投稿者: dbcheck

  • ルイス・ハミルトン フェラーリF1に“エンジン改善”要求「マシンは素晴らしい」

    ルイス・ハミルトン フェラーリF1に“エンジン改善”要求「マシンは素晴らしい」

    ルイス・ハミルトン(フェラーリ)は、2026年F1マイアミGP後、フェラーリに必要なのはシャシー改善ではなく、パワーユニット面での進歩だと率直に語った。

    FIA(国際自動車連盟)がADUOによるエンジン性能調整の判断を控えるなか、ハミルトンはフェラーリも追加開発の対象に含まれるべきだという立場をにじませた。

    ハミルトン「僕たちにはエンジン改善が必要」
    マイアミGPを6位で終えたハミルトンは、現在のフェラーリF1がレッドブルやメルセデスに対してパワー面で苦戦していると認めた。

    「僕たちに切実に必要なのはエンジンアップグレードだ。今はレッドブルとメルセデスのパワーに対抗するのが非常に厳しい」

    「両方とも僕たちに対して大きなアドバンテージを持っている。それ以外では僕たちには素晴らしいマシンがある。おそらく最高のマシンかもしれない。だからこの問題を解決する必要がある」

    「それができれば、勝利争いにもっと加われるはずだ」

    ADUO議論でフェラーリも支援対象か
    FIAは現在、物議を醸しているADUOルールのもとで、どのメーカーに追加開発の自由度を認めるかを検討している。

    メルセデスF1代表のトト・ヴォルフは、対象はホンダだけであるべきだとの考えを示しているが、ハミルトンの発言は、フェラーリも対象に含まれるべきだと受け取れる内容だった。

    フェラーリはマイアミGPで大規模アップデートを投入したが、ハミルトンはライバル勢の進歩の方が大きかったと語った。

    「チームはこのアップデートを導入するうえで素晴らしい仕事をしてくれた。前進ではあるけれど、他も同じことをしている」

    「マクラーレンは予想以上にうまく機能したアップデートを投入したと聞いた。僕たちにはその効果はなかった」

    フロントウイングの違いにも注目
    ハミルトンは、メルセデス、マクラーレン、レッドブルとフェラーリでは、フロントウイングの考え方そのものが異なっていると指摘した。

    「彼らは何か違うことをしている。メルセデス、マクラーレン、レッドブルは、僕たちとはフロントウイングへのアプローチが違う」

    「これはコンセプトの問題だ。彼らのウイングと僕たちのウイングを見れば、明らかに違う。それがすべての理由かどうかは分からないけれど、このコンセプトが実際に何をしているのかには興味がある」

    ルイス・ハミルトン F1 スクーデリア・フェラーリ

    シミュレーターにも不満「間違った方向に導く」
    ハミルトンは、現在のフェラーリF1のシミュレーターについても疑問を口にした。

    「正直に言えば、シミュレーターは僕を間違った方向に導いていると思う」

    「今はしばらく使うのをやめる時期なのかもしれない」

    また、自身の決勝結果についても不満を隠さなかった。

    「6位に満足しているわけではない。僕が目指している結果ではない」

    バスール「エンジンだけの問題ではない」
    一方、チーム代表のフレデリック・バスールは、フェラーリF1の課題はエンジン単体ではなく、マシン全体のパッケージにあると説明した。

    「これはパッケージの問題であって、エンジンだけの問題ではない」

    「我々はすべてに取り組まなければならない。ただ、最終戦までタイトルを争うことはできる。重要なのは、勝利を争えるペースを持つことだ」

    「修正すべき問題はいくつかあるが、我々は何をすべきか分かっている」

    フェラーリF1は“戦える土台”を手にしつつあるのか
    今回のハミルトンの発言で興味深いのは、フェラーリF1のシャシーや基本コンセプト自体には強い手応えを感じている点だ。

    その一方で、パワーユニット性能やエネルギーマネジメント、さらにはシミュレーター精度にまで言及したことから、現在の弱点もかなり明確に見えていることがうかがえる。

    マイアミGPではアップデートによる前進も確認できたが、マクラーレン、メルセデス、レッドブルとの差は依然として残った。フェラーリF1が“素晴らしいマシン”を本当に勝てるパッケージへ仕上げられるのか。今後の開発とFIAのADUO判断が、タイトル争いの行方を左右することになりそうだ。

  • マクラーレンF1代表 タイトル争いに慎重姿勢「浮かれるには早すぎる」

    マクラーレンF1代表 タイトル争いに慎重姿勢「浮かれるには早すぎる」

    マクラーレンは2026年F1第4戦マイアミGPで今季最高レベルの競争力を披露した。ランド・ノリスがスプリントで勝利を挙げ、決勝でもダブル表彰台を獲得。アップグレード投入後のパフォーマンス向上が明確に表れた週末となった。

    しかし、チーム代表のアンドレア・ステラは、これだけでタイトル争いを語るのは時期尚早だと警戒感を示している。開幕4戦で4勝を挙げているメルセデスの優位は依然として大きく、マイアミがマクラーレン向きの特性を持ったサーキットだった可能性もあると分析した。

    ステラ「まだ4戦目に過ぎない」
    アンドレア・ステラは、現時点で選手権を語ることには慎重であるべきだと強調した。

    「もし今の段階でシーズン終盤の選手権を考え始めるのであれば、少し慎重になる必要があると思う」

    「まだ4戦目だ。我々は最初のアップグレードを投入したばかりだ」

    「マクラーレンは伝統的にマイアミで非常に強い。だから、我々のマシン開発の方向性がこういうサーキットに合っている可能性もある。今後もっと様子を見る必要がある」

    マクラーレンは2025年にダブルタイトルを獲得した王者チームだが、2026年のレギュレーション変更で勢力図は大きく変化。ここまではメルセデスが主導権を握っている。

    それでも、マイアミで投入されたアップグレードによって、マクラーレンが本格的に反撃態勢へ入りつつあることも確かだ。

    マクラーレン F1 マイアミグランプリ

    “長期戦”を見据えるマクラーレン
    ステラは、選手権防衛への意欲を隠してはいない。

    「同時に、まだ4戦目でありながら、我々はメルセデスと比較してもかなりのポイントを獲得している」

    「我々のマシンはさらに開発できることも分かっている。マイアミ前にも言ったように、選手権はまだ決着していない」

    「だから我々の考え方は長期的な視点を持ち、選手権防衛を目指すことだ」

    「ただ、そう言った瞬間に我々は再び現在へ意識を戻す。今日やるべきことを正しくやる必要があるからだ。あまり先を見すぎても意味はない」

    「だが間違いなく、我々はタイトル防衛を目指している」

    マイアミの躍進は本物か
    マクラーレンにとって重要なのは、マイアミで見せたスピードが“サーキット特性限定”なのか、それとも本物の戦力向上なのかを見極めることだ。

    2026年型マシンではオーバーボディ主体の空力コンセプトへ回帰したことで、各チームの得意不得意が従来以上にサーキット依存になっている。ステラが慎重な姿勢を崩さない背景には、その不確実性もある。

    それでも、アップグレード投入直後にスプリント勝利とダブル表彰台を獲得した事実は、マクラーレンが今季のタイトル争いに加わる可能性を十分に示した週末だった。

  • フェルスタッペンのGT500走行企画 三宅淳詞とSUPER GT“軽視”巡り議論

    フェルスタッペンのGT500走行企画 三宅淳詞とSUPER GT“軽視”巡り議論

    マックス・フェルスタッペンが富士スピードウェイでSUPER GTのGT500車両をドライブした比較企画が、国内外のSNSで大きな反響を呼んでいる。

    動画では、現役GT500ドライバーの三宅淳詞が記録したベンチマークタイムに対し、フェルスタッペンが短時間で迫り、さらに上回る展開が描かれた。

    ただ、SNSで話題になったのは単純な“速さ比較”だけではなかった。

    特に日本語圏では、「現役GT500ドライバーやSUPER GTそのものが軽く見られてしまうのではないか」という違和感も広がり、“SUPER GT軽視”を巡る議論へ発展している。

    雨の富士で行われたGT500比較企画
    今回の企画は、2026年3月25日に雨の富士スピードウェイで行われたプロモーションテストを素材にしたものだった。

    公開情報によれば、フェルスタッペンはGT500車両を初ドライブ。SUPER GT GT500クラスの現役ドライバーである三宅淳詞と同一車両をシェアし、比較形式のコンテンツとして公開された。

    三宅のベンチマークは1分44秒075。フェルスタッペンはインストレーションラップ1周後、最初の計測周で1分44秒142、続く周で1分42秒290を記録したとされる。

    数字だけを見れば衝撃的だ。

    富士初走行、GT500初ドライブ、さらにヘビーウエットに近いコンディションという条件の中で、一気にタイムを合わせ込んだフェルスタッペンの適応力には、国内外から驚きの声が上がった。

    ただし、この走行は正式競技ではなく、短時間のプロモーションテストだった。燃料搭載量、細かなセットアップ差、各ラップ時点の降雨変化など、厳密な比較に必要な情報は公開されていない。

    そのため、「完全に同条件だった」と断定することも、「比較自体に意味がない」と切り捨てることもできない状態となっている。

    日本語圏で広がった“違和感”
    日本語圏、特にX(旧Twitter)では、「フェルスタッペンは速くない」という反応はほとんど見られなかった。

    むしろ多かったのは、「この見せ方では三宅淳詞やSUPER GT全体が過小評価されてしまう」という声だった。

    その象徴となったのが、長年日本で戦ってきたジョアオ・パオロ・デ・オリベイラの投稿だ。

    オリベイラは、ウェットコンディションでは数分の間に数秒タイムが変わることもあると指摘。そのうえで、「数周でSUPER GTドライバーより約2秒速かったように見える演出」に違和感を示し、プロモーション企画であってもSUPER GTや現役ドライバーへの敬意は必要だという趣旨を投稿した。

    この投稿は日本語圏で大きく拡散され、“擁護論”の起点となった。

    また、日本人ドライバーの小合将司も、「マックスが凄いのは当然」と前置きしつつ、「三宅選手がレベル低いとか簡単に書くのはやめてほしい」と投稿。自身の経験を踏まえ、三宅を「バケモノ級の速さのドライバー」と表現した。

    さらに、「雨では2〜3秒の差が出ても不思議ではない」と条件差についても言及している。

    興味深いのは、こうした声が“フェルスタッペン否定”ではなかったことだ。

    議論の中心は、「フェルスタッペンは異常に速い」という前提を認めたうえで、「だからといってGT500や三宅淳詞を低く見るべきではない」という点にあった。

    三宅淳詞本人は前向きな姿勢
    一方で、この議論が全面的な炎上へ発展しなかった理由のひとつが、三宅淳詞本人のスタンスだった。

    公開コメントの中で三宅は、「同じクルマをシェアしてどう違うか見たかった」「すごくワクワクしたし、楽しかった」と前向きに振り返っている。

    つまり、日本語圏で広がった擁護論は、“本人の怒りの代弁”というより、「見ている側が文脈補正を行っていた」という性格が強かった。

    また、国内モータースポーツライターも、「ヘビーウエット」「全開アタック」という条件を前提に論じており、レース文脈を理解している層ほど、この比較を単純な序列として受け取ってはいなかった。

    スーパーGT車両に乗り込むマックス・フェルスタッペン

    英語圏では“Max is an alien”が主流
    一方、英語圏ではRedditやYouTubeを中心に、フェルスタッペンの適応力を称賛する声が圧倒的多数だった。

    特に、「富士初走行」「GT500初乗車」「豪雨に近いウェット」という条件下で、ほぼ即座にプロドライバー級のタイムへ到達した点に驚きが集中した。

    Redditでは、“Max is an alien(マックスは別次元の存在)”という表現も多く見られた。

    ただ、英語圏でも異論が皆無だったわけではない。

    「resident pro(現役プロドライバー) を embarrassing(恥をかかされた存在) に見せる構図ではないか」という声や、「条件差を無視した比較ではないか」という指摘も一定数存在した。

    また、GT500そのものに対する評価は非常に高く、「prototype-like(プロトタイプカーのよう)」「LMP2並み、あるいはそれ以上」といった表現も見られた。

    つまり英語圏では、「GT500は世界トップレベルの箱車カテゴリー」であることを認めたうえで、「それでもフェルスタッペンが凄かった」という受け止め方が主流だった。

    議論を拡大させた“見出し”
    今回の論争をさらに拡大させたのが、一部海外メディアによる強い見出し表現だった。

    “conquers Fuji(富士を制圧)”
    “stuns in Super GT test(SUPER GTテストで衝撃を与える)”

    といった表現は、プロモーション色は強いものの、本文では条件差にも触れていた。

    しかし、“completely smashes Super GT rival(SUPER GTのライバルを完全粉砕)”という表現になると、三宅淳詞個人だけでなく、SUPER GT全体を「叩き潰された側」として固定しやすい。

    日本語圏で“SUPER GT軽視”という言葉が広がった背景には、こうしたフレーミングも影響していたとみられる。

    問われたのは“速さ”ではなく“敬意”
    今回のSNS論争を通じて見えてきたのは、フェルスタッペンへの反発ではない。

    むしろ、日本語圏でも英語圏でも、彼の順応力や才能を認める声は非常に多かった。

    対立が生まれたのは、その称賛が「三宅淳詞は大したことがない」「GT500はこの程度」という単純な物語へ接続された瞬間だった。

    GT500が世界トップレベルの箱車カテゴリーであることと、フェルスタッペンが異常な適応力を見せたことは矛盾しない。

    また、今回の企画自体は、あくまでレッドブルによるエンターテインメント性の強いプロモーションコンテンツでもあった。正式競技や公式比較テストではなく、“異なる世界のトップドライバーとGT500車両を組み合わせたらどうなるか”を楽しむ企画として制作された側面も大きい。

    だからこそSNSでは、「フェルスタッペンの凄さを楽しむ動画」と受け止める声がある一方で、「その見せ方次第ではGT500や三宅淳詞へのリスペクトを欠いて見えてしまう」という議論も広がった。

    今回の比較動画で本当に議論されたのは、“誰が速いか”以上に、「その速さをどう語るのか」、そして「相手やカテゴリーへどれだけ敬意を払うのか」という点だった。

    関連:【動画】 マックス・フェルスタッペン F1王者が雨の富士でSUPER GTに挑戦

  • マクラーレンF1 レッドブルRB22の革新サイドポッドに注目「全チームが研究する」

    マクラーレンF1 レッドブルRB22の革新サイドポッドに注目「全チームが研究する」

    マクラーレンF1のアンドレア・ステラ代表が、マックス・フェルスタッペンの復調を支えたレッドブルRB22の新型サイドポッドに強い関心を示した。2026年F1マイアミGPで投入されたレッドブルの大型アップデートは、メルセデスとの差を縮めた可能性があり、各チームがそのコンセプトを分析していることを認めている。

    2026年からF1は新たな技術レギュレーション時代に入り、グラウンドエフェクト主体からオーバーボディ空力へと設計思想が変化。

    各チームはそれぞれ異なる解決策を模索しており、フェラーリの“マカレナ”リアウイングやメルセデスの独創的フロントウイングに続き、レッドブルは極端なサイドポッド形状で注目を集めている。

    レッドブルの新型サイドポッドが話題に
    マイアミでレッドブルが投入した新型サイドポッドは、上部形状を大きく変更し、大胆なエアダクトを配置したものだった。

    狙いはエアフロー効率、ダウンフォース、そして熱分散性能の改善とされており、ライバル勢とは明確に異なるアプローチだった。

    ステラは、この時代のF1マシンはまだ開発初期段階にあり、各チームの方向性は収束していないと説明した。

    「技術的な観点から見ると、我々はいま非常に興味深い段階にいる」

    「レッドブルが投入したサイドポッドコンセプトを見ると、メルセデスやフェラーリとはかなり異なっているし、マクラーレンのスタイルもさらに違う」

    「いずれは安定化し、収束していく段階が来ると思うが、まだそこからはかなり遠い」

    「だからこそ、お互いのマシンを観察し、テストし、研究する段階にある。各チームは間違いなくレッドブルのコンセプトを調べ、その利点を確認しているはずだ」

    “合法的な抜け道”を活用した革新
    ステラは、レッドブルの設計手法そのものにも感心している様子を見せた。

    「彼らは合法性の余地を非常に賢く、革新的に活用して、あのジオメトリーを成立させている」

    「マシン全体のデザインは、まだ収束には程遠い」

    「ただ、一部では“みんなが同じ方向へ向かっている”と感じられる要素も出始めている」

    2022年からのグラウンドエフェクト時代では、数年後には各チームのマシン形状が似通っていった。しかし2026年世代では、まだ各チームが独自解を模索している段階だという見方だ。

    レッドブル・レーシング RB22

    フェルスタッペン復調で注目集まるRB22
    レッドブルはマイアミで7種類の新パーツを投入。その成果もあり、マックス・フェルスタッペンは予選で今季最高となる2番手を獲得した。

    ポールポジションのキミ・アントネッリとの差はわずか0.16秒。マイアミ以前には最大0.8秒差をつけられていたことを考えれば、大幅な前進だった。

    ただし、マクラーレンも同じく7種類のアップデートを投入しており、スプリントでは1-2フィニッシュを達成。決勝でも2位・3位を獲得している。

    ステラ「メルセデスは依然として最速」
    一方で、ステラは依然としてメルセデスが基準となる速さを持っていると分析している。

    「マイアミでは多くのチームがアップグレードを投入したことで、勢力図に変化が見られた」

    「マクラーレン、フェラーリ、レッドブルが差を縮めたのは確かだ」

    「ただ、メルセデスは依然として全チームに対してコンマ数秒のアドバンテージを持っていると思う」

    さらに、マクラーレンの強みとしてタイヤ性能の安定性を挙げた一方、純粋なレースペースではメルセデスが上回っていると認めた。

    「レースでは、もし何か強みがあったとすれば、マクラーレンは昨年からタイヤへの優しさを維持していることだと思う」

    「一方で、メルセデスの我々に対する最大の優位性は純粋な速さだ。単純に彼らのマシンの方が速い」

    “実行力”が勝敗を分ける時代へ
    ステラは、2026年F1が極端な接戦状態に入っていると分析する。

    4チームが僅差で争う状況では、マシン性能そのものだけではなく、戦略や適応力、実行力が決定的要素になるという。

    「これほど接近していて、4チームが僅差で争っていると、実行力、適応、最適化が決定的要素になる」

    「我々は非常にポジティブな週末を過ごしたが、決勝では“実行と最適化”の問題によって勝利の可能性を逃したかもしれない」

    「我々は自分たちより速いマシンと戦っていた。しかし、もしランド・ノリスをトップで維持できていれば、そのまま勝てていた可能性もあった」

    2026年F1は“コンセプト戦争”の段階へ
    2026年F1は、まだ各チームが最適解を探している開発初期段階にある。グラウンドエフェクト時代のような“収束”は起きておらず、レッドブル、メルセデス、フェラーリ、マクラーレンがそれぞれ異なる哲学でマシンを作り上げている。

    その中で、レッドブルRB22の大胆なサイドポッドは、フェルスタッペンの復調によって一気に注目を集めた。マクラーレンのアンドレア・ステラ代表が「全チームが研究している」と認めたことは、このコンセプトが単なる奇抜なデザインではなく、実際にパフォーマンス改善へ結びついている可能性を示している。

    ただし、ステラの見立てでは、依然として基準となる速さを持っているのはメルセデスだ。今後は各チームが互いのアイデアを取り込みながら進化を続けることになりそうで、2026年F1は“開発競争そのもの”が最大の見どころになりつつある。

  • ホンダF1を後押し FIAがADUO改定で「10%以上遅れ」に追加支援

    ホンダF1を後押し FIAがADUO改定で「10%以上遅れ」に追加支援

    FIA(国際自動車連盟)は2026年F1パワーユニット規則の性能調整制度であるADUOについて、技術・財務・運用面の規定を更新し、世界モータースポーツ評議会の臨時会合で承認した。

    今回の変更では、基準となるエンジンに対して10%以上遅れているメーカーを対象に、新たな支援カテゴリーが設けられた。これは、2026年F1シーズン序盤から性能と信頼性の両面で苦戦しているホンダにとって、大きな追い風になる可能性がある。

    カナダGP後に最初のADUO評価
    ADUOの最初の評価は、2026年F1第5戦カナダGP後に実施される。当初、この評価時期をめぐっては議論があった。バーレーンGPとサウジアラビアGPが中止されたことで、当初予定されていたマイアミGP後の実施を維持すべきだという意見と、基準側とされるメルセデスが主張した改訂カレンダー第6戦モナコGP後まで待つべきだという意見が分かれていた。

    最終的にFIAは中間案を採用し、初回評価をカナダGP後に設定した。2回目の評価も当初予定より1戦前倒しされ、第12戦後ではなく第11戦後に行われる。3回目の評価は変更されず、第18戦後に実施される。

    10%以上遅れたメーカーに230時間の追加ベンチテスト
    今回の最大の変更点は、最良のエンジンに対して10%以上遅れているメーカーを対象とした新カテゴリーの創設だ。

    ADUOでは、FIAが評価するのはパワーユニット全体ではなく、内燃エンジンの性能に限られる。この分野では、現時点でメルセデスが基準とされており、550馬力をやや上回る出力を持つとされている。

    一方、ホンダについては、内燃エンジンで60〜70馬力の不足があると報じられており、基準から10%以上遅れている計算になる。そのため、新たに設けられた10%以上の救済カテゴリーは、事実上ホンダを念頭に置いた措置と受け止められている。

    運用面では、性能差に応じて追加ベンチテスト時間が段階的に設定された。

    ■ 基準との差が2%未満:0時間

    ■ 2%以上4%未満:70時間

    ■ 4%以上6%未満:110時間

    ■ 6%以上8%未満:150時間

    ■ 8%以上10%未満:190時間

    ■ 10%以上:230時間

    10%以上遅れているメーカーには、最大230時間の追加ベンチテストが認められる。これは、現行の性能差を縮めるための開発機会としては大きな意味を持つ。

    予算面でも最大1100万ドルの追加枠
    財務面でも、性能差に応じた追加予算枠が設定された。10%以上遅れているメーカーには、今後2年間で1100万ドルの追加予算が認められる。ただし、この予算は2026年中には使用できず、翌年以降の開発に充てられる。

    ■ 基準との差が2%未満:0ドル

    ■ 2%以上4%未満:300万ドル

    ■ 4%以上6%未満:465万ドル

    ■ 6%以上8%未満:635万ドル

    ■ 8%以上10%未満:800万ドル

    ■ 10%以上:1100万ドル

    さらにFIAは、2026年F1レギュレーション導入初年度に基準エンジンから10%以上遅れているメーカーに対し、追加で800万ドルの予算枠を認める規定も導入した。これは1100万ドルの枠に上乗せされるもので、今後2シーズンにわたって使用できる。

    ホンダ F1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ホンダ救済色が強いADUO変更
    今回のADUO変更は、ホンダに対する支援色が強い。10%以上という新カテゴリーは、該当するメーカーが存在しなければ意味を持たない制度であり、現時点でその対象に最も近いのがホンダだと見られている。

    この変更には、トト・ヴォルフの意向も反映されている可能性がある。ヴォルフは以前から、ADUOは大きく遅れたメーカーを支援するための制度であり、フェラーリやレッドブルがメルセデスとの差を縮めるための仕組みではないという考えを示していた。

    ただし、追加のベンチテスト時間や予算枠が認められたとしても、10%を超える差を短期間で埋めるのは容易ではない。ホンダにとっては、信頼性と性能の両面で立て直しを進めるための重要な機会になる一方、成果が表れるまでには時間が必要になる。

    アストンマーティンとホンダにとって、2026年F1シーズン序盤は厳しいスタートとなった。それでも、FIAがADUOを通じて救済枠を拡大したことで、今後の開発競争には新たな流れが生まれる可能性がある。

    Source: SoyMotor.com

  • F1マイアミGPを彩った豪華アスリート陣 メッシやナダルら世界的スターが集結

    F1マイアミGPを彩った豪華アスリート陣 メッシやナダルら世界的スターが集結

    F1はマイアミで華やかに再開し、スプリント週末は世界中のファンを楽しませるドラマチックな3日間となった。

    マイアミ・インターナショナル・オートドロームのパドックには、サッカー界のレジェンド、テニス界のアイコン、オリンピック王者、米国スポーツチームの選手たちが集結。ドライバーたちの走りだけでなく、スポーツ界を横断するスターたちの来場も大きな話題を呼んだ。

    ■ リオネル・メッシがメルセデスとアルピーヌを訪問
    サッカー史上最高の選手の一人であり、7度のバロンドール受賞とワールドカップ制覇を誇るリオネル・メッシは、日曜日にマイアミ・インターナショナル・オートドロームへ姿を見せ、熱烈な歓迎を受けた。

    インテル・マイアミに所属するメッシは家族とともにメルセデスのガレージを訪問。子どもたちはチームグッズや、アンドレア・キミ・アントネッリとジョージ・ラッセルのサインを手にし、特別な体験を楽しんだ。

    メッシはアントネッリのマシンにも座り、その後アントネッリは3連勝を達成。幸運を呼ぶ訪問になったとも言える週末だった。

    一方で、最も心温まる場面となったのはアルピーヌのガレージ訪問だった。チーム全体がメッシに圧倒されるなか、同じアルゼンチン出身のフランコ・コラピントにとっては、幼少期からの憧れの存在との対面だった。

    その効果もあったのか、コラピントは決勝で自己最高の7位を獲得。レース後にはインスタグラムで、この出会いを夢がかなった瞬間であり、人生で最も特別な経験のひとつだったと振り返った。


    ■ ナダルはチェッカーフラッグを担当
    男子テニス史上屈指の名選手で、22度のグランドスラム制覇を誇るラファエル・ナダルもマイアミを訪れた。

    ナダルはまずフェラーリのガレージを訪問し、その後ルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールとともにブランドイベントに参加。日曜日には同郷のスペイン勢を訪ね、カルロス・サインツからF1ステアリングの技術について説明を受け、アストンマーティンではフェルナンド・アロンソとも再会した。

    週末のハイライトは、決勝のフィニッシュでチェッカーフラッグを振る役目を任されたことだった。アントネッリがトップでラインを越える瞬間、ナダルがチェッカーを振り、マイアミGPの華やかな締めくくりを演出した。


    ■ セリーナ・ウィリアムズはハミルトンと再会
    23度のグランドスラム・シングルス優勝を誇り、女子テニスを再定義した存在であるセリーナ・ウィリアムズも、長年のF1ファンとしてマイアミのパドックに姿を見せた。

    フェラーリのファッションレーベルを身にまとい、スクーデリアのガレージを訪問。最大の見どころは、親しい友人であるルイス・ハミルトンとの再会だった。

    ウィリアムズは後にインスタグラムで、イギリスのウィンブルドンとシルバーストンで、それぞれの競技を支配する黒人アスリートとして2人がつながった当時を振り返った。10年以上が経った今も、その絆は変わっていないようだった。


    ■ ミカエラ・シフリンもアントネッリを祝福
    アルペンスキー史上最多勝を誇るミカエラ・シフリンは、スプリント週末を通してマイアミを満喫した。

    週末にはF1パートナーのバリラからレザーバイカージャケットを贈られ、モータースポーツの雰囲気にふさわしい装いでパドックを楽しんだ。

    シフリンはアントネッリとも対面し、アントネッリは彼女の2026年冬季オリンピック金メダルを試着。その後にアントネッリが勝利を収めると、シフリンはインスタグラムで興奮を投稿し、素晴らしいレースだったと祝福した。


    ■ ゴルフ界からもジョン・ラームとイアン・ポールター
    ライダーカップで欧州代表として5勝を挙げ、モータースポーツ好きとしても知られるイアン・ポールターは、マイアミで多忙な週を過ごした。

    ポールターはマクラーレンの新ゴルフライン発表に、ジャスティン・ローズやミシェル・ウィー・ウェストとともに参加。その後もレース週末に残り、マクラーレンのダブル表彰台を祝った。

    メキシコシティでのLIVゴルフ勝利直後だったジョン・ラームも、フェアウェイを離れてマイアミのパドックを満喫。ナダルとともにパドックを巡り、スペイン勢と交流した。


    ■ 米国スポーツ界のスターも続々来場
    オリンピック王者で世界王者のノア・ライルズは、米国開催レースの常連になりつつある。スプリントレース前のグリッドでは、彼らしいエネルギーを見せた。

    オリンピック王者で世界記録保持者のシドニー・マクラフリン=レブロンも、タグ・ホイヤーのゲストとしてマイアミでグランプリデビューを果たした。

    さらに、メッシだけでなくインテル・マイアミのチームメイトも多数来場。ルイス・スアレスはルクレールにアドバイスを送り、アウディのガレージやグリッドでレースを楽しんだ。

    アウディのパドックでは、ニコ・ヒュルケンベルグとガブリエル・ボルトレトがインテル・マイアミの選手たちとボールを使ったゲームを楽しみ、ボルトレトはブラジルらしいテクニックを披露した。


    ■ マイアミの地元チームもF1を体験
    ハードロック・スタジアムをパドックとして使用したこともあり、マイアミ・ドルフィンズの選手たちも週末の盛り上げに参加した。

    NFL選手たちは木曜日にメルセデス、マクラーレン、キャデラックなどのチームと交流し、スタジアムの芝の上でカートも体験。その後は逆に、ドライバーたちにアメリカンフットボールのドリルを体験させた。

    マイアミ・ヒートからも複数の選手が来場。シモーネ・フォンテッキオとハイメ・ハケスJr.は、オスカー・ピアストリの運転でホットラップを体験し、楽しさと恐怖が入り混じった表情を見せた。3度のオールスター選出を誇るバム・アデバヨも、パドックでレースデーの雰囲気を味わった。


    ■ スポーツ界を巻き込んだマイアミGPの存在感
    そのほかにも、アルゼンチンのグランドスラム覇者フアン・マルティン・デル・ポトロ、体操の2度のオリンピック王者スニサ・リー、競泳の4冠金メダリストであるレオン・マルシャン、5度のオリンピック出場を誇るスノーボーダーのショーン・ホワイト、DJでありNBA王者4度のシャキール・オニール、元最速王者マルセル・ジェイコブス、元バイエルン・ミュンヘンDFジェローム・ボアテングらが来場した。

    マイアミGPは、単なるF1レース週末にとどまらず、世界のスポーツスターが集う巨大なショーケースとなった。スプリント週末の激しい戦いとともに、パドックの華やかさもまた、今年のマイアミを象徴する要素となった。

    マイアミグランプリ 2026年のF1世界選手権
    Source: Formula1.com

  • レッドブルF1 FIAの“V8復活”計画を歓迎 フォードとの連携に自信

    レッドブルF1 FIAの“V8復活”計画を歓迎 フォードとの連携に自信

    FIA会長モハメド・ビン・スライエムが2030年または2031年までのV8エンジン復活を公言するなか、レッドブルF1のローラン・メキース代表はその構想を歓迎する姿勢を示した。

    2026年から新世代パワーユニット時代に突入したF1では、電動化比率を高めた新規則への評価が分かれており、すでに将来的な“次のエンジン”を巡る議論が加速している。

    FIAは2030年までのV8復活を視野
    F1は2007年にV10からV8へ移行し、その後2014年にターボハイブリッドV6へ変更された。だが、かつての自然吸気エンジン特有のサウンドを懐かしむ声は現在も根強い。

    2026年からは内燃機関と電力を50対50で配分する新世代パワーユニットが導入されたが、ファンやドライバーの間では“音”の喪失を惜しむ意見も続いている。

    そのなかで、FIA会長モハメド・ビン・スライエムはV8復活を強く推進している。

    「それは実現する」とビン・スライエムは語った。

    「2031年には、FIAはパワーユニットメーカーの投票なしでもそれを実行する権限を持つ。それがレギュレーションだ」

    「だが我々は1年前倒ししたい。今や誰もがそれを求めている」

    さらに、仮にメーカー側の合意が得られなくても実施すると強調した。

    「メーカーが賛成しなかったとしても、あと1年待てば実行される。彼らの支持が必要かどうかの問題ではない。実現する」

    「V8は戻ってくる」

    ビン・スライエムは、次世代エンジンでは電動化比率を大幅に下げる構想も示している。

    「ごく小規模な電動化は残るが、主体はエンジンになる」

    「現在のような46対54の比率にはならない。電力は最小限になる」

    F1 V8 レッドブル / フォード

    レッドブルは“新規参入”ゆえの柔軟性
    こうしたFIAの方針に対し、レッドブルF1のローラン・メキース代表は前向きな反応を見せた。

    レッドブルは今季、レッドブル・パワートレインズとして初の自社製パワーユニットを投入。フォードとの提携のもと、新時代への挑戦を続けている。

    メキースは、まだ歴史の浅い自社PU部門だからこそ、新たなルール変更にも柔軟に対応できると語る。

    「レッドブル・パワートレインズとしては、かなり前向きに受け止めている」とメキースはPlanetF1.comなどに語った。

    「我々はゼロからスタートして、このパワーユニットに挑戦してきた。そして出発点としてはかなり良いと思っている」

    「メルセデスと比べると、まだPUパフォーマンスでは不足している部分がある。それでも、ここまで戦える状態に持ってきたスタッフは素晴らしい仕事をした」

    「だから我々は次の挑戦にもワクワクしている」

    さらに、フォードとの関係性にも言及した。

    「我々は背景となる長い歴史を持っているわけではない。そのぶん柔軟で独立性もある」

    「それに、私がミルトンキーンズで毎日乗っているフォード・マスタングにはV8が積まれている」

    「だから、少し先行スタートできるかもしれないね」

    メルセデスは“完全回帰”に警鐘
    一方で、メルセデスF1のトト・ヴォルフ代表は、電動化を極端に縮小する案には慎重な姿勢を示している。

    ヴォルフは、F1が自動車業界の現実世界との接点を失うべきではないと警告した。

    「どうすればバッテリー側から十分なエネルギーを供給し、現実世界とのつながりを失わずに済むのかを考えなければならない」

    「もし100%内燃機関へ振り切れば、2030年や2031年には時代遅れに見えるかもしれない」

    そのうえで、よりシンプルかつ高出力な“次世代ハイブリッド”案を提示した。

    「もっとシンプルにしつつ、“メガエンジン”にする必要がある」

    「例えば内燃機関だけで800馬力を発生させ、さらに400馬力を電力で上乗せするような形だ。そういう方向なら我々も全面的に賛成だ」

  • アロンソ アストンマーティンF1振動問題は「エンジンではなくタイヤだった」

    アロンソ アストンマーティンF1振動問題は「エンジンではなくタイヤだった」

    フェルナンド・アロンソは、アストンマーティンF1が2026年シーズン序盤から抱えてきた最大の問題である振動を、少なくともマイアミGPの時点では乗り越えたとの見方を示した。

    AMR26は開幕前から振動と信頼性の問題に悩まされ、ホンダとの新パートナーシップにとっても厳しい船出となっていた。しかし、日本とシルバーストンの両拠点で続けられた作業により、アストンマーティンはようやく次の段階に進める土台を手にしつつある。

    アロンソが否定した“いつもの振動”
    マイアミGPの金曜日には、アロンソが無線で不満を訴え、手元を確認する映像もあったことで、再び振動問題が疑われた。しかし、アロンソはそれが従来のパワーユニット起因の振動ではなかったと説明した。

    「タイヤにフラットスポットができたことが原因だった。エンジンではなく、ホイール側のものだった」とフェルナンド・アロンソは語った。

    これにより、アストンマーティンにとって2026年最大の懸念だった振動問題はいったん区切りがついた形となる。

    さくらとシルバーストンが進めた修正作業
    振動問題の改善は、バーレーンテスト以降に続けられてきた作業の成果だ。特に日本GP後の5週間の中断期間では、鈴鹿で使用した1台をホンダのさくらの施設に持ち込み、対策が進められた。

    ホンダのトラックサイド主任エンジニアである折原伸太郎は、マイアミGPを終えて信頼性面の前進を認めている。

    「グランプリとスプリントを信頼性の問題なく完走できました。これは良い進歩です」

    信頼性の不安が和らいだことで、チームはようやく次の課題に取り組めるようになった。

    「次の焦点は、エネルギーマネジメントのためにデータを最適化することです。ドライビングの面でも同じです。そして、パワーユニットには改善すべき点が多くあります。それが我々にとって次のステップです」

    フェルナンド・アロンソ アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    性能向上はまだ先でも“土台”は整った
    アストンマーティンが振動問題を克服したとしても、それがすぐにパフォーマンス向上を意味するわけではない。アロンソの見立てでは、本格的な改善は第12戦から第14戦あたり、つまり欧州ラウンド終盤まで待つ必要がある。

    それまでのアストンマーティンは、大規模な空力アップデートではなく、信頼性、ドライバビリティ、エネルギーマネジメント、パワーユニット運用の改善を通じて、安定した基礎を築く方針とみられる。

    マイアミGPで2台が走り切ったことは、その意味で単なる完走以上の意味を持つ。アストンマーティンは2026年最大の“亡霊”をひとまず背後に置いた。ただし、競争力を取り戻すまでには、まだ別の課題が待っている。

    Source: Marca

  • エステバン・オコンとピエール・ガスリー “18年続く確執” 同席でも会話なし

    エステバン・オコンとピエール・ガスリー “18年続く確執” 同席でも会話なし

    アルピーヌ時代に幾度も接触事故を起こしたエステバン・オコンとピエール・ガスリーの関係が、いまなお修復されていないと独メディアが報じた。

    両者は2026年シーズン開幕前のF1中断期間中、アイザック・ハジャーとともにパリ・サンジェルマンのチャンピオンズリーグ戦を観戦。また、フランスの「Canal Plus」の番組にもそろって出演していたが、表向きの共演とは裏腹に、私生活では依然として“冷戦状態”が続いているという。

    18年前のカート時代から続くライバル関係
    独『Sport Bild』によると、ガスリーとオコンはPSG戦を“自ら望んで一緒に観戦したわけではない”という。両者ともクラブ側から招待された形で、現在も「互いに口を利かない関係」にあると報じられている。

    2人は幼少期のカート時代には友人関係にあったものの、2008年のレースをきっかけに関係が悪化したとされる。当時、ガスリーは最終ラップでオコンを抜いたものの、その後失格裁定を受けた。

    ガスリーはNetflix『Drive to Survive』で、この関係について次のように語っていた。

    「僕はエステバンとの関係を修復するために何度もチャンスを与えてきた」

    「でも、相手にその気がないなら、それで構わない」

    アルピーヌ時代にも衝突を繰り返した
    両者は2023年と2024年にアルピーヌでチームメイトを務めたが、その期間中にも関係改善には至らなかった。

    2024年F1オーストラリアGPでは接触により両者がリタイア。さらにモナコGPでも同士討ちを起こし、チーム内の緊張が大きく表面化した。

    シーズン終了後、オコンはアルピーヌを離脱してハースへ移籍。アルピーヌはジャック・ドゥーハンを早期デビューさせる代わりに、オコンにハースでのテスト参加を認める形となった。

    2026年は明暗分かれるシーズンに
    2026年シーズンは両者の立場にも差が生まれている。

    レギュレーション変更を追い風にアルピーヌは戦闘力を向上させ、ピエール・ガスリーは選手権8位につけている。一方のエステバン・オコンは、ハースとアルピーヌの競争力が近いとみられる中で、ここまでわずか1ポイントに留まっている。

    さらに小松礼雄代表が公の場でオコンに対して改善を求めたこともあり、2027年以降の将来には不透明感も漂っている。

    海外ファンコミュニティでは「ハースのシートが最後になるのではないか」との声も出始めており、かつてフランス期待の若手コンビと呼ばれた2人は、いまや対照的な立場に置かれている。

    関連:角田裕毅にハースF1移籍説 小松礼雄との“不和”報道でオコンに逆風

  • エイドリアン・ニューウェイ 入院報道の裏で進むアストンマーティンF1の内部事情

    エイドリアン・ニューウェイ 入院報道の裏で進むアストンマーティンF1の内部事情

    エイドリアン・ニューウェイ(アストンマーティン)は、健康問題による入院治療を受けたとの報道が浮上するなか、その“長期不在”を巡って様々な憶測が広がっている。

    英Daily Mailは、ニューウェイが最近「体調不良」に見舞われ、病院で治療を受けていたと報道。PlanetF1は、現在のニューウェイが「主に自宅から業務を行っている」と伝えた。

    一方、アストンマーティンF1は詳細な説明を避け、「チームメンバーの個人的事項についてはコメントしない」としつつ、「エイドリアンは仕事をしており、先週はキャンパスにも来ていた」と説明している。

    ただ、ニューウェイの“消失”を巡っては、単なる健康問題だけでは説明できないとの見方も浮上している。

    ニューウェイはなぜF1パドックから姿を消したのか
    2026年シーズン開幕戦オーストラリアGPで、ニューウェイはホンダ製パワーユニットの状況について厳しいコメントを残し、大きな話題を呼んだ。

    しかし、その後の中国GP、日本GP、マイアミGPには姿を見せていない。

    スペインメディアは、ニューウェイがオーストラリアGPへ姿を見せたのは、2026年シーズン開幕戦であり、チーム代表として欠席できない事情があったためだと指摘している。

    表向きには、ニューウェイがシーズン全戦へ帯同しないことは以前から予定されていたとされる。PlanetF1によると、ニューウェイは年間10〜14戦程度のみ現場入りする予定で、これは前任のアンディ・コーウェルに近いスケジュールだったという。

    ただ、スペインメディアは、現在のアストンマーティンF1の状況そのものがニューウェイの役割を変化させている可能性を指摘している。

    AMR26はシーズン序盤、ホンダ製パワーユニット由来とされる深刻な振動問題に苦しみ、フェルナンド・アロンソは日本GPまで大きな不快感を訴えていた。

    マシン自体もダウンフォース不足が指摘されており、アストンマーティンF1は開幕4戦を終えてノーポイント。現在はキャデラックF1と争う位置まで後退している。

    そのため、「現時点ではサーキットへ行っても評価すべき新パーツが存在しない」との見方も出ている。

    実際、現場ではマイク・クラックが実質的なチーム代表として振る舞っており、ニューウェイはファクトリー側で技術開発へ集中しているとの報道もある。

    エイドリアン・ニューウェイ アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    “管理職ニューウェイ”は暫定構想だった可能性
    そもそも、ニューウェイのアストンマーティンF1加入時から、「チーム代表」という肩書き自体に驚きの声は少なくなかった。

    これまでのニューウェイは、空力設計と技術開発に集中する“純粋なエンジニア”として知られてきた人物であり、スポンサー対応やメディア業務を含むマネジメント型のチーム運営とは距離を置いてきた。

    そのため、現在の体制はあくまで暫定的なものではないかとの見方も強まっている。

    PlanetF1は、ニューウェイ自身が新たな正式チーム代表の選定を主導していると報じており、その最有力候補としてアウディを離脱したジョナサン・ウィートリーの名前が浮上している。

    ウィートリーはレッドブル時代にニューウェイと長年仕事を共にしており、セバスチャン・ベッテルやマックス・フェルスタッペンとのタイトル獲得を支えた。

    ただし、ウィートリーが実際にアストンマーティンF1へ加わるには、アウディとのガーデニング休暇(競業避止期間)が障害になる可能性もある。報道では6か月〜1年規模になるとの見方もあり、短縮にはアウディ側との交渉が必要とされている。

    そのため、ニューウェイとクラックによる現在の体制は、正式な新代表体制が整うまでの“移行期間”として機能している可能性もある。

    アストンマーティンF1は“再建モード”へ
    もっとも、アストンマーティンF1内部では、ここ数週間で一定の前進も報告されている。

    マイアミGPでフェルナンド・アロンソは、ホンダPUの振動問題について「もう問題はない」と説明。ホンダのさくら拠点と共同で進めてきた対策が成果を上げ始めているとみられている。

    ただし、依然としてパフォーマンス不足は深刻で、メルセデス勢との差は大きい。

    そうした状況のなか、ニューウェイは現場よりもファクトリー開発を優先し、2026年マシン後半戦アップデート、さらには2027年型AMR27の基盤構築へ集中している可能性が高い。

    入院報道によって広がった“ニューウェイ失踪説”だが、その裏ではアストンマーティンF1の技術危機と組織再編が同時進行しているのかもしれない。