投稿者: dbcheck

  • 佐藤琢磨 インディ500予選仕様で“ノートウ最速”「スピードも文句なし」

    佐藤琢磨 インディ500予選仕様で“ノートウ最速”「スピードも文句なし」

    佐藤琢磨が、第110回インディアナポリス500のプラクティス3日目を終え、予選仕様パッケージに切り替えたマシンに強い手応えを示した。

    レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの75号車ホンダを駆る佐藤琢磨は、この日の“ノートウ”最速となる223.828mphを記録。空力トウなしの単独走行で今週最速タイムをマークし、予選に向けて存在感を示した。

    「今日は予選パッケージの土台作り」
    佐藤琢磨は、この日から本格的に予選仕様へ切り替えたことを明かした。

    「昨日まではレースセットで集団走行をやっていましたが、今日は予選に向けた車作りのパッケージになりました」

    「明日は“ファストフライデー”で予選ブーストになるので、多分スピードも10マイル以上上がると思います。今日はその下地作りというか、土台作りという意味で非常に大事な日でした」

    この日は依然としてレースセットを続けるチームも多かったという。

    「7割ぐらいのチームがまだレースセットをやっていました。正直、自分としても本当はレースセットをやりたい気持ちはあったんですけど、そうすると間に合わなくなってしまう」

    「自分たちとしては、そもそも今年の予選パッケージがちゃんと機能するのかを確認する必要があったので、今日は予選の練習を優先しました」

    重要テストを消化して早めに終了
    佐藤琢磨は、この日の走行が短時間だった理由についても説明した。

    「トータルでは3ラウンドしかしていないので、周回数としては非常に短いです。ただ、確認したいことがたくさんありましたし、すごく重要なテストアイテムが2つありました」

    「ベースラウンドを終えた後に、その2つを投入して3回走って、今日は終了しました」

    さらに、夜間作業に備えてチーム側にも配慮があったという。

    「今日は早めに終わることで、メカニックたちも予選仕様へ向けた作業に集中できます。アップライト交換などもあって、本当に大仕事なんです」

    「僕たちはオープンテストから使っているショートプログラム用エンジンをそのまま使い続けますが、他のレギュラー勢はここでエンジン交換になるので、チームとしても今日は早めの切り上げという感じでした」

    「非常に良い手応えを掴めた」
    そのうえで佐藤琢磨は、予選仕様のパッケージに大きな自信を見せた。

    「今日はクルマも非常に調子を取り戻しましたし、自分自身もすごく気持ちよく走れました。確認したいことも全部できました」

    「スピードも文句なしで、すごく速かったです」

    一方で、今後の天候変化には警戒も示している。

    「今日はコンディションがすごく良かったですし、ここから金曜日、土曜日と状況も変わると思います。土曜日は雨が降るかもしれないし、日曜日は暑い予選になるかもしれません」

    「どこまでパフォーマンスを出せるかは分かりませんが、少なくとも予選パッケージについては非常に良い手応えを掴めました。引き続き明日も頑張っていきたいと思います」

    オワードが総合トップ メイヤー・シャンク勢も好調
    この日の総合トップは、アロー・マクラーレンのパト・オワードだった。227.308mphを記録し、トラフィックを利用した走行ながら今週3番手となるスピードをマークした。

    2番手にはエリオ・カストロネベス、3番手にはマーカス・アームストロング、4番手にはフェリックス・ローゼンクヴィストが入り、メイヤー・シャンク・レーシング勢が上位を占めた。

    前年王者アレックス・パロウは22番手だったが、水曜日には今週2番手となる228.026mphを記録しており、依然として有力候補のひとりと見られている。

    また、各チームはこの日から予選シミュレーションへ本格移行。33台合計で1,469周を走行し、大きなアクシデントなくセッションを終えた。

    金曜日の“ファストフライデー”では予選用ブーストが解禁され、インディ500の勢力図がさらに鮮明になっていく。

    インディ500 プラクティス3順位
    1.パト・オワード(アロー・マクラーレン) – 227.308mph
    2.エリオ・カストロネベス(メイヤー・シャンク・レーシング) – 226.977mph
    3.マーカス・アームストロング(メイヤー・シャンク・レーシング) – 226.841mph
    4.フェリックス・ローゼンクヴィスト(メイヤー・シャンク・レーシング) – 226.626mph
    5.アレクサンダー・ロッシ(エド・カーペンター・レーシング) – 226.364mph
    6.スティング・レイ・ロブ(フンコス・ホリンジャー) – 225.972mph
    7.カイオ・コレ(プレマ) – 225.793mph
    8.ロマン・グロージャン(プレマ) – 225.786mph
    9.スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ) – 225.542mph
    10.エド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング) – 225.061mph
    11.リナス・ヴィーケイ(デイル・コイン) – 224.994mph
    12.スコット・マクラフリン(チーム・ペンスキー) – 224.979mph
    13.ライアン・ハンター=レイ(DRR-Cusick) – 224.611mph
    14.カイル・カークウッド(アンドレッティ) – 224.432mph
    15.デニス・ハウガー(アンドレッティ) – 224.397mph
    16.マーカス・エリクソン(アンドレッティ) – 224.094mph
    17.佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン) – 223.876mph
    18.ノーラン・シーゲル(アロー・マクラーレン) – 223.858mph
    19.キフィン・シンプソン(チップ・ガナッシ) – 223.764mph
    20.デビッド・マルーカス(AJフォイト) – 223.391mph
    21.ウィル・パワー(チーム・ペンスキー) – 223.236mph
    22.アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ) – 223.230mph
    23.ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー) – 223.026mph
    24.キャサリン・レッグ(デイル・コイン) – 222.884mph
    25.コナー・デイリー(フンコス・ホリンジャー) – 222.746mph
    26.ジェイコブ・エイベル(デイル・コイン) – 222.632mph
    27.サンティーノ・フェルッチ(AJフォイト) – 222.504mph
    28.クリスチャン・ルンガー(アロー・マクラーレン) – 222.415mph
    29.ジャック・ハーベイ(DRR-Cusick) – 222.402mph
    30.ルイス・フォスター(レイホール・レターマン・ラニガン) – 222.293mph
    31.グラハム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン) – 222.034mph
    32.ミック・シューマッハ(プレマ) – 221.902mph
    33.クリスチャン・ラスムッセン(エド・カーペンター・レーシング) – 221.890mph

  • マックス・フェルスタッペン ニュル24予選で豪雨の夜間走行義務をクリア

    マックス・フェルスタッペン ニュル24予選で豪雨の夜間走行義務をクリア

    マックス・フェルスタッペンは、ニュルブルクリンク24時間レースの予選2回目で重要な条件を満たした。豪雨に見舞われたセッションで、チーム・フェルスタッペンのメルセデスAMG GT3は大幅なタイム更新こそなかったものの、フェルスタッペンは夜間走行義務をクリアした。

    現地時間20時に始まったセッションは、日中とは一変して強い雨に包まれた。路面は極めて難しい状態となり、各車のラップタイムは大きく落ち込んだ。

    豪雨のなかで進んだ予選2回目
    セッション序盤は、911号車マンタイ・ポルシェのケビン・エストレが紫セクターを記録し、難しいコンディションで速さを見せた。一方、チーム・フェルスタッペンではルーカス・アウアーがステアリングを握り、10分08秒131で走行を開始した。

    路面状況がわずかに改善するにつれてラップタイムも少しずつ短縮された。アウアーは30分後にジュール・グーノンへ交代するまでに9分51秒566を記録したが、この時点では44号車ファルケン・モータースポーツのポルシェを駆るクラウス・バッハラーから16秒遅れだった。

    グーノンはその後、チーム・フェルスタッペンで9分44秒949を記録。アウアーより6秒速いタイムを刻んだあと、ダニ・ジュンカデラに交代した。ジュンカデラは9分34秒713を記録したが、その後は豪雨により、多くのチームが長時間ガレージにとどまる展開となった。

    フェルスタッペンが夜間走行義務を消化
    この状況は、4度のF1ワールドチャンピオンであるフェルスタッペンにとって理想的ではなかった。レギュレーションでは、天候にかかわらず全ドライバーが夜間に少なくとも1周を走行する必要があるためだ。

    フェルスタッペンがコースインした時点でも路面はかなり濡れており、慎重に1周を走るにとどまった。それでも、フェルスタッペンは義務づけられた夜間走行を完了し、重要な条件をクリアした。

    全体のラップタイムでは、日中のタイムを上回る更新はなかった。だが、各ドライバーにとっては暗闇とウエット路面での経験を積む貴重なセッションとなった。

    トップ予選進出へチーム・フェルスタッペンは3番手
    予選2回目の最速タイムは、1号車ローヴェ・レーシングBMWの9分19秒884だった。ただし、総合では午後のセッションで80号車メルセデスAMG GT3のメルセデスAMGチームRAVENOLが記録したタイムが首位に残り、チーム・フェルスタッペンの3号車メルセデスAMG GT3は3番手となった。

    木曜日の予選プラクティスには、実に160台がエントリーした。そのうち上位49台が金曜日のトップ予選に進出し、残りの車両は50番手以降のグリッドに並ぶことになる。

    トップ予選は3段階で行われ、49台のうち上位20台が2回目のセッションへ進出し、そこから上位12台が最終セッションでポールポジションを争う。

    大きなアクシデントがなければ、フェルスタッペン・レーシングは最終トップ予選セッションまで進出すると見られている。

  • アストンマーティンF1 “AMR26を日本残留” ホンダ振動問題克服の舞台裏

    アストンマーティンF1 “AMR26を日本残留” ホンダ振動問題克服の舞台裏

    アストンマーティンとホンダが2026年F1シーズンで直面していた“深刻な振動問題”に対し、異例ともいえる対策を講じていたことが明らかになった。

    マイアミGPでは2台とも完走を果たし、フェルナンド・アロンソも「振動は解消された」と手応えを口にした。その裏では、日本GP後にアストンマーティンが1台のAMR26を日本に残し、ホンダのさくら施設で静的テストを行うという異例の対応が取られていた。

    ホンダ単体では発生しなかった“破壊的振動”
    2026年型パワーユニットを巡っては、シーズン開幕当初からアストンマーティン・ホンダが深刻な信頼性問題に苦しんでいた。

    問題の中心にあったのは、シャシーとパワーユニットが組み合わさった際に発生する“ハーモニック共振”だった。ホンダ側のテストベンチでは確認されず、実車に搭載した際のみコンポーネント破損につながる振動が発生していたという。

    ホンダ・レーシング(HRC)の渡辺康治は日本GP時点で、単体テストでは問題が確認されていないことを説明していたが、今回のマイアミGPではその対策が大きく前進した形となった。

    アストンマーティンが日本にAMR26を“置いて帰国”
    今回の改善において大きな役割を果たしたのが、アストンマーティンが日本に1台のAMR26を残したことだった。

    マイク・クラックは、ホンダがさくら施設で実車を用いたダイノテストを実施したことを明かした。

    「我々は1台のレースカーをさくらに残してダイノテストを行った」

    「ホンダは巨大企業であり、こうした問題の解析においてレーシングチーム以上の経験を持っている」

    「実車があったことで、振動の伝達経路を調査できた。これは本物のレースカーでしか確認できない部分だった」

    クラックは、シャシー側とパワーユニット側の両方で対策を進めた結果、マイアミで大きな改善が見られたと説明した。

    アロンソ「今の問題はギアボックス」
    マイアミGP後、フェルナンド・アロンソはパワーユニットについては「問題なかった」と説明。その一方で、新たな課題としてギアボックス挙動を挙げた。

    「問題はなかった。正直、週末を通して問題だったのはエンジンよりギアボックスだった」

    「ダウンシフトやアップシフト時の挙動がかなり奇妙だった。あまりコントロールできていなかった」

    「だからカナダGPへ向けた修正の最優先事項はギアボックスだ」

    アロンソは、重ブレーキングが多いカナダではギアボックス改善が必要になると語っている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    マイアミでアップデートを投入しなかった理由
    マイアミGPでアストンマーティンが空力アップデートを投入しなかった理由も、この信頼性対策にあった。

    シャシーや空力を変更すると、振動問題との因果関係を切り分けづらくなるため、チームはA/B比較を優先。まずは“正常に走れる基準”を確立することを最優先した。

    その結果、スプリントと決勝を通じて大きなトラブルなく走破できたことは、チームにとって大きな前進となった。

    ようやく始まった“本当の開発”
    これまでのアストンマーティン・ホンダは、性能開発以前に信頼性問題への“火消し”に追われていた。

    しかしマイアミで一定のベースラインを確立できたことで、ようやく本来の性能開発やエネルギーマネジメント最適化へ進める段階に入った。

    HRCの折原伸太郎は次のステップについてこう語った。

    「次はエネルギーマネジメントやドライバビリティの最適化に集中できます」

    「まだパワーユニットには改善の余地が多く残されていますが、それが次のステップになります」

    クラックも「ようやく学習できる段階に入った」と説明する。

    「シーズン序盤から我々は走行距離で大きく遅れている」

    「しかし信頼性が確保されれば、他車とレースをしながら多くを学べるようになる」

    「タイヤ理解も含め、ようやく本来の開発サイクルに入れるようになった」

    マイアミGPで見えたのは単なる完走ではない。アストンマーティンとホンダが、ようやく“スタートライン”に立ったことを意味していた。

  • レッドブルF1がクロックスと異色コラボ “RB22仕様”限定モデル発売

    レッドブルF1がクロックスと異色コラボ “RB22仕様”限定モデル発売

    レッドブルF1が、アメリカの人気フットウェアブランド「クロックス」との新たなコラボレーションを発表した。

    近年はアパレルやライフスタイル領域への展開を強化しているレッドブルだが、今回はF1マシンのデザイン要素を落とし込んだ限定モデルを投入。“F1チーム×クロックス”という異色の組み合わせが大きな注目を集めている。

    RB22から着想を得た“F1仕様クロックス”
    今回のコレクションの中心となるのは「クロックバンド クロッグ」。

    レッドブルによると、デザインは2026年型マシン「RB22」から直接インスピレーションを受けたもので、ヒール部分にはリアウイングを模した造形を採用。さらに、ヘイローをイメージした立体ディテールや、アッパー部にはミニチュアドライバーも配置されている。

    F1マシンの特徴的なフォルムを、クロックス特有のシルエットに融合させた大胆なデザインとなっている。

    モータースポーツ色を強めた「Classic Runner」も展開
    もうひとつのモデル「Classic Runner」は、レーシングシューズ風のシルエットとモータースポーツ由来の機能性をテーマに設計された。

    さらに、レッドブルF1仕様の「ジビッツ」チャームも同時展開され、ファンは好みに応じてカスタマイズできる。

    レッドブルは今回のコレクションについて「大胆(bold)」なデザインだと説明している。

    F1チームとの提携はクロックス史上初
    クロックスはこれまで映画、ゲーム、スポーツなど様々な分野とのコラボレーションを展開してきたが、F1チームとの正式提携は今回が初となる。

    近年のF1では、単なるチームグッズではなく“ライフスタイルブランド化”を進める動きが加速しており、フェラーリ、マクラーレン、メルセデスなどもファッション分野への進出を強化している。

    その中でもレッドブルは、若年層マーケティングとストリートカルチャーとの融合に積極的で、今回のクロックスとの提携もその流れを象徴する動きと言えそうだ。

    コレクションは5月21日からクロックス公式サイトおよび一部販売店で発売される。

  • メルセデスF1元エンジニア暴露「カスタマーPU供給には政治的判断がある」

    メルセデスF1元エンジニア暴露「カスタマーPU供給には政治的判断がある」

    メルセデスF1の元エンジニアが、カスタマーチーム向けPU(パワーユニット)の供給を巡る“政治的判断”の存在を明かした。

    2026年F1シーズン開幕後、マクラーレンはメルセデス製PUに関する情報共有の不足を示唆し、「同じ条件で戦っていない」と不満を漏らしていた。これに対し、トト・ヴォルフは「全チームを満足させることはできない」と説明していたが、今回の証言は、その背景にある“現実”を浮き彫りにしている。

    “速すぎるPU”は弱いチームへ? 元メルセデスF1エンジニアが証言
    元メルセデスF1エンジニアのホセマ・ガランは、ポッドキャスト「Minimo Comun Multiplo」で、自身が担当していたPU分析業務について詳細を語った。

    ガランは、PUの性能や信頼性を分析する役割を担っていたと説明。その中では、わずかに性能差のあるPUをどのチームへ供給するかという判断も行われていたという。

    「僕はその役割が本当に好きだった。パフォーマンスだけでなく、信頼性も含めて分析する必要があったからだ」

    「そこで常にジレンマがあった。『これは少し性能がいい。でも別の欠陥も見つかった。これをワークスに渡すのか? それともカスタマーに渡すのか?』という感じだ」

    さらにガランは、最終的な判断には“政治的要素”も存在していたと明かした。

    「通常はカスタマー側に渡していた。選手権順位に関係していたかどうかは言わないけどね」

    「ただ、その意味で政治的な判断は確実にあった。『このチームは基本的に成績が悪いから、一番いいものを渡しても我々を脅かさない』という考え方だ」

    「もちろん差は1000分の数秒レベルだ。FIAがこれを管理することはできない。これが現実の世界なんだ」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    マクラーレンF1は“知識不足”を克服?
    2026年シーズン序盤、マクラーレンは新世代メルセデスPUへの適応に苦しみ、ワークスとの差が指摘されていた。

    しかし、マイアミGPでは状況が一変。マクラーレンは大幅なパフォーマンス向上を見せ、逆にメルセデス側が「マクラーレンは何を変えたのか」を分析するためデータ確認を希望したとも報じられている。

    報道では、マクラーレンが短期間で“7分の1秒”近い改善を果たしたとの見方もあり、メルセデスにとっては警戒材料になりつつある。

    もちろん、メルセデスが意図的にマクラーレンへ“劣るPU”を供給していたと断定する材料は存在しない。現時点でそのような推測を行うのは危険だ。

    ただ、元内部関係者による今回の証言は、F1のカスタマーPU供給が単純な“完全イコール条件”ではない可能性を改めて示唆するものとなった。

    2026年F1で再燃する“ワークス優位”論争
    2026年F1レギュレーションではPU依存度が大幅に高まっており、エネルギーマネジメントやソフトウェア制御の重要性も増している。

    その中で、ワークスチームとカスタマーチームの間にどれほどの“見えない差”が存在するのかは、今後さらに大きな議論になりそうだ。

  • インテルがマクラーレンF1と提携 BMWザウバー以来17年ぶり復帰

    インテルがマクラーレンF1と提携 BMWザウバー以来17年ぶり復帰

    マクラーレンは、テクノロジー大手のインテルと新たなパートナーシップを締結し、同社が約17年ぶりにF1チームのスポンサーとして復帰することを発表した。

    インテルがF1チームに直接関与するのは、2006年から2009年までのBMWザウバーとの提携以来となる。

    F1とインディカーの公式コンピュートパートナーに
    今回の契約により、インテルはマクラーレンのF1チームおよびインディカーチームの公式コンピュートパートナーに就任した。契約は即時発効し、ランド・ノリスとオスカー・ピアストリのマシンには、次戦カナダGPからインテルのロゴが掲出される。

    さらにインテルのロゴは、8月にワシントンで開催されるフリーダム250でマクラーレンのインディカーの1台に掲出され、来年のインディ500にも登場する予定だ。

    インテルCEO「データを競争力に変える」
    インテルのCEOであるリップブー・タンは、マクラーレンとの提携が双方に利益をもたらすものになると語った。

    「F1レーシングとインディカーは、ハイパフォーマンス・コンピューティングにとって究極の実証の場の一部だ」

    「インテルとマクラーレンはともに可能性の限界を押し広げ、あらゆる場面でデータを競争上の優位性へと変えていく」

    インテルは今後、マクラーレンに対してデータ処理能力の支援を行うとともに、レース週末のオペレーションに必要な追加のコンピューティングパワーを提供する。

    インテルはBMWザウバー以来17年ぶりにF1チームノスポンサーに復帰する

    ザク・ブラウン「設計、製造、レースに重要な役割」
    マクラーレンCEOのザク・ブラウンも、インテルがチームの技術基盤において重要な存在になっていると強調した。

    「インテルはすでに我々のテクノロジー・エコシステムの重要な一部であり、コンピューティングにおける同社のリーダーシップは、我々がマシンを設計し、製造し、レースを戦ううえで重要な役割を果たす」

    「この関係をさらに深められることをうれしく思う」

    インテルは過去にもBMWザウバーのほか、トヨタやウィリアムズとの小規模な提携に関与していた。今回のマクラーレンとの契約は、単なるロゴ掲出にとどまらず、F1とインディカーの両プログラムにおけるデータ活用と計算処理能力の強化を狙った技術提携として位置づけられる。

  • ニコ・ヒュルケンベルグ 2026年F1レギュレーションを擁護「嫌なら見なくていい」

    ニコ・ヒュルケンベルグ 2026年F1レギュレーションを擁護「嫌なら見なくていい」

    ニコ・ヒュルケンベルグが、議論を呼んでいる2026年F1レギュレーションを擁護し、批判的な声に対して「嫌なら見なくていい」と言い切った。

    2026年F1シーズンから導入された新レギュレーションは、電動化とエネルギーマネジメントを重視した内容となっているが、ドライバーやファンからは「リフト&コーストが多すぎる」「レースが不自然だ」といった批判も噴出している。

    マイアミGPではFIAが安全性や予選運用に関する調整を実施し、2027年には内燃機関比率を高める方向でさらなる修正も予定されている。

    それでもアウディのニコ・ヒュルケンベルグは、新時代のF1を前向きに捉えている。

    「時代に合わせる必要がある」
    ヒュルケンベルグは『The Drive』に対し、F1が常に技術革新の最前線に立ってきたカテゴリーだと強調した。

    「正直に言えば、F1は昔からそういうものだったと思う」

    「F1はテクノロジーをリードする存在だし、時代に合わせていかなければならない。5年前や10年前の自動車業界を見ても、今とは全然違う。時代は変わったんだ」

    2026年型マシンに対しては、マックス・フェルスタッペンをはじめ複数のドライバーが懐疑的な姿勢を見せている。しかしヒュルケンベルグは、ここまでのレース内容について一定の評価を与えた。

    「2026年の最初の3レースを見れば、十分に面白かったと思う」

    「見応えがあったし、コース上でのアクションもたくさんあった。嫌なら見なくてもいい」

    “V10回帰論”にも現実的な見方
    FIA会長モハメド・ビン・スライエムは2031年のV8エンジン復活案に言及しており、パドック内では“自然吸気エンジン回帰論”も再燃している。

    ヒュルケンベルグ自身もV10やV12サウンドへの憧れは認めつつ、F1がサステナビリティを重視する方向へ進んだのは自然な流れだと説明した。

    「昔ながらの自然吸気V10やV12のサウンドを愛する純粋主義者がいるのは理解できる。僕自身もそういう部分は好きだ」

    「でも現実はそう簡単じゃない。数年前はサステナビリティが大きなテーマだったし、F1やルールメーカーも時代に合わせる方向へ進む必要があった」

    「もしF1が現代的で、正当性のあるビジネスやエンターテインメントであり続けたいなら、その道を進まなければならない」

    アウディは電動化を重視する2026年F1レギュレーションに魅力を感じて参戦を決めたメーカーのひとつとされており、ヒュルケンベルグの発言は、そうしたブランド戦略とも重なる内容となった。

  • F1は“第4のアメリカGP”より韓国と南アフリカへ ザク・ブラウンが市場戦略を語る

    F1は“第4のアメリカGP”より韓国と南アフリカへ ザク・ブラウンが市場戦略を語る

    マクラーレンのCEOを務めるザク・ブラウンは、F1の次なる成長戦略について「第4のアメリカGP」よりも、南アフリカや韓国といった新市場への拡大を優先すべきだとの考えを示した。

    近年のF1はNetflixの『Drive to Survive』や、ブラッド・ピット主演のF1映画効果もあり、北米市場で急成長を遂げている。現在はアメリカ国内でマイアミ、ラスベガス、オースティンの3戦を開催しているが、ブラウンは“開催数拡大”だけでは次の成長にはつながらないと見ている。

    F1の本当の成長余地は“テレビ視聴者数”
    ABX主催イベントに登壇したザク・ブラウンは、F1のアメリカ市場での最大の課題は「開催数」ではなく「視聴者数」だと説明した。

    「成長の鍵はテレビ視聴者数だと思っている」

    「アメリカにはすでに素晴らしい3つのグランプリがある。もちろん4戦、5戦開催することも可能だと思う。しかし、それは我々が拡大すべき他市場を犠牲にすることになる」

    「だから今の状況には満足している。南アフリカや韓国のような新たな成長市場が存在しているからだ」

    ブラウンは特に、アメリカ国内におけるF1視聴者数の伸びしろを重要視している。

    「NFLと比較すると、F1のテレビ視聴者数はまだかなり小さい。そこが最大の成長分野だ」

    Apple TV時代でF1人気はさらに拡大
    2026年からアメリカでのF1放映権はESPNからApple TVへ移行した。Apple幹部のエディ・キューは、開幕3戦の視聴データに強い手応えを感じているという。

    「昨年よりも大幅に視聴者数が増加している」

    「しかも日曜決勝だけではなく、週末全体を通じて長時間視聴されている」

    Appleはモバイルアプリやデジタル配信を軸に、若年層や女性ファンの獲得を進めている。F1の2025年調査では、アメリカの新規ファンの47%が18〜24歳で、その半数以上が女性だった。

    ESPN最終年となった2025年シーズンには、F1はアメリカで平均130万人の視聴者を記録。これは2022年の121万人を上回る史上最高記録だった。

    ただしNFLは2025年レギュラーシーズン平均で1870万人を記録しており、F1との差は依然として圧倒的に大きい。

    ドメニカリ「アメリカ市場はまだ始まりにすぎない」
    F1 CEOのステファノ・ドメニカリも、アメリカ市場での成長はまだ“序章”だと語る。

    「我々のアメリカでの冒険はまだ始まったばかりだ」

    「アメリカの巨大スポーツがはるか先を走っていることは理解している。しかし我々は競争者だ」

    「だから我々は挑戦を恐れない。もちろん他スポーツへの敬意は払う。しかしF1はアメリカのファン文化の一部になっていく」

    “開催数拡大”から“市場浸透”へ変わるF1戦略
    今回のザク・ブラウンとステファノ・ドメニカリの発言から見えてくるのは、F1がアメリカ市場で「新規開催地を増やす段階」から、「既存市場で文化として定着させる段階」へ戦略を移し始めていることだ。

    実際、マイアミ、ラスベガス、オースティンの3戦体制によってF1の存在感は急速に拡大した一方で、NFLやNBAのような“国民的スポーツ”との差は依然として大きい。F1側は今後、Apple TVやデジタル配信を武器に、若年層や女性ファンをさらに取り込むことで、アメリカ国内の視聴規模そのものを押し上げようとしている。

    そのうえで、次の開催地候補として南アフリカや韓国が具体的に語られた点は興味深い。F1は近年、中東・北米偏重とも言われるカレンダー構成が続いていたが、“未開拓市場の再獲得”へ再び目を向け始めていることがうかがえる。

    特にアフリカGP復活は、F1が以前から掲げてきた「全大陸開催」構想の最後のピースでもあり、韓国についてもアジア市場再強化の一環として注目される可能性がある。

  • 角田裕毅 ハースF1移籍説で浮上した“ホンダ対トヨタ”問題

    角田裕毅 ハースF1移籍説で浮上した“ホンダ対トヨタ”問題

    角田裕毅の2027年F1復帰に向けた動きが注目を集めている。2025年限りでレッドブルのレギュラーシートを失った角田裕毅は、現在はレッドブルのリザーブ兼テストドライバーとして活動しているが、パドックではすでに来季の去就を巡る憶測が広がり始めている。

    その有力候補として名前が挙がっているのがハースF1チームだ。しかし、その移籍説には“日本メーカー同士の巨大なライバル関係”という複雑な事情が絡んでいる。

    角田裕毅は現在、マックス・フェルスタッペンやアイザック・ハジャーを舞台裏で支える役割を担っている。それでも本人はフルタイムでのF1復帰を目指しており、2027年に向けて複数チームとの関連が報じられている。

    中でもハースF1チームとの関係は以前から噂されてきた。小松礼雄代表が角田裕毅を高く評価しているとされ、エステバン・オコンのパフォーマンス次第ではシート交代の可能性も取り沙汰されている。

    ハースF1移籍の障害となる“トヨタとの関係”
    しかし、そこで浮上しているのがハースF1チームとトヨタの関係だ。

    トヨタはハースF1チームへの投資を拡大し、タイトルスポンサーとして深く関与している状況にある。そのため、ホンダ支援ドライバーである角田裕毅を受け入れることに対し、内部的な抵抗が生まれる可能性が指摘されている。

    ブラジル人ジャーナリストのジュリアン・セラソリはUOL Esporteで次のように語った。

    「私が気になるのはトヨタとホンダの問題です。トヨタが本当にホンダに一泡吹かせたいと思っているのか、あるいはホンダ側が角田裕毅をそこへ行かせるのかという点です。彼はホンダのドライバーですから。これは非常に大きなライバル関係です」

    「さらに同じ文脈として、トヨタはF1への投資を拡大しています。ハースへの投資だけでなく、自分たちの“角田裕毅”を育てるために若手ドライバー育成にも力を入れています」

    「もし角田裕毅を乗せるのであれば、『ではなぜ我々は自前の若手育成にこれだけの資金を投じているのか?』という疑問が内部で出てくるはずです」

    角田裕毅 ハースF1チーム トヨタ

    角田裕毅のF1復帰はハース以外にも可能性
    ハースF1チームとの結び付きは強く見える一方で、トヨタとの関係性が実際に障害となるのであれば、角田裕毅の復帰ルートは大きく制限される可能性もある。

    一方で、アルピーヌF1も候補として名前が挙がっている。フランコ・コラピントの将来には依然として不透明感があり、2026年末にドライバー市場が再び動く可能性もあるためだ。

    ただ、レッドブル復帰の道は現状では極めて厳しいとみられている。マックス・フェルスタッペンとアイザック・ハジャーの体制が機能しているうえ、レーシングブルズではアービッド・リンドブラッドの昇格期待も高まっている。

    2027年は、角田裕毅にとってF1キャリアの行方を左右する重要なシーズンになりそうだ。

  • ホンダ EV関連損失1.4兆円で4239億円赤字 北米計画見直し

    ホンダ EV関連損失1.4兆円で4239億円赤字 北米計画見直し

    ホンダは5月14日に発表した2026年3月期決算で、EV市場環境の急変を受けて四輪電動化戦略を大幅に見直したことを明らかにした。

    北米向けEVモデルの開発中止や製造終了、中国市場での商品計画修正などにより、EV関連損失は総額1兆4536億円規模に達した。営業損益は4143億円の赤字、最終損益も4239億円の赤字へ転落している。

    EV市場失速で戦略を全面修正
    ホンダは決算資料の中で、EV市場環境が「日々激しく変化し、先行きが不透明な状況」と説明した。

    特に米国では、EV補助金見直しや化石燃料規制の緩和によってEV市場の拡大スピードが鈍化。販売奨励金の増加やEV販売台数の減少が進み、中国市場では新興EVメーカーとの競争激化が進行しているという。

    こうした状況を受け、ホンダは北米で生産予定だった一部EVモデルについて、上市および開発中止を決定。共同開発していたEVモデルについても製造終了や生産台数削減に踏み切った。

    さらに2026年3月12日には、四輪電動化戦略そのものを見直し、追加のEV計画停止を決断したことも開示している。

    “1兆円超”のEV関連損失
    今回の決算で最大の焦点となったのは、EV関連損失の規模だ。

    ホンダは売上原価に1兆479億円、研究開発費に3978億円、持分法投資損益に1241億円などを計上。EV関連損失は総額1兆4536億円に達した。

    特に大きかったのは、北米EV計画の中止に伴う減損処理だ。

    北米EV向け製造設備や開発資産について、ホンダは「売却および他への転用は困難」と判断。回収可能価額をゼロ評価とし、5213億円の減損損失を計上した。

    加えて、上市前に開発中止となったEVモデルに関連する開発資産についても3314億円の除却損失を計上している。

    関税と米国政策転換も直撃
    決算資料では、米国政府の政策転換も重要な要因として挙げられている。

    ホンダは、関税やEV税制優遇措置廃止、排出規制緩和などによって経済合理性が大きく変化したと説明。不利な契約に対する引当金として1062億円を計上した。

    さらに、部品供給契約や業務提携契約に関する補償費用などを含む引当金として5610億円を計上。EV戦略見直しがサプライチェーン全体へ波及している実態も浮き彫りとなった。

    それでもホンダは黒字回復を予想
    一方でホンダは、2027年3月期には黒字回復を見込んでいる。

    通期見通しでは、営業利益5000億円、親会社株主に帰属する当期利益2600億円を予想。EV関連損失についても、2026年3月期の1兆4536億円規模から5000億円規模へ縮小する見通しを示した。

    今回の決算は、世界的なEV市場減速と政策転換が、自動車メーカーの戦略をいかに大きく揺さぶっているかを象徴する内容となった。