投稿者: dbcheck

  • F1のV8復活論に追い風 フォードとGMも支持表明

    F1のV8復活論に追い風 フォードとGMも支持表明

    FIA会長モハメド・ビン・スライエムが「実現する」と発言したことで、F1におけるV8エンジン復活論が一気に現実味を帯び始めている。これまで慎重姿勢だったメーカー勢からも前向きな声が相次ぎ、2026年F1レギュレーション導入前にもかかわらず、すでに“次の次”のパワーユニット論争が動き始めた。

    特に注目されるのは、アメリカ勢の明確な支持だ。キャデラックF1として参戦するゼネラルモーターズ、そしてレッドブルと組むフォードの双方が、V8復活に好意的な姿勢を公に示している。

    フォードとGMがV8支持を明言
    デトロイト・ニュース紙に対し、フォードのレーシング部門責任者マーク・ラッシュブルックは次のように語った。

    「FIAとF1がすでに次のレギュレーションについて議論しているのを見るのは素晴らしいことだ」

    「我々はこのスポーツのステークホルダーであり、自分たちの見解を共有していく」

    「当然ながら、多くの自然吸気V8を生産している企業として、ここでV8を見たいと思っている」

    キャデラックF1の母体となるGMの社長マーク・ロイスも、同様の立場を示した。

    「私はV8とそのサウンドが大好きだ」

    「ただ、V6ハイブリッドに多額の投資をしてきたメーカーへの敬意も持っている」

    「だからF1、FIA、そしてチームが“V8へ行く”と決めるなら、我々は準備ができている」

    メルセデスF1も容認姿勢
    パドック内部でも流れは変わりつつある。メルセデスF1代表のトト・ヴォルフは、V8回帰に対してオープンな立場を示した。

    「我々は新しいエンジンレギュレーションに対してオープンだ」

    「V8エンジンには良い思い出しかないし、我々にとっては“真のメルセデスエンジン”だった」

    その一方で、完全な自然吸気回帰には慎重な姿勢も見せている。

    「もし突然、自然吸気エンジンへ完全回帰するなら、少し時代遅れに見えるかもしれない」

    「おそらく内燃エンジンで800馬力、そこに電動パワー400馬力を組み合わせる形が考えられる」

    これは現在の“電動50%時代”から完全に逆戻りするのではなく、V8+高出力ハイブリッドという折衷案を示唆した発言とも受け取れる。

    V8 / V型8気筒

    レッドブルF1も賛成 フェラーリはコスト削減重視
    新PUプロジェクトに巨額投資を続けるレッドブル・フォード・パワートレインズも、この議論に前向きだ。ローラン・メキースは次のように語った。

    「レッドブル・フォード・パワートレインズは、このアイデアにかなりオープンだ」

    「我々はこの世代のパワートレインをゼロから開発しなければならなかった。同時に、新たな挑戦には興奮している」

    一方、フェラーリF1代表のフレデリック・バスールは、技術思想よりもコスト面を問題視している。

    「異常なほど膨れ上がったエンジン予算を削減することが極めて重要だ」

    “2031年V8回帰”は現実路線になりつつある
    今回の発言群が示しているのは、V8復活論がもはや“懐古主義”ではなく、現実的な政治テーマになっているという点だ。

    FIAはすでに2031年を視野に、より軽量・低コスト・高音量なエンジンへの移行を検討しているとされる。さらに一部では、2026年F1レギュレーションの複雑さやコスト増への不満から、「もっと早い段階で方向転換が起きる可能性」まで囁かれ始めている。

    特に今回、メルセデス、フォード、GMという大手メーカーが相次いで肯定的な姿勢を示したことで、“V8復活”は単なるファン向けの理想論から、一気に現実味を帯び始めた。

  • ホンダF1 マイアミで信頼性改善「次の焦点はエネルギー管理とドライバビリティ」

    ホンダF1 マイアミで信頼性改善「次の焦点はエネルギー管理とドライバビリティ」

    ホンダは、アストンマーティンとの2026年F1プロジェクトで厳しい開幕を迎えてきたが、マイアミGPで今季初めて2台が決勝を完走したことで、次の優先課題を明確にした。

    序盤戦ではパワーユニット由来の振動が大きな問題となり、アストンマーティンのシャシーだけでなく、コックピット内のドライバーにも負担を与えていた。

    しかしマイアミでは、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールが初めてフルレース距離を走り切り、アストンマーティン・ホンダのパッケージにとって重要な節目となった。

    信頼性対策に手応え「大きな問題なく完走できた」
    ホンダのチーフエンジニアである折原伸太郎は、レーシングニュース365を含むメディアに対し、日本GP後からHRCとアストンマーティンが対策に取り組んできたと説明した。

    「日本GPの後、HRCとアストンマーティンがここに対策を持ち込むために非常に懸命に取り組んできたと話しました」

    「それらがうまく機能していることを確認できましたし、ドライバーからもアストンマーティンとホンダにとって良い前進だという前向きなコメントをもらいました」

    「大きな信頼性の問題なく、フルレース距離とスプリントレース距離を走り切ることができました。これは良い前進です」

    ホンダF1 本田技研工業

    次の課題はエネルギー管理とドライバビリティ
    これまでホンダは信頼性への対応を最優先せざるを得なかったが、マイアミで一定の前進を確認したことで、今後はパフォーマンス面の改善に軸足を移すことができる。

    折原伸太郎は、次の焦点としてエネルギー管理とドライバビリティの最適化を挙げた。

    「次の焦点として、エネルギー管理とドライバビリティに関するデータ設定の最適化に取り組むことができます」

    「パワーユニットには、まだ改善できる余地がたくさんあります。それが次です」

    アストンマーティン・ホンダは依然として競争力の面で大きな課題を抱えているが、まず完走できる基盤を整えたことは、開幕から続いた苦戦の中で重要な転換点となる。次に問われるのは、信頼性確保から得られた余地を、どこまで実際のパフォーマンス向上につなげられるかだ。

  • アイザック・ハジャー F1マイアミGPでクラッシュもメキースが全面擁護

    アイザック・ハジャー F1マイアミGPでクラッシュもメキースが全面擁護

    アイザック・ハジャー(レッドブル)は、2026年F1マイアミGPでのクラッシュを受け、早くも厳しい視線にさらされている。フランス国内では、マックス・フェルスタッペンのチームメイトに課される“セカンドシートの呪い”が再び話題となり始めた。

    ハジャーはアップグレード版RB22を投入した週末でフェルスタッペンとの差に苦しみ、決勝では追い上げを見せながらもクラッシュでリタイア。だが、チーム内部では依然として高い評価を受けているようだ。

    ローラン・メキースはハジャーを全面擁護
    フランス『レキップ』紙のフレデリック・フェレ記者は、マイアミGP後のレッドブル内部の状況について言及。その中で、チーム代表ローラン・メキースがハジャーを強く支持していると伝えた。

    「ローラン・メキースは彼の強力な擁護者だ」とフェレは記している。

    ハジャーは予選でチーム側の技術規則違反が発覚したことで、決勝をピットレーンスタートで迎えることになった。それでもレースでは力強い追い上げを見せ、一時はポイント圏争いに加わるペースを披露していた。

    しかし、その挑戦はクラッシュによって突然終わりを迎えた。

    ハジャー「57周のレースでリスクを取りすぎた」
    レース後、アイザック・ハジャーは自身のミスを率直に認めた。

    「週末を通してずっと限界で走っていたし、その限界には快適さを感じていた。でも今回はうまくいかなかった」とハジャーはCanal Plusに語った。

    「十分に正確ではなかった。57周のレースでリスクを取りすぎた。あまり賢くなかった」

    さらにハジャーは、速さがあっただけに悔しさは大きかったと明かした。

    「腹が立っている。ペースは良かったからだ。すごく簡単に追い上げられていた」

    「自分で愚かにもポイントを捨ててしまった。本当にフラストレーションを感じているし、そのうえマシンにもダメージを与えてしまった。それも重要なことだ」

    アイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング) F1 マイアミグランプリ

    “セカンドシート問題”は再燃するのか
    2026年シーズンここまで、ハジャーの獲得ポイントは4。一方でマックス・フェルスタッペンは26ポイントを積み重ねている。

    数字だけを見れば差は大きく、フランスメディアが“セカンドシートの呪い”という表現を持ち出した背景も理解できる。ただ一方で、マイアミでは追い上げ時のペース自体は決して悪くなく、レッドブル内部でも即座に評価を下げる空気ではないようだ。

    特にローラン・メキースが公然と擁護に回っている点は重要だ。レッドブルはこれまでにもセカンドドライバーへのプレッシャーが問題視されてきたが、少なくとも現時点では、ハジャーに対して短期的な結論を出す段階ではないと考えている可能性が高い。

  • エイドリアン・ニューウェイ 健康問題で入院報道 アストンマーティンF1は詳細語らず

    エイドリアン・ニューウェイ 健康問題で入院報道 アストンマーティンF1は詳細語らず

    アストンマーティンの苦境が続くなか、今度はエイドリアン・ニューウェイの健康問題が報じられた。英Daily Mailによると、ニューウェイは体調不良によって入院治療を受けており、その影響で2026年F1マイアミGPを欠席していたという。

    エイドリアン・ニューウェイは2026年からアストンマーティンに加わり、チーム再建の切り札として期待されている存在だ。

    しかし、チームは新レギュレーション初年度で深刻な不振に陥っており、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールはいまだノーポイント。そんな中で浮上した“健康不安説”は、パドック内でも大きな注目を集めている。

    ニューウェイ欠席の背景に“健康問題”報道
    英Daily Mailは、エイドリアン・ニューウェイが病院で治療を受ける必要がある体調不良に見舞われ、現在も回復過程にあると報じた。

    ニューウェイはもともと全戦帯同するタイプではなく、現場ではマイク・クラックがメディア対応を担うケースが多い。ただ、今回のマイアミGP欠席については、健康上の理由が背景にあったとされている。

    報道によれば、ニューウェイは現在も主に自宅から業務を行っており、苦戦するアストンマーティンの立て直しに取り組んでいるという。

    アストンマーティンF1は深刻な低迷状態
    2026年の新レギュレーション導入後、アストンマーティンは大きく競争力を失っている。

    マイアミGPではフェルナンド・アロンソが15位、ランス・ストロールが17位に終わり、グリッド最後尾ではキャデラックF1と争う状況となった。特にホンダ製パワーユニットを巡る振動問題は依然として解決途上とされており、チーム全体が苦しい立場に置かれている。

    次戦カナダGPまで3週間のインターバルがあるが、その間にどこまで状況を改善できるかが注目される。

    アストンマーティンは詳細コメント避ける
    一方で、アストンマーティン側は今回の報道について詳細な説明を避けている。

    チームの広報担当者は「チームメンバー個人に関する事項についてはコメントしない。エイドリアンは業務を行っており、先週もファクトリーに来ていた」とコメントした。

    ニューウェイ本人の病状や復帰時期については現時点で明らかにされていないが、チーム再建の中心人物だけに、その動向は今後も注目を集めそうだ。

  • ハミルトン フェラーリF1のシミュレーターに不信感「間違った方向に導かれる」

    ハミルトン フェラーリF1のシミュレーターに不信感「間違った方向に導かれる」

    ルイス・ハミルトンは、2026年F1シーズン序盤で苦戦が続く背景について、フェラーリF1のシミュレーター作業が「間違った方向に導いている」と感じていることを明かした。

    ランキング上ではまだ深刻な状況には見えない。ハミルトンはチームメイトのシャルル・ルクレールからわずか8ポイント差に位置しており、すべてのポイント対象セッションでトップ7入りを維持している。これはメルセデス勢以外では唯一の記録だ。

    しかし、上海で非常に好感触だった週末以降、鈴鹿では後退し、マイアミでは特にルクレールとの差が目立った。

    ハミルトン「シミュレーターが間違った方向に導いている」
    マイアミGPでは、スプリント週末の全セッションでルクレールがハミルトンを上回った。決勝ではルクレールがダメージを負った状態でのトラックリミット違反により順位を落としたことで、最終的にハミルトンが前でフィニッシュしたが、週末全体では苦しい内容だった。

    ハミルトンは、その原因として事前準備に使用しているシミュレーターとの相関問題を挙げた。

    「正直に言えば、シミュレーターが僕を間違った方向に導いている気がする。だからしばらくやめてみようと思う」

    グランプリ予選後にそう語ったハミルトンは、翌日さらに詳細を説明した。

    「次のレースでは違うアプローチを取るつもりだ。今の準備方法は助けになっていない」

    「結局は相関性の問題なんだ。シミュレーターで準備して、現地に行くと、実際のマシンの感触がまったく違う」

    ハミルトンによれば、問題はコーナー進入時の応答性不足と、中盤で発生する大きなアンダーステアだった。

    「コーナー進入でマシンが全然シャープじゃなかったし、中盤では大きなアンダーステアが出ていた。望んでいるバランスではない」

    ルイス・ハミルトン スクーデリア・フェラーリ

    “中国GPが最高の週末”だった理由
    ハミルトンは、今季ベストの内容だった中国GPでは、オーストラリアとの連戦だったため、事前のシミュレーター準備ができなかったことにも触れた。

    「僕がシミュレーターを好きじゃないのは有名な話だと思う」

    「でも毎週シミュレーターには乗っているし、常に相関性の改善に取り組んでいる」

    「シミュレーターで準備して、セットアップを決めて、実際にサーキットへ行く。でも現地ではそのセットアップが機能しない」

    特にスプリント週末では、フリー走行が1回しかないため、大胆なサスペンション変更などを避ける傾向が強く、そのまま週末を進めざるを得ないという。

    「スプリント週末ではFP1しかないから、大きな変更を加えたくなくなる。だからそのまま走り続けてしまう」

    「予選前に変更しても、理解する時間は6周しかない」

    「理想を言えば、週末の最初からシャルルと同じ方向で始めるべきだった。そうすればもっと強い週末になっていたと思う」

    そのため、ハミルトンは次戦カナダGPまでシミュレーター作業を停止する考えを明かした。

    「次のレースまでシミュレーターには乗らないつもりだ。もちろんファクトリーには行ってミーティングはする。でも少し距離を置いてみる」

    マイアミGP決勝では序盤接触でダメージ
    決勝では、1周目にフランコ・コラピントとの接触でマシンにダメージを負ったことも、ハミルトンの評価を難しくした。

    ハミルトンによれば、その影響で「ダウンフォースを0.5秒分失った」という。

    「1周目に起きるのが最悪なんだ。そうなるともう何もできない。ただ待つしかない」

    「正直、ダメージがなければ僕たちは十分に争えていたと思う。グリッドへ向かうラップではマシンの感触は良かった」

    「だから残念だ。チームがやってきたハードワークを正しく反映した結果にはならなかった」

  • レッドブルF1 “マカレナ”リアウイングは昨夏から開発 フェラーリのコピー説を否定

    レッドブルF1 “マカレナ”リアウイングは昨夏から開発 フェラーリのコピー説を否定

    レッドブルF1の“マカレナ”リアウイングは、フェラーリのコピーではなかったようだ。2026年F1マイアミGPで正式投入されたRB22の新型リアウイングは、フェラーリが先行して披露したソリューションに酷似しているとして注目を集めたが、実際にはレッドブル側でも昨夏から開発が進められていたという。

    マイアミGPの週末は、レッドブルの技術陣にとって久々に手応えを感じられるものとなった。RB22はまるで別マシンのように競争力を取り戻し、フェラーリを脅かす存在となったからだ。

    その背景には、大規模アップデートパッケージの投入がある。新型フロントウイング、改良型フロア、新しいサイドポッドに加え、注目を集めたのが“マカレナ”と呼ばれる新型リアウイングだった。

    RB22復調の裏にあった大規模アップデート
    マイアミでのRB22は、予選でフロントローを獲得し、決勝でもマックス・フェルスタッペンのスタート直後のスピンがなければ表彰台争いに加わっていた可能性があった。

    開幕当初のRB22は、シャシーと空力の両面で問題を抱えていた。しかし、非常に競争力の高いパワーユニットに支えられながら、レッドブルはマシン改善を継続。マイアミではその成果が明確に現れた。

    今回アップデートされたのは、フロントウイングやフロア、サイドポッドだけではない。フィルミングデーの写真で存在が確認されていた“マカレナ”リアウイングも、この週末に正式デビューを果たした。

    ローラン・メキースは、今回のコンセプトについて「実際にコースに出て他チームの動きを見るずっと前から、このコンセプトを考案していた」と説明している。

    「ただ、我々にはそれをサーキットへ持ち込めるようになる前に、解決しなければならないもっと大きな問題があった。これは、皆がどれだけ懸命にプッシュしているかを示す良い例だ」

    メキースのコメントからも、今回のリアウイングが短期間で生まれた“対抗策”ではなく、以前から進められていた独立開発だったことがうかがえる。

    フェラーリのコピー説は現実的ではない
    初見では、多くの関係者が「レッドブルがフェラーリをコピーしたのではないか」と推測した。しかし実際には事情は異なる。

    Autoracerによると、レッドブルはすでに昨夏の時点で、このコンセプトの設計をFIAへ提出していたという。そのタイミングはフェラーリとも大きく離れていなかった。

    こうした空力ソリューションは、数週間で完成できるものではない。フェラーリが2月に披露したあと、レッドブルが短期間で解析・設計・製造を行い、さらに実戦投入可能な完成度まで持っていくのは極めて困難だ。

    実際、レッドブルのリアウイングはフェラーリとは大きく異なる設計を採用している。

    レッドブル・レーシング F1 マイアミグランプリ

    “マカレナ”リアウイングの構造とは
    レッドブル版“マカレナ”リアウイングは、中央アクチュエーターを採用し、反転したフラップが左右エンドプレートを大きく超える独特な構造となっている。

    単なる模倣ではなく、このコンセプトのために独自の研究開発が進められていたことを示すデザインだ。

    しかも、もし本当にコピーだったのであれば、わずか2か月程度で完全に機能するリアウイングを仕上げるのは現実的ではない。フェラーリ自身も、初期段階では実戦投入を見送り、十分なセッティングと検証を経て正式投入に踏み切っている。

    つまり、このタイプのリアウイングは“思いつき”で成立するものではなく、長期的な開発が必要な高度な空力パッケージということになる。

    レッドブルが修正した「本当の問題」
    今回のアップデートで重要だったのは、単に新型パーツを投入したことではない。レッドブルは、中国GPと日本GPで露呈していた“ドライバーが限界までプッシュできない状態”そのものの解消に取り組んでいた。

    メキースはFP1後、次のように説明している。

    「中国と日本では、ライバルがどこにいたかに関係なく、マックスとアイザック・ハジャーがプッシュするのを妨げている要素がたくさんあった。そして、それを修正しようとしてきた」

    「ミルトンキーンズでは、我々を制限していたものを徹底的に掘り下げ、アップデートを投入するために膨大な作業が行われた。基本的には2種類のフロアを並行して開発していたようなものだ」

    この発言からも、今回のアップデートが単発の空力変更ではなく、RB22全体の挙動改善を目的とした包括的な修正だったことが見えてくる。

    合法性にも問題なし レッドブル技術陣の底力
    “マカレナ”リアウイングはパドックの大きな話題となったが、現時点では完全に合法なソリューションとみられている。

    マイアミGPでのデビューでも特に異常や問題は確認されず、期待どおりのパフォーマンスを示した。

    ピエール・ワシェ率いるレッドブルの技術陣は、再びF1パドックに強いインパクトを与えた。今回のリアウイングはフェラーリの後追いではなく、2026年F1レギュレーションの中で、異なるアプローチから同じ空力領域へ到達した結果と言えそうだ。

    そしてマイアミGPは、RB22が再びタイトル争いへ戻る可能性を示した週末になった。

  • メルセデスF1 アントネッリのスタート失敗は「完全にチームの責任」

    メルセデスF1 アントネッリのスタート失敗は「完全にチームの責任」

    メルセデスF1は、2026年F1マイアミGPでキミ・アントネッリがスプリントと決勝のスタートで順位を落とした件について、ドライバーではなくチーム側に責任があると認めた。

    メルセデスは今季ここまで4戦すべてでポールポジションを獲得しているが、オープニングコーナーを先頭で通過できていない。圧倒的な速さを見せる一方で、スタート手順とクラッチ制御は明確な弱点として浮上している。

    ヴォルフ「彼の責任ではまったくない」
    メルセデスのチーム代表トト・ヴォルフは、マイアミでのアントネッリの出遅れについて、本人を責める考えを明確に否定した。

    「彼の責任ではまったくない」とヴォルフは語った。

    「土曜日も日曜日も、チームのミスだったと思う。我々全員が、それが十分ではないことを分かっている」

    「クラッチであれ、グリップの見積もりであれ、我々は彼らの手に適切な道具を与えるという点で十分な仕事ができていない」

    「そして、ここ数戦でそれを正しくできていないのは、言ってみれば我々だけだ」

    アンドレア・キミ・アントネッリ F1 メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    速さで覆い隠せないメルセデスの弱点
    メルセデスはグランプリ決勝で無敗を維持しているが、ヴォルフはその速さに頼ってスタートの問題を放置することはできないと強調した。

    「我々はさらに深く掘り下げて、どうすれば修正できるのかを理解しなければならない」

    「差は、悠々と逃げ切れるほど大きくはない。だから、スタートを失敗している余裕はない」

    アントネッリのミスではなく、メルセデスのシステム側の問題として整理された今回の発言は、今季の勢力図を見るうえで重要な意味を持つ。マシンには勝てる速さがある一方で、スタートで先頭を守れなければ、その優位は一気に消える。

    メルセデスにとってマイアミGPは勝利だけでなく、2026年F1シーズンを支配しきるために修正すべき弱点を突きつけられた週末でもあった。

  • リアム・ローソン レッドブルF1の指示に驚き「ポジション返還は不要だと思った」

    リアム・ローソン レッドブルF1の指示に驚き「ポジション返還は不要だと思った」

    リアム・ローソン(レーシングブルズ)は、2026年F1マイアミGP決勝の序盤に起きたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とのバトルについて、自身としてはポジションを返す必要はないと考えていたことを明かした。

    フェルスタッペンは2番グリッドからスタートしたものの、ターン2でスピンを喫して後退。その後の追い上げの中で、ターン11でローソンと激しく並び合う展開となった。

    両者はコース外にはみ出しながらも走行を続け、ローソンが前でコーナーを立ち上がったが、直後にチームからポジションを譲るよう指示を受けた。

    ローソンは「返す必要はない」と認識
    リアム・ローソンは、レース後の取材でこの場面を振り返り、自身としてはペナルティ対象にはならないと感じていたことを認めた。

    「僕はポジションを返す必要はないと思っていた。でも、どうやら返さなければならなかったみたいだ」とローソンは語った。

    「接近戦だったけど、正直なところ今日はそこで激しく争うつもりもなかった」

    このやり取りは、かつてレッドブル陣営でフェルスタッペンと同じ環境にいたローソンだからこそ、より注目を集める場面となった。レーシングブルズ側が即座にポジション返還を指示した背景には、ペナルティ回避を最優先した判断があったとみられる。

    その直後にギアボックストラブルでリタイア
    しかし、ローソンのレースはその後まもなく終わりを迎えた。ギアボックストラブルが発生し、マシンコントロールを失ったことでピエール・ガスリー(アルピーヌ)と接触。そのままリタイアとなった。

    ローソンは当初、問題の深刻さには気付いていなかったものの、数周後には厳しい状況を悟っていたという。

    「その時点では分かっていなかった。でも、その数周後にはマシンバランスがあまり良くないことに気付いた」

    「だからトップ10に留まるのは難しかったと思う。でも、今日はそれでも可能性はあったし、少なくとも数ポイントは獲れていたと思う」

    結果としてポイント獲得は叶わなかったが、フェルスタッペンとの一件と合わせ、ローソンにとっては再び自身の存在感を示すレース序盤となった。

  • 「人生には決断が必要だ」マリオ・イゾラ 330戦支えたF1に涙の別れ

    「人生には決断が必要だ」マリオ・イゾラ 330戦支えたF1に涙の別れ

    マリオ・イゾラは、2026年F1マイアミGPを最後にF1パドックへ別れを告げた。ピレリで長年F1活動を率いてきたイゾラは、今後ACIスポーツの上級職に就く。

    2011年からF1の単独タイヤサプライヤーを務めてきたピレリ。その顔としてパドックで存在感を放ってきたイゾラにとって、マイアミでの最終戦は感情的な週末となった。

    イゾラ「第二の家族を残していくのはつらい」
    「とてもうれしい。パドックの多くの人が私のところに来て、私がF1のために多くの良いことをしてきた、そして寂しくなると言ってくれた」とイゾラはスカイ・ドイツに語った。

    「私には新しい挑戦があり、それを楽しみにしている」

    「だが、ここに第二の家族を残していく。それは私にとって難しいことだ。人生では時に決断を下さなければならない」

    イゾラは2011年以降、ピレリがF1の単独タイヤサプライヤーとして歩んできた時代を見届けてきた。その間には大きなレギュレーション変更、タイヤをめぐる議論、そして数々の記憶に残るレースがあった。

    330戦以上の記憶と、忘れられない瞬間
    「330戦、あるいはそれ以上あった。その中からひとつを選ぶのは本当に難しい」

    「2011年のメルボルンでの最初のレース。レース後、我々は全員が感情で泣いていた」

    「それからジュール・ビアンキの事故があったレース。あれはとても悲劇的だった」

    「そして最近の数戦、イタリア人ドライバーが表彰台に上がり、国歌が流れたことも、とても特別だった」

    イゾラは、F1で過ごした時間の中で叶わなかった思いにも触れた。

    「フェラーリのワールドチャンピオン獲得を経験できなかったのは残念だ」とイゾラは語った。

    「私の在任中にそれが起こることを願っていた」

    「願わくば、それが将来実現してほしい」

  • アロンソ アストンマーティンF1の現状に自虐「トップ5ならその日に引退」

    アロンソ アストンマーティンF1の現状に自虐「トップ5ならその日に引退」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は、2026年F1マイアミGPで今季自己最高となる15位でフィニッシュした。しかし、依然としてポイント争いには届かず、アストンマーティンの苦戦は続いている。

    そんな中でも、アロンソはユーモアを失っていなかった。今季のアストンマーティンF1の現状を自虐的に語りつつ、「もしトップ5に入れたら、その日の午後に引退する」と冗談を飛ばしている。

    「トップ5ならその場で引退する」 アロンソ節が炸裂
    マイアミGP後、スペイン紙『Marca』の取材に応じたフェルナンド・アロンソは、現在のAMR26の戦闘力について率直な見解を示した。

    「もし今季どこかのレースで5位を獲れたら、その日の午後に引退するよ」

    アロンソはそう冗談交じりに語り、現在のアストンマーティンF1が置かれている厳しい状況を皮肉った。

    2026年シーズンのアストンマーティンは、開幕から深刻な競争力不足に苦しんでいる。マイアミGPではアロンソが15位、チーム全体としてもこれが今季最高順位となった。

    一方で、ホンダの振動問題改善やアップデート投入など、徐々に前進の兆しも見え始めている。ただし、依然として上位勢との差は大きく、アロンソ自身も現状を冷静に受け止めている。

    雨頼みだったアストンマーティンF1
    アロンソは、マイアミGP決勝で唯一期待していたのは天候だったと明かした。

    「僕たちは雨を期待していただけだった。『雨が降るかもしれない、ピットストップを回避できるかもしれない』と思っていた」

    「でも、あまり状況は変わらなかった。前のマシンとはすでに1回ピットストップ分の差があったから、たとえ相手が追加ストップしても、まだ前にいる状況だった」

    「できることはあまりない。でも、戦略マネジメントやタイヤマネジメントについて学ぼうとしている」

    アストンマーティンF1は、現時点で純粋なペース不足を戦略だけで覆せる段階にはなく、アロンソのコメントからも苦戦の深刻さがうかがえる。

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    ランス・ストロールとの“実験”も継続
    アロンソはDAZNの取材では、チームメイトのランス・ストロールと協力しながらマシン理解を進めていることも明かした。

    「毎朝ランスと話しているんだ。もし一緒に走れたらどうするか、離れたら待つべきか、とかね」

    「エネルギーマネジメントなどを少し学ぼうとしている。冬季テストで十分な走行距離をこなせなかったから」

    2026年型マシンではエネルギーマネジメントが重要なテーマとなっており、アストンマーティンF1も依然として最適解を探っている段階にある。

    アロンソはまだ終わっていない
    アロンソの“トップ5なら即引退”発言は冗談ではあるものの、それだけ現在の状況が厳しいことを象徴している。

    それでも、アロンソ自身は現時点で引退を考えているわけではない。むしろ、2027年以降に向けてアストンマーティンF1が競争力を取り戻すことを期待している。

    エイドリアン・ニューウェイ加入、ホンダとの本格体制、そして新時代プロジェクト。アロンソは、その完成形を見るまではまだF1を去るつもりはないようだ。