れず、ラップ中に突然パワーを失うケースが発生しているからだ。

    2026年F1では電動比率が大幅に高まり、PUマネジメントがラップタイムへ直接的に影響する構造となった。結果として、ドライバーの“攻め方”そのものが従来とは別物になっている。

    ランド・ノリス「早く踏むと逆に罰を受ける」
    ランド・ノリスも同様の問題を指摘した。

    特に問題となっているのはコーナー出口でのスロットル操作だ。通常なら早くアクセルを踏めばタイム向上につながるが、2026年F1ではその結果としてエネルギー消費が増え、ストレート後半で失速する場合がある。

    ノリスは、現在のPU制御が「早くアクセルを踏んだドライバーを罰している」と説明した。

    これは単なるドライバビリティの問題ではなく、“どこで電力を使うか”という戦略ゲームが予選ラップそのものに組み込まれていることを意味している。

    ウイリアムズF1でも発生した“数千分の操作差”
    この問題はトップチームだけの話ではない。

    ウイリアムズでは、アレクサンダー・アルボンがチームメイトのカルロス・サインツJr.より約0.4秒遅れて予選を終えたが、その原因は“わずかなスロットル操作の違い”だったという。

    ジェームス・ボウルズは次のように説明した。

    「アレックスについては、スタート/フィニッシュライン上の速度の一貫性に苦しんでいた」

    「バックストレートに向けてすべてを整えるため、ドライバーには非常に多くの操作を要求している」

    「それらが完璧に決まると性能差は極端になる」

    さらにボウルズは、アルボンがトラフィックの影響を受けた結果、わずかなスロットル操作変更によってラップ開始時点で数十分の数秒を失ったと明かした。

    「ほんの小さなスロットル操作の違いによって、ラップ開始時点で数十分の数秒を失った。それによって本来いるべきポジションを失った」

    2026年F1は“ドライバーの直感”だけでは戦えない
    2026年F1レギュレーションでは、PUの電動化比率拡大によってエネルギーマネジメントが極端に重要になった。

    その結果、従来のように「限界まで攻める」だけでは速く走れず、“どこで踏むか”“どこで回生するか”“どこで電力を温存するか”まで含めて1周を設計しなければならなくなっている。

    マイアミで導入されたハーベスト制限変更によってスーパークリッピングは多少改善された。しかしドライバーたちの証言を見る限り、2026年F1の予選は依然として「PUとの戦い」が続いている。

  • 角田裕毅にハースF1移籍説 小松礼雄との“不和”報道でオコンに逆風

    角田裕毅にハースF1移籍説 小松礼雄との“不和”報道でオコンに逆風

    エステバン・オコンのハースF1での将来に暗雲が漂っている。2026年限りで契約満了を迎える中、チーム代表の小松礼雄との関係悪化が報じられ、角田裕毅の後任候補説まで浮上してきた。

    報道によれば、オコンは2025年にルーキーのオリバー・ベアマンに後れを取り、2026年シーズンも開幕4戦でわずか1ポイント。ベアマンが17ポイントを獲得しているのに対し、大きく差をつけられている。ハース内部では結果への不満が高まっているとされる。

    マイアミGPで“小松礼雄との不和”報道
    ジャーナリストのジャッキー・マルテンスは『Paddock Access』ポッドキャストで、マイアミGPの週末にオコンと小松礼雄の間で再び衝突があったと主張した。

    「今週末、エステバン・オコンと小松礼雄、そしてチームとの間でまた衝突があったと聞いている」

    「分からないが、何かある。エステバン・オコンはこれまでにも多くの問題を抱えてきた。アルピーヌを追われたのにも理由があった」

    その一方で、マルテンスはオコンの速さ自体は高く評価している。

    「彼は素晴らしいドライバーだ。マックス・フェルスタッペンをF3時代に打ち負かした数少ないドライバーのひとりでもある。とてつもなく速いが、なぜか今はうまくいっていない」

    エステバン・オコン

    角田裕毅の名前が急浮上
    さらにパドック内では、角田裕毅がハースF1の候補として噂されているという。

    「今のパドックには多くの噂がある。トヨタとの関係もあるし、日本人ドライバーの角田裕毅とのリンクもある。もしかすると彼がオコンの後任になるかもしれない」

    「ホンダとしても、彼がF1シートを得られるなら送り出すことに満足すると思う。結局F1はモータースポーツの頂点だからだ」

    角田裕毅は2025年末でレッドブルを離脱し、現在はリザーブドライバーを務めている。レーシングブルズ復帰の可能性は低いとみられており、F1復帰のためには別組織への移籍が必要な状況だ。

    ハースF1と角田裕毅を結ぶ“トヨタ”の接点
    今回の噂が完全な憶測だけでは片付けられない理由のひとつが、ハースF1とトヨタの技術提携関係だ。

    ハースは現在「TGRハースF1チーム」としてトヨタGAZOO Racingとの連携を強化しており、日本との結びつきは以前より強まっている。そこに日本人ドライバーの角田裕毅という存在が結びつくことで、パドック内で様々な憶測が広がっている形だ。

    もっとも、2026年にヘルムート・マルコがハースによる角田裕毅獲得への関心を否定した経緯もあり、現時点では具体的な交渉が確認されたわけではない。

    角田裕毅の選択肢はアルピーヌF1も
    角田裕毅にとっては、ハース以外にも選択肢が残されている。

    記事では、フランコ・コラピントの後任としてアルピーヌ入りする可能性にも言及。メルセデス製パワーユニットを搭載するアルピーヌは、新レギュレーション下で上昇気流に乗りつつあり、競争力の観点では魅力的な移籍先になり得る。

    また、もしルイス・ハミルトンが2026年限りで引退し、オリバー・ベアマンがフェラーリへ昇格した場合には、その空席に角田裕毅が入るというシナリオも取り沙汰されている。

    現段階では噂レベルの話ではあるものの、オコンの低迷とハース内部の緊張感が、2027年F1ドライバー市場に新たな波紋を広げ始めている。

    Source: F1 OVERSTEER

  • F1のV8復活論にフェラーリも前向き アウディは現行PU支持

    F1のV8復活論にフェラーリも前向き アウディは現行PU支持

    2026年の新PUレギュレーションを巡り、F1パドックでは早くも“V8回帰論”が議論の的となっている。持続可能燃料の導入によって、将来的に自然吸気V8エンジンへ戻る可能性も取り沙汰されるなか、各メーカーやチーム代表の間では温度差も浮き彫りになっている。

    アウディは現行ハイブリッド路線を支持する一方で、フェラーリF1代表のフレデリック・バスールは「エンジン予算削減」を重要テーマとして提示。サウンドやエンターテインメント性だけでなく、F1の将来像そのものを巡る議論が本格化しつつある。

    アウディは現行PUレギュレーションを擁護
    2026年からF1にワークス参戦するアウディは、現行PUレギュレーションの成立を強く後押ししてきたメーカーのひとつだ。

    そのため、将来的なV8復活論についても、アウディ側は慎重なスタンスを崩していない。

    アウディの責任者であるマッティア・スピーニは、現在のF1について次のように語った。

    「まず強調したいのは、我々のドライバーたちは現在のフォーマットを評価しているということだ。過去とは大きく異なるが、誰もがこの変化に適応しなければならない」

    「レースを見ても、ファンにとって素晴らしいショーになっている。開幕戦からオーバーテイクがあり、大きなレギュレーション変更にもかかわらず接戦が実現している」

    さらにスピーニは、現在のF1が依然として“技術革新の最前線”である点を強調した。

    「F1は依然として最先端技術のプラットフォームだ。ファンも、その背後にある技術的挑戦を理解している」

    「将来についてはまだ早い段階だが、FIAとは今後について議論を始めている。我々はF1にとって何がベストかを話し合っていく」

    ジェームス・ボウルズは“V8サウンド”を歓迎
    一方、PUメーカーを持たないウイリアムズのジェームス・ボウルズ代表は、より率直に“V8回帰”への思いを口にした。

    「私はPUメーカーではないから、あくまで個人的な意見になる」

    「だが、FIAとチームは非常に協力的に議論を重ねている。現在のプロダクトが十分なのか、どこを改善すべきなのかを話し合っている」

    「必要なら今後も変更を検討していくことになるだろう」

    そのうえで、ボウルズは率直にこう語った。

    「私はV8復活を歓迎したい。あの時代が恋しい」

    フェラーリF1代表バスールが重視する“予算問題”
    フェラーリF1代表のフレデリック・バスールは、V8議論について“感情論”だけでなく、F1全体のコスト問題という現実的な側面を強調した。

    「我々は素晴らしいレースを見ている。オーバーテイクも多い」

    「人工的だと感じる人もいるかもしれないが、DRSより人工的ではない」

    現在のエネルギーマネジメント主体のレースについても、バスールは一定の評価を与えている。

    「これは単にボタンを押すだけではない。ドライバーやチームによるエネルギーマネジメントだ」

    「我々は毎戦後にFIAと協力しながら改善を進めている」

    その一方で、将来的なPU議論では“予算削減”が極めて重要だと指摘した。

    「将来については複数のエンジン案がテーブルに載っている」

    「だが最初から我々が念頭に置いているのは、天文学的なエンジン予算を削減することだ」

    「これはPUメーカーだけでなく、カスタマーチーム、そしてF1全体の利益にも関わる問題だ」

    F1 V8 / V型8気筒

    F1は“サウンド”か“効率”かの時代へ
    2026年レギュレーションは、電動比率を大幅に高めた新世代PUとして導入された。しかしその一方で、ドライバーやファンの間では「F1らしいサウンド」を求める声も根強い。

    今回の議論では、単なる懐古主義ではなく、技術革新・持続可能燃料・コスト削減・エンターテインメント性という複数のテーマが複雑に絡み合っている。

    FIAとFOM、そして各メーカーが今後どの方向へ舵を切るのか。V8復活論は、すでにF1の次なる時代を巡る本格的な政治テーマになり始めている。

  • アストンマーティン・ホンダF1 ベルギーGPでの“Bスペック”投入計画を否定

    アストンマーティン・ホンダF1 ベルギーGPでの“Bスペック”投入計画を否定

    アストンマーティンF1チームは、7月のF1ベルギーGPに向けて「Bスペック」と呼べるほど大規模なAMR26のアップデートを準備しているとの見方を否定した。

    この憶測は2026年F1マイアミGPのパドックで浮上した。アストンマーティンが同週末に空力アップデートを申告していなかったことが、その根拠のひとつとされた。

    マイアミでアップデートなし “Bスペック説”が浮上
    マイアミGPでは、多くのチームが大規模なアップデートを投入した。FIAのリストでは、フェラーリが11点、マクラーレン、レッドブル、ウィリアムズがそれぞれ7点、レーシングブルズとアルピーヌがそれぞれ6点の改良パーツを申告していた。

    一方で、アストンマーティンは空力面のアップデートを持ち込まなかった。メルセデス、アウディ、ハースF1チームも小規模な変更にとどまったが、メルセデスはモントリオールでより大きなアップデートを投入する計画だとされている。

    現在のアストンマーティンは上位勢との差が大きく、現実的にはキャデラックとの争いに近い位置にいる。そのため、チーム代表であり技術面を率いるエイドリアン・ニューウェイが、レースごとに小規模な改良を重ねるのではなく、一度に大きな進化を目指しているという見方には一定の説得力があった。

    しかし、チーム側はベルギーGPのスパ・フランコルシャンに特別な意味があるとの見方を否定した。

    「“Bスペックカー”という言葉は、チーム内部では使っていない」とアストンマーティンの広報担当者はCrash.netに語った。

    「どのシーズンでも通常そうであるように、レースごとに開発は行われる。一部のレースでは、他よりも大きな変更が入ることもある」

    「マイアミにアップデートを予定していたことは一度もない。我々には何カ月も前から計画された開発戦略があり、アップデートは準備が整ったタイミングで、今後数カ月、そして各レースで投入される」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    否定したのは“開発停止”ではなく“特定レースへの集中投入”
    今回の発言で重要なのは、アストンマーティンが開発そのものを否定しているわけではない点だ。否定したのは、ベルギーGPを節目とする「Bスペック」構想という表現であり、アップデート投入自体は今後も継続される。

    マイアミで更新がなかった理由についても、ベルギーGPへの一点集中ではなく、もともとの開発計画に基づくものだと説明している。

    2026年シーズンのアストンマーティンは苦戦が続いているが、チーム内部では中長期的な改善に向けた開発が進められていることも示唆された。

    マイク・クラック「後方を走りたいレーサーはいない」
    マイアミGPの木曜日、トラックサイド責任者のマイク・クラックは、現在の競争状況がフェルナンド・アロンソとランス・ストロールにとって特に厳しいものであることを認めた。

    「我々は皆レーサーであり、フィールドの後方を走りたいとは思っていない」とマイク・クラックは語った。

    「だから年ごとに改善したいと思うものだが、問題があると分かったときには、現実を冷静に受け止めなければならない」

    「フラストレーションを抱えても意味はない。ただ、それが人間として自然な反応であることは認めなければならない。そして繰り返しになるが、最も表にさらされるのはドライバーたちだ」

    「以前にも述べたが、ランスやフェルナンドのような経験豊富なドライバーがフィールドの後方を走ることは、彼らの本来いるべき場所ではない。その点で、彼らには最大限の敬意を払わなければならない」

    「だから、我々が管理しなければならないフラストレーションのレベルは確かにある。一方で、彼らは素晴らしいプロフェッショナルでもあり、より良い時期が来ることも分かっている」

    アストンマーティンにとって、問題はアップデートの有無だけではない。大きな遅れを抱える現状で、どのタイミングで、どれだけ効果のある開発を投入できるかが問われている。

    チームは“Bスペック”という表現を否定したが、AMR26が今後数カ月でどこまで競争力を引き上げられるかには、引き続き注目が集まる。

  • マクラーレンF1 ランビアーゼ代表就任説を否定「ステラは最高の人物」

    マクラーレンF1 ランビアーゼ代表就任説を否定「ステラは最高の人物」

    マクラーレンは、レッドブルから加入するジャンピエロ・ランビアーゼが将来的にチーム代表に就任するとの見方を否定した。

    マックス・フェルスタッペンの長年のレースエンジニアを務めてきたランビアーゼは、遅くとも2028年までにマクラーレンのチーフ・レーシング・オフィサーに就任することが決まっている。この人事をめぐっては、現在のチーム代表アンドレア・ステラの後任候補ではないかとの憶測も浮上していた。

    メキース発言で再燃したランビアーゼ代表就任説
    マイアミGPのフリー走行後、レッドブル・レーシングのチーム代表ローラン・メキースは、ランビアーゼがマクラーレンで将来的にチーム代表になるとの見方を示し、波紋を呼んだ。

    「“GP”には素晴らしいチャンスがあった。彼はそこでチーム代表になる。私にできることは、彼の幸運を祈ることだけだ」とメキースはSky Sports F1に語った。

    これに対し、マクラーレン・レーシングCEOのザク・ブラウンは、同じくSky Sports F1で次のように反応した。

    「彼はどうやら、私が知らないことを知っているようだ!」

    「私は素晴らしいチーム代表を抱えている。ピットレーンで最高の人物、アンドレア・ステラがいる。だから、アンドレアにはこれ以上ないほど満足している」

    ブラウン「CEOの仕事は最高の人材を集めること」
    ブラウンは、ランビアーゼの加入がステラの後任人事ではなく、マクラーレンのレーシング部門を強化するためのものだと説明した。

    「CEOとしての私の仕事は、最高の人材を集め、長期的に考え、ピットウォールとファクトリーの両方で最大限の強さを持つことだ。アンドレアは素晴らしい仕事をしているし、我々の技術チームも同じだ」

    「GPは非常に大きな才能を持っている。だから、レーシングチームを強化する機会が訪れたとき、我々はまさにそれを実行する。それがエンジニアであれ、ドライバーであれ、ストラテジストであれ、どんな場合でも同じだ」

    「だから、彼が我々に加わることをとても喜んでいる」

    ステラの負担軽減がランビアーゼ起用の狙い
    ブラウンはCrash.netを含むメディアに対し、ランビアーゼの役割をめぐる当初の憶測についても説明した。

    「レーシングオペレーションの側面では、アンドレアは実際には3つの仕事をしている」

    「我々は時々、彼には2つの仕事があると話すことがあると思う。だが実際には3つある。彼はチーム代表であり、レーシングチームを運営し、さらにテクニカルディレクター的な役割でも大きな部分を担っている」

    「アンドレアは、それらをひとつにまとめる接着剤のような存在だ。今は多くのチームでCEOとチーム代表がいる形になっており、チーム代表の役割も進化している」

    「そして、これらのチームは非常に大きくなっている。すべての役割で優れた状態を保つには、アンドレアは2つの仕事をこなす能力は十分にあると思うが、3つの仕事を求めるのは大きな負担だ」

    「だから、GPはそこに入って素晴らしい役割を果たすと思う。そして私の仕事は常に、この先を見据え、誰がこのスポーツの中で役割を担い、成長していけるかを考えることだ」

    「GPの経験と年齢を考えれば、彼はマクラーレンで長く働き、成長していける人物だと思っている」

    後任人事ではなく組織拡張としての大型補強
    今回の発言で明確になったのは、マクラーレンがランビアーゼを単なる将来の代表候補としてではなく、肥大化するF1チーム組織を支える重要な人材として位置づけている点だ。

    ステラがチーム代表、レーシングチーム運営、技術部門の統合という複数の役割を担っている以上、ランビアーゼの加入はその負担を分散し、現場の判断力と組織の厚みを高める意味を持つ。

    一方で、メキースの発言によって「ランビアーゼはステラの後任」という見方は再び注目を集めた。だがブラウンは、少なくとも現時点ではステラへの信頼を強調し、マクラーレンの狙いが代表交代ではなく、長期的な人材強化にあることを明確にした。

  • アントネッリ F1マイアミGP勝利も課題はスタート「大きく改善が必要」

    アントネッリ F1マイアミGP勝利も課題はスタート「大きく改善が必要」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)は、2026年F1マイアミGPで3戦連続優勝を飾り、チームメイトのジョージ・ラッセルに対する選手権リードを20ポイントに広げた。

    だが、19歳のイタリア人ルーキーは、タイトル争いをリードする立場にありながらも、スタート手順、とりわけクラッチドロップの安定性を「大きく改善が必要」な課題として挙げた。

    3戦連続ポールから露呈したスタートの課題
    アントネッリは直近3戦すべてでポールポジションを獲得しているが、決勝やスプリントのスタートでは順位を落とす場面が続いている。マイアミGP決勝でもスタート直後にポジションを失いかけ、スプリントではさらに大きく後退した。

    「今日は正直、それほど悪くはなかった。2つポジションを失ったと思う。スプリントでは6つ失ったから、少しは良くなった」

    「でも、それでも受け入れられるものではない。特に今回のように差がかなり接近している週末では、レースを大きく変えてしまう可能性がある」

    「だから、チームと一緒に取り組む必要があるポイントだと思う。昨日のスプリントでは、例えば手順としては良かったけど、我々があると思っていたグリップレベルが、実際にはそこになかった」

    メルセデス代表のトト・ヴォルフは、スプリントでの出遅れについて、アントネッリ側の操作ではなく「我々側の不具合」だったと説明している。ただし、アントネッリ自身もスタートの一貫性にはまだ課題があると認めている。

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ) / F1 マイアミグランプリ

    「クラッチドロップにまだ確信が持てない」
    マイアミGP決勝では、アントネッリはランド・ノリスの追撃を抑えて勝利したが、スタート直後にはマックス・フェルスタッペンやシャルル・ルクレールに先行される可能性もあった。結果的には混乱の中で大きな損失を避けたものの、本人は改善点を明確にしている。

    「チームと一緒にという部分もあるけど、間違いなく主に僕自身のところだ。特にクラッチドロップで、まだ少し一貫性がない」

    「そこに対して、まだ自信を持って安定してできていない。まだ少し不確実さがある。だから、大きく改善が必要なポイントだ」

    「でも、今日は昨日よりうまく対処できたと思う。昨日はかなりフラストレーションがあったけど、今日は少し冷静に、少し良く対応できた。そして気持ちを切り替えて、レースに集中できた」

    速さだけでは守れない選手権リード
    アントネッリは開幕から圧倒的な速さを見せ、マイアミで3連勝を達成した。しかし、スタートで順位を落とす傾向は、中国、日本、オーストラリアでも見られており、今後ライバルとの差がさらに接近すれば、同じ弱点が勝敗を分ける可能性がある。

    王座争いの主導権を握る一方で、アントネッリは自らの課題を隠していない。メルセデスのマシン性能と予選での速さに、スタートの安定性が加われば、19歳のルーキーはさらに盤石な立場を築くことになる。

  • フェラーリF1 マイアミGPで今季最悪の失速 バスール「ものすごく厳しい日曜」

    フェラーリF1 マイアミGPで今季最悪の失速 バスール「ものすごく厳しい日曜」

    フェラーリF1は2026年F1マイアミGPで今季最も厳しいレースを強いられた。シャルル・ルクレールはスプリントで表彰台を獲得し、決勝でも序盤に首位へ浮上する場面があったが、最終的にはスピンと20秒ペナルティにより8位。ルイス・ハミルトンもオープニングラップで受けたダメージを抱えながら6位でフィニッシュした。

    チーム代表のフレデリック・バスールは、週末全体の流れは決勝までは悪くなかったとしながらも、日曜の展開がフェラーリにとって「ものすごく厳しい」ものだったと振り返った。

    決勝で崩れたフェラーリの週末
    「ものすごく厳しい日曜だった」とバスールはF1 TVで語った。

    「レースまでは週末はかなりうまく進んでいたと思う」

    「1周目にルイスはフロントのバージボードの一部を失い、それでほぼレースは終わってしまった。シャルルについては3位争いをしていたし、良い面を見ることもできる。彼はターン4でマシンを止めてしまっていてもおかしくなかったが、厳しい結果だった」

    ルクレールは終盤まで表彰台争いに絡んでいたが、最終ラップでスピン。さらにその後の20秒ペナルティにより8位へ後退した。

    「正直なところ、レース直後にはまだその件について話す時間はなかった。ただ、彼は少し縁石に乗せてしまったのだと思う。最後のラップでオスカー・ピアストリについていこうとプッシュしていた」

    スクーデリア・フェラーリ F1 マイアミグランプリ

    ミディアムでは光明もハードで失速
    バスールは、ミディアムタイヤでの第1スティントには一定の手応えがあったと認めた。ルクレールはキミ・アントネッリ、ランド・ノリスと首位争いを展開し、フェラーリにもペースがあることを示していた。

    しかし、気温の高さによりピレリタイヤを適切な作動領域に保つことが難しく、ハードタイヤではスピン以前から先頭争いから大きく離されていった。

    「週末の最初から、タイヤマネジメントとタイヤ温度がテーマだった」とバスールは語った。

    「良い位置にいればすぐにペースは出る。それは我々にとっても事実だったが、全員にとっても同じだった。パフォーマンスの振れ幅が大きく、オーバーヒートして反対側に行ってしまうのはかなり簡単だった」

    「第1スティントが非常にうまくいったのは事実だ。その後セーフティカーが入り、全員がひとまとまりになった。そこからはエネルギーマネジメントの要素が大きくなった」

    「レースには2つの局面があった。ひとつはクリーンエアで走り、良いペースを発揮できていた前半。そしてセーフティカーによって全員が戻ってきた後半だ。そこからはかなり難しくなった」

    アップグレード投入でも表彰台に届かず
    フェラーリはマイアミで複数のアップグレードを投入し、開幕3戦で最も近いライバルだったメルセデスとの差を詰めようとしていた。ルクレールのスプリント表彰台と決勝序盤の走りは、その方向性に一定の可能性を示していた。

    だが、決勝ではハミルトンが序盤のダメージで戦線から外れ、ルクレールもタイヤ温度と終盤のミスで表彰台を失った。速さの兆候はありながら、それを日曜の結果に結びつけられなかったことが、マイアミGPにおけるフェラーリの最大の痛手となった。