投稿者: dbcheck

  • キミ・アントネッリ「メルセデスF1はエンジンだけじゃない シャシーも強力」

    キミ・アントネッリ「メルセデスF1はエンジンだけじゃない シャシーも強力」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)は、モナコGPを前に行われたバンディーニ賞の記者会見で、2026年シーズンを席巻しているメルセデスW17の強みについて語った。

    2026年シーズンのF1はここまでメルセデスが5連勝を達成。パドックではその成功要因として強力なパワーユニットがしばしば話題に上るが、現在ドライバーズランキング首位に立つアントネッリは、それだけが理由ではないと強調した。

    「W17の強さはエンジンだけではない」
    モナコ市街地コースは、長いストレートが少なく低速コーナーが連続するレイアウトのため、パワーユニット性能の影響が比較的小さいサーキットと考えられている。

    そのため、これまでエンジン面で不利とされてきたチームにとっては、今季初勝利を狙う絶好の舞台になるとの見方もある。

    しかしアントネッリは、メルセデスがモナコでも依然として有力候補であると考えている。

    「僕たちのチームは本当に素晴らしい仕事をしている」

    「残念ながら多くの人は僕たちのエンジンのポテンシャルばかりを語る。でも、僕たちのシャシーも本当に優秀なんだ」

    「コーナーでもとても速いし、タイヤの消耗も少ない。シャシーの観点から見ても、僕たちは非常に良い状態にある」

    カナダGPまでの5戦でメルセデスが見せてきた安定した速さは、パワーユニットだけでなく、コーナリング性能やタイヤマネジメント性能の高さにも支えられているというのがアントネッリの見解だ。

    フェラーリF1の追撃には警戒
    今週末のモナコGPでは、各パワーユニットメーカーに適用される可能性があるADUO(性能調整措置)の内容も注目されている。

    アントネッリは、その恩恵を受ける可能性が高いメーカーのひとつとしてフェラーリを挙げ、今後の勢力図が変化する可能性を認めた。

    「どのチームがADUOを受けるのか分かることになる。そのひとつがフェラーリのようだ」

    「もし対象チームがこの機会をうまく活用できれば、確実に差は縮まるだろう。それにフェラーリはシャシー面でも良い状態にある」

    アントネッリは、フェラーリのSF-26について、プレシーズンテストの段階からシャシー性能の高さは示されていたと評価している。

    アンドレア・キミ・アントネッリ メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    鍵を握るのはパワーユニットの進化
    一方で、現時点では決勝でのタイヤデグラデーションがフェラーリの課題だと指摘した。

    「現時点ではフェラーリはレースになると少し苦戦しているように見える。特にデグラデーションが出る状況ではそうだ」

    「ただ、もし開発版のエンジンを投入できれば、確実に近づいてくるだろう」

    「とはいえ簡単ではない。エンジンからパワーを引き出すのは決して容易なことではないからだ」

    「それでも、もし正しい解決策を見つけることができれば、彼らはかなり接近してくると思う。そして僕たちにとって脅威になる可能性がある」

    モナコでも揺るがない自信
    アントネッリの発言からは、ライバル勢への敬意と警戒を示しながらも、現在のメルセデスの総合力に対する強い自信がうかがえる。

    モナコGPはエンジン性能の影響が小さい特殊なサーキットだが、アントネッリはW17の真の強みはパワーユニットだけではなく、優れたシャシー性能とタイヤの使い方にあると考えている。

    「今のところ、僕はチームが行っている仕事に非常に自信を持っている。それがドライバーとして大きな力になっている」

  • ランド・ノリス F1モナコGP予想「フェラーリがポールポジション」

    ランド・ノリス F1モナコGP予想「フェラーリがポールポジション」

    ランド・ノリス(マクラーレン)は、2026年F1モナコGPの予選でフェラーリがポールポジションを獲得すると予想した。開幕から5戦連続でポールポジションを獲得しているメルセデスの牙城が、モンテカルロで崩れる可能性があるとみている。

    カナダGPを終えた時点で、メルセデスは予選で圧倒的な強さを発揮している。しかしノリスは、モナコ特有の低速コーナー中心のレイアウトが勢力図を変える可能性があると考えており、その恩恵を最も受けるのはフェラーリだと指摘した。

    ノリスがフェラーリ優勢を予想する理由
    ノリスが注目しているのはフェラーリSF-26の低速域でのパフォーマンスだ。モナコでは最高速よりもトラクション性能やマシンの向き変えの良さが重要になるため、フェラーリが大きなアドバンテージを持つとみている。

    「モナコはまた全く違うタイプのサーキットだ」

    「だから本当の意味で僕たちの立ち位置を確認するのはバルセロナになると思うし、それを楽しみにしている」

    「モナコは昨年も僕たちにとって悪くないサーキットだった。正直に言うと、来週のモナコではフェラーリがポールポジションを獲ると思う。彼らの低速域でのパフォーマンスは他のどのチームよりも優れている」

    「だからモナコは楽しみだ。昨年は良い結果を残せたし、自分にとって最高の週末のひとつだった。でも僕たちが苦戦している領域を考えると、圧倒的な週末になるとは言えない」

    ノリスは、シャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンのどちらかが予選最速タイムを記録する可能性が高いと考えている。

    モナコで強さを見せてきたフェラーリ
    フェラーリは近年のモナコで高い競争力を発揮してきた。

    シャルル・ルクレールは過去5回のモナコGPで3回のポールポジションを獲得しており、現在のSF-26の特性もモンテカルロに適していると考えられている。

    一方でメルセデスは2026年シーズンの予選を支配しているものの、モナコでは必ずしも圧倒的な実績を残していない。メルセデス勢による最後のモナコポールは、2019年のルイス・ハミルトンまでさかのぼる。

    そのため、通常のサーキットとは異なるモナコでは、フェラーリやマクラーレンにも十分なチャンスがあるとみられている。

    マクラーレンも前線争い継続を狙う
    もっとも、ノリスはフェラーリ優勢を予想しながらも、自らのチームの可能性を否定しているわけではない。

    カナダGPではマクラーレンがメルセデスに最も近い位置で戦っており、その流れを維持したいと語った。

    「少なくともカナダでは僕たちがメルセデスと戦えていた。だからその状態を維持して、プレッシャーをかけ続けなければならない」

    ただし、カナダで投入したアップデートをモナコで継続使用するかどうかは未定だという。

    「モナコではアップデートの効果が見えにくいし、本来のポテンシャルを引き出すのも難しい」

    「継続して使うかは分からない。まずは次回きちんと機能することを確認しなければならない。モナコで使う保証はないが、テストを行ってより良い形で機能させられるか確認する」

    ルクレールかハミルトンか 注目集まるフェラーリ
    2026年シーズンの予選ではメルセデスが全ポールポジションを獲得しているが、モナコは例年その常識が通用しないサーキットとして知られる。

    特に今年は、ルクレールの母国レースであることに加え、フェラーリがルクレールとの複数年契約延長を発表した直後でもあり、注目度はさらに高まっている。

    ノリスは、その週末の主役になるのはフェラーリだと予想する。

    モナコでメルセデスの連続ポール記録を止めるチームがあるとすれば、それはフェラーリであり、ポールポジション争いの中心にはシャルル・ルクレールかルイス・ハミルトンがいるとみている。

  • アストンマーティンF1 アレクサンダー・アルボンに接触との報道

    アストンマーティンF1 アレクサンダー・アルボンに接触との報道

    2027年のF1ドライバー市場で、アレクサンダー・アルボンの評価が急速に高まっている。フェラーリがシャルル・ルクレールとの契約延長を発表したことで、アストンマーティンは獲得ターゲットの見直しを迫られ、新たな候補としてアレクサンダー・アルボンに接触したと報じられた。

    さらにアルピーヌ、アウディ、そしてレッドブルもアレクサンダー・アルボンの動向を注視しているとされており、2027年に向けたドライバー市場の注目株となりつつある。

    ルクレール残留で次のターゲットはアレクサンダー・アルボン
    アストンマーティンは以前からフェルナンド・アロンソの後任候補を検討していた。

    アロンソの契約は2026年末で満了を迎える予定で、引退の可能性も取り沙汰されている。そのためローレンス・ストロール率いるチームは、将来のエース候補としてシャルル・ルクレールの獲得を目指し、マネジメント側と協議を行ったと報じられていた。

    しかしルクレールはフェラーリとの新たな複数年契約を締結。これによりアストンマーティンの計画は白紙となった。

    その結果、新たな候補として浮上したのがウィリアムズのアレクサンダー・アルボンだ。

    RacingNews365によると、アストンマーティンはカナダGPの週末にアルボン陣営へ接触したという。

    ウィリアムズ低迷でアルボンの将来にも注目
    アルボンは2022年からウィリアムズに所属し、チーム再建の中心人物として活躍してきた。

    しかし2026年シーズンのウィリアムズは苦戦が続いており、新レギュレーションへ向けて早期から開発リソースを集中したにもかかわらず、ここまでわずか7ポイントにとどまっている。

    チームメイトのカルロス・サインツJr.とともにフラストレーションを抱えているとされ、最近のレースではアルボンのボディランゲージにも不満が表れていると報じられている。

    アルボン自身の契約も2026年末で満了を迎えるため、2027年に向けて選択肢を探り始めているとの見方が強まっている。

    アウディとアルピーヌも接触
    もっとも、アストンマーティンが独占交渉できる状況ではない。

    報道によれば、アルピーヌとアウディもカナダGPでアルボンに接触したという。

    アルピーヌではフランコ・コラピントの契約状況が不透明なほか、アウディではニコ・ヒュルケンベルグが8月に39歳を迎えることから、将来的なラインアップ変更の可能性が指摘されている。

    経験豊富で安定したパフォーマンスを持つアルボンは、複数チームにとって魅力的な補強候補となっている。

    レッドブル復帰の可能性も消えていない
    さらに見逃せないのがレッドブルの存在だ。

    アルボンはかつてレッドブル・レーシングに所属しており、現在もオーナーのチャルーム・ユーウィッタヤとの良好な関係を維持しているとされる。

    報道では、もしマックス・フェルスタッペンが2026年末でF1を離れる場合、レッドブルがアルボンを候補リストに入れているとも伝えられている。

    現時点では具体的な交渉段階には至っていないものの、アストンマーティン、アウディ、アルピーヌ、そしてレッドブルという複数チームの関心が伝えられている状況だ。

    アストンマーティンはエイドリアン・ニューウェイやホンダとの大型プロジェクトを進めており、2027年に向けたドライバー選定はチームの将来を左右する重要なテーマとなる。その候補の一人として、アレクサンダー・アルボンの名前が急浮上している。

    【関連】
    ・2027年F1ドライバー市場の噂をRN365が特集 角田裕毅や平川亮の去就にも注目

  • フェルスタッペン レッドブルF1の弱点を懸念「モナコでは新しい背中が必要」

    フェルスタッペン レッドブルF1の弱点を懸念「モナコでは新しい背中が必要」

    マックス・フェルスタッペンはカナダGPで表彰台を獲得したものの、その結果はレッドブル・レーシング内部で高まる懸念を覆い隠すものではなかった。

    オランダ人ドライバーはカナダGPの週末を通じて、路面のバンプに対して神経質な挙動を見せるマシンに苦しめられており、F1で最も過酷な市街地コースであるモナコでは、その弱点がさらに露呈する可能性を懸念している。

    狭いコース幅、不均一な路面、そして悪名高い縁石を持つモナコでは、しなやかに路面へ追従するマシンが求められる。しかし現時点でフェルスタッペンは、レッドブルがそのようなマシンを手にしているとは考えていない。

    「路面が荒れている場所ではどこでも僕たちにとって厳しいことになる」とフェルスタッペンは Motorsport.com に語った。

    「それは今のマシンの哲学に関係している。バンプへの対応とダウンフォース量のバランスをどう取るかということだ」

    「まだ最適な状態ではない。マイアミではもう少し良かったけれど、あそこはそれほどバンピーではなかった。だから僕たちにとって適切なセットアップを見つけやすかったんだ」

    こうしたコメントは、次戦モンテカルロでのレースを前にした懸念を和らげるものではない。

    近年のモナコでレッドブルは好不調の波を経験しており、このコースでは純粋な速さ以上に乗り心地や安定性が重要になることも多い。

    モナコが究極の試練に
    もしモントリオールでRB22の弱点が露呈したのであれば、モナコではその問題がさらに拡大する可能性がある。

    低速コーナー、高低差、そして攻撃的な縁石の組み合わせは、モナコをドライバーとマシンの双方にとって最も厳しい週末のひとつにしている。

    フェルスタッペンは今後待ち受ける挑戦についてユーモアを交えながら語ったが、その言葉には明確な警告も含まれていた。

    「ああ、それは最高になりそうだね。新しい背中を注文しないといけないと思うよ」

    冗談の裏側には深刻な技術的課題がある。

    フェルスタッペンは、原因究明のための作業を続けているものの、レッドブルはまだ決定的な解決策を見つけられていないことを認めた。

    またカナダGP後には、週末のセットアップ方針についてチームと意見が一致していなかったことも明かしており、レッドブルが直面する繊細なバランス調整の難しさを浮き彫りにした。

    「原因が正確に分かっていればいいんだけどね。いくつか考えはあるし、今後はそこを重点的に取り組んでいくつもりだ」

    マックス・フェルスタッペン レッドブル・レーシング

    ローラン・メキースは楽観姿勢を維持
    フェルスタッペンがモンテカルロの市街地コースで厳しい週末を覚悟している一方で、レッドブル・レーシングのチーム代表ローラン・メキースは、より冷静な見方を示している。

    レッドブルの2026年シーズンは復活の物語となっている。

    ミルトンキーンズのチームはシーズン序盤に苦戦を強いられ、自社製パワーユニットには競争力があったものの、RB22のシャシーは期待に届かなかった。

    マイアミで投入された大規模アップグレードによって大きな前進を果たしたが、乗り心地に関する問題は依然として解決されていない。

    それでもメキースは、この問題がチームの手に負えないものだとは考えていない。

    「2026年中に解決できないと考えるような問題は、まだ何ひとつ見えていない」とローラン・メキースはコメントした。

    「ファクトリーではあらゆる分析を行い、問題を解決するだけでなく、ラップタイム向上にもつながる解決策を探している」

    「というのも、問題だけを解決するのなら比較的簡単かもしれない。しかしそれでマシンが遅くなってしまっては意味がない。問題を解決しながらラップタイムも向上させなければならない。それが複雑なところだ」

    「我々は複雑な問題が好きだ。我々にはそうした課題がたくさんある。そしてシーズン序盤から根本的な問題を解決してきたのと同じように、今回もさらにいくつかの課題を克服できると確信している」

    しかし、レッドブルがそのパズルを十分な速さで解くことができるかは別問題だ。

    路面のバンプに苦しむマシンに対してモナコは容赦なく、そしてマシンへの信頼を失ったドライバーに対してはなおさら厳しい。

    フェルスタッペンにとって次戦はライバルとの戦いというよりも、RB22そのものとの耐久戦になるかもしれない。

  • ルイス・ハミルトン F1モナコGPへ自信「パワーが支配しない唯一のコース」

    ルイス・ハミルトン F1モナコGPへ自信「パワーが支配しない唯一のコース」

    ルイス・ハミルトン(フェラーリ)は、2026年F1カナダGPでフェラーリ移籍後最高位となる2位表彰台を獲得した。その勢いを携え、次戦モナコGPに向けて強い自信を示している。

    2026年シーズンのフェラーリはコーナリング性能では高い評価を受けながらも、ストレートスピード不足に苦しんできた。しかし、エンジンパワーの重要性が比較的低いモナコ市街地コースは、その弱点を最小限に抑えられる舞台となる可能性がある。

    モナコはフェラーリの長所が際立つ舞台
    ハミルトンは、モナコが今季のフェラーリにとって大きなチャンスになると考えている。

    「パワーが支配するコースではない唯一のサーキットだと思う」

    「間違いなくマシン性能が重要になるし、僕たちのクルマはそこで本当に強いと思う」

    「今週末と同じエネルギーを持って現地入りできるように集中する。エンジニアたちとしっかり研究して、FP1からクルマを正しい位置に持っていけるようにしたい」

    モナコではオーバーテイクが極めて難しく、予選結果がレースの行方を大きく左右する。そのため、週末序盤から適切なセットアップを見つけることが重要になる。

    ハミルトンは、カナダGPで得た手応えをそのままモンテカルロへ持ち込みたい考えだ。

    フェラーリの最大の武器はシャシー性能
    現在のパドックでは、フェラーリSF-26がグリッド屈指のシャシー性能を持つとの評価が広がっている。

    今季のSF-26は高速域よりもコーナリング性能で強みを発揮しており、フェラーリ独自の排気流を活用したウイングレットコンセプトもライバル陣営の注目を集めている。

    さらに低速コーナー主体のモナコはフェラーリの特性と相性が良いとみられている。

    そのため、シャルル・ルクレールあるいはハミルトンが、今季ここまで全勝を続けているメルセデス勢の連勝を止める存在になるのではないかとの期待も高まっている。

    依然として残るストレートスピード不足
    一方で、ハミルトンはフェラーリの課題についても隠していない。

    カナダではコーナーやブレーキング区間でライバルに食らいつきながらも、ストレートに入るたびに差を広げられる状況が続いたという。

    「パワー不足さえなければ、僕たちは彼らと戦えている」

    「でも残念ながら今はそういう状況じゃない。正直なところ、もっとパワーが欲しいと思っている」

    「コーナーではついていけるし、追いかけることもできる。でもアクセルはこれ以上踏めない」

    「それなのに彼らはストレートで少しずつ離れていく。ブレーキングでまた追いついて、ストレートでまた離される。本当に難しい」

    「オーバーテイクして1秒以内に入っても、それでも相手は離れていく。それだけ彼らにはパワーがあるし、僕たちは大きく劣っている」

    ハミルトンの言葉からは、現在のフェラーリが抱える根本的な課題への苛立ちも垣間見える。

    ADUOがフェラーリ反撃の鍵となるか
    ただし、ハミルトンは近く導入される追加開発・アップグレード機会(ADUO)に期待を寄せている。

    新たな制度によって性能不足を抱えるメーカーに改善の余地が与えられる見込みであり、フェラーリもその恩恵を受ける有力候補とみられている。

    「この新しいルールによって、パフォーマンス改善に挑戦できることを本当に願っている。そうなれば僕たちも再び戦いに加われる」

    そして最後に、モナコへの期待をこう締めくくった。

    「でもモナコは楽しい週末になるはずだ」

    フェラーリにとって訪れた絶好の機会
    モナコはフェラーリの弱点を完全に消し去るコースではない。

    それでもストレート性能の影響が小さくなることで、SF-26本来のコーナリング性能やシャシー性能が最大限に発揮される可能性がある。

    カナダGPで移籍後最高成績を手にしたハミルトン、そして母国戦を迎えるシャルル・ルクレール。フェラーリにとって2026年シーズン初勝利の可能性が最も高い週末になるかもしれない。

  • エイドリアン・ニューウェイ F1モナコGPで復帰か アストンマーティンは忍耐強調

    エイドリアン・ニューウェイ F1モナコGPで復帰か アストンマーティンは忍耐強調

    アストンマーティンのアンバサダーを務めるペドロ・デ・ラ・ロサは、低迷する2026年シーズンの現状について「忍耐が必要だ」と強調し、エイドリアン・ニューウェイの存在が将来の成功につながるとの見方を示した。

    2026年シーズンのアストンマーティンは、ホンダ製パワーユニットのパフォーマンス不足やシャシー開発の遅れなどに苦しみ、厳しいスタートを切っている。

    その中で、今年チームに加わったエイドリアン・ニューウェイの姿がパドックでほとんど見られないことから、その役割や健康状態を巡る憶測も広がっている。

    スペインの報道によると、ニューウェイは今週末のF1モナコGPでアストンマーティンのガレージに姿を見せる見通しだという。ただしチームは現時点で正式な発表を行っていない。

    アストンマーティンには“我々のガウディ”がいる
    バルセロナGPのプロモーションイベントに出席したペドロ・デ・ラ・ロサは、バルセロナを象徴するサグラダ・ファミリアを引き合いに出しながら、ニューウェイを世界的建築家アントニ・ガウディになぞらえた。

    「厳しいグランプリになるだろう。シーズンがどのように始まったかは皆さんも見ていると思う。しかし我々の背後には大きな投資がある」とデ・ラ・ロサは語った。

    「今日ここに座って、このガウディによる素晴らしい建築物を見ていて思ったんだ。世界最高かどうかはともかく、間違いなく革新的な建築家だった」

    「そして我々にも“ガウディ”がいる。それがエイドリアン・ニューウェイだ」

    結果が出るまでには時間が必要
    デ・ラ・ロサは、アストンマーティンの大規模プロジェクトが成果を上げるまでには時間がかかると説明した。

    「複雑な時期になると思う。しかし我々には将来に向けた素晴らしいプロジェクトがある」

    「チームというものは人でできている。我々には非常に優秀な人材と素晴らしい設備がある。今必要なのは少しの忍耐だけだ」

    「夏の間に少しずつ我々のポテンシャルを示し始めることになるだろう」

    この発言は、元トロロッソ代表のフランツ・トストが最近、「健康状態が許すなら、ニューウェイの指揮の下でアストンマーティンは成功できる」と語ったこともあり、チームの将来に対する関心が高まる中で飛び出したものだ。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    アロンソの引退はまだ先?
    デ・ラ・ロサは、44歳となったフェルナンド・アロンソの将来についても言及し、現時点で引退を語るのは時期尚早だと主張した。

    「彼にはまだ多くのレースが残っている。引退しないことを願っている」

    そして、アロンソの考えがいかに変わりやすいかを示すエピソードも明かした。

    「2024年シーズン開幕前、彼は私に『引退するつもりだ』と言ったんだ」

    その言葉を信じたデ・ラ・ロサは、アロンソ最後のシーズンになると考え、全レースに帯同する計画を立てたという。

    しかし数戦後、アロンソの考えは変わった。

    「中国だったと思う。フェルナンドが私を脇に呼んで『あと2年契約を延長するつもりだ』と言ったんだ」

    「私は『2年も? 今年で引退するんじゃなかったのか?』と聞いた」

    「すると彼は『いやいや、あと2年やりたいんだ』と答えた」

    アストンマーティンの未来を左右する存在
    アストンマーティンは2026年からホンダとのワークス体制を開始し、さらにエイドリアン・ニューウェイというF1史上屈指の設計者を迎え入れた。しかし開幕から5戦を終えた段階では、その効果はまだ結果として表れていない。

    それでもチーム内部では悲観論は強くなく、デ・ラ・ロサの発言からは「時間さえ与えられれば巻き返せる」という確信がうかがえる。

    モナコでニューウェイが本当に現場復帰を果たすことになれば、低迷するアストンマーティンにとって象徴的な一歩となるかもしれない。そしてその先には、ホンダとの本格的な開発体制が動き出す2027年以降の大きな飛躍が見据えられている。

  • F1のV8エンジン回帰論は「我々にとって良いこと」 フォーミュラE CEOが歓迎

    F1のV8エンジン回帰論は「我々にとって良いこと」 フォーミュラE CEOが歓迎

    2026年F1レギュレーション導入からわずか数戦で、パワーユニットの将来を巡る議論が加熱している。電動出力比率を50%まで高めた新世代パワーユニットにはドライバーや関係者から批判の声が相次ぎ、FIAのモハメド・ビン・スライエム会長やF1のステファノ・ドメニカリCEOも2030年以降のV8エンジン復活を支持する姿勢を示している。

    そうした流れを、意外にも歓迎しているのがフォーミュラEだ。シリーズCEOのジェフ・ドッズは、F1が再び内燃機関中心へ回帰することは、電動カテゴリーであるフォーミュラEの価値をむしろ高めると主張している。

    F1が認めた「想定外の現実」
    ドッズはスペインのSoy Motorに対し、まずF1が現状を認識し方向修正に動いていることを評価した。

    「まず彼らを評価しなければならない。期待していたようには進んでいないことを認識し、その声に耳を傾けて変化を起こそうとしているからだ」とドッズは語った。

    「どんな組織でも、フィードバックに反応し課題へ対応する能力が必要だ。その点は高く評価すべきだと思う」

    2026年から導入された新レギュレーションでは電動出力の比率が大幅に引き上げられた。しかし、その影響でエネルギーマネジメントへの依存度が増し、ドライバーから不満の声が上がっている。

    マックス・フェルスタッペンは新世代F1マシンについて「ステロイドを打ったフォーミュラEのようだ」と評したことでも話題となった。

    「予想外ではなかった」
    ドッズは現在の状況について、多くの関係者にとって予見可能なものだったと指摘した。

    「おそらく驚くようなことではなかったし、驚くべきでもなかったと思う。難しくなることは分かっていた」

    「期待していた通りにならなかった部分はあるかもしれないが、多くの人はこうした状況になる可能性を予想していたと思う」

    この発言は、現在パドック内で進んでいる2027年以降のパワーユニット見直し議論とも重なる。メルセデスやレッドブルはFIA案を支持する一方で、アウディなどは慎重姿勢を示しており、すでに妥協案の模索も始まっている。

    フォーミュラEにとっては追い風
    興味深いのは、ドッズがF1の方向転換をフォーミュラEにとっての好材料と捉えている点だ。

    「彼らが変更することは我々にとって良いことだと思う。なぜなら彼らは内燃機関の選手権であり、我々は電動選手権だからだ」

    「非常に分かりやすい話だ」

    近年のF1は電動化を強く推進してきたが、その結果としてフォーミュラEとの立ち位置が曖昧になるとの指摘もあった。

    しかしF1がV8エンジンへ回帰し、フォーミュラEが完全電動カテゴリーとして進化を続ければ、両シリーズの個性はこれまで以上に明確になる可能性がある。

    V8復活はまだ遠い未来
    もっとも、ドッズはV8復活を期待するファンやドライバーに対し、実現までは長い時間がかかると指摘した。

    「2030年や2031年はまだかなり先の話だ」

    「もしF1ドライバーがV8復活を楽しみにしているなら、そこへ到達するまでの3〜4年を楽しみに待たなければならない」

    「かなり長く感じるだろう」

    実際、現在の2026年F1パワーユニットはメーカー各社が莫大な投資を行って開発しており、短期間で放棄することは現実的ではない。

    パドックで広がるV8支持論
    それでもV8復活を支持する声は日に日に大きくなっている。

    モハメド・ビン・スライエム会長は2030年または2031年までのV8復活を公言しており、ステファノ・ドメニカリCEOも同様の考えを示している。

    一方で、ベテラン記者のロジャー・ブノワは現行レギュレーションに極めて厳しい見方を示した。

    「私にとって、ここまでは完全な失敗だ」

    「ルールは単純であればあるほど良いという古い格言がある。それはサッカーにもF1にも当てはまる」

    さらにブノワは現在のエネルギーマネジメント中心の競技性についても疑問を呈した。

    「私はこのエネルギーマネジメントシステム全体に非常に批判的だ。マックス・フェルスタッペンは最初から正しかった」

    「今なおこれほど議論されているという事実自体が、根本的に何かがおかしいことを示している」

    F1が電動化路線を修正しつつある今、皮肉にもその恩恵を受ける可能性があるのはフォーミュラEかもしれない。両カテゴリーの役割が明確になれば、モータースポーツ全体としても新たなバランスが生まれることになりそうだ。

  • 元F1ドライバーのケビン・マグヌッセン NASCARカップシリーズ参戦決定

    元F1ドライバーのケビン・マグヌッセン NASCARカップシリーズ参戦決定

    ケビン・マグヌッセンが、またひとつ新たな挑戦に踏み出す。元F1ドライバーのマグヌッセンは、6月21日に開催されるNASCARカップシリーズのサンディエゴ市街地レースでデビューを果たすことが決定した。

    マグヌッセンはトラックハウス・レーシングの特別参戦プロジェクト「Project 91」の一員として91号車シボレーをドライブする。F1、インディカー、IMSA、ル・マン24時間レース、デイトナ24時間レースを経験してきたデンマーク人ドライバーにとって、NASCARはキャリアにおける新たな舞台となる。

    世界のトップドライバーを招く「Project 91」
    トラックハウス・レーシングの「Project 91」は、世界各国の著名ドライバーをNASCARへ招くことを目的として創設されたプログラムだ。

    これまでには、シェーン・ヴァン・ギスバーゲンが2023年のシカゴ市街地戦でNASCARデビュー戦優勝という快挙を達成。さらにキミ・ライコネンやエリオ・カストロネベスも参戦してきた。

    今回、そのバトンを受け取るのがマグヌッセンだ。

    2014年から2024年までF1で185戦に出場し、デビュー戦で表彰台を獲得。さらに2022年ブラジルGPではハースF1チームに歴史的なポールポジションをもたらした実績を持つ。

    「この機会を誇りに思う」
    マグヌッセンは今回の挑戦について次のように語った。

    「NASCARでレースをする機会を得られて、本当に興奮しているし光栄に思う」

    「ジャスティン・マークスとトラックハウスがProject 91で実現したことはユニークだ。NASCARの世界以外から来たドライバーに、このレベルで競争する機会を提供している」

    「このチャンスを得られたことを誇りに思う」

    すでに準備はスタート
    多くのゲスト参戦ドライバーとは異なり、マグヌッセンは事前準備にも本格的に取り組んでいる。

    すでにノースカロライナ州のチーム本部を訪問し、シート合わせやピットストップ手順の確認など、NASCAR特有のオペレーションを学んでいるという。

    「すでにノースカロライナでチームと時間を過ごした。みんなと会い、シートフィッティングを行い、ピットストップ手順やNASCAR週末に必要なあらゆる準備を進めてきた」

    「素晴らしい人たちの集まりだ。信じられないほど献身的で、僕と同じくらい今回のデビューを楽しみにしている」

    「サンディエゴに行って、すべてを初めて体験するのが待ちきれない」

    ケビン・マグヌッセン NASCAR

    F1ドライバーではなく“オールラウンダー”へ
    マグヌッセンはF1を離れて以降、その活動領域を大きく広げている。

    現在はBMW M Team WRTから世界耐久選手権(WEC)にフル参戦しており、直近のスパ6時間レースでは2位表彰台も獲得した。

    しかしNASCARはさらに異なる世界だ。

    車重は重く、接触を伴うバトルはより激しい。レース展開や戦略もヨーロッパのシングルシーター出身ドライバーには馴染みの薄いものとなる。

    だからこそ今回の挑戦には大きな注目が集まる。

    サンディエゴが示すマグヌッセンの新たな可能性
    今回の舞台となるサンディエゴ市街地戦は初開催イベントであり、マグヌッセンだけでなく多くのドライバーにとって未知のサーキットとなる。

    F1、スポーツカー、耐久レースと数々のカテゴリーを渡り歩いてきたマグヌッセンだが、NASCARカップシリーズへの挑戦はキャリアでも屈指の未知数と言える。

    Project 91が再び成功物語を生み出すのか。それともNASCARの洗礼を受けることになるのか。

    6月21日のサンディエゴ市街地戦は、ケビン・マグヌッセンのモータースポーツ人生に新たな1ページを刻むことになりそうだ。

  • エイドリアン・ニューウェイ争奪戦の真相 マクラーレンF1とジャガーの法廷バトル

    エイドリアン・ニューウェイ争奪戦の真相 マクラーレンF1とジャガーの法廷バトル

    2001年6月1日、F1パドックに衝撃が走った。ジャガー・レーシングは当時マクラーレンの技術責任者だったエイドリアン・ニューウェイの獲得を発表したのである。

    しかし、この発表は後にF1史に残る混乱へと発展する。ニューウェイ本人が翻意し、マクラーレンは「契約延長済み」と反論。ジャガーとマクラーレンは法廷闘争に突入し、最終的にニューウェイは移籍しなかった。

    表面的には“天才デザイナーの争奪戦”だったが、その裏にはマクラーレン内部の権力構造、ジャガーの政治闘争、そしてニューウェイ自身の将来への葛藤が複雑に絡み合っていた。

    ジャガーF1が描いた壮大な青写真
    2001年6月1日、ジャガーはニューウェイ加入を正式発表した。

    当時のチーム代表ボビー・レイホールは、かつてインディカーで共に成功を収めた旧友との再会を強調した。

    「エイドリアンを迎えられることに非常に興奮している」

    「彼が設計したマシンは過去9年間で6度のタイトルを獲得している。ジャガーをF1世界王者へ導く存在になるだろう」

    フォードのモータースポーツ部門を率いていたニキ・ラウダも、この契約を大きな勝利として歓迎した。

    「これはジャガーにとって素晴らしいニュースだ。我々はF1で勝つことに本気で取り組んできたし、今回の契約はその決意を示している」

    当時のジャガーはフォードの全面支援を受けながらも成績は低迷しており、ニューウェイ獲得はプロジェクトの象徴となるはずだった。

    移籍を決断したニューウェイの本音
    発表時点でニューウェイ自身も移籍を認めていた。

    「マクラーレンでの4年間は本当に素晴らしかったし、共に成し遂げた成功を誇りに思っている」

    「しかし最終的には、1984年から知る親友のボビーと再び仕事をする機会と、ジャガーが提示した挑戦があまりにも魅力的だった」

    一方でニューウェイは、移籍が実現するまでマクラーレンに全力を尽くすとも語っていた。

    「その間も私はやるべき仕事を抱えている。レースと選手権を勝ち取るため、マクラーレンに全力を尽くし続ける」

    だが、この言葉は後に本人によって事実上否定されることになる。

    マクラーレン内部で広がっていた亀裂
    この移籍騒動の背景には、ニューウェイとロン・デニスの関係悪化があった。

    2000年シーズン、マクラーレンはフェラーリにタイトルを奪われた。メルセデスエンジンの信頼性問題にも苦しみ、チーム全体に停滞感が漂っていた。

    さらにニューウェイは、マクラーレン特有の管理体制や企業文化に息苦しさを感じていた。

    その象徴的なエピソードがオフィスの壁の色だった。ニューウェイは自室をダックエッグブルーに塗装したが、それを巡ってデニスと衝突した。

    後にニューウェイは自伝『How To Build A Car』の中で、マクラーレンの文化を「管理され過ぎている環境」として振り返っている。

    プールサイドで起きた関係悪化の決定打
    2000年夏、南フランスにあるロン・デニスの自宅で重要な会話が行われた。

    デニスは将来的にチーム運営をエイドリアン・ニューウェイとマーティン・ウィットマーシュへ引き継ぐ考えを示した。

    ただし、いつ実現するのかという具体的な時期は示されなかった。

    ニューウェイは後に、その日の出来事をこう振り返っている。

    「その午後、プールサイドには冷たい風が吹いていた」

    「ロンには多くの長所がある。しかし彼には明確な弱点もある。そのひとつが絶対的で無条件の忠誠心を求めることだ」

    「私がその忠誠心を全面的に示さなかった瞬間から、我々の関係は永遠に変わった」

    さらにニューウェイは皮肉を込めてこう続けた。

    「オフィスを塗り替えることなど大した問題ではなかった」

    「だが彼の提案に対して跪いて感謝しなかったことは、まったく別の話だった」

    法廷闘争へ発展した移籍劇
    ジャガーの発表直後、マクラーレンは強く反発した。

    同日午後に発表された声明で、マクラーレンはニューウェイが移籍しないどころか、2005年まで契約延長していると主張した。

    双方は自らが正当な契約を保有していると主張し、法廷闘争へ発展した。

    レイホールは強気の姿勢を崩さなかった。

    「契約は契約だ。それ以上でもそれ以下でもない」

    「マクラーレンは片方の書類の方が重要だと言いたがっているが、そんなことはない」

    F1メディアには連日、新たな声明や法的文書が届き続け、騒動は泥沼化していった。

    ニューウェイが翻意した理由
    しかし裁判が進むにつれ、ニューウェイ本人がすでに考えを変えていたことが判明する。

    2001年カナダGP決勝日の6月10日、ニューウェイは声明を発表した。

    「ジャガーへの移籍に同意した直後、それが自分にとって正しい選択ではないと気付いた」

    「私はジャガーと、金曜日の朝8時30分までは何も公表しないことで合意していた」

    「そして考えが変わったことを伝えた際、彼らは発表を止めることに同意していた」

    「その時点ではごく少数の人間しか事情を知らなかった。しかし彼らは最終的に発表を行うことを選んだようだ」

    ニューウェイは、移籍を考えた理由についても率直に認めた。

    「私が当初興味を持った理由のひとつは、ボビーと再び仕事をすることだった」

    「おそらくそれによって、通常なら選ばなかった方向へ進もうとしていたのだと思う」

    ジャガー内部の権力闘争への不安
    ニューウェイが最終的に移籍を取りやめた背景には、ジャガー内部の混乱もあった。

    当時のジャガーではレイホールとラウダの間で主導権争いが起きていた。

    ロン・デニスも、その状況をニューウェイに警告していた。

    結果的にその懸念は現実となる。

    レイホールは2001年シーズン終了前にチームを去ることになった。

    ニューウェイは後にこう記している。

    「私がジャガーに興味を持った最大の理由はボビーとの関係だった」

    「チーム代表とテクニカルディレクターの関係は極めて重要だ」

    「私は移籍して、フォードやジャガー内部の権力闘争の駒になるつもりはなかった」

    「それはあまりにも大きなキャリア上のリスクだった」

    残留後も消えなかった不満
    最終的にニューウェイはマクラーレン残留を選択した。

    マクラーレンはジャガーと同額の条件を提示し、将来的にはアメリカズカップなどF1以外のプロジェクトへ関与する自由も認めた。

    しかし関係が修復されたわけではなかった。

    2003年に完成したマクラーレン・テクノロジー・センターについて、ニューウェイは後に「無機質で距離感のある建物だった」と振り返っている。

    さらにロン・デニスとマーティン・ウィットマーシュが導入したマトリックス型の技術組織についても、自身の影響力を制限する試みだったと受け止めていた。

    結果としてニューウェイは、残りのマクラーレン時代を通じて組織への不満を抱え続けることになった。

    2001年の騒動が示した転換点
    この移籍騒動は単なる契約問題ではなかった。

    マクラーレンではロン・デニス体制への不満が表面化し、ジャガーではフォード主導の政治闘争が激化していた。

    エイドリアン・ニューウェイは最終的にマクラーレンへ残留したものの、チームとの関係は以前のようなものではなくなった。

    そして2005年、ニューウェイはついにマクラーレンを離れ、レッドブルへ移籍する。

    後にF1史を大きく変えることになるその決断の原点は、2001年夏のジャガー移籍騒動にあったと言えるだろう。

  • FIA会長スライエム F1のV8エンジン復活を再表明「2030年実現を目指す」

    FIA会長スライエム F1のV8エンジン復活を再表明「2030年実現を目指す」

    モハメド・ビン・スライエム FIA会長が、F1の将来に向けた自身のビジョンを改めて示した。FIA会長は、遅くとも2031年までに自然吸気V8エンジンをF1へ復活させたいとの考えを再度表明した。

    F1は現在の2026年レギュレーション時代を迎えたばかりだが、すでに2030年以降の次世代パワーユニットに関する議論が始まりつつある。ビン・スライエムは、現在の複雑なターボハイブリッド時代から脱却し、より軽量で安価、そしてファンにとって魅力的なパワーユニットへの回帰を訴えている。

    V8復活を目指すFIA会長の構想
    モハメド・ビン・スライエムは自身のSNSで次のように述べた。

    「私はV8エンジンをF1に復活させることに全力で取り組んでいる」

    「理想的には2030年、遅くとも2031年には次のFIAレギュレーションサイクルの一環として実現したい」

    「V8はより軽く、よりシンプルで、コスト効率にも優れている。また持続可能燃料を使用することで、環境目標とも両立できる」

    「そして何より、世界中のファンがF1と結びつけている独特で力強いサウンドを取り戻すことができる」

    ビン・スライエムの主張は一貫している。コスト削減、技術の簡素化、そしてファン体験の向上という3つの要素を重視しており、現在の高度に複雑化したハイブリッド時代とは対照的な方向性を示している。

    次世代パワーユニットを巡る政治戦が始動
    現行のパワーユニット規則は2030年まで継続される見込みだが、2027年には内燃機関と電動出力の配分見直しが検討されている。

    その一方で、2030年以降の次世代エンジンについては、すでに舞台裏でメーカー間の駆け引きが始まっている。

    ハイブリッド技術への投資を進めてきたメーカーの中にも、将来的な別コンセプトへの移行に前向きな姿勢を示す企業が現れ始めている。

    アウディは柔軟姿勢を示す
    その代表例がアウディだ。

    アウディF1プロジェクトを率いるマッティア・スピーニは、将来の議論に積極的に参加する考えを明らかにした。

    「アウディはこの議論に協力する。アウディはF1の一員であり、長期的にF1に参戦し続ける意思がある」

    「我々は議論の一部となるだけでなく、積極的かつ前向きな役割を果たしたい。将来に向けた適切なレギュレーションを定義するためだ」

    さらにスピーニは、エンジン形式そのものよりもF1が技術の頂点であり続けることが重要だと説明した。

    「F1は技術の最高峰であり続ける。それはF1のDNAの一部だからだ」

    「V6かV8かという形式そのものは、それほど本質的な問題ではないと思う」

    「もちろんアウディにとって高効率エンジンは重要だ。しかし一方で、FIA会長の提案の重要な要素のひとつはパワーユニットのコスト削減だ」

    V型8気筒 F1 国際自動車連盟

    2030年代のF1を左右する大きなテーマ
    現時点でF1はハイブリッド路線を維持しており、2026年に導入された新世代パワーユニットも今後数年間は使用される。

    しかし、モハメド・ビン・スライエムがV8復活を強く訴え続ける中で、メーカー各社も次のレギュレーションサイクルに向けた立場固めを始めている。

    2027年の出力配分見直しを巡る議論に続き、2030年以降のF1が「高効率ハイブリッド路線」を継続するのか、それとも「持続可能燃料を使用する自然吸気V8路線」へ舵を切るのか――。

    F1のエンジン哲学を巡る次の政治戦は、次の規則書が作られるはるか前から静かに動き始めている。